JP3821553B2 - 液体歯磨剤 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体歯磨剤に関し、詳しくは虫歯の予防に有効であり、さらに安定性に優れ、色素により着色され、その着色が安定に保たれた液体歯磨剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
虫歯は、歯の健康状態、口腔内の糖質食品の残存量や時間、口腔内細菌、特に虫歯発生細菌などが組み合わされた時に発生する疾患であることが知られている。これらの中でも虫歯発生細菌であるストレプトコッカスミュータンス菌は、糖を分解し歯垢を形成すると共に糖を発酵させて種々の酸を生成し、それによって歯のエナメル質を腐食し虫歯とする。そして虫歯発生菌はPHが4から5の酸性条件下で最も活発に増殖することから、虫歯を予防するには口腔内を弱酸性から弱アルカリ性とすることが好ましいとされている。
【0003】
しかし、食物を摂取すると口腔内のPHは急激に低下し中性から酸性へと変化し、虫歯の発生を誘起することから、このPHの低下を抑制することにより虫歯の発生を予防することを目的とした技術や製剤が検討されている。例えば、予防剤としてホウ酸及や炭酸水素ナトリウムを含有する歯みがき剤、うがい剤、デンタルクロスや塗布剤が知られている。その製剤では、予防剤としてホウ酸及や炭酸水素ナトリウムを使用すると、口腔内の炭水化物、歯垢及び唾液等がすべて中和されてPHが高まり、ウ蝕原生菌の増殖が著しく抑制されること、及び前記歯磨き剤や固形塗布剤はペースト状或いは粉末状で使用されることがわかっている。
【0004】
また、炭酸水素ナトリウム溶液を混入することによりPH7.5±0.2の範囲とした虫歯予防歯ミガキクリームが知られている。その研磨性がリン酸二カルシウムからなる歯磨き粉より適当であり、味も良く、かつ歯への浮きかす及び汚れの沈積予防に効果がある故をもって約74〜約210ミクロン範囲の中央粒子サイズの炭酸水素ナトリウムが主要組成物である歯磨き粉がある。さらに、アルカリ性の物を入れたハミガキにより、虫歯の原因である乳酸菌の繁殖を防ぐことができるものである。
【0005】
前記の公知のウ蝕組成物は、いずれも口腔内のPHの低下を抑制することで虫歯の発生を予防するものであり、そのためのPHの低下抑制剤として炭酸水素ナトリウムを使用することが示されている。しかし、前記ウ蝕組成物の主なものは、歯ミガキクリームと歯磨き粉であり、その他の組成物としてはペースト状塗布剤やチュウインガム等が記載されており、また液体状のものとしてはうがい剤の記載はあるが、液体歯磨剤について使用した例は知られていない。
そして、水溶液中では、炭酸水素ナトリウムは不安定で炭酸ガスを放出することが知られており、歯磨き剤において炭酸水素ナトリウムは、水溶液中では不安定で二酸化炭素ガスを放出するので、ペースト又はゲルの場合でも配合の安定性が問題となることが知られている。
【0006】
ところで、このような虫歯の発生を防止し、かつ歯をきれいにするための歯磨剤としては、前記したように種々のものがあり、例えば粉状、潤性粉末、ゼリー状、クリーム状やさらには液状のものがあり、またマウスウオッシュも虫歯発生の予防に有効な製剤であるとされている。
このように種々の形態の製剤の1つとしての液体歯磨剤は、趣好性の関係で色素を使用して着色されることが多く、清潔感を出すために水色又は緑色に着色したり、或いは温かみを出すためにピンク色又はオレンジ色に着色したりする。
しかし、この場合、その色素は人体に使用する関係で使用できる種類が制約されており、天然の色素も多いために比較的安定性が低く、保存中に変色し、或いは分解するために、当初の色を保持することが難しく、色が薄くなったもの或いは変色したものでは商品価値が著しく低下するという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、炭酸水素塩、例えば炭酸水素ナトリウムは口腔内のpHの低下を抑制することで虫歯の発生を予防するには有効であるが、水と反応し易いことから水を含む製剤での安定性が問題となっており、粉状歯磨剤などのほとんど水を含まない製剤において実用化されているにすぎなかった。
そして、液体歯磨剤など水を多く含む製剤とする場合には、PHを調整するためにリン酸水素ナトリウムや、クエン酸塩などが使用されている。
本発明者らの検討によれば、重炭酸イオンが口腔内のpHの低下を有効に抑制すること、そしてその為には炭酸水素塩が適しており、その作用は他の単なる緩衝作用を有するとされているリン酸水素ナトリウムなどよりも優れていることが確認されている。
そこで、炭酸水素ナトリウムなどの炭酸水素塩を配合することにより、虫歯の予防効果をさらに高めると共に、安定性をも改善した新たな液体歯磨剤を提供することを本発明の目的としている。
また、本発明は、色素を含有する液体歯磨剤において、その液体歯磨剤が有する着色が安定に維持されて、商品価値などが低下しない液体歯磨剤を得ることを目的の1つとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、口腔内にある程度の量の重炭酸イオンが存在するようにすることにより、口腔内のpHの低下を抑制する作用、そして虫歯の予防効果を高めることができることを見いだした。それに基づいて、その液体歯磨剤中に有効量の重炭酸イオンを含有させるようにすればよいことが導かれた。さらに、炭酸水素塩が水と反応する種々の条件のうち、特定のpHとした時には水溶液中で高い割合で重炭酸イオンとして存在し、これが口腔内のpHの低下を有効に抑制することを見い出し、さらにそのpH条件において液体歯磨剤の着色が安定であることを見い出すことにより本発明に到達した。
【0009】
前記課題は下記の本発明の液体歯磨剤によって達成される。
(1)液体歯磨剤のベース組成物に、炭酸水素塩を配合して、液体歯磨剤の媒体のPHを7.8〜9.0の間に調整することで、1.0ミリmol/100ml以上の重炭酸イオンを存在させたことを特徴とする口腔内のPHの低下を抑制する液体歯磨剤(洗口剤を除く)
(2)色素を含有する液体歯磨剤のベース組成物に、炭酸水素塩を配合して、液体歯磨剤の媒体のPHを7.8から9.0の間に調整することで、1.0ミリmol/100ml以上の重炭酸イオンを存在させて、前記色素による着色が安定に維持されたことを特徴とする液体歯磨剤(洗口剤を除く)
(3)前記炭酸水素塩が炭酸水素ナトリウムであることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の液体歯磨剤(洗口剤を除く)
(4)液体歯磨剤の組成中にクエン酸とその塩を含まないことを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の液体歯磨剤(洗口剤を除く)
(5)液体歯磨剤の組成中にパラヒドロキシ安息香酸エステルを含まないことを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の液体歯磨剤(洗口剤を除く)
(6)フェノール基を有する香料を含有したことを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の液体歯磨剤(洗口剤を除く)
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の液体歯磨剤は、その媒体中に有効量の重炭酸イオンを存在させたことにより、口腔内のPHの低下を抑制し、そして、虫歯の予防に効果がある。また、本発明は、炭酸水素塩を配合することで、その製剤を調製した時の媒体のPHが7.8から9.0の間とするもので、液体歯磨剤中に炭酸水素塩を重炭酸イオンとして存在させることにより所望の効果を得るものである。媒体のPHが7.8から9.0の間よりも酸性になるにつれて、液体歯磨剤中の炭酸水素塩は分解して媒体中に炭酸ガスを発生するようになり、またこの範囲よりもアルカリ性になるにつれて重炭酸イオンが減少して炭酸イオンとして存在することから本願発明の効果を十分に得ることはできない。また、媒体のPHがよりアルカリ性になるにつれて液体歯磨剤に異味が生じ、味覚の点で好ましくはない。
本発明で用いる炭酸水素塩としては、液体歯磨中に重炭酸イオンを存在させることができるものであればよく、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウムなどが挙げられ、これらの中でも炭酸水素ナトリウムが好ましい。
【0011】
本発明の液体歯磨剤を調製するには、有効量の重炭酸イオンが液体歯磨剤の媒体中に存在するようにすればよい。そのためには、例えば液体歯磨剤のPHが7.8から9.0の間となるように炭酸水素塩を添加すればよい。ただ、PHが7.5や7.6のものに炭酸水素塩を添加してPHが7.8から9.0の間となるようにすればよいというわけではなく、有効量の重炭酸イオンを含有させるようにすることが好適である。
ここで、有効量とは、本発明の効果を奏する量の重炭酸イオンが液体歯磨剤中に存在することであり、この重炭酸イオンの濃度としては、1.0ミリmol/100ml以上が挙げられる。そして、その為の炭酸水素塩の媒体中の配合量としては、例えば炭酸水素ナトリウムでは0.1w/v以上が好ましい。炭酸水素塩の配合量は歯磨剤のベース組成により変化することから、歯磨剤のベース組成を溶解した溶液のPHに対応して、製品の液体歯磨剤のPHが7.8から9.0の間となるように適宜調製すればよい。
また、本発明の液体歯磨剤を着色するのに添加する色素としては、法定色素等の色素、例えば青色1号等の青色、黄色4号等の黄色、赤色2号等の赤色、緑色3号等の緑色等に代表される化粧品等に使用することが可能な色素を挙げることができる。これらの中、前記したPH条件で安定性の高いものが好ましい。
【0012】
本発明の液体歯磨剤には発明の効果を損なわない限り、公知の成分を配合することができる。そのような成分としては、次に挙げるようなものである。
粘稠剤:グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、藻エキス、カラギーナン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カンゾウエキスなど。
【0013】
界面活性剤:
陰イオン界面活性剤:アルキル硫酸ナトリウム、N−アシルザルコシン酸ナトリウム、N−アシルグルタミン酸塩など。
非イオン界面活性剤:ショ糖脂肪酸エステル、糖アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、脂肪酸モノグリセライド、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン高級アルコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン脂肪酸エステルなど。
両性イオン界面活性剤:N−アルキルジアミノエチレングリシンなど。
陽イオン界面活性剤:塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウムなど。
【0014】
甘味剤:異性果糖、ステビアサイド、キシリトール、ソルビトール、サッカリンナトリウム、グリチルリチン酸ジカリウムなど。
香料:合成香料、天然香料、調合香料などが使用でき、その中でもメントール、チモール、カルバクロール、アネトール、ユーカリオイル、オイゲノールなどのフェノール基を有する香料が好ましい。
防腐剤:トリクロサン、グルコン酸クロルヘキシジン、イソプロピルメチルフェノール、パラヒドロキシ安息香酸エステルなど。
殺菌剤:塩化セチルピリジウム、塩化ベンゼトリウム、塩化ベンザルコニウム、トリクロサン、塩酸クロルヘキシジンなど。
歯面コーティング剤:セラック、ロウ類(蜜ロウ、植物ロウ、動物ロウなど)、リン酸エステル類(ミリスチルリンなどのモノアルキルリン酸エステル、ジアルキルリン酸エステルなど)、シリコーン樹脂(ジメチコーンコポリオールなど)など。
溶媒:エタノール、変性アルコール、水など。
【0015】
また、塩化リゾチーム、デキストラナーゼ、溶解酵素、ムタナーゼ、クロルヘキシジン又はその塩、ソルビン酸、アレキシジン、ヒノキチオール、アルキルグリシン、アルキルジアミノエチルグリシン塩、アラントイン、ε−アミノカプロン酸、トラネキサム酸、アズレン、ビタミンC、ビタミンE、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、フッ化第1錫、水溶性リン酸塩、第四級アンモニウム化合物、塩化ナトリウムなどの有効成分を配合することもできる。
これらの成分の中で、界面活性剤としてはポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が液体歯磨剤を安定に保つことから好ましい。
【0016】
また本発明では、パラヒドロキシ安息香酸エステル(「パラベン」とも呼ばれる)、例えば、パラヒドロキシ安息香酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステルおよびブチルエステルなどを配合すると光に対する安定性が著しく低下する場合があり、その時には液体歯磨剤は透明から赤褐色に変色するので好ましくない。ただし、遮光機能を有する容器や容器表面や内面に遮光処理などを施し、液体歯磨剤に対する光による影響が取り除かれるのであれば、この限りではない。本発明の液体歯磨剤は、歯ブラシなどによるブラッシングやマッサージを併用して行う場合には所望の効果を得ることができる。
【0017】
【実施例】
以下に実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1
本発明の液体歯磨剤及び比較対象の液体歯磨剤として、液体歯磨剤の媒体に炭酸水素塩として炭酸水素ナトリウムを含有させることによりそれぞれ所定の濃度の重炭酸イオンが含有されるようにした。そして、同じPHとなるリン酸水素2ナトリウムをそれぞれ所定の濃度で含有させることにより、下記に示すpH値の液体歯磨剤a、b、c、dをそれぞれ調製した。それらの組成を第1表に示す。
これらの液体歯磨剤について、次に示す試験を行った。
【0018】
【表1】
Figure 0003821553
【0019】
a.PHの低下抑制試験
(a−1)試験方法
前記PH値を示す液体歯磨剤a、b、c、dの各10mlに対して、それぞれに0.1Nの乳酸を0.05mlずつ添加していきPH値の低下を測定する。その結果を図1に示した。
(a−2)試験結果
図1から、炭酸水素ナトリウムを配合してPH値を8.6として有効量の重炭酸イオンを存在させた液体歯磨剤bは、リン酸水素2ナトリウムでPH値を8.4に調製した液体歯磨剤dと比べ、乳酸の添加量を増やしてもPH値の低下の傾向が少なかった。
また炭酸水素ナトリウムを配合して、有効量の重炭酸イオンを存在させた液体歯磨剤であっても、PH値が7.9の液体歯磨剤aでは液体歯磨剤bに比してPH値の低下は大きかったが、液体歯磨剤cに比して低下の傾向が少なかった。
【0020】
b.唾液との比較試験
(b−1)試験方法
第1表に記載の液体歯磨剤bの重炭酸イオンの濃度を変更して液体歯磨剤e〜gを調製した。第2表に液体歯磨剤e〜gのPH値及び各液体歯磨剤e〜g10mlに対して1Nの乳酸を0.05mlずつ添加してPH値が約4となるまでの乳酸量を示した。また比較のため、成人唾液を採取、遠心分離して得た上清液についてそのPH値とそれが約4となるまでに添加を要する乳酸量を併記した。
【0021】
【表2】
Figure 0003821553
【0022】
(b−2)試験結果
液体歯磨剤eは、1Nの乳酸を0.4ml添加した時にそのPH値が約4となり、唾液に対して1Nの乳酸を添加した場合と同じであった。一方、液体歯磨剤fおよびgの場合には、1Nの乳酸を1.2および2.2ml添加した時にPH値が約4となった。
唾液のPH値を約4に低下させるよりも、液体歯磨剤fおよびgのPH値を約4に低下させるために多くの1Nの乳酸が必要であり、このことから、液体歯磨剤fおよびgはPH値の低下を抑制する作用が唾液より優位であることが明らかとなった。また、PH7.8でも唾液と同等の効果を有することがわかった。
【0023】
c.光に対する安定性試験
(c−1)試験方法
第1表に記載の液体歯磨剤の組成からパラベン(パラヒドロキシ安息香酸エステル)を除いた組成のものについて、これらに炭酸水素塩として炭酸水素ナトリウムを配合して、第3表記載のPH値とした有効量の重炭酸イオンを存在させた液体歯磨剤hと液体歯磨剤iとを調製し、それぞれを透明プラスチック容器に充填した。そしてサンテスター(キセノンテスタXF−180)を用いて、61.5w/cm2 /24hrの条件で1日にわたり光を照射し、各液体歯磨剤の外観上の変化を目視にて観察すると共に、色差計(Z−300A)を用いて色差を測定した。その結果は第3表に併記した。
【0024】
【表3】
Figure 0003821553
【0025】
(c−2)試験結果
目視での観察によれば、明らかにパラベンを配合することにより光の安定性が悪くなっていることが確認された。この結果は色差(ΔE)においても明らかに認められた。このことから、光を透過させる容器を用い、かつ光に対する安定性を必要とする場合には、パラベンを配合しないことが好ましいといえる。
【0026】
d.味覚に関する試験
(d−1)試験方法
第1表に記載の液体歯磨剤bの組成を変えて炭酸水素ナトリウムの濃度を変更して第4表記載のPHとして液体歯磨剤j〜mを調製した。そして5人のモニターによりPH値による味覚への影響を検討した。
【0027】
【表4】
Figure 0003821553
【0028】
(d−2)試験結果
第4表より明らかな通り、PH値が9よりもアルカリ性になるにつれて液体歯磨剤の味は異味が増す傾向にあり、従って味覚の点からいえば、液体歯磨剤のPH値は9よりも中性よりとすることが好ましいといえる。
【0029】
実施例2
着色した液体歯磨剤に炭酸水素ナトリウムだけを用いた処方と、炭酸水素ナトリウムとクエン酸3ナトリウム・2水和物を併用した処方について、光安定性を検討した。
e.液体歯磨剤の調製
第5表に示す処方からなる液体歯磨剤A,B,C,Dを調製し、それぞれに第6表に示す色素を各別に添加し、80mlの容積を有する透明ペットボトルに充填する。
【0030】
【表5】
Figure 0003821553
【0031】
【表6】
Figure 0003821553
【0032】
f.光安定性試験
(f−1)試験方法
光安定性試験は、サンテスター(キセノンテスタXF−180、島津製作所製)を用いて加速的に行った。製剤充填後のボトルをサンテスターで照射し、外観上の変化及び色差計(Z−300A、日本電色工業製)を用いて色差を測定した。
また色差はLab表色系で示す。Lは明度、a,bは色度(色相と彩度)を示す。
特に、 緑− ←a→ +赤、
青− ←b→ +黄
ΔE=〔(ΔL)2 +(Δa)2 +(Δb)2 1/2 である。
また、外観の判断基準は3段階で行い、次のとおりである。
× :完全退色
△ :やや退色
○ :ほとんど変化なし
【0033】
(f−2)試験結果
4つの処方A〜Dについての光安定性試験の結果を第7表及び第8表に示す。色素により退色に要する照射時間は様々であるが、すべての色素について処方Aが最も安定で、処方Dが最も安定性が悪かった。また、ΔEの値は色素により様々であるが、いずれの色素においても処方Aのものが値がもっとも小さく、外観上の変化も少なかった。
(f−3)評価
液体歯磨剤の処方において、炭酸水素ナトリウムを配合した処方と、クエン酸ナトリウムを添加した処方について、色素配合下での光安定性試験によれば、いずれの色素においても退色の程度に差はあるが、炭酸水素ナトリウム単独の処方の場合がもっとも安定であり、クエン酸ナトリウムを加えることにより、色素の光安定性が悪くなると考えられる。ここでは、青、赤及び黄色について実施したが、これらの他の組合せの色についても同様のことがいえると考える。
【0034】
【表7】
Figure 0003821553
【0035】
【表8】
Figure 0003821553
【0036】
実施例3
第9表に示す処方(1)及び処方(2)の本発明の液体歯磨剤を調製した。この各製剤を380mlの透明ボトルに充填し、室温で1ケ月放置した後、その外観を目視にて観察した。その結果いずれの液体歯磨剤も白濁を生じることなく、安定であった。
【0037】
【表9】
Figure 0003821553
【0038】
【発明の効果】
本発明の液体歯磨剤は、唾液の有する緩衝能よりもその効力に優れ、口腔内のPHの低下を有効に抑制することができる。そして虫歯の予防効果を高めると共に、炭酸水素塩を配合した液体製剤でありながらも安定である。そのPHの低下を有効に抑制する作用は、従来のリン酸水素ナトリウムやクエン酸塩を用いた場合よりも優れたものである。
さらに、色素を使用した液体歯磨剤の場合には、その色素による着色が安定に維持されるため、その商品価値などが低下しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】液体歯磨剤a、b、c、dのそれぞれに対して0.1Nの乳酸を添加した場合のPH値の低下を測定したPH値変化図である。

Claims (6)

  1. 液体歯磨剤のベース組成物に、炭酸水素塩を配合して、液体歯磨剤の媒体のPHを7.8〜9.0の間に調整することで、1.0ミリmol/100ml以上の重炭酸イオンを存在させたことを特徴とする口腔内のPHの低下を抑制する液体歯磨剤(洗口剤を除く)
  2. 色素を含有する液体歯磨剤のベース組成物に、炭酸水素塩を配合して、液体歯磨剤の媒体のPHを7.8から9.0の間に調整することで、1.0ミリmol/100ml以上の重炭酸イオンを存在させて、前記色素による着色が安定に維持されたことを特徴とする液体歯磨剤(洗口剤を除く)
  3. 前記炭酸水素塩が炭酸水素ナトリウムであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の液体歯磨剤(洗口剤を除く)
  4. 液体歯磨剤の組成中にクエン酸とその塩を含まないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体歯磨剤(洗口剤を除く)
  5. 液体歯磨剤の組成中にパラヒドロキシ安息香酸エステルを含まないことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体歯磨剤(洗口剤を除く)
  6. フェノール基を有する香料を含有したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の液体歯磨剤(洗口剤を除く)
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