JP5907157B2 - 圧延機の制御装置および制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、圧延機の制御装置および制御方法に関する。
鋼板などの被圧延材を圧延する際には、圧延中の被圧延材が圧延機の幅方向中央部付近位置に安定的に存在せず、圧延の進行と共に被圧延材が圧延機の幅方向端部側へ移動する現象が発生することがある。この現象は、一般に「蛇行」と呼ばれている。
この蛇行という現象は、被圧延材の尾端部が圧延機から抜け出る際に、急激に大きくなることが知られている。これは、被圧延材の尾端部が圧延機から抜け出た際、被圧延材の尾端部が圧延機による拘束から開放されることによって、それまで潜在化していた幅方向の圧下量の不均衡が一挙に顕在化するからである。
蛇行により発生する被圧延材の欠陥の代表例として、「絞り込み」という欠陥が知られている。この絞り込みとは、上流の圧延機から被圧延材の尾端部が抜け出た際の蛇行によって、被圧延材がサイドガイドに衝突し、被圧延材の幅方向端部が折れ込んだ状態で下流の圧延機にて圧延されることにより発生する欠陥である。
このため、被圧延材の蛇行を抑制する技術として、「差荷重方式蛇行制御」と呼ばれる技術が提案されている(例えば特許文献1または2参照)。差荷重方式蛇行制御では、圧延ロールの幅方向両端部の荷重差に基づいて圧下量を補正することによって、被圧延材の蛇行の抑制が行われる。また、特許文献3には、圧延機の入側に設けられた検出器によって検出された被圧延材の蛇行量に応じて圧延ロールの幅方向開度差を制御する方法が提案されている。
特開昭49−133256号公報 特開昭52−124453号公報 特開2004−306125号公報
しかしながら、差荷重方式蛇行制御は、圧延ロールの幅方向両端部の荷重差に基づいて被圧延材の蛇行を制御するものであるので、被圧延材の蛇行を未然に防止することができない。すなわち、圧延ロールの幅方向両端部の荷重差を検出した時には、既に被圧延材の蛇行が発生しており、差荷重方式蛇行制御は既に発生した蛇行を修正しているに過ぎない。なお、このような問題を解決するために、制御ゲインを大きくすることにより、差荷重方式蛇行制御の応答性を早くする方法も考えられる。しかしながら、制御ゲインを大きくした場合、圧下量が過剰に修正されることによって、制御が不安定になる可能性がある。結果、差荷重方式蛇行制御では、既に発生した蛇行に追従しようとしても限界がある。さらに、加速度的に増大する被圧延材の蛇行に応じてロール開度差を制御するため、ロール開度差の制御量は非常に大きくなる。また、特許文献3に記載の蛇行制御方法も同様の課題を抱えており、圧延機入側に設けた検出器によって蛇行を検出してから圧延ロールの幅方向開度差を制御するため、蛇行を未然に防止することができない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、被圧延材の尾端部の蛇行の起因となる幅方向の圧下量の不均衡を未然に修正することができる圧延機の制御装置および制御方法を提供することである。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる圧延機の制御装置は、少なくとも第1の圧延機と第2の圧延機とを圧延方向に沿って順に備えた圧延設備によって、少なくとも先行材および当材を順に圧延する際の第2の圧延機の制御装置であって、前記先行材の尾端部が前記第2の圧延機を通過する際の該尾端部の挙動に関する情報を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている情報に基づいて、前記当材の圧延時における前記第2の圧延機の作業ロールの駆動側と作業側との間の開度差を決定する開度差決定手段と、を備える。
本発明にかかる圧延機の制御装置は、上記発明において、前記記憶手段は、前記先行材の尾端部が前記第2の圧延機から抜け出た時刻を少なくとも含む時間間隔における前記第2の圧延機における駆動側と作業側との間の荷重差の変化量を記憶し、前記開度差決定手段は、前記荷重差の変化量と該荷重差に関係する前記先行材と前記当材との差を調整するための第1の調整率とに基づいて、前記当材の圧延時における前記第2の圧延機の作業ロールの駆動側と作業側との間の開度差を決定する。
本発明にかかる圧延機の制御装置は、上記発明において、前記記憶手段は、前記先行材の尾端部が前記第2の圧延機から抜け出た時刻と前記先行材の尾端部が前記第1の圧延機から抜け出た時刻との間の前記荷重差の変化量を記憶する。
本発明にかかる圧延機の制御装置は、上記発明において、前記記憶手段は、前記先行材の尾端部が前記第2の圧延機から抜け出た時刻と前記先行材の尾端部が前記第1の圧延機から抜け出た時刻から前記先行材の尾端部が前記第2の圧延機から抜け出た時刻までの間の任意の時刻との間における前記荷重差の変化量を記憶する。
本発明にかかる圧延機の制御装置は、上記発明において、前記開度差決定手段は、前記荷重差の変化量をΔPとし、前記第1の調整率をαとしたときに、式ΔS=−αΔPを用いて前記当材の圧延時における前記第2の圧延機の作業ロールの駆動側と作業側との開度差ΔSを決定する。
本発明にかかる圧延機の制御装置は、上記発明において、前記第1の調整率は、前記当材の圧延荷重、板幅、および板厚に応じて決定される。
本発明にかかる圧延機の制御装置は、上記発明において、前記記憶手段は、前記先行材の尾端部が前記第1の圧延機を通過してから前記第2の圧延機の入側に設けられた蛇行検出器を通過するまでの間の蛇行量の変化量を記憶し、前記開度差決定手段は、前記蛇行量の変化量と該蛇行量に関係する前記先行材と前記当材との差を調整するための第2の調整率とに基づいて、前記当材の圧延時における前記第2の圧延機の作業ロールの駆動側と作業側との間の開度差を決定する。
本発明にかかる圧延機の制御装置は、上記発明において、前記開度差決定手段は、前記蛇行量の変化量をΔYとし、前記第2の調整率をβとしたときに、式ΔS=−βΔYを用いて前記当材の圧延時における前記第2の圧延機の作業ロールの駆動側と作業側との開度差ΔSを決定する。
本発明にかかる圧延機の制御装置は、上記発明において、前記第2の調整率は、前記当材の圧延荷重、板幅、および圧下率と前記蛇行検出器と第2の圧延機との間の距離とに応じて決定される。
本発明にかかる圧延機の制御装置は、上記発明において、前記記憶手段は、前記先行材の尾端部が前記第2の圧延機から抜け出た時刻を少なくとも含む時間間隔における前記第2の圧延機における駆動側と作業側との間の荷重差の変化量と前記先行材の尾端部が前記第1の圧延機を通過してから前記第2の圧延機の入側に設けられた蛇行検出器を通過するまでの間の蛇行量の変化量とを記憶し、前記開度差決定手段は、前記荷重差の変化量、該荷重差に関係する前記先行材と前記当材との差を調整するための第1の調整率、前記蛇行量の変化量、および該蛇行量に関係する前記先行材と前記当材との差を調整するための第2の調整率に基づいて、前記当材の圧延時における前記第2の圧延機の作業ロールの駆動側と作業側との間の開度差を決定する。
本発明にかかる圧延機の制御装置は、上記発明において、前記開度差決定手段は、前記荷重差の変化量をΔPとし、前記第1の調整率をαとし、前記蛇行量の変化量をΔYとし、前記第2の調整率をβとしたときに、式ΔS=−(αΔP+βΔY)を用いて前記当材の圧延時における前記第2の圧延機の作業ロールの駆動側と作業側との開度差ΔSを決定する。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる圧延機の制御方法は、少なくとも第1の圧延機と第2の圧延機とを圧延方向に沿って順に備えた圧延設備によって、少なくとも先行材および当材を順に圧延する際の第2の圧延機の制御方法であって、前記先行材の尾端部が前記第2の圧延機を通過する際の該尾端部の挙動に関する情報を記憶する記憶ステップと、前記記憶ステップにおいて記憶された情報に基づいて、前記当材の圧延時における前記第2の圧延機の作業ロールの駆動側と作業側との間の開度差を決定する開度差決定ステップと、を含む。
本発明にかかる圧延機の制御装置および制御方法は、被圧延材の尾端部の蛇行の起因となる幅方向の圧下量の不均衡を未然に修正することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施形態にかかる圧延機の制御装置および制御方法が適用される圧延設備の第1の実施例を示す模式図である。 図2は、本発明の実施形態にかかる圧延機の制御装置および制御方法が適用される圧延設備の第2の実施例を示す模式図である。 図3は、被圧延材の尾端部がロールから抜け出る際に発生する蛇行について説明する図である。 図4は、本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御装置を適用した圧延設備を示す断面模式図である。 図5は、本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御装置を適用した圧延設備を示す側面模式図である。 図6は、本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御装置の機能を示すブロック図である。 図7は、本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御方法の手順を示すフローチャートである。 図8は、第1の実施例の圧延設備に本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合の絞り込みの発生率の調査結果を示すグラフである。 図9は、第1の実施例の圧延設備に本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合のF7スタンドにおける被圧延材の蛇行量の一例を示すグラフである。 図10は、第2の実施例の圧延設備に本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合の絞り込みの発生率の調査結果を示すグラフである。 図11は、第1の実施例の圧延設備に本発明の第2の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合の絞り込みの発生率の調査結果を示すグラフである。 図12は、第1の実施例の圧延設備に本発明の第2の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合のF7スタンドにおける被圧延材の蛇行量の一例を示すグラフである。 図13は、第2の実施例の圧延設備に本発明の第2の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合の絞り込みの発生率の調査結果を示すグラフである。 図14は、第1の実施例の圧延設備に本発明の第3の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合の絞り込みの発生率の調査結果を示すグラフである。 図15は、第1の実施例の圧延設備に本発明の第3の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合のF7スタンドにおける被圧延材の蛇行量の一例を示すグラフである。 図16は、第2の実施例の圧延設備に本発明の第3の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合の絞り込みの発生率の調査結果を示すグラフである。
以下に、本発明の実施形態にかかる圧延機の制御装置および制御方法を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明される実施形態により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の実施形態にかかる圧延機の制御装置および制御方法が適用される圧延設備の第1の実施例を示す模式図である。また、図2は、本発明の実施形態にかかる圧延機の制御装置および制御方法が適用される圧延設備の第2の実施例を示す模式図である。
図1に示されるように、第1の実施例の圧延設備1は、4段式の圧延機2を7スタンド(F1〜F7スタンド)配置したいわゆるタンデム式の圧延設備1である。ここで、4段式の圧延機2とは、一対の作業ロール3と一対の補強ロール4とを備えた圧延機である。例えば、第1の実施例の圧延設備1は、以下の表1に掲げる設備仕様とし得る。
Figure 0005907157
図2に示されるように、第2の実施例の圧延設備1は、4段式の圧延機2を4スタンド(F1〜F4スタンド)配置し、その後段に6段式の圧延機2を3スタンド(F5〜F7スタンド)配置したタンデム式の圧延設備1である。6段式の圧延機2とは、一対の作業ロール3と一対の中間ロール5と一対の補強ロール4とを備えた圧延機である。例えば、第2の実施例の圧延設備1は、以下の表に掲げる設備仕様とし得る。
Figure 0005907157
図3は、被圧延材Sの尾端部がロールから抜け出る際に発生する蛇行について説明する図である。図3(a)は、被圧延材Sの尾端部が前スタンドの圧延機から抜け出る前の状態を示す図であり、図3(b)は、被圧延材Sの尾端部が前スタンドのロールから抜け出た後の状態を示す図である。なお、以下の説明では、第6スタンド(F6スタンド)と第7スタンド(F7スタンド)との間で発生する被圧延材Sの蛇行の例を用いるが、被圧延材Sの尾端部が圧延機から抜け出る際に発生する蛇行は、スタンドの位置に限定される現象ではない。また、一般に、圧延機2のロールにおける駆動モータが取り付けられている側を駆動側と称し、駆動側の反対を作業側と称する慣例がある。そこで、以下の説明でもこの慣例に従い駆動側および作業側の呼称を用いる。
被圧延材Sの蛇行が発生する基本原理は以下の通りである。被圧延材Sの圧延中に駆動側と作業側との間で荷重差が生じた場合、荷重の高い側の圧下量が荷重の低い側に比べて減少する。その結果、駆動側と作業側との間で被圧延材Sの速度差が発生し、被圧延材Sを回転させようとする力Fが発生し、被圧延材Sは搬送方向に対して傾斜する。なお、搬送方向に対して傾斜した被圧延材Sは進行に従い蛇行が増大し、このことが更に蛇行の要因となるので、一度発生した蛇行は、加速度的に増大する傾向にある。
図3(a)に示されるように、被圧延材Sの尾端部が前スタンド(F6スタンド)の作業ロール3から抜け出る前では、被圧延材Sを回転させようとする力Fが発生したとしても、被圧延材Sの尾端部が前スタンドの作業ロール3に拘束されているので、被圧延材Sを蛇行させる力Fは、前スタンドの作業ロール3の力Fにより打ち消される。この状態が、被圧延材Sを蛇行させる要因が発生していても、被圧延材Sの蛇行自体は潜在化している状態である。
一方、図3(b)に示されるように、被圧延材Sの尾端部が前スタンドの作業ロール3から抜け出た後では、被圧延材Sを蛇行させる力Fを打ち消す力が存在せず、被圧延材Sの尾端部が駆動側または作業側の方向へと移動してしまう。つまり、被圧延材Sの蛇行が発生する。
そこで、本発明の実施形態では、以下に説明する圧延機の制御装置および制御方法を適用することにより、被圧延材Sの尾端部の蛇行の起因となる幅方向の圧下量の不均衡を未然に修正する。
[第1の実施形態]
〔制御装置〕
図4は、本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御装置6を適用した圧延設備1を示す断面模式図であり、図5は、本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御装置6を適用した圧延設備1を示す側面模式図である。なお、説明の便宜上、第6スタンドおよび第7スタンドの間における圧延機の制御装置6を例示するが、先述のように、本発明の実施は、スタンドの位置に限定されることはない。本発明は、少なくとも第1の圧延機と第2の圧延機とを順に備えた圧延設備における第2の圧延機の制御装置に対して適用することが可能である。
図4に示されるように、本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御装置6は、駆動側の荷重Pdrと作業側の荷重Popとに基づいて、作業ロール3間における駆動側の開度Sdrと作業側の開度Sopとを調節する制御手段である。例えば、駆動側の荷重Pdrおよび作業側の荷重Popは、補強ロール4の軸部に設けられたロードセルなどの荷重検出器7により検出される。また、作業ロール3間における駆動側の開度Sdrおよび作業側の開度Sopは、補強ロール4の軸位置を駆動する油圧シリンダなどの開度調節機構8により調節される。
後に詳述するように、本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御装置6は、先行材の尾端部が圧延される際の駆動側の荷重Pdrと作業側の荷重Popとに基づいて、当材駆動側の開度Sdrと作業側の開度Sopとを調節する。なお、本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御装置6は、駆動側の荷重Pdrと作業側の荷重Popとから駆動側の開度Sdrと作業側の開度Sopとを決定するために、上位制御装置9からの被圧延材の板情報および圧延情報等が入力される。
本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御装置6は、少なくとも先行材の尾端部が第7スタンドを抜ける時刻tを検知し、さらに先行材の尾端が第6スタンドを抜ける時刻tをも検知する。
先行材の尾端部が第7スタンドを抜けた時刻tでは、第7スタンドの駆動側の荷重Pdr0および作業側の荷重Pop0が急激に変化する。したがって、本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御装置6は、第7スタンドの駆動側の荷重Pdr0および作業側の荷重Pop0を監視することにより、先行材の尾端部が第7スタンドを抜け出た時刻tを検知することができる。つまり、第7スタンドの補強ロール4の軸部に設けられたロードセルなどの荷重検出器7は、先行材の尾端部が第7スタンドを抜け出た時刻tを検知する手段として機能する。
同様に、先行材の尾端部が第6スタンドを抜け出た時刻tでは、第6スタンドの駆動側の荷重Pdr1および作業側の荷重Pop1が急激に変化する。したがって、本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御装置6は、第6スタンドの駆動側の荷重Pdr1および作業側の荷重Pop1を監視することにより、先行材の尾端部が第6スタンドを抜け出た時刻tを検知することができる。つまり、第6スタンドの補強ロール4の軸部に設けられたロードセルなどの荷重検出器7は、先行材の尾端部が第6スタンドを抜け出た時刻tを検知する手段として機能する。
なお、本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御装置6は、時刻tの代わりに、時刻tと時刻tとの間の時刻tを用いても同様の効果を得ることができる。その場合、第6スタンドと第7スタンドとの間に在荷センサ10などを設けて時刻tを検知する方法を採りえる。または、ロールの回転数を監視し、先行材の尾端位置を算出することにより、時刻tを検知する方法を採りえる。
図6は、本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御装置6の機能を示すブロック図である。図6に示されるように、本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御装置6は、タイミング検出手段6aと、荷重差検出手段6bと、荷重差記憶手段6cと、調整率決定手段6dと、開度差決定手段6eと、を備える。
タイミング検出手段6aは、第6スタンドの荷重を監視し、第6スタンドの荷重が急激に変化した瞬間を先行材の尾端部が第6スタンドを抜け出た時刻tとして検出する。また、タイミング検出手段6aは、第7スタンドの荷重を監視し、第7スタンドの荷重が急激に変化した瞬間を先行材の尾端部が第7スタンドを抜け出た時刻tとして検出する。
荷重差検出手段6bは、時刻tにおける第6スタンドの駆動側の荷重Pdr1と作業側の荷重Pop1とを検出し、先行材の尾端部が第6スタンドを抜け出た時刻tの荷重差(Pdr1−Pop1)を取得する。また、荷重差検出手段6bは、時刻tにおける第7スタンドの駆動側の荷重Pdr0と作業側の荷重Pop0とを検出し、先行材の尾端部が第7スタンドを抜け出た時刻tの荷重差(Pdr0−Pop0)を取得する。さらに、荷重差検出手段6bは、先行材の尾端部が第6スタンドを抜けた際の荷重差(Pdr1−Pop1)から先行材の尾端部が第7スタンドを抜けた際の荷重差(Pdr0−Pop0)への変化量を算出し、この変化量を先行材の荷重差の変化量ΔPとして荷重差記憶手段6cに記憶する。
荷重差記憶手段6cは、先行材の荷重差の変化量ΔPを少なくとも次の圧延材(これを当材という)を圧延する際まで記憶保持しており、先行材の荷重差の変化量ΔPは、当材の圧延時の開度差の算出に用いられる。
調整率決定手段6dは、先行材と当材との差を調整するための調整率を決定する手段である。駆動側と作業側との間の荷重差は、蛇行の発生のみならず、被圧延材の板幅および圧下率等にも影響される。したがって、先行材の圧延時における荷重差の変化量ΔPを当材の圧延時の開度差の算出に用いるためには、先行材と当材との差異を調整する必要がある。調整率決定手段6dは、上位制御装置9から当材の圧延荷重、板幅、および板厚等の情報を取得し、先行材と当材との差異の調整に用いる調整率αを決定する。
開度差決定手段6eは、荷重差記憶手段6cに記憶されている先行材の荷重差の変化量ΔPと、調整率決定手段6dにより決定された調整率αと、に基づいて当材の圧延時の開度差の算出を行う。具体的には、開度差決定手段6eは、荷重差記憶手段6cに記憶されている先行材の荷重差の変化量ΔPと、調整率決定手段6dにより決定された調整率αとを以下に示す数式(1)に代入することによって、当材の圧延時における作業ロール3の駆動側と作業側との間の開度差ΔSを算出する。
ΔS=−αΔP ・・・(1)
開度差決定手段6eにより決定された開度差ΔSは、圧延機の開度調節機構8に送信される駆動側の開度Sdrと作業側の開度Sopとに反映され、圧延機の開度調節機構8により開度差ΔSを反映した開度に作業ロール3の位置が調整される。
本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御装置6は、上記構成により、先行材の荷重差の変化量ΔPから当材の圧延時の開度を調整するので、当材の尾端部が前スタンドから抜け出る前に、蛇行の起因となる幅方向の圧下量の不均衡を未然に修正することができる。
〔制御方法〕
次に、本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御方法について説明する。図7は、本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御方法の手順を示すフローチャートである。なお、以下の説明では図1〜6に記載された装置構成を参照するが、本発明の実施は装置構成に限定されるものではない。
図7に示されるように、本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御方法では、まず、荷重差検出手段6bが、先行材の尾端部が前スタンドから抜け出た時刻tにおける当スタンドの駆動側と作業側との荷重差を検出する(ステップS1)。先行材の尾端部が前スタンドから抜け出た時刻tは、例えば前スタンドに設けられたロードセルなどの荷重検出器7により検出される。また、当スタンドの駆動側と作業側との荷重差は、当スタンドに設けられたロードセルなどの荷重検出器7により検出される。
次に、荷重差検出手段6bが、先行材の尾端部が当スタンドから抜け出た時刻tにおける当スタンドの駆動側と作業側との荷重差を検出する(ステップS2)。先行材の尾端部が当スタンドから抜け出た時刻t、および、その時刻における当スタンドの駆動側と作業側との荷重差は、当スタンドに設けられたロードセルなどの荷重検出器7により検出される。
その後、荷重差検出手段6bは、先行材の尾端部が前スタンドから抜け出た時刻tと先行材の尾端部が当スタンドから抜け出た時刻tとの間の荷重差の変化量を先行材の荷重差の変化量ΔPとして荷重差記憶手段6cに記憶する(ステップS3)。この先行材の荷重差の変化量ΔPは、当材の圧延時に用いられる。
次に、調整率決定手段6dが、先行材と当材との差を調整する調整率を算出する(ステップS4)。駆動側と作業側との間の荷重差は、蛇行の発生のみならず、被圧延材の板幅および圧下率等にも影響される。したがって、先行材の荷重差の変化量ΔPを当材の圧延時の開度差の算出に用いるためには、先行材と当材との差異を調整する必要がある。本発明の実施形態にかかる圧延機の制御方法では、当材の板幅および圧下率等の情報を用いて、先行材と当材との差異の調整に用いる調整率αが決定される。
最後に、開度差決定手段6eが、ステップS3により記憶された先行材の圧延時における荷重差の変化量ΔPと、ステップS4により決定された調整率αとに基づいて、当材の圧延時の開度差を算出する(ステップS5)。算出された当材の圧延時の開度差ΔSは、圧延機の開度調節機構8に送信される駆動側の開度Sdrと作業側の開度Sopとに反映され、圧延機の開度調節機構8により開度差ΔSを反映した開度にロール位置が調整される。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法では、当スタンドの入側にCCDカメラや光学式センサなどの蛇行検出器を配置し、蛇行検出器を利用して当スタンドの入側における先行材の蛇行量の変化量ΔYを検出する。具体的には、先行材の尾端部が前スタンドを抜け出た時刻tにおける先行材の蛇行量Y(t=t)と先行材の尾端部が蛇行検出器を抜け出た時刻tにおける先行材の蛇行量Y(t=t)とを以下に示す数式(2)に代入することによって、当スタンドの入側における先行材の蛇行量の変化量ΔYを検出する。なお、時刻tの代わりに時刻tと時刻tとの間の時刻tを用いてもよい。
ΔY=Y(t=t)−Y(t=t) ・・・(2)
そして、開度差決定手段6eは、当スタンドの入側における先行材の蛇行量の変化量ΔYを以下に示す数式(3)に代入することによって、当材の圧延時の開度差ΔSを算出する。なお、数式(3)中のβは、蛇行量に関係する先行材と当材との差異を調整するための調整率を示し、当材の圧延荷重や板幅、圧下率、蛇行検出器と当スタンドとの間の距離に応じて決定される。
ΔS=−βΔY ・・・(3)
このように本発明の第2の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法では、当スタンドの入側における先行材の蛇行量の変化量ΔYに基づいて当材の圧延時の開度差ΔSを算出する。算出された当材の圧延時の開度差ΔSは、圧延機の開度調節機構8に送信される駆動側の開度Sdrと作業側の開度Sopとに反映され、圧延機の開度調節機構8により開度差ΔSを反映した開度にロール位置が調整される。これにより、当材の尾端部が前スタンドから抜け出る前に、蛇行の起因となる幅方向の圧下量の不均衡を未然に修正することができる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法では、当スタンドの入側にCCDカメラや光学式センサなどの蛇行検出器を配置し、蛇行検出器を利用して当スタンドの入側における先行材の蛇行量の変化量ΔYを検出する。具体的には、先行材の尾端部が前スタンドを通過する時刻tにおける先行材の蛇行量Y(t=t)と先行材の尾端部が蛇行検出器を通過する時刻tにおける先行材の蛇行量Y(t=t)とを以下に示す数式(4)に代入することによって、当スタンドの入側における先行材の蛇行量の変化量ΔYを検出する。なお、時刻tの代わりに時刻tと時刻tとの間の時刻tを用いてもよい。
ΔY=Y(t=t)−Y(t=t) ・・・(4)
そして、開度差決定手段6eは、先行材の荷重差の変化量ΔPと当スタンドの入側における先行材の蛇行量の変化量ΔYとを以下に示す数式(5)に代入することによって、当材の圧延時の開度差ΔSを算出する。なお、数式(5)中のαは、幅方向の荷重差に関係する先行材と当材との差異を調整するための調整率を示し、当材の圧延荷重、板幅、および板厚等に応じて決定される。また、βは、蛇行量に関係する先行材と当材との差異を調整するための調整率を示し、当材の圧延荷重や板幅、圧下率、蛇行検出器と当スタンドとの間の距離に応じて決定される。
ΔS=−(αΔP+βΔY) ・・・(5)
通常、駆動側と作業側との間の荷重差がオフセンターと板ウェッジとのどちらに起因するものか区別することはできない。そこで、本実施形態では、当スタンドの入側に設けた検出器によって検出された蛇行量に基づいて当材の圧延時の開度差ΔSを算出する。但し、当スタンドの入側に設けた蛇行検出器を配置した場合、尾端部が蛇行検出器を通過した後は蛇行を検出することができないので、荷重差と蛇行量との線形和でロール開度差を算出する。
このように本発明の第3の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法では、第1の実施形態において用いた先行材の荷重差の変化量ΔPに加えて、第2の実施形態において用いた当スタンドの入側における先行材の蛇行量の変化量ΔYを用いることによって、当材の圧延時の開度差ΔSを算出する。算出された当材の圧延時の開度差ΔSは、圧延機の開度調節機構8に送信される駆動側の開度Sdrと作業側の開度Sopとに反映され、圧延機の開度調節機構8により開度差ΔSを反映した開度にロール位置が調整される。これにより、当材の尾端部が前スタンドから抜け出る前に、蛇行の起因となる幅方向の圧下量の不均衡を未然に修正することができる。
〔実験例〕
以下、本発明の実施形態にかかる圧延機の制御装置および制御方法の効果について説明する。
図8は、先述した第1の実施例の圧延設備に本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合の絞り込みの発生率の調査結果を示すグラフである。なお、図8に示される絞り込みの発生率の調査では、板厚が1.2〜3.0mmかつ板幅が800〜1600mmの軟鋼の熱延板を熱間圧延した場合における、被圧延材の尾端部の絞り込み発生回数が調査された。調査した被圧延材のコイル数は1023コイルである。また、図8には、比較のために従来例も記載されている。
図8に示されるように、従来例では絞り込みの発生率が1.0%であったのに対し、本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合の絞り込みの発生率は、0.03%であった。したがって、第1の実施例の圧延設備に本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合、絞り込みの発生率が劇的に向上することが確認された。
図9は、第1の実施例の圧延設備に本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合のF7スタンドにおける被圧延材の蛇行量の一例を示すグラフである。なお、図9に示されるグラフにおける蛇行量は、被圧延材の幅方向中央部に対するF7スタンドの圧延機のハウジングの中心からの偏差により表されている。
図9に示されるように、従来例では蛇行量が許容範囲を超えてしまい、被圧延材の尾端部がサイドガイドに衝突することによる絞り込みが発生したのに対し、本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合の許容範囲内に収まっており、無事に圧延が完了した。
図10は、先述した第2の実施例の圧延設備に本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合の絞り込みの発生率の調査結果を示すグラフである。なお、図10に示される絞り込みの発生率の調査では、板厚が1.8〜2.6mmかつ板幅が1200〜1800mmの軟鋼の熱延板を熱間圧延した場合における、被圧延材の尾端部の絞り込み発生回数が調査された。調査した被圧延材のコイル数は956コイルである。また、図10には、比較のために従来例も記載されている。
図10に示されるように、従来例では絞り込みの発生率が0.7%であったのに対し、本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合の絞り込みの発生率は、0.02%であった。したがって、第2の実施例の圧延設備に本発明の第1の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合、絞り込みの発生率が劇的に向上することが確認された。
図11は、先述した第1の実施例の圧延設備に本発明の第2の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合の絞り込みの発生率の調査結果を示すグラフである。なお、図11に示される絞り込みの発生率の調査では、板厚が1.2〜2.8mmかつ板幅が800〜1400mmの軟鋼の熱延板を熱間圧延した場合における、被圧延材の尾端部の絞り込み発生回数が調査された。調査した被圧延材のコイル数は994コイルである。また、図11には、比較のために従来例も記載されている。
図11に示されるように、従来例では絞り込みの発生率が0.9%であったのに対し、本発明の第2の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合の絞り込みの発生率は、0.02%であった。したがって、第1の実施例の圧延設備に本発明の第2の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合、絞り込みの発生率が劇的に向上することが確認された。
図12は、第1の実施例の圧延設備に本発明の第2の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合のF7スタンドにおける被圧延材の蛇行量の一例を示すグラフである。但し、本例では、圧延設備1の設備仕様を以下の表3に掲げるものとした。なお、図11に示されるグラフにおける蛇行量は、被圧延材の幅方向中央部に対するF7スタンドの圧延機のハウジングの中心からの偏差により表されている。
図12に示されるように、従来例では蛇行量が許容範囲を超えてしまい、被圧延材の尾端部がサイドガイドに衝突することによる絞り込みが発生したのに対し、本発明の第2の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合の許容範囲内に収まっており、無事に圧延が完了した。
図13は、先述した第2の実施例の圧延設備に本発明の第2の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合の絞り込みの発生率の調査結果を示すグラフである。但し、本例では、圧延設備1の設備仕様を以下の表3に掲げるものとした。なお、図13に示される絞り込みの発生率の調査では、板厚が1.8〜2.6mmかつ板幅が1200〜2000mmの軟鋼の熱延板を熱間圧延した場合における、被圧延材の尾端部の絞り込み発生回数が調査された。調査した被圧延材のコイル数は1022コイルである。また、図13には、比較のために従来例も記載されている。
Figure 0005907157
図13に示されるように、従来例では絞り込みの発生率が0.8%であるのに対し、本発明の第2の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合の絞り込みの発生率は0.016%であった。したがって、第2の実施例の圧延設備に本発明の第2の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合、絞り込みの発生率が劇的に向上することが確認された。
図14は、先述した第1の実施例の圧延設備に本発明の第3の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合の絞り込みの発生率の調査結果を示すグラフである。なお、図14に示される絞り込みの発生率の調査では、板厚が1.2〜3.2mmかつ板幅が800〜1500mmの軟鋼の熱延板を熱間圧延した場合における、被圧延材の尾端部の絞り込み発生回数が調査された。調査した被圧延材のコイル数は1016コイルである。また、図14には、比較のために従来例も記載されている。
図14に示されるように、従来例では絞り込みの発生率が0.9%であったのに対し、本発明の第3の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合の絞り込みの発生率は、0.01%であった。したがって、第1の実施例の圧延設備に本発明の第3の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合、絞り込みの発生率が劇的に向上することが確認された。
図15は、第1の実施例の圧延設備に本発明の第3の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合のF7スタンドにおける被圧延材の蛇行量の一例を示すグラフである。なお、図15に示されるグラフにおける蛇行量は、被圧延材の幅方向中央部に対するF7スタンドの圧延機のハウジングの中心からの偏差により表されている。
図15に示されるように、従来例では蛇行量が許容範囲を超えてしまい、被圧延材の尾端部がサイドガイドに衝突することによる絞り込みが発生したのに対し、本発明の第3の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合の許容範囲内に収まっており、無事に圧延が完了した。
図16は、先述した第2の実施例の圧延設備に本発明の第3の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合の絞り込みの発生率の調査結果を示すグラフである。但し、本例では、圧延設備1の設備仕様を上述の表3に掲げるものとした。また、図16に示される絞り込みの発生率の調査では、板厚が1.8〜2.8mmかつ板幅が1200〜1900mmの軟鋼の熱延板を熱間圧延した場合における、被圧延材の尾端部の絞り込み発生回数が調査された。調査した被圧延材のコイル数は998コイルである。また、図16には、比較のために従来例も記載されている。
図16に示されるように、従来例では絞り込みの発生率が0.8%であるのに対し、本発明の第3の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合の絞り込みの発生率は0.01%であった。したがって、第2の実施例の圧延設備に本発明の第3の実施形態にかかる圧延機の制御装置及び制御方法を適用した場合、絞り込みの発生率が劇的に向上することが確認された。
1 圧延設備
2 圧延機
3 作業ロール
4 補強ロール
5 中間ロール
6 制御装置
6a タイミング検出手段
6b 荷重差検出手段
6c 荷重差記憶手段
6d 調整率決定手段
6e 開度差決定手段
7 荷重検出器
8 開度調節機構
9 上位制御装置
10 在荷センサ

Claims (11)

  1. 少なくとも第1の圧延機と第2の圧延機とを圧延方向に沿って順に備えた圧延設備によって、少なくとも先行材および当材を順に圧延する際の第2の圧延機の制御装置であって、
    前記先行材の尾端部が前記第1の圧延機を通過してから前記第2の圧延機の入側に設けられた蛇行検出器を通過するまでの蛇行量の変化量を記憶する記憶手段と、
    前記蛇行量の変化量と該蛇行量に関係する前記先行材と前記当材との差を調整するための第2の調整率とに基づいて、前記当材の圧延時における前記第2の圧延機の作業ロールの駆動側と作業側との間の開度差を決定する開度差決定手段と、
    を備えることを特徴とする圧延機の制御装置。
  2. 前記開度差決定手段は、前記蛇行量の変化量をΔYとし、前記第2の調整率をβとしたときに、式ΔS=−βΔYを用いて前記当材の圧延時における前記第2の圧延機の作業ロールの駆動側と作業側との開度差ΔSを決定することを特徴とする請求項1に記載の圧延機の制御装置。
  3. 前記第2の調整率は、前記当材の圧延荷重、板幅、および圧下率と前記蛇行検出器と第2の圧延機との間の距離とに応じて決定されることを特徴とする請求項1または2に記載の圧延機の制御装置。
  4. 前記記憶手段は、前記先行材の尾端部が前記第2の圧延機から抜け出た時刻を少なくとも含む時間間隔における前記第2の圧延機における駆動側と作業側との間の荷重差の変化量を記憶し、前記開度差決定手段は、前記荷重差の変化量と該荷重差に関係する前記先行材と前記当材との差を調整するための第1の調整率とに基づいて、前記当材の圧延時における前記第2の圧延機の作業ロールの駆動側と作業側との間の開度差を決定することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の圧延機の制御装置。
  5. 前記記憶手段は、前記先行材の尾端部が前記第2の圧延機から抜け出た時刻と前記先行材の尾端部が前記第1の圧延機から抜け出た時刻との間の前記荷重差の変化量を記憶することを特徴とする請求項4に記載の圧延機の制御装置。
  6. 前記記憶手段は、前記先行材の尾端部が前記第2の圧延機から抜け出た時刻と前記先行材の尾端部が前記第1の圧延機から抜け出た時刻から前記先行材の尾端部が前記第2の圧延機から抜け出た時刻までの間の任意の時刻との間における前記荷重差の変化量を記憶することを特徴とする請求項4に記載の圧延機の制御装置。
  7. 前記開度差決定手段は、前記荷重差の変化量をΔPとし、前記第1の調整率をαとしたときに、式ΔS=−αΔPを用いて前記当材の圧延時における前記第2の圧延機の作業ロールの駆動側と作業側との開度差ΔSを決定することを特徴とする請求項4〜6の何れか1項に記載の圧延機の制御装置。
  8. 前記第1の調整率は、前記当材の圧延荷重、板幅、および板厚に応じて決定されることを特徴とする請求項4〜7の何れか1項に記載の圧延機の制御装置。
  9. 少なくとも第1の圧延機と第2の圧延機とを圧延方向に沿って順に備えた圧延設備によって、少なくとも先行材および当材を順に圧延する際の第2の圧延機の制御方法であって、
    前記先行材の尾端部が前記第1の圧延機を通過してから前記第2の圧延機の入側に設けられた蛇行検出器を通過するまでの蛇行量の変化量を記憶する記憶ステップと、
    前記蛇行量の変化量と該蛇行量に関係する前記先行材と前記当材との差を調整するための第2の調整率とに基づいて、前記当材の圧延時における前記第2の圧延機の作業ロールの駆動側と作業側との間の開度差を決定する開度差決定ステップと、
    を含むことを特徴とする圧延機の制御方法。
  10. 少なくとも第1の圧延機と第2の圧延機とを圧延方向に沿って順に備えた圧延設備によって、少なくとも先行材および当材を順に圧延する際の第2の圧延機の制御装置であって、
    前記先行材の尾端部が前記第2の圧延機から抜け出た時刻を少なくとも含む時間間隔における前記第2の圧延機における駆動側と作業側との間の荷重差の変化量と前記先行材の尾端部が前記第1の圧延機を通過してから前記第2の圧延機の入側に設けられた蛇行検出器を通過するまでの蛇行量の変化量とを記憶する記憶手段と、
    前記荷重差の変化量、該荷重差に関係する前記先行材と前記当材との差を調整するための第1の調整率、前記蛇行量の変化量、および該蛇行量に関係する前記先行材と前記当材との差を調整するための第2の調整率に基づいて、前記当材の圧延時における前記第2の圧延機の作業ロールの駆動側と作業側との間の開度差を決定する開度差決定手段と、
    を備えることを特徴とする圧延機の制御装置。
  11. 少なくとも第1の圧延機と第2の圧延機とを圧延方向に沿って順に備えた圧延設備によって、少なくとも先行材および当材を順に圧延する際の第2の圧延機の制御方法であって、
    前記先行材の尾端部が前記第2の圧延機から抜け出た時刻を少なくとも含む時間間隔における前記第2の圧延機における駆動側と作業側との間の荷重差の変化量と前記先行材の尾端部が前記第1の圧延機を通過してから前記第2の圧延機の入側に設けられた蛇行検出器を通過するまでの蛇行量の変化量とを記憶する記憶ステップと、
    前記荷重差の変化量、該荷重差に関係する前記先行材と前記当材との差を調整するための第1の調整率、前記蛇行量の変化量、および該蛇行量に関係する前記先行材と前記当材との差を調整するための第2の調整率に基づいて、前記当材の圧延時における前記第2の圧延機の作業ロールの駆動側と作業側との間の開度差を決定する開度差決定ステップと、
    を含むことを特徴とする圧延機の制御方法。
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