JP2704193B2 - ブリルアン周波数シフト標準装置 - Google Patents
ブリルアン周波数シフト標準装置Info
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- JP2704193B2 JP2704193B2 JP32402589A JP32402589A JP2704193B2 JP 2704193 B2 JP2704193 B2 JP 2704193B2 JP 32402589 A JP32402589 A JP 32402589A JP 32402589 A JP32402589 A JP 32402589A JP 2704193 B2 JP2704193 B2 JP 2704193B2
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- brillouin frequency
- optical fiber
- substance
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ブリルアン周波数シフトを高精度で測定す
るために使用する、ブリルアン周波数シフト標準装置に
関するものである。
るために使用する、ブリルアン周波数シフト標準装置に
関するものである。
[従来の技術] 従来、歪の測定方法として、ブリルアン散乱光を利用
したものが提案されている(たとえば特願昭63−154828
号)。これは、ブリルアン散乱光の周波数シフトが、光
が入射された物質に加わっている歪に比例して変化する
ことを利用したものである。すなわち、物質に周波数f1
の光を入射すると、光と物質中の音波との相互作用によ
り、周波数f1−fbの光が後方に散乱される。この散乱光
をブリルアン散乱光、fbをブリルアン周波数シフトと呼
ぶ。fbは物質に加わっている歪に比例して変化するた
め、fbを測定することにより、歪を測定することが可能
となる。
したものが提案されている(たとえば特願昭63−154828
号)。これは、ブリルアン散乱光の周波数シフトが、光
が入射された物質に加わっている歪に比例して変化する
ことを利用したものである。すなわち、物質に周波数f1
の光を入射すると、光と物質中の音波との相互作用によ
り、周波数f1−fbの光が後方に散乱される。この散乱光
をブリルアン散乱光、fbをブリルアン周波数シフトと呼
ぶ。fbは物質に加わっている歪に比例して変化するた
め、fbを測定することにより、歪を測定することが可能
となる。
しかし、このブリルアン散乱光は非常に微弱である。
そこで、上記入射光(これをポンプ光とする)に対向し
て、周波数f2のプローブ光も上記物質に入射させる。こ
こで、f2=f1−fbとなったとき、ブリルアン散乱光強度
が格段に増大するため、ポンプ光とプローブ光の光周波
数差f1−f2から、fbを高精度に測定することが可能とな
る(特願昭63−154828号)。
そこで、上記入射光(これをポンプ光とする)に対向し
て、周波数f2のプローブ光も上記物質に入射させる。こ
こで、f2=f1−fbとなったとき、ブリルアン散乱光強度
が格段に増大するため、ポンプ光とプローブ光の光周波
数差f1−f2から、fbを高精度に測定することが可能とな
る(特願昭63−154828号)。
しかしながら、このブリルアン周波数シフトfbは通常
10GHz以上の高周波になるため、fbを精度良く測定する
のは、なかなか困難である。
10GHz以上の高周波になるため、fbを精度良く測定する
のは、なかなか困難である。
そこで、fbが何等かの方法で高精度に求められている
参照用の物質(ブリルアン周波数シフト標準)を用い
て、測定したい物質のブリルアン周波数シフトfbと参照
用の物質のブリルアン周波数シフトとの差を測定するこ
とにより、測定したい物質のfbを求めることが良く行わ
れる。
参照用の物質(ブリルアン周波数シフト標準)を用い
て、測定したい物質のブリルアン周波数シフトfbと参照
用の物質のブリルアン周波数シフトとの差を測定するこ
とにより、測定したい物質のfbを求めることが良く行わ
れる。
この測定方法を、光ファイバのブリルアン周波数シフ
トの測定の場合を例にとって以下に説明する。
トの測定の場合を例にとって以下に説明する。
この場合の測定系の一例を第1図に示す。第1図にお
いて、1はポンプ光源、2はプローブ光源、3はブリル
アン周波数シフト標準装置として使用する参照用光ファ
イバ、4はテスト光ファイバ、5はビームスプリッタ、
6は受光器である。
いて、1はポンプ光源、2はプローブ光源、3はブリル
アン周波数シフト標準装置として使用する参照用光ファ
イバ、4はテスト光ファイバ、5はビームスプリッタ、
6は受光器である。
ポンプ光源1からの信号光21は、接続点7を経て縦続
接続された参照用光ファイバ3とテスト光ファイバ4に
入射される。また、プローブ光源2からの信号光22は、
信号光21とは反対方向にこれら光ファイバ3および4中
を伝搬するように、テスト光ファイバ4に入射される。
信号光21の光周波数f1は、第6図に示すように、周波数
掃引速度Mで時間軸方向に周波数掃引される。一方、信
号光2の光周波数f2は一定とする。
接続された参照用光ファイバ3とテスト光ファイバ4に
入射される。また、プローブ光源2からの信号光22は、
信号光21とは反対方向にこれら光ファイバ3および4中
を伝搬するように、テスト光ファイバ4に入射される。
信号光21の光周波数f1は、第6図に示すように、周波数
掃引速度Mで時間軸方向に周波数掃引される。一方、信
号光2の光周波数f2は一定とする。
今、f1−f2がテスト光ファイバ4のブリルアン周波数
シフトfbに一致したとき(fb=f1−f2)、信号光22の光
強度は、信号光21により増幅され、ビームスプリッタ5
を介して受光器6により検出される。
シフトfbに一致したとき(fb=f1−f2)、信号光22の光
強度は、信号光21により増幅され、ビームスプリッタ5
を介して受光器6により検出される。
第6図は、このようにして受光器6により検出された
信号光22の強度の時間変化を記録したものである。ピー
ク3′および4′が測定されたとき、f1−f2は、それぞ
れ、参照用光ファイバ3およびテスト光ファイバ4の各
ブリルアン周波数シフトfbrおよびfbtに一致している。
従って、信号強度ピーク3′と4′との間の時間間隔△
tを使って、テスト光ファイバ4のブリルアン周波数シ
フトfbtは、 fbt=fbr+M△t (1) より求めることができる。
信号光22の強度の時間変化を記録したものである。ピー
ク3′および4′が測定されたとき、f1−f2は、それぞ
れ、参照用光ファイバ3およびテスト光ファイバ4の各
ブリルアン周波数シフトfbrおよびfbtに一致している。
従って、信号強度ピーク3′と4′との間の時間間隔△
tを使って、テスト光ファイバ4のブリルアン周波数シ
フトfbtは、 fbt=fbr+M△t (1) より求めることができる。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、ブリルアン周波数シフトは歪のみなら
ず、温度にも依存することが知られている。従って、高
精度な歪測定を行う場合には、温度変化によるブリルア
ン周波数シフトが小さいブリルアン周波数シフト基準と
しての材料が必要とされる。しかし、そのようなブリル
アン周波数シフト標準はこれまで実現されていない。以
上の従来技術の問題点を、数値をあげて以下に説明す
る。
ず、温度にも依存することが知られている。従って、高
精度な歪測定を行う場合には、温度変化によるブリルア
ン周波数シフトが小さいブリルアン周波数シフト基準と
しての材料が必要とされる。しかし、そのようなブリル
アン周波数シフト標準はこれまで実現されていない。以
上の従来技術の問題点を、数値をあげて以下に説明す
る。
ブリルアン周波数シフト標準として、コアにGeO2をド
ープした、比屈折率差△が約0.3%の標準的な光ファイ
バを例にとる。このファイバのブリルアン周波数シフト
fb(ε,T)は、TSを基準温度とすると、 fb(ε,T)=fb(0,TS)+Aε+B(T−TS)(2) と表すことができる。fb(ε,T)は、歪=ε%、温度T
℃のときのブリルアン周波数シフト標準のブリルアン周
波数シフトである。Aは、歪1%当りのブリルアン周波
数シフトの増加を表す係数であり、A=579MHz/%であ
ることが知られている。また、Bは温度1℃当りのブリ
ルアン周波数シフトの増加を表す係数であり、B=1.18
MHz/℃であることが知られている。したがって、上記係
数A,Bの値を考慮すると、たとえば、40℃の周囲温度変
化は、47MHzのブリルアン周波数シフトの変化を引き起
こし、またそれは、0.08%の歪測定誤差となって現れて
くる。もちろん、事前に温度変化が正確に分かれば、こ
の歪測定誤差を無くすことが可能であるが、通常、温度
変化は未知である。
ープした、比屈折率差△が約0.3%の標準的な光ファイ
バを例にとる。このファイバのブリルアン周波数シフト
fb(ε,T)は、TSを基準温度とすると、 fb(ε,T)=fb(0,TS)+Aε+B(T−TS)(2) と表すことができる。fb(ε,T)は、歪=ε%、温度T
℃のときのブリルアン周波数シフト標準のブリルアン周
波数シフトである。Aは、歪1%当りのブリルアン周波
数シフトの増加を表す係数であり、A=579MHz/%であ
ることが知られている。また、Bは温度1℃当りのブリ
ルアン周波数シフトの増加を表す係数であり、B=1.18
MHz/℃であることが知られている。したがって、上記係
数A,Bの値を考慮すると、たとえば、40℃の周囲温度変
化は、47MHzのブリルアン周波数シフトの変化を引き起
こし、またそれは、0.08%の歪測定誤差となって現れて
くる。もちろん、事前に温度変化が正確に分かれば、こ
の歪測定誤差を無くすことが可能であるが、通常、温度
変化は未知である。
そこで、本発明の目的は、周囲温度変化に関係なく、
高精度に歪を測定可能なブリルアン周波数シフトを与え
ることのできるブリルアン周波数シフト標準装置を提供
することにある。
高精度に歪を測定可能なブリルアン周波数シフトを与え
ることのできるブリルアン周波数シフト標準装置を提供
することにある。
[課題を解決するための手段] このような目的を達成するために本発明は、歪によ
り、ブリルアン周波数シフトが変化し、光が伝搬可能な
第1の物質と、該第1物質と一体化された第2の物質と
を具え、温度変化による前記第1の物質のブリルアン周
波数シフトの変化量が、当該温度変化により前記第2物
質に生じた熱歪による当該第2の物質のブリルアン周波
数シフトの変化量により相殺されるようになしたことを
特徴とする。
り、ブリルアン周波数シフトが変化し、光が伝搬可能な
第1の物質と、該第1物質と一体化された第2の物質と
を具え、温度変化による前記第1の物質のブリルアン周
波数シフトの変化量が、当該温度変化により前記第2物
質に生じた熱歪による当該第2の物質のブリルアン周波
数シフトの変化量により相殺されるようになしたことを
特徴とする。
ここで、前記第1の物質に前記第2の物質を被覆する
ことができる。
ことができる。
あるいはまた、第1の部材を心材に添わせて巻回し、
第2の部材をテープ状に構成し、そのテープ状の第2の
部材により前記第1の部材および前記心材を押え巻くよ
うになし、前記第1の部材および前記心材のうちの一方
を前記第1の物質となし、前記第1の部材および心材の
うちの他方と前記第2の部材を前記第2の物質とするこ
ともできる。
第2の部材をテープ状に構成し、そのテープ状の第2の
部材により前記第1の部材および前記心材を押え巻くよ
うになし、前記第1の部材および前記心材のうちの一方
を前記第1の物質となし、前記第1の部材および心材の
うちの他方と前記第2の部材を前記第2の物質とするこ
ともできる。
[作 用] 本発明によれば、基準としての光ファイバに対して、
光ファイバのブリルアン周波数シフトの変化を相殺可能
とする熱歪を引き起こす物質を組合せ用いて、両者を一
体化するようにしたので、温度化によるブリルアン周波
数シフトの変化は無視可能となるため、使用温度に関係
なく、高精度な歪測定が可能である。
光ファイバのブリルアン周波数シフトの変化を相殺可能
とする熱歪を引き起こす物質を組合せ用いて、両者を一
体化するようにしたので、温度化によるブリルアン周波
数シフトの変化は無視可能となるため、使用温度に関係
なく、高精度な歪測定が可能である。
すなわち、本発明では、温度によるブリルアン周波数
シフトの変化を、熱歪によるブリルアン周波数シフトの
変化で相殺することができるので、発明は、温度を正確
に知る必要があった従来技術とは大きく異なる。
シフトの変化を、熱歪によるブリルアン周波数シフトの
変化で相殺することができるので、発明は、温度を正確
に知る必要があった従来技術とは大きく異なる。
[実施例] 以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。
る。
[実施例1] 第1図は、本発明ブリルアン周波数シフト標準として
の光ファイバの実施例を示す断面図であって、7は光フ
ァイバ、8は光ファイバ7に対して一体化された被覆で
ある。このように被覆された石英系光ファイバのブリル
アン周波数シフトfbの温度係数は、以下のように2つの
項で表せることを、我々は見い出した(倉嶋、堀口、立
田、“石英系光ファイバにおけるブリルアン周波数シフ
トの温度依存性”、電子情報通信学会研究会、CS86−3,
OCS89−13,1989年6月)。
の光ファイバの実施例を示す断面図であって、7は光フ
ァイバ、8は光ファイバ7に対して一体化された被覆で
ある。このように被覆された石英系光ファイバのブリル
アン周波数シフトfbの温度係数は、以下のように2つの
項で表せることを、我々は見い出した(倉嶋、堀口、立
田、“石英系光ファイバにおけるブリルアン周波数シフ
トの温度依存性”、電子情報通信学会研究会、CS86−3,
OCS89−13,1989年6月)。
dfb/dT=∂fb/∂T+(∂fb/∂ε)(∂ε/∂T)
(3) 式(3)の右辺の第1項は、光ファイバ7の材料で決
まる、ブリルアン周波数シフトの度係数である。式
(3)の右辺の第2項は、光ファイバ7と被覆8の線膨
張係数の差によって誘起された熱歪に基づく、ブリルア
ン周波数シフトの温度係数である。
(3) 式(3)の右辺の第1項は、光ファイバ7の材料で決
まる、ブリルアン周波数シフトの度係数である。式
(3)の右辺の第2項は、光ファイバ7と被覆8の線膨
張係数の差によって誘起された熱歪に基づく、ブリルア
ン周波数シフトの温度係数である。
本発明は上式(3)の認識をふまえてなしたものであ
って、第1項と第2項の温度係数が互いに相殺されるよ
うにするためにはどのような条件が必要であるかを以下
に述べるように考察し、その考察に基づいて、適切に材
料を定めることで、温度変化の影響を受けることのない
ブリルアン周波数シフト標準を得るようにしたものであ
る。
って、第1項と第2項の温度係数が互いに相殺されるよ
うにするためにはどのような条件が必要であるかを以下
に述べるように考察し、その考察に基づいて、適切に材
料を定めることで、温度変化の影響を受けることのない
ブリルアン周波数シフト標準を得るようにしたものであ
る。
既に述べたように、 ∂fb/∂T=1.18MHz/℃ (4) fb/∂ε=579MHz/% (5) である。また、熱歪の係数∂ε/∂Tは、次式で表せ
る。
る。
∂ε/∂T=[E2S2/(E1S1+E2S2)](α2−
α1) (6) ここで、Eはヤング率、Sは断面積、αは線膨張係数
である。添え字1および2はそれぞれ光ファイバ7およ
び被覆8に対応する番号である。いま、見通しを良くす
るために、E1S1《E2S2と仮定すると、式(6)は、 ∂ε/∂T=α2−α1 (7) となる。式(3),(7)から、dfb/dT=0となるため
に、被覆8の線膨張率α2が満足すべき条件は、 α2=α1−(∂fb/∂T)/(∂fb/∂ε) (8) となる。石英ガラスの線膨張係数α1=5x10-7,および
式(4),(5)を式(8)に代入すると、α2=−2x
10-5となる。このように負の線膨張係数を持つ物質とし
ては、液晶ポリマー(LCP)やケブラ(Kevlar)等が知
られている。
α1) (6) ここで、Eはヤング率、Sは断面積、αは線膨張係数
である。添え字1および2はそれぞれ光ファイバ7およ
び被覆8に対応する番号である。いま、見通しを良くす
るために、E1S1《E2S2と仮定すると、式(6)は、 ∂ε/∂T=α2−α1 (7) となる。式(3),(7)から、dfb/dT=0となるため
に、被覆8の線膨張率α2が満足すべき条件は、 α2=α1−(∂fb/∂T)/(∂fb/∂ε) (8) となる。石英ガラスの線膨張係数α1=5x10-7,および
式(4),(5)を式(8)に代入すると、α2=−2x
10-5となる。このように負の線膨張係数を持つ物質とし
ては、液晶ポリマー(LCP)やケブラ(Kevlar)等が知
られている。
本発明ではこのように、光ファイバ7をこの光ファイ
バ7にブリルアン周波数シフトの変化を相殺可能とする
熱歪を引き起こす物質と組合せて一体化することによ
り、ブリルアン周波数シフト標準を構成する。
バ7にブリルアン周波数シフトの変化を相殺可能とする
熱歪を引き起こす物質と組合せて一体化することによ
り、ブリルアン周波数シフト標準を構成する。
以上の説明では、光ファイバ7として、石英ガラス製
のものについて説明した。しかし、本発明はこの実施例
にのみ限定されるものではなく、光ファイバ7として、
この光ファイバ7のブリルアン周波数シフトの変化を相
殺可能とする熱歪を引き起こす物質と組合せて、被覆等
の形態で一体化できるものであればよく、フッ化物ある
いは多成分ガラス等の他の材料を使用した光ファイバで
も良いことは言うまでもない。特に光ファイバ7がソー
ダガラス製の場合、係数(∂fb/∂)は負の値を持つの
で、被覆8としてはα2が正の値を持つ材料が必要とさ
れる。
のものについて説明した。しかし、本発明はこの実施例
にのみ限定されるものではなく、光ファイバ7として、
この光ファイバ7のブリルアン周波数シフトの変化を相
殺可能とする熱歪を引き起こす物質と組合せて、被覆等
の形態で一体化できるものであればよく、フッ化物ある
いは多成分ガラス等の他の材料を使用した光ファイバで
も良いことは言うまでもない。特に光ファイバ7がソー
ダガラス製の場合、係数(∂fb/∂)は負の値を持つの
で、被覆8としてはα2が正の値を持つ材料が必要とさ
れる。
[実施例2] 以上に説明した実施例1のブリルアン周波数シフト標
準では、光ファイバ7のブリルアン周波数シフトの変化
を相殺可能とする熱歪を引き起こす物質による被覆は1
層のみとした。しかしながら、光ファイバ7と被覆8と
の密着性を増したり、光ファイバ7のマイクロベンド損
失を低く抑えるためには、多層被覆することが望ましい
ことがある。
準では、光ファイバ7のブリルアン周波数シフトの変化
を相殺可能とする熱歪を引き起こす物質による被覆は1
層のみとした。しかしながら、光ファイバ7と被覆8と
の密着性を増したり、光ファイバ7のマイクロベンド損
失を低く抑えるためには、多層被覆することが望ましい
ことがある。
第2図は、光ファイバ7にN個の層C1からCNを被覆し
た構造を有するブリルアン周波数シフト標準装置の例を
示す。このときの熱歪は ∂ε/∂T=ΣEiSiαi/ΣEiSi (9) で表せる。ここで、光ファイバ7と各被覆層C1〜CNに対
してそれぞれ番号を付与し、Ei,Si,αiは、それぞれ、
番号iに対応する材料のヤング率,断面積,線膨張率を
表すものとする。従って、式(2),(9)を使用する
ことにより、実施例1の場合と同様にして、多層被覆の
光ファイバを使用したブリルアン周波数シフト標準を設
計可能である。
た構造を有するブリルアン周波数シフト標準装置の例を
示す。このときの熱歪は ∂ε/∂T=ΣEiSiαi/ΣEiSi (9) で表せる。ここで、光ファイバ7と各被覆層C1〜CNに対
してそれぞれ番号を付与し、Ei,Si,αiは、それぞれ、
番号iに対応する材料のヤング率,断面積,線膨張率を
表すものとする。従って、式(2),(9)を使用する
ことにより、実施例1の場合と同様にして、多層被覆の
光ファイバを使用したブリルアン周波数シフト標準を設
計可能である。
[実施例3] 第3図は本発明の第3の実施例を示し、ここで、9は
心材、10は心材9のまわりに巻回した光ファイバあるい
は被覆された光ファイバであり、11は光ファイバ7のブ
リルアン周波数シフトの変化を相殺可能とする熱歪を引
き起こす物質から成り、心材9および光ファイバ10を押
え巻く押え巻テープである。ここで、心材9およびテー
プ11の熱膨張係数は光ファイバ10とは異なる熱膨張係数
をもつものとする。光ファイバあるいは被覆された光フ
ァイバ10は、心材9に密着して巻かれている。
心材、10は心材9のまわりに巻回した光ファイバあるい
は被覆された光ファイバであり、11は光ファイバ7のブ
リルアン周波数シフトの変化を相殺可能とする熱歪を引
き起こす物質から成り、心材9および光ファイバ10を押
え巻く押え巻テープである。ここで、心材9およびテー
プ11の熱膨張係数は光ファイバ10とは異なる熱膨張係数
をもつものとする。光ファイバあるいは被覆された光フ
ァイバ10は、心材9に密着して巻かれている。
このような構成をとることにより、実施例1のように
光ファイバ7に被覆することが困難な物質であっても、
温度変化による光ファイバ7のブリルアン周波数シフト
の変化を相殺可能とする熱歪を引き起こす材料として、
使用することができる。
光ファイバ7に被覆することが困難な物質であっても、
温度変化による光ファイバ7のブリルアン周波数シフト
の変化を相殺可能とする熱歪を引き起こす材料として、
使用することができる。
なお、光ファイバ7のブリルアン周波数シフトの変化
を相殺可能とする熱歪を引き起こす物質は光ファイバ10
自体の被覆および/またはテープ11に用いることができ
る。
を相殺可能とする熱歪を引き起こす物質は光ファイバ10
自体の被覆および/またはテープ11に用いることができ
る。
あるいはまた、心材9の位置に光ファイバを配置し、
そのまわりに光ファイバ7のブリルアン周波数シフトの
変化を相殺可能とする熱歪を引き起こす物質から成り、
この光ファイバとは異なる熱膨張係数をもつ材料を第3
図の光ファイバ10の位置およびテープ11の位置に配置す
るようにしてもよい。
そのまわりに光ファイバ7のブリルアン周波数シフトの
変化を相殺可能とする熱歪を引き起こす物質から成り、
この光ファイバとは異なる熱膨張係数をもつ材料を第3
図の光ファイバ10の位置およびテープ11の位置に配置す
るようにしてもよい。
以上の実施例では、歪により、ブリルアン周波数シフ
トが変化する物質として、光ファイバの例をとりあげ
た。しかしながら、かかる物質としては、バルク材料で
も良いことは言うまでもない。
トが変化する物質として、光ファイバの例をとりあげ
た。しかしながら、かかる物質としては、バルク材料で
も良いことは言うまでもない。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、基準としての
光ファイバに対して、光ファイバのブリルアン周波数シ
フトの変化を相殺可能とする熱歪を引き起こす物質を組
合せ用いて、両者を一体化するようにしたので、温度変
化によるブリルアン周波数シフトの変化は無視可能とな
るため、使用温度に関係なく、高精度な歪測定が可能で
ある。
光ファイバに対して、光ファイバのブリルアン周波数シ
フトの変化を相殺可能とする熱歪を引き起こす物質を組
合せ用いて、両者を一体化するようにしたので、温度変
化によるブリルアン周波数シフトの変化は無視可能とな
るため、使用温度に関係なく、高精度な歪測定が可能で
ある。
第1図は本発明の実施例1を示す断面図、 第2図は本発明の実施例2を示す断面図、 第3図は本発明の実施例3を示す斜視図、 第4図は通常のブリルアン周波数シフトの測定系の一例
を示す構成図、 第5図はそのポンプ光の周波数f1の掃引の説明図、 第6図は第4図示の測定系により測定される信号の強度
と時間との関係を示す図である。 1……ポンプ光源、 2……プローブ光源、 3……参照用光ファイバ(ブリルアン周波数シフト標
準)、 4……テスト光ファイバ、 5……ビームスプリッタ、 6……受光器、 7……光ファイバ、 8,C1,C2,…,CN……被覆、 9……心材、 10……光ファイバまた被覆された光ファイバ、 11……押え巻テープ。
を示す構成図、 第5図はそのポンプ光の周波数f1の掃引の説明図、 第6図は第4図示の測定系により測定される信号の強度
と時間との関係を示す図である。 1……ポンプ光源、 2……プローブ光源、 3……参照用光ファイバ(ブリルアン周波数シフト標
準)、 4……テスト光ファイバ、 5……ビームスプリッタ、 6……受光器、 7……光ファイバ、 8,C1,C2,…,CN……被覆、 9……心材、 10……光ファイバまた被覆された光ファイバ、 11……押え巻テープ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小中 庸夫 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−113333(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】歪により、ブリルアン周波数シフトが変化
し、光が伝搬可能な第1の物質と、 該第1物質と一体化された第2の物質とを具え、 温度変化による前記第1の物質のブリルアン周波数シフ
トの変化量が、当該温度変化により前記第2物質に生じ
た熱歪による当該第2の物質のブリルアン周波数シフト
の変化量により相殺されるようになしたことを特徴とす
るブリルアン周波数シフト標準装置。 - 【請求項2】前記第1の物質に前記第2の物質を被覆し
たことを特徴とする請求項1記載のブリルアン周波数シ
フト標準装置。 - 【請求項3】第1の部材を心材に添わせて巻回し、第2
の部材をテープ状に構成し、そのテープ状の第2の部材
により前記第1の部材および前記心材を押え巻くように
なし、前記第1の部材および前記心材のうちの一方の前
記第1の物質となし、前記第1の部材および前記心材の
うちの他方と前記第2の部材を前記第2の物質となした
ことを特徴とする請求項1記載のブリルアン周波数シフ
ト標準装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32402589A JP2704193B2 (ja) | 1989-12-15 | 1989-12-15 | ブリルアン周波数シフト標準装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32402589A JP2704193B2 (ja) | 1989-12-15 | 1989-12-15 | ブリルアン周波数シフト標準装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03185304A JPH03185304A (ja) | 1991-08-13 |
JP2704193B2 true JP2704193B2 (ja) | 1998-01-26 |
Family
ID=18161311
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32402589A Expired - Lifetime JP2704193B2 (ja) | 1989-12-15 | 1989-12-15 | ブリルアン周波数シフト標準装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2704193B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2805139B1 (en) * | 2012-01-19 | 2018-11-07 | Draka Comteq BV | Temperature and strain sensing optical fiber and temperature and strain sensor |
JP6411306B2 (ja) * | 2015-10-05 | 2018-10-24 | 日本電信電話株式会社 | 光線路特性解析装置及び光線路特性解析方法 |
-
1989
- 1989-12-15 JP JP32402589A patent/JP2704193B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03185304A (ja) | 1991-08-13 |
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