JP5907908B2 - 光分岐線路の特性解析装置及びその特性解析方法 - Google Patents
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Description
(1)光スプリッタによる分岐点から光分岐線路遠端までのN本の分岐下部光ファイバを有する光分岐線路について個別の光線路特性を解析する光分岐線路の特性解析装置であって、互いに波長の異なる第1試験光および第2試験光を時間的に制御してX個(Xは2以上の自然数)の周波数に変調する試験光周波数変調手段と、前記試験光変調手段と同期し、周波数の異なるX個の第1試験光およびX個の第2試験光を互いに任意の時間差を持ってパルス化する試験光パルス化手段と、前記パルス化されたX個の第1試験光によるプローブ光パルス列およびX個の第2試験光によるポンプ光パルス列を合波する合波手段と、前記合波されたプローブ光パルス列およびポンプ光パルス列を前記被測定ファイバに順次入射し、光スプリッタ下部の分岐光ファイバから戻ってきた試験光を抽出するサーキュレータと、前記サーキュレータで抽出された試験光からX個の第1試験光の周波数成分を抽出するフィルタ手段と、前記フィルタ手段で抽出された第1試験光を受光して電流に変換する光・電気変換手段と、前記電流に変換された第1試験光をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換手段と、前記デジタル信号を入力し、生成時の制御情報と受光タイミングからいずれの分岐下部光ファイバに入射された第1試験光のデジタル信号であるのかを特定し、特定されたデジタル信号からX個の周波数成分ごとに信号分離し、前記X個の各周波数成分のブリルアン利得を解析し、プローブ光パルス列およびポンプ光パルス列の入射時間差を変化させつつ上記測定を繰り返し行い、繰り返し測定した測定結果から前記光スプリッタの分岐下部光ファイバそれぞれのブリルアン利得特性分布を取得する信号演算処理手段とを具備し、前記試験光周波数変調手段は、所定の周波数変調時間ごとに前記第1試験光および前記第2試験光を周波数変調する手段であって、前記X個の第1試験光のうちN個目(Nは1以上X以下の自然数)の第1試験光と前記X個の第2試験光のうちN個目の第2試験光との間でのみブリルアン相互作用を生じさせるように前記第1試験光および前記第2試験光に対する変調を施し、前記信号演算処理手段は、前記試験光周波数変調手段と前記試験光パルス化手段の同期信号を共有し、任意時間における第1試験光および第2試験光の出力状態として周波数および前記周波数変調時間を把握し、前記デジタル信号を前記周波数変調時間に対応したフーリエ窓を用いてフーリエ変換して、得られたパワースペクトルから解析すべき周波数成分の第1試験光のパワーを得る態様とする。
(4)(1)において、前記試験光周波数変調手段は、前記特定変調周波数に調整されたシングルサイドバンド変調器、またはLN位相変調器、または音響光学変調器を光ファイバリング内に設置し、周回ごとに特定変調周波数にて段階的に光変調を行う態様とする。
(6)(1)において、前記光線路特性は、距離に対する光減衰量、曲げ障害の位置、曲げの程度、断線障害の位置、距離に対する温度変化量の少なくともいずれかである態様とする。
(7)光スプリッタによる分岐点から光分岐線路遠端までのN本の分岐下部光ファイバを有する光分岐線路について個別の光線路特性を解析する光分岐線路の特性解析方法であって、互いに波長の異なる第1試験光および第2試験光を時間的に制御してX個(Xは2以上の自然数)の周波数に変調し、前記変調と同期し、周波数の異なるX個の第1試験光およびX個の第2試験光を互いに任意の時間差を持ってパルス化し、前記パルス化されたX個の第1試験光によるプローブ光パルス列およびX個の第2試験光によるポンプ光パルス列を合波し、前記合波されたプローブ光パルス列およびポンプ光パルス列を前記被測定ファイバに順次入射し、光スプリッタ下部の分岐光ファイバから戻ってきた試験光を抽出し、前記抽出された試験光からX個の第1試験光の周波数成分を抽出し、前記抽出された第1試験光を受光して電流に変換し、前記電流に変換された第1試験光をデジタル信号に変換し、前記デジタル信号を入力し、生成時の制御情報と受光タイミングからいずれの分岐下部光ファイバに入射された第1試験光のデジタル信号であるのかを特定し、特定されたデジタル信号からX個の周波数成分ごとに信号分離し、前記X個の各周波数成分のブリルアン利得を解析し、プローブ光パルス列およびポンプ光パルス列の入射時間差を変化させつつ上記測定を繰り返し行い、繰り返し測定した測定結果から前記光スプリッタの分岐下部光ファイバそれぞれのブリルアン利得特性分布を取得するものとし、前記変調は、所定の周波数変調時間ごとに、前記X個の第1試験光のうちN個目(Nは1以上X以下の自然数)の第1試験光と前記X個の第2試験光のうちN個目の第2試験光との間でのみブリルアン相互作用を生じさせるように前記第1試験光および前記第2試験光に対する変調を施し、前記信号分離では、前記変調と前記パルス化の同期信号を共有し、任意時間における第1試験光および第2試験光の出力状態として周波数および前記周波数変調時間を把握し、前記デジタル信号を前記周波数変調時間に対応したフーリエ窓を用いてフーリエ変換し、得られたパワースペクトルから解析すべき周波数成分の第1試験光のパワーを得る態様とする。
まず、本発明を概略説明するに、本発明に係る光分岐線路の特性解析装置は、以下の態様で適用、構成される。
本発明を適用する被測定線路は、1心の光ファイバを光スプリッタにより第1から第Nの光ファイバに分岐し、光スプリッタによる分岐点から光フィルタまでのN本の分岐下部光ファイバについての長さの最小の差が本発明装置の光ファイバ識別分解能以上を有する光分岐線路である。
本発明の試験光は、ブリルアン相互作用を生じる周波数差を持つ第1試験光(プローブ光)と第2試験光(ポンプ光)のペアを生成するために、プローブ光およびポンプ光は周波数変調電気信号を受けて動作する周波数変調器によりX個(Xは自然数)の異なる周波数に変調される。
上記PPGまたはFGのトリガー信号は、受信信号収録のトリガー信号と共用することで、変調周波数の送信側と受信側の同期をとることができる。
周波数の異なるX個のプローブ光およびX個のポンプ光は周波数変調器と共用するPPGまたはFGのトリガー信号によって同期したパルス化装置によって相対的に任意の時間差を持ってパルス化され、それぞれプローブ光パルス列、ポンプ光パルス列となる。ここでパルス化装置は音響光学変調器やLN強度変調器、光スイッチが使用可能である。上記試験光パルス列は、それ以前に送信された試験光パルス列が被測定光ファイバから排出された後に送信される。
光パルス化装置は、パルス・パターン・ジェネレータ(PPG)またはファンクション・ジェネレータ(FG)からのトリガー信号によって時間的に制御されて動作し、第1試験光および第2試験光をパルス化する。ここでパルス化の時間間隔は、第2試験光の被測定光ファイバ往復時間以上でなければならない。
以上の構成により、被測定線路に入射する第1試験光および第2試験光は、所定の時間間隔ごとに所定の周波数間隔で変化し、ブリルアン周波数シフトに一致する周波数差を持って対を成し、かつX個のプローブ光およびX個のポンプ光の周波数はいずれも一致しない試験光パルス列となる。
プローブ光パルス列およびポンプ光パルス列は合波素子で合波され、被測定線路に順次入射する。被測定線路遠端の試験光反射フィルタで反射されたX個のプローブ光は、各々ブリルアン利得周波数差で対をなすポンプ光のみと被測定線路中でブリルアン相互作用を生じ、ブリルアン利得を受ける。逆に、ブリルアン利得周波数差でペアリングされていないパルス間ではブリルアン相互作用を生じないため、同一プローブ光が被測定線路中で多重にブリルアン利得を受けることはない。
光フィルタで抽出されたプローブ光はフォトディテクタなどで受光して電流に変換し、電流に変換されたプローブ光をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換され、デジタル信号を復号化し、試験光生成時の制御情報と受光タイミングからいずれの分岐下部光ファイバに入射されたプローブ光のデジタル信号であるのかを特定し、特定されたデジタル信号はフーリエ変換などの演算処理にてX個の周波数成分ごとに分離し、各周波数成分のブリルアン利得を解析し、プローブ光とポンプ光の衝突地点までの線路特性情報を出力する。
光線路特性は、距離に対する光減衰量、曲げ障害の位置、曲げの程度、断線障害の位置、距離に対する温度変化量の少なくともいずれかである。
(演算処理)
演算処理手段は、予めポンプ光パルス列を入射しない条件下でプローブ光パルス列を入射し、N本の分岐下部光ファイバからのプローブパルス列の先頭の戻り時間t1〜tNを各々測定し、プローブ光パルス列の先頭の戻り時間と前記周波数変調手段による周波数変調時間の情報から、プローブ光パルス列に内包されるX個の各プローブ光周波数の戻り時間を特定し、プローブ光パルス列に内包されるX個の各プローブ光周波数の戻り時間から周波数変調時間にかけて受信すべき変調周波数を特定し、プローブ光パルス列に内包されるX個の各プローブ光周波数の戻り時間から周波数変調時間内において受信信号強度の時間変化をフーリエ変換して周波数分離を行い、当該時間に受信すべきプローブ光周波数成分を抽出し、当該周波数信号成分の参照プローブ光パワーとする。
以上の処理構成により、光スプリッタ下部線路の個別損失分測定において、周波数の異なる試験光パルス対によって並列測定を可能にし、分岐光ファイバ識別分解能や特性分布分解能を劣化させることなく、測定時間を短縮可能な高速測定を実現する光分岐線路の特性解析装置及び方法を提供することができる。
図1は、第1の実施形態に係る光分岐線路特性解析装置の構成を示すブロック図である。図1に示す装置(点線で囲まれた被測定光ファイバを除く、他の全構成部分)は、周波数の異なるX個のプローブ光がそれぞれペアを成す周波数の異なるX個のポンプ光との対向伝搬により被測定ファイバ23中で受けたブリルアン利得の特性分布を求めることができるものである。
分岐素子12で分岐された光の一方を第1試験光(プローブ光)、他方を第2試験光(ポンプ光)とする。第1試験光は、光周波数シフタ13により周波数がブリルアン周波数シフト量νBだけシフトされる。具体的には、光周波数シフタ13は、正弦波発生器(図示せず)からの信号周波数に応じて変調側波帯の周波数が変化する機能を持つ外部変調器であればよく、LiNbO3を用いた位相変調器(LN位相変調器)、振幅強度変調器やSSB変調器が使用可能である。
さらに、プローブ光は光パルス化装置16によるパルス化変調によってX波の周波数の異なる時間的に配列されたプローブ光パルス列となる。
ただし、光周波数変調装置15,16の変調周波数を制御する変調周波数制御器19と光パルス化装置16,18内の光パルス化制御器(図示せず)、後述の信号処理装置(PC)28に接続されたアナログ/デジタル(A/D)変換器27は、パルス・パターン・ジェネレータ(PPG)またはファンクション・ジェネレータ(FG)20のトリガー信号によって同期動作し、光周波数変調装置15,17と光パルス化装置16,18を通過したパルス化試験光の時間的な周波数配列は、PC28が把握している状態にある。
次に上述した本実施形態の光線路特性解析装置の動作について説明する。光周波数変調装置15および17、光パルス化装置16および18、光受信器26、被測定光ファイバ23は、次の条件を満足する必要がある。
ここで、条件1〜3は次のような意味を持っている。
図2に、被測定光ファイバ23の基幹光ファイバ(F0)及び各分岐下部光ファイバ(F1〜FN、)とプローブ光の光受信器26に到達する時間の関係を示す。ここでは、分岐光ファイバが3心(3系統、N=3)の場合を示している。今、3心の分岐光ファイバの長さに、式(2)の関係がある場合を想定する。
続いて、周波数の異なるX個のプローブ光パルス列を試験光に用い、被測定光ファイバに順次入射した場合の利得情報の分離方法について、まず、周波数空間での信号分離方法を以下に説明する。
パルス時間幅(=周波数変調時間)τの周波数の異なるX個のプローブ光からなるプローブ光パルス列の時間幅はXτである。図3(b)〜(e)には、同図(a)に示すようにパルス時間幅τ、周波数ν1、ν2、ν3、ν4の4種のプローブ光からなる時間幅4τのプローブ光パルス列を、3分岐光スプリッタを持つ被測定光ファイバ23に入射した場合に、プローブパルス列がtd1、td2、td3の時間に光受信器26に到達する様子を示す。
図3において、td1−td2>4τであり、光受信器26では心線#1からのプローブパルス列を受光する間に他の心線からのプローブ光を同時に受信することはない。
一方、td2−td3<4τであり、光受信器26では心線#2からのプローブパルス列の一部と心線#3からのプローブパルス列の一部を同時に受光する。この場合について、#2-3の受信方法を述べる。#2-3の周波数成分ν3を受信すべきグリッド内には#3-1の周波数成分ν1も存在する。演算処理装置28は光周波数変調装置15,17とパルス化装置16,18の同期をとるトリガー信号を受けているため、送信プローブ光パルス列に内包される周波数の時間的な配列(パルス幅、変調周波数)を把握している。
また、信号処理において周波数成分のクロストークを低減するために、フーリエ窓を矩形グリッドではなく、ブラックマン・ハリス窓、ハニング窓、ハミング窓など各種窓関数を導入し、周波数分解能を向上させることもできる。
上記周波数信号の分離手順に従い、かつ条件1〜3を満たした場合、本実施形態によりN本の分岐下部光ファイバにおける個別の損失分布測定について、周波数の異なる試験光パルス対によって並列測定を可能にし、従来技術と比較して分岐光ファイバ識別分解能や特性分布分解能を劣化させることなく、測定時間を短縮可能な高速測定ができる。
上記信号処理装置28では、上記の測定を踏まえ、図4に示すフローチャートに従って信号処理を行う。
予め、信号処理装置28にプローブ光パルス列の時間的な周波数配列(周波数、周波数変調時間)を記録する(ステップS1)。これにより、信号処理装置28は任意時間におけるプローブ光周波数がわかる状態にある。
先頭の戻り時間と変調時間の情報から、プローブ光パルス列に内包する各プローブ光を抽出すべきフーリエ窓を決定する。なお、n番目のフーリエ窓から抽出すべき周波数成分は、予め信号処理装置28に記録されたプローブ光パルス列の時間的な周波数配列から決定できる(ステップS3)。
(第2の実施形態)
図5に第2の実施形態を実施するための装置構成を示す。第1の実施形態と比較して、第2の実施形態は試験光パルス列の生成法が異なる。第2の実施形態では、周波数の異なるパルス列を、合波素子31,33により周波数シフタを有する光ファイバリング32,34にパルス(時間幅τ)を導入することで生成する。
周波数シフタを有する光ファイバリング32,34にパルスが導入されると、パルスは周回毎に周波数シフタに設定された周波数シフト量だけ周波数が段階的にシフトするため、光ファイバリング32,34から出力される光は、周波数が段階的に異なるパルス列を成し、パルス列に内包されるパルスの間隔は光ファイバリング32,34の光の周回時間trに一致する。
(n番目のプローブ光のグリッドの開始時間)
=(プローブ光パルス列の光受信器到達時間)+(n−1)×(周回時間tr)
また、各グリッドの時間幅は各パルスの時間幅τに等しい。第1の実施形態と比較して、同期を必要とする機器が少なくなり、装置構成が簡易になる。また、広帯域な変調周波数制御器が不要になるため、装置が安価になる。
尚、上記誘導ブリルアン散乱は、光媒質内の光減衰・温度・曲げなどによる歪みを測定することが可能であり、ここでの光線路特性とは距離に対する光減衰量、反射ピークの位置、曲げ障害の位置、曲げの程度、断線障害の位置、距離に対する温度変化量である。
Claims (7)
- 光スプリッタによる分岐点から光分岐線路遠端までのN本の分岐下部光ファイバを有する光分岐線路について個別の光線路特性を解析する光分岐線路の特性解析装置であって、
互いに波長の異なる第1試験光および第2試験光を時間的に制御してX個(Xは2以上の自然数)の周波数に変調する試験光周波数変調手段と、
前記試験光変調手段と同期し、周波数の異なるX個の第1試験光およびX個の第2試験光を互いに任意の時間差を持ってパルス化する試験光パルス化手段と、
前記パルス化されたX個の第1試験光によるプローブ光パルス列およびX個の第2試験光によるポンプ光パルス列を合波する合波手段と、
前記合波されたプローブ光パルス列およびポンプ光パルス列を前記被測定ファイバに順次入射し、光スプリッタ下部の分岐光ファイバから戻ってきた試験光を抽出するサーキュレータと、
前記サーキュレータで抽出された試験光からX個の第1試験光の周波数成分を抽出するフィルタ手段と、
前記フィルタ手段で抽出された第1試験光を受光して電流に変換する光・電気変換手段と、
前記電流に変換された第1試験光をデジタル信号に変換するアナログ・デジタル変換手段と、
前記デジタル信号を入力し、生成時の制御情報と受光タイミングからいずれの分岐下部光ファイバに入射された第1試験光のデジタル信号であるのかを特定し、特定されたデジタル信号からX個の周波数成分ごとに信号分離し、前記X個の各周波数成分のブリルアン利得を解析し、プローブ光パルス列およびポンプ光パルス列の入射時間差を変化させつつ上記測定を繰り返し行い、繰り返し測定した測定結果から前記光スプリッタの分岐下部光ファイバそれぞれのブリルアン利得特性分布を取得する信号演算処理手段と
を具備し、
前記試験光周波数変調手段は、所定の周波数変調時間ごとに前記第1試験光および前記第2試験光を周波数変調する手段であって、前記X個の第1試験光のうちN個目(Nは1以上X以下の自然数)の第1試験光と前記X個の第2試験光のうちN個目の第2試験光との間でのみブリルアン相互作用を生じさせるように前記第1試験光および前記第2試験光に対する変調を施し、
前記信号演算処理手段は、前記試験光周波数変調手段と前記試験光パルス化手段の同期信号を共有し、任意時間における第1試験光および第2試験光の出力状態として周波数および前記周波数変調時間を把握し、前記デジタル信号を前記周波数変調時間に対応したフーリエ窓を用いてフーリエ変換して、得られたパワースペクトルから解析すべき周波数成分の第1試験光のパワーを得る
ことを特徴とする光分岐線路の特性解析装置。 - 前記信号演算処理手段は、
予め前記N本の分岐下部光ファイバからのプローブ光パルス列の先頭の戻り時間を各々測定し、
前記受信したプローブ光パルス列の先頭の戻り時間と前記周波数変調手段による周波数変調時間の情報から、前記プローブ光パルス列に内包されるX個の各プローブ光周波数の戻り時間を特定し、
前記プローブ光パルス列に内包されるX個の各プローブ光周波数の戻り時間から周波数変調時間にかけて受信すべき変調周波数を特定し、
前記プローブ光パルス列に内包されるX個の各プローブ光周波数の戻り時間から前記周波数変調時間に対応したフーリエ窓を用いて受信信号強度の時間変化をフーリエ変換して周波数分離を行い、当該時間に受信すべきプローブ光周波数成分の光振幅強度を抽出し、
前記X個のプローブ光が得られたブリルアン利得をそれぞれ独立に解析する
ことを特徴とする請求項1記載の光分岐線路の特性解析装置。 - 前記試験光周波数変調手段は、シングルサイドバンド変調器またはLN位相変調器と任意波形信号発生器の変調電気信号によって実現する
ことを特徴とする請求項1記載の光分岐線路の特性解析装置。 - 前記試験光周波数変調手段は、前記特定変調周波数に調整されたシングルサイドバンド変調器、またはLN位相変調器、または音響光学変調器を光ファイバリング内に設置し、周回ごとに特定変調周波数にて段階的に光変調を行う
ことを特徴とする請求項1記載の光分岐線路の特性解析装置。 - 前記信号演算処理手段は、受信したプローブ光パルス列による電流信号の時間変化に窓関数をかけ、特定信号を抽出する
ことを特徴とする請求項1記載の光分岐線路の特性解析装置。 - 前記光線路特性は、距離に対する光減衰量、曲げ障害の位置、曲げの程度、断線障害の位置、距離に対する温度変化量の少なくともいずれかである
ことを特徴とする請求項1記載の光分岐線路の特性解析装置。 - 光スプリッタによる分岐点から光分岐線路遠端までのN本の分岐下部光ファイバを有する光分岐線路について個別の光線路特性を解析する光分岐線路の特性解析方法であって、
互いに波長の異なる第1試験光および第2試験光を時間的に制御してX個(Xは2以上の自然数)の周波数に変調し、
前記変調と同期し、周波数の異なるX個の第1試験光およびX個の第2試験光を互いに任意の時間差を持ってパルス化し、
前記パルス化されたX個の第1試験光によるプローブ光パルス列およびX個の第2試験光によるポンプ光パルス列を合波し、
前記合波されたプローブ光パルス列およびポンプ光パルス列を前記被測定ファイバに順次入射し、光スプリッタ下部の分岐光ファイバから戻ってきた試験光を抽出し、
前記抽出された試験光からX個の第1試験光の周波数成分を抽出し、
前記抽出された第1試験光を受光して電流に変換し、
前記電流に変換された第1試験光をデジタル信号に変換し、
前記デジタル信号を入力し、生成時の制御情報と受光タイミングからいずれの分岐下部光ファイバに入射された第1試験光のデジタル信号であるのかを特定し、特定されたデジタル信号からX個の周波数成分ごとに信号分離し、前記X個の各周波数成分のブリルアン利得を解析し、プローブ光パルス列およびポンプ光パルス列の入射時間差を変化させつつ上記測定を繰り返し行い、繰り返し測定した測定結果から前記光スプリッタの分岐下部光ファイバそれぞれのブリルアン利得特性分布を取得するものとし、
前記変調は、所定の周波数変調時間ごとに、前記X個の第1試験光のうちN個目(Nは1以上X以下の自然数)の第1試験光と前記X個の第2試験光のうちN個目の第2試験光との間でのみブリルアン相互作用を生じさせるように前記第1試験光および前記第2試験光に対する変調を施し、
前記信号分離では、前記変調と前記パルス化の同期信号を共有し、任意時間における第1試験光および第2試験光の出力状態として周波数および前記周波数変調時間を把握し、
前記デジタル信号を前記周波数変調時間に対応したフーリエ窓を用いてフーリエ変換し、得られたパワースペクトルから解析すべき周波数成分の第1試験光のパワーを得る
ことを特徴とする光分岐線路の特性解析方法。
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