以下に、添付図面を参照して、本発明の操作装置を備えた画像形成装置の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。尚、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。又、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベット「S」はステップを意味する。
<画像形成装置及び操作装置>
以下に、本発明に係る操作装置を備えた画像形成装置について説明する。
図1は、折り装置と製本装置とが接続された画像形成装置の概略模式図である。但し、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。尚、本発明の画像形成装置は、例えば、プリンタやスキャナ単体、あるいはプリンタ、コピー、スキャナ、ファックス等を備えた複合機等が該当し、コピーサービス、スキャナサービス、ファクシミリサービス、プリンタサービス等を備えた画像形成装置として機能する。以下に、例えば、コピーサービスを利用する場合の複合機100(MFP:Multi Function Peripheral)の動作を簡単に説明する。
まず、ユーザが複合機100を利用する場合、原稿Pを複合機100の上面に備えられている原稿台101に載置し、コピーサービスの設定を操作部102から入力する。当該操作部102には、複合機100が提供するコピーサービスに関連するコピー機能画面(初期画面)が表示され、当該コピー機能画面には、複数の設定項目キー(例えば、「集約」キー、「パンチ/ステープル」キー等)が選択可能に表示されている。ユーザは、機能項目キーを選択することによって、設定条件の選択・入力をし、コピーサービスに関する設定条件(出力条件)の入力が行なわれる。
又、コピー機能画面には、原稿台101に載置された原稿の画像を、操作部102のタッチパネル上に表示する「プレビュー」キーが選択可能に表示されている。ユーザが当該「プレビュー」キーを選択すると、後述する画像読取部103が作動し(プレスキャンともいう)、読み取られた画像データを縮小したプレビュー画像が所定のプレビュー画像画面に表示される。これにより、ユーザは、プレビュー画像を見ながら、様々な設定項目キーを選択し、自己の希望する設定条件の入力を行なう。
さて、設定条件の入力が終了後、ユーザは操作部102に設けられたスタートキーを押下して、複合機100にコピーサービスの処理を開始させる。
複合機100がコピーサービスの処理を開始すると、画像読取部103において、光源104から照射された光が、前記原稿台101に置かれた原稿に反射される。反射された光は、ミラー105、106、107によって撮像素子108に導かれる。導かれた光は前記撮像素子108により光電変換されて、基本的な補正処理、画質処理、圧縮処理等を施され、前記原稿に対応する画像データが生成される。
尚、前記画像データは、複合機100に接続された通信ケーブル109を介して、ネットワーク110から出力(画像形成)の指示とともに送信されても構わない。ネットワーク110から画像データが送信される場合は、画像読取部103の処理は省略される。
又、前記画像データは、ユーザの設定条件の入力により、プレスキャンにより得られた画像データ、複数の画像データが集約された1つの画像データ、所定の付加情報(文字、ページ数等)が付加された画像データである場合も想定される。
さて、前記画像データをトナー像として転写する駆動部が画像形成部111である。前記画像形成部111には感光体ドラム112が備えられている。前記感光体ドラム112は、一定速度で所定の方向に回転し、その周囲には、回転方向の上流側から順に、帯電器113、露光ユニット114、現像器115、転写器116、クリーニングユニット117などが配置されている。
前記帯電器113は、前記感光体ドラム112の表面を一様に帯電させる。前記露光ユニット114は、帯電された前記感光体ドラム112の表面に、前記画像データに基づいてレーザーを照射し、静電潜像を形成する。前記現像器115は、搬送された静電潜像に、トナーを付着させてトナー像を形成する。形成されたトナー像は、前記転写器116により、記録媒体(例えば、シート)に転写される。前記クリーニングユニット117は、前記感光体ドラム112の表面に残された余分なトナーを取り除く。これらの一連のプロセスは、前記感光体ドラム112が回転することにより実行される。
前記シートは、前記複合機100に備えられた複数の給紙カセット118から搬送される。搬送される時は、前記シートはピックアップローラ119により何れか1つの前記給紙カセット118から搬送路へ引き出される。前記各給紙カセット118には、それぞれ異なる紙種のシートが収容されており、前記出力条件に関する設定に基づいてシートが給紙される。
搬送路に引き出された前記シートは、搬送ローラ120やレジストローラ121により感光体ドラム112と転写器116の間に送り込まれる。送り込まれると、前記シートは前記転写器116により前記トナー像が転写され、定着装置122に搬送される。尚、搬送ローラ120に搬送されるシートは、複合機100に備えられた手差しトレイ123から搬送される場合もある。
前記トナー像が転写されたシートが前記定着装置122に備えられた加熱ローラ124と加圧ローラ125の間を通過すると、前記トナー像に熱と圧力が印加されて、可視像がシートに定着される。前記加熱ローラ124の熱量は紙種に応じて最適に設定され、前記定着が適切に行われる。前記可視像がシートに定着されて画像形成が終了し、可視像が定着されたシートは、定着装置122を経て折り装置126へ搬送される。
前記搬送されたシートは、ユーザが入力した設定条件に従って、折り装置126で折り処理が施される。折り処理が入力されていない場合は、前記シートは折り装置126を通過するのみである。また、ユーザが後処理(例えば、ステープル、パンチ、製本等)を設定条件として入力した場合、通過したシートは製本装置127に搬送されて後処理を施され、排紙トレイ128に積載、収容される。
尚、前記折り装置126、製本装置127は複合機100から取り外し可能であるため、折り装置126、製本装置127が取り外された場合、定着装置122にて可視像が定着されたシートは、印刷物として複合機100の側面に設けられた排紙トレイ128に積載され、収容されることになる。
前記手順により、複合機100はコピーサービスをユーザに提供する。なお、他のサービスについては、上述した画像読取部103、画像形成部111等が駆動して提供することになる。本発明の複合機100は、ネットワーク110から送信された画像データを画像形成するプリントサービス、原稿の画像データを読み取るスキャンサービス、ネットワーク110に画像データを送受信するファクシミリ送受信サービス、一度読み取った画像データを保存するメモリサービスを提供しても構わない。
図2は、本発明に係る操作部の全体構成を示す概念図である。ユーザは、前記操作部102を用いて、上述のような画像形成についての設定条件を入力したり、入力された設定条件を確認したりする。前記設定条件が入力される場合、前記操作部102に備えられたタッチパネル201(操作パネル)、タッチペン202、操作キー203が用いられる。
前記タッチパネル201には、アナログ抵抗膜方式が採用され、透光性を有する上部フィルムと下部ガラス基板とがスペーサを介して重ね合わされた構成となっており、上部フィルムと下部ガラス基板との各々の対向面には、ITO(Indium Tin Oxide)等からなる透明電極層が設けられている。更に、上部フィルムがユーザにより押下されると、当該押下位置に対応する上部フィルム側の透明電極層と下部ガラス基板側の透明電極層とが接触するよう構成されている。上部フィルム又は下部ガラス基板に電圧を印加し、下部ガラス基板又は上部フィルムから押下位置に対応する電圧値を取り出すことにより、当該電圧値に対応する座標値(押下位置)を検出する。検出された押下位置が、タッチパネル上に表示された画面内の設定項目キー等の表示領域内に含まれると、当該設定項目の内容が入力(設定)される。
又、下部ガラス基板の下方には、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部が設けられており、当該表示部が、例えば、初期画面、コピー機能画面等の画面を表示することにより、タッチパネル201上に特定の画面が表示される。これにより、タッチパネル201には、設定条件等を入力する機能と当該設定条件等を表示する機能が兼ね備えられる。
又、タッチパネル201の近傍には、タッチペン202が備えられており、ユーザがそのタッチペン202の先をタッチパネル201に接触させると、当該接触位置(押下位置)に対応する座標値が、上記と同様に出力され、ユーザはタッチペン202により、表示された設定項目キー等を押下・選択することが可能となる。
更に、タッチパネル201近傍には、所定数の操作キー203が設けられ、例えば、テンキー204、スタートキー205、クリアキー206、ストップキー207、リセットキー208、電源キー209が備えられている。
次に、図3を用いて、複合機100及び操作部102の制御系ハードウェアの構成を説明する。図3は、本発明に係る複合機100及び操作部102の制御系ハードウェアの構成を示す図である。ただし、本発明に直接には関係しない各部の詳細は省略している。
複合機100の制御回路は、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304、各駆動部に対応するドライバ305を内部バス306によって接続している。前記CPU301は、例えば、RAM303を作業領域として利用し、前記ROM302、HDD304等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて前記ドライバ305と図示しない操作部102からのデータや指示を授受し、前記図1に示した各駆動部の動作を制御する。また、前記駆動部以外の後述する各手段(図4に示す)についても、前記CPU301がプログラムを実行することで当該各手段を実現する。
又、制御回路の内部バス306には、内部インターフェイス307も接続されており、当該内部インターフェイス307は、操作部102の制御回路等と複合機100の制御回路とを接続する。CPU301は、内部インターフェイス307を介して操作部102等の制御回路からの命令信号を受信したり、操作部102等の制御回路へ命令信号、データ等を送信したりする。
又、操作部102の制御回路には、内部バス315に、CPU309、ROM310、RAM311、LCD312、操作キー313(203)、タッチパネル314(201)、内部インターフェイス308を備える。操作キー313やタッチパネル314をユーザが操作すると、CPU309は、内部インターフェイス308を介して、当該操作に基づく命令信号を複合機100の制御回路に送信する。又、CPU309、ROM310、RAM311の機能も上記と同様であり、後述する各手段(図4に示す)についても、前記CPU309がプログラムを実行することで当該各手段を実現する。前記ROM310には、以下に説明する各手段を実現するプログラムやデータが記憶されている。
<本発明の実施形態>
次に、図4−図6を参照しながら、本発明の実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。図4は、本発明の複合機及び操作部の機能ブロック図である。図5は、本発明の実行手順を示すための第一のフローチャートである。図6は、本発明の実施形態の実行手順を示すための第二のフローチャートである。
まず、ユーザが、複合機100の電源を投入すると、複合機100とともに操作部102が起動し、操作部102の画面表示受付手段401が、予め設定された初期画面(例えば、コピー機能画面)をタッチパネル201上に表示する(図5:S101)。
図7(A)は、本発明の実施形態のタッチパネル上に表示されたコピー機能画面の一例を示す図である。
図7(A)に示すように、コピー機能画面700には、コピーサービスの条件設定を行なうための設定項目キー701(例えば、「集約」キー701a、「パンチ/ステープル」キー701b等)と、原稿台101に載置された原稿の画像データをプレビュー画像として表示させる「プレビュー」キー702と、前記プレビュー画像が表示されるプレビュー画像画面703とが表示される。
ここで、ユーザが、原稿台101上に原稿を所定の載置向きで載置する。前記原稿の載置向きとは、原稿が原稿台101上に縦長で載置された縦向き、又は、横長で載置された横向きを示している。そして、ユーザが、コピー機能画面700の「プレビュー」キー702を選択(押下)すると(図5:S102YES)、画面表示受付手段401は、当該「プレビュー」キー702の選択を受け付けて、その旨を複合機100の制御手段402に通知する。当該通知を受けた制御手段402は、画像読取手段403に画像データの読み取りを指示し、当該指示を受けた画像読取手段403は、原稿台101上の原稿の画像データを読み取って、当該画像データを画像データ記憶手段404に記憶させる(図6:S201)。尚、ユーザが、「プレビュー」キー702を選択しない場合は(図5:S102NO)、後述する。
図7(B)は、本発明の実施形態における原稿の画像データの向きと主走査方向と副走査方向との関係の一例を示す図である。
ここで、原稿台705では、図7(B)に示すように、例えば、原稿台705の左上角部を原点706(基準0)とし、当該原点706から右方向を副走査方向とし、下方向を主走査方向とするように予め設定されている。すると、当該原稿台705に載置された原稿の画像データ704は、図7(B)に示す原稿の裏面の画像データとなるから、前記原点を右上角部707とし、当該右上角部707から左方向をX軸方向(副走査方向)とし、下方向をY軸方向(主走査方向)とするように記憶される。
画像読取手段403が画像データを画像データ記憶手段404に記憶させると、その旨を制御手段402を介してプレビュー画像表示手段405に通知する。当該通知を受けたプレビュー画像表示手段405は、画像データ記憶手段404から画像データを取得して、当該画像データに対応するプレビュー画像を生成する。次に、プレビュー画像表示手段405は、向き設定情報記憶手段406に予め記憶された向き設定情報(例えば、「上辺を奥向き」、「上辺を左向き」等)を取得する。
図8(A)は、本発明の実施形態における種々のプレビュー画像の表示向きの一例を示す図である。
ここで、向き設定情報とは、プレビュー画像が表示される場合の表示向きを規定する情報である。具体的には、原稿の画像データの平面座標系をプレビュー画像の表示平面座標系に変換する場合の各軸の方向を規定する情報である。例えば、プレビュー画像表示手段405が、前記向き設定情報として「上辺を奥向き」(「上辺を上向き」)を取得した場合、図8(A)に示すように、画像データ704の原点(右上角部707)をプレビュー画像708の右上角部708とし、画像データ704のX軸方向をプレビュー画像708の左方向とし、画像データ704のY軸方向をプレビュー画像708の下方向とする。この場合、例えば、原稿の載置向きが縦向きで、向き設定情報が「上辺を奥向き」である場合、プレビュー画像の表示向きは、縦向き(縦長)となる。尚、プレビュー画像の表示向きとは、プレビュー画像がプレビュー画像画面703上に縦長で表示された縦向き、又は、横長で表示された横向きを示している。
一方、プレビュー画像表示手段405が、前記向き設定情報として「上辺を左向き」を取得した場合、画像データ704の原点(右上角部707)をプレビュー画像711の左上角部709とし、画像データ704のX軸方向をプレビュー画像711の下方向とし、画像データ704のY軸方向をプレビュー画像711の右方向とする。この場合、例えば、原稿の載置向きが縦向きで、向き設定情報が「上辺を左向き」である場合、プレビュー画像の表示向きは、横向き(横長)となる。
さて、プレビュー画像表示手段405は、上述した向き設定情報に対応した表示向きで、プレビュー画像をプレビュー画像画面703に表示する(図6:S202)。
ここで、前記プレビュー画像表示手段405が、前記プレビュー画像を表示する際に、その旨を原稿向き検知手段407に通知する。当該通知を受けた原稿向き検知手段407は、原稿台101に載置された原稿の載置向きを検知する(図6:S203)。
前記原稿の載置向きを検知する方法は、どのような方法でも構わないが、例えば、図8(A)に示すように、原稿向き検知手段407が、前記画像データ記憶手段404から画像データを参照し、当該画像データ704の左右方向(X軸方向)の長さ712と上下方向(Y軸方向)の長さ713とを比較する。当該比較の結果、左右方向の長さ712が上下方向の長さ713よりも短い場合は、前記原稿向き検知手段407は、原稿の載置向きが縦向きであると検知し、左右方向の長さが上下方向の長さよりも長い場合は、原稿の載置向きが横向きであると検知する。
前記原稿向き検知手段407が、原稿の載置向きを検知すると、その旨をプレビュー画像向き検知手段408に通知する。当該通知を受けたプレビュー画像向き検知手段408は、コピー機能画面700に表示されたプレビュー画像の表示向きを検知する(図6:S204)。
前記プレビュー画像の向きを検知する方法は、どのような方法でも構わないが、上記と同様に、プレビュー画像向き検知手段408が、前記プレビュー画像表示手段405から、現時点で表示されるプレビュー画像を参照し、図8(A)に示すように、当該プレビュー画像の左右方向の長さ714と上下方向の長さ715とを比較する。当該比較の結果、左右方向の長さ714が上下方向の長さ715よりも短い場合は、前記プレビュー画像向き検知手段408は、プレビュー画像の表示向きが縦向きであると検知し、左右方向の長さ714が上下方向の長さ715よりも長い場合は、プレビュー画像の表示向きが縦向きであると検知する。
前記プレビュー画像向き検知手段408が、プレビュー画像の表示向きを検知すると、その旨を向き判定手段409に通知する。当該通知を受けた向き判定手段409は、当該プレビュー画像の表示向きが、前記原稿の載置向きに一致するか否かを判定する(図6:S205)。
前記判定の結果、前記プレビュー画像の表示向き(例えば、縦向き)が、前記原稿の載置向き(縦向き)と一致する場合(図6:S205YES)、前記向き判定手段409は、その旨を画面表示受付手段401に通知し、当該通知を受けた画面表示手段401は、コピー機能画面700を介して設定条件の入力をユーザから受け付ける(図5:S103)。
図8(B)は、本発明の実施形態において縦長で横書きのプレビュー画像が縦向きに表示された場合の一例を示す図である。
例えば、図7(B)、図8(B)に示すように、原稿台101に載置された原稿801の載置向きが縦向きであり、前記向き設定情報が「上辺を奥向き」であり、対応するプレビュー画像802の表示向きが縦向きである場合、当該プレビュー画像802が原稿の画像をそのまま反映している。そのため、プレビュー画像の表示向きを変更する必要がなく、例えば、ユーザが、前記プレビュー画像802を見ながら、コピー機能画面700内の所定の設定項目キー701を選択して(図5:S103YES)、画面表示受付手段401が、当該設定項目キー701の選択を受け付けたとしても(図5:S104)、誤った設定条件の入力をすることはない。
一方、前記判定の結果、前記プレビュー画像の表示向きが、前記原稿の載置向きと一致しない場合(図6:S205NO)、向き判定手段409は、その旨を変更受付手段410に通知する。当該通知を受けた変更受付手段410は、当該プレビュー画像の表示向きを変更するための向き変更キー(「原稿セット向き」キーともいう)をタッチパネル上に選択可能に表示する(図6:S206)。
図9(A)は、本発明の実施形態において縦長で横書きの原稿が横向きに載置された場合の一例を示す図であり、図9(B)は、本発明の実施形態において縦長で横書きのプレビュー画像が縦向きに表示された場合の一例を示す図である。
例えば、図9(A)、図9(B)に示すように、原稿台101に載置された原稿901の載置向きが横向きであり、前記向き設定情報が「上辺を左向き」であり、対応するプレビュー画像902の表示向きが縦向きである場合、載置された原稿901の載置向きと、前記プレビュー画像902の表示向きとが一致しない。そのため、前記変更受付手段410が、前記プレビュー画像902の下方に、前記向き変更キー903を選択可能に表示する。
ここで、図9(A)、図9(B)に示すように、縦長で、横書きの原稿901が、横向きに原稿台101に載置され、前記向き設定情報「上辺を左向き」により、対応するプレビュー画像902が縦向きに表示された場合、プレビュー画像902の各行は横方向(左右方向)で表示されるため、特に問題とならない。
この場合、ユーザは、前記プレビュー画像902を見ながら、前記向き変更キー903を選択することなく(図6:S207NO)、コピー機能画面700内の所定の設定項目キー701を選択すると(図5:S103YES)、画面表示受付手段401は、当該設定項目キー701の選択を受け付けて(図5:S104)、当該設定項目の条件が入力されることになる。
図10(A)は、本発明の実施形態において横長で縦書きの原稿が横向きに載置された場合の一例を示す図であり、図10(B)は、本発明の実施形態において横長で縦書きのプレビュー画像が縦向きに表示された場合の一例を示す図である。
一方、図10(A)、図10(B)に示すように、横長で、縦書きの原稿1001が、横向きに原稿台101に載置され、前記向き設定情報「上辺を左向き」により、対応するプレビュー画像1002が縦向きに表示された場合、本来、縦書きで表示されるべきプレビュー画像1002の各行は横方向(左右方向)で表示されるため、ユーザから見て前記プレビュー画像1002の内容が視認し難く、当該プレビュー画像の表示向きが不適切であることは明らかである。
この場合、ユーザは、前記プレビュー画像1002を見ながら、前記向き変更キー903を選択すると(図6:S207YES)、前記変更受付手段410は、当該向き変更キー803の選択を受け付けて、その旨を設定受付手段411に通知する。当該通知を受けた設定受付手段411は、前記向き変更キー903の背景色(例えば、白色)を他のキーの背景色と異なる色(例えば、灰色)へ変更し、前記プレビュー画像が表示される場合の種々の表示向きを規定する所定数の向き設定キーを選択可能に表示する(図6:S208)。
図11(A)は、本発明の実施形態において表示された所定数の向き設定キーの一例を示す図である。
図11(A)に示すように、前記プレビュー画像1002の右側近傍には、ユーザにプレビュー画像の表示向きの変更を促す旨のメッセージ1101と、現時点のプレビュー画像の表示向きを示す向き設定キー1102(例えば、予め設定されていた向き設定情報に対応する「上辺を左向き」キー)と、他の表示向きを示す向き設定キー1103(例えば、他の向き設定情報に対応する「上辺を奥向き」キー)と、OKキー1004とが表示される。これにより、ユーザは、現時点のプレビュー画像の表示向きを正確に確認出来るとともに、どの向き設定キーを選択すればよいか容易に把握出来る。
ユーザは、図11(A)に示すプレビュー画像1002を見ながら、特定の向き設定キー1103(「上辺を奥向き」キー)を選択すると(図6:S209YES)、前記設定受付手段411は、当該向き設定キー1103の選択を受け付けて、その旨を表示向き変更手段412に通知する。当該通知を受けた表示向き変更手段412は、表示されているプレビュー画像1002の表示向きを、選択された向き設定キー1103が規定する表示向き(向き設定情報「上辺を奥向き」)に変更する(図6:S210)。
現時点で表示されているプレビュー画像1002は、向き設定情報「上辺を左向き」に対応するように、画像データの原点を左上角部とし、画像データのX軸方向を下方向とし、画像データのY軸方向を右方向としている。そのため、表示向き変更手段412は、前記プレビュー画像を、前記向き設定情報「上辺を奥向き」に対応するように、当該原点を右上角部とし、画像データのX軸方向を左方向とし、画像データのY軸方向を下方向とする。これにより、表示されているプレビュー画像1002が90度時計回りに回転して表示され、当該プレビュー画像の表示向きが、原稿の載置向きと一致し、縦書きの原稿も縦方向(上下方向)となる。
ユーザは、表示向きが変更されたプレビュー画像を見ながら、OKキー1104を選択すると(図6:S211YES)、前記設定受付手段411は、当該OKキー1104の選択を受け付けて、その旨を画面表示受付手段401に通知する。当該通知を受けた画面表示受付手段401は、プレビュー画像の表示向き(ここでは、選択された向き設定キーに対応する向き設定情報「上辺を奥向き」)を、画像処理がされる場合の画像データの向きとして受け付け(図6:S212)、再度、複数の設定項目キーを選択可能に表示する(図5:S101)。
図11(B)は、本発明の実施形態において横長で縦書きのプレビュー画像が横向きに表示された場合の一例を示す図である。
コピー機能画面700には、図11(B)に示すように、表示向きが変更されたプレビュー画像1105と、向き変更キー903と、所定数の設定項目キー701とが表示される。これにより、ユーザは、前記プレビュー画像の表示により誤解、混乱することなく、前記プレビュー画像1105を見ながら設定条件を入力したとしても、当該条件設定を間違えることがない。その結果、ユーザは、適切に条件設定を入力することが可能となり、ユーザによる誤った設定条件の入力と、ミスコピーの発生とを防止することが可能となる。
尚、ユーザが、特定の向き設定キー1103を選択することなく(図6:S209NO)、OKキー1104を選択した場合も(図6:S211YES)、上記と同様であり、前記画面表示受付手段401は、表示されたプレビュー画像の表示向き、つまり、予め設定されていた表示向き(例えば、「上辺を左向き」)を前記画像データの向きとして受け付けることになる(図6:S212)。又、ユーザが、OKキー1104を選択しない場合は(図6:S211NO)、S209に戻って、前記設定受付手段411が、ユーザから特定の向き設定キー1103の選択を受け付ける(図6:S209)。
さて、ユーザが、図11(B)に示すプレビュー画像を見ながら、「集約」キー701aを選択すると(図5:S103YES)、画面表示受付手段401は、当該「集約」キー601aの選択を受け付けて、当該プレビュー画面の表示向き(「縦向き」)に対応(適合)するとともに、当該「集約」に関する設定項目キーを、他の設定項目キーと比較してユーザにより優先的に選択されやすい位置に表示する。
図12(A)は、本発明の実施形態における集約に関する設定項目キーが表示された画面の一例を示す図である。
例えば、図12(A)に示すように、前記プレビュー画像の表示向きが横向きであれば、横向きに対応(適合)する設定項目キー、具体的には、2つの画像データを縦方向に配置して1つの画像データに集約する「縦配置2in1集約」キー1201が、ユーザにより選択されやすい中央部に選択可能に表示される。当該設定項目キーは、横向きである画像データを1つの画像データに収めるのに都合が良い設定項目キーである。一方、横向きに対応しない(不適合な)設定項目キー、具体的には、2つの画像データを横方向に配置して1つの画像データに集約する「横配置2in1集約」キー1202は、ユーザにより選択され難い側部に選択可能に表示される。これにより、ユーザの前記設定条件の入力を円滑に促進させることが可能となり、当該設定条件の入力ミス、ミスコピーの発生も防止することが出来る。例えば、ユーザが、前記「縦配置2in1集約」キー1201を選択すると、画面表示受付手段401により、当該「縦配置2in1集約」の設定が反映されたプレビュー画像1105aが表示される。尚、前記「縦配置2in1集約」キー1201、前記「横配置2in1集約」キー1202が属する「2in1」キーとともに、「集約なし」キー、「4in1」キー、「8in1」キー等の「集約」に関する選択項目キーが表示される。
又、例えば、ユーザが、図11(B)に示すプレビュー画像1105を見ながら、「パンチ/ステープル」キー701bを選択すると、画面表示受付手段401は、当該「パンチ/ステープル」キー701bの選択を受け付けて、上記と同様に、前記プレビュー画面の表示向き(「横向き」)に対応し、当該「パンチ/ステープル」に関する設定項目キーを、他の設定項目キーと比較してユーザにより優先的に選択されやすい位置に表示する。
図12(B)は、本発明の実施形態におけるパンチ/ステープルに関する設定項目キーが表示された画面の一例を示す図である。
例えば、図12(B)に示すように、前記プレビュー画像の表示向きが横向きであれば、横向きに対応する設定項目キー、具体的には、パンチの場合、横向きの原稿の上端部を2点パンチする「2穴上」キー1203が中央部に、横向きの原稿の左端部を2点パンチする「2穴左」キー1204が側部に表示される。又、ステープルの場合、横向きの原稿の上端部を2点ステープルする「2点上」キー1205と、横向きの原稿の左端部を2点ステープルする「2点左」キー1206とが表示される。これにより、上述と同様に、ユーザによる前記設定条件の入力を円滑に促進させるとともに、当該設定条件の入力ミスを防止することが可能となる。例えば、ユーザが、前記「2穴上」キー1203を選択すると、画面表示受付手段401により、当該「2穴上」の設定が反映されたプレビュー画像1105bが表示される。尚、前記「2穴上」キー1203、前記「2穴左」キー1204、前記「2点上」キー1205、前記「2点左」キー1206とともに、「パンチなし」キー1207、「ステープルなし」キー1208、パンチ、ステープル毎に表示されるシフトキー1209、1210等の「パンチ/ステープル」に関する設定項目キーが表示され、当該シフトキー1209、1210を選択すると、他の設定項目キーが選択可能に表示される。
さて、ユーザが、コピー機能画面700を見ながら、スタートキー205を選択すると(図5:S105YES)、画面表示受付手段401は、当該スタートキー205の選択を受け付けて、その旨を複合機の制御手段402に通知する。当該通知を受けた制御手段402は、スタートキー205が選択されるまでに受け付けた設定条件に基づいて画像形成するように、画像形成手段413に指示する。当該指示を受けた画像形成手段413は、当該設定条件に基づいて画像形成を実行する(図5:S106)。
ここで、前記設定条件には、プレビュー画像の表示向き(例えば、横向きに対応する「上辺を奥向き」)が(画像形成させる)画像データの向きとして設定されている。そのため、画像形成手段413が、画像データ記憶手段404から画像データを取得すると、当該画像データの向きを、前記向き設定情報(例えば、「上辺を奥向き」)に基づいて前記プレビュー画像の表示向きに変更する。例えば、プレビュー画像の表示向きが向き設定情報「上辺を奥向き」である場合、画像データの原点を右上角部とし、画像データのX軸方向を左方向とし、画像データ704のY軸方向を下方向とする。そして、画像形成手段412は、当該画像データに基づいて画像形成する。その結果、ユーザが、前記プレビュー画像を見ながら設定条件を入力したとしても、当該設定条件が正確に画像形成に反映されて、ユーザは、前記プレビュー画像に対応する印刷物、即ち、自己の意図する印刷物を確実に手に入れることが可能となる。もちろん、ミスコピーが発生することもない。
尚、S102において、ユーザが、「プレビュー」キー702を選択しないで(図5:S102NO)、例えば、コピー機能画面700内の所定の設定項目キー701を選択すると(図5:S103YES)、画面表示受付手段401が、当該設定項目キー701の選択を受け付けることとなる(図5:S104)。この場合は、プレビュー画像を用いて設定条件を入力する必要の無い場合、例えば、ユーザが、原稿台101に原稿を載置し、スタートキー205を選択して、単に複製物を出力させたい場合が該当する。
又、S105において、ユーザが、スタートキー205を選択しない場合は(図5:S105NO)、S102に戻って、前記画面表示受付手段401が、ユーザから「プレビュー」キーの選択(図5:S102)、設定項目キーの選択を受け付けることになる(図5:S103)。
このように、本発明の操作部102では、前記プレビュー画像がタッチパネル上に表示される際に、当該プレビュー画像の表示向きが、前記原稿の載置向きと一致するか否かを判定する向き判定手段409と、前記判定の結果、前記プレビュー画像の表示向きが、前記原稿の載置向きと一致しない場合に、当該プレビュー画像の表示向きを変更するための向き変更キーを選択可能に表示する変更受付手段410と、前記向き変更キーが選択されると、種々のプレビュー画像の表示向きを規定する所定数の向き設定キーを選択可能に表示する設定受付手段411と、特定の向き設定キーが選択されると、当該向き設定キーが規定する表示向きに、前記プレビュー画像の表示向きを変更する表示向き変更手段412とを備える。
これにより、前記プレビュー画像の表示向きが、原稿台上の原稿の載置向きと一致しない場合に、ユーザが、前記向き変更キーを選択すれば、当該プレビュー画像の各行の向き(例えば、縦書き、横書き等)に応じて、当該プレビュー画像の表示向きを自由に変更することが可能となる。そのため、ユーザは、適切に表示されたプレビュー画像を見ながら設定条件を入力することが可能となり、ユーザへの視認性、操作性を向上させることが可能となる。
尚、本発明の実施形態に係る操作部102では、複合機100のコピーサービスの処理に関して採用したが、例えば、ファクシミリ送受信サービス、プリントサービス等に対しても採用できる。更に、本発明の実施形態では、操作部102を複合機100に適用した場合について説明したが、タッチパネル301を有する操作部102(操作装置)を備えた各種画像形成装置、各種画像処理装置、各種画像加工装置、各種画像表示装置等に適用しても、同一の作用効果を奏する。
又、本発明の実施形態では、原稿向き検知手段407が、画像データの左右方向(X軸方向)の長さと上下方向(Y軸方向)の長さとを比較することにより、原稿の載置向きを検知したが、他の方法でも構わない。例えば、原稿の載置向きを特定することが可能となるように、原稿台101の特定の位置に予め設定された複数の原稿有無検知センサのON/OFF信号の組み合わせに基づいて原稿の載置向きを検知する方法でも構わない。
又、本発明の実施形態では、操作部102が各手段を備えるよう構成したが、当該各手段を実現するプログラムを記憶媒体に記憶させ、当該記憶媒体を提供するよう構成しても構わない。当該構成では、前記プログラムを操作部102或いは複合機100に読み出させ、その操作部102或いは複合機100が前記各手段を実現する。その場合、前記記録媒体から読み出されたプログラム自体が本発明の作用効果を奏する。さらに、各手段が実行するステップをハードディスクに記憶させる方法として提供することも可能である。