JP5912035B2 - 液体口腔用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、液体口腔用組成物に関する。
ヒトの歯の着色は、加齢や外傷等によって着色する内因性着色のほか、歯石や歯垢、又はお茶や油、タバコ等の習慣的飲食等により、歯面に茶渋やタバコのヤニ等の着色汚れが付着する外因性着色がある。こうした外因性着色を防止することを目的として、特許文献1には、ポリリン酸又はその塩とアシルタウリン塩を含有する液体口腔用組成物が開示され、特許文献2には、ポリリン酸又はその塩と、二糖類、りんご酸等を含有する液体口腔用組成物が開示されており、これらを適用することによって歯面に着色汚れが付着するのを未然に防いでいる。
一方、外因性着色を防止するにあたり、着色汚れの付着を防止するだけでなく、すでに付着した着色汚れを除去するのがさらに効果的であることから、その際に用いるものとして、特許文献3には、顆粒ゼオライトとポリリン酸、両性界面活性剤、及びアニオン界面活性剤を含有する歯磨剤組成物が開示されている。
特開2009−051734号公報 特開2005−343794号公報 特開2006−116222号公報
しかしながら、特許文献3に記載の歯磨剤組成物であると、ブラッシング作用との相加効果により着色汚れを除去するため、ブラシが届かない部分の除去効果が不十分となるおそれがある。また、仮に該文献に開示された歯磨剤組成物の処方を元に、水分の割合を単に増加させてブラッシングが不要である液体口腔用組成物を製造した場合であっても、低温において析出物が形成されたり、析出物により白濁するおそれがある。これに対して、特許文献1〜2に記載の液体口腔用組成物であれば、良好な安定性を有しつつ、歯に着色汚れが付着するのを未然に防ぐ効果を発揮するものの、すでに付着した着色汚れの除去効果については、依然として改善の余地がある。
したがって、本発明の課題は、すでに付着した着色汚れを除去する効果(外因性着色除去効果)に優れるとともに、高い安定性をも有する液体口腔用組成物を提供することにある。
そこで本発明者は、ポリリン酸又はその塩、及びサルコシン又はその塩を特定の質量比で含有し、硫酸エステル又はその塩の含有量を調整することによって、歯の外因性着色の要因となる茶渋やタバコのヤニ等の種々の着色汚れを除去する効果を充分に発揮し、しかも安定性に優れる液体口腔用組成物が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、次の成分(A)、(B)及び(C):
(A)アシルサルコシン又はその塩 0.02〜0.5質量%、
(B)ポリリン酸又はその塩 0.5〜5質量%、及び
(C)水 75〜95質量%
を含有し、かつ(D)アニオン界面活性剤としての硫酸エステル又はその塩を含有しないか、或いは含有量が0.001質量%以下であり、
成分(B)と成分(A)の含有量の質量比(B/A)が2〜50である液体口腔用組成物を提供するものである。
本発明の液体口腔用組成物によれば、歯に付着した茶渋等の着色汚れだけでなく、タバコのヤニ等の着色汚れ等、種々の着色汚れを充分に除去することができ、しかも低温における高い安定性を兼ね備えている。なかでも、茶渋等の色素成分と飲食物やタバコのヤニ等の油性成分とが混在して歯に付着したような着色汚れに対し、顕著な除去効果(外因性着色除去効果)を発揮することができる。したがって、本発明の液体口腔用組成物は、種々の着色汚れを充分に除去しながら優れた外観を呈し、良好な使用感をもたらすことができるものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の液体口腔用組成物は、アシルサルコシン又はその塩(A)を0.02〜0.5質量%含有する。アシルサルコシン又はその塩(A)はアニオン界面活性剤の一種であり、この特定量のアシルサルコシン又はその塩(A)と、特定の質量比を有する特定量のポリリン酸又はその塩(B)とが相まって、歯における茶渋等の着色汚れ、なかでも茶渋等と飲食物やタバコのヤニ等のように、ポリフェノールとタール等の油汚れの複数の成分が混在して歯に付着した着色汚れに対しても、充分な除去効果を発揮することができる。
アシルサルコシン又はその塩(A)としては、飽和脂肪酸を由来とするアシル基を有するアシルサルコシン又はその塩が好ましく、飽和脂肪酸としては、炭素数12〜18の飽和脂肪酸が好ましく、茶渋等と飲食物やタバコのヤニ等とのように複数の成分が混在して歯に付着したような着色汚れの除去効果にも優れる点から、炭素数12〜14の飽和脂肪酸がより好ましい。アシルサルコシン又はその塩(A)としては、N-アシルサルコシン又はその塩が好ましく、より具体的には、例えば、N-ラウロイルサルコシン、N−ミリストイルサルコシン、N−パルミトイルサルコシン、N−ステアロイルサルコシン、N−イソステアロイルサルコシン、N−オレオイルサルコシン、及びこれらの塩から選ばれる1種類又は2種以上のN-アシルサルコシン又はその塩(A)が好ましく、N-ラウロイルサルコシン塩、N-ミリストイルサルコシン塩から選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。また、N-アシルサルコシン塩の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
アシルサルコシン又はその塩(A)の含有量は、保存安定性を高め、外因性着色除去効果を向上させ、また収容容器への充填性及び爽快感を損なわない観点から、本発明の液体口腔用組成物中に0.03〜0.4質量%が好ましく、0.05〜0.3質量%がより好ましく、0.08〜0.3質量%がさらに好ましい。
本発明の液体口腔用組成物は、ポリリン酸又はその塩(B)を0.5〜5質量%含有する。ポリリン酸又はその塩(B)を単独で用いた場合、充分な外因性着色除去効果を発揮するに至らず、特に茶渋等と飲食物やタバコのヤニ等とのように複数の成分が混在して歯に付着したような頑固な着色汚れを除去するのは困難である。しかしながら、本発明では、特定量かつ特定の質量比を有するアシルサルコシン又はその塩(A)とポリリン酸又はその塩(B)とが相まって、優れた外因性着色除去効果を発揮することができ、頑固な着色汚れであっても充分に取り除くことが可能である。
ポリリン酸としては、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸、メタリン酸から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、その塩としては、ナトリウム、カリウムから選ばれる塩が好ましく、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、及びトリポリリン酸カリウムから選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、ピロリン酸ナトリウム及びトリポリリン酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種がさらに好ましい。
ポリリン酸又はその塩(B)の含有量は、外因性着色除去効果及び味の点から、本発明の液体口腔用組成物中に0.6〜3質量%が好ましく、0.8〜2質量%がより好ましい。
本発明の液体口腔用組成物は、ポリリン酸又はその塩(B)の含有量と、アシルサルコシン又はその塩(A)の含有量との質量比(B/A)が、味及び外因性着色汚れ除去効果を向上する点から、2〜50であって、2.5〜40であることがより好ましく、3〜30であることがさらに好ましい。このように、本発明の液体口腔用組成物は、アシルサルコシン又はその塩(A)とポリリン酸又はその塩(B)を特定量かつ特定の質量比で含有することにより、外因性着色の要因となる単一の着色汚れだけでなく、複数の着色汚れが付着した複合汚れ、即ち、現実の歯牙の表面に存在する外因性の着色汚れに類似する着色汚れに対しても、優れた外因性着色除去効果を奏する。
本発明の液体口腔用組成物は、水(C)を75〜95質量%含有する。水(C)としては、精製水やイオン交換水として配合される水分のほか、ソルビトール水などに含まれる水分も含まれる。水(C)の含有量は、分散性及び使用感の点から、本発明の液体口腔用組成物中に80〜95質量%が好ましく、80〜90質量%がより好ましい。
本発明の液体口腔用組成物は、成分(A)以外のアニオン界面活性剤として、硫酸エステル又はその塩(D)を含有しないか、或いはこれを含有する場合、その含有量は0.001質量%以下である。アニオン界面活性剤としての硫酸エステル又はその塩(D)は、ポリリン酸又はその塩(B)と共に錯体を形成しやすいため、成分(D)の含有量によっては、保存中に析出物が生成したり白濁したりして外因性着色除去効果が損なわれるおそれがあり、こうした状況は特に低温下で顕著になる傾向にある。そのため、本発明の液体口腔用組成物は、かかる成分(D)を含有しないか、或いは含有量が0.001質量%以下であることにより、外因性着色除去効果を損なうことなく良好な保存安定性を発揮することができる。
アニオン界面活性剤としての硫酸エステル(D)としては、アルキル硫酸エステル、ポリオキシアルキレン化アルキル硫酸エステルが挙げられ、アルキル硫酸エステル塩としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム等が挙げられる。前記硫酸エステル又はその塩(D)と、ポリリン酸又はその塩(B)とを含有する場合、より確実に析出物の形成や白濁を防止する点から、前記硫酸エステル又はその塩(D)の含有量は、本発明の液体口腔用組成物中に0.0001質量%以下であることが好ましい。
本発明の液体口腔用組成物は、香味や爽快感の点から香料(E)を含有することが好ましい。香料(E)としては、メントール、カルボン、アネトール、オイゲノール、シネオール、チモール、サリチル酸メチル、プレゴン、メントン、ピネン、リモネン、メンチルアセテート等の合成香料の他に、ペパーミント油、スペアミント油、ハッカ油等のミント油;レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ライムなどの柑橘油;ユーカリ、セージ、ローズマリー、タイム、ローレル、バジル、シソ、ベイ、エストラゴン、パセリ、セロリ、コリアンダー等のハーブ油;シナモン、ペッパー、ナツメグ、メース、クローブ、ジンジャー、カルダモン、アニスなどのスパイス油などのような天然精油;アップル、バナナ、メロン、グレープ、ピーチ、ストロベリー、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックカラント、ライチ、スターフルーツ、パッションフルーツ、プラム、パイナップル、マスカットなどのフルーツフレーバーなどから選ばれる2種以上を用いることができる。これら香料の中でも、口腔内へ爽快感や清涼感を付与する点から、メントール、カルボン、ペパーミント油、スペアミント油、ハッカ油、サリチル酸メチル、シネオール、リモネン、ピネンから選ばれる1種又は2種以上の香料を含むことが好ましく、2種以上を組み合わせて含有することが好ましい。香料(E)の含有量は、安定性と味、及び香味の点から、本発明の液体口腔用組成物中に0.05〜1質量%であることが好ましく、0.1〜0.6質量%がより好ましい。
本発明の液体口腔用組成物は、アシルサルコシン又はその塩(A)に対するポリリン酸又はその塩(B)の含有量と香料(E)の含有量との合計の質量比((B+E)/A)は、外因性着色除去効果、及び安定性の点から、3〜50であることが好ましく、4〜40であることがより好ましい。さらに、香料(E)の含有量に対するポリリン酸又はその塩(B)の含有量の質量比(B/E)は、安定性、外因性着色汚れ除去と塩味抑制の両立の点から、2〜20が好ましく、3〜16がより好ましく、3.5〜10がさらに好ましい。
本発明の液体口腔用組成物は、透明性を有する透明液体口腔用組成物であることが好ましい。本発明において透明性を有するとは、白濁しておらず、析出物や沈殿物が形成されていない、無色又は有色の透明又は半透明であることを意味し、具体的には、光路長10mmのセル(ポリスチレン製)における吸収波長550nmの光の透過率が80%以上であることが好ましく、透過率90%以上であることがさらに好ましい。
本発明の液体口腔用組成物は、アシルサルコシン又はその塩(A)及び硫酸エステル又はその塩(D)以外の他のアニオン界面活性剤を含有することができる。他のアニオン界面活性剤としては、アシルサルコシン以外のアシルアミノ酸又はその塩、ラウロイルメチルタウリンナトリウム等のアシルタウリン又はその塩、並びにアルキルリン酸エステル、ポリオキシアルキレン化アルキルリン酸エステル、ポリオキシアルキレン化アシルアミノ酸、アミノ脂肪酸、及びこれらの塩から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、液体口腔用組成物の収容容器への充填性、使用時における爽快感を維持する観点から、含有する場合は1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下がより好ましく、0.1質量%以下がさらに好ましく、或いは含有しなくてもよい。
本発明の液体口腔用組成物は、ノニオン界面活性剤を含有することができる。ノニオン界面活性剤は、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンフィトステロール及びフィトスタノール、ポリオキシエチレンラノリン及びラノリンアルコール、ポリオキシエチレンアルキルアミン及び脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル及び脂肪酸エタノールアミドから選ばれる1種又は2種以上が好ましく、後味の点から、脂肪酸の炭素数が8〜20の脂肪酸エステル類が好ましく、安定性や香料(E)の溶解性の点、及び透明性の点から、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。ノニオン界面活性剤は、含有していなくてもよいが、本発明の液体口腔用組成物中に0.01〜1質量%含有することが好ましく、0.02〜0.7質量%含有することがより好ましく、0.05〜0.5質量%含有することがさらに好ましい。
本発明の液体口腔用組成物のpHは、25℃におけるpHであって、味及び安定性の点から、5.5〜9であることが好ましい。
本発明の液体口腔用組成物は、さらに味を良好にする点から、トレハロース及び/又はグリセリンを含有することが好ましい。トレハロース及びグリセリンの合計含有量は、0〜8質量%が好ましく、1〜7質量%がより好ましく、2〜6質量%がさらに好ましい。
本発明の液体口腔用組成物は、洗口剤、マウススプレー、塗布剤等として口腔内に適用することが可能であり、口腔内に適用することによって、外因性着色除去効果をもたらし、しかも低温において保存中に析出物の形成と白濁が抑制され、安定性に優れる。外因性着色の要因である着色汚れとしては、油や、タバコの汚れのほか、緑茶、紅茶、ウーロン茶などの茶渋の汚れ、及び現実の口腔内におけるこれらの混合着色汚れが挙げられ、いずれの着色汚れに対しても高い除去効果を有する。かかる効果を向上する点から、本発明の液体口腔用組成物は、口腔内に30秒〜5分間適用することが好ましく、30秒〜3分間適用することがより好ましい。
本発明の液体口腔用組成物は、上記成分の他、本発明の効果を損なわない範囲内で、甘味剤、湿潤剤、pH調整剤、エタノール、糖アルコール、殺菌剤、薬効成分、色素等を適宜含有することができる。甘味剤としては、サッカリンナトリウム、スクラロースが挙げられる。上記成分の他の湿潤剤としては、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1、3-ブチレングリコール、ソルビトール等が挙げられる。pH調整剤としては、リンゴ酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが挙げられ、味の点からリンゴ酸、水酸化カリウムが好ましい。糖アルコールとしては、キシリトール、エリスリトール、還元パラチノース等が挙げられ、殺菌剤としては、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン等が挙げられる。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜8及び比較例1〜8]
表1に示す処方にしたがって、液体口腔用組成物を調製した。これらの液体口腔用組成物を以下の外因性着色除去試験、保存安定性試験を行い、保存安定性試験前の組成物について以下の基準で味を評価した。結果を表1に示す。
<外因性着色除去試験>
1 外因性着色モデルの作成
ハイドロキシアパタイトペレット(PENTAX製APP-100 1cm×1cm)を耐水性の研磨紙(360番)で研磨する。これを外因性着色前のハイドロキシアパタイトペレットとする。次に、ハイドロキシアパタイトペレットを、タンパク質溶液(BSA 10000ppm溶液)、紅茶(日東紅茶製 デイリークラブ)ティバッグ1つに対して50mLの沸騰させた熱湯で抽出した抽出液、人工唾液(20mM HEPES、1.5mL CaCl2、0.9mM KH2PO4)の各10mLに順に5分ずつ浸漬させた。この処理を10サイクル行った後に3時間自然乾燥させた。処理後のハイドロキシアパタイトペレットを、吸入路と吸引路とを備える密封容器(容量3L、プラスチック製)内におき、2本のタバコ(ピース 日本たばこ産業製)を1本づつ、一端を容器の外側から嵌めこみ、吸引路から1本が約2分で燃え尽きる程度に空気を吸引した。これにより、タバコを通して吸入路から密封容器内に空気が吸引される際に、タバコの煙が容器内に吸引され、容器内にタバコの煙が広がるが、吸入路から煙が積極的に排出されることを防止しつつ、密封容器内をタバコの煙で充満させることができる。1本目のタバコが消えてからすぐに2本目のタバコを挿入し、同様に吸引しつつタバコの煙で密封容器内を満たした。2本目のタバコの火が消えてから吸引を止めて1時間置くとタバコの煙が密封容器の下方に沈んだ状態となった。このように1時間置いた後に、ハイドロキシアパタイトペレットを密封容器から取り出し、外因性着色モデルとして、茶渋とタバコの汚れとが付着したハイドロキシアパタイトペレットを得た。
2 外因性着色除去処理
外因性着色モデルのハイドロキシアパタイトペレットを、室温(25℃)において表1に示す各実施例又は比較例の液体口腔用組成物に30秒間浸漬して取り出し、水で洗った後、自然乾燥させた。
3 外因性着色の除去率
外因性着色の程度は、ハイドロキシアパタイトペレットのL*a*b*表示におけるb*の値により判断した。b*は、歯科用色彩系シェードアイ(松風製)で測定し、外因性着色前のハイドロキシアパタイトペレットのb*値をb*0、着色汚れが付着した後の外因性着色モデルのb*値をb*1、実施例又は比較例の液体口腔用組成物により外因性着色除去処理を行った後の外因性着色モデルのb*値をb*2とし、以下の式(1)により外因性着色の除去率を求めた。
外因性着色の除去率=100×(1−(b*2−b*0)/(b*1−b*0))
・・・(1)
<保存安定性試験>
保存安定性は、各液体組成物を5℃で1ヶ月保存し、保存後の組成物の状態を確認した。評価は以下の基準により行った。
○ :析出物、濁り、分離などがなく透明である。
× :析出物、濁り、分離などがみられた。
<味の評価>
味は、塩味がするか否かにより以下の基準で判断した。判断は専門パネラー2名により行い、協議により以下の基準で判断した。
4 :塩味は感じない。
3 :塩味を殆ど感じない(わずかには感じる)。
2 :塩味を感じる。
1 :塩味を強く感じる。
Figure 0005912035
表1に示すように、実施例1〜8の液体口腔用組成物は、たばこと茶渋の複数混在した頑固な着色汚れ(外因性着色汚れ)に対しても、70%以上の高い除去率を示し、しかも低温の保存安定性、味に優れ、爽快感のあるものであった。これに対して、比較例2、3、6、7は、これら着色汚れの除去率が低く、低温保存後に分離又は白濁が確認された。比較例1、4、8は保存安定性や味は良好であるものの、着色汚れの除去率は低く、比較例5は着色汚れの除去率は高いものの、保存後に組成物の析出物が確認された。
[実施例9及び比較例9]
実施例1と同様にして、表2に示す処方にしたがって液体口腔用組成物を製造した。次いで、収容容器への充填性と、使用時における爽快感の有無によって使用感を評価した。収容容器への充填性は、製造した液体口腔用組成物を450gとり、500mLの収容容器(ポリエチレンテレフタレート製、容器本体は横断面が楕円の円柱型で吐出口の直径が20mmの容器)の吐出口から泡があふれることなく充填する際に要する最短時間について、20秒を基準時間として評価した。20秒よりも充填時間が長い場合を×とし、20秒以内に充填が可能な場合を○とした。評価結果を表2に示す。
Figure 0005912035
表2に示すように、実施例9及び比較例9はいずれも塩味は感じられないものの、比較例9は口腔内に適用して含嗽した場合に、香味が感じにくく、爽快感に劣るのに対して、実施例9は香味が良好で、爽快感も感じられた。また、比較例9は収容容器への充填時間が基準時間を超え、製造性に課題があるのに対して、実施例9は収容容器への充填を基準時間内で速やかに行うことができた。

Claims (7)

  1. 次の成分(A)、(B)(C)、(E)及び(F)
    (A)アシルサルコシン又はその塩 0.050.4質量%、
    (B)ポリリン酸又はその塩 0.8〜5質量%
    (C)水 75〜95質量%
    (E)香料、及び
    (F)ノニオン界面活性剤 0.01〜1質量%
    を含有し、かつ(D)アニオン界面活性剤としての硫酸エステル又はその塩を含有しないか、或いは含有量が0.001質量%以下であり、
    成分(B)と成分(A)の含有量の質量比(B/A)が40であり、
    成分(E)の含有量に対する、成分(B)の含有量の質量比(B/E)が2〜20であ透明液体口腔用組成物。
  2. 分(A)の含有量に対する、成分(B)及び成分(E)の含有量の合計の質量比((B+E)/A)が3〜50である請求項1に記載の透明液体口腔用組成物。
  3. 成分(E)が、メントール、カルボン、ペパーミント油、スペアミント油、ハッカ油、サリチル酸メチル、シネオール、リモネン、及びピネンから選ばれる1種又は2種以上である請求項1又は2に記載の透明液体口腔用組成物。
  4. 成分(A)及び成分(D)以外の他のアニオン界面活性剤を含有しないか、或いは含有量が1質量%以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明液体口腔用組成物。
  5. pHが5.5〜9である請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明液体口腔用組成物。
  6. グリセリン及び/又はトレハロースを含有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明液体口腔用組成物。
  7. 光路長10mmのセル(ポリスチレン製)における吸収波長550nmの光の透過率が、80%以上である請求項1〜6のいずれか1項に記載の透明液体口腔用組成物。
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