JP5912044B2 - 開口部付き耐力壁 - Google Patents

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本発明は、住宅等の建物において、サッシ等の開口部装置を備えるべき開口部を有する耐力壁、及びここに開口部装置を備えた耐力壁に関する。
我が国では耐震性が建物の重要な設計要素であることは周知であり、建物を構成する部材の各所に耐震性の高い構造を適用し、総合して建物全体の耐震性をある一定以上の水準としている。いわゆる壁構造である耐力壁についても同様であり、2つの柱と上下横材で囲まれる骨組みを1つの単位として例えば「壁倍率」等の指標を用いて耐力壁の耐震性の程度が評価される。耐力壁は、この1つの単位が縦横に複数並べられて建物外周や建物内部の仕切りを形成するので、建物の耐震性に大きな影響を与える。
近年、省エネルギーやデザインの観点から窓等の開口部装置を多く用い、室内に外光を取り入れたいとの要望がある。ところが、開口部装置を配置するためには耐力壁に開口部装置を設置すべき開口部を設ける必要があり、ここには耐震性を持たせることが困難であることから、このような開口部付きの耐力壁は存在しても建物の耐震性を評価するに際して考慮することができず、除外されてきた。従って、建物全体として耐震設計をする際に採用できる開口部装置の面積が制限され、上記の要望に応えることや、設計自由度に限界があった。
特許文献1には、開口部を有する壁に所定の形状の補強金具を取り付ける技術が開示されている。これによれば、耐震に対する強度を十分確保することができる旨記載されている。
特開2003−278295号公報
特許文献1に記載の発明によれば、確かに耐震性は向上すると考えられる。しかしながら、当該発明に記載の補強金具は、間柱に凹部を設けてその中を通すとともに、この間柱の位置に合わせて間柱支持部を設けるものである。従って設置が煩雑であったり間柱の間隔ごとに補強部材を用意する必要があった。また、補強金具自体の構造も複雑であった。
そこで本発明は、開口部を有する耐力壁において、耐震性をより簡易に向上させることができる耐力壁を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。
請求項1に記載の発明は、複数の縦材と複数の横材、及び開口部装置用横材とを骨組みし、該骨組み内には開口部装置が設置されるべき開口である開口部が設けられた骨組み体と、骨組み体のうち、開口部以外の縦材間及び横材に渡され、開口部以外の骨組み部分を覆ってなるように固定された補強面材と、を備える耐力壁であって、補強面材の端部が配置される縦材は、補強面材の端部が嵌め込まれる切り欠きを有しており、切り欠きを有する縦材は複数の横材よりも太く形成され、補強面材が配置される側にその太く形成された部位が突出するように配置されていることを特徴とする耐力壁。
請求項に記載の発明は、請求項1に記載の耐力壁において、補強面材と縦材とが面一となるように形成されたものである。
請求項に記載の発明は、請求項1又は2に記載の耐力壁において、開口部が横材の長手方向に複数配列されることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1〜のいずれか一項に記載の耐力壁において、開口部に開口部装置が配置され、縦材及び横材に固定されることを特徴とする。
本発明によれば、開口部を有する耐力壁において、耐震性を簡易に向上させることができる。
耐力壁100の構造を説明する正面図である。 図2(a)は耐力壁100の断面図、図2(b)は耐力壁100の底面図である。 耐力壁100の構造を説明する正面図で、開口部装置を設置したものである。 耐力壁200の構造を説明する正面図である。 耐力壁200の構造を説明する正面図で、開口部装置を設置したものである。 許容せん断耐力の算出方法S10の流れを示した図である。 単体耐力壁の演算モデル130を説明する図である。 連続耐力壁の演算モデル230を説明する図である。 耐力壁の設計方法S20の流れを示した図である。
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
図1は1つの実施形態を説明する図であり、建物に備えられる1つの耐力壁100の構造を説明する正面図である。図2(a)は図1に示したII−II線に沿った断面図、図2(b)は耐力壁100の底面図である。図1、図2(b)では他の部材により隠蔽される部材、部位を透視して破線で示している。
耐力壁100は、梁101、102、柱103、104、開口部装置用横材105、106、間柱107、108、及び補強面材109、110を備えて構成されている。
梁101、102は横材として機能する水平方向に延びる部材であり、設置される部位によっては土台と呼ばれることもある。本実施形態では2つの梁101、102が所定の間隔を有して鉛直方向に並べられている。梁の断面形状及びその寸法は通常の建物と同様の態様であればよい。
柱103、104は縦材として機能する鉛直方向に延びるいわゆる柱であり、本実施形態では2つの柱103、104が所定の間隔を有して配置されている。柱103、104は、図1からわかるように、梁101、102間を渡すように配置され、柱103、104の端部が梁101、102に接続されている。当該接続は直接釘等により固定してもよいし、固定のための補助金具を介して取り付けてもよい。柱103、104、梁101、102により枠状の骨組みが形成される。
柱の断面形状及びその寸法は通常の建物と同様の態様であればよいが、本実施形態では好ましい形態として、柱103、104が次のような特徴を具備している。
すなわち、図2(a)、図2(b)に示したように柱103、104は上記梁101、102より太く形成され、後で詳しく説明する補強面材109、110が配置される側にその太く形成された部位が突出されるように配置されている。
さらに、柱103、104は補強面材109、110が配置される側で、補強面材109、110の端部が配置される部位に、補強面材109、110の端部を嵌め込むことができる切り欠き103a、104aが設けられている。切り欠き103a、104aの深さ(図2(a)の紙面上下方向大きさ)は特に限定されないが、補強面材109、110の厚さと同じ又はこれより深いことが好ましい。
なお、図2(a)、図2(b)では補強面材110が配置された部位についてのみ表したが、補強面材109が配置された部位も同様である。
開口部装置用横材105、106は、横材として機能する水平方向に延びる部材であり、本実施形態では2つの開口部装置用横材105、106が所定の間隔を有して配置されている。開口部装置用横材105、106は、図1からわかるように、梁101、102、柱103、104により形成される枠内で、柱103、104間を渡すように配置され、開口部装置用横材105、106の端部が柱103、104に接続されている。当該接続は直接釘等により固定してもよいし、固定のための補助金具を介して取り付けてもよい。これにより後述するように垂れ壁部120の部位、腰壁部121の部位、及び開口部装置が配置されるべき部位である開口部122の骨組みが形成される。
間柱107は、縦材として機能する鉛直方向に延びる部材であり、本実施形態では梁101、開口部装置用横材105、柱103、104により形成される枠内で、梁101と開口部装置用横材105とを渡すように配置されている。間柱107の端部が梁101及び開口部装置用横材105に接続されている。当該接続は直接釘等により固定してもよいし、固定のための補助金具を介して取り付けてもよい。
同様に間柱108は、縦材として機能する鉛直方向に延びる部材であり、本実施形態では梁102、開口部装置用横材106、柱103、104により形成される枠内で、梁102と開口部装置用横材106とを渡すように配置されている。間柱108の端部が梁102及び開口部装置用横材106に接続されている。当該接続は直接釘等により固定してもよいし、固定のための補助金具を介して取り付けてもよい。
以上の梁101、102、柱103、104、開口部用横材105、106、間柱107、108により骨組みされ、骨組み体が形成されている。
補強面材109は、いわゆる装飾板とは区別され、これとは別に配置される矩形の面材である。補強面材を構成する材質は耐震補強をすることができれば特に限定されることはない。これには例えば構造用合板や金属板等を挙げることができる。本実施形態では補強面材109は、図1からわかるように、その四周端部が梁101、柱103、104、及び開口部装置用横材105の室内側面又は室外側面に被せられるように配置され、釘等の固定部材により固定される。このとき、柱103、104に配置される端部は柱103、104の上記した切り欠き103a、104aにそれぞれ嵌め込まれる。
すなわち、開口部以外の骨組み部分の1つである垂れ壁部に補強面材109が配置される。
補強面材110も補強面材109と同様であり、いわゆる装飾板とは区別され、これとは別に配置される矩形の面材である。補強面材を構成する材質は耐震補強をすることができれば特に限定されることはない。これには例えば構造用合板や金属板等を挙げることができる。本実施形態では補強面材110は、図1からわかるように、その四周端部が梁102、柱103、104、及び開口部装置用横材106の室内側面又は室外側面に被せられるように配置され、釘等の固定部材により固定される。このとき、柱103、104に配置される端部は図2(a)、図2(b)に表れるように、柱103、104の切り欠き103a、104aにそれぞれ嵌め込まれる。
すなわち、開口部以外の骨組み部分の1つである腰壁部に補強面材110が配置される。
補強面材109、110の切り欠き103a、104aへの嵌め込みにおいて、切り欠き103a、104aの深さが、補強面材109、110の厚さと同じ、又はこれ以上であれば、補強面材109、110の厚さ方向の全てを切り欠き103a、104aに嵌め込むことができる。好ましくは図2のように、切り欠き103a、104aの深さが補強面材109、110と同じであり、柱103、104の1つの面と補強面材109、110の1つの面とが面一となる形態である。
補強面材109、110をこのように取り付けることにより、いわゆる垂れ壁部120及び腰壁部121において耐震強度を向上させることができ、耐力壁100を耐震壁として考慮することができるようになる。このように、補強面材109、110を設置することにより耐震強度向上を図ることができるので、非常に簡易的な構成及び容易な設置でこれをおこなうことが可能である。
ここで、本実施形態では、補強面材109、110を柱103、104の切り欠き103a、104aに嵌め込むことにより、補強面材109、110の端面が柱103、104に接し、柱103、104の変形に対して大きな抵抗となるので、耐震強度をさらに向上させることができる。
図3は、図1に示した耐力壁100のうち、開口部装置用横材105、106、柱103、104で囲まれた開口部122に窓サッシ等の開口部装置111が取り付けられた状態を表している。このように耐力壁100には開口部装置を取り付けることができる。本実施形態では、開口部122に1つの開口部装置111を設けた例を示したが、これに限定されることなく、受け材等を用いることにより複数の開口部装置をここに配置することもできる。また、補強面材についても垂れ壁部、腰壁部に複数の補強面材を設けることも可能である。
上記した実施形態では、柱103、104に切り欠き103a、104aを設けて補強面材109、110の端部をここに嵌め込んだが、必ずしも切り欠き103a、104aを設けなくてもよい。また、柱103、104を梁101、102より太く形成したが、柱103、104と梁101、102とが同じ太さであってもよい。これらによっても、補強面材が取り付けられれば耐震強度の向上を簡易に図ることは可能である。
図4、図5は、他の実施形態の耐力壁200を表す図であり、図1、図3に相当する図である。耐力壁200は、梁201、202、柱203、204、205、開口部装置用横材206、207、208、209、間柱210、211、212、213、及び補強面材214、215、216、217を備えて構成されている。
梁201、202は横材として機能する水平方向に延びる部材であり、設置される部位によっては土台と呼ばれることもある。本実施形態では2つの梁201、202が所定の間隔を有して鉛直方向に並べられている。梁の断面形状及びその寸法は通常の建物と同様の態様であればよい。
柱203、204、205は縦材として機能する鉛直方向に延びるいわゆる柱であり、本実施形態では3つの柱203、204、205が所定の間隔を有して配置されている。柱203、204、205は、図4からわかるように、梁201、202間を渡すように配置され、柱203、204、205の端部が梁201、202に接続されている。当該接続は直接釘等により固定してもよいし、固定のための補助金具を介して取り付けてもよい。柱203、204、205、梁201、202により2つの並列した枠状の骨組み(IVa、IVb)が形成される。
柱の断面形状及びその寸法については、上記した実施形態の柱103、104と同様である。すなわち柱203、204、205も補強面材214〜217が配置される端部に切り欠きを具備していることが好ましい。
開口部装置用横材206〜209は、横材として機能する水平方向に延びる部材である。開口部装置用横材206、207は、図4からわかるように、梁201、202、柱203、204により形成される枠内で、柱203、204間を渡すように配置され、開口部装置用横材206、207の端部が柱203、204に接続されている。当該接続は直接釘等により固定してもよいし、固定のための補助金具を介して取り付けてもよい。これにより後述するように垂れ壁部220の部位、腰壁部221の部位、及び開口部装置が配置されるべき部位である開口部222の骨組み(IVa)が形成される。
一方、開口部装置用横材208、209は、図4からわかるように、梁201、202、柱204、205により形成される枠内で、柱204、205間を渡すように配置され、開口部装置用横材208、209の端部が柱204、205に接続されている。当該接続は直接釘等により固定してもよいし、固定のための補助金具を介して取り付けてもよい。これにより後述するように垂れ壁部223の部位、腰壁部224の部位、及び開口部装置が配置されるべき部位である開口部225の骨組み(IVb)が形成される。
間柱210は、縦材として機能する鉛直方向に延びる部材であり、本実施形態では梁201、開口部装置用横材206、柱203、204により形成される枠内で、梁201と開口部装置用横材206とを渡すように配置されている。間柱210の端部が梁201及び開口部装置用横材206に接続されている。当該接続は直接釘等により固定してもよいし、固定のための補助金具を介して取り付けてもよい。
同様に、間柱211は、梁202、開口部装置用横材207、柱203、204による枠内に設けられ、間柱212は、梁201、開口部装置用横材208、柱204、205による枠内に設けられ、間柱213は、梁202、開口部装置用横材209、柱204、205による枠内に設けられる。
以上の梁201、202、柱203、204、205、開口部用横材206〜209、間柱210〜213により骨組みされ、骨組み体が形成されている。
補強面材214〜217は、いわゆる装飾板とは区別され、これとは別に配置される矩形の面材である。補強面材を構成する材質は耐震補強をすることができれば特に限定されることはない。これには例えば構造用合板や金属板等を挙げることができる。
補強面材214は、図4からわかるように、その四周端部が梁201、柱203、204、及び開口部装置用横材206の室内側面又は室外側面に被せられるように配置され、釘等の固定部材により固定される。このとき、柱203、204に配置される端部は柱203、204の切り欠きにそれぞれ嵌め込まれる。すなわち、開口部以外の骨組み部分の1つである垂れ壁部に補強面材214が配置される。
補強面材215は、図4からわかるように、その四周端部が梁202、柱203、204、及び開口部装置用横材207の室内側面又は室外側面に被せられるように配置され、釘等の固定部材により固定される。このとき、柱203、204に配置される端部は柱203、204の切り欠きにそれぞれ嵌め込まれる。すなわち、開口部以外の骨組み部分の1つである腰壁部に補強面材215が配置される。
補強面材216は、図4からわかるように、その四周端部が梁201、柱204、205、及び開口部装置用横材208の室内側面又は室外側面に被せられるように配置され、釘等の固定部材により固定される。このとき、柱204、205に配置される端部は柱204、205の切り欠きにそれぞれ嵌め込まれる。すなわち、開口部以外の骨組み部分の1つである垂れ壁部に補強面材216が配置される。
補強面材217は、図4からわかるように、その四周端部が梁202、柱204、205、及び開口部装置用横材209の室内側面又は室外側面に被せられるように配置され、釘等の固定部材により固定される。このとき、柱204、205に配置される端部は柱204、205の切り欠きにそれぞれ嵌め込まれる。すなわち、開口部以外の骨組み部分の1つである腰壁部に補強面材217が配置される。
補強面材214〜217の切り欠きへの嵌め込みについては上記した耐力壁100と同様である。
図5は、図4に示した耐力壁200のうち、開口部装置用横材206、207、柱203、204で囲まれた開口部222に窓サッシ等の開口部装置218が取り付けられ、開口部装置用横材208、209、柱204、205で囲まれた開口部225に窓サッシ等の開口部装置219が取り付けられた状態を表している。このように耐力壁200には開口部装置を取り付けることができる。
耐力壁200についても耐力壁100と同様に耐震強度を簡易に向上させることができる。
以上説明した実施形態では垂れ壁部と腰壁部との間に開口部が設けられた態様を説明したがこれに限定されることはなく、開口部を有する耐力壁に対して適用することができる。すなわち垂れ壁部と開口部のみ、及び開口部と腰壁部のみの構成等についても同様に適用することができる。
次に、以上説明した耐力壁100、200について耐震性を考慮するために、開口部を有する耐力壁の許容せん断耐力の算出方法の例について説明する。開口部装置が配置されるべき開口部を有する耐力壁の許容せん断耐力を算出する方法の1つの例として、許容せん断耐力の算出方法S10(以下、「算出方法S10」と記載することがある。)について説明する。
図6には、算出方法S10の流れを示した。図6からわかるように、算出方法S10は過程S11〜S19を含んでいる。以下各過程について説明する。算出方法S10は、例えば情報処理手段を形成するコンピュータにより演算することができる。コンピュータに備えられる受信手段及び送信手段を用い、情報の送受信を行い、コンピュータの記憶装置に許容せん断耐力演算のプログラム、及びその他のプログラム等を記憶させておく。そして許容せん断耐力の算出に関係する演算や情報処理手段自体の制御のための指令については、コンピュータに備えられる中央演算子(CPU)が記憶装置に記憶された各種プログラムを実行する。
過程S11は耐力壁の情報を取得する過程である。ここでは許容せん断耐力を算出する対象である耐力壁の構造に関する情報を情報処理手段に入力する。過程S11では、耐力壁100、200の構造に関する情報を入力する。入力される情報としては、高さ、幅、垂れ壁部高さ、腰壁部高さ、開口部高さ、垂れ壁部の補強面材寸法、腰壁部の補強面材寸法、各部材の材質、縦材、横材の断面寸法等である。
過程S12は釘配列係数を算出する過程である。ここでは、垂れ壁部及び腰壁部に用いられる釘の種類や釘の配列ピッチから釘配列係数を求める。釘配列係数の算出は公知の方法を用いることができる。
過程S13は開口部以外の壁である垂れ壁部120、220、223、腰壁部121、221、224のそれぞれについてその許容せん断耐力を算出する過程である。当該算出は過程S11で入力された情報、及び過程S12で算出された釘配列係数に基づいておこなわれる。そして計算結果として、変形角に対するモーメントの関係を得る。この関係を降伏点までの直線と終局点までの直線とによるバイリニア型で抽出し、最初の降伏点、及び終局点における変形角とモーメントの関係を算出する。
過程S14は、過程S13で算出した変形角とモーメントとの関係に基づいて、垂れ壁部及び腰壁部について等価ブレース置換をする過程である。すなわち、補強面材を有する垂れ壁部、腰壁部をブレース材として置き換えることで、垂れ壁部及び腰壁部を後述する演算モデルに組み込むことを可能するものである。等価ブレース置換は公知の方法で行うことができる。本実施形態では、過程S13で求めた垂れ壁部、腰壁部についての最初の降伏点における変形角及びモーメント、並びに終局点における変形角及びモーメントの値から算出する。
過程S15は演算対象とする耐力壁が単体耐力壁であるかを判断する過程である。演算対象が単体耐力壁である場合には「Yes」が選択され、過程S16に進む。一方、演算対象が連続耐力壁である場合には「No」が選択され、過程S17に進む。ここで単体耐力壁は、耐力壁100のように、ある1つの柱の左右いずれかにのみ開口部が配置される耐力壁である。一方、連続耐力壁は、耐力壁200のように、ある1つの柱の左右いずれにも開口部が配置される耐力壁である。
過程S16は単体耐力壁100の演算モデルを作成する過程である。図7には耐力壁100に対する演算モデル130を示した。演算モデル130は上記した耐力壁100が有する縦材及び横材に対応するビーム要素131〜136が骨組みされている。そして、垂れ壁部120に対応する位置に、垂れ壁部120の等価ブレース置換された要素137が配置され、腰壁部121に対応する位置に、腰壁部121の等価ブレース置換された要素138が配置されている。単体耐力壁100では、柱としての縦材103、104の両方に曲げを負担させる観点から、全てのビーム要素の接点139〜146を全固定結合条件としている。
演算モデル130が作成された後過程S18に進む。
一方、過程S17は連続耐力壁200の演算モデルを作成する過程である。図8には耐力壁200のうち、図4にIVbで示した柱204と柱205とで挟まれた部位、すなわち、開口部225が具備される部位に対する演算モデル230を示した。ここではIVbで示した部位についてのみ説明するが、実際に建物全体の演算をする際には開口部222が含まれる部位(IVaで示した部位)も同様にモデルを作成して演算する。
演算モデル230では、連続耐力壁であるため、片側の柱である縦材にのみ曲げを負担させる観点から演算モデルが作成される。すなわち、図8の紙面右側に鉛直に伸びる縦のビーム要素236を片側の柱とし、連続耐力壁200のうちIVbの部位に配置される横材に対応するように、横のビーム要素231、237、238、232が設けられる。また、図8の紙面左側に鉛直に伸びるビーム要素(隣合う開口部にも隣接する側の柱に対応するビーム要素)には曲げを負担させないため、上からビーム要素233、234、235が並べられて配置され、これらの接点247、248はピン結合条件とされている。そして、垂れ壁部223に対応する位置に、垂れ壁部223の等価ブレース置換された要素239が配置され、腰壁部224に対応する位置に、腰壁部224の等価ブレース置換された要素240が配置されている。ビーム要素の接点は、等価ブレース置換された要素239、及びビーム要素237の一端がピン接合条件である接点247に接合され、ビーム要素238の一端がピン接合条件である接点248に接合されている。他の接点241〜246は全固定結合条件である。
演算モデル230が作成された後過程S18に進む。
過程S18では、過程S16又は過程S17で作成された演算モデルに対して、図7、図8に示したように、上部ビーム要素131、231に荷重P(本実施形態では1kN)を与え、このときの垂れ壁部ブレース軸力、腰壁部ブレース軸力、柱に相当するビーム要素の曲げモーメント、柱に相当するビーム要素の軸力、及び演算モデル全体の水平変位を算出する。かかる演算は特に限定されることはないが、例えばフレーム応力解析によりおこなわれる。
過程S19は、過程S18で得た結果に対して増分解析により耐力壁の許容せん断耐力を算出する過程である。過程S19では、垂れ壁部及び腰壁部が降伏点、終局点に至る増分の荷重に基づき耐力壁の許容せん断耐力を算出する。
以上のような算出方法S10、及びそのための演算プログラムにより、開口部装置が配置されるべき開口部を有する耐力壁に対して、適切な許容せん断耐力を算出することができる。従ってかかる耐力壁を耐震設計に組み込むことができるので、耐震基準を満たす建物の設計の自由度を高めることが可能となる。
図9には上記算出方法S10と同様の考えに基づいた耐震壁の設計方法S20(以下「設計方法S20」と記載することがある。)のフロー図を示した。設計方法S20において、算出方法S10と共通する過程は同じ符号を付して説明を省略する。
設計方法S20では過程S11において初期条件としての耐力壁の情報を取得する。取得する情報は算出方法S10の過程S11と同じである。
以下、過程S12〜過程S19までは算出方法S10と同じである。
設計方法S20では、過程S21で、過程S19により算出した許容せん断耐力が、予め決めておいた必要な許容せん断耐力を満たしているかを判断する。ここで必要な許容せん断耐力を満たしていれば「Yes」が選択され、設計が終了する。一方、必要な許容せん断耐力を満たしていなければ「No」が選択され、過程S22に進む。
過程S22は耐力壁の構造条件を変更する過程である。ここでは必要な許容せん断耐力を満たすように耐力壁の条件を変更する。変更する構成は過程S11で入力された各情報のうち1つ又は複数から選ばれる。
かかる変更後に再度過程S12に戻り演算が繰り返される。
設計方法S20によれば、必要な許容せん断耐力を得ることができるように耐力壁の構造を設計することができる。これにより、設計の自由度を高めることが可能となり、耐震性能のための実際の試験を行う頻度を抑制することができる。また設計自体のスピードも向上させることが可能となる。
100 耐力壁
101、102 梁(横材)
103、104 柱(縦材)
105、106 開口部装置用横材(横材)
107、108 間柱(縦材)
109、110 補強面材
120 垂れ壁部(開口部以外の骨組部分)
121 腰壁部(開口部以外の骨組部分)
122 開口部
130 演算モデル
200 耐力壁
201、202 梁(横材)
203、204、205 柱(縦材)
206〜209 開口部装置用横材(横材)
210〜213 間柱(縦材)
214〜217 補強面材
220、223 垂れ壁部(開口部以外の骨組み部分)
221、224 腰壁部(開口部以外の骨組部分)
222、225 開口部
230 演算モデル

Claims (4)

  1. 複数の縦材と複数の横材、及び開口部装置用横材とを骨組みし、
    該骨組み内には開口部装置が設置されるべき開口である開口部が設けられた骨組み体と、
    前記骨組み体のうち、前記開口部以外の前記縦材間及び前記横材に渡され、前記開口部以外の前記骨組み部分を覆ってなるように固定された補強面材と、を備える耐力壁であって、
    前記補強面材の端部が配置される前記縦材は、前記補強面材の前記端部が嵌め込まれる切り欠きを有しており、
    前記切り欠きを有する前記縦材は前記複数の横材よりも太く形成され、前記補強面材が配置される側にその太く形成された部位が突出するように配置されていることを特徴とする耐力壁。
  2. 前記補強面材と前記縦材とが面一となるように形成された請求項1に記載の耐力壁。
  3. 前記開口部が前記横材の長手方向に複数配列されることを特徴とする請求項1又は2に記載の耐力壁。
  4. 前記開口部に開口部装置が配置され、前記縦材及び前記横材に固定されることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか一項に記載の耐力壁。
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