JP5910431B2 - 誘電体薄膜形成用組成物及び誘電体薄膜の形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、薄膜キャパシタ等において高いチューナビリティを発現させるとともに、優れたリーク電流特性を維持しつつ、しかも誘電体薄膜の誘電損失を低減し得る誘電体薄膜形成用組成物及び誘電体薄膜の形成方法に関するものである。本明細書で「チューナブル(tunable)」とは、印加する電圧を変化させると静電容量が変化し得ることをいい、「チューナビリティ(tunability)」とは、静電容量の可変性又は変化率をいう。
高周波用フィルタ、高周波用アンテナ、フェーズシフタ等の高周波チューナブルデバイスには、可変容量素子(チューナブル素子)として、上部電極及び下部電極とこの両電極間に形成された誘電体層から構成される薄膜キャパシタ等が組み込まれている。薄膜キャパシタは、両電極間に印加する電圧の変化によってその静電容量を変化させるコンデンサとして機能する。このような薄膜キャパシタを構成する誘電体層には、高い誘電率を有するチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、チタン酸バリウムストロンチウム(以下、「BST」という)、チタン酸バリウム(BaTiO3)等のペロブスカイト型酸化物を用いて形成された誘電体薄膜が使用されている。誘電体薄膜を形成する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、レーザーアブレーション法等の物理的気相成長法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法等の化学的気相成長法の他に、ゾルゲル法や有機金属熱分解(MetalOrganic Decomposition;MOD)法等の化学溶液法(Chemical Solution Deposition;CSD)法が用いられている(例えば、特許文献1,2参照。)。この方法は、金属アルコキシドや金属カルボン酸塩等を主原料として前駆体溶液を調製し、調製した前駆体溶液をディップコートやスピンコート等により基板上に堆積させ、熱処理による乾燥、有機成分の分解除去工程を経ることにより、目的の物質へ結晶化させて薄膜を得るという方法である。
そして、高周波チューナブルデバイスに組み込まれる薄膜キャパシタには、印加電圧に対する静電容量の可変性(チューナビリティ)が求められ、電圧を印加させたときに制御できる静電容量の幅がより大きいこと、即ち高チューナビリティであることが望まれる。その理由は、チューナビリティが高いものほど、より小さい電圧変化で、より広い共振周波数帯域に対応することができるからである。具体的に、チューナビリティは、電圧を印加する前の静電容量をC0Vとし、tVの電圧を印加させた後の静電容量をCtVとすると、チューナビリティ=(C0V−CtV)/C0V×100%で表される。例えば、図1に示すように、5Vの電圧を印加すると、印加電圧がないときのC0VからC5Vまで静電容量が変化するが、このとき、C0VからC5Vまでの幅が大きければ大きいほどチューナビリティが高く、高チューナビリティの薄膜キャパシタであると言える。
このようなチューナビリティを高める技術として、高周波帯域における使用に際して所望のインピーダンスを維持しつつ、誘電率の高い材料を用いて高チューナビリティを確保し得るチューナブルキャパシタが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
また、こういった高周波チューナブルデバイスに組み込まれる薄膜キャパシタ等では、高チューナビリティであることの他に、リーク電流密度が低いことや誘電率が高いこと等の基本特性が求められる。リーク電流密度を低減させる方法としては、薄膜キャパシタ等の誘電体層を構成する誘電体薄膜中に、Mn元素を添加することが有効であることが開示されている(例えば、特許文献4,5参照。)。特許文献5に示された技術では、誘電体薄膜を形成する原料液にMn元素を添加するとともに、基板上に塗布された原料液を酸素含有不活性ガス雰囲気中で焼成することにより、リーク電流密度の低減と同時に容量密度を向上させることができるとされている。
特開昭60−236404号公報(6ページの右上欄10行目〜左下欄3行目) 特開平11−260667号公報(段落[0020]〜段落[0025]) 特開2008−53563号公報(段落[0004]、段落[0008]) 特開平2−197108号公報(請求項1,2) 特許4420232号(請求項1、段落[0006])
しかしながら、上記従来技術の問題点としては、例えば上記特許文献3に示された技術では、高いチューナビリティを発現させるためには、誘電体層を形成する際に、第1の誘電体層よりも低い誘電率の第2の誘電体層を、第1の誘電体層の主面の一部を覆うように形成するといった煩雑な工程を踏まなければならないという点である。また、上記特許文献4,5に示された技術では、リーク電流密度の低減や容量密度の向上は図れるとされているものの、高いチューナビリティを同時に発現させることは困難である。
更に、薄膜キャパシタ等を構成する誘電体層は、誘電損失が小さい誘電体であることが望まれる。誘電損失は電場のエネルギーの一部を熱に変え、温度上昇を伴うため、絶縁破壊や機械的な破損の原因となるからである。また、誘電損失が大きいと、誘電体を素子に組み込んだ際に回路の損失が大きくなるため好ましくない。このような理由から、誘電体層として組み込まれる誘電体薄膜は誘電損失が小さいことが求められている。
そこで、本発明者らは、材料の改良という観点から煩雑な工程を経ることなく薄膜キャパシタ等において高いチューナビリティを発現させるとともに、優れたリーク電流特性を維持しつつ、しかも誘電体薄膜の誘電損失を低減し得る本発明に至った。
本発明の目的は、誘電損失が低く、薄膜キャパシタ等においてリーク電流特性、チューナビリティを向上させる誘電体薄膜を形成するための誘電体薄膜形成用組成物及び誘電体薄膜の形成方法を提供することにある。
本発明の第1の観点は、BST誘電体薄膜を形成するための誘電体薄膜形成用組成物において、一般式:Ba1-xSrxTiy3(式中0.2<x<0.6、0.9<y<1.1)で示される複合金属酸化物Aに、Cu(銅)を含む複合酸化物B及びMn(マンガン)を含む複合酸化物Cが混合した混合複合金属酸化物の形態をとる薄膜を形成するための液状組成物であり、複合金属酸化物Aを構成するための原料、複合酸化物Bを構成するための原料及び複合酸化物Cを構成するための原料が、上記一般式で示される金属原子比を与えるような割合で、かつAとBとのモル比B/Aが0.002<B/A<0.05の範囲内であり、かつAとCとのモル比C/Aが0.002<C/A<0.03の範囲内となるように、有機溶媒中に溶解している有機金属化合物溶液からなることを特徴とする。
本発明の第2の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に複合金属酸化物Aを構成するための原料が、有機基がその酸素又は窒素原子を介して金属元素と結合している化合物であることを特徴とする。
本発明の第3の観点は、第2の観点に基づく発明であって、更に複合金属酸化物Aを構成するための原料が、金属アルコキシド、金属ジオール錯体、金属トリオール錯体、金属カルボン酸塩、金属β−ジケトネート錯体、金属β−ジケトエステル錯体、金属β−イミノケト錯体、及び金属アミノ錯体からなる群より選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする。
本発明の第4の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に複合酸化物Bを構成するための原料が、有機基がその酸素又は窒素原子を介してCu(銅)元素と結合している化合物であることを特徴とする。
本発明の第5の観点は、第4の観点に基づく発明であって、更に複合酸化物Bを構成するための原料が、カルボン酸塩化合物、硝酸塩化合物、アルコキシド化合物、ジオール化合物、トリオール化合物、β−ジケトネート化合物、β−ジケトエステル化合物、β−イミノケト化合物、及びアミノ化合物からなる群より選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする。
本発明の第6の観点は、第5の観点に基づく発明であって、更にカルボン酸塩化合物が、ナフテン酸銅、n−オクタン酸銅、2−エチルヘキサン酸銅、n−ヘプタン酸銅、n−ヘキサン酸銅、2−エチル酪酸銅、n−吉草酸銅、i−吉草酸銅、n−酪酸銅、i−酪酸銅又はプロピオン酸銅であることを特徴とする。
本発明の第7の観点は、第5の観点に基づく発明であって、更に硝酸塩化合物が、硝酸銅であることを特徴とする。
本発明の第8の観点は、第1の観点に基づく発明であって、更に複合酸化物Cを構成するための原料が、有機基がその酸素又は窒素原子を介してMn(マンガン)元素と結合している化合物であることを特徴とする。
本発明の第9の観点は、第8の観点に基づく発明であって、更に複合酸化物Cを構成するための原料が、カルボン酸塩化合物、硝酸塩化合物、アルコキシド化合物、ジオール化合物、トリオール化合物、β−ジケトネート化合物、β−ジケトエステル化合物、β−イミノケト化合物、及びアミノ化合物からなる群より選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とする。
本発明の第10の観点は、第1ないし第9の観点に基づく発明であって、更にβ−ジケトン、β−ケトン酸、β−ケトエステル、オキシ酸、ジオール、トリオール、高級カルボン酸、アルカノールアミン及び多価アミンからなる群より選ばれた1種又は2種以上の安定化剤を、組成物中の金属合計量1モルに対して、0.2〜3モルの割合で更に含有することを特徴とする。
本発明の第11の観点は、第1ないし第10の観点に基づく発明であって、更にBとAとのモル比B/Aが0.003≦B/A≦0.03であることを特徴とする。
本発明の第12の観点は、第1ないし第11の観点に基づく発明であって、更にCとAとのモル比C/Aが0.003≦C/A≦0.02であることを特徴とする。
本発明の第13の観点は、第1ないし第12の観点に基づく誘電体薄膜形成用組成物を耐熱性基板に塗布し乾燥する工程を所望の厚さの膜が得られるまで繰返し行った後、空気中、酸化雰囲気中又は含水蒸気雰囲気中で該膜を結晶化温度以上で焼成することを特徴とする誘電体薄膜の形成方法である。
本発明の第1の観点の組成物では、一般式:Ba1-xSrxTiy3(式中0.2<x<0.6、0.9<y<1.1)で示される複合金属酸化物Aに、Cu(銅)を含む複合酸化物B及びMn(マンガン)を含む複合酸化物Cが混合した混合複合金属酸化物の形態をとる薄膜を形成するための液状組成物であり、複合金属酸化物Aを構成するための原料、複合酸化物Bを構成するための原料及び複合酸化物Cを構成するための原料が上記一般式で示される金属原子比を与えるような割合で、かつAとBとのモル比B/Aが0.002<B/A<0.05の範囲内であり、かつAとCとのモル比C/Aが0.002<C/A<0.03の範囲内となるように、有機溶媒中に溶解させている。これにより、誘電損失が非常に小さい誘電体薄膜を形成することができる。また、この組成物を用いて形成された誘電体薄膜を備える薄膜キャパシタ等においてリーク電流密度を低下させ、高いチューナビリティーを発現させることができる。
本発明の第6の観点の組成物では、複合酸化物Bを構成する原料として用いられるカルボン酸塩化合物に、ナフテン酸銅、n−オクタン酸銅、2−エチルヘキサン酸銅、n−ヘプタン酸銅、n−ヘキサン酸銅、2−エチル酪酸銅、n−吉草酸銅、i−吉草酸銅、n−酪酸銅、i−酪酸銅又はプロピオン酸銅を用いる。これにより、この組成物は非常に高い保存安定性が得られる。
本発明の第13の観点の誘電体薄膜の形成方法では、本発明の誘電体薄膜形成用組成物を耐熱性基板に塗布し乾燥する工程を所望の厚さの膜が得られるまで繰返し行った後、空気中、酸化雰囲気中又は含水蒸気雰囲気中で該膜を結晶化温度以上で焼成することにより行う。これにより、誘電損失が非常に小さい誘電体薄膜を形成することができる。また、この方法で形成された誘電体薄膜を備える薄膜キャパシタ等においてリーク電流密度を低下させ、高いチューナビリティーを発現させることができる。
可変容量素子における印加電圧の変化に伴う静電容量の変化を示す説明図である。
次に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
本発明の誘電体薄膜形成用組成物は、BST誘電体薄膜を形成するための組成物である。この組成物を用いて形成される誘電体薄膜は、一般式:Ba1-xSrxTiy3(式中0.2<x<0.6、0.9<y<1.1)で示される複合金属酸化物Aに、Cu(銅)を含む複合酸化物B及びMn(マンガン)を含む複合酸化物Cが混合した混合複合金属酸化物の形態をとる。この組成物は、複合金属酸化物Aを構成するための原料と、複合酸化物Bを構成するための原料と、複合酸化物Cを構成するための原料が上記一般式で示される金属原子比を与えるような割合で、かつBとAとのモル比B/Aが0.002<B/A<0.05の範囲内であり、かつCとAとのモル比C/Aが0.002<C/A<0.03の範囲内となるように有機溶媒中に溶解している有機金属化合物溶液からなる。即ち、本発明の組成物は、成膜後の誘電体薄膜において複合金属酸化物Aを構成するための原料以外に、Cu(銅)を含む複合酸化物B及びMn(マンガン)を含む複合酸化物Cを構成するための原料を添加して調製されたものである。これにより、本発明の組成物を用いれば、誘電損失が非常に小さい誘電体薄膜を形成することができる。また、この組成物を用いて形成された誘電体薄膜を備える薄膜キャパシタ等においてリーク電流密度を低下させ、高いチューナビリティーを発現させることができる。リーク電流密度を低下させ得る技術的な理由は、Cu(銅)の添加によって膜が緻密化するからであると推察される。また、高いチューナビリティーを発現させ得る理由は、Cu(銅)の添加によって膜中の結晶粒が大きく成長し、誘電率が向上するからであると推察される。
なお、リーク電流密度の低下には、Mn(マンガン)を含む原料の添加も一部機能しているものと考えられるが、本発明においてMn(マンガン)を含む原料の添加は、従来法のようにリーク電流密度を低下させる効果を主に期待するものではない。本発明者らが鋭意研究を重ねたところ、Cu(銅)とMn(マンガン)の双方を含有させた誘電体薄膜では、Cu(銅)、Mn(マンガン)をそれぞれ単独で含有させた場合には得られない新たな効果が確認された。即ち、本発明では、Cu(銅)を含む複合酸化物B及びMn(マンガン)を含む複合酸化物Cの双方を所定の割合で添加し、Cu(銅)とMn(マンガン)の双方を誘電体薄膜中に含有させることにより、既存の効果を保持しつつ、誘電体薄膜の誘電損失低減という新たな効果が得られる。Cu(銅)とMn(マンガン)の双方を誘電体薄膜中に含有させた場合に誘電損失が低減される技術的な理由は、電子の伝導経路がより効果的に遮られることによるものと推察される。
複合金属酸化物A用原料は、Ba、Sr及びTiの各金属元素に、有機基がその酸素又は窒素原子を介して結合している化合物が好適である。例えば、金属アルコキシド、金属ジオール錯体、金属トリオール錯体、金属カルボン酸塩、金属β−ジケトネート錯体、金属β−ジケトエステル錯体、金属β−イミノケト錯体、及び金属アミノ錯体からなる群より選ばれた1種又は2種以上が例示される。特に好適な化合物は、金属アルコキシド、その部分加水分解物、有機酸塩である。
具体的に、Ba化合物としては、2−エチル酪酸バリウム、2−エチルヘキサン酸バリウム、酢酸バリウム等のカルボン酸塩や、バリウムジイソプロポキシド、バリウムジブトキシド等の金属アルコキシドが挙げられる。Sr化合物としては、2−エチル酪酸ストロンチウム、2-エチルヘキサン酸ストロンチウム、酢酸ストロンチウム等のカルボン酸塩や、ストロンチウムジイソプロポキシド、ストロンチウムジブトキシド等の金属アルコキシドが挙げられる。Ti化合物としては、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラブトキシド、チタニウムジメトキシジイソプロポキシド等の金属アルコキシドが挙げられる。金属アルコキシドはそのまま使用しても良いが、分解を促進させるためにその部分加水分解物を使用しても良い。
また、複合酸化物B用原料は、Cu(銅)元素に、有機基がその酸素又は窒素原子を介して結合している化合物が好適である。例えば、カルボン酸塩化合物、硝酸塩化合物、アルコキシド化合物、ジオール化合物、トリオール化合物、β−ジケトネート化合物、β−ジケトエステル化合物、β−イミノケト化合物、及びアミノ化合物からなる群より選ばれた1種又は2種以上が例示される。特に好適な化合物は、ナフテン酸銅、2−エチル酪酸銅、n−オクタン酸銅、2−エチルヘキサン酸銅、n−ヘプタン酸銅、n−ヘキサン酸銅、2−エチル酪酸銅、n−吉草酸銅、i−吉草酸銅、n−酪酸銅、i−酪酸銅又はプロピオン酸銅等のカルボン酸塩化合物、或いは硝酸銅等の硝酸塩化合物である。しかし、カルボン酸塩化合物のうち、酢酸銅を原料として得られた誘電体薄膜形成用組成物は、沈殿を生じやすく、保存安定性に問題があるため好ましくない。
また、複合酸化物C用原料は、Mn(マンガン)元素に、有機基がその酸素又は窒素原子を介して結合している化合物が好適である。例えば、カルボン酸塩化合物、硝酸塩化合物、アルコキシド化合物、ジオール化合物、トリオール化合物、β−ジケトネート化合物、β−ジケトエステル化合物、β−イミノケト化合物、及びアミノ化合物からなる群より選ばれた1種又は2種以上が例示される。特に好適な化合物は、ナフテン酸マンガン、2−エチルヘキサン酸マンガン又は酢酸マンガン等のカルボン酸塩化合物、或いは硝酸マンガン等の硝酸塩化合物である。
本発明の誘電体薄膜形成用組成物を調製するには、これらの原料を所望の誘電体薄膜組成に相当する比率で適当な溶媒に溶解して、塗布に適した濃度に調整する。具体的には、組成物中の各原料割合は、成膜後の誘電体薄膜において複合金属酸化物A中の金属原子比が上記割合となるように調整される。即ち上記一般式中のx値及びy値が上記一般式を満たすように原料割合を調整する理由は、x値が0.2以下では誘電損失の増加が生じ、一方、0.6以上になるとチューナビリティの低下を生じるからである。また、上記一般式中のy値が上記範囲になるように原料割合を調整する理由は、y値が0.9以下又は1.1以上になるとチューナビリティの低下を生じるからである。また、成膜後の誘電体薄膜において、BとAとのモル比B/Aが0.002<B/A<0.05の範囲内となるように調整される。このように調製されることにより、この組成物を用いて形成された成膜後の誘電体薄膜において、低いリーク電流密度と高いチューナビリティを発現させることができる。なお、B/Aが0.002以下ではCu(銅)を含む原料の添加による上記効果が十分に得られず、B/Aが0.05以上になるとチューナビリティーが低下する。このうち、B/Aは0.003≦B/A≦0.03の範囲内であることが好ましい。本明細書において、BとAのモル比B/Aとは、複合酸化物Bに含まれるCu(銅)のモル数と複合金属酸化物Aのモル数の比をいう。また、成膜後の誘電体薄膜において、CとAとのモル比C/Aが0.002<C/A<0.03の範囲内となるように調整される。このように調製されることにより、この組成物を用いて形成された成膜後の誘電体薄膜中において、Cu(銅)の他にMn(マンガン)を含有させることができる。これにより、誘電損失が小さい誘電体薄膜を形成することができる。なお、C/Aが0.002以下では、Mn(マンガン)を含む原料の添加による上記効果が十分に得られず、0.03以上になると、リーク電流密度が増加する。このうち、C/Aは0.003≦C/A≦0.02の範囲内であることが好ましい。本明細書において、CとAのモル比C/Aとは、複合酸化物Cに含まれるMn(マンガン)のモル数と複合金属酸化物Aのモル数の比をいう。
ここで用いる誘電体薄膜形成用組成物の溶媒は、使用する原料に応じて適宜決定されるが、一般的には、カルボン酸、アルコール、エステル、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル類(例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル)、シクロアルカン類(例えば、シクロヘキサン、シクロヘキサノール)、芳香族系(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン)、その他テトラヒドロフランなど、或いはこれらの2種以上の混合溶媒を用いることができる。
カルボン酸としては、具体的には、n−酪酸、α−メチル酪酸、i−吉草酸、2−エチル酪酸、2,2−ジメチル酪酸、3,3−ジメチル酪酸、2,3−ジメチル酪酸、3−メチルペンタン酸、4−メチルペンタン酸、2−エチルペンタン酸、3−エチルペンタン酸、2,2−ジメチルペンタン酸、3,3−ジメチルペンタン酸、2,3−ジメチルペンタン酸、2−エチルヘキサン酸、3−エチルヘキサン酸を用いるのが好ましい。
また、エステルとしては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸tert−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸sec−アミル、酢酸tert−アミル、酢酸イソアミルを用いるのが好ましく、アルコールとしては、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソ−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メトキシエタノールを用いるのが好適である。
なお、誘電体薄膜形成用組成物の有機金属化合物溶液中の有機金属化合物の合計濃度は、金属酸化物換算量で0.1〜20質量%程度とすることが好ましい。
この有機金属化合物溶液中には、必要に応じて安定化剤として、β−ジケトン類(例えば、アセチルアセトン、ヘプタフルオロブタノイルピバロイルメタン、ジピバロイルメタン、トリフルオロアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン等)、β−ケトン酸類(例えば、アセト酢酸、プロピオニル酢酸、ベンゾイル酢酸等)、β−ケトエステル類(例えば、上記ケトン酸のメチル、プロピル、ブチル等の低級アルキルエステル類)、オキシ酸類(例えば、乳酸、グリコール酸、α−オキシ酪酸、サリチル酸等)、上記オキシ酸の低級アルキルエステル類、オキシケトン類(例えば、ジアセトンアルコール、アセトイン等)、ジオール、トリオール、高級カルボン酸、アルカノールアミン類(例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン)、多価アミン等を、(安定化剤分子数)/(金属原子数)で0.2〜3程度添加しても良い。
本発明では、上記調製された有機金属化合物溶液を濾過処理等によって、パーティクルを除去して、粒径0.5μm以上(特に0.3μm以上とりわけ0.2μm以上)のパーティクルの個数が溶液1mL当り50個/mL以下とするのが好ましい。
なお、当該有機金属化合物溶液中のパーティクルの個数の測定には、光散乱式パーティクルカウンターを用いる。
有機金属化合物溶液中の粒径0.5μm以上のパーティクルの個数が50個/mLを越えると、長期保存安定性が劣るものとなる。この有機金属化合物溶液中の粒径0.5μm以上のパーティクルの個数は少ない程好ましく、特に30個/mL以下であることが好ましい。
上記パーティクル個数となるように、調製後の有機金属化合物溶液を処理する方法は特に限定されるものではないが、例えば、次のような方法が挙げられる。第1の方法としては、市販の0.2μm孔径のメンブランフィルターを使用し、シリンジで圧送する濾過法である。第2の方法としては、市販の0.05μm孔径のメンブランフィルターと加圧タンクを組み合せた加圧濾過法である。第3の方法としては、上記第2の方法で使用したフィルターと溶液循環槽を組み合せた循環濾過法である。
いずれの方法においても、溶液圧送圧力によって、フィルターによるパーティクル捕捉率が異なる。圧力が低いほど捕捉率が高くなることは一般的に知られており、特に、第1の方法、第2の方法について、粒径0.5μm以上のパーティクルの個数を50個以下とする条件を実現するためには、溶液を低圧で非常にゆっくりとフィルターに通すのが好ましい。
本発明の誘電体薄膜形成用組成物を用いることで、BST複合金属酸化物Aに、Cu(銅)を含む複合酸化物B及びMn(マンガン)を含む複合酸化物Cが混合した混合複合金属酸化物の形態をとる誘電体薄膜を簡便に形成することができる。この組成物を用いて形成される薄膜中のBとAとのモル比B/Aは、0.002<B/A<0.05の範囲内となる。BとAとのモル比B/Aがこの範囲内であれば、この薄膜を備える薄膜キャパシタ等においてリーク電流密度を低下させ、しかも高いチューナビリティを発現し得る。なお、B/Aが0.05以上になるとチューナビリティ低下の原因となる。このうち、B/Aは0.003≦B/A≦0.03が好ましい。また、薄膜中のCとAとのモル比C/Aは、0.002<C/A<0.03の範囲内となる。BとAとのモル比B/Aが上記範囲内にあり、CとAとのモル比C/Aがこの範囲内であれば、この誘電体薄膜の誘電損失は大幅に低減される。
本発明の誘電体薄膜形成用組成物を用いて、誘電体薄膜を形成するには、上記組成物をスピンコート、ディップコート、LSMCD(Liquid Source Misted Chemical Deposition)法等の塗布法により耐熱性基板上に塗布し、乾燥(仮焼成)及び本焼成を行う。
使用される耐熱性基板の具体例としては、基板表層部に、単結晶Si、多結晶Si,Pt,Pt(最上層)/Ti,Pt(最上層)/Ta,Ru,RuO2,Ru(最上層)/RuO2,RuO2(最上層)/Ru,Ir,IrO2,Ir(最上層)/IrO2,Pt(最上層)/Ir,Pt(最上層)/IrO2,SrRuO3又は(LaxSr(1-x))CoO3等のペロブスカイト型導電性酸化物等を用いた基板が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
なお、1回の塗布では、所望の膜厚が得られない場合には、塗布、乾燥の工程を複数回繰返し行った後、本焼成を行う。ここで、所望の膜厚とは、本焼成後に得られる誘電体薄膜の厚さをいい、高容量密度の薄膜キャパシタ用途の場合、本焼成後の誘電体薄膜の膜厚が50〜500nmの範囲である。
また、仮焼成は、溶媒を除去するとともに有機金属化合物や有機化合物を熱分解又は加水分解して複合酸化物に転化させるために行うことから、空気中、酸化雰囲気中、又は含水蒸気雰囲気中で行う。空気中での加熱でも、加水分解に必要な水分は空気中の湿気により十分に確保される。この加熱は、溶媒の除去のための低温加熱と、有機金属化合物や有機化合物の分解のための高温加熱の2段階で実施しても良い。
本焼成は、仮焼成で得られた薄膜を結晶化温度以上の温度で焼成して結晶化させるための工程であり、これにより誘電体薄膜が得られる。この結晶化工程の焼成雰囲気はO2、N2、Ar、N2O又はH2等或いはこれらの混合ガス等が好適である。
仮焼成は、150〜550℃で1〜30分間程度行われ、本焼成は450〜800℃で1〜60分間程度行われる。本焼成は、急速加熱処理(RTA処理)で行っても良い。RTA処理で本焼成する場合、その昇温速度は10〜100℃/秒が好ましい。
このようにして形成された本発明の誘電体薄膜は、誘電損失が非常に小さく、この薄膜を備える薄膜キャパシタ等においてリーク電流密度を低下させ、しかも高チューナビリティを発現させ得る。具体的には、膜厚が100〜500nmの範囲にある誘電体薄膜を誘電体層として薄膜キャパシタを形成し、この薄膜キャパシタの印加電圧を20Vとしたとき、リーク電流密度が3.0×10-6A/cm2以下、チューナビリティが70%以上、誘電損失が0.0050以下を達成する。薄膜キャパシタの性能を示す指標として、FOM(Figure of Merit)という、チューナビリティ(%)を誘電損失で除した値が広く用いられている。本発明の誘電体薄膜は、上述のように誘電損失が小さく、この薄膜を備える薄膜キャパシタ等において高チューナビリティを発現させるため、この薄膜を備える薄膜キャパシタのFOMは、非常に高い値を示す。また、本発明の誘電体薄膜は、IPDとしての基本的特性にも優れる。
このように、本発明の誘電体薄膜は、誘電損失が小さく、薄膜キャパシタ等におけるリーク電流特性、チューナビリティを向上させることから、薄膜コンデンサ、キャパシタ、IPD、DRAMメモリ用コンデンサ、積層コンデンサ、トランジスタのゲート絶縁体、不揮発性メモリ、焦電型赤外線検出素子、圧電素子、電気光学素子、アクチュエータ、共振子、超音波モータ、又はLCノイズフィルタ素子の複合電子部品における構成材料として使用することができる。このうち特に100MHz以上の周波数帯域に対応したものに使用することもできる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
なお、以下の実施例及び比較例において、原料としては、次のものを用いた。
Ba化合物: 2−エチル酪酸バリウム
Sr化合物: 2−エチル酪酸ストロンチウム
Ti化合物: チタニウムテトライソプロポキシド
Cu化合物: ナフテン酸銅、2−エチル酪酸銅、n−オクタン酸銅、2−エチルヘキサン酸銅、n−吉草酸銅、i−吉草酸銅、n−酪酸銅、i−酪酸銅、プロピオン酸銅、酢酸銅、硝酸銅
Mn化合物: ナフテン酸マンガン、2−エチルヘキサン酸マンガン、酢酸マンガン、硝酸マンガン
<実施例1>
有機溶媒として、十分に脱水処理した酢酸イソアミルを使用し、これにBa化合物及びSr化合物として、2−エチル酪酸バリウム及び2−エチル酪酸ストロンチウムを、Ba:Srのモル比が70:30となるように溶解させた。その後、得られた溶液にTi化合物として、チタニウムテトライソプロポキシドをBa:Sr:Tiのモル比が70:30:100となるように添加した。また、Cu化合物として2−エチルヘキサン酸銅を、BとAのモル比B/Aが0.003となるように添加して溶解させた。更に、Mn化合物として2−エチルヘキサン酸マンガンを、CとAのモル比C/Aが0.01となるように添加して溶解させた。また、溶液安定化のため安定化剤(アセチルアセトン)を金属合計量に対して1倍モル加え、金属酸化物換算濃度が7質量%の薄膜形成用組成物を調製した。
薄膜の形成は以下のCSD法(化学溶液堆積法)により行った。
即ち、先ず、基板として表面にスパッタリング法にてPt下部電極膜を形成した6インチシリコン基板を用意した。この基板のPt下部電極膜上に、スピンコート法により、500rpmで3秒間、その後3000rpmで15秒間の条件で、上記調製した薄膜形成用組成物を塗布した。
次いで、ホットプレートを用い、350℃で5分間加熱して乾燥・仮焼成を行った。この塗布、仮焼成の工程を3回繰返した後、昇温速度5℃/分で大気雰囲気中700℃、1時間焼成し、膜厚250nmの誘電体薄膜を得た。
その後、メタルマスクを用い、表面に約250μm×250μm角のPt上部電極をスパッタリング法にて作製し、薄膜キャパシタを得た。
<実施例2>
次の表1に示すように、Cu化合物として2−エチルヘキサン酸銅の代わりに2−エチル酪酸銅を、BとAのモル比B/Aが0.005となるように添加したこと以外は、実施例1と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<実施例3>
次の表1に示すように、Cu化合物として2−エチルヘキサン酸銅の代わりにナフテン酸銅を、BとAのモル比B/Aが0.01となるように添加したこと、Mn化合物として2−エチルヘキサン酸マンガンの代わりにナフテン酸マンガンを添加したこと、及び安定化剤としてアセチルアセトンの代わりに1−アミノ−2−プロパノールを加えたこと以外は、実施例1と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<実施例4>
次の表1に示すように、ナフテン酸銅をBとAのモル比B/Aが0.02となるように添加したこと以外は、実施例3と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<実施例5>
次の表1に示すように、ナフテン酸銅をBとAのモル比B/Aが0.03となるように添加したこと以外は、実施例3と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<実施例6>
次の表1に示すように、ナフテン酸マンガンをCとAのモル比C/Aが0.003となるように添加したこと以外は、実施例3と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<実施例7>
次の表1に示すように、ナフテン酸マンガンをCとAのモル比C/Aが0.005となるように添加したこと以外は、実施例3と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<実施例8>
次の表1に示すように、Cu化合物として2−エチルヘキサン酸銅の代わりに硝酸銅を、BとAのモル比B/Aが0.01となるように添加したこと、及びMn化合物として2−エチルヘキサン酸マンガンの代わりに硝酸マンガンを、CとAのモル比C/Aが0.02となるように添加したこと以外は、実施例1と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<実施例9>
次の表1に示すように、チタニウムテトライソプロポキシドをBa:Sr:Tiのモル比が70:30:95となるように添加したこと以外は、実施例3と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<実施例10>
次の表1に示すように、チタニウムテトライソプロポキシドをBa:Sr:Tiのモル比が70:30:105となるように添加したこと以外は、実施例3と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<実施例11>
次の表1に示すように、Cu化合物としてナフテン酸銅の代わりに酢酸銅を添加したこと、及び安定化剤として1−アミノ−2−プロパノールの代わりにアセチルアセトンを加えたこと以外は、実施例3と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<実施例12>
次の表1に示すように、Cu化合物としてナフテン酸銅の代わりにプロピオン酸銅を添加したこと、及び安定化剤として1−アミノ−2−プロパノールの代わりにジエタノールアミンを加えたこと以外は、実施例3と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<実施例13>
次の表1に示すように、Cu化合物としてナフテン酸銅の代わりにn−酪酸銅を添加したこと、及び安定化剤として1−アミノ−2−プロパノールの代わりにトリエタノールアミンを加えたこと以外は、実施例3と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<実施例14>
次の表1に示すように、Cu化合物としてナフテン酸銅の代わりにi−酪酸銅を添加したこと、安定化剤として1−アミノ−2−プロパノールの代わりにホルムアミドを加えたこと、及び乾燥空気雰囲気中で焼成を行ったこと以外は、実施例3と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<実施例15>
次の表1に示すように、Cu化合物としてナフテン酸銅の代わりにn−吉草酸銅を添加したこと、Mn化合物としてナフテン酸マンガンの代わりに2−エチルヘキサン酸マンガンを添加したこと、安定化剤として1−アミノ−2−プロパノールの代わりにプロピレングリコールを加えたこと、及び酸素雰囲気中で焼成を行ったこと以外は、実施例3と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<実施例16>
次の表1に示すように、Cu化合物としてナフテン酸銅の代わりにi−吉草酸銅を添加したこと、Mn化合物としてナフテン酸マンガンの代わりに2−エチルヘキサン酸マンガンを添加したこと、及び安定化剤として1−アミノ−2−プロパノールの代わりにアセチルアセトンを加えたこと以外は、実施例3と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<実施例17>
次の表1に示すように、Cu化合物としてナフテン酸銅の代わりにn−ヘキサン酸銅を添加したこと、Mn化合物としてナフテン酸マンガンの代わりに2−エチルヘキサン酸マンガンを添加したこと、安定化剤として1−アミノ−2−プロパノールの代わりにアセチルアセトンを加えたこと、及び乾燥空気雰囲気中で焼成を行ったこと以外は、実施例3と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<実施例18>
次の表1に示すように、Cu化合物としてナフテン酸銅の代わりにn−ヘプタン酸銅を添加したこと、Mn化合物としてナフテン酸マンガンの代わりに硝酸マンガンを添加したこと、安定化剤として1−アミノ−2−プロパノールの代わりにアセチルアセトンを加えたこと、及び酸素雰囲気中で焼成を行ったこと以外は、実施例3と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<実施例19>
次の表1に示すように、Cu化合物としてナフテン酸銅の代わりにn−オクタン酸銅を添加したこと、Mn化合物としてナフテン酸マンガンの代わりに酢酸マンガンを添加したこと、及び安定化剤として1−アミノ−2−プロパノールの代わりにアセチルアセトンを加えたこと以外は、実施例3と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<実施例20>
次の表1に示すように、ナフテン酸銅をBとAのモル比B/Aが0.0025となるように添加したこと、及びナフテン酸マンガンをCとAのモル比C/Aが0.0025となるように添加したこと以外は、実施例3と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<実施例21>
次の表1に示すように、ナフテン酸銅をBとAのモル比B/Aが0.04となるように添加したこと、及びナフテン酸マンガンをCとAのモル比C/Aが0.025となるように添加したこと以外は、実施例3と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<比較例1>
Cu化合物及びMn化合物を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<比較例2>
Cu化合物を添加しなかったこと、及び安定化剤として1−アミノ−2−プロパノールの代わりにアセチルアセトンを加えたこと以外は、実施例3と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<比較例3>
次の表1に示すように、2−エチルヘキサン酸銅をBとAのモル比B/Aが0.002となるように添加したこと以外は、実施例1と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<比較例4>
次の表1に示すように、ナフテン酸銅をBとAのモル比B/Aが0.05となるように添加したこと以外は、実施例3と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<比較例5>
次の表1に示すように、Cu化合物として2−エチルヘキサン酸銅の代わりに酢酸銅を、BとAのモル比B/Aが0.001となるように添加したこと、及びMn化合物を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<比較例6>
次の表1に示すように、ナフテン酸マンガンをCとAのモル比C/Aが0.002となるように添加したこと以外は、実施例3と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<比較例7>
次の表1に示すように、硝酸マンガンをCとAのモル比C/Aが0.03となるように添加したこと以外は、実施例8と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<比較例8>
次の表1に示すように、チタニウムテトライソプロポキシドをBa:Sr:Tiのモル比が70:30:90となるように添加したこと以外は、実施例3と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
<比較例9>
次の表1に示すように、チタニウムテトライソプロポキシドをBa:Sr:Tiのモル比が70:30:110となるように添加したこと以外は、実施例3と同様に、薄膜形成用組成物を調製し、薄膜キャパシタを得た。
Figure 0005910431
<比較試験及び評価>
実施例1〜21及び比較例1〜9で得られた薄膜キャパシタについて、リーク電流密度、チューナビリティー、誘電損失及びFOM(Figure of merit)を評価した。これらの結果を次の表2に示す。
(1) リーク電流密度:薄膜キャパシタの上部電極と誘電体薄膜直下のPt下部電極間にて直流電圧を印加して、リーク電流密度の電圧依存性(I−V特性)を評価し、印加電圧20Vでのリーク電流密度値を代表値とした。なお、I−V特性の測定には、電流電圧測定装置(ケースレー社製 型式名:236 SMU)を用い、Bias step 0.5V、Delay time 0.1sec、Temperature 23℃、Hygrometry 50±10%の条件で測定した。
(2) チューナビリティ:薄膜キャパシタのPt上部電極とPt下部電極間に、10MHzにて20Vのバイアス電圧を印加し、バイアス電圧を印加してないときの静電容量C0Vと、20V印加時のC20Vから、次の式(1)より算出される静電容量の変化率T(%)を算出した。なお、静電容量の変化率T(%)は、インピーダンスマテリアルアナライザ(ヒューレット・パッカード社製 型式名:HP4291A)を用いて測定した。
T=(C0V−C20V)/C0V×100 (1)
(3) 誘電損失(tanδ):薄膜キャパシタのPt上部電極とPt下部電極間に、10MHzにて20Vのバイアス電圧を印加したときの誘電損失を評価した。なお、誘電損失は、インピーダンスマテリアルアナライザ(ヒューレット・パッカード社製 型式名:HP4291A)を用いて測定した。
(4) FOM:上記式(1)より算出された静電容量の変化率T(%)及び上記測定された誘電損失の値から、下記式(2)によりFOMの値を算出した。
FOM=T/(tanδ×100) (2)
(5) 保存安定性:調製した誘電体薄膜形成用組成物をメンブランフィルター(日本インテグリス株式会社製:孔径0.05μm)と加圧タンクを用いて0.05MPaの圧力で濾過を行い、洗浄済みガラス製スクリュー管瓶(和歌山CIC研究所洗浄品)に移し、温度を7℃に保った状態で2ヶ月間保存した。濾過直後(2時間静置後)の組成物と2ヶ月経過後の保存後の組成物について0.5μm以上の液中パーティクル数(個/ml)を、パーティクルカウンター(リオン株式会社製:KS−42B)によりそれぞれ確認した。なお、表2中、保存後の組成物に含まれる液中パーティクル数が50個/ml未満の場合を「良」とし、50個/ml以上の場合を「不良」とした。
Figure 0005910431
表1及び表2から明らかなように、実施例1〜21と比較例1〜9を比較すると、特に、銅及びマンガンの双方を添加していない比較例1では、実施例1〜21に比べて、組成物の保存安定性の評価を除く全ての評価項目において悪い結果となった。一方、実施例1〜21では、リーク電流密度、チューナビリティ、誘電損失、FOMの評価において十分に優れた結果が得られた。
また、実施例1〜21、比較例2,3、比較例5,6を比較すると、銅を添加せずにマンガンのみを添加した比較例2、及びB/Aが0.002以下、即ち銅の添加量が下限値に満たない比較例3では、リーク電流密度は非常に低い値が得られたものの、誘電損失が非常に高い値を示し、FOMの値が低い値を示した。このことから、マンガンのみの添加では、誘電損失の低減効果は得られないことが判る。同様に、マンガンを添加せずに銅のみを添加した比較例5、及びC/Aが0.002以下、即ちマンガンの添加量が下限値に満たない比較例6でも、誘電損失が高い値を示し、FOMの値が低い値を示した。このことから、銅のみの添加によっても、誘電損失の低減効果は十分に得られないことが判る。一方、銅及びマンガンの双方を添加した実施例1〜21では、誘電損失の低減効果が十分に得られていることが判る。
また、実施例1〜21と比較例4,7を比較すると、B/Aが0.05以上、即ち銅の添加量が上限値を越える比較例4では、結晶粒の成長が阻害されることにより、チューナビリティが実施例1〜21よりも低く、FOMも低い値を示した。また、C/Aが0.03以上、即ちマンガンの添加量が上限値を越える比較例7では、欠陥が形成されることにより、実施例1〜21よりもリーク電流密度が高い値を示し、チューナビリティが非常に低い結果となった。
また、実施例1〜21と比較例8,9を比較すると、yの値が0.9以下、即ちyの値が下限値に満たない比較例8では、化学量比を大きく外れることにより、実施例1〜21よりチューナビリティが非常に低い結果となった。また、yの値が1.1以上、即ちyの値が上限値を越える比較例9では、化学量比を大きく外れることにより、実施例1〜21よりチューナビリティが非常に低い結果となった。
また、複合酸化物Bの原料に酢酸銅を使用して調製した実施例11及び比較例5の誘電体薄膜形成用組成物では、2ヶ月保存後に液中パーティクルの大幅な増加が確認され、保存安定性が悪い結果となった。これに対し、酢酸銅以外のものを複合酸化物Bの原料に使用して調製した誘電体薄膜形成用組成物では、2ヶ月保存後も液中パーティクルの数が少なく、保存安定性に優れることが確認された。

Claims (13)

  1. BST誘電体薄膜を形成するための誘電体薄膜形成用組成物において、
    一般式:Ba1-xSrxTiy3(式中0.2<x<0.6、0.9<y<1.1)で示される複合金属酸化物Aに、Cu(銅)を含む複合酸化物B及びMn(マンガン)を含む複合酸化物Cが混合した混合複合金属酸化物の形態をとる薄膜を形成するための液状組成物であり、
    前記複合金属酸化物Aを構成するための原料、前記複合酸化物Bを構成するための原料及び前記複合酸化物Cを構成するための原料が、前記一般式で示される金属原子比を与えるような割合で、かつ前記Aと前記Bとのモル比B/Aが0.002<B/A<0.05の範囲内であり、かつ前記Aと前記Cとのモル比C/Aが0.002<C/A<0.03の範囲内となるように、有機溶媒中に溶解している有機金属化合物溶液からなる
    ことを特徴とする誘電体薄膜形成用組成物。
  2. 前記複合金属酸化物Aを構成するための原料が、有機基がその酸素又は窒素原子を介して金属元素と結合している化合物である請求項1記載の誘電体薄膜形成用組成物。
  3. 前記複合金属酸化物Aを構成するための原料が、金属アルコキシド、金属ジオール錯体、金属トリオール錯体、金属カルボン酸塩、金属β−ジケトネート錯体、金属β−ジケトエステル錯体、金属β−イミノケト錯体、及び金属アミノ錯体からなる群より選ばれた1種又は2種以上である請求項2記載の誘電体薄膜形成用組成物。
  4. 前記複合酸化物Bを構成するための原料が、有機基がその酸素又は窒素原子を介してCu(銅)元素と結合している化合物である請求項1記載の誘電体薄膜形成用組成物。
  5. 前記複合酸化物Bを構成するための原料が、カルボン酸塩化合物、硝酸塩化合物、アルコキシド化合物、ジオール化合物、トリオール化合物、β−ジケトネート化合物、β−ジケトエステル化合物、β−イミノケト化合物、及びアミノ化合物からなる群より選ばれた1種又は2種以上である請求項4記載の誘電体薄膜形成用組成物。
  6. 前記カルボン酸塩化合物が、ナフテン酸銅、n−オクタン酸銅、2−エチルヘキサン酸銅、n−ヘプタン酸銅、n−ヘキサン酸銅、2−エチル酪酸銅、n−吉草酸銅、i−吉草酸銅、n−酪酸銅、i−酪酸銅又はプロピオン酸銅である請求項5記載の誘電体薄膜形成用組成物。
  7. 前記硝酸塩化合物が、硝酸銅である請求項5記載の誘電体薄膜形成用組成物。
  8. 前記複合酸化物Cを構成するための原料が、有機基がその酸素又は窒素原子を介してMn(マンガン)元素と結合している化合物である請求項1記載の誘電体薄膜形成用組成物。
  9. 前記複合酸化物Cを構成するための原料が、カルボン酸塩化合物、硝酸塩化合物、アルコキシド化合物、ジオール化合物、トリオール化合物、β−ジケトネート化合物、β−ジケトエステル化合物、β−イミノケト化合物、及びアミノ化合物からなる群より選ばれた1種又は2種以上である請求項8記載の誘電体薄膜形成用組成物。
  10. β−ジケトン、β−ケトン酸、β−ケトエステル、オキシ酸、ジオール、トリオール、高級カルボン酸、アルカノールアミン及び多価アミンからなる群より選ばれた1種又は2種以上の安定化剤を、前記組成物中の金属合計量1モルに対して、0.2〜3モルの割合で更に含有する請求項1ないし9いずれか1項に記載の誘電体薄膜形成用組成物。
  11. BとAとのモル比B/Aが0.003≦B/A≦0.03である請求項1ないし10いずれか1項に記載の誘電体薄膜形成用組成物。
  12. CとAとのモル比C/Aが0.003≦C/A≦0.02である請求項1ないし11いずれか1項に記載の誘電体薄膜形成用組成物。
  13. 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の誘電体薄膜形成用組成物を耐熱性基板に塗布し乾燥する工程を所望の厚さの膜が得られるまで繰返し行った後、空気中、酸化雰囲気中又は含水蒸気雰囲気中で該膜を結晶化温度以上で焼成することを特徴とする誘電体薄膜の形成方法。
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