JP6411306B2 - 光線路特性解析装置及び光線路特性解析方法 - Google Patents

光線路特性解析装置及び光線路特性解析方法 Download PDF

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本発明は、光線路の温度、静的歪および動的歪変化の振動数および歪変化量を分布測定するための光線路特性解析装置とその解析方法に関する。
光センシングは構造物の周辺の歪みや振動、温度変化をモニタリングする技術である。非特許文献1に記載のBOTDA(Brillouin Optical Time Domain Analysis)や、非特許文献2に記載のBOCDA(Brillouin Optical Correlation − domain analysis)などが知られている。
Xiaoyi Bao, Liang Chen, "High performance BOTDA for long range sensing", Proc. of SPIE Vol. 7982,798206,(2011) K. Hotate and T. Hasegawa, IEICE Trans. Electron. E83−C, 405, (2000). H. Ohno, H. Naruse, M. Kihara, and A. Shimada, "Industrial Applications of the BOTDR Optical Fiber Strain Sensor", Optical Fiber Technology 7, 45−64,(2001).
通常、非特許文献1および非特許文献2に記載のブリルアン散乱を用いて光センシングを実施する場合、センシング光ファイバのブリルアン周波数シフト(Brillouin Frequency Shift: BFS)の変化量を検出するためには、ポンプ光とプローブ光の相対周波数差を順次変更しながらブリルアン利得スペクトルを算出する。このため、非特許文献1および非特許文献2の技術では、ブリルアン利得を複数回測定する必要があり、その分だけ測定時間が長延化する。また、前記変化量が一定ではなく、時間的に変動(振動)する場合もある。このような振動測定においては、上記のように複数回のブリルアン利得測定という理由により測定可能な振動周波数帯域が低周波に限定されるという課題があった。
非特許文献3に開示されるBOTDR(Brillouin Optical Time Domain Reflectometer)は、入射したポンプ光が発生する自然ブリルアン散乱のスペクトルを使用することで、ポンプ光とプローブ光の相対周波数差を変更することなくBFSを検出可能である。しかし、電気段またはソフトウェア上での周波数解析に時間を要するだけでなく、BOTDRはBOTDAやBOCDAに対して測定感度が原理的に著しく劣化するため、平均化に時間を要する。このため、非特許文献3の技術にも振動測定においては、上記理由により測定可能な振動周波数帯域が低周波帯に限定されるという課題があった。
本発明は、上記課題を解決するために、測定可能なブリルアン周波数シフトの振動周波数帯域が低周波帯に限定されない光線路特性解析装置及び光線路特性解析方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る光線路特性解析装置は、ブリルアン周波数シフトの変化量を時間の変化量として検知することとした。
具体的には、本発明に係る光線路特性解析装置は、被測定光線路でブリルアン(Brillouin)散乱を発生させるポンプ光パルスと、前記被測定光線路で前記ポンプ光パルスと相互作用させるプローブ光パルスと、を前記被測定光線路に伝搬させ、前記被測定光線路の特性を解析する光線路特性解析装置であって、
前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスとの光周波数差を時間に対して線形に変動する光周波数差掃引手段と、
前記被測定光線路への前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスとの入射時間差を設定する入射時間差設定手段と、
前記光周波数差掃引手段で変動させる前記光周波数差及び前記入射時間差設定手段で設定した前記入射時間差をもって前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスを発生し、前記被測定光線路に入射する試験光入射手段と、
前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスとの相互作用でブリルアン増幅を受けた前記プローブ光パルスを受光し、ブリルアン増幅を受けた前記プローブ光パルスの強度を時間的に取得する信号取得手段と、
前記試験光入射手段に対し、所定時間をおいて再度前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスを前記被測定光線路に複数回入射させ、前記信号取得手段が取得したブリルアン増幅を受けた2つの前記プローブ光パルスのピーク強度の時間差から前記入射時間差設定手段が設定した前記入射時間差におけるブリルアン周波数シフトを算出する演算制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る光線路特性解析方法は、被測定光線路でブリルアン(Brillouin)散乱を発生させるポンプ光パルスと、前記被測定光線路で前記ポンプ光パルスと相互作用させるプローブ光パルスと、を前記被測定光線路に伝搬させ、前記被測定光線路の特性を解析する光線路特性解析方法であって、
前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスとの光周波数差を時間に対して線形に変動する周波数掃引速度、及び前記ポンプ光パルスのパルス幅を設定するパルス設定手順と、
前記被測定光線路への前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスとの入射時間差を設定する入射時間差設定手順と、
前記パルス設定手順で設定した前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスを前記入射時間差設定手順で設定した前記入射時間差をもって前記被測定光線路に入射し、前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスとの相互作用でブリルアン増幅を受けた前記プローブ光パルスを受光し、ブリルアン増幅を受けた前記プローブ光パルスの強度を時間的に取得することを複数回行う信号取得手順と、
前記信号取得手順で取得したブリルアン増幅を受けた2つの前記プローブ光パルスのピーク強度の時間差から前記入射時間差設定手順が設定した前記入射時間差におけるブリルアン周波数シフトを算出する演算制御手順と、
を行うことを特徴とする。
本発明は、ブリルアン散乱を発生させるポンプ光パルスと、これと相互作用させるプローブ光パルスとのセットを被測定光線路に複数回伝搬させ、発生した誘導ブリルアン後方散乱光を光受信器で受信し、受信信号の時間軸上でのブリルアン利得のピーク変化を解析する。本発明は、測定毎にブリルアン利得ピークの時間変化をBFS変化に換算し、BFS変化を測定すべき物理量変化に解析するため、高速な測定が可能となる。つまり、本発明は、測定可能なブリルアン周波数シフトの振動周波数帯域が低周波帯に限定されない光線路特性解析装置及び光線路特性解析方法を提供することができる。
ここで、前記光周波数差掃引手段は、前記光周波数差を線形に変動させる線形変動範囲が、前記被測定光線路において測定対象とするブリルアン周波数シフト分布幅に相当する測定対象周波数範囲以上であることが測定に必要な条件である。
被測定光線路全体について測定するためには、前記入射時間差設定手順で設定する前記入射時間差を変化させ、前記入射時間差がnL/cと等しくなるまで前記信号取得手順と前記演算制御手順を繰り返すことが必要である。ただし、nは前記被測定光線路の屈折率、Lは被測定光線路長、cは真空中の光速である。
前記光周波数差掃引手段は、前記ポンプ光パルス、前記プローブ光パルス、あるいは前記ポンプ光パルスと前記プローブ光パルスの双方の光周波数を変動し、前記光周波数差を時間に対して線形に変動することを特徴とする。
前記光周波数差掃引手段は、半導体レーザの注入電流を強度変調することで前記光周波数を変動することを特徴とする。
前記試験光入射手段は、前記被測定光線路の一端から前記ポンプ光パルス及び前記プローブ光パルスを入射してもよいし、前記被測定光線路の一端から前記プローブ光パルスを入射し、前記被測定光線路の他端から前記ポンプ光パルスを入射してもよい。
本発明は、測定可能なブリルアン周波数シフトの振動周波数帯域が低周波帯に限定されない光線路特性解析装置及び光線路特性解析方法を提供することができる。
本発明に係る光線路特性解析装置を説明する構成図である。 本発明に係る光線路特性解析装置の光周波数差掃引手段に用いられる周波数変調手段を説明する図である。 本発明に係る光線路特性解析装置において、光周波数を線形に掃引したポンプ光による特性測定の概念図である。 本発明に係る光線路特性解析装置において、光周波数を線形に掃引したポンプ光による受信光強度の時間変化を説明する図である。 本発明に係る光線路特性解析方法を説明するフローチャートである。
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
[構造]
図1は、本実施形態の光線路特性解析装置301の構成を示すブロック図である。光線路特性解析装置301は、被測定光線路23でブリルアン散乱を発生させるポンプ光パルスと、被測定光線路23で前記ポンプ光パルスと相互作用させるプローブ光パルスと、を被測定光線路23に伝搬させ、被測定光線路23の特性を解析する光線路特性解析装置であって、
前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスとの光周波数差を時間に対して線形に変動する光周波数差掃引手段と、
前記被測定光線路への前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスとの入射時間差を設定する入射時間差設定手段と、
前記光周波数差掃引手段で変動させる前記光周波数差及び前記入射時間差設定手段で設定した前記入射時間差をもって前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスを発生し、前記被測定光線路に入射する試験光入射手段と、
前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスとの相互作用でブリルアン増幅を受けた前記プローブ光パルスを受光し、ブリルアン増幅を受けた前記プローブ光パルスの強度を時間的に取得する信号取得手段と、
前記試験光入射手段に対し、所定時間をおいて再度前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスを前記被測定光線路に複数回入射させ、前記信号取得手段が取得したブリルアン増幅を受けた2つの前記プローブ光パルスのピーク強度の時間差から前記入射時間差設定手段が設定した前記入射時間差におけるブリルアン周波数シフトを算出する演算制御手段と、
を備えることを特徴とする。
図1の光線路特性解析装置301において、光周波数変調手段12が光周波数差掃引手段に相当し、入射時間制御手段(15、16)が入射時間差設定手段に相当し、パルス化手段(13、14)とサーキュレータ21が試験光入射手段に相当し、光受信手段26が信号取得手段に相当し、A/D変換器27と演算処理装置28が演算制御手段に相当する。なお、以下の説明において被測定光線路と被測定光ファイバとは同じ意味である。
第1試験光出力手段10−1および第2試験光出力手段10−2は、例えば、図2(a)(b)に示す構成により実現され、連続光を出力する。第1試験光出力手段10−1および第2試験光出力手段10−2から出力される連続光を、以下ではそれぞれプローブ光およびポンプ光とする。
プローブ光とポンプ光は、BFS程度の異なる光周波数差を持つ。プローブ光は、周波数変調されず、狭帯域光である。一方、ポンプ光は、光周波数変調手段12により、時間に対して光周波数が線形に変調される。ポンプ光の変調幅は測定すべき物理量変化に対応するBFS変化量より広い帯域幅に設定される。なお、光周波数変調手段12を独立して配置するのではなく、第二試験光出力手段10−2が図2(a)の構造である場合、第二試験光出力手段10−2でレーザダイオードに注入する電流に変調を加えることで出力光の光周波数を変調してもよい。また、第二試験光出力手段10−2が図2(b)の構造である場合、第二試験光出力手段10−2で狭帯域レーザの出力光を外部変調器(SSB−LN変調器など)により変調してもよい。
なお、図1ではポンプ光の周波数を線形変調しているが、プローブ光とポンプ光との光周波数差を線形に変動させればよいので、プローブ光の周波数のみを線形に変調しても良い。また、ポンプ光とプローブ光の両方の周波数を異なる変調速度で変調してもよい。
パルス化手段(13、14)は、音響光学素子をパルス駆動する音響光学スイッチを備える。なお、パルス化手段(13、14)は、電気光学素子をLiNbOを用いてパルス駆動する導波路スイッチを備えるようにしてもよい。さらには、半導体光増幅器(SOA)をパルス駆動する半導体光スイッチを備えるようにしてもよい。以下では、これらの音響光学スイッチから成る音響光学変調器、電気光学スイッチから成るLiNbO変調器、及び半導体光スイッチから成るSOAを「光デバイス」と称する。光デバイスは、電気パルスにより駆動される時間で、プローブ光とポンプ光をパルス化する。なお、第一試験光出力手段10−1と第二試験光出力手段10−2が図2(a)の構造である場合、レーザダイオードに注入する電流をパルス化することで第一試験光出力手段10−1と第二試験光出力手段10−2はパルス化したプローブ光とポンプ光を出力できる。この場合、パルス化手段(13、14)は、第一試験光出力手段10−1と第二試験光出力手段10−2に含まれる。
入射時間制御手段(15、16)は、パルス化手段(13、14)を駆動する電気パルスの変調時間を変化させることができる機能を有する。入射時間制御手段(15、16)は、パルス化手段がパルス(13、14)を変調するタイミングを変化させることで、プローブ光パルスとポンプ光パルスとの生成タイミングを制御する。
プローブ光パルスは被測定光ファイバ23の一端に入射される。ポンプ光パルスは、サーキュレータ21を通過して被測定光ファイバ23の他端へ入射される。入射時間制御手段(15、16)の制御により、プローブ光パルスとポンプ光パルスとが被測定光ファイバ23内で衝突する位置、すなわち測定する位置を変更することが可能となる。
プローブ光パルスとポンプ光パルスとは、被測定光ファイバ23中でインタラクションする。プローブ光パルスとポンプ光パルスとのインタラクションにより、プローブ光パルスはブリルアン増幅を受ける。ブリルアン増幅を受けたプローブ光パルスは、サーキュレータ21を通過して光受信手段26へ導出される。
光受信手段26は、被測定光ファイバ23中でブリルアン増幅を受けたプローブ光パルスを受信する。光受信手段26は、受信した光を電流信号へ変換する。
A/D変換器27は、光受信手段26から出力される電流信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器27は、デジタル信号を演算処理装置28へ出力する。ブリルアン増幅の時間変化を測定できる手段であれば、光受信手段26の後段ではアナログ信号のまま演算処理装置へ出力することも可能である。
演算処理装置28は、入力された電流値に対して下記に説明するような演算処理を行い、一組のプローブ光パルスとポンプ光パルスの送出によって被測定光ファイバ23の任意の1地点のBFSを測定し、試験光送出を繰り返すことで距離に対する特性分布を求める。
まず、演算処理装置28は、試験光入射手段に対し、測定位置を定める入射時間差tでプローブ光パルスとポンプ光パルスの組を被測定光ファイバ23へ入射させる。プローブ光パルスとポンプ光パルスとのインタラクションの結果、プローブ光パルスの受信強度の時間変化は、図4に示すように、入射したプローブ光パルス(たとえば矩形パルス)の上にブリルアン利得のローレンツ関数が重ね合された形状(ブリルアン利得波形)となる。
プローブ光パルスとポンプ光パルスの組を時間を変えて複数回被測定光ファイバ23へ入射することで、複数のブリルアン利得波形を得ることができる。図4ではプローブ光パルスとポンプ光パルスの組を2回被測定光ファイバ23へ入射した結果である。
これらのブリルアン利得波形のピーク値をとる時間の変化を、ポンプ光パルスの変調周波数速度(掃引速度γ)を用いて周波数変化量に変換し、BFS変化を測定することができる。測定したBFSの変化量は、被測定光ファイバ23の任意の位置における温度、静的歪、動的歪の相対変化量に相当する数値である。これは、BFSの変化量が温度変化や歪変化量に対して線形に増減することを利用するものである。さらに、BFSの時間変化の軌跡を測定することで動的歪の振動周波数を測定する。これは、BFSの変化量と歪変化量が線形に変化するため、BFSの時間変化の振動数が直接的に動的に変動する歪変化の振動数に変換可能であるからである。
上記受信信号の時間軸上に現れるブリルアン利得のピーク値は、例えばローレンツ関数によるフィッティング解析やピーク値に対しての半値以上をとる区間に対して2次関数フィッティング解析をすることで容易に求めることができる。
[解析条件]
次に、光線路特性解析装置301の解析条件について説明する。
まず、プローブ光およびポンプ光の光周波数及び周波数帯域幅、周波数掃引速度、光受信手段26、及びA/D変換器27は次の条件を満足する必要がある。
(条件1) プローブ光、またはポンプ光、またはプローブ光とポンプ光の両方の変調周波数帯域幅は、測定すべき物理量変化に対応するBFS変化量と同等、またはそれ以上であること。
(条件2) 光周波数の線形掃引速度はプローブ光とポンプ光で一致しないこと。
(条件3) 光受信手段26の帯域及びA/D変換器27のサンプリングレートは、所望のBFS分解能に対応する時間分解能を持つこと。
条件1〜3は次のような意味を持つ。
条件1は、プローブ光パルスとポンプ光パルスとが誘導ブリルアン散乱を、被測定光ファイバ中の全ての位置で起こすために必要となる条件である。図3(b)に、線形掃引ポンプ光による特性測定の概念図を示す。プローブ光は周波数変調せず、ポンプ光のみ線形に周波数変調した場合、ポンプ光とプローブ光の周波数差は図3(b)の網掛けで示したように、被測定ファイバの長手方向のブリルアン相関範囲内で異なるポンプ光―プローブ光周波数差にてブリルアン利得を取得することになる。このとき、得られたブリルアン利得は時間的にローレンツ関数形状となり、当該ブリルアン相関範囲から受光するブリルアン利得ピーク値の受光時間は、ポンプ光の掃引速度γを用いてBFSに変換できる(詳細は後述)。なお、本説明はポンプ光のみを周波数掃引した場合であるが、本原理においては、ポンプ光とプローブ光の光周波数差が距離に対して変化していればよく、ポンプ光とプローブ光の一方、または両方を光周波数掃引しても構わない。
条件2は、ブリルアン利得強度変化が受信信号の時間軸上にローレンツ関数形状で現れるための条件である。もし、プローブ光とポンプ光の周波数掃引速度を一致させてしまうと、ブリルアン利得はプローブ光パルス上に一様に乗るため、時間軸上にブリルアン利得のピークが現れず、本発明を実施できない。
条件3は、プローブ光の上に乗ったブリルアン利得のローレンツ関数形状とそのピーク値を測定するための条件である。
[解析方法]
上記の解析条件を満足する光線路特性解析装置301の光線路特性解析方法を説明する。
まず、光線路特性解析装置301は、プローブ光パルスを被測定光ファイバ23へ入射させる。そして、光線路特性解析装置301は、プローブ光パルスを入射してt秒後に、ポンプ光パルスを被測定光ファイバ23へ入射する。
(a)線形掃引ポンプ光によるブリルアン利得
プローブ光とポンプ光との周波数差がブリルアン周波数シフトfと一致する場合、プローブ光パルスとポンプ光パルスとがインタラクションすると、インタラクションした位置にてプローブ光パルスはブリルアン増幅される。線形掃引したポンプ光を用い、ポンプ光の周波数帯域幅が測定すべき物理量変化に対応するBFS変化の帯域より広い場合、プローブ光とポンプ光の周波数差がおよそfとなるブリルアン相関範囲を生じる。ポンプ光周波数が時間的に掃引されていることで、ブリルアン利得を得た受信プローブ光強度はローレンツ関数形状の時間変化を伴い、そのピーク値の受光時間を測定し、ポンプ光の周波数掃引速度γ[Hz/s]を用いてBFSに変換する。以下、本発明におけるBFS変化の解析方法を述べる。
まず、測定すべき物理量変化の無い状態(基準状態)でのBFS(基準BFS)に対応するブリルアン利得の時間変化のピーク時間(基準時間)を測定する。すなわち、物理量に変化のない状態で測定したブリルアン利得の時間変化に対し、ピーク値から半値を取る帯域に2次関数フィッティングを施した結果得られるピーク値を取る時間を基準時間τとする。次に、測定すべき物理量に変化を生じる状態で、ブリルアン利得の時間変化のピーク時間τを同様にして測定する。この時、BFS変化量ΔfBFS
Figure 0006411306
で表される。このΔfBFSを測定すべき物理量変化に換算することで所望の測定を実施可能である。BFS変化量の物理量への換算は、例えば、温度の場合、約1MHz/℃、歪の場合、約0.05MHz/μeをそれぞれ使用可能である。
なお、プローブ光がの周波数掃引速度γ[Hz/s]のとき、BFS変化量ΔfBFS
Figure 0006411306
となる。
すなわち、本発明においてはBFS変化量は受信信号の時間に対する強度変化を解析することで測定可能であり、受信部で受信信号の周波数解析など煩雑かつ時間を要する処理は必要ない。
(b)線形掃引試験光の周波数掃引速度(γおよびγ)と特性分布測定の性能
(b−1)感度
ポンプ光のみが線形掃引される場合において、掃引速度γが小さい場合、ブリルアン利得のピーク近傍を長い時間測定することになり、得られるブリルアン利得は大きくなる。掃引速度γが大きい場合には、ブリルアン利得帯域幅を短い時間しか測定されないため、得られるブリルアン利得は小さくなる。つまり、掃引速度γは小さいほど測定感度は良くなる。プローブ光のみが掃引速度γで掃引される場合にも、上記と同様である。また、ポンプ光とプローブ光の両方が掃引される場合には、
Figure 0006411306
が小さいほど測定感度は良くなる。
(b−2)空間分解能
ポンプ光のみが線形掃引される場合において、プローブ光とポンプ光の周波数差がブリルアン周波数シフトf近傍でのみブリルアン利得を得るため、空間分解能はBOTDAやBOTDR、BOCDAと異なり、ポンプ光のパルス幅ではなく、ポンプ光の周波数変調の掃引速度γと測定すべき物理量変化に対応するBFS変化量で決まる。そのため、ポンプ光パルス幅は空間分解能に相当する時間幅と同等かそれ以上でよい。BFS変化が生じていない領域における空間分解能は、ブリルアン利得帯域の半値半幅Dfとすると、光ファイバ中の光速νを用いて、
Figure 0006411306
で表される。BFS変化によりBFSがfB1 からfB2に変化している領域における空間分解能Dzは、
Figure 0006411306
である。いずれの場合にも、周波数掃引速度γを高くすることで空間分解能が向上する。プローブ光のみが周波数掃引される場合には、上記のγをγに変更すればよい。ポンプ光とプローブ光の両方が周波数掃引される場合には、上記のγを数式(3)の値に変更すればよい。
(c)分布測定
プローブ光パルスとポンプ光パルスの入射時間差を変更することで、被測定光ファイバ中でプローブ光がポンプ光とインタラクションする位置を変更することが可能であり、すなわち、これを繰り返し測定することで分布測定が可能である。
上記の(a)〜(c)により、光線路特性解析装置301は、基準BFSを測定した後、所定時間経過後にもう一度プローブ光パルスとポンプ光パルスを被試験光ファイバ23に送出することで基準BFSに対するBFS変化を測定することができる。前記所定時間は測定対象の物理変化速度に応じて設定する。つまり、本発明は、測定対象の物理変化が振動であれば、その振動周波数に応じた前記所定時間を設定すればよく、従来技術のように測定可能な振動周波数帯域が低周波に限定されることがない。
また、ここでは1回目のプローブ光パルスとポンプ光パルスで基準BFSを測定し、2回目のプローブ光パルスとポンプ光パルスでBFS変化を測定する説明をしたが、プローブ光パルスとポンプ光パルスを所定間隔で複数回被試験光ファイバ23に送出すれば、測定対象の物理変化量だけでなく、変動速度や振動周波数も測定することができる。
[測定手順]
図5は、光線路特性解析装置301が行う測定手順を説明するフローチャートである。
本光線路特性解析方法は、被測定光線路でブリルアン散乱を発生させるポンプ光パルスと、前記被測定光線路で前記ポンプ光パルスと相互作用させるプローブ光パルスと、を前記被測定光線路に伝搬させ、前記被測定光線路の特性を解析する光線路特性解析方法であって、
前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスとの光周波数差を時間に対して線形に変動する周波数掃引速度、及び前記ポンプ光パルスのパルス幅を設定するパルス設定手順と、
前記被測定光線路への前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスとの入射時間差を設定する入射時間差設定手順と、
前記パルス設定手順で設定した前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスを前記入射時間差設定手順で設定した前記入射時間差をもって前記被測定光線路に入射し、前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスとの相互作用でブリルアン増幅を受けた前記プローブ光パルスを受光し、ブリルアン増幅を受けた前記プローブ光パルスの強度を時間的に取得することを複数回行う信号取得手順と、
前記信号取得手順で取得したブリルアン増幅を受けた2つの前記プローブ光パルスのピーク強度の時間差から前記入射時間差設定手順が設定した前記入射時間差におけるブリルアン周波数シフトを算出する演算制御手順と、
を行うことを特徴とする。
本光線路特性解析方法は、前記入射時間差設定手順で設定する前記入射時間差を変化させ、前記入射時間差がnL/cと等しくなるまで前記信号取得手順と前記演算制御手順を繰り返すことを特徴とする。ただし、nは前記被測定光線路の屈折率、Lは被測定光線路長、cは真空中の光速である。
ここでは、ポンプ光パルスのみを掃引する場合を例に説明する。
まず、演算制御手段は、ポンプ光パルスの掃引速度γとパルス幅τを設定する(ステップS1)。次に、演算制御手段は、プローブ光パルスとポンプ光パルスとの入射時間差tを入射時間制御手段(15,16)に設定する(ステップS2)。そして、ある時刻にプローブ光パルス及びポンプ光パルスが入射時間差tをもって、測定すべき物理量が基準状態にある被測定光ファイバ23に入力される(ステップS3)。演算処理装置28は、受光したプローブ光パルスから誘導ブリルアン散乱光の時間変化を求め、基準状態における誘導ブリルアン散乱光の最大値を取る時間τを解析する(ステップS4)。
そして、前記ある時刻から所定時間後に、プローブ光パルス及びポンプ光パルスが入射時間差tをもって、測定すべき物理量に変化が生じている被測定光ファイバ23に入力される(ステップS5)。演算処理装置28は、受光したプローブ光パルスから誘導ブリルアン散乱光の時間変化を求め、測定すべき物理量に変化が生じている状態における誘導ブリルアン散乱光の最大値を取る時間τを解析する(ステップS6)。演算処理装置28は、掃引速度γから基準BFSに対するBFS変化量を解析する(ステップS7)。演算処理装置28は、解析結果を後段へ出力する(ステップS8)。
続いて、演算処理装置28は、入力時間差がnL/cと等しいか否かを判断する(ステップS9)。入力時間差がnL/cと等しくない場合(ステップS9においてNo)、演算処理装置28は、入力時間差tをt=t+Δtと設定して(ステップS10)、ステップS3の処理から解析処理を繰り返し行う。ステップS10で入力時間差が2nL/cと等しい場合(ステップS10においてYes)、演算処理装置28は、一連の測定作業を終了する。
なお、ステップS1はパルス設定手順、ステップS2は入射時間差設定手順、ステップS3〜S6は信号取得手順、ステップS7及びS8は演算制御手順に相当する。
以上の処理をまとめると、本解析方法は、以下のような処理手順となる。
手順1:ポンプ光パルスの周波数掃引速度γとパルス幅τを設定。
手順2:プローブ光パルスとポンプ光パルスとの入射時間差tを設定。
手順3:基準状態でのプローブ光パルスのブリルアン散乱光強度の時間変化から、誘導ブリルアン利得ピークを取る時間τを記録。
手順4:測定すべき物理量に変化のある状態でのプローブ光パルスのブリルアン散乱光強度の時間変化から、誘導ブリルアン利得ピークを取る時間τを記録し、τとの時間差と掃引速度から、BFS変化量に換算。
手順5:プローブ光パルスとポンプ光パルスとの入射時間差tを変化させて上記手順2から手順4を繰り返し、t=nL/cで終了。
このように、光線路特性解析装置301は、プローブ光、またはポンプ光の変調周波数帯域幅が被測定光ファイバにおいて測定すべき物理量に対応するBFS変化量より大きく、周波数差がBFSと同程度のプローブ光とポンプ光とを用意する。光線路特性解析装置301は、プローブ光とポンプ光をパルス化する。光線路特性解析装置301は、プローブ光パルスとポンプ光パルスに入射時間差を与えて被測定光ファイバ23へ入射する(光パルスセットの入射)。そして、光線路特性解析装置301は、被測定光ファイバ23上のある任意の位置に対して1度の光パルスセットの入射により、光パルス同士のインタラクションにより発生する誘導ブリルアン後方散乱光のピーク時刻を強度波形から解析する。さらに光線路特性解析装置301は、被測定光ファイバ23上のある任意の位置に対する2度目の光パルスセットの入射により、誘導ブリルアン後方散乱光のピーク時刻の変化を取得し、試験光の周波数掃引速度を利用してBFS変化量に換算する。
光線路特性解析装置301の測定手法は、ポンプ光とプローブ光の周波数差を変えながら複数回の測定を行う非特許文献1に記載の方法と明らかに異なる。また、非特許文献2は、本実施例と同様にポンプ光及びプローブ光の周波数を変調しているが、BFSを測定するために両試験光の相対周波数差を順次変更する必要があるという点で光線路特性解析装置301の測定手法と明らかに異なる。
さらに、プローブ光パルスとポンプ光パルスの入射時間差を変えながら繰り返し測定することにより、光線路特性解析装置301は、被測定光ファイバ23のどの地点においても、基準BFSに対するBFS変化を光パルスセットの入射にて測定することができる。上記の測定において、光受信手段26から演算処理装置28では受信光強度の時間変化からBFSを解析可能であるため、周波数解析の必要がない。このため、光線路特性解析装置301は、高速に被測定光ファイバの特性分布を求めることができる。
なお、上記実施形態では、光線路特性解析装置がサーキュレータを備える場合を例に説明した。しかしながら、これに限定されない。光線路特性解析装置は、例えば、サーキュレータの代わりにカプラを備えていても構わない。受光部ではA/D変換器によりデジタル信号とした上でブリルアン利得のピーク値を解析する例を説明したが、アナログ信号のままブリルアン利得がピーク値を取る時間の変化を解析することも可能である。
また、上記実施形態では、被測定光ファイバの両端からポンプ光およびプローブ光それぞれを入射している構成であるが、被測定光ファイバの遠端から反射したブローブ光を解析に用いる構成であっても適用することができる。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
[付記]
以下は、本実施形態の光線路特性解析装置を説明したものである。
(目的)
ブリルアン散乱を利用した光線路の温度、静的歪、動的歪の変化量と動的歪の振動数に対する測定において、高速に被測定光ファイバのBFSの変化量を検出可能な光線路特性解析装置とその解析方法を提供することにある。
(1):
被測定光線路の特性を解析する光線路特性解析装置であって、
波長の異なる第1及び第2の試験パルス光を生成する手段と、
前記第1及び第2の試験パルス光の周波数を時間的に変調する周波数制御手段と、
前記第1及び第2のパルスが発生される時間差を制御するタイミング制御手段と、
前記ブリルアン利得を得た前記第1試験パルス光の強度を時間的に取得する信号取得手段とを具備し、
2回の測定において得られる、前記第1試験パルス光が得たブリルアン利得強度のピーク時刻の差からブリルアン周波数シフトを算出することを特徴とする前記光線路の特性解析装置。
(2):
前記周波数制御手段は、前記第1及び第2の試験パルス光のいずれかまたは両方を時間に対して線形に変調し、かつ前記第1及び第2の試験パルス光の掃引速度が一致していないことを特徴とする上記(1)記載の光線路特性解析装置。
(3):
前記周波数制御手段は、半導体レーザの注入電流を強度変調することで行われることを特徴とする前記(2)記載の光線路特性解析装置。
(4):
前記特性分布の特性は、温度、静的歪量、動的歪量、動的歪の振動数のいずれかであることを特徴とする上記(1)〜(3)に記載の光線路特性解析装置。
(効果)
本発明は、波長の異なる二種の試験光を用意し、パルス化した後に二種のパルス試験光に入射時間差を与えて被測定光線路に入射することで、先に入射したパルス試験光(プローブ光)の反射光と、後に入射したパルス試験光(ポンプ光)が対向伝搬することにより発生した誘導ブリルアン後方散乱光を光受信器で受信し、プローブ光またはポンプ光、あるいはプローブ光およびポンプ光の両方の光周波数を線形に変調し、変調帯域幅を測定すべき物理量変化に対応するBFS変化の範囲と同等またはそれ以上に設定し、受信信号の時間軸上でのブリルアン利得の変化を解析し、測定毎にブリルアン利得ピークを取る時間の変化をBFS変化に換算し、BFS変化を測定すべき物理量変化に解析することで、高速な測定が可能となる。
したがって、本発明によれば、受光部で受信信号の周波数解析をすることなく、受信信号の強度解析によりBFS変化を測定し、光線路の特性分布(温度、静的歪および動的歪の振動周波数と歪量)を高速に測定することのできる光線路特性測定装置及びその測定方法を提供することができる。
10:光源
10−1:第1試験光出力手段
10−2:第2試験光出力手段
12:光周波数変更手段
13、14:光パルス化手段
15、16:入射時間制御手段
21:サーキュレータ
23:被測定光ファイバ
26:光受信手段
27:A/D変換器
28:演算処理装置

Claims (8)

  1. 被測定光線路でブリルアン(Brillouin)散乱を発生させるポンプ光パルスと、前記被測定光線路で前記ポンプ光パルスと相互作用させるプローブ光パルスと、を前記被測定光線路に伝搬させ、前記被測定光線路の特性を解析する光線路特性解析装置であって、
    前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスとの光周波数差を時間に対して線形に変動する光周波数差掃引手段と、
    前記被測定光線路への前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスとの入射時間差を設定する入射時間差設定手段と、
    前記光周波数差掃引手段で変動させる前記光周波数差及び前記入射時間差設定手段で設定した前記入射時間差をもって前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスを発生し、前記被測定光線路に入射する試験光入射手段と、
    前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスとの相互作用でブリルアン増幅を受けた前記プローブ光パルスを受光し、ブリルアン増幅を受けた前記プローブ光パルスの強度を時間的に取得する信号取得手段と、
    前記試験光入射手段に対し、所定時間をおいて再度前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスを前記被測定光線路に複数回入射させ、前記信号取得手段が取得したブリルアン増幅を受けた2つの前記プローブ光パルスのピーク強度の時間差から前記入射時間差設定手段が設定した前記入射時間差におけるブリルアン周波数シフトを算出する演算制御手段と、
    を備えることを特徴とする光線路特性解析装置。
  2. 前記光周波数差掃引手段は、前記光周波数差を線形に変動させる線形変動範囲が、前記被測定光線路において測定対象とするブリルアン周波数シフト分布幅に相当する測定対象周波数範囲以上であることを特徴とする請求項1に記載の光線路特性解析装置。
  3. 前記光周波数差掃引手段は、前記ポンプ光パルス、前記プローブ光パルス、あるいは前記ポンプ光パルスと前記プローブ光パルスの双方の光周波数を変動し、前記光周波数差を時間に対して線形に変動することを特徴とする請求項1又は2に記載の光線路特性解析装置。
  4. 前記光周波数差掃引手段は、半導体レーザの注入電流を強度変調することで前記光周波数を変動することを特徴とする請求項3に記載の光線路特性解析装置。
  5. 前記試験光入射手段は、前記被測定光線路の一端から前記ポンプ光パルス及び前記プローブ光パルスを入射することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光線路特性解析装置。
  6. 前記試験光入射手段は、前記被測定光線路の一端から前記プローブ光パルスを入射し、前記被測定光線路の他端から前記ポンプ光パルスを入射することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光線路特性解析装置。
  7. 被測定光線路でブリルアン(Brillouin)散乱を発生させるポンプ光パルスと、前記被測定光線路で前記ポンプ光パルスと相互作用させるプローブ光パルスと、を前記被測定光線路に伝搬させ、前記被測定光線路の特性を解析する光線路特性解析方法であって、
    前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスとの光周波数差を時間に対して線形に変動する周波数掃引速度、及び前記ポンプ光パルスのパルス幅を設定するパルス設定手順と、
    前記被測定光線路への前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスとの入射時間差を設定する入射時間差設定手順と、
    前記パルス設定手順で設定した前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスを前記入射時間差設定手順で設定した前記入射時間差をもって前記被測定光線路に入射し、前記プローブ光パルスと前記ポンプ光パルスとの相互作用でブリルアン増幅を受けた前記プローブ光パルスを受光し、ブリルアン増幅を受けた前記プローブ光パルスの強度を時間的に取得することを複数回行う信号取得手順と、
    前記信号取得手順で取得したブリルアン増幅を受けた2つの前記プローブ光パルスのピーク強度の時間差から前記入射時間差設定手順が設定した前記入射時間差におけるブリルアン周波数シフトを算出する演算制御手順と、
    を行うことを特徴とする光線路特性解析方法。
  8. 前記入射時間差設定手順で設定する前記入射時間差を変化させ、前記入射時間差がnL/cと等しくなるまで前記信号取得手順と前記演算制御手順を繰り返すことを特徴とする請求項7に記載の光線路特性解析方法。
    ただし、nは前記被測定光線路の屈折率、Lは被測定光線路長、cは真空中の光速である。
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