JP5912396B2 - 組合せオイルコントロールリング - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関のピストンに装着され、オイルコントロールを行う二枚のサイドレールとスペーサエキスパンダとからなる組合せオイルコントロールリングに関し、特にサイドレールの単独回転を防止する組合せオイルコントロールリングに関する。
近年、自動車エンジンは、環境対応のため、燃費の向上、低エミッション化、高出力化が図られ、特に燃費の向上を目指して、ピストン系摺動部のフリクション低減に着目した改良が進められている。ピストンリングの低張力化は特に重要で、中でもオイルコントロールリングの張力は、ピストンリングの全張力の50%以上を占めていることから、その張力を低減する対策が行われている。しかし、オイルコントロールリングの張力を低減することは、シリンダライナ壁面への追従性を低下させることにも繋がるため、オイル消費量を増加させてしまうという懸念が生じる。さらに、スペーサエキスパンダの耳部と呼ばれる突起でサイドレールの内周面を押圧することによって張力を発生させる3ピースオイルコントロールリングにおいては、上下に配置される二枚のサイドレールがそれぞれ単独に円周方向の回転運動を行い、上下のサイドレールの合口部が上下方向に重なってしまうという現象も起こりうる。その場合、合口部の掻き残した潤滑油が内燃機関の燃焼室に運び込まれ、潤滑油の供給が過剰となり、オイル消費増加の原因となる。
上記のサイドレールがスペーサエキスパンダに対して単独で回転することを防止する方法として、例えば特許文献1には、耳部(特許文献1ではパッド部)表面に複数個の溝あるいは凹部を形成することが開示されている。複数個の溝あるいは凹部の形成によって面粗度が粗くなって回転運動が阻止される。
特許文献2には、特許文献1と同様、耳部の接触面の表面粗さを粗くすることに加え、耳部(特許文献2では爪部)の曲率をサイドレールの内周の曲率に一致させて、サイドレールのスペーサエキスパンダに対する相対回転を阻止する方法が開示されている。
特許文献3には、耳部表面に細かい凹凸、例えば、ピッチ25〜250μm、高さ15〜180μmの鋸歯状凹凸を形成し、摩擦抵抗を増大して回転運動を阻止することが開示されている。このようなスペーサエキスパンダの耳部を加工する方法として、特許文献4には、図5(a)〜(c)にその概略が示される装置を用いて、耳部のサイドレール押圧面に、凹凸を形成したローラ工具を圧接し、ローラ工具の細かい凹凸を転写形成することが開示されている。
特許文献5には、耳部の外側に0.006〜0.060 mmの突起を形成することが開示されている。この場合、突起のみが大きな接触圧力でサイドレールに接触するため、サイドレールの相対回転が阻止できる。また、上記の特許文献3の問題点として、有効接触面積を減少させるとサイドレール内周面の摩耗を早め、細かい凹凸の深さまで早期に摩耗することが記載されている。
特許文献6には、耳部中央部に突起が設けられ、突起の厚さを0.07〜0.2 mmとすることが開示されている。特許文献5と同様、接触面積を小さくすることにより接触面圧を高くし、回転を阻止する、という考え方が採用されている。ここでは、突起の厚さが厚いので長期に亘って効果が維持される。
特許文献7には、耳部表面に2本以上の溝部と3本以上の平坦部とからなる周方向の凹凸を形成し、平坦部の周方向合計幅を耳部の周方向幅の30〜70%とすることが開示されている。
実開昭59−99153号公報 実開昭60−14261号公報 実開平1−78768号公報 特開平3−193221号公報 実開平6−69522号公報 特開2001−132840号公報 特開2003−148617号公報
上述した特許文献1〜7のサイドレールの単独回転防止策は、いずれもスペーサエキスパンダ耳部の接触面の摩擦抵抗を高める方策である。すなわち、すべり抵抗を高めるために表面粗さを調整し、突起を形成して単位面積当たりの押圧力を高めたりする方策が取られてきた。しかし、摩耗を考慮した十分な高さの突起を形成した場合においても、予想に反して摩耗し、それによって、接触面の摩擦抵抗が低下して、サイドレールが単独回転してしまうことも観察されている。また、サイドレールの回転には、シリンダライナの真円度、ピストンとシリンダライナのクリアランス、及びピストンの形状等に起因して起こるピストンの首振り現象も影響していることが分かってきた。耳部に突起を有するオイルコントロールリングは、ピストンの首振り現象により、振動、繰り返し応力、変動応力などを受け、いわゆるフレッティング疲労を受け、損傷部から疲労亀裂が発生、進展して、十分な高さの突起部を破損してしまうという問題に繋がっていた。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その課題は、組合せオイルコントロールリングにサイドレールの単独回転を防止する機能を付与し、さらにその機能を長期間持続させることにある。さらに本発明は、低張力の組合せオイルコントロールリングにおいても、サイドレールの単独回転を防止できる組合せオイルコントロールリングを提供することも課題とする。
本発明では、基本的に、耳部が組合せオイルコントロールリングの略軸方向に延長する凹凸部を有し、凸部がフレッティング疲労によって破損しない構造とすることによって、サイドレールの回転運動阻止機能を持続させるものとする。また、たとえ低張力仕様においても、サイドレールの単独回転を防止できる構造としたことにある。
すなわち、本発明の組合せオイルコントロールリングは、上下二枚のサイドレールと、それらの間に介在し内周部に前記サイドレールの内周面を押圧する耳部を有するスペーサエキスパンダよりなる組合せオイルコントロールリングにおいて、前記耳部のサイドレール押圧面に、凹部及び凸部が略軸方向に延長する周方向凹凸形状の凹凸部を有し、前記凹凸部の断面が略台形波形形状であり、前記凹凸部の凸面の凹面からの高さ(h)が0.5〜10μmで、かつ前記高さ(h)の前記凸部の底面の幅(m)に対する比(h/m)が0.5〜10%であることを特徴とする。前記凸面と前記凹面を繋ぐ面は外に凸形状であることが好ましい。また、前記高さ(h)は0.5μm以上6μm未満であることがより好ましい。
さらに、本発明の組合せオイルコントロールリングは、設定される張力に応じて、前記耳部に含まれる前記凸面の周方向長さの合計が前記耳部の周方向長さの30〜70%であることが好ましい場合、20〜50%であることがより好ましい場合、又は15〜25%であることが好ましい場合がある。
本発明の組合せオイルコントロールリングは、耳部に組合せオイルコントロールリングの略軸方向に延長する凹凸部を有し、凸面の接触面積を小さくすることにより接触面圧を高めて回転を防止することに加え、前記凹凸部の断面が略台形波形形状、又は略台形波形形状であって前記凹凸部の凸面と凹面を繋ぐ面が外に凸形状であるため、使用中のフレッティング運動に起因する凸部の摩耗、特に凸部の破損を阻止することが可能となる。また、低張力の組合せオイルコントロールリングにおいても、凸面の比率を所定の範囲に制御することにより、接触面圧を高くし、サイドレールの回転運動を阻止し続けることが可能となる。
本発明の組合せオイルコントロールリングの断面図である。 本発明のスペーサエキスパンダの一部であって、耳部のサイドレール押圧面に、凹部及び凸部が略軸方向に延長した周方向凹凸形状の凹凸部が形成された図である。 図2のA−A断面図であって、略台形波形形状を示した図である。凸面の凹面からの高さ(h)が、(a)では比較的大きな場合、(b)では小さな場合、を示している。 略台形波形形状の凹凸部において(a)は凸面の周方向長さの合計が耳部の周方向長さの約35%、(b)は凸面の周方向長さの合計が耳部の周方向長さの約20%の図である。 (a)はスペーサエキスパンダの耳部を加工する装置の正面概略図、(b)は加工時のスペーサエキスパンダと加工ローラの配置関係を示す断面図、(c)は加工ローラの部分図である サイドレール単独回転評価試験装置を模式的に示した図である。
以下に本発明の組合せオイルコントロールリングの実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1は、ピストン1のオイルリング溝5に、組合せオイルコントロールリングを装着した状態を示し、スペーサエキスパンダ2と、その上下に装着された一対のサイドレール3、3が収納されている。スペーサエキスパンダ2の耳部6は、サイドレール3、3の内周面をシリンダ内壁7に向かって押圧してピストン外周面4とシリンダ内壁7との間をシールするだけでなく、オイルリング溝5の側面のシールも行えるように傾斜面に形成されている。
図2は、スペーサエキスパンダを外周側から見た図であり、軸方向に波形形状をしており、その波形の上下に、一方のサイドレールを押圧する上部耳部6aと、他方のサイドレールを押圧する下部耳部6bが形成されている。耳部には、凹部及び凸部が略軸方向に延長する周方向凹凸形状の凹凸部が形成されており、凸面の接触面積を小さくして接触面圧を高めているので、サイドレールの単独回転を防止することができる。さらにA−A断面は、図3に示すように、略台形波形形状を示し、凹面61、凸面62、及び凹面61と凸面62を繋ぐ面(以下「側面」という。)63からなり、側面63が平面又は凸面形状をしている。凸部が略台形形状で、側面63が平面又は凸面形状をしているため、フレッティング運動による振動、繰り返し応力、変動応力などを受けても、応力集中を回避し、凸部の破損や摩耗を防ぐことができる。凸面形状は、当然に、曲面形状でも多面形状でも凸面であればよい。例えば、断面が円弧状の場合、任意の曲率半径をもつ円弧形状とする。また、従来技術(例えば、特許文献6)は凸面の凹面に対する高さ(h)が大きいほど長寿命であることを示しているが、本発明者の鋭意研究の結果、逆に、サイドレールの単独回転が防止できれば、高さ(h)が小さいほど長寿命であることに想到した。凸面の凹面に対する高さ(h)が小さいほど、フレッティング運動による凸部の受ける応力が小さいからである。凸面の凹面からの高さ(h)の凸部底面の幅(m)に対する比(h/m)0.5〜10%とする。実際の寸法としては、凸面の凹面からの高さ(h)0.5〜10μmとし、0.5μm以上6μm未満がより好ましい。これらの凹凸形状や、ピッチ、m、m’、h等の寸法は、接触式又は非接触式(例えば、レーザー)の形状測定装置(表面粗さ測定装置も含む)を用いて測定できる。
耳部の周方向長さに対する凸面の周方向長さの比率は、組合せオイルコントロールリングの張力を考慮して決めればよい。すなわち、低張力の場合ほど、凸面の周方向長さの比率を小さくして所定の接触面圧が得られるようにすればよい。組合せオイルコントロールリングの張力に応じて、耳部に含まれる凸面の周方向長さの合計が耳部の周方向長さの30〜70%、20〜50%、又は15〜25%とすることが好ましい。図4は、耳部に含まれる凸面の周方向長さの比率を変えた実施態様を示すが、(a)は耳部に含まれる凸面の周方向長さm’の合計(Σm’)が耳部の周方向長さ(Σ(m+n))の約35%、(b)は耳部に含まれる凸面の周方向長さm’の合計(Σm’)が耳部の周方向長さ(Σ(m+n))の約20%の場合の凹凸形状を示すものである。
本発明の組合せオイルコントロールリングに使用されるスペーサエキスパンダの耳部は、基本的に、特許文献4によって教示される図5に示す方法で加工される。すなわち、耳部のサイドレール押圧面6に、所望の凹凸を形成した加工ローラ100を圧接し、加工ローラの加工面110の凹凸を耳部のサイドレール押圧面6に転写形成(以下「ロール成形」という。)する。耳部の凹凸形状は、加工ローラ100の凹凸形状を反転した形状となるので、凹部や凸部の周方向長さ(m、m’、n)、側面63の曲率等は、加工ローラの凹凸形状によって決まる。また、凸面の高さ(h)は加工ローラの圧接深さによって決まる。ここで、加工ローラに設けた凹部の深さが加工ローラの圧接深さよりも深い場合は、凸面は加工前の耳部表面のままとなる。本発明では、加工前の耳部表面が、塑性加工により完全な平面を維持し得ないこともあり得る。従って、本発明で凹凸部の断面を略台形波形形状と呼ぶのは、側面が平面でない場合や、凸面そのものも完全な平面でない場合も考慮してのことである。
参考例1
組合せオイルリングの呼び径75 mm、組合せ呼び幅2.0 mm、組合せ厚さ2.5 mm、サイドレール幅0.4 mmとなるSUS440製のサイドレール及びSUS304製のスペーサエキスパンダを成形した。スペーサエキスパンダは、SUS304製の帯材からギア成形による局部的な曲げと剪断による耳長さ(耳部の周方向長さ)1.28 mmの耳部成形の後、耳部に凹凸形状がピッチ:0.18 mm、h:0.02 mm、m:0.116 mm、m’:0.056 mmなる略台形形状(側面が平面)となるような加工条件でロール成形を行い、最後にコイリングにより真円形状に成形された。
得られた組合せオイルリングは、図6に示すサイドレール単独回転評価装置を用いて評価した。この評価装置300は、疑似オイルリング溝301を有するホルダー(ピストン)302に、組合せオイルリングを装着し、円筒(擬似シリンダ)303内で、支柱304に設けた支点305を中心に首振り運動させ、サイドレールの単独回転を評価するものである。試験は、スペーサエキスパンダのジョイント位置に対して、上下二枚のサイドレールを、スペーサエキスパンダのジョイント位置からそれぞれ反対方向に30°ずらして組み付けた組合せオイルコントロールを上記ホルダー(擬似ピストン)302に装着し、首振り角度αを0.5°毎に、0.5°から7.5°まで、10往復/秒の速度で10分間ずつ首振り運動させることによって行い、サイドレールの単独回転が起こる首振り角度によって、サイドレール単独回転防止能力を評価するものである。回転が開始する首振り角度が大きいほどサイドレールが回転しづらい構造であると評価できる。実施例1の組合せオイルコントロールリングのサイドレール単独回転開始角度は6.0°であった。
さらに、参考例1の組合せオイルコントロールリングは、排気量が1500 cm3の4気筒ガソリンエンジンを用いて、耳部及びサイドレールの内周面の摩耗とオイル消費量を評価した。ここで、トップリングは外周バレルフェイス、セカンドリングは外周テーパーフェイスのリングを用いた。試験条件は、5,000 rpm、全負荷(WOT:Wide Open Throttle)、48時間の条件とした。耳部及びサイドレールの内周面の摩耗の合計は5μm、オイル消費量は15 g/hrであった。
参考例2
耳部の凹凸形状がピッチ:0.18 mm、h:0.02 mm、m:0.116 mm、m’:0.056 mm、側面:外に凸、となるような加工条件でロール成形を行った以外は、参考例1と同様にスペーサエキスパンダを製作し、参考例1と同様にサイドレール単独回転の評価及びエンジン試験を行った。サイドレール単独回転開始角度は6.5°、摩耗量4μm、オイル消費量14 g/hrであった。
実施例1
耳部の凹凸形状がピッチ:0.18 mm、h:0.01mm、m:0.105 mm、m’:0.062 mm、側面:外に凸、となるような加工条件でロール成形を行った以外は、参考例1と同様にスペーサエキスパンダを製作し、参考例1と同様にサイドレール単独回転の評価及びエンジン試験を行った。サイドレール単独回転評価試験装置の上限の首振り角度(7.5°)でもサイドレールは回転せず、摩耗量1μm以下、オイル消費量8 g/hrであった。
実施例2〜6
耳部の凹凸形状がピッチ:0.18 mm、h:0.001〜0.01 mm、m:0.09〜0.12 mm、m’:0.078〜0.102 mm、側面:外に凸、となるような加工条件でロール成形を行った以外は、参考例1と同様にスペーサエキスパンダを製作し、参考例1と同様にサイドレール単独回転の評価及びエンジン試験を行った。参考例1〜2及び実施例1も含め、耳部凹凸形状の仕様(凸面高さh、凸部底面の幅m、凸面の周方向長さm’、パラメータh/m、接触面積率等)を表1に示し、サイドレール単独回転の評価及びエンジン試験の結果については、表2に示した。実施例2〜6においては、サイドレール単独回転評価試験装置の上限の首振り角度(7.5°)でも、サイドレールは単独回転せず、摩耗量1μm以下、オイル消費量10 g/hr以下であった。
Figure 0005912396
ここで、耳長さ:1.28 mmである。
Figure 0005912396
参考例3〜4及び実施例7〜9
耳部の凹凸形状がピッチ:0.18 mm、h:0.001〜0.01 mm、m:0.059〜0.078 mm、m’:0.049〜0.060 mm、側面:外に凸、となるような加工条件でロール成形を行った以外は、参考例1と同様にスペーサエキスパンダを製作し、参考例1と同様にサイドレール単独回転の評価及びエンジン試験を行った。但し、スペーサエキスパンダの張力は、参考例1〜2及び実施例1〜6よりもやや小さめに調整した。耳部凹凸形状の仕様を表3に示し、サイドレール単独回転の評価及びエンジン試験の結果については、表4に示した。実施例7〜9においては、サイドレール単独回転評価試験装置の上限の首振り角度(7.5°)でも、サイドレールは単独回転せず、摩耗量1μm以下、オイル消費量10 g/hr以下であった。
Figure 0005912396
ここで、耳長さ:1.28 mmである。
Figure 0005912396
参考例5〜7及び実施例10〜11
耳部の凹凸形状がピッチ:0.18 mm、h:0.001〜0.01 mm、m:0.037〜0.053 mm、m’:0.028〜0.039 mm、側面:外に凸、となるような加工条件でロール成形を行った以外は、参考例1と同様にスペーサエキスパンダを製作し、参考例1と同様にサイドレール単独回転の評価及びエンジン試験を行った。但し、スペーサエキスパンダの張力は、参考例3〜4及び実施例7〜9よりもさらに小さめに調整した。耳部凹凸形状の仕様を表5に示し、サイドレール単独回転の評価及びエンジン試験の結果については、表6に示した。実施例10及び11においては、サイドレール単独回転評価試験装置の上限の首振り角度(7.5°)でも、サイドレールは単独回転せず、摩耗量1μm以下、オイル消費量10 g/hr以下であった。
Figure 0005912396
ここで、耳長さ:1.28 mmである。
Figure 0005912396
比較例1
耳部の凹凸形状を略台形波形形状とする代わりに矩形波形形状とし、凸面の高さhを0.05 mmとした以外は、参考例5と同様にスペーサエキスパンダを製作し、参考例1と同様にサイドレール単独回転の評価及びエンジン試験を行った。この凹凸形状の仕様としては、h/m:94 %、接触面積率20 %であった。サイドレール単独回転評価試験装置の上限の首振り角度(7.5°)でも、サイドレールは単独回転しないものの、摩耗量が14μmとなって張力の減退を招き、オイル消費量は26 g/hrであった。
比較例2
参考例1における加工ローラを使用した凹凸形状加工の代わりに、耳部に炭化ケイ素粒子を投射してディンプル状にしたスペーサエキスパンダを作製し、参考例1と同様にサイドレール単独回転の評価及びエンジン試験を行った。サイドレール単独回転開始角度は2.5°、摩耗量は10μm、オイル消費量は32 g/hrであった。
1 ピストン
2 スペーサエキスパンダ
3 サイドレール
4 ピストン外周面
5 オイルリング溝
6 耳部
6a 上部耳部
6b 下部耳部
7 シリンダ内壁
61 凹部(凹面)
62 凸部(凸面)
63 凸面と凹面を繋ぐ面(側面)
100 加工ローラ
110 加工面
200 下部ローラ
300 サイドレール単独回転評価試験装置
301 擬似オイルリング溝
302 ホルダー(擬似ピストン)
303 円筒(擬似シリンダ)
304 支柱
305 支点

Claims (6)

  1. 上下二枚のサイドレールと、それらの間に介在し内周部に前記サイドレールの内周面を押圧する耳部を有するスペーサエキスパンダよりなる組合せオイルコントロールリングにおいて、前記耳部のサイドレール押圧面に、凹部及び凸部が略軸方向に延長する周方向凹凸形状の凹凸部を有し、前記凹凸部の断面が略台形波形形状であり、前記凹凸部の凸面の凹面からの高さ(h)が0.5〜10μmで、かつ前記高さ(h)の前記凸部の底面の幅(m)に対する比(h/m)が0.5〜10%であることを特徴とする組合せオイルコントロールリング。
  2. 請求項1に記載の組合せオイルコントロールリングにおいて、前記凸面と前記凹面を繋ぐ面が外に凸形状であることを特徴とする組合せオイルコントロールリング。
  3. 請求項1又は2に記載の組合せオイルコントロールリングにおいて、前記高さ(h)が0.5μm以上6μm未満であることを特徴とする組合せオイルコントロールリング。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載の組合せオイルコントロールリングにおいて、前記耳部に含まれる前記凸面の周方向長さの合計が前記耳部の周方向長さの30〜70%であることを特徴とする組合せオイルコントロールリング。
  5. 請求項1乃至3の何れかに記載の組合せオイルコントロールリングにおいて、前記耳部に含まれる前記凸面の周方向長さの合計が前記耳部の周方向長さの20〜50%であることを特徴とする組合せオイルコントロールリング。
  6. 請求項1乃至3の何れかに記載の組合せオイルコントロールリングにおいて、前記耳部に含まれる前記凸面の周方向長さの合計が前記耳部の周方向長さの15〜25%であることを特徴とする組合せオイルコントロールリング。
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