従来、複数種類のネットワークに接続可能な端末においては、単にユーザが設定をした優先順位に従って、ネットワークの切り替えを自動的に行った場合、ユーザが切り替え前のネットワークを用いて行っていた作業を切り替え後のネットワークで再度行う必要がある、という問題が発生する可能性がある。例えば、切り替え前のネットワークを用いて継続中であったファイルダウンロードや動画ストリーミング等のデータ転送が中断し、切り替え後のネットワークで再度データ転送を実施する必要が生じたり、切り替え前のネットワークでログオンが必要なユーザ業務システムを使用していた場合に予期せぬログオフが発生し、切り替え後のネットワークで再度ユーザID、パスワードを入力しログオンをやり直す必要がある、などの問題が考えられる。
また、従来技術においては、ネットワークの切り替え時に、ネットワーク切り替え前に使用していたネットワークデバイスが使用不可となる場合、そのネットワークデバイスで行っていた切り替え前の第1のネットワークへの接続以外の第2のネットワークへの接続があれば、第2のネットワークへの接続も解除されてしまう、という問題点がある。
以下に、この問題点を解決するネットワーク接続装置について、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態におけるネットワーク接続装置100が動作する環境を説明する図である。
図1において、ネットワーク接続装置100が動作する環境は、1つ以上のネットワーク101と、PAN(Personal Area Network)102と、PANクライアント103を含む。以下、各構成要素について説明を行う。
ネットワーク101は、ネットワーク接続装置100が接続可能なネットワークである。例えば、WWAN(Wireless Wide Area Network)、WLAN(Wireless Local Area Network/無線LAN)、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)ネットワーク、有線LAN(Local Area Network)等である。
PAN102は、ネットワーク接続装置100がホストとなり形成するPANである。PAN102は、他の端末とネットワーク接続装置100とを通信可能に接続する。PAN102の例としては、ネットワーク接続装置100がWLAN用のアクセスポイントとしての機能を提供し、他の端末がそれに接続することによって形成されるローカルなネットワーク等が考えられる。他の端末としては、例えば、パーソナルコンピュータ、ワイヤレステレビ、マウス、キーボード、スマートフォン等が挙げられる。
PANクライアント103は、PAN102に接続する端末であり、PAN102を介してネットワーク接続装置100と通信する。
次に、図2を用いて、ネットワーク接続装置100の全体構成について説明する。図2において、ネットワーク接続装置100は、1つ以上のネットワークデバイス201と、ネットワーク接続部202と、プロファイル管理部203と、ネットワーク切り替え制御部204と、ネットワーク関連状態判定部205と、切断不利益判定部206と、切り替え可否判定部207と、切り替え制限方法指定部208と、PAN制御部209とを有する。また、ネットワーク切り替え制御部204は、接続モード制御部2041と、手動接続制御部2042と、自動接続制御部2043とを有する。以下、各構成要素について説明を行う。
ネットワークデバイス201は、それぞれが各種ネットワーク101を接続先として接続するデバイスである。また、PAN102の形成を行うデバイスでもある。例えばWWANに接続するWWANデバイス、WLANに接続するWLANデバイス、WiMAXネットワークに接続するWiMAXデバイス、有線LANに接続する有線LANデバイス、WLANまたはWiMAXに接続するWLAN・WiMAXコンボデバイス等が一例として挙げられる。
ネットワーク接続部202は、ネットワークデバイス201を制御する。ネットワーク接続部202は、ネットワーク101への接続/切断状態に関する情報や、ネットワーク101の利用可否に関する情報の取得を行う。ネットワーク接続部202は、一例として、唯一つのネットワークデバイス201のみがネットワーク101に接続することを許容する。ネットワーク101のうちの異なるネットワークへの接続の切り替えの際に、異なるネットワークデバイス201を使用する必要がある場合には、切り替え前に使用していたネットワークデバイス201によるネットワークへの接続を解除する。なお、ネットワーク接続部202は、図2に示す通り1つであっても良いし、例えば、各ネットワークデバイス201に対応して複数あってもよい。
プロファイル管理部203は、ネットワーク101に接続する際に、必要となる各種情報や、その他の付加情報をまとめた情報であるプロファイルを管理する。また、プロファイル管理部203は、図3を用いて後述するプロファイルリスト300を管理する。プロファイルの各種情報については、ユーザが設定を行う。
ネットワーク切り替え制御部204は、ネットワークデバイス201が現在接続しているネットワーク(たとえば第1のネットワーク)から、新たに切り替えて接続するネットワークの候補(たとえば第2のネットワーク)を所定の条件にしたがって決定する。具体的には、プロファイル管理部203によって管理されるプロファイルから、次に接続する候補となるネットワークへの接続に必要となる情報が記述されたプロファイルを1つ選択する。次に接続するネットワークの候補は、後述する接続モード制御部2041、手動接続制御部2042、および、自動接続制御部2043によって決定される。ネットワーク切り替え制御部204は、選択されたプロファイルにしたがったネットワーク101への接続・切断等の処理を行う。
接続モード制御部2041は、ネットワーク接続装置100の接続モードの切り替えを制御する。接続モード制御部2041は、ユーザからの指示やネットワーク接続装置100の状況に応じて、接続モードの切り替えを行う。ここで、ネットワーク接続装置100の接続モードとしては、手動接続モードと自動接続モードの2つのモードがある。手動接続モードとは、ユーザからの指示によりネットワーク101への接続・切断を行うモードである。自動接続モードとは、ユーザからの指示が無くても、後述する所定のルールに従って、自動的にネットワーク101への接続・切断を行うモードである。なお、ネットワーク接続装置100の起動時においては、初期設定として、手動接続モードおよび自動接続モードのいずれのモードが選択されてもよい。
手動接続制御部2042は、ネットワーク接続装置100の接続モードが手動接続モードの場合に、ユーザからの指示に従って、ネットワーク101への接続・切断が行われるよう制御する。
自動接続制御部2043は、ネットワーク接続装置100の接続モードが自動接続モードの場合に、後述する所定のルールに従って、ネットワーク101への接続・切断が行われるよう制御する。
ネットワーク関連状態判定部205は、現在ネットワークに接続されている場合に、その接続に使用されているネットワークデバイスが、そのネットワークとは別のネットワークであるPANの形成に使用されているか否かを判定する。
切断不利益判定部206は、ネットワーク切り替え制御部204によって選択されたプロファイルと、ネットワーク関連状態判定部205による判定結果とに基づいて、現在接続されているネットワークへの接続の解除とネットワーク切り替え制御部204とによって決定され、次に接続する候補となるネットワークへの接続がユーザに不利益をもたらすか否かの判定を行う。
切り替え可否判定部207は、後述する切り替え制限方法指定部208によって指定されるネットワーク切り替えの制限方法にしたがい、ネットワークの切り替えの可否を判定する。本実施の形態では、後述するように切り替え制限方法指定部208は「ネットワーク切り替えの禁止」を指定する。よって、切り替え可否判定部207はネットワーク切り替えが「否」の場合はネットワークの切り替えを禁止する。
切り替え制限方法指定部208は、ネットワーク切り替え制御部204によって切り替え先ネットワーク候補が決定された際に、切断不利益判定部206によって現在接続されているネットワークへの接続の解除とネットワーク切り替え制御部204とによって決定され、次に接続する候補となるネットワークへの接続がユーザに不利益をもたらすと判定された場合の切り替え制限方法として「ネットワーク切り替えの禁止」を指定する。
PAN制御部209は、ユーザからの指示に従って、ネットワークデバイス201を制御し、PAN102の形成・破棄を行う。PAN制御部209は、PAN102の形成にあたっては、PAN102に接続する為の認証方式や暗号方式等の設定等、各種情報の設定を行う。また、PAN制御部209は、PAN102へのPANクライアント103の接続状況や接続されているPANクライアント103の種別等の情報を管理する。
次に、プロファイル管理部203が管理するプロファイルリスト300について説明する。図3は、プロファイルリスト300の一例を示す図である。図3において、プロファイルリスト300に記載される各プロファイルは、プロファイル名301と、自動接続可否フラグ302と、自動接続優先順位303と、ネットワーク種別304と、ネットワークデバイス識別情報305と、ネットワーク識別情報306と、認証・暗号情報307と、接続時処理308とを含む。以下、各構成要素について説明を行う。なお、プロファイル名301は、プロファイルの名前である。
自動接続可否フラグ302は、自動接続モードでのネットワーク接続に該プロファイルを使用してよいか否かを示す情報である。本実施の形態の自動接続制御部2043は、自動接続可否フラグ302に「使用可」と設定されているプロファイルのみ接続に使用する。ユーザは、自動接続可否フラグ302に「使用不可」の値を設定することにより、自動接続モードでは使用したくない、または使用に際して注意を喚起したいプロファイルについては、その対象から除外することが可能となる。例えば、社内ネットワークや課金対象ネットワーク等、ユーザが接続することを意識したほうが良いと思われるネットワーク101に接続するプロファイルに対して「使用不可」と設定する等の運用がある。
自動接続優先順位303は、自動接続モードでのネットワーク接続時に、該プロファイルを使用する優先順位を示す情報である。自動接続制御部2043は、ネットワーク接続の際、優先順位上位のプロファイルから順に使用する。図3の例では、自動接続優先順位303は「1」から順に整数値で設定され、「1」が最も優先順位が高く、数値が大きくなるほど優先順位が低いことを意味する。
ネットワーク種別304は、該プロファイルを使用して接続するネットワーク101の種別を示す情報である。ネットワークデバイス識別情報305は、該プロファイルを使用してネットワーク接続する際に使用するネットワークデバイス201を特定する情報である。ネットワーク識別情報306は、該プロファイルを使用して接続するネットワーク101を特定する情報である。認証・暗号情報307は、該プロファイルを使用してネットワーク101に接続する際に必要となる認証・暗号に関する情報である。接続時処理308は、該プロファイルを使用してネットワーク101に接続した際に実行される処理を示す情報である。
図3においては、プロファイルリスト300には、プロファイル名301がそれぞれ「プロファイルA」、「プロファイルB」、「プロファイルC」、「プロファイルD」である4つのプロファイルが記載されている。自動接続モードで使用が許可されるプロファイルは「プロファイルA」、「プロファイルB」、「プロファイルC」であり、自動接続モードで使用される優先順位は、「プロファイルA」が1番目、「プロファイルB」が2番目、「プロファイルC」が3番目である。例えば「プロファイルA」を使用して接続するネットワーク101の種別は「WLAN」であり、「プロファイルA」を使用してネットワーク接続する際に使用するネットワークデバイス201は「第1のネットワークデバイス」であり、「プロファイルA」を使用して接続するネットワーク101は「第1のネットワーク」であり、「プロファイルA」を使用してネットワーク101に接続する際の認証方式は「A」、暗号方式は「AA」、ネットワークキー等の認証用情報は「AAA」であり、「プロファイルA」を使用してネットワーク101に接続した際に実行される処理は「アプリケーションAの起動」であることを示している。
次に、フローチャートを参照して、本実施の形態におけるネットワーク接続装置100の動作について説明を行う。
まず、図4に示すフローチャートを参照して、ネットワーク接続装置100が手動接続モードにおいて、ネットワーク101へ接続する手動接続処理の動作について説明する。
S401:手動接続制御部2042は、図示しないキーボード等の入力手段を介して入力された、ユーザからの、ネットワーク101への接続指示を受信する。この接続指示には、ユーザがネットワーク接続に使用するとして選択したプロファイルのプロファイル名301(プロファイル名PN1とする)が含まれる。
S402:手動接続制御部2042は、プロファイル管理部203が管理するプロファイルリスト300を参照し、プロファイル名PN1を持つプロファイル(プロファイルP1とする)の情報を取得する。
S403:手動接続制御部2042は、ネットワーク接続部202に対し、プロファイルP1の情報を渡し、プロファイルP1を使用して接続するネットワーク101の検索を依頼する。ネットワーク接続部202は、受け取ったプロファイルP1に含まれるネットワークデバイス識別情報305によって特定されるネットワークデバイス201(ネットワークデバイスND1とする)を用いて、ネットワーク識別情報306によって特定されるネットワーク101(ネットワークNW1とする)を検索し、それが使用可能かどうかを判定する。なお、使用可能か否かの判断は、ネットワークNW1に接続可能なエリア内か否か、接続する為の契約が有効か否か等によって判定される。
S404:ネットワーク接続部202は、判定結果が「使用不可」である場合は、その理由を手動接続制御部2042に通知する。手動接続制御部2042は、判定結果が「使用可」である場合、切り替え可否判定部207に、プロファイル名PN1を渡し、それを対象に切り替え可否判定処理(S405)を行うよう指示する。手動接続制御部2042は、判定結果が「使用不可」である場合、図示しないディスプレイ等の出力手段を介して、ユーザが接続を指示したネットワーク101は使用不可である旨とその理由を通知し、処理を終了する。
S405:図6を用いて後述する切り替え可否判定処理が実施される。
S406:手動接続制御部2042は、ステップS405の切り替え可否判定処理の判定結果と判定結果とが「切り替え不可」の場合、その理由を受け取る。ステップS405の切り替え可否判定処理の結果「切り替え可」と判定された場合、手動接続制御部2042は、ネットワーク接続部202に対し、プロファイルP1の情報を渡し、ネットワークNW1への接続を指示する。ステップS405の切り替え可否判定処理の結果「切り替え不可」と判定された場合、手動接続制御部2042は、図示しないディスプレイ等の出力手段を介して、ネットワークNW1は使用不可である旨とその理由を通知し、処理を終了する。
S407:ネットワーク接続部202は、ネットワークデバイスND1を用いて、ネットワークNW1に接続する。ネットワーク接続部202は、ネットワークNW1への接続の際に必要となる認証・暗号関連の情報については、プロファイルP1に含まれる認証・暗号情報307に記載の内容を使用する。認証・暗号情報307が空欄の場合や、更に追加の情報が必要な場合は、ユーザに問い合わせを行い、情報を取得する。また、ネットワーク接続部202は、ネットワークNW1とは別のネットワーク101に既に接続状態であった場合、それを切断する。さらに、手動接続制御部2042は、プロファイルP1の接続時処理308を参照し、記述されている処理を実行する。
次に、図5に示すフローチャートを参照して、ネットワーク接続装置100が自動接続モードにおいて、ネットワーク101へ接続する自動接続処理の動作について説明する。
S501:自動接続制御部2043は、ステップS502以降のネットワーク101への接続処理を開始するトリガとなるイベントを検知する。このイベントは、所定のタイミングで発生されるものであり、例えば、図示しないタイマ等により所定の期間毎に定期的に発生される、ネットワーク接続装置100が起動したり休止状態等から復帰したりしたタイミングや、ネットワーク101への接続状況が変化したタイミング等ネットワーク接続装置100が所定の状態に遷移した場合に発生される場合がある。
S502:自動接続制御部2043は、プロファイルリスト300の自動接続優先順位303が「1」のプロファイルについて、ステップS503以降の処理を行う為、K=1(Nはプロファイルの数で、Kは、1≦K≦Nを満たす整数の範囲でインクリメントされる)としステップS503の処理に進む。
S503:自動接続制御部2043は、プロファイル管理部203が管理するプロファイルリスト300を参照し、自動接続優先順位303が「K」であるプロファイル(プロファイルP1−Kとする)の情報を取得する。
S504:自動接続制御部2043は、ネットワーク接続部202に対し、プロファイルP1−Kの情報を渡し、プロファイルP1−Kを使用して接続するネットワーク101(ネットワークNW1−Kとする)に接続済みか否かを問い合せる。ネットワーク接続部202は、受け取ったプロファイルに含まれるネットワークデバイス識別情報305によって特定されるネットワークデバイス201(ネットワークデバイスND1−Kとする)を用いて、ネットワークNW1−Kに接続済みかどうかを判定する。ネットワーク接続部202は、判定結果を自動接続制御部2043に通知する。自動接続制御部2043は、判定結果が「接続済み」である場合、優先順位通りにネットワーク101に接続済みであると判断し、そのまま処理を終了する。自動接続制御部2043は、判定結果が「未接続」である場合、ステップS505の処理に進む。
S505:自動接続制御部2043は、ネットワーク接続部202に対し、プロファイルP1−Kの情報を渡し、プロファイルP1−Kを使用して接続するネットワーク101の検索を依頼する。ネットワーク接続部202は、ネットワークデバイスND1−Kを用いて、ネットワークNW1−Kを検索し、それが使用可能かどうかを判定する。
S506:ネットワーク接続部202は、判定結果が「使用不可」である場合は、その理由を自動接続制御部2043に通知する。自動接続制御部2043は、ネットワーク接続部202から受信した判定結果が「使用可」である場合、切り替え可否判定部207に、プロファイルP1−Kのプロファイル名301を渡し、それを対象に切り替え可否判定処理(S507)を行うよう指示する。自動接続制御部2043は、ネットワーク接続部202から受信した判定結果が「使用不可」である場合、ステップS510の処理に進む。
S507:図6を用いて後述する切り替え可否判定処理が実施される。
S508:自動接続制御部2043は、ステップS507の切り替え可否判定処理の判定結果と判定結果が「切り替え不可」の場合その理由を受け取る。ステップS507の切り替え可否判定処理の結果「切り替え可」と判定された場合、自動接続制御部2043は、ネットワーク接続部202に対し、プロファイルP1−Kの情報を渡し、ネットワークNW1−Kへの接続を指示する。ステップS507の切り替え可否判定処理の結果「切り替え不可」と判定された場合、自動接続制御部2043は、ステップS510の処理に進む。
S509:ネットワーク接続部202は、ネットワークデバイスND1−Nを用いて、ネットワークNW1−Kに接続し、処理を終了する。ネットワーク接続部202は、接続の際に必要となる認証・暗号関連の情報については、プロファイルP1−Kに含まれる認証・暗号情報307に記載の内容を使用する。認証・暗号情報307が空欄の場合や、更に追加の情報が必要な場合は、ユーザに問い合わせを行い、情報を取得する。また、ネットワーク接続部202は、ネットワークNW1−Kとは別のネットワーク101に既に接続状態であった場合、それを切断する。さらに、自動接続制御部2043は、プロファイルP1−Kの接続時処理308を参照し、記述されている処理を実行する。
S510:自動接続制御部2043は、プロファイル管理部203が管理するプロファイルリスト300を参照し、自動接続優先順位303が「K+1」のプロファイルの有無を確認する。確認の結果、自動接続優先順位303が「K+1」のプロファイルが無い場合には、そのまま処理を終了する。自動接続優先順位303が「K+1」のプロファイルが有る場合には、ステップS511の処理に進む。
S511:自動接続制御部2043は、K=K+1としステップS503の処理に進む。
次に、図6に示すフローチャートを参照して、切り替え可否判定処理(図4のS405、図5のS507)の動作について説明する。
S601:ネットワーク関連状態判定部205は、現在ネットワークに接続されているネットワークデバイス(ネットワークデバイスND11とする)がPAN(PAN_PN11とする)の形成に使用されているか否かを、例えばPAN制御部209に問い合わせることによって、判定し、ステップS602に進む。
S602:切断不利益判定部206は、ステップS601での判定結果に基づき、ネットワークデバイスD11のネットワークへの接続の解除がユーザに不利益をもたらすか否かを判定する。すなわち、切断不利益判定部206は、ネットワークデバイスD11がPAN_PN11の形成に使用されている場合には、ネットワークデバイスD11のネットワークへの接続の解除がPAN_PN11の消滅をもたらしてしまうことによりユーザに不利益をもたらすと判定してステップS603に進み、そうでない場合は、ネットワークデバイスD11のネットワークへの接続の解除がユーザに不利益をもたらさないと判定してステップS604に進む。
S603:切り替え可否判定部207は、切り替え制限方法指定部208による指定「ネットワーク切り替えの禁止」にしたがって、ネットワーク切り替え不可と判定し、ステップS605に進む。
S604:切り替え可否判定部207は、ネットワーク切り替え可と判定し、ステップS605に進む。
S605:切り替え可否判定部207は、判定結果が「切り替え不可」の場合には、その理由を手動接続制御部2042または自動接続制御部2043に通知し、処理を終了する。
以上のように本実施の形態によれば、切断不利益判定部206が、現在接続に使用されているネットワークデバイスがPANの形成に使用されている場合に、現在接続中のネットワークへの接続の解除が、本来生ずるべきではないPANの接続の解除をもたらすと判断することにより、ネットワークへの接続の解除による予期せぬユーザへの不利益を抑制することが可能となる。
なお、上述におけるPANの解除は、PANを形成しているネットワークデバイスと同一のネットワークデバイスによるネットワークへの接続を解除した際に発生するものとして説明を行ったが、それに限るわけではない。PANの解除は、ネットワークデバイスの行う通信の通信規格が変化した際にも生じる。PANが特定の通信規格にしたがって形成され、かつ現在接続しているネットワーク(第1のネットワーク)が特定の通信規格を介して接続されるネットワークであり、切り替え先のネットワーク(第2のネットワーク)が前記特定の通信規格とは異なる通信規格を介して接続されるネットワークの場合、第2のネットワークに切り替えるとPANが解除されるおそれがある。このような原因によるPANの解除はネットワークデバイスが複数の通信規格を排他的に制御するコンボデバイスにおいて顕著である。一例として、通信規格がWLANからWiMAXへ変わる例を挙げる。PANを形成するネットワークデバイスが例えばWLAN・WiMAXコンボデバイスであり、PANがWLANで形成されている場合には、このネットワークデバイスを使用してWiMAXネットワークに接続する際に、PANが自動解除される。この変形例の場合、切り替え可否判定処理において、切断不利益判定部206は、PANが形成されている状態でWiMAXネットワークに接続しようとする場合について、本来生ずるべきではないPANの接続の解除をもたらすと判断し、切り替え不可と判定する。また、PANが解除されてしまうさらなる変形例として、PANを形成するネットワークデバイス201とネットワーク101に接続するネットワークデバイス201が同じで、且つ、PANの形成に使用される通信周波数帯や通信規格が、接続するネットワーク101の通信周波数帯や通信規格により変更されてしまう場合が考えられる。例えば、IEEE802.11g規格を使用してPANが形成されている場合に、IEEE802.11a規格を使用してネットワーク101に接続すると、PANを形成する通信規格が802.11a規格に切り替わってしまう場合などが考えられる。この変形例の場合、切り替え可否判定処理において、切断不利益判定部206は、802.11g規格でPANが形成されている状態で、802.11a規格を使用するネットワーク101に接続しようとする場合について、本来生ずるべきではないPANの接続の解除をもたらすと判断し、切り替え不可と判定する。切断不利益判定部206は、本変形例で示した例も含め、本来生ずるべきではないPANの接続の解除をもたらす動作に関し、切り替え不可と判定する。
なお、切断不利益判定部206は、PANクライアント103の通信内容に基づいて、PANの接続の解除をもたらす動作に関し、切り替え不可と判定してもよい。具体的には、PANクライアント103が継続的な単位のデータについて送受信を行っているか否かを判定して行っている場合にのみ、PANの接続の解除をもたらす動作に関し、切り替え不可と判定してもよい。一例としては、PANクライアント103が、PANを介してデータファイルのダウンロードやアップロード等を行っているかを判定し、行っている場合にのみ、PANの接続の解除をもたらす動作に関し、切り替え不可と判定してもよい。他の例としては、PANクライアント103がPANを介してストリーミングデータの送受信を行っているかを判定し、行っている場合にのみ、PANの接続の解除をもたらす動作に関し、切り替え不可と判定してもよい。
なお、図3の自動接続優先順位303は、プロファイル毎に設定されるとして説明を行ったが、これに限るわけではなく、ネットワーク種別304毎に設定されても良い。例えば、ネットワーク種別304が「WLAN」であるプロファイルが優先順位「1」、ネットワーク種別304が「WWAN」であるプロファイルが優先順位「2」といった設定等がある。
なお、プロファイルの各種情報について、ユーザが設定を行うとして説明を行ったが、これに限るわけではなく、ネットワーク接続装置100が自動的に設定を行っても良い。例えば、認証・暗号情報307に含まれる認証方式や暗号方式等については、ネットワーク101からその情報を取得し自動設定すること等がある。また、ネットワーク101等を介して、図示しないプロファイル管理サーバ等から設定用の情報が配信され、プロファイルの各種情報が設定されても良い。
なお、図4のS407および図5のS509において、ネットワーク接続部202は、ネットワーク101に接続する前に、ステップS406またはステップS507での切り替え可否判定処理の判定内容および判定結果を、ユーザに提示し、切り替え可、切り替え不可のいずれであった場合でも、ユーザに対し接続可否の確認を行い、ユーザが許可した場合にのみ接続を行うこととしても良い。
なお、切り替え制限方法指定部208は、切り替え制限方法として「ネットワーク切り替えの禁止」を指定する例を示したが、本開示の技術はこのような構成に限るものではなく、切り替え制限方法として「所定の手段によりユーザに切り替え可否を確認し、ユーザが許可すれば切り替える」などとする構成であってもよい。
さらに、本実施の形態においては、ネットワーク接続装置100が、手動接続モードまたは自動接続モードのいずれかのモードで動作する例を示したが、例えば、プロファイルリスト300に含まれる特定のネットワーク種別、特定のネットワークデバイス識別情報、特定のネットワークデバイス識別情報のプロファイルが適用可能な場合は自動接続優先順位にしたがって自動接続し、それ以外のプロファイルについては手動接続のように、自動接続と手動接続を組み合わせた構成とすることもできる。また、自動接続モードと手動接続モードとを切り替えて動作する構成とする場合にも、GPS(Global Positioning System)を用いた位置検出手段を設け、ネットワーク接続装置100の位置に応じて自動接続モードと手動接続モードとを自動的に切り替える構成とすることもできる。自動接続モードと手動接続モードとを自動的に切り替える条件としては、GPS等による位置情報だけでなく、ネットワーク接続装置100あるいはそれを含むパーソナルコンピュータなどのシステムのCPU負荷、それらの駆動に使用されている電池の残量、それらの駆動に電池が使用されているか否か、特定のAPを検出した場合等、様々な条件がある。
なお、本実施の形態においては、切断不利益判定部206は、本来生ずるべきではないPANの接続の解除をもたらす動作に関し、切り替え不可と判定するものとして説明を行ったが、それに限るわけではなく、PANの接続の解除をもたらさずとも、PANの通信品質が低下する動作に関し、切り替え不可と判定することもできる。PANの通信品質が低下する例として、切り替え先のネットワークが使用する無線周波数帯域が、PANが使用する無線周波数帯域と重複、または、近接する場合に、当該切り替え先のネットワークに接続する場合が挙げられる。
あるいは、接続モード制御部2041は、PANによる通信が行われる可能性がある場合、手動接続モードに切り替えるようにしてもよい。具体的には、接続モード制御部2041は、自動接続モード中に、PANが形成されたことや、PAN制御部209がPANを形成する準備が完了したことを検知した場合、接続モードを手動接続モードに切り替える。また、接続モード制御部2041は、手動接続モード中に、PANが形成されている場合や、PAN制御部209がPANを形成する準備が完了している場合には、自動接続モードへの切り替えを行わないようにすることもできる。すなわち、PANに接続していない、または、PANへの接続の準備が完了していない場合のみ、自動接続モードでの動作が許可される。これにより、自動接続モードによって、PANへの接続が解除されるおそれのあるネットワーク切り替えをより確実に防止することができる。
なお、接続モード制御部2041は、ネットワーク接続部202の制御によらないネットワーク接続が行われた場合、これを検知し、接続モードを手動接続モードに切り替えてもよい。具体的には、接続モード制御部2041は、自動接続モード中に、ネットワーク接続部202の制御によらないネットワーク接続が行われたことを検知した場合、接続モードを手動接続モードに切り替える。また、接続モード制御部2041は、手動接続モード中に、ネットワーク接続部202の制御によらないネットワーク接続が行われている場合には、自動接続モードへの切り替えを行わないようにする。また、接続モード制御部2041は、自動接続モード中、または、手動接続モード中にネットワーク接続部202の制御によらないネットワーク接続が行われたことを検知した場合には、接続モードを、自動接続モードでも手動接続モードでもない、ネットワーク接続部202によるネットワークへ接続する動作そのものを停止する接続機能停止モードに切り替えるようにしてもよい。これにより、例えば、ユーザが第3者製のネットワーク接続ソフトを使用してネットワークに接続した場合に、ネットワーク接続部202によるネットワーク接続は行われなくなり、両方が同時に動き、ユーザの意図に反するネットワーク接続状況となるといった事態を回避することが可能となる。また、接続モード制御部2041は、ユーザが、例えば第3者製のネットワーク接続ソフト等、所定のソフトウェアを起動したことを検知した場合に、接続モードを手動接続モードに切り替えたり、上述の接続機能停止モードに切り替えたりしてもよい。これにより、例えば、ユーザが第3者製のネットワーク接続ソフトの使用を開始しようとした際に、ネットワーク接続部202によるネットワーク接続等によってその使用を妨げるといった事を回避することが可能となる。
なお、本開示の技術を上記実施の形態に基づいて説明してきたが、本開示の技術は、上記の実施の形態に限定されないのはもちろんである。以下のような場合も本開示の技術範囲に含まれる。
(1)上記の各装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムである。RAMまたはハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、各装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
(2)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されていてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。前記マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
(3)上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、各装置に脱着可能なICカードまたは単体のモジュールから構成されているとしてもよい。ICカードまたはモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどから構成されるコンピュータシステムである。このICカードまたはモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、ICカードまたはモジュールは、その機能を達成する。このICカードまたはこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
(4)本開示に係る技術は、上記に示す構成要素の一部または全部が実行する方法と捉えてもよい。また、これらの方法は、コンピュータにより実現するコンピュータプログラムとして提供されてもよいし、コンピュータプログラムからなるデジタル信号として提供されてもよい。
また、本開示に係る技術は、コンピュータプログラムまたはデジタル信号を記録した、非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD−ROM、MO、DVD、DVD−ROM、DVD−RAM、BD(Blu−ray Disc(登録商標))、半導体メモリなどとして提供されてもよい。また、これらの記録媒体に記録されている前記デジタル信号であるとしてもよい。
また、前記コンピュータプログラムまたは前記デジタル信号は、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
また、本開示に係る技術は、マイクロプロセッサとメモリとを備えたコンピュータシステムとして提供されてもよい。このメモリは、上記コンピュータプログラムを記憶しており、マイクロプロセッサは、このコンピュータプログラムにしたがって動作する。
また、上記プログラムまたはデジタル信号は、記録媒体に記録して移送することにより、または、ネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
(5)上記実施の形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
(第2の実施の形態)
図7は、第2の実施の形態におけるネットワーク接続装置700が動作する環境を説明する図である。
図7において、ネットワーク接続装置700が動作する環境は、1つ以上のネットワーク101を含み、ネットワーク101は第1の実施の形態におけるものと同様のネットワーク接続装置700が接続可能なネットワークである。
次に、図8を用いて、ネットワーク接続装置700の全体構成について説明する。図8において、ネットワーク接続装置700は、1つ以上のネットワークデバイス201と、ネットワーク接続部202と、ネットワーク切り替え制御部804と、ネットワーク関連状態判定部805と、切断不利益判定部806と、切り替え可否判定部807と、切り替え制限方法指定部808とから構成される。
これらのうち、第1の実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成については、重複説明を省略する。
ネットワーク切り替え制御部804は、図示しないユーザ入力手段に基づいて、ネットワークデバイス201のうちいずれかのネットワークデバイスを用い、接続可能なネットワーク101のうちのいずれかのネットワークを、切り替え先ネットワークの候補として決定する。
ネットワーク関連状態判定部805は、現在いずれかのネットワークに接続されている場合に、そのネットワークを用いてデータ転送が継続的に行われているか否かの判定を行う。「データ転送が継続的に行われている」の例としては、ネットワーク接続装置700がパーソナルコンピュータまたはその一部を構成する場合、あるいは、パーソナルコンピュータなどの電子機器に接続して使用されるものであるとしたとき、データファイルのダウンロードあるいはアップロードが行われている場合や、動画のストリーミングデータを受信し続けている場合等があるが、これらに限定されるものではない。
切断不利益判定部806は、ネットワーク切り替え制御部804によって決定された切り替え先ネットワーク候補と、ネットワーク関連状態判定部805による判定結果に基づいて、現在接続されているネットワークへの接続の解除がユーザに不利益をもたらすか否かの判定を行う。
切り替え可否判定部807は、後述する切り替え制限方法指定部808によって指定されたネットワーク切り替えの制限方法にしたがって、ネットワークの切り替えの可否を判定する。
切り替え制限方法指定部808は、ネットワーク切り替え制御部804によって切り替え先ネットワーク候補が決定された際に、切断不利益判定部806によって現在接続されているネットワークへの接続の解除が、ユーザに不利益をもたらすと判定された場合の切り替え制限方法として、図示しない手段によるユーザへのネットワーク切り替え可否の問い合わせの結果に基づいて、ネットワーク切り替えの可否を判定する方法を指定する。
次に、図9のフローチャートを参照して、本実施の形態におけるネットワーク接続装置700の動作について説明を行う。
S901:ネットワーク切り替え制御部804は、図示しないキーボード等の入力手段を介して、ユーザにより入力されたネットワーク101のうちいずれかのネットワーク(ネットワークNW21とする)への接続指示を受信し、ステップS902に進む。
S902:ネットワーク関連状態判定部805が、現在接続中のネットワーク(ネットワークNW22とする)を介して、データファイルをダウンロード中か否かを判定し、ステップS903に進む。
S903:切断不利益判定部806は、ネットワークNW22を介してデータファイルをダウンロード中である場合には、ネットワークNW22への接続の解除がユーザに不利益をもたらすと判定しステップS904に進み、そうでない場合は、ネットワークNW22への接続の解除がユーザに不利益をもたらさないと判定しステップS906に進む。
S904:切り替え可否判定部807は、切り替え制限方法指定部808による指定にしたがって、ユーザに切り替えの可否の問い合わせを行い、ステップS905に進む。
S905:ユーザの応答が「切り替え可」の場合はステップS906に進み、ユーザの応答が「切り替え不可」の場合はステップS907に進む。
S906:切り替え可否判定部807は、ネットワークNW21への切り替えを可と判定し、ステップS908に進む。
S907:切り替え可否判定部807は、ネットワークNW21への切り替えを不可と判定し、処理を終了する。
S908:ネットワーク接続部202は、ネットワークNW22への接続を解除するとともに、ネットワークデバイス201を介してネットワークNW21への接続処理を行い、処理を終了する。
以上のように本実施の形態によれば、ネットワーク関連状態判定部がデータファイルのダウンロード等を行っていることを判定して、その場合には、ネットワークへの接続の解除を抑止する構成としたので、ネットワークからの接続の解除によりダウンロードが中断し、別のネットワークへの接続後に再度ダウンロードが必要となるといったユーザの不利益を抑制することが可能となる。
なお、本実施の形態における詳細な説明において、ネットワーク関連状態判定部805は、現在いずれかのネットワークに接続されている場合に、データ転送が継続的に行われているか否かを判定し、その判定結果を用いて切断不利益判定部806は、現在接続されているネットワークへの接続の解除が、ユーザに不利益をもたらすか否かの判定を行う構成としたが、本開示によるネットワーク関連状態判定部805による判定内容、切断不利益判定部806の判定条件はこれらに限るものではない。例えば、ネットワーク関連状態判定部805が、切り替え先ネットワークの受信信号強度(RSSI,Received Signal Strength Indication)を判定し、切断不利益判定部806が、切り替え先ネットワークの候補の受信信号強度が所定の値より小さい場合は、例えネットワークの切り替えを行ったとしても容易に切断してしまうため、ユーザに不利益をもたらすと判定する構成とするなど、ネットワーク関連状態判定部805が、現在接続されているネットワークとネットワーク切り替え制御部によって決定される切り替え先ネットワーク候補とのいずれかまたは両方に関する所定の物理量を判定し、切断不利益判定部806が、その物理量が所定の条件を満たす場合に、前記ネットワークへの接続の解除がユーザに不利益をもたらすと判定するよう構成してもよい。
あるいは、ネットワーク関連状態判定部805による判定内容および切断不利益判定部806の判定条件として、ネットワーク関連状態判定部805が、切り替え先ネットワークへの接続料金(料金C21とする)と、現在接続中のネットワークへの接続料金(料金C22)とを判定し、切断不利益判定部806が、料金C21が料金C22より大きい場合は、ネットワークの切り替えを行うと接続コストが高くなるためユーザに不利益をもたらすと判定するなど、ネットワーク関連状態判定部805が、現在接続されているネットワークとネットワーク切り替え制御部によって決定される切り替え先ネットワーク候補とのいずれかまたは両方に関わる金銭コストを判定し、切断不利益判定部806が、その金銭コストが所定の条件を満たす場合に、前記ネットワークへの接続の解除がユーザに不利益をもたらすと判定するよう構成することもできる。
(第3の実施の形態)
図10は、第3の実施の形態におけるネットワーク接続装置1000が動作する環境を説明する図である。
図10において、ネットワーク接続装置1000が動作する環境は、1つ以上のネットワーク101を含み、ネットワーク101は第1の実施の形態および第2の実施の形態におけるネットワーク101と同様であり、ネットワーク接続装置1000が接続可能なネットワークである。
次に、図11を用いて、ネットワーク接続装置1000の全体構成について説明する。図11において、ネットワーク接続装置1000は、ネットワークデバイス201と、ネットワーク接続部202と、プロファイル管理部1103と、ネットワーク切り替え制御部1104と、ネットワーク関連状態判定部1105と、切断不利益判定部1106と、切り替え可否判定部1107と、切り替え制限方法指定部1108と、アプリケーション自動起動部1110とから構成される。
これらのうち、第1の実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成については、重複説明を省略する。
プロファイル管理部1103は、ネットワーク101に接続する際に必要となる各種情報や、その他の付加情報をまとめた情報であるプロファイルを管理し、図12を用いて後述するプロファイルリスト1200を管理する。なお、本実施の形態では、プロファイルの各種情報については、ユーザが設定を行う。
ネットワーク切り替え制御部1104は、プロファイル管理部1103によって管理されるプロファイルから、図示しない手段を介したユーザからの指示にしたがって、次に接続する候補となるネットワークへの接続に、必要となる情報が記述されたプロファイルを1つ選択する。
ネットワーク関連状態判定部1105は、現在いずれかのネットワークに接続されている場合に、そのネットワークへの接続時に後述するアプリケーション自動起動部1110によって、自動的に起動されたアプリケーションが動作を継続しているか否かの判定を行う。
切断不利益判定部1106は、ネットワーク切り替え制御部1104によって決定された切り替え先ネットワーク候補と、ネットワーク関連状態判定部1105による判定結果とに基づいて、現在接続されているネットワークへの接続の解除がユーザに不利益をもたらすか否かの判定を行う。
切り替え可否判定部1107は、後述する切り替え制限方法指定部1108によって指定されたネットワーク切り替えの制限方法にしたがって、ネットワークの切り替えの可否を判定する。
切り替え制限方法指定部1108は、ネットワーク切り替え制御部1104によって切り替え先ネットワーク候補が決定された際に、切断不利益判定部1106によって現在接続されているネットワークへの接続の解除が、ユーザに不利益をもたらすと判定された場合の切り替え制限方法として、図示しないが、ユーザへのネットワーク切り替え可否の問い合わせの結果に基づいて、ネットワーク切り替えの可否を判定する方法を指定する。
アプリケーション自動起動部1110は、プロファイル管理部1103に含まれるプロファイルの情報にしたがって、ネットワーク接続装置1000がネットワーク101に接続した際に、当該プロファイルの接続時自動起動アプリケーション1209としてアプリケーションが指定されている場合、当該アプリケーションを起動する。
次に、プロファイル管理部1103が管理するプロファイルリスト1200について説明する。
図12は、プロファイルリスト1200の一例を示す図である。図12において、プロファイルリスト1200に記載される各プロファイルは、プロファイル名1201と、ネットワーク種別1204と、ネットワークデバイス識別情報1205と、ネットワーク識別情報1206と、認証・暗号情報1207と、接続時自動起動アプリケーション1209とを含む。以下、各構成要素について説明を行う。
但し、プロファイル名1201は、プロファイルの名前である。ネットワーク種別1204は、このプロファイルを使用して接続するネットワーク101の種別を示す情報である。ネットワークデバイス識別情報1205は、このプロファイルを使用してネットワーク接続する際に使用するネットワークデバイス201を特定する情報である。ネットワーク識別情報1206は、このプロファイルを使用して接続するネットワーク101を特定する情報である。認証・暗号情報1207は、このプロファイルを使用してネットワーク101に接続する際に必要となる認証・暗号に関する情報である。接続時自動起動アプリケーション1209は、このプロファイルを使用してネットワーク101に接続した際に、アプリケーション自動起動部1110が自動的に起動するアプリケーションを示す情報である。
次に、図13のフローチャートを参照して、本実施の形態におけるネットワーク接続装置1000の動作について説明を行う。
S1301:ネットワーク切り替え制御部1104は、プロファイル管理部1103が保持するプロファイル群から、図示しないキーボード等の入力手段を介してユーザにより選択されたプロファイル(プロファイルP3とする)が指示するネットワーク(ネットワークNW31とする)への接続指示を受信し、ステップS1302に進む。
S1302:ネットワーク関連状態判定部1105が、現在接続中のネットワーク(ネットワークNW32とする)への接続の際に、アプリケーション自動起動部1110によって自動起動されたアプリケーション(アプリケーションA3とする)が動作しているか否かを判定し、ステップS1303に進む。アプリケーションA3は、ネットワークに接続した後、起動され、ユーザIDとパスワードによる認証を用いたログオンが必要な業務システムである。
S1303:切断不利益判定部1106は、アプリケーションA3が動作している場合には、ネットワークNW32への接続の解除がユーザに不利益をもたらすと判定してステップS1304に進み、そうでない場合は、ネットワークNW3への接続の解除がユーザに不利益をもたらさないと判定してステップS1306に進む。
S1304:切り替え可否判定部1107は、切り替え制限方法指定部1108による指定にしたがって、ユーザに切り替えの可否の問い合わせを行い、ステップS1305に進む。
S1305:ユーザの応答が「切り替え可」の場合はステップS1306に進み、ユーザの応答が「切り替え不可」の場合はステップS1307に進む。
S1306:切り替え可否判定部1107は、ネットワークNW31への切り替えを可と判定し、ステップS1308に進む。
S1307:切り替え可否判定部1107は、ネットワークNW31への切り替えを不可と判定し、処理を終了する。
S1308:ネットワーク接続部202は、ネットワークNW32への接続を解除するとともに、ネットワークデバイス201を介してネットワークNW31への接続処理を行い、さらにプロファイルP3における接続時自動起動アプリケーション1209でアプリケーションが指定されている場合は、当該アプリケーションを起動し、処理を終了する。
以上のように本実施の形態によれば、ネットワークへの接続の際に、アプリケーション自動起動部があらかじめ指定されたアプリケーションを自動的に起動し、そのアプリケーションが動作中は当該ネットワークへの接続の解除を抑制する構成とした。このため、例えば起動後の実使用開始前にユーザIDと、パスワードの入力などのユーザ認証とが必要なアプリケーションを対象とした場合、一旦ネットワークが切断されると、同一アプリケーションの再使用に時間、操作のオーバヘッドなどコストのかかるといったユーザの不利益を抑制することが可能となる。
なお、本実施の形態の説明においては、ネットワーク関連状態判定部1105は、現在接続中のネットワークへの接続時に、アプリケーション自動起動部1110によって自動的に起動されたアプリケーションが動作を継続しているか否かの判定を行うとしたが、判定対象は自動的に起動されたアプリケーションに限るものではなく、例えば、別途、ユーザによってあらかじめ指定されたアプリケーションが動作中か否かの判定を行う構成としてもよい。
また、本実施の形態の説明においては、アプリケーション自動起動部によって起動されるアプリケーションを、ユーザIDとパスワードによる認証を用いたログオンが必要な業務システムとしたが、他のアプリケーション等、例えば、VPN(Virtual Private Network)のクライアントソフトがアプリケーション自動起動部によって起動される構成としてもよい。
(第4の実施の形態)
図14は、第4の実施の形態におけるネットワーク接続装置1400が動作する環境を説明する図である。
図14において、ネットワーク接続装置1400が動作する環境は、1つ以上のネットワーク101を含み、ネットワーク101は第1の実施の形態におけるものと同様のネットワーク接続装置1400が接続可能なネットワークである。
次に、図15を用いて、ネットワーク接続装置1400の全体構成について説明する。図15において、ネットワーク接続装置1400は、ネットワークデバイス201と、ネットワーク接続部202と、ネットワーク切り替え制御部1504と、切断不利益判定部1506と、切り替え可否判定部1507と、切り替え制限方法指定部1508と、移動速度計測部1511とから構成される。
これらのうち、第1の実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成については、重複説明を省略する。
ネットワーク切り替え制御部1504は、図示しないユーザ入力手段に基づいて、ネットワークデバイス201のうちいずれかのネットワークデバイスを用い、接続可能なネットワーク101のうちのいずれかのネットワークを切り替え先ネットワークの候補として決定する。
切断不利益判定部1506は、ネットワーク切り替え制御部1504によって決定された切り替え先ネットワーク候補と、後述する移動速度計測部1511によって計測されるネットワーク接続装置1400の移動速度とに基づいて、現在接続されているネットワークへの接続の解除がユーザに不利益をもたらすか否かの判定を行う。具体的には、ネットワーク接続装置1400に移動速度が所定の値を超える場合には、現在接続されているネットワークへの接続の解除がユーザに不利益をもたらすと判定し、それ以外の場合は、不利益をもたらさないと判定する。
切り替え可否判定部1507は、後述する切り替え制限方法指定部1508によって指定されたネットワーク切り替えの制限方法にしたがって、ネットワークの切り替えの可否を判定する。
切り替え制限方法指定部1508は、ネットワーク切り替え制御部1504によって切り替え先ネットワーク候補が決定された際に、切断不利益判定部1506によって現在接続されているネットワークへの接続の解除が、ユーザに不利益をもたらすと判定された場合の切り替え制限方法として、図示しない手段によるユーザへのネットワーク切り替え可否の問い合わせの結果に基づいて、ネットワーク切り替えの可否を判定する方法を指定する。
移動速度計測部1511は、ネットワーク接続装置1400の移動速度を計測する。移動速度を計測する方法としては、GPS(Global Positioning System)を利用する方法などがあるが、これに限定されるものではない。
次に、図16のフローチャートを参照して、本実施の形態におけるネットワーク接続装置1400の動作について説明を行う。
S1601:ネットワーク切り替え制御部1504は、図示しないキーボード等の入力手段を介してユーザにより入力され、ネットワーク101のうちいずれかのネットワーク(ネットワークNW41とする)への接続指示を受信し、ステップS1602に進む。
S1602:移動速度計測部1511が、ネットワーク接続装置1400の移動速度(速度V41とする)を計測し、ステップS1603に進む。
S1603:切断不利益判定部1606は、速度V41が速度V42を超える場合には、現在接続中のネットワーク(ネットワークNW42とする)への接続の解除が、ユーザに不利益をもたらすと判定してステップS1604に進み、そうでない場合は、ネットワークNW42への接続の解除が、ユーザに不利益をもたらさないと判定してステップS1606に進む。
S1604:切り替え可否判定部1507は、切り替え制限方法指定部1508による指定にしたがって、ユーザに切り替えの可否の問い合わせを行い、ステップS1605に進む。
S1605:ユーザの応答が「切り替え可」の場合はステップS1606に進み、ユーザの応答が「切り替え不可」の場合はステップS1607に進む。
S1606:切り替え可否判定部1507は、ネットワークNW41への切り替えを可と判定し、ステップS1608に進む。
S1607:切り替え可否判定部1507は、ネットワークNW41への切り替えを不可と判定し、処理を終了する。
S1608:ネットワーク接続部1502は、ネットワークNW42への接続を解除するとともに、ネットワークデバイス201を介してネットワークNW41への接続処理を行い、処理を終了する。
以上のように本実施の形態によれば、ネットワーク接続装置が所定速度を超えて移動している場合は、接続中のネットワークへの接続の解除を抑止するので、ある時点でWLANのネットワークの圏内であって接続可能であっても、ネットワーク接続装置の移動によりすぐに当該ネットワークの圏外となり、利用不可となるようなユーザ不利益を抑止することが可能となる。
また、ネットワーク切り替え制御部が、第1の実施の形態の説明における自動接続制御部2043と同様の動作により、切り替え先ネットワーク候補を利用可能な複数のネットワークから自動的に抽出する構成とした場合には、ネットワーク接続装置の高速移動時に利用可能なネットワークの頻繁な切り替えによるネットワーク切断の頻発を抑止できるという効果がある。
なお、切断不利益判定部1606は、速度V41が速度V42を超える場合には、現在接続中のネットワークへの接続の解除が、ユーザに不利益をもたらすと判定するとして説明を行ったが、更に、現在接続中のネットワークの種別についても考慮してもよい。例えば、速度V41が速度V42を超える場合でも、現在接続中のネットワークの種別がWLANの場合には、該ネットワークへの接続の解除はユーザ不利益をもたらさないと判定し、現在接続中のネットワークの種別がWWANやWiMAXの場合には、不利益をもたらすと判定する等でもよい。
(第5の実施の形態)
図17は、第5の実施の形態におけるネットワーク接続装置1700が動作する環境を説明する図である。
図17において、ネットワーク接続装置1700が動作する環境は、1つ以上のネットワーク101を含み、ネットワーク101は第1の実施の形態におけるものと同様のネットワーク接続装置1700が接続可能なネットワークである。
次に、図18を用いて、ネットワーク接続装置1700の全体構成について説明する。図18において、ネットワーク接続装置1700は、ネットワークデバイス201と、ネットワーク接続部202と、プロファイル管理部1803と、自動接続制御部1804と、接続頻度計数部1812と、接続候補決定補助情報管理部1813と、ネットワーク切り替え時プロファイル一時作成記憶部1814とから構成される。
これらのうち、第1の実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成については、重複説明を省略する。
プロファイル管理部1803は、ネットワーク101に接続する際に必要となる各種情報や、その他の付加情報をまとめた情報であるプロファイルを管理し、図19を用いて後述するプロファイルリスト1900を管理する。本実施の形態では、プロファイルの各種情報については、ユーザが設定を行う。
自動接続制御部1804は、プロファイル管理部1803によって管理されるプロファイルから、後述する自動接続優先順位にしたがい、次に接続する候補となるネットワークへの接続に必要となる情報が記述されたプロファイルを1つ選択する。
接続頻度計数部1812は、プロファイル管理部1803によって管理される各プロファイルについて、当該プロファイルが指定するネットワークへの接続回数を計数する。
接続候補決定補助情報管理部1813は、接続頻度計数部1812による計数に基づいて、プロファイル管理部1803によって管理される各プロファイルが指定するネットワークへの接続の累計回数を保持する接続頻度情報2000を管理する。接続頻度情報の詳細については図20を用いて後述する。なお、累計回数の初期値は0であり、また累計回数は、図示しない手段によってプロファイルごとに0にリセット可能である。
ネットワーク切り替え時プロファイル一時作成記憶部1814は、自動接続制御部1804によるプロファイルの選択時に、プロファイル管理部1803が管理するプロファイルリスト1900の内容と、接続候補決定補助情報管理部1813が管理する接続頻度情報2000とから、後述するネットワーク切り替え時プロファイルリスト2100を作成し記憶する。
次に、プロファイル管理部1803が管理するプロファイルリスト1900について説明する。図19は、プロファイルリスト1900の一例を示す図である。図19において、プロファイルリスト1900に記載される各プロファイルは、プロファイル名1901と、自動接続優先順位1903と、ネットワーク種別1904と、ネットワークデバイス識別情報1905と、ネットワーク識別情報1906と、認証・暗号情報1907とを含む。以下、各構成要素について説明を行う。但し、プロファイル名1901は、プロファイルの名前である。
自動接続優先順位1903は、ネットワーク接続時に、該プロファイルを使用する優先順位を示す情報である。本実施の形態では、自動接続制御部1804は、ネットワーク接続の際、優先順位上位のプロファイルから順に使用する。優先順位が同一のプロファイルについては、接続候補決定補助情報管理部1813によって管理されるプロファイルの接続累計回数が大きいプロファイルが優先して使用される。図19の例では、自動接続優先順位1903は「1」から順に整数値で設定され、「1」が最も優先順位が高く、数値が大きくなるほど優先順位が低いことを意味する。また、自動接続優先順位1903は、複数のプロファイルで同一の値を持つことを許容し、その場合には、図20を用いて後述する接続頻度情報2000に基づいて、同一優先順位のプロファイル間の優先順位づけを行う。
ネットワーク種別1904は、該プロファイルを使用して接続するネットワーク101の種別を示す情報である。ネットワークデバイス識別情報1905は、該プロファイルを使用してネットワーク接続する際に使用するネットワークデバイス201を特定する情報である。ネットワーク識別情報1906は、該プロファイルを使用して接続するネットワーク101を特定する情報である。認証・暗号情報1907は、該プロファイルを使用してネットワーク101に接続する際に必要となる認証・暗号に関する情報である。
図19においては、プロファイルリスト1900には、プロファイル名1901がそれぞれ「プロファイルA」、「プロファイルB」、「プロファイルC」、「プロファイルD」、「プロファイルE」である5つのプロファイルが記載されている。接続の優先順位は、「プロファイルA」、「プロファイルB」および「プロファイルC」が1番目、「プロファイルD」および「プロファイルE」が2番目であり、例えば「プロファイルA」を使用して接続するネットワーク101の種別は「WLAN」であり、「プロファイルA」を使用してネットワーク接続する際に使用するネットワークデバイス201は「第1のネットワークデバイス」であり、「プロファイルA」を使用して接続するネットワーク101は「第1のネットワーク」であり、「プロファイルA」を使用してネットワーク101に接続する際の認証方式は「A」、暗号方式は「AA」、ネットワークキー等の認証用情報は「AAA」であることを示している。
図20は、接続候補決定補助情報管理部1813が管理する接続頻度情報2000の一例を示す図である。なお、接続頻度情報2000は、プロファイル管理部1803が管理するプロファイルリストに含まれる各プロファイルに対応するレコードから構成されるテーブルである。
図20において、2001はプロファイル管理部1803が管理するプロファイルリストに含まれるプロファイルの名前であるプロファイル名である。2002は、プロファイル管理部1803が管理するプロファイルリストに含まれる各プロファイルについて、対応するプロファイル名を持つプロファイルで指定されるネットワークへのネットワーク接続装置1700の累計接続回数である。図20においては、接続頻度情報2000は、プロファイル名2001が「プロファイルA」、「プロファイルB」、「プロファイルC」、「プロファイルD」、「プロファイルE」の5つのプロファイルについて、それぞれのプロファイルが指定するネットワークへの累計接続回数が、7回、15回、2回、6回、3回であることを示している。
図21は、ネットワーク切り替え時プロファイル一時作成記憶部1814が作成し記憶するネットワーク切り替え時プロファイルリスト2100の一例を示す図である。
図21において、2101、2104、2105、2106、2107は、図19を用いて説明したプロファイルリスト1900におけるプロファイル名1901、ネットワーク種別1904、ネットワークデバイス識別情報1905、ネットワーク識別情報1906、認証・暗号情報1907と同様の要素である。自動接続実優先順位2103は、プロファイルリスト1900における自動接続優先順位1903と、接続候補決定補助情報管理部1813が管理する接続頻度情報2000とに基づき、プロファイルリスト1900に含まれる全プロファイルに対して、同一の優先順位を含まない「1」から順に整数値で設定される値であり、「1」が最も優先順位が高く、数値が大きくなるほど優先順位が低いことを意味する。自動接続実優先順位の付与方法については、図23を用いて説明するネットワーク切り替え時プロファイルリスト2100の作成手順において詳述する。
次に、図22のフローチャートを参照して、本実施の形態におけるネットワーク接続装置1700の動作について説明を行う。
S2201:自動接続制御部1804は、ステップS2202以降のネットワーク101への接続処理を開始するトリガとなるイベントを検知する。このイベントは、第1の実施の形態に記載したステップS501におけるイベントと同様のタイミングで発生されるものである。
S2202:ネットワーク切り替え時プロファイル一時作成記憶部1814は、プロファイル管理部1803が管理するプロファイルリスト1900と、接続候補決定補助情報管理部1813が管理する接続頻度情報2000とに基づいて、ネットワーク切り替え時プロファイルリスト2100を作成し、記憶する。ネットワーク切り替え時プロファイルリスト2100の作成手順については、図23を用いて後述する。
S2203:自動接続制御部1804は、ネットワーク切り替え時プロファイルリスト2100の自動接続実優先順位2103が「1」のプロファイルについてステップS2204以降の処理を行う為、K=1(Nはプロファイルの数で、Kは、1≦K≦Nを満たす整数の範囲でインクリメントされる)としステップS2204の処理に進む。
S2204:自動接続制御部1804は、ネットワーク切り替え時プロファイルリスト2100を参照し、自動接続実優先順位2103が「K」であるプロファイル(プロファイルRP5−Kとする)の情報を取得する。
S2205:自動接続制御部1804は、ネットワーク接続部202に対し、プロファイルRP5−Kの情報を渡し、プロファイルRP5−Kを使用して接続するネットワーク101(ネットワークNW5−Kとする)に接続済みか否かを問い合せる。ネットワーク接続部202は、プロファイルRP5−Kに含まれるネットワークデバイス識別情報2105によって特定されるネットワークデバイス201(ネットワークデバイスND5−Kとする)を用いて、ネットワークNW5−Kに接続済みかどうかを判定する。ネットワーク接続部202は、判定結果を自動接続制御部1804に通知する。自動接続制御部1804は、判定結果が「接続済み」である場合、実優先順位通りにネットワーク101に接続済みであると判断し、そのまま処理を終了する。自動接続制御部1804は、判定結果が「未接続」である場合、ステップS2206の処理に進む。
S2206:自動接続制御部1804は、ネットワーク接続部202に対し、プロファイルRP5−Kの情報を渡し、プロファイルRP5−Kを使用して接続するネットワーク101の検索を依頼する。ネットワーク接続部202は、ネットワークデバイスND5−Kを用いて、ネットワークNW5−Kを検索し、それが使用可能かどうかを判定する。
S2207:ネットワーク接続部202は、判定結果が「使用不可」である場合は、その理由を自動接続制御部1804に通知する。自動接続制御部1804は、ネットワーク接続部202から受信した判定結果が「使用可」である場合、ネットワーク接続部202に対し、プロファイルRP5−Kの情報を渡し、ネットワークNW5−Kへの接続を指示する。自動接続制御部1804は、ネットワーク接続部202から受信した判定結果が「使用不可」である場合、ステップS2210の処理に進む。
S2208:ネットワーク接続部202は、ネットワークデバイスND5−Kを用いて、ネットワークNW5−Kに接続する。ネットワーク接続部202は、接続の際に必要となる認証・暗号関連の情報については、プロファイルRP5−Kに含まれる認証・暗号情報2107に記載の内容を使用する。認証・暗号情報2107が空欄の場合や、更に追加の情報が必要な場合は、ユーザに問い合わせを行い、情報を取得するものとする。また、ネットワーク接続部202は、ネットワークNW5−Kとは別のネットワーク101に既に接続状態であった場合、それを切断するものとする。
S2209:接続頻度計数部1812は、プロファイルRP5−Nのプロファイル名2101(プロファイル名RPN5−K(但し、1≦K≦N)とする)を取得し、接続候補決定補助情報管理部1813が管理する接続頻度情報2000のプロファイル名2001がRPN5−Kのレコードの累計接続回数2002の値を1増やし、処理を終了する。
S2210:自動接続制御部1804は、ネットワーク切り替え時プロファイル一時作成記憶部1814が管理するネットワーク切り替え時プロファイルリスト2100を参照し、自動接続実優先順位2103が「K+1」のプロファイルの有無を確認する。確認の結果、自動接続実優先順位2103が「K+1」のプロファイルが無い場合には、そのまま処理を終了する。自動接続実優先順位2103が「K+1」のプロファイルが有る場合には、ステップS2211の処理に進む。
S2211:自動接続制御部1804は、K=K+1としステップS2204の処理に進む。
引き続き、図23に示すフローチャートを参照して、ネットワーク切り替え時プロファイル一時作成記憶部1814が、ネットワーク切り替え時プロファイルリスト2100を作成する手順を説明する。以下の各ステップの動作主体は、すべてネットワーク切り替え時プロファイル一時作成記憶部1814である。
S2301:プロファイル管理部1803が管理するプロファイルリスト1900におけるプロファイルを取得するために、自動接続優先順位1903を決定するための変数Kを1とし、ネットワーク切り替え時プロファイルリスト2100における自動接続実優先順位2103を決定するための変数Pを1とする。
S2302:プロファイルリスト1900から、自動接続優先順位1903がKであるプロファイルをすべて取得する。
S2303:取得されたプロファイルの数をMとする。
S2304:取得されたすべてのプロファイルについて、接続候補決定補助情報管理部1813が管理する接続頻度情報2000における累計接続回数2002を取得し、累計接続回数2002が大きいプロファイルから順に、Pから始まる連続して増加する整数値を当該プロファイルの自動接続実優先順位2103として、ネットワーク切り替え時プロファイルリスト2100を構成する。この際、プロファイルリスト1900におけるプロファイル名1901、ネットワーク種別1904、ネットワークデバイス識別情報1905、ネットワーク識別情報1906、認証・暗号情報1907はプロファイルリスト1900に登録されたものと同一とする。ここで、累計接続回数2002が同一のプロファイルについては、プロファイルリスト1900において先に登録されたもの(図19における上部に現れるもの)ほど小さな数値を自動接続実優先順位2103として付与する。
S2305:プロファイル管理部1803が管理するプロファイルリスト1900を参照し、自動接続優先順位1903が「K+1」のプロファイルの有無を確認する。確認の結果、自動接続優先順位1903が「K+1」のプロファイルが無い場合には、そのまま処理を終了する。自動接続優先順位1903が「K+1」のプロファイルが有る場合には、ステップS2306の処理に進む。
S2306:K=K+1、P=P+MとしステップS2302の処理に進む。
以上のように本実施の形態によれば、プロファイル管理部1803が管理するプロファイルリスト中で自動接続優先順位が同一のプロファイルについて、接続候補決定補助情報管理部1813が管理するプロファイルで指定されるネットワークへの累計接続回数が、多いものを優先して使用して接続する構成としたので、使用頻度の高いネットワークにより高い優先順位で自動接続することが可能となり、ネットワーク利用の利便性を向上させることが可能となる。
なお、本実施の形態では、接続情報決定補助情報管理部が、各ネットワークへの接続のためのプロファイルごとに当該ネットワークへの累計接続回数を関連づけて保持し、自動接続制御部が、累計接続回数が多いネットワークに優先して接続する構成としたが、例えば、接続情報決定補助情報管理部が累計接続回数に代えて接続成功率を保持し、自動接続制御部が、接続成功率の高いネットワークに優先して接続する構成とすることも可能であり、この場合は接続性効率を向上させることが可能となる。また、接続情報決定補助情報管理部が、累計接続回数に代えて当該ネットワークの通信速度を保持し、自動接続制御部が、通信速度の高いネットワークに優先して接続する構成とすれば、自動接続制御部により選択されるネットワークの通信速度の期待値を向上させることができる。さらに、接続情報決定補助情報管理部が累計接続回数に代えて通信コスト情報を保持し、自動接続制御部が、通信コストの低いネットワークに優先して接続する構成とすれば、通信コストの期待値を低下させることができる。さらに、接続情報決定補助情報管理部が保持する情報を、通信速度、通信コスト、接続成功率、接続回数の任意の組み合わせで算出されるスコアとし、そのスコアに基づいて接続の優先度を決定することも可能である。
(第6の実施の形態)
図24は、第6の実施の形態におけるネットワーク接続装置2400が動作する環境を説明する図である。
図24において、ネットワーク接続装置2400が動作する環境は、1つ以上のネットワーク101を含み、ネットワーク101は第1の実施の形態と同様のネットワーク接続装置
2400が接続可能なネットワークである。
次に、図25を用いて、ネットワーク接続装置2400の全体構成について説明する。図25において、ネットワーク接続装置2400は、ネットワークデバイス201と、ネットワーク接続部202と、プロファイル管理部2503と、自動接続制御部2504と、位置検出部2515と、ネットワークエリア情報管理部2516と、デバイス電源制御部2517とから構成される。
これらのうち、第1の実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成については、重複説明を省略する。
プロファイル管理部2503は、ネットワーク101に接続する際に必要となる各種情報や、その他の付加情報をまとめた情報であるプロファイルを管理し、図26を用いて後述するプロファイルリスト2600を管理する。プロファイルの各種情報については、ユーザが設定を行うものとする。
自動接続制御部2504は、プロファイル管理部2503によって管理されるプロファイルから、後述する自動接続優先順位にしたがって、次に接続する候補となるネットワークへの接続に必要となる情報が記述されたプロファイルを1つ選択するとともに、後述するデバイス電源制御部2517に対し、ネットワークデバイス201のうち所定のネットワークデバイスの電源をオンまたはオフするよう指示する。
位置検出部2515は、GPS(Global Positioning System)デバイスからなり、所定時間ごとにネットワーク接続装置2400の位置を緯度および経度のデータとして取得する。
ネットワークエリア情報管理部2516は、プロファイル管理部2503によって管理されるプロファイルについて、当該プロファイルが適用可能なエリアが特定可能な場合は、その位置を緯度および経度のデータとして保持する。具体的には、WLANのネットワークへの接続のためのプロファイルについて、当該WLANのアクセスポイントの位置を緯度および経度のデータとして保持する。WLAN以外のネットワークへの接続のためのプロファイルについては、位置情報は保持しない。
デバイス電源制御部2517は、ネットワークデバイス201のうち自動接続制御部2504の指定にしたがって、所定のネットワークの電源をオンまたはオフする。
次に、プロファイル管理部2503が管理するプロファイルリスト2600について説明する。図26は、プロファイルリスト2600の一例を示す図である。図26において、プロファイルリスト2600に記載される各プロファイルは、プロファイル名2601と、自動接続優先順位2603と、ネットワーク種別2604と、ネットワークデバイス識別情報2605と、ネットワーク識別情報2606と、認証・暗号情報2607とを含む。以下、各構成要素について説明を行う。但し、プロファイル名2601は、プロファイルの名前である。
自動接続優先順位2603は、ネットワーク接続時に、該プロファイルを使用する優先順位を示す情報である。自動接続制御部2504は、ネットワーク接続の際、優先順位上位のプロファイルから順に使用するものとする。図26の例では、自動接続優先順位2603は「1」から順に整数値で設定され、「1」が最も優先順位が高く、数値が大きくなるほど優先順位が低いことを意味する。
ネットワーク種別2604は、該プロファイルを使用して接続するネットワーク101の種別を示す情報である。ネットワークデバイス識別情報2605は、該プロファイルを使用してネットワーク接続する際に使用するネットワークデバイス201を特定する情報である。ネットワーク識別情報2606は、該プロファイルを使用して接続するネットワーク101を特定する情報である。認証・暗号情報2607は、該プロファイルを使用してネットワーク101に接続する際に必要となる認証・暗号に関する情報である。
図26においては、プロファイルリスト2600には、プロファイル名2601がそれぞれ「プロファイルA」、「プロファイルB」、「プロファイルC」、「プロファイルD」である4つのプロファイルが記載されている。接続の優先順位は、「プロファイルA」が1番目、「プロファイルB」が2番目、「プロファイルC」が3番目、「プロファイルD」が4番目であり、例えば「プロファイルA」を使用して接続するネットワーク101の種別は「WLAN」である。「プロファイルA」を使用してネットワーク接続する際に使用するネットワークデバイス201は「第1のネットワークデバイス」であり、「プロファイルA」を使用して接続するネットワーク101は「第1のネットワーク」であり、「プロファイルA」を使用してネットワーク101に接続する際の認証方式は「A」、暗号方式は「AA」、ネットワークキー等の認証用情報は「AAA」であることを示している。
図27は、ネットワークエリア情報管理部2516が管理するネットワークエリア情報2700の一例を示す図である。
ネットワークエリア情報2700は、プロファイル管理部2503が管理するプロファイルリストに含まれる各プロファイルに対応するレコードから構成されるテーブルである。図27において、2701は、プロファイル管理部2503が管理するプロファイルリストに含まれるプロファイルの名前であるプロファイル名である。2702は、プロファイル管理部2503が管理するプロファイルリストに含まれる各プロファイルについて、対応するプロファイル名を持つプロファイルのネットワーク種別2604がWLANの場合については、このWLANアクセスポイントの設置位置を緯度および経度からなるエリア情報として保持する。図27においては、ネットワークエリア情報2700は、プロファイル名2701が「プロファイルA」、「プロファイルB」、「プロファイルC」の3つのプロファイルについて、このWLANのアクセスポイントの位置がそれぞれ、一例として図示では(北緯34.743759度,東経135.570431度)、(北緯35.681382度,東経139.766084)、(北緯34.686299度,東経135.529146度)であることを示している。
次に、図28のフローチャートを参照して、本実施の形態におけるネットワーク接続装置2400の動作について説明を行う。
S2801:自動接続制御部2504は、ステップS2802以降のネットワーク101への接続処理を開始するトリガとなるイベントを検知する。このイベントは、第1の実施の形態に記載のステップS501におけるイベントと同様のタイミングで発生される。
S2802:自動接続制御部2504は、位置検出部2515に対し、ネットワーク接続装置2400の位置の検出を指示する。位置検出部2515は、ネットワーク接続装置2400の位置情報(位置PS6とする)を取得する。
S2803:自動接続制御部2504は、プロファイルリスト2600の自動接続優先順位2603が「1」のプロファイルについてステップS2804以降の処理を行う為、K=1(Nはプロファイルの数で、1≦K≦Nを満たす整数の範囲でインクリメントされる)としステップS2804の処理に進む。
S2804:自動接続制御部2504は、プロファイル管理部2503が管理するプロファイルリスト2600を参照し、自動接続優先順位2603が「K」であるプロファイル(プロファイルP6−K(但し、1≦K≦N)とする)の情報を取得する。
S2805:自動接続制御部2504は、ネットワーク接続部202に対し、プロファイルP6−Kの情報を渡し、プロファイルP6−Kを使用して接続するネットワーク101(ネットワークNW6−Kとする)に接続済みか否かを問い合せる。ネットワーク接続部202は、受け取ったプロファイルに含まれるネットワークデバイス識別情報2605によって特定されるネットワークデバイス201(ネットワークデバイスND6−Kとする)を用いて、ネットワークNW6−Kに接続済みかどうかを判定する。ネットワーク接続部202は、判定結果を自動接続制御部2504に通知する。自動接続制御部2504は、判定結果が「接続済み」である場合、優先順位通りにネットワーク101に接続済みであると判断し、そのまま処理を終了する。自動接続制御部2504は、判定結果が「未接続」である場合、ステップS2806の処理に進む。
S2806:自動接続制御部2504は、ネットワークエリア情報管理部2516が管理するネットワークエリア情報2700から、プロファイルP6−Kに対応するエリア情報2702の有無を調べる。エリア情報がある場合はステップS2807に進み、エリア情報がない場合はステップS2808に進む。
S2807:自動接続制御部2504は、ステップS2803で位置検出部2515が検出した位置PS6とプロファイルP6−Kに対応するエリア情報2702とを用いて、ネットワーク接続装置2400がエリア内と想定されるか否かを判定する。具体的には、位置PS6がエリア情報2702の緯度および経度のそれぞれについて±0.000300度(地球上の距離に換算して±約33メートルに相当)の範囲内にあれば、エリア内と想定できると判定する。エリア内と想定できる場合はステップS2808の処理に進み、エリア内と想定できない場合はステップS2812の処理に進む。一般的なWLAN端末からWLANアクセスポイントに接続できる距離に基づいて、本実施の形態では±0.000300度の範囲内をエリア内と想定する。
S2808:自動接続制御部2504は、デバイス電源制御部2517に対し、プロファイルP6−Kの情報を渡し、プロファイルP6−Kを使用してネットワークに接続するためのネットワークデバイス201の電源がオンでない場合は、オンにするよう指示する。デバイス電源制御部2517は、プロファイルP6−Kのネットワークデバイス識別情報2605に基づいて、ネットワークデバイス201のうち対応するものの電源状態を調べ、オフであればオンにする。
S2809:自動接続制御部2504は、ネットワーク接続部202に対し、プロファイルP6−Kの情報を渡し、プロファイルP6−Kを使用して接続するネットワーク101の検索を依頼する。ネットワーク接続部202は、ネットワークデバイスND6nを用いて、ネットワークNW6−Kを検索し、それが使用可能かどうかを判定する。
S2810:ネットワーク接続部202による判定結果が「使用可」である場合、ステップS2811の処理に進み、「使用不可」である場合は、ステップS2812の処理に進む。
S2811:ネットワーク接続部202は、ネットワークデバイスND6−Kを用いて、ネットワークNW6−Kに接続し、処理を終了する。ネットワーク接続部202は、接続の際に必要となる認証・暗号関連の情報については、プロファイルP6−Kに含まれる認証・暗号情報2607に記載の内容を使用する。認証・暗号情報2607が空欄の場合や、更に追加の情報が必要な場合は、ユーザに問い合わせを行い、情報を取得するものとする。また、ネットワーク接続部202は、ネットワークNW6−Kとは別のネットワーク101に既に接続状態であった場合、それを切断する。
S2812:自動接続制御部2504は、ステップS2811でネットワークの切断を行った場合は、デバイス電源制御部2517に対し、切断を行ったネットワークに対応するネットワークデバイスの電源をオフする。
S2813:自動接続制御部2504は、プロファイル管理部2503が管理するプロファイルリスト2600を参照し、自動接続優先順位2603が「K+1」のプロファイルの有無を確認する。確認の結果、自動接続優先順位2603が「K+1」のプロファイルが無い場合には、そのまま処理を終了する。自動接続優先順位2603が「K+1」のプロファイルが有る場合には、ステップS2814の処理に進む。
S2814:自動接続制御部2504は、K=K+1としステップS2804の処理に進む。
以上のように本実施の形態によれば、位置検出部2515によってネットワーク接続装置2400の位置を検出するとともに、プロファイル管理部2503が管理するプロファイルリスト中のいくつかのプロファイルについて、ネットワークエリア情報管理部2516が、このプロファイルを用いて接続が可能と想定されるエリア情報を保持する構成としたので、自動接続制御部2504による使用プロファイルの選択時にエリア外と想定されるプロファイルはあらかじめ除外することにより、使用プロファイルの選択の高速化が可能となる。
さらに、エリア情報があるプロファイルについては、ネットワーク接続装置2400の位置に基づいて、デバイス電源制御部2517によってネットワークデバイス201の電源のオンまたはオフする構成としたので、ネットワークデバイス201の必要時に限定して電源オンとすることができ、ネットワーク接続装置2400の省電力を図ることが可能となる。
なお、本実施の形態では、ネットワークエリア情報としてWLANアクセスポイントの設置位置に基づく情報を用いる例を示したが、ネットワークエリア情報、付加すべき構成要素、その効果等について下記のような各種の実現も可能である。
(1)ネットワークエリア情報としてWWANもしくはWiMAXのサービス事業者のサービスエリア情報を採用すると、使用可能なWWANデバイスもしくはWiMAXデバイスについて必要時のみオンにすることにより省電力が可能となる。
(2)ネットワークエリア情報として複数のWWANのサービス事業者のサービスエリア情報を採用し、サービス事業者と通信費用との対応情報を保持する手段を付加すると、利用可能な最も安価なWWANネットワークへの接続ができ、通信コストの削減が可能となる。
(3)WLANとWiMAXとのいずれかのネットワークデバイスのみをオンできるWLAN・WiMAXコンボデバイスを使用した構成である場合に、ネットワークエリア情報としてWLANのネットワークエリア情報を採用すると、WiMAX接続状態で対応するネットワークデバイスの電源がオフであるWLANが接続可能か否かの推定でき、逆に、ネットワークエリア情報としてWiMAXのサービス事業者のサービスエリア情報を採用すると、WLAN接続状態で対応するネットワークデバイスの電源がオフであるWiMAXが接続可能か否かの推定を行うことができ、より柔軟なネットワークの切り替えが可能となる。
(4)ネットワークと通信速度との対応情報を保持する手段を付加すると、最も高速なネットワークへの接続ができ、通信の高速化が可能となる。
(第7の実施の形態)
図29は、第7の実施の形態におけるネットワーク接続装置2900が動作する環境を説明する図である。
図29において、ネットワーク接続装置2900が動作する環境は、1つ以上のネットワーク101を含み、ネットワーク101は第1の実施の形態におけるものと同様のネットワーク接続装置2900が接続可能なネットワークである。
次に、図30を用いて、ネットワーク接続装置2900の全体構成について説明する。図30において、ネットワーク接続装置2900は、ネットワークデバイス201と、ネットワーク接続部202と、プロファイル管理部2503と、自動接続制御部3004と、デバイス情報取得部3018とから構成される。
これらのうち、第1および第6の実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成については、重複説明を省略する。
なお、ネットワークデバイス201は、図示しない手段によってネットワークデバイスごとに電源のオンおよびオフが可能である。
プロファイル管理部2503は、ネットワーク101に接続する際に必要となる各種情報や、その他の付加情報をまとめた情報であるプロファイルを管理し、第5の実施の形態の説明において図26を用いて説明したプロファイルリスト2600を管理する。本実施の形態では、プロファイルの各種情報については、ユーザが設定を行う。
自動接続制御部3004は、プロファイル管理部2503によって管理されるプロファイルから、後述する自動接続優先順位と同じく後述するデバイス情報取得部3018が取得したデバイス情報にしたがって、次に接続する候補となるネットワークへの接続に必要となる情報が記述されたプロファイルを1つ選択する。
デバイス情報取得部3018は、自動接続制御部3004の指示にしたがって、ネットワークデバイス201の所定のネットワークデバイスの電源状態がオンまたはオフのいずれであるかを取得する。
次に、図31のフローチャートを参照して、本実施の形態におけるネットワーク接続装置2900の動作について説明を行う。
S3101:自動接続制御部3004は、ステップS3102以降のネットワーク101への接続処理を開始するトリガとなるイベントを検知する。このイベントは、第1の実施の形態に記載のステップS501におけるイベントと同様のタイミングで発生される。
S3102:自動接続制御部3004は、プロファイルリスト2600の自動接続優先順位2603が「1」のプロファイルについてステップS3103以降の処理を行う為、K=1(Nはプロファイルの数で、1≦K≦Nを満たす整数の範囲でインクリメントされる)としステップS3103の処理に進む。
S3103:自動接続制御部3004は、プロファイル管理部2503が管理するプロファイルリスト2600を参照し、自動接続優先順位2603が「K」であるプロファイル(プロファイルP7−Kとする)の情報を取得する。
S3104:自動接続制御部3004は、デバイス情報取得部3018に対し、プロファイルP7−Kの情報を渡し、プロファイルP7−Kによるネットワーク接続に用いられるネットワークデバイス201の電源がオンかオフかのいずれかを問い合わせる。デバイス情報取得部3018は、プロファイルP7−Kに含まれるネットワークデバイス識別情報2605によって特定されるネットワークデバイス201(ネットワークデバイスND7−Kとする)の電源がオンかオフかを判定し、判定結果を自動接続制御部3004に通知する。ネットワークデバイスND7−Kの電源がオンの場合は、ステップS3105の処理に進み、オフの場合は、ステップS3110の処理に進む。
S3105:自動接続制御部3004は、ネットワーク接続部202に対し、プロファイルP7−Kの情報を渡し、プロファイルP7−Kを使用して接続するネットワーク101(ネットワークNW7−Kとする)に接続済みか否かを問い合せる。ネットワーク接続部202は、プロファイルP7−Kに含まれるネットワークデバイス識別情報2605によって特定されるネットワークデバイス201(ネットワークデバイスND7−K)を用いて、ネットワークNW7−Kに接続済みかどうかを判定する。ネットワーク接続部202は、判定結果を自動接続制御部3004に通知する。自動接続制御部3004は、判定結果が「接続済み」である場合、優先順位通りにネットワーク101に接続済みであると判断し、そのまま処理を終了する。自動接続制御部3004は、判定結果が「未接続」である場合、ステップS3106の処理に進む。
S3106:自動接続制御部3004は、ネットワーク接続部202に対し、プロファイルP7−Kの情報を渡し、プロファイルP7−Kを使用して接続するネットワーク101の検索を依頼する。ネットワーク接続部202は、ネットワークデバイスND7−Kを用いて、ネットワークNW7−Kを検索し、それが使用可能かどうかを判定する。
S3107:ネットワーク接続部202による判定結果が「使用可」である場合、ステップS3108の処理に進み、「使用不可」である場合は、ステップS3109の処理に進む。
S3108:ネットワーク接続部202は、ネットワークデバイスND7−Kを用いて、ネットワークNW7−Kに接続し、処理を終了する。ネットワーク接続部202は、接続の際に必要となる認証・暗号関連の情報については、プロファイルP7−Kに含まれる認証・暗号情報2607に記載の内容を使用する。認証・暗号情報2607が空欄の場合や、更に追加の情報が必要な場合は、ユーザに問い合わせを行い、情報を取得するものとする。また、ネットワーク接続部202は、ネットワークNW7−Kとは別のネットワーク101に既に接続状態であった場合、それを切断する。
S3109:自動接続制御部3004は、プロファイル管理部2503が管理するプロファイルリスト2600を参照し、自動接続優先順位2603が「K+1」のプロファイルの有無を確認する。確認の結果、自動接続優先順位2603が「K+1」のプロファイルが無い場合には、そのまま処理を終了する。自動接続優先順位2603が「K+1」のプロファイルが有る場合には、ステップS3110の処理に進む。
S3110:自動接続制御部3004は、K=K+1としステップS3104の処理に
進む。
以上のように本実施の形態によれば、プロファイル管理部2503が管理するプロファイルリストの自動接続優先順位にしたがって、自動接続制御部3004が自動的にプロファイルを選択しネットワークに接続する処理において、デバイス情報取得部3018によって取得されるネットワークデバイス201の各ネットワークの電源状態がオフの場合は、ネットワークの検索等の処理を行わず、次の優先順位のプロファイルのネットワークを取得する構成としたので、自動接続における使用プロファイル選択の高速化が可能となる。
なお、本実施の形態では、デバイス情報取得部はネットワークデバイスの電源状態を取得する構成としたが、デバイス情報取得部が取得する状態としてはネットワークデバイスの状態に関わるものであれば電源状態に限るものではなく、例えば、ネットワークデバイスの加入者情報、より具体的にはSIM(Subscriber Identity Module)カードの情報とすることもできる。この場合は、例えば、SIMカードがロック状態、つまりロック解除しない限り使用できない状態である場合には、本実施の形態の場合と同様に、このネットワークデバイスが電源オフであるものと同様に扱うことができる。また、接続可能なWWAN事業者の情報がSIMカードに記録されている場合には、そのWWAN事業者がプロファイル情報に含まれるネットワーク識別情報に適合する場合にのみ接続を試みる処理とすることにより、ネットワーク接続を高速化できる。
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、第1〜第7の実施の形態を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記第1〜第7の実施の形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。