JP5912739B2 - 半導体メモリ及びそのテスト方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体メモリ、特に不良メモリセルを判定する為の電流テストを実施するテスト回路を備えた半導体メモリ及びそのテスト方法に関する。
不揮発性の半導体メモリとして、例えば、少なくとも2つのゲート電極を有するMONOS(Metal Oxcide Nitride Oxcide)型のメモリセルを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。MONOS型のメモリセルは、チャネル形成領域上に、一般的なゲート絶縁膜を有するトランジスタと共に、電荷を蓄積可能なONO積層絶縁膜からなるゲート絶縁膜を有するトランジスタを備えた構造を有する。 このような不揮発性半導体メモリの各メモリセルは、製造バラツキ等に起因してその読出時の電流(以下、セル電流と称する)にバラツキが生じる。この際、全メモリセルによるセル電流の分布は一般的にガウス分布に近い分布形態となる。
ところで、製造過程において物理的欠陥が生じてしまったメモリセルは、そのセル電流が大幅に増加又は減少する。よって、物理的欠陥が生じているメモリセルを含む半導体メモリはセル電流分布の範囲が広がってしまい、その分だけメモリセル各々におけるアクセスタイムのバラツキが大きくなる。
そこで、上記の如きアクセス性能の低下を招くメモリセル、つまりセル電流として許容し得るセル電流許容範囲から外れるメモリセルを判定する為のテストを実施することが望まれている。
しかしながら、半導体メモリとして製造される半導体チップは、その製造ロット毎、又はウェハ毎、或いはウェハ内のチップ毎に、セル電流許容範囲自体も変動する為、正しい判定結果を得るのが困難であるという問題があった。
特開2011−108294号
本発明は、アクセス性能の低下を招く不良メモリセルを精度良く且つ小規模な構成で判定することが可能な半導体メモリ及びそのテスト方法を提供することを目的とする。
本発明に係る半導体メモリは、複数のメモリセルを有する半導体メモリであって、前記複数のメモリセルの内の特定のメモリセルからセル電流を送出させるべき電圧を前記特定のメモリセルに印加すると共に、テスト対象となる前記メモリセルの1からセル電流を送出させるべき電圧を前記メモリセルの1に印加するメモリアクセス部と、前記特定のメモリセルから送出されたセル電流をサンプルセル電流として取り込み、当該サンプルセル電流の電流値から所定値を減算したものをベース閾値として算出する制御部と、第1追加電流及び前記第1追加電流よりも大なる第2追加電流の供給を受ける外部端子と、前記ベース閾値にて示される電流値を有するベース閾値電流に前記第1追加電流を加算することにより下限閾値に対応した閾値電流を生成すると共に、前記ベース閾値電流に前記第2追加電流を加算することにより上限閾値に対応した閾値電流を生成する閾値電流生成部と、前記メモリセルの1から送出されたセル電流と、前記上限閾値及び前記下限閾値各々に対応した閾値電流とを大小比較することにより前記メモリセルの1が不良であるか否かを判定する比較判定部と、を有する。
また、本発明に係る半導体メモリのテスト方法は、半導体メモリに形成されている複数のメモリセルの各々をテストする半導体メモリのテスト方法であって、前記複数のメモリセルの内の特定のメモリセルからセル電流を送出させるべき電圧を前記特定のメモリセルに印加する第1ステップと、前記特定のメモリセルから送出されたセル電流をサンプルセル電流として取り込み当該サンプルセル電流の電流値から所定値を減算したものをベース閾値として算出する第2ステップと、第1追加電流及び前記第1追加電流よりも大なる第2追加電流を生成する第3ステップと、前記ベース閾値にて示される電流値を有するベース閾値電流に前記第1追加電流を加算することにより下限閾値に対応した閾値電流を生成すると共に、前記ベース閾値電流に前記第2追加電流を加算することにより上限閾値に対応した閾値電流を生成する第4ステップと、テスト対象となる前記メモリセルの1からセル電流を送出させるべき電圧を前記メモリセルの1に印加する第5ステップと、前記メモリセルの1から送出されたセル電流と、前記上限閾値及び前記下限閾値各々に対応した閾値電流とを大小比較することにより前記メモリセルの1が不良であるか否かを判定する第6ステップと、を有する。
本発明においては、半導体メモリに形成されている複数のメモリセルの内の特定のメモリセルから送出されたセル電流(サンプルセル電流)に基づいて、セル電流許容範囲の上限閾値及び下限閾値を設定するようにしている。
これにより、テスト対象となる半導体メモリに形成されている特定のメモリセルから送出させたセル電流の値に追従して、セル電流許容範囲の上限閾値及び下限閾値が全体的にシフトするようになる。よって、半導体チップの製造ロット、或いはウェハ面内での各チップ毎のセル電流のばらつきに拘わらず、誤判定することなくメモリセルの良否判定を行うことが可能となる。
更に、本発明においては、セル電流許容範囲の上限閾値及び下限閾値を設定するにあたり、上記サンプルセル電流から所定値を減算したものをベース閾値として算出し、このベース閾値にて示される電流値を有するベース閾値電流に追加電流を加算することにより上限閾値及び下限閾値夫々に対応した閾値電流を生成するようにしている。
かかる構成によれば、上記したサンプルセル電流に電流を加算することにより上限閾値に対応した閾値電流を生成し、このサンプルセル電流から電流を減算することにより下限閾値に対応した閾値電流を生成する場合に比して、その装置規模を小規模化することが可能となる。
本発明に係る半導体メモリ10の概略構成を示すブロック図である。 半導体メモリ10に形成されているテスト回路20の構成を示すブロック図である。 閾値電流生成部23の内部構成を示す回路図である。 図2に示されるテスト回路20による電流テストの手順を示すフローチャートである。 電流テストを実施する際のシステム構成の一例を示す図である。 図4に示す電流テストによって設定されるベース閾値BS、下限電流閾値LL、及び上限電流閾値ULを示す図である。 特性メモリセル3から送出されたセル電流に追従して変化する下限電流閾値LL及び上限電流閾値ULを示す図である。 テスト回路20の他の構成を示すブロック図である。 図8に示されるテスト回路20による電流テストの手順を示すフローチャートである。 電流テストを実施する際のシステム構成の他の一例を示す図である。
本発明に係る半導体メモリ(10)は、複数のメモリセルと共に、以下の如きメモリアクセス部(21)、閾値電流生成部(23)、比較判定部(24)及び制御部(25、35)を含むテスト回路(20)を有する。メモリアクセス部は、複数のメモリセルの内の特定のメモリセルからセル電流を送出させると共に、テスト対象となるメモリセルの1からセル電流を送出させる。制御部は、特定のメモリセルから送出されたセル電流をサンプルセル電流とし、当該サンプルセル電流の電流値から所定値を減算したものをベース閾値として算出する。閾値電流生成部は、第1又は第2の追加電流(Iforce)の供給を受けつつ、上記ベース閾値にて示される電流値のベース閾値電流(IBS)に第1追加電流を加算することにより下限閾値(LL)に対応した閾値電流(Iref)を生成し、第1追加電流より大なる第2追加電流をベース閾値電流に加算することにより上限閾値(UL)に対応した閾値電流(Iref)を生成する。そして、比較判定部において、メモリセルの1から送出されたセル電流と、上記した上限閾値及び下限閾値各々に対応した閾値電流とを大小比較することにより、メモリセルの1が不良であるか否かを判定する。
また、本発明に係る半導体メモリのテスト方法は、先ず、複数のメモリセルの内の特定のメモリセルからセル電流を送出させ、このセル電流をサンプルセル電流として取り込む。次に、サンプルセル電流の電流値から所定値を減算したものをベース閾値として算出する。次に、第1追加電流及びこの第1追加電流よりも大なる第2追加電流の外部供給を受けつつ、かかるベース閾値にて示される電流値を有するベース閾値電流に第1追加電流を加算することにより上限閾値に対応した閾値電流を生成すると共に、かかるベース閾値電流に第2追加電流を加算することにより下限閾値に対応した閾値電流を生成する。そして、テスト対象となるメモリセルの1つからセル電流を送出させ、この送出されたセル電流と、上記した上限閾値及び下限閾値各々に対応した閾値電流とを大小比較することにより、上記メモリセルの1つが不良であるか否かを判定する。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明に係る半導体メモリ10の概略構成を示すブロック図である。
半導体メモリ10は、例えば不揮発性のフラッシュメモリであり、データの書き込み及び消去を電気的に行うことが可能なEEPROM(Electrically Erasable Programable Read Only Memory)型のメモリセルアレイ1、メモリセル駆動部2、及び特定メモリセル3からなる。
メモリセルアレイ1には、複数のデータラインDLと、複数のワードラインWLとが互いに交叉して形成されている。データラインDL及びワードラインWLによる各交叉部には、データ記憶が為されるメモリセル(図示せぬ)が形成されている。
メモリセル駆動部2は、アドレスデータをデコードすることによりこのアドレスデータによって示される番地に対応したワードラインWLを選出し、このワードラインWLに所定のワードライン駆動電圧を印加する。ここで、データ読出を指示するメモリ制御信号が供給された場合、メモリセル駆動部2は、メモリセルアレイ1に対して読出アクセス用の駆動を施す。そして、かかる駆動に応答してメモリセルアレイ1のデータラインDL各々に送出されたセル電流に基づき各メモリセルから読み出された情報データを復元しこれを出力する。一方、データ書込を指示するメモリ制御信号が供給された場合、メモリセル駆動部2は、メモリセルアレイ1に対して書込アクセス用の駆動を施すことにより、情報データに対応した量の電荷を各メモリセルに保持させる。尚、メモリセル駆動部2には、本発明に係るテスト回路20が搭載されている。
テスト回路20は、後述する電流テストフローに従って、追加電流選択信号SE(後述する)を半導体メモリ10の外部端子を介して出力しつつ、外部端子を介して供給された追加電流Iforce(後述する)を取り込む。そして、この電流テストフローに従って、テスト回路20は、メモリセルアレイ1及び特定メモリセル3から夫々送出されたセル電流、及び上記した追加電流Iforceに基づいて、メモリセルアレイ1に形成されているメモリセルが「不良」であるか否かの電流テスト(後述する)を行う。
特定メモリセル3は、メモリセルアレイ1に形成されている各メモリセルと同一構成、及び同一プロセスで構築された単一のメモリセルである。特定メモリセル3は、この半導体メモリ10が構築される半導体チップ内において、メモリセルアレイ1の領域とは異なる領域に形成されている。また、特定メモリセル3は、上記したテスト回路20からの書込又は読出アクセスを受け付け、かかるアクセスに応じて生成したセル電流を、上記データラインDLと同一な材料及び配線長を有するデータラインDLLを介してテスト回路20に供給する。
図2は、テスト回路20の内部構成を示すブロック図である。
図2に示すように、テスト回路20は、メモリアクセス部21、閾値電流生成部23、比較判定部24、及び制御部25を含む。
メモリアクセス部21は、書込又は読出アクセスを実行させるべき書込電圧WG又は読出電圧RGを生成して、メモリセルアレイ1に形成されているメモリセル又は特定メモリセル3に供給する。
閾値電流生成部23は、特定メモリセル3から送出されたベース閾値電流IBSをデータラインDLLを介して取り込み、このベース閾値電流IBSに上記した追加電流Iforceを加算した電流を生成し、これを閾値電流Irefとして比較判定部24に供給する。
図3は、閾値電流生成部23の内部構成の一例を示す回路図である。
図3に示すように、閾値電流生成部23は、pチャネルMOS(metal oxide semiconductor)型のトランジスタQ1〜Q4、nチャネルMOS型のトランジスタQ5〜Q8、及びインバータIVから構成される。トランジスタQ1のソース端子には電源電圧Vddが印加されており、そのゲート端子は、ラインL1を介してトランジスタQ3及びQ4各々のゲート端子と、インバータIVの入力端子とに接続されている。尚、かかるラインL1には、制御部25から送出されたテストイネーブル信号TSENが供給される。トランジスタQ1のドレイン端子にはトランジスタQ2のソース端子が接続されている。トランジスタQ2のゲート端子及びドレイン端子は互いに接続されており、更にラインL2を介してトランジスタQ5のドレイン端子に接続されている。かかるラインL2を介して上記した閾値電流Irefが比較判定部24に送出される。トランジスタQ5のソース端子は接地電位Vssに設定されており、そのゲート端子は、トランジスタQ8のゲート端子及びドレイン端子各々に接続されている。トランジスタQ8のソース端子は接地電位Vssに設定されており、そのドレイン端子は、トランジスタQ3、Q4、Q6及びQ7各々のドレイン端子に接続されている。インバータIVは、ラインL1を介して供給されたテストイネーブル信号TSENの論理レベルを反転させた信号をトランジスタQ6及びQ7各々のゲート端子に供給する。トランジスタQ3及びQ6各々のソース端子は互いに接続されており、そこに、上記したデータラインDLLを介してベース閾値電流IBSが供給される。トランジスタQ4及びQ7各々のソース端子は互いに接続されており、そこに、半導体メモリ10の外部端子を介して追加電流Iforceが供給される。
図3に示す構成において、制御部25から論理レベル0のテストイネーブル信号TSENが供給されると、トランジスタQ1、Q3、Q4、Q6及びQ7が全てオン状態となる。この際、閾値電流生成部23は活性状態となり、上記ベース閾値電流IBSに追加電流Iforceを加算して得られた電流を、閾値電流IrefとしてラインL2を介して出力する。
比較判定部24は、データラインDLを介して供給されたセル電流IDと、閾値電流Irefとの大小比較を行い、その比較結果に応じてメモリセルが不良であるか否かを示すテスト結果信号TSTを制御部25に供給する。
制御部25は、上記したテスト結果信号TST及びサンプルセル電流Icellを取り込みつつ、図4に示す電流テストフローに従って、メモリアクセス部21、追加電流生成装置VG(後述する)、閾値電流生成部23、及び比較判定部24を制御することによりメモリセルに対して電流テストを実行する。
尚、かかる電流テストを実行するにあたり、図5に示す如く、追加電流生成装置VGを半導体メモリ10の外部端子に接続する。追加電流生成装置VGは、テスト回路20から供給された追加電流選択信号SEに応じて、追加電流値A1及びこの追加電流値A1よりも大なる追加電流値A2の内の一方の電流値を選択し、この選択した方の電流値を有する追加電流Iforceを生成し、これを閾値電流生成部23に送出する。
図4において、先ず、制御部25は、閾値電流生成部23を活性化させるべき論理レベル1のテストイネーブル信号TSENを閾値電流生成部23に供給する(ステップS10)。
次に、制御部25は、特定メモリセル3を読出状態に設定させるべくメモリアクセス部21を制御する(ステップS11)。ステップS11の実行により、メモリアクセス部21は、特定メモリセル3からセル電流を送出させるべき読出電圧RGを特定メモリセル3に印加する。これにより、特定メモリセル3はセル電流を送出し、これをサンプルセル電流IcelとしてデータラインDLLを介して制御部25に供給する。
次に、制御部25は、かかるサンプルセル電流Icellを取り込みその電流値から所定値αを減算して得られた電流値を、ベース閾値BSとして求める(ステップS12)。例えば、メモリセルアレイ1に形成されているメモリセル各々によるセル電流分布が図6の実線に示す如き形態となる際に、特定メモリセル3から図6に示す如きサンプルセル電流Icellが送出された場合には、このサンプルセル電流Icellから所定値αを減算したものがベース閾値BSとなる。
次に、制御部25は、上記したベース閾値BSにて示される電流値を有するセル電流をベース閾値電流IBSとして特定メモリセル3から送出させるべくメモリアクセス部21を制御する(ステップS13)。ステップS13の実行により、メモリアクセス部21は、特定メモリセル3からベース閾値BSにて示される電流値のベース閾値電流IBSが送出されるようになるまで、電荷を蓄積させるべき書込電圧WG及び読出電圧RGを特定メモリセル3に印加する。すなわち、ステップS13の実行により、特定メモリセル3に対して、ベース閾値BSにて示される電流値のベース閾値電流IBSを送出させるべきアクセスが為されるのである。その結果、特定メモリセル3は、図6に示す如きベース閾値BSを有するベース閾値電流IBSをデータラインDLLを介して閾値電流生成部23に供給する。
次に、制御部25は、追加電流値A1及びA2の内のA1を選択させるべき追加電流選択信号SEを追加電流生成装置VGに供給する(ステップS14)。ステップS14の実行により、追加電流生成装置VGは、追加電流値A1を有する追加電流Iforceを生成しこれを閾値電流生成部23に送出する。
上記ステップS13及びS14の実行により、閾値電流生成部23は、図6に示す如き、ベース閾値BSに追加電流値A1を加算して得られた電流値を下限電流閾値LLとし、この下限電流閾値LLにて示される電流値を有する閾値電流Irefを生成して比較判定部24に供給する。これにより、メモリセルのセル電流として許容し得るセル電流許容範囲の下限値(LL)が閾値電流Irefとして設定されるのである。
次に、制御部25は、メモリセルアレイ1内のテスト対象となる1つのメモリセルを読出状態に設定させるべくメモリアクセス部21を制御する(ステップS15)。ステップS15の実行により、メモリアクセス部21は、このテスト対象となるメモリセルに読出電圧RGを印加する。これにより、テスト対象となるメモリセルはセル電流IDを送出し、これをデータラインDLを介して比較判定部24に供給する。この際、比較判定部24は、図6に示す如き下限電流閾値LLにて示される電流値の閾値電流Irefと、セル電流IDの電流値との大小比較を行い、セル電流IDの電流値が下限電流閾値LLよりも大であれば「良」、小であれば「不良」を示すテスト結果信号TSTを制御部25に供給する。
次に、制御部25は、テスト結果信号TSTが「不良」を示すか否かを判定する(ステップS16)。
ステップS16においてテスト結果信号TSTが「良」を示すと判定された場合、制御部25は、追加電流値A1に代えてこれよりも大なる追加電流値A2を選択させるべき追加電流選択信号SEを追加電流生成装置VGに供給する(ステップS17)。ステップS17の実行により、追加電流生成装置VGは、追加電流値A2を有する追加電流Iforceを生成しこれを閾値電流生成部23に送出する。よって、閾値電流生成部23は、図6に示す如き、ベース閾値BSに追加電流値A2を加算して得られた電流値を上限電流閾値ULとし、この上限電流閾値ULにて示される電流値の閾値電流Irefを比較判定部24に供給する。すなわち、メモリセルのセル電流許容範囲の上限値(UL)が閾値電流Irefとして設定されるのである。
次に、制御部25は、上記したテスト対象のメモリセルを読出状態に設定させるべくメモリアクセス部21を制御する(ステップS18)。ステップS18の実行により、メモリアクセス部21は、このテスト対象となるメモリセルに読出電圧RGを印加する。これにより、テスト対象となるメモリセルはセル電流IDを送出し、これをデータラインDLを介して比較判定部24に供給する。この際、比較判定部24は、図6に示す如き上限電流閾値ULにて示される電流値の閾値電流Irefと、セル電流IDの電流値との大小比較を行い、セル電流IDの電流値が上限電流閾値ULよりも小であれば「良」、大であれば「不良」を示すテスト結果信号TSTを制御部25に供給する。
次に、制御部25は、テスト結果信号TSTが「不良」を示すか否かを判定する(ステップS19)。
ステップS19において、テスト結果信号TSTが「良」を示すと判定された場合、制御部25は、テスト対象となっているメモリセルに対する最終的な電流テスト結果として「良判定」を示す情報をディスプレイ(図示せぬ)に表示させる(ステップ20)。一方、上記ステップS16又はS19において、テスト結果信号TSTが「不良」を示すと判定された場合、制御部25は、テスト対象となっているメモリセルに対する最終的な電流テスト結果として「不良判定」を示す情報をディスプレイに表示させる(ステップs21)。
以上の如く、テスト回路20は、テスト対象となるメモリセルから送出されたセル電流IDがセル電流許容範囲、つまり図6に示す如き下限電流閾値LL〜上限電流閾値ULの範囲内にあるか否かにより、良否の判定を行う。
ここで、テスト回路20では、上記した如き電流テストを実施するにあたり、先ず、半導体メモリ10に形成されている特定メモリセル3からセル電流を送出させ、これをサンプルセル電流Icellとして取り込む。そして、このサンプルセル電流Icellに基づいて、セル電流許容範囲を表す下限電流閾値LL及び上限電流閾値ULを夫々設定する。これにより、半導体メモリ10が構築されている半導体チップ毎に、特性メモリセルのセル電流の値に追従させて下限電流閾値LL及び上限電流閾値ULが夫々設定されるようになる。
例えば、第1の半導体チップに形成されている特性メモリセル3から送出されたセル電流が図7(a)に示す電流I1である場合、この電流I1に基づいて、図7(a)に示す如き下限電流閾値LL1及び上限電流閾値UL1が設定される。この際、下限電流閾値LL1及び上限電流閾値UL1によって表されるセル電流許容範囲の幅は、上記した追加電流値A2からA1を減算した値となる。また、第2の半導体チップに形成されている特性メモリセル3から送出されたセル電流が図7(b)に示す如く上記電流I1よりも小なる電流I2である場合、この電流I2に基づいて、図7(b)に示す如き下限電流閾値LL1よりも小なる下限電流閾値LL2、及び上限電流閾値UL1よりも小なる上限電流閾値UL2が設定される。この際、下限電流閾値LL2及び上限電流閾値UL2によって表されるセル電流許容範囲の幅は、上記した追加電流値A2からA1を減算した値となる。
従って、特性メモリセル3のセル電流の値に追従してセル電流許容範囲(LL、UL)が全体的にシフトするので、半導体チップの製造ロット、或いはウェハ面内での各チップ毎のセル電流のばらつきに拘わらず、誤判定することなくメモリセルの良否判定を行うことが可能となる。
更に、テスト回路20では、サンプルセル電流Icellに基づいてセル電流許容範囲を表す下限電流閾値LL及び上限電流閾値ULに対応した閾値電流Irefを夫々生成するにあたり、先ず、サンプルセル電流Icellの電流値から所定値αを減算した電流値をベース閾値BSとして求める。次に、テスト回路20は、このベース閾値BSにて示す電流値を有するベース閾値電流IBSを送出させるべく、特性メモリセル3に対して書込及び読出アクセスを行う。そして、テスト回路20は、外部接続されている追加電流生成装置VGから追加電流値A1を有する追加電流Iforceを送出させ、これを上記したベース閾値電流IBSに加算することにより、下限電流閾値LLに対応した閾値電流Irefを生成する。また、テスト回路20は、追加電流生成装置VGから、追加電流値A1より大なる追加電流値A2を有する追加電流Iforceを送出させ、これを上記ベース閾値電流IBSに加算することにより上限電流閾値ULに対応した閾値電流Irefを生成する。つまり、上記ベース閾値電流IBSに追加電流Iforceを加算することにより、テスト対象となるメモリセルから送出されたセル電流IDが電流許容範囲(LL、UL)にあるか否かを判定する為の閾値電流Irefを生成するのである。
よって、かかる構成によれば、電流の加算処理だけで上限電流閾値及び下限電流閾値各々に対応した閾値電流を生成することが可能となる。
従って、テスト回路20によれば、上記したサンプルセル電流Icellに電流を加算することによって上限電流閾値に対応した閾値電流を生成し、このサンプルセル電流Icellから電流を減算することによって下限電流閾値に対応した閾値電流を生成する場合に比して、その装置規模を小規模化することが可能となる。
尚、上記実施例では、上記した如き電流テストを実施する為に、半導体メモリ10内に特定メモリセル3を設けるようにしているが、この特定メモリセル3を設けずに電流テストを実施することも可能である。
図8は、かかる点に鑑みて為されたテスト回路20の他の実施例を示すブロック図である。
尚、図8に示す構成では、制御部25に代えて制御部35を採用し、可変電流源26を追加した点を除く他の構成は図2に示されるテスト回路20と同一である。更に、図8に示すテスト回路20では、テスト対象となる半導体メモリ10から送出されたサンプルセル電流IC1〜ICn(後述する)がデータラインDLを介して制御部35に供給される。
可変電流源26は、制御部35から供給されたベース閾値BS(後述する)にて示される電流を生成し、これをベース閾値電流IBSとして閾値電流生成部23に供給する。この際、ベース閾値電流IBSは、図3に示す閾値電流生成部23のトランジスタQ3及びQ6のソース端子に印加される。閾値電流生成部23は、かかるベース閾値電流IBSに、上記した追加電流生成装置VGから供給された追加電流Iforceを加算した電流を生成し、これを閾値電流Irefとして比較判定部24に供給する。
制御部35は、図9に示す手順に従って、メモリアクセス部21、追加電流生成装置VG、閾値電流生成部23、比較判定部24及び可変電流源26を制御することによりメモリセルに対して電流テストを実行する。
尚、かかる電流テストを実行するにあたり、図10に示す如く、追加電流生成装置VGを半導体メモリ10の外部端子に接続する。
図9において、先ず、制御部35は、閾値電流生成部23を活性化させるべき論理レベル1のテストイネーブル信号TSENを閾値電流生成部23に供給する(ステップS30)。
次に、制御部35は、メモリセルアレイ1内における特定のn個(nは2以上の整数)のメモリセル各々を順次、読出状態に設定させるべくメモリアクセス部21を制御する(ステップS31)。ステップS31の実行により、メモリアクセス部21は、上記した特定のn個のメモリセル各々から順にセル電流を送出させるべき読出電圧RGを各メモリセルに印加する。これにより、n個のメモリセル各々からは、順次セル電流が送出され、これがサンプルセル電流IC1〜ICnとして制御部35に供給される。すなわち、少なくとも2つのメモリセルを特定メモリセルとし、制御部35は、これら特定メモリセル各々から送出されたセル電流をサンプルセル電流IC1〜ICnとして取得するのである。
次に、制御部35は、サンプルセル電流IC1〜ICnの平均値を平均セル電流値AVEとして算出する(ステップS32)。
次に、制御部35は、平均セル電流値AVEから所定値αを減算して得られた電流値をベース閾値BSとして求める(ステップS33)。
次に、制御部35は、ベース閾値BSにて示される電流を生成させるべく可変電流源26を制御する(ステップS34)。ステップS24の実行により、可変電流源26は、上記したベース閾値BSにて示される電流を生成し、これをベース閾値電流IBSとして閾値電流生成部23に供給する。
次に、制御部35は、追加電流値A1及びA2の内のA1を選択させるべき追加電流選択信号SEを追加電流生成装置VGに供給する(ステップS35)。ステップS35の実行により、追加電流生成装置VGは、追加電流値A1を有する追加電流Iforceを生成しこれを閾値電流生成部23に送出する。
上記ステップS34及びS35の実行により、閾値電流生成部23は、図6に示す如き、ベース閾値BSに追加電流値A1を加算して得られた電流値を下限電流閾値LLとし、この下限電流閾値LLにて示される電流値の閾値電流Irefを比較判定部24に供給する。すなわち、メモリセルのセル電流として許容し得るセル電流許容範囲の下限値(LL)が閾値電流Irefとして設定されるのである。
次に、制御部35は、メモリセルアレイ1内のテスト対象となる1のメモリセルを読出状態に設定させるべくメモリアクセス部21を制御する(ステップS36)。ステップS36の実行により、メモリアクセス部21は、このテスト対象となるメモリセルに読出電圧RGを印加する。これにより、テスト対象となるメモリセルはセル電流IDを送出し、これをデータラインDLを介して比較判定部24に供給する。この際、比較判定部24は、図6に示す如き下限電流閾値LLにて示される電流値の閾値電流Irefと、セル電流IDの電流値との大小比較を行い、セル電流IDの電流値が下限電流閾値LLよりも大であれば「良」、小であれば「不良」を示すテスト結果信号TSTを制御部35に供給する。
次に、制御部35は、テスト結果信号TSTが「不良」を示すか否かを判定する(ステップS37)。
ステップS37においてテスト結果信号TSTが「良」を示すと判定された場合、制御部35は、追加電流値A1に代えてこれよりも大なる追加電流値A2を選択させるべき追加電流選択信号SEを追加電流生成装置VGに供給する(ステップS38)。ステップS38の実行により、追加電流生成装置VGは、追加電流値A2を有する追加電流Iforceを生成しこれを閾値電流生成部23に送出する。よって、閾値電流生成部23は、図6に示す如き、ベース閾値BSに追加電流値A2を加算して得られた電流値を上限電流閾値ULとし、この上限電流閾値ULにて示される電流値の閾値電流Irefを比較判定部24に供給する。すなわち、メモリセルのセル電流許容範囲の上限値(UL)が閾値電流Irefとして設定されるのである。
次に、制御部35は、上記した如きテスト対象のメモリセルを読出状態に設定させるべくメモリアクセス部21を制御する(ステップS39)。ステップS39の実行により、メモリアクセス部21は、このテスト対象となるメモリセルに読出電圧RGを印加する。これによりテスト対象となるメモリセルはセル電流IDを送出し、これをデータラインDLを介して比較判定部24に供給する。この際、比較判定部24は、図6に示す如き上限電流閾値ULにて示される電流値の閾値電流Irefと、セル電流IDの電流値との大小比較を行い、セル電流IDの電流値が上限電流閾値ULよりも小であれば「良」、大であれば「不良」を示すテスト結果信号TSTを制御部35に供給する。
次に、制御部35は、テスト結果信号TSTが「不良」を示すか否かを判定する(ステップS40)。
ステップS40において、テスト結果信号TSTが「良」を示すと判定された場合、制御部35は、テスト対象となっているメモリセルに対する最終的な電流テスト結果として「良判定」を示す情報をディスプレイ(図示せぬ)に表示させる(ステップS41)。一方、上記ステップS37又はS40において、テスト結果信号TSTが「不良」を示すと判定された場合、制御部35は、テスト対象となっているメモリセルに対する最終的な電流テスト結果として「不良判定」を示す情報をディスプレイに表示させる(ステップS42)。
このように、図8に示されるテスト回路20においても、テスト対象となるメモリセルから送出されたセル電流IDが、セル電流許容範囲(LL、UL)内にあるか否かにより良否の判定を行うようにしている。
この際、図8に示されるテスト回路20では、セル電流許容範囲(LL、UL)を求めるにあたり、メモリセルアレイ1内の少なくとも2個の特定のメモリセル各々のセル電流の平均値(AVE)から所定値αを減算した電流値をベース閾値BSとして求める。次に、このベース閾値BSにて示される電流値を有するベース閾値電流IBSを可変電流源26において生成させる。そして、テスト回路20は、外部接続されている追加電流生成装置VGから追加電流値A1を有する追加電流Iforceを送出させ、これを上記したベース閾値電流IBSに加算することにより、下限電流閾値LLに対応した閾値電流Irefを生成する。また、テスト回路20は、追加電流生成装置VGから、追加電流値A1より大なる追加電流値A2を有する追加電流Iforceを送出させ、これを上記ベース閾値電流IBSに加算することにより上限電流閾値ULに対応した閾値電流Irefを生成するのである。
ここで、複数のメモリセル各々のセル電流の平均値(AVE)は、そのセル電流のサンプル数が多くなるほど図6に示す如きセル電流分布の最大頻度での電流値に近づく。
よって、図8に示されるテスト回路20によれば、図2に示す構成を採用したものに比して、誤判定の少ないセル電流許容範囲(LL、UL)を設定することが可能となる、
1 メモリセルアレイ
3 特定メモリセル
22 追加電流生成装置
23 閾値電流生成部
24 比較判定部
25 制御部
26 可変電流源

Claims (6)

  1. 複数のメモリセルを有する半導体メモリであって、
    前記複数のメモリセルの内の特定のメモリセルからセル電流を送出させるべき電圧を前記特定のメモリセルに印加すると共に、テスト対象となる前記メモリセルの1からセル電流を送出させるべき電圧を前記メモリセルの1に印加するメモリアクセス部と、
    前記特定のメモリセルから送出されたセル電流をサンプルセル電流として取り込み、当該サンプルセル電流の電流値から所定値を減算したものをベース閾値として算出する制御部と、
    第1追加電流及び前記第1追加電流よりも大なる第2追加電流の供給を受ける外部端子と、
    前記ベース閾値にて示される電流値を有するベース閾値電流に前記第1追加電流を加算することにより下限閾値に対応した閾値電流を生成すると共に、前記ベース閾値電流に前記第2追加電流を加算することにより上限閾値に対応した閾値電流を生成する閾値電流生成部と、
    前記メモリセルの1から送出されたセル電流と、前記上限閾値及び前記下限閾値各々に対応した閾値電流とを大小比較することにより前記メモリセルの1が不良であるか否かを判定する比較判定部と、を有することを特徴とする半導体メモリ。
  2. 前記比較判定部は、前記メモリセルの1から送出されたセル電流が、前記下限閾値に対応した閾値電流よりも小である場合又は前記上限閾値に対応した閾値電流よりも大である場合に前記メモリセルの1が不良であると判定することを特徴とする請求項1記載の半導体メモリ。
  3. 前記メモリアクセス部は、前記特定のメモリセルに対して前記ベース閾値にて示される電流値を有するセル電流を送出させるべき電圧を前記特定のメモリセルに印加し、
    前記閾値電流生成部は、前記特定のメモリセルから送出されたセル電流を前記ベース閾値電流とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体メモリ。
  4. 前記ベース閾値にて示される電流値の電流を前記ベース閾値電流として生成する可変電流源を更に備え、
    前記特定のメモリセルは、前記複数のメモリセル各々の内の少なくとも2つのメモリセルであり、
    前記閾値電流生成部は、前記特定のメモリセル各々のセル電流の平均値から所定値を減算したものを前記ベース閾値として算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体メモリ。
  5. 半導体メモリに形成されている複数のメモリセルの各々をテストする半導体メモリのテスト方法であって、
    前記複数のメモリセルの内の特定のメモリセルからセル電流を送出させるべき電圧を前記特定のメモリセルに印加する第1ステップと、
    前記特定のメモリセルから送出されたセル電流をサンプルセル電流として取り込み当該サンプルセル電流の電流値から所定値を減算したものをベース閾値として算出する第2ステップと、
    第1追加電流及び前記第1追加電流よりも大なる第2追加電流を生成する第3ステップと、
    前記ベース閾値にて示される電流値を有するベース閾値電流に前記第1追加電流を加算することにより下限閾値に対応した閾値電流を生成すると共に、前記ベース閾値電流に前記第2追加電流を加算することにより上限閾値に対応した閾値電流を生成する第4ステップと、
    テスト対象となる前記メモリセルの1からセル電流を送出させるべき電圧を前記メモリセルの1に印加する第5ステップと、
    前記メモリセルの1から送出されたセル電流と、前記上限閾値及び前記下限閾値各々に対応した閾値電流とを大小比較することにより前記メモリセルの1が不良であるか否かを判定する第6ステップと、を有することを特徴とする半導体メモリのテスト方法。
  6. 前記第6ステップは、前記メモリセルの1から送出されたセル電流が、前記下限閾値に対応した閾値電流よりも小である場合又は前記上限閾値に対応した閾値電流よりも大である場合に前記メモリセルの1が不良であると判定することを特徴とする請求項5記載の半導体メモリのテスト方法。
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