JP5121231B2 - データ処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のデータ処理装置間でデータ移動が可能なシステムにおけるデータ処理装置に関する。
近年、音楽・映像・ゲーム等のデジタルコンテンツや、そのコンテンツを利用するための権利などの価値データ(以下、データと記述)を、インターネット等のネットワークやデジタル放送、あるいはパッケージメディア等を通じ、データ処理装置に配信するコンテンツ配信サービスが開始されつつある。
ユーザは、コンテンツ配信サービスで取得したデータを、自分に便利なデータ処理装置で利用したい。その一方、取得したデータについては、著作権保護の観点から複数のデータ処理装置における同時利用が許可されておらず、データの複製も許可されていない場合がある。そのため、複数のデータ処理装置の間でデータを複製するのではなく、データを移動するデータ移動装置が必要とされている。従来のデータ移動装置では、次の方法でデータの移動を実現している。
データを利用しようとするデータ利用装置は、データを保持するデータ保持装置に対してデータの取得を要求する。この取得要求を受けたデータ保持装置は、前記要求を受信するとHDDなどの記憶媒体に格納されているデータを要求元データ利用装置に転送する。データ保持装置は、転送処理が完了すると、記憶媒体から前記データを削除する。
しかし、ユーザがデータ保持装置を紛失した場合や、データ保持装置の電源が切れている場合、外部からデータ保持装置にアクセスできない。そのため、データ利用装置は前記データを取得できない。その結果、何れのデータ利用装置においても前記データの利用ができない状況が発生する。
したがって、ユーザのデータ保護の観点から、データ保持装置に外部アクセスできない場合においても、データ保持装置が保持していたデータをデータ利用装置が利用できる仕組みが必要とされている。例えば、特許文献1には、データ保持装置とデータ利用装置とにそれぞれのデータ利用期間を設定し、各データ利用期間が重複しないように調整することで、ユーザがそれぞれの装置においてデータを利用することを可能とした技術が開示されている。この仕組みにより、複数の装置における同時利用を防止しながら、外部からアクセス不能となったデータ保持装置が保持していたデータを、一定の利用期間においてはデータ利用装置が利用することができる。
特開2002−73045号公報
しかし、特許文献1に記載の技術では、ある装置T1に許可された利用可能期間P1以外の期間P2でデータを利用したい場合、利用したい時刻を含む利用可能期間P2でデータの利用が許可されている別の装置T2とその装置T1とが通信を行い、装置T1が利用可能期間を取得する必要がある。しかし、前記別の装置T2への外部からアクセスができない場合、その装置T1は利用可能期間P2を取得できない。つまり、ある装置がデータの利用を許可されている期間中に、電源をオフしているなどの理由でその装置への外部からのアクセスができない場合、その装置を含む何れの装置においてもデータを利用できないという問題がある。
本発明は、装置が保持していたデータを、その装置が外部からアクセスできなくなった後においても、他の装置が利用できるようにする技術を提供することを目的としている。
また本発明は、ユーザの意図に沿ったタイミングでユーザの意図に沿った通信処理を行い、ユーザの利便性を向上することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明1は、ドメイン内でデータの通信を行うデータ処理装置であって、各ドメインは、データの送受信が可能な少なくとも1つのデータ処理装置を含み、以下の手段を備えることを特徴とするデータ処理装置を提供する。
任意のドメインへの登録または離脱に関するイベントを検出するイベント検出手段、
・1以上のイベントの組み合わせで定まる通信処理ルールを含む制御情報を記憶する制御情報記憶手段、
・前記イベント検出手段が検出するイベントに基づいて、前記制御情報中の通信処理ルールが満足されているか否かを判断する通信処理制御手段、
・前記通信処理ルールが満足されていると前記通信処理制御手段が判断した場合、データについて、前記通信処理を行う通信手段。
所定のイベントとしては、例えば車に搭載されるデータ処理装置(以下、車載端末という)のドメインからの離脱や復帰、車庫への車の出し入れが挙げられる。ドメインからの離脱には電源のオフを含む。ドメインへの復帰には電源のオンを含む。通信処理としては、データの転送や取得が挙げられる。通信処理ルールは、1以上のイベントの組み合わせで記述することができる。「車が車庫にあり、かつ車載データ処理装置の電源がオフになる」が、通信処理ルールの一例として挙げられる。別の通信処理ルールの一例としては、「車が車庫から出ていて、かつドメインから離脱している」を挙げることができる。ここで、ドメインとは、データの共有や移動が相互に可能な端末をグループ化したものである。
本発明2は、前記発明1において、前記制御情報記憶手段が、前記通信処理を実行するか否かを決定するための通信可否判断ルールを、前記通信処理ルールと対応付けてさらに記憶しているデータ処理装置を提供する。この装置において、前記通信処理制御手段は、前記通信処理ルールが満足されていると判断した場合、さらに通信可否判断ルールに基づいて通信処理を実行するか否かを判断する。また、前記通信手段は、前記通信処理制御手段が通信処理を実行すると判断した場合、前記データについて前記通信処理を行う。
例えば、「車が車庫から出ていて、かつドメインから離脱している」場合、車載機は、データの取得を実行するかどうかを判断してから取得を行う。これにより、同じ通信処理ルールであっても、データの転送や取得を行うことが不適切な場合に処理の実行を行わずに済み、結果としてフレキシブルなデータ処理が可能となる。通信可否判断ルールの一例として、「データを所有しているユーザの端末にのみ転送可」や、「利用頻度が高い場合はドメイン外に持ち出し不可」を挙げることができる。
本発明3は、前記発明1において、前記通信処理は前記データの転送であるデータ処理装置を提供する。この装置は、転送対象となりうるデータを記憶するデータ記憶手段をさらに備えている。この装置において、通信手段は、前記通信処理ルールが満足されていると前記通信処理制御手段が判断した場合、転送大正の前期データを前記データ記憶手段から読み出し、読み出した前記データを転送先に転送する。
このデータ処理装置は、例えば、電源がオフになるときに、転送対象ファイル“DATA1”を他のデータ処理装置“T1”に転送する。そのため、このデータ処理装置がオフになったあとにデータファイル「DATA1」を必要とする別のデータ処理装置は、転送先のデータ処理装置“T1”からデータファイル“DATA1”を取得して利用することができる。
本発明4は、前記発明1において、前記通信処理は前記データの取得であるデータ処理装置を提供する。この装置において、前記通信手段は、前記通信処理ルールが満足されていると前記通信処理制御手段が判断した場合、取得対象のデータを、そのデータを記憶している取得先から取得する。
ユーザの利便性を向上することができる。例えば、車庫にある車の車載データ処理装置がオンになったときにホームサーバから新たな音楽ファイルを取得することにより、ユーザは新しい音楽を車の中で楽しめるようになる。
本発明5は、前記発明3または4において、前記制御情報記憶手段は、前記通信処理を行う通信先を特定する通信先条件を、前記通信処理ルールと対応付けてさらに記憶するデータ処理装置を提供する。この装置において、前記通信手段は、前記通信処理ルールに対応付けられた通信先条件に基づいて、前記転送先または前記取得先を決定する。
上記構成により、データ処理装置は、どの通信処理ルールを用いてどの通信先と通信すべきかを、特定することができる。通信先条件は、データの転送先やデータの取得先を特定するための条件である。他のデータ処理装置を識別する識別子、例えばMAC(Media Access Control)アドレスやネットワークアドレス、ポート番号の他に、ネットワークに接続している全ての端末などを、通信先条件として記述することができる。
本発明6は、前記発明3または4において、前記制御情報記憶手段が、前記通信処理の対象となるデータを特定する通信処理対象条件を、前記通信処理ルールと対応付けてさらに記憶しているデータ処理装置を提供する。この装置において、前記通信手段は、前記通信処理ルールに対応付けられた通信処理対象条件で特定されるデータについて、前記通信処理を行う。
上記構成により、データ処理装置は、どの通信処理ルールでどのデータを処理すべきかを、特定することができる。通信処理対象条件は、通信処理されるデータを特定するための条件である。例えば、ファイルを特定する情報、ファイル自身の属性情報、ファイルの中身の属性情報及びユーザ指定の属性情報が、通信処理対象条件として用いられる。ファイルを特定する情報としては、ファイル名や拡張子などが挙げられる。ファイル自身の属性情報としては、ファイルサイズなどが挙げられる。ファイルの中身の属性情報としては、コンテンツ種類や長さなどが挙げられる。ユーザ指定の属性情報としては、優先度などが挙げられる。
本発明7は、前記発明3または4において、前記制御情報記憶手段は、前記制御情報を識別する制御情報識別子と、前記通信処理の対象となるデータを識別するデータ識別子と、を対応付けてさらに記憶するデータ処理装置を提供する。
制御情報識別子とデータ識別子とを対応付けることにより、通信処理対象データとは独立に制御情報を記憶しておくことができる。これにより、データファイルの通信処理ルールや通信先を、データ処理装置単位で管理することができる。例えば、複数のデータファイルに対し、データ処理装置が共通の通信処理ルールや通信先を適用することができる。より具体的には、データを取得するための通信処理ルールが「電源がオンになったとき」、通信先が「ホームサーバ」、通信処理対象条件が「音楽ファイル」であるとする。この場合、電源がオンになったときに、ホームサーバ上の全音楽ファイルがデータ処理装置にダウンロードされる。
本発明8は、前記発明3または4において、前記制御情報記憶手段は、前記通信処理の対象となるデータと前記制御情報とを一体に記憶しているデータ処理装置を提供する。
通信処理ルールや通信先を、データ処理装置に依存することなく、通信対象のデータ単位に管理することができる。言い換えれば、データ処理装置が変化しても、データファイルに適用される通信処理ルールやその通信先をいつも一定にすることができる。例えば、転送処理の通信処理ルールが「電源がオフになったとき」、通信先が「ホームサーバ」、通信処理対象条件が「DATA1」というファイル名であるとする。この場合、データファイル「DATA1」がどのデータ処理装置に存在する場合であっても、データ処理装置がオフになる度に、そのデータファイル「DATA1」はホームサーバに転送される。
本発明9は、前記発明3または4において、前記制御情報記憶手段は、前記通信処理の後に実行する後処理を、前記通信処理ルールと対応付けてさらに記憶しているデータ処理装置を提供する。この装置において、前記通信手段は、前記通信処理後に前記後処理を実行する。
例えば、後処理として「転送されたデータファイルの削除」を設定しておくことにより、転送後にそのデータを削除することができる。データファイルが著作権で保護されているような場合、転送後の削除が必要となるので好ましい。
本発明10は、前記発明3または4において、前記制御情報記憶手段は、ユーザへの通知処理を特定する通知処理ルールを、前記通信処理ルールと対応付けてさらに記憶しているデータ処理装置を提供する。この装置は、前記イベント検出手段が検出するイベントと前記制御情報中の通信処理ルールとに基づいて、ユーザへの通知処理の要否を判断する通知処理制御手段をさらに有している。またこの装置は、前記通知処理制御手段が通知処理要と判断した場合、前記通信処理に先立ち、前記通知処理ルールで特定されるユーザへの通知処理を実行する通知処理手段をさらに有している。
通知処理とは、メッセージの表示や音声出力、所定の出力デバイスの振動、嗅覚出力デバイスからの嗅覚の出力などである。通信処理の実行に先立ち、データの転送や取得を行うことをユーザに通知することで、ユーザが意図しない通信処理が実行されるのを防止することができる。
本発明11は、前記発明3または4において、前記制御情報の登録をユーザ毎に受け付ける制御情報受付手段をさらに備えるデータ処理装置を提供する。この装置において、前記制御情報記憶手段は前記制御情報をユーザ毎に記憶する。
ユーザ毎に制御情報を設定することにより、ユーザの好みにきめ細かくあわせた転送処理や取得処理が可能になる。制御情報自体の内容に加え、制御情報の管理をデータ転送装置単位で行うかデータ単位で行うかの設定を、ユーザ毎に受け付けても良い。
本発明12は、前記発明3または4において、前記通信手段が通信処理した処理履歴を記憶する通信処理履歴記憶手段をさらに備えているデータ処理装置を提供する。
例えば、データファイルの転送履歴を記憶しておけば、転送してしまったデータファイルをどこから再取得するかを、転送履歴に基づいて容易に特定することができる。また、転送後にデータファイルを削除する後処理の設定をしている場合、転送を完了したデータファイルを転送履歴に登録した後に転送済データファイルを削除することにより、転送完了前にデータファイルを削除してしまう誤動作を防止できる。
本発明13は、前記発明3または4において、前記データの通信処理の実行に必要な電力を演算し、必要な電力の蓄積を制御する電力蓄積制御部をさらに備えるデータ処理装置を提供する。
データの転送や取得に要する電力を蓄積することにより、データ処理装置の電源がオフになったあとでも、所定の通信処理を実行することができる。
本発明14は、ドメイン内でデータの通信を行うデータ処理装置が実行するデータ処理方法であって、各ドメインは、データの送受信が可能な少なくとも一つのデータ処理装置を含み、下記ステップを備えるデータ処理方法を提供する。
任意のドメインへの登録または離脱に関するイベントを検出するイベント検出ステップ、
・1以上のイベントの組み合わせで定まる通信処理ルールを含む制御情報を記憶する制御情報記憶ステップ、
・前記イベント検出ステップで検出したイベントに基づいて、前記制御情報中の通信処理ルールが満足されているか否かを判断する通信処理制御ステップ、
・前記通信処理ルールが満足されていると前記通信処理制御ステップで判断した場合、データについて前記通信処理を行う通信ステップ。
この方法は、前記発明1のデータ処理装置と同様の作用効果を奏する。
本発明15は、ドメイン内でデータの通信を行うコンピュータが実行するデータ処理プログラムであって、各ドメインは、データの送受信が可能な少なくとも1つのコンピュータを含み、コンピュータが実行するデータ処理プログラムを提供する。このプログラムは、前記コンピュータを下記手段として機能させる。
任意のドメインへの登録または離脱に関するイベントを検出するイベント検出手段、
・1以上のイベントの組み合わせで定まる通信処理ルールを含む制御情報を記憶する制御情報記憶手段、
・前記イベント検出手段が検出するイベントに基づいて、前記制御情報中の通信処理ルールが満足されているか否かを判断する通信処理制御手段、
・前記通信処理ルールが満足されていると前記通信処理制御手段が判断した場合、データについて前記通信処理を行う通信手段。
このプログラムは、前記発明1のデータ処理装置と同様の作用効果を奏する。
本発明16は、前記発明2において、前記通信可否判断ルールは、データの配信元、ドメイン、または前記データ処理装置のユーザのいずれかにより設定されるデータ処理装置を提供する。
本発明17は、前記発明2において、
・前記通信可否判断ルールは、前記データの所有者への前記データの転送を許可し、
・前記イベント検出手段が前記データ処理装置のドメインからの離脱を検出するとき、前記通信処理制御手段は、他のデータ処理装置の所有者が前記データの所有者か否かに基づいて、前記他のデータ処理装置へのデータの転送可否を判断し、
・前記通信手段は、前記通信処理制御手段により前記データの転送可と判断されたときに、前記データを前記他のデータ処理装置に転送する、
データ処理装置を提供する。
本発明18は、前記発明2において、
・前記データの利用履歴を蓄積する利用履歴蓄積手段をさらに備え、
・前記通信可否判断ルールは、所定の利用頻度を満たしているか否かに応じて前記データの転送を許可し、
・前記イベント検出手段が前記データ処理装置のドメインからの離脱を検出するとき、前記通信処理制御手段は、データの利用履歴から得られる利用頻度に基づいて前記データ取得の可否を判断し、
・前記通信手段は、前記通信処理制御手段により前記データを取得可と判断されたときに、外部から前記データを取得する、
データ処理装置を提供する。
本発明19は、前記発明2において、
・前記ドメイン内のデータ処理装置のユーザそれぞれに対して設定されている個人優先度を外部から取得する優先度取得手段をさらに備え、
・前記通信可否判断ルールは、データの所有者よりも高い個人優先度を有するユーザのデータ処理装置への前記データの転送を許可し、
・前記イベント検出手段が前記データ処理装置のドメインからの離脱を検出するとき、前記通信処理制御手段は、外部から取得した個人優先度に基づいてデータ取得の可否を判断し、
・前記通信手段は、前記通信処理制御手段によりデータを取得可と判断されたときに、外部から前記データを取得する
データ処理装置を提供する。
本構成により、前記データ処理装置が外部からアクセスできなくなった後においても、そのデータ処理装置が保持していたデータを、他のデータ処理装置が利用できる。また、ユーザが設定した検出イベントに応じてデータに対する処理を自動的に行うことにより、ユーザの利便性が向上する。
また、データに対する処理をユーザに知覚させ、ユーザの了解を取り、処理を開始することにより、ユーザの意図に反した自動的な処理を防止しながらユーザの利便性を向上させることができる。
<発明の概要>
(1)本発明を適用したシステムの概要
図1は、本発明のデータ処理装置を含むデータ処理システムSの構成を示す説明図である。データ処理システムSは、1以上の端末装置(特許請求の範囲におけるデータ処理装置に相当)100a,100bと、データ保持サーバ(以下、単にサーバという)200と、を含む。複数の端末装置100とサーバ200とは、LANなどの伝送路Nで接続され、互いにデータの送受信が可能である。
端末装置100は、データを保持したり利用したりするためのデータ再生装置、記録装置、あるいはこれらの複合機器である。端末装置100の具体例としては、デジタル放送を受信するためのSTB(Set Top Box)、デジタルTV、DVD(Digital Versatile Disc)レコーダ、HDD(Hard Disk Drive)レコーダ、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話などが挙げられる。
サーバ200は、端末装置100から受信したデータを格納したり、端末装置100にデータを提供したりする。具体的には、サーバ200は、HDDなどの記憶媒体を含んで構成され、テープによるデータのバックアップや、RAID(Redundant Arrays Of Inexpensive Disks)などによりクラッシュ耐性に優れたサーバである。
伝送路Nは、具体的には、イーサネット(登録商標)等の有線ネットワークや、無線LANなどの無線ネットワーク、あるいは、これらが複合したネットワークで構成される。なお、著作権で保護されたデータなど通信路上も厳密に管理する必要のあるデータを伝送路Nを通じて装置間で送受信する場合には、セキュリティを確保するため、安全な認証チャネル(Secure Authenticated Channel、以下、SACと記述)を確立してから、データの送受信を行うことが好ましい。SACの確立には、例えばSSL(Secure Socket Layer)やTLS(Transport Layer Security)を利用することができる。
(2)具体例
ここで、本発明について例を挙げて説明する。ユーザAは、端末装置100として、自動車に搭載された車載端末ACTとリビングに設置されたDVDレコーダADとを有しているとする。さらに、ユーザAは、サーバ200としてホームサーバHSを所有しているとする。なお、各装置はネットワークで互いに接続されている。
ステップS1:ユーザAは、対価を支払い、著作権で保護されたデータである映画「マトレックス」を取得し、DVDレコーダADに記録する。
ステップS2:ユーザAは、自動車で外出するとき、映画「マトレックス」をネットワークを介して車載端末ACTにダウンロードする。
ステップS3:帰宅したとき、ユーザAは自動車のエンジンを切り、同時に車載端末ACTの電源をオフにする。このとき、ユーザAが設定していた下記制御情報C1に基づき、映画「マトレックス」はホームサーバHSに転送される。制御情報C1には、転送条件として(1)転送ルール、(2)転送対象条件、(3)転送先条件が含まれている。それぞれの値は、下記の通りである。
制御情報C1
転送ルール:車載端末の電源がオフになるとき
転送対象条件:映画「マトレックス」
転送先条件:ホームサーバHS
ステップS4:ユーザAは、宅内のDVDレコーダADで「マトレックス」を再生しようとする。DVDレコーダADに映画「マトレックス」は存在しないので、DVDレコーダADは制御情報C2に基づいてホームサーバHSにアクセスし、映画「マトレックス」を再度取得する。制御情報C2は、取得条件として、(1)取得ルール、(2)取得対象条件、(3)取得先条件が含まれている。それぞれの値は以下の通りである。
制御情報C2
取得ルール:再生の指示があり、かつ再生対象のデータが存在しないとき
取得対象条件:全ての映画
取得先条件:ホームサーバHS
以上のように、制御情報に基づいて映画「マトレックス」の転送や取得を行うことにより、ユーザはいつでも自分に便利な端末装置100で映画を鑑賞することができる。
<第1実施形態>
[機能構成]
次に、データ処理システムSを構成する端末装置100及びサーバ200の機能構成について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明において、データ識別子とは、データ処理システムSにおいてデータを一意に特定するための情報であり、例えばファイル名やURLが一例としてあげられる。ユーザ識別子とは、データ処理システムSにおいてユーザを一意に特定するための情報である。装置識別子とは、データ処理システムSにおいて端末装置100またはサーバ200を一意に特定する情報であり、MACアドレスやIPアドレスが一例として挙げられる。各装置の装置識別子は、それぞれの装置の不揮発性メモリに記憶されている。本実施形態では、端末装置100a、100b、サーバ200の装置識別子は、下記の通りである。
端末装置100a:TERMINAL−ID−000A
端末装置100b:TERMINAL−ID−000B
サーバ200:HOME−SERVER−0001
(1)端末装置の機能構成
図2は、端末装置100の機能構成を示す機能ブロック図である。端末装置100は、以下の構成要素(a)〜(n)を有している。端末装置100は、HDD等の記憶媒体、CPU、RAM、ROM等を有するデータ処理装置である。各格納部(a)〜(c)は記憶媒体により実現され、各処理部(d)〜(n)はCPUが実行するプログラムによって実現される。なお、記憶媒体に格納されたデータは、別の装置からダウンロードなどにより取得することが可能である。
(a)制御情報格納部111:制御情報を蓄積する。
(b)データ格納部112:データを蓄積する。
(c)転送履歴格納部113:データの転送履歴を格納する。
(d)変化検出部101:センサなどの1以上の検出装置に接続され、所定のイベントを検出する。
(e)検出制御部102:前記制御情報に基づき変化検出部101を制御する。
(f)データ転送部103:データの転送を行う。
(g)データ転送制御部104:前記制御情報に基づきデータ転送部103を制御する。
(h)制御情報取得部105:前記制御情報を、制御情報格納部111またはデータ格納部112から読み出す。
(i)通信部106:サーバ200または他の端末装置100と通信を行う。
(j)データ取得部121:サーバ200または他の端末装置100からデータを取得する。
(k)データ取得制御部122:前記転送履歴に基づき、データ取得部121を制御する。
(l)蓄電部123:データを転送または取得するための電力を蓄える。
(m)蓄電量算出部124:蓄電部123が蓄えるべき電力量を算出する、
(n)制御情報生成部300:ユーザからの入力を受け付け、ユーザからの入力に基づき制御情報を生成し、制御情報を制御情報格納部111に格納またはデータ格納部112のデータに付与する。
(2)サーバの機能構成
図3は、サーバ200の詳細な構成を示す機能ブロック図である。サーバ200は、以下の構成要素(a)〜(e)を有している。サーバ200は、HDD等の記憶媒体、CPU、RAM、ROM等を有するデータ処理装置である。格納部(a)は記憶媒体により実現され、各処理部(b)〜(e)はCPUが実行するプログラムによって実現される。
(a)データ格納部211:データを蓄積する。
(b)データ要求受信部201:端末装置100からのデータ取得要求を受信する。
(c)データ転送部202:前記データ取得要求に応じ、データ格納部211に保持するデータを転送する。
(d)データ受信部203:端末装置100からデータを受信し、データ格納部211に格納する。
(e)通信部204:他の端末装置100と通信を行う。
[データ処理システムで記憶されている情報]
次に、データ格納部112,211、制御情報格納部111及び転送履歴格納部113に格納されている情報について説明する。さらに、制御情報について詳しく説明する。
(1)データ格納部
図4は、端末装置100のデータ格納部112及びサーバ200のデータ格納部211に蓄積される情報の概念説明図である。データ格納部112,211には、データ識別子とデータとが対応付けられて蓄積されている。図4は、例えば、データ識別子「DATA−ID−0001」はデータ「DATA−0001」と対応付けられていることを示す。データとは、転送や取得などの通信処理の対象となるデータである。データには、後述するように、制御情報が付加されている場合がある。
データについて、具体例を挙げて説明する。事業者が作成するデータとして、音楽、映像、ゲーム等といった「事業者コンテンツ」、事業者コンテンツを使う権利である「ライセンス情報」、「コンピュータ端末の機能を実現するモジュール(プログラム)」、装置間の認証などに用いる「暗号鍵」などがある。また、個人ユーザが作成するデータとして、「個人的な予定表」、「コンピュータ端末の設定ファイル」、デジタルカメラの家族写真などの「個人コンテンツ」などがある。一般に、前者は著作権などで保護されており複製が制限されている。後者は個人的なデータのため複製が制限されない。なお、後者でも、プライバシー保護の観点から家族写真などの複製を制限することもある。
端末装置100のデータ格納部112へのデータ登録は、端末装置100が、インターネット、デジタル放送またはパッケージメディア等を通じて外部からデータを取得する際に、前記データと前記データのデータ識別子とが関連付けてデータ格納部112,211に格納されることにより行われる。
サーバ200のデータ格納部211へのデータ登録は、例えば端末装置100からサーバ200へのサーバの転送により行われる。
(2)制御情報格納部
図5は、端末装置100の制御情報格納部111に蓄積されている情報の概念説明図である。制御情報格納部111には、データ識別子と制御情報識別子とが対応付けられて蓄積されている。制御情報識別子は、制御情報を特定する。これにより、データと独立に記憶されている制御情報とデータとを関連付け、端末装置単位で制御情報を管理することができる。また、制御情報格納部111には、制御情報が蓄積されている。制御情報は、データの転送や取得などの通信処理を制御するための情報である。制御情報については詳細を後述する。
例えば、図5は、データ識別子「DATA−ID−0001」のデータに対し、制御情報識別子「CONTROL−INFO−0001」の制御情報が対応することを示す。また、データ識別子「DATA−ID−0002」のデータ及びデータ識別子「DATA−ID−0003」のデータに対し、制御情報識別子「CONTROL−INFO−0002」の制御情報が対応していることを示す。
制御情報格納部111への制御情報の登録は、制御情報の生成により行われる。
(3)転送履歴格納部
図6は、端末装置100の転送履歴格納部113に蓄積されている情報の概念説明図である。転送履歴格納部113には、データ識別子、装置識別子、転送日時が対応付けられて記憶されている。例えば、転送したデータを再度取得しようとする時に、転送履歴を参照することにより、取得先を容易に特定することができる。例えば、図6は、データ識別子「DATA−ID−0001」のデータは、装置識別子「TERMINAL−ID−0001」の端末装置100に、2004年2月13日12時12分12秒に転送されたことを示している。
転送履歴格納部113へのデータ登録は、端末装置100がサーバ200または他の端末装置100にデータを転送する転送処理の実行により行われる。
なお、本実施形態では、通信処理履歴として転送履歴を蓄積しているが、同様に取得したデータについての履歴を蓄積しておき、再度転送/取得するときに参照しても良い。
(4)制御情報
(4−1)制御情報の構造の概要
図7は、データの通信処理を制御するための制御情報の構造の概念説明図である。制御情報は、データと共にデータ格納部112に蓄積されているか、データとは独立に制御情報格納部111に蓄積されている。
制御情報は、通信処理ルールと通信処理対象条件と通信先条件とを含む。通信処理ルールとは、データの通信処理を実行するか否かを判断するための条件である。通信処理対象条件とは、通信処理ルールを満たしたときに通信処理を施すデータを特定するための条件である。通信先条件とは、データの通信処理を行う通信相手を特定するための条件である。
本実施形態では、通信処理として、データの転送と取得の2つを想定し、転送処理と取得処理とで通信処理ルールを共有している。つまり、転送対象条件及び転送先条件と、取得対象条件及び取得先条件とが、それぞれ同じ通信処理ルールに対応付けられている。もちろん、通信処理ルールと通信対象条件と通信先条件との対応付を、通信処理の種別毎に行っても良い。また、必ずしも複数種類の通信処理をデータ処理システムSで行わなくてもよい。
(4−2)全体構造の具体例
再び図7を参照し、制御情報のデータ構造について具体的に説明する。本実施形態では、制御情報C100は階層構造を有している。制御情報C100の第1層は、以下の情報(a)〜(d)を含む。
(a)制御情報識別子C101:制御情報C100を一意に特定する。
(b)検出制御情報リストC102:通信処理の実行の契機である通信処理ルールの記述を含む。すなわち、制御情報C100と関連付けられたデータに対する通信処理を開始するための条件が記述される。具体的には、端末装置100の変化検出部101が検出する1以上のイベントの組み合わせで定義される転送ルールや取得ルールが記述される。
(c)転送制御情報リストC103:データの転送処理の制御内容が設定される。少なくとも転送先条件を含み、好ましくは転送対象条件と転送後処理の記述とを含む。
(d)取得制御情報リストC104:データの取得処理の制御内容が設定される。少なくとも取得対象条件と取得先条件とを含み、好ましくは取得後処理の記述を含む。
(4−3)検出制御情報
検出制御情報リストC102は、1つ以上の検出制御情報C111を含む。各々の検出制御情報C111は、以下の情報(b1)〜(b3)を含む。
(b1)検出制御情報識別子C121:検出制御情報C111を一意に特定する。
(b2)検出内容リストC122:端末装置100の変化検出部101により検出可能な1以上のイベントの組み合わせが記述される。
(b3)処理識別子C123:制御情報C100において、検出内容リストC122を満たした場合に実行する処理内容へのポインタが記述される。この例では、後述する転送制御情報C131または取得制御情報C151へのポインタが記述される。
上記検出内容リストC122について、さらに詳しく説明する。検出内容リストC122は、検出手段識別子C124と検出条件C125との1以上の組を含む。各検出手段識別子C124は、イベントを検出するセンサを一意に特定する。各検出条件C125には1つのイベントが記述される。このイベントは、対をなす検出手段識別子C124により特定されるセンサが検出するイベントである。検出内容リストC122に含まれる1以上の検出条件C125の組み合わせ、すなわち1以上のイベントの組み合わせが、通信処理を実行するか否かを判断するための通信処理ルールになる。検出されるイベントの具体例を下記に列挙する。
例1:電源供給の遮断を検出するセンサが端末装置100に接続されている場合
「検出手段識別子C124:電源状態検出手段、検出条件C125:電源OFF」
例2:電源供給の遮断を検出するセンサが端末装置100に接続されている場合
「検出手段識別子C124:バッテリー残量検出手段、検出条件C125:残存容量25%以下」
例3:距離を測定するセンサが端末装置100に接続されている場合
「検出手段識別子C124:RF(Radio Frequency)タグとの物理的距離測定手段、検出条件C125:ユーザAのPDAとの距離50cm以下」
例4:距離を測定するセンサが端末装置100に接続されている場合
「検出手段識別子C124:RFタグとの物理的距離測定手段、検出条件C125:ユーザAの車庫との距離2m以下」
例5:故障検出センサが端末装置100に内蔵されている場合
「検出手段識別子C124:故障検出手段、検出条件C125:データ格納部の格納エラー10%以上」
例6:CPUの使用率を端末装置100が監視している場合
「検出手段識別子C124:プロセス監視手段、CPU使用率:90%以上」
例7:ネットワークとの接続状態を端末装置100が検出している場合
「検出手段識別子C124:電波検出手段、検出条件C125:無線LANアクセスポイントからの電波受信不能」
例8:ネットワークとの接続状態を端末装置100が検出している場合
「検出手段識別子C124:レスポンス時間測定手段、検出条件C125:特定の装置へのデータ転送におけるレスポンスが10msec以上」
例9:ネットワークとの接続状態を端末装置100が検出している場合
「検出手段識別子C124:トラフィック検出手段、検出条件C125:単位時間あたりのトラフィック増大率が20%以上」
以上のようなイベントの組み合わせで、通信処理ルールが定義される。なお、通信処理ルールを満足するか否かの判断は、通信処理ルールを定義する全てのイベントが生じたかどうかにより判断することができる。また、イベントのうち所定割合以上のイベントが生じたら、通信処理ルールが満たされたと判断しても良い。
(4−4)転送制御情報及び取得制御情報
転送制御情報リストC103は、1以上の転送制御情報C131を含む。各々の転送制御情報C131は、以下の情報(c1)〜(c4)を含む。
(c1)処理識別子C141:転送制御情報リストC103において、転送制御情報C131を一意に特定する。
(c2)転送対象条件C142:転送処理の対象となるデータを特定する条件が記述される。
(c3)転送先条件C143:転送対象データの転送先を特定する条件が記述される。
(c4)転送後処理C144:転送処理完了後の転送処理対象データに対する処理内容が記述される。
同様に、取得制御情報リストC104は、1以上の取得制御情報C151を含む。各々の取得制御情報C151は、以下の情報(d1)〜(d4)を含む。
(d1)処理識別子C161:取得制御情報リストC104において、取得制御情報C151を一意に特定する。
(d2)取得対象条件C162:取得処理の対象となるデータを特定する条件が記述される。
(d3)取得先条件C163:取得対象データの取得先を特定する条件が記述される。
(d4)取得後処理C164:取得処理完了後の取得処理対象データに対する処理内容が記述される。
(4−4−1)転送対象条件・取得対象条件
転送対象条件C142について、さらに詳しく説明する。転送対象を特定する条件としては、データ処理装置端末装置100やサーバ200の外部において予めデータに付与または関連付けられている情報の記述が挙げられる。例えば、「データ識別子」、「ユーザ識別子」、「データ種別」、「著作権の有無」、「データの信頼度」が挙げられる。
また、別の転送対象条件の記述として、端末装置100やサーバ200データ処理装置の内部処理において付与または関連付ける情報の記述が挙げられる。例えば、「データの転送/取得履歴」、「データの購入履歴」が挙げられる。「データの取得履歴」には、取得時刻、取得先装置の識別子、取得先装置の信頼度などが記述される。具体例としては、「取得履歴があるデータ」、「信頼度3以上の装置から取得したデータ」、「コンテンツ販売店Cから購入したデータ」などが挙げられる。
さらに別の転送対象条件の記述として、データ処理装置端末装置100やサーバ200における状況に基づく記述が挙げられる。例えば、「自端末が保持するデータ」、「自端末に関連するデータがないデータ」が一例として挙げられる。自端末に関連するデータがないデータとは、例えばデータコンテンツにリンクしたライセンス情報がないデータである。
これらの組み合わせによる転送対象条件の記述としては、例えば「取得履歴があり、取得から1日以上経過したデータ」が挙げられる。
以上、転送対象条件C142について説明したが、取得対象条件C162についても同様である。
(4−4−2)転送先条件・取得先条件
転送先条件C143には、転送対象データの転送先となる装置を特定する情報が記述される。転送先条件は、1つの装置を特定する情報でもよいし、複数の装置を特定する情報であっても良い。1つの装置を特定する情報としては、装置識別子、IPアドレス、装置の通信部のMACアドレスなどが挙げられる。
複数の装置を特定する情報としては、装置を所有するユーザを特定するユーザ識別子、装置が属するネットワークを示すネットワーク識別子、装置が保持する機能を示す機能識別子などが挙げられる。その他の転送先条件として「ネットワーク上の距離が最短の装置」、「物理的距離が最短の装置」、「処理時間が最短ですむと判断される装置」なども考えられる。
転送先条件に複数の装置が該当する場合、端末装置100は最初に検出した装置に対して転送することができる。また、転送先の装置に優先順位を設定し、優先順位の高い装置に転送しても良い。転送先には自端末の記憶媒体も含み、記憶媒体種別により書き出し先を特定することができる。具体的には、HDD、SD(Secure Digital)カードなどである。
以上、転送先条件C143の記述について説明したが、取得先条件C163の記述についても同様である。
(4−4−3)転送後処理・取得後処理
転送後処理C144には、転送処理中または転送処理が完了した後に、転送対象データについて行う後処理が記述される。
後処理の一例として、「転送済みデータの削除」、「転送済みデータの無効化」、「転送済みデータのロック」などを後処理として記述することが挙げられる。これらの後処理の実行により、転送したデータが同時に複数の装置で利用されることを防ぐことができる。
また例えば、別の後処理として、「自端末の主機能ブロックへの電源供給の停止」が挙げられる。この後処理の実行により、ユーザが行うべき操作を自動的に行い、ユーザの利便性を高めることができる。
以上、転送後処理C144について説明したが、取得後処理C164についても同様である。
[データ処理システムの機能]
次に、制御情報に基づいて処理を行うデータ処理システムSの機能について説明する。本実施形態に係るデータ処理システムSの機能は、(1)制御情報の生成及び検出の準備処理、(2)データの転送処理、(3)データの取得処理、(4)電源処理の4つに大別できる。
(1)制御情報の生成及び検出の準備処理
制御情報の生成及び検出の準備処理は、1)ユーザ入力の受け付け、2)制御情報の生成・格納、3)検出準備の3段階に大別できる。以下、各段階について、順を追って詳述する。
(1−1)ユーザ入力の受け付け
端末装置100の制御情報生成部300は、ユーザから制御情報の自動処理設定の指示を受け付け、制御情報の生成に必要な情報の入力を受け付ける画面を表示する。制御情報の生成は、ユーザ入力に基づいて行うことが好ましい。ユーザの意図に沿ったデータ自動移動を実現するためである。図8〜図10は、制御情報生成部300が出力する制御情報入力画面の一例である。図8に示すメニュー画面は、「転送設定」または「取得設定」のいずれかの選択を受け付ける。もしも「転送設定」が選択されれば、図9に示す入力画面が表示される。「取得設定」が選択されれば、図10に示す入力画面が表示される。図9及び図10の入力はほぼ同様であるので、図9の転送設定入力画面を例に取り説明する。
図9に示す画面は、「制御範囲」、「転送ルール」、「転送対象」及び「転送先」の設定を、プルダウンメニューからの選択により受け付ける。「制御範囲」のプルダウンメニューには、例えば「端末装置の全てのデータ」、「フォルダ××内の全てのデータ」、「データ識別子」などが表示される。また、データの付加情報、例えばタイトル、氏名などが表示されても良い。
「転送ルール」は、前述の通信処理ルールに相当し、転送処理を定義する1または複数のイベントの組み合わせが記述される。「転送ルール」のプルダウンメニューには、例えば、「電源OFF」、「他の装置との物理的距離が規定値を超える」などのイベントが表示される。例えばイベント「他の装置との物理的距離が規定値を超える」が選択されると、制御情報生成部300は、「他の装置」を特定する情報や「規定値」の入力をさらに受け付ける。
「転送対象」には、制御範囲中のデータであって転送対象となるデータの条件が記述される。例えば、「保持する全データ」、「取得履歴のあるデータ」などがプルダウンメニューに表示される。設定された転送対象と制御範囲との組み合わせが、制御情報中の転送対象条件を特定する。なお、「制御範囲」としてデータ格納部112が保持するデータの一部が指定されている場合には、「保持する全データ」の選択を受け付けないなどの制御を行っても良い。
「転送先」には、データの転送先が記述される。転送先のプルダウンメニューには、サーバ200や同じネットワーク内の他の端末装置が表示される。制御情報生成部300は、端末装置100が通信可能な装置を検索し、プルダウンメニューに加えることにより動的にプルダウンメニューを生成してもよい。プルダウンメニューへの装置の登録方法として、装置を識別するRFタグをカードリーダなどで読み取ることにより、プルダウンメニューに新たな装置を追加しても良い。さらに、制御情報生成部300は、ユーザが選択した装置との通信が行えるかを確認し、通信できない場合はユーザに通知して転送先の再設定を促しても良い。
図9及び図10では、転送後処理や取得後処理の設定を示していないが、これらの処理の設定を受け付けるフィールドを画面上に設け、後処理の設定を受け付けることが好ましい。
図8〜10では、全ての制御情報を一から生成する場合を説明したが、何らかの方法でデフォルト値を入力した入力画面を表示し、変更部分が必要な部分のみユーザに編集させることにより、入力の手間を簡素化することもできる。デフォルト値としては、前回生成した制御情報の値や、所定のテンプレートに設定された値を用いることができる。さらに、ユーザ入力に抜けがある場合を想定し、ユーザ毎にテンプレートやデフォルト値を設定しておくと、ユーザ入力を補充できるので好ましい。また、転送先の装置の負荷軽減の観点から、同一の装置への転送処理を設定した制御情報C100に対応するデータが一定数を超えると、制御情報生成部300が警告を出力することもできる。前記制御情報C100に対応するデータの数は、自端末の制御情報格納部111及びデータ格納部112を検索したり、他の端末装置100に問い合わせることにより取得可能である。
(1−2)制御情報の生成・格納
制御情報生成部300は、入力された情報に基づいて、制御情報C100を生成する。図9の転送設定入力画面における入力を元に制御情報を生成する場合を例に取り、説明する。「転送ルール」の設定内容に基づいて、制御情報C100の検出手段識別子C124と検出条件C125とが生成される。「転送対象」の設定内容に基づいて、制御情報C100の転送対象条件C142が生成される。「転送先」に基づいて、制御情報C100の転送先条件C143が生成される。転送後処理の設定入力があった場合はその内容に基づいて転送後処理C144が生成される。入力がなかった場合は、例えば転送対象データのデータ種別に基づき転送後処理を決定することができる。データ種別に基づく転送後処理C144の設定とは、例えば、データ種別が「著作権有り」の場合に「転送済みデータの削除」を設定することが挙げられる。
次に、制御情報生成部300は、生成した制御情報C100を格納する。格納場所は、ユーザが入力した情報またはデータ種別に基づき、決定する。格納場所が制御情報格納部111の場合、制御情報生成部300は、設定入力された「制御範囲」から前記制御情報C100と関連付けるデータを特定し、そのデータのデータ識別子からなるデータ識別子リストを作成する。さらに、制御情報生成部300は、前記データ識別子リスト中のデータ識別子と制御情報C100との対応付け及び制御情報C100を、制御情報格納部111に格納する。格納場所がデータ格納部112の場合、制御情報生成部300は、前記データ識別子で特定されるデータをデータ格納部112から読み出す。さらに、制御情報生成部300は、前記制御情報C100に対応するデータ識別子の数だけ制御情報C100を複製し、読み出したデータそれぞれに付与する。その後、制御情報生成部300は、制御情報付与済みデータを、データ格納部112に格納する。
(1−3)検出準備
制御情報生成部300は、制御情報C100の格納後、制御情報C100の格納場所と共に制御情報の生成を検出制御部102に通知する。検出制御部102は、この通知を受け取ると、通知された格納場所から制御情報C100を読み出す。検出制御部102は、制御情報C100から検出制御情報C111を抽出し、検出制御情報C111に含まれる検出手段識別子C124を抽出する。さらに、検出制御部102は、抽出した検出手段識別子C124に対応する変化検出部101に対し、検出条件C125、制御情報識別子C101及び検出制御情報識別子C121を送信する。これを受けた変化検出部101は、受け取った情報を記憶し、記憶した検出条件C125に合致するイベントの検出に備える。
例えば、検出制御部102は、変化検出部「電源状態検出手段」に対し、検出条件「電源OFF」、制御情報識別子「CONTROL−INFO−ID−0001」及び検出制御情報識別子「DETECT−ID−0001」を送信する。また、検出制御部102は、別の変化検出部「RFタグとの物理的距離測定手段」に対し、検出条件「ユーザAの車庫との距離2m以下」、制御情報識別子「CONTROL−INFO−ID−0001」及び検出制御情報識別子「DETECT−ID−0001」を送信する。すると、2つの変化検出部「電源状態検出手段」及び「RFタグとの物理的距離測定手段」は、それぞれ検出条件を記憶し、検出条件に合致するイベントの発生を待機する。
(2)データの転送処理
データの転送処理は、1)イベントの検出、2)転送の要否判定、3)転送対象データの取得及び制御情報の特定、4)データ転送先及び転送順序の特定、5)データの転送、6)後処理の6段階に大別できる。以下、各段階について順を追って詳述する。また、転送先が行う処理についても併せて説明する。
(2−1)イベントの検出
いずれかの変化検出部101は、記憶している検出条件C125を満たすイベントを検出する。ついで、その変化検出部101は、記憶している制御情報識別子C101及び検出制御情報識別子C121と、自らを特定する検出手段識別子とを、データ転送制御部104に検出通知として送信する。
データ転送制御部104は、検出通知を受け取ると、受け取った制御情報識別子C101をキーとして制御情報C100を特定し、これを取得する。つまり、データ転送制御部104は、制御情報識別子C101をキーに制御情報格納部111及びデータ格納部112を検索し、制御情報C100を取得する。なお、変化検出部101が制御情報C100の格納場所を記憶しておき、イベント検出時にデータ転送制御部104にこれを送信することもできる。
なお、検出制御情報C111の検出内容リストC123に2つ以上の検出条件C125が含まれる場合、同一の検出制御情報C111についての複数の検出通知が、短時間にデータ転送制御部104に集中的に送信される可能性がある。これを防止するため、データ転送制御部104は、制御情報識別子C101と、検出制御情報識別子C121と、検出手段識別子と、転送要否判定を行った時刻と、を履歴として保持し、一定期間内に検出通知を再受信した場合はその検出通知については後述する転送要否判定を行わなくても良い。
(2−2)転送の要否判定
データ転送制御部104は、検出通知に含まれる検出制御情報識別子C121をキーとして、制御情報C100から検出制御情報C111を特定する。さらに、データ転送制御部104は、特定した検出制御情報C111内の検出内容リストC122に含まれる検出手段識別子C124と、前記検出通知に含まれる検出手段識別子と、に基づいてデータの転送を行うか否かを判定する。両者が一致しない場合、転送処理を行わないと判定する。ここで、検出内容リストC122が複数の検出手段識別子C124及び検出条件C125を含む場合は、データ転送制御部104は、全ての検出条件を満たすかどうか、すなわち転送ルールを定義する全てのイベントが生じたかどうかにより、転送処理の要否を判定することができる。
転送処理の要否の判定について、さらに詳述する。データ転送制御部104は、特定した検出制御情報C111内の検出内容リストC122から、検出手段識別子C124及び検出条件C125の組を抽出し、検出制御部102に送信する。検出制御部102は、これを受け取ると、検出手段識別子C124をキーとして変化検出部101を特定する。さらに検出制御部102は、特定した変化検出部101について検出条件C125を満たしているか否かの判定を行い、判定結果をデータ転送制御部104に送信する。データ転送制御部104は、1以上の変化検出部101からの判定結果に基づいて、転送ルールを定義するイベントのうちどれが発生したのかを判断する。
例えば、変化検出部「電源状態検出手段」からデータ転送制御部104に「電源OFF」の通知があったとする。データ転送制御部104は、制御情報C100を検索し、転送ルールを定義するもう1つの検出ルール「RFタグとの物理的距離測定手段:ユーザAの車庫との距離2m以下」を、検出制御部102に通知する。検出制御部102は、検出手段識別子をキーとして変化検出部「RFタグとの物理的距離測定手段」を特定し、「RFタグとの物理的距離測定手段」に対して「ユーザAの車庫との距離2m以下」を満たしているか否か確認し、確認結果をデータ転送制御部104に渡す。データ転送制御部104は、確認結果に基づいてデータ転送処理の要否を判定する。
なお、データ転送制御部104は、各々の変化検出部101からの検出通知を受動的に待ち、転送ルールを定義する全てのイベントの発生を確認した場合に以降の処理を行うこともできる。
さらに、ここでは、検出内容リストC122に複数の検出手段識別子C124及び検出条件C125が含まれる場合、各々の検出条件をAND条件で解釈することを想定しているが、検出内容リストC122に複数の検出条件の論理演算関係を特定する論理演算情報を含み、前記論理演算情報に基づき転送ルールを解釈しても良い。
(2−3)転送対象データの取得及び制御情報の特定
次に、データ転送制御部104は、検出制御情報C111に含まれる処理識別子C123をキーとして、対応する転送制御情報C131を取得する。さらにデータ転送制御部104は、前記転送制御情報C131に基づいて転送対象条件C142を取得し、転送対象条件C142を満たすデータを特定する。なお、特定した前記データが利用中の場合は、データの転送を中止しても良いし、利用を強制的に終了して転送処理を行うとしても良い。また、転送対象となるデータが端末装置100内に存在しない場合は、データの転送を中止する。
データ転送制御部104は、特定したデータに対して、他の制御情報C100が関連付いていないか否かを、制御情報格納部111及びデータ格納部112を参照して確認する。例えば、端末装置100が保持する全データに関連付けられた制御情報C100と、データ毎に関連付けられた制御情報C100と、の両方があるデータについて存在する場合があるからである。この場合、データ転送制御部104は、いずれの制御情報が従うべき制御情報かを判断する。例えば、制御情報C100の生成時刻が最も早いものまたは遅いものを、従うべき制御情報C100としても良い。また、制御情報生成時に制御情報毎に優先度を設定し、優先度が高い制御情報を従うべき制御情報としても良い。さらに、制御情報C100の内容から従うべき制御情報C100を特定することもできる。例えば、検出制御情報C111のエントリ数が多いまたは少ない制御情報C100に従うことができる。さらに例えば、処理中の制御情報を、従うべき制御情報とすることもできる。
従うべき制御情報C100が処理中の制御情報C100でない場合、データ転送制御部104は対象データに対する転送処理を中止する。なぜなら、別の制御情報について転送ルールを満たすか否かは不明だからである。また、別の制御情報の転送ルールを満たす場合には、対応する変化検出部101からデータ転送制御部104に対し、検出通知があるからである。データ転送制御部104は、従うべき制御情報C100の確認を、転送対象として特定したデータそれぞれに対して行い、処理中の制御情報C100が従うべきものであると判断されたデータに対してのみ、転送処理を続行する。
(2−4)データ転送先及び転送順序の特定
次に、データ転送制御部104は、転送制御情報C131から転送先条件C143を取得し、転出対象となるデータの転送先を特定する。次いで、データ転送制御部104は、転送対象データのデータ識別子と転送先の装置を一意に識別する装置識別子などとを、データ転送部103に渡す。転送対象のデータが複数ある場合は、各データについて、データの識別子と装置識別子などとをデータ転送部103に渡す。データの数だけ、上記処理を繰り返す。なお、転送対象データ及び転送先が複数ある場合、全てのデータをいずれか1の転送先に転送しても良いし、複数の転送先に分散させて送信して転送先の負荷を軽減するのも良い。
次に、複数のデータを転送する場合の転送順序について説明する。検出条件によっては、イベント発生後短時間の間に通信機能が使えなくなる場合が想定される。例えば、イベントが「電源OFF」や「電波状態の悪化」の場合である。そこで、複数のデータの転送に順序を付け、転送の効率化を図ることが好ましい。例えば、転送対象となっているデータのデータ量に応じて送信順序を決定することができる。また例えば、転送対象となっているデータの内容に応じて送信順序を決定することができる。具体的には、転送対象データとして「デジタルコンテンツ」と「ライセンス情報」とがある場合、「ライセンス情報」を先に転送することが好ましい。「デジタルコンテンツ」は、インターネットなどで容易に取得が可能だからである。さらに例えば、データごとに転送のための優先順位を設定しておき、優先順位の高いデータから送信するとしても良い。
なお、転送対象となっている全てのデータの転送が完了しないうちに通信機能が使えなくなった場合、通信機能が復活したときに残りのデータを転送すると、電波状態が不安定な場所での携帯電話などで有効である。
(2−5)データの転送
データ転送部103は、データ識別子及び装置識別子を取得すると、データ識別子をキーとしてデータ格納部112からデータを取得し、通信部106を通じてデータ転送先にデータを送信する。
なお、端末装置100の通信部106が無線LAN、有線LANなど複数の通信手段を持つ場合、いずれかの通信手段を選択してデータを転送する。転送対象データが一つの場合、複数の通信手段から「通信品質が良いネットワーク」や「通信速度が速いネットワーク」、「消費電力が少ないネットワーク」に接続する通信手段を選択する。転送対象データが複数の場合、蓄電部123の蓄電量やネットワーク状態を加味し、複数経路を組み合わせて多くのデータ転送が可能な通信手段を選択する。
なお、転送先にデータを送信できない場合、近くのオンライン環境にある装置に転送しても良いし、処理を終了しても良い。また、自端末装置100が保持する記憶媒体にデータを書き出しても良い。この場合、転送対象データと共に転送先の装置識別子を記録媒体に書き出しておけば、記憶媒体をオンライン環境の装置に接続することで転送処理を継続することもできる。また、転送先にデータを転送できない場合、予め指定されている装置に転送しても良い。
(2−6)後処理
端末装置100の通信部106は、サーバ200からデータを受信した旨の終了通知を受信すると、データ転送部103にその旨を通知する。データ転送部103は、転送制御情報C131から転送後処理C144を取得し、転送したデータに対する後処理が必要か否か判定する。後処理が必要な場合、データ転送部103は、転送後処理C144に設定された処理を行う。例えば、転送後処理C144「転送済みデータの削除」が設定されている場合、転送済データをデータ格納部112から削除する。また例えば、転送後処理C144「転送済みデータのロック」が設定されている場合、転送済データを利用不可能な状態にロックする。
最後に、データ転送部103は、転送を完了したデータのデータ識別子と、転送先識別子と、転送時刻と、を転送履歴格納部113に格納する。
(2−7)受信側の処理
サーバ200は、通信部204を通じてデータを受信する。データ受信部203は、受信したデータをデータ格納部211に格納する。データの格納処理が完了すると、サーバ200は、送信元の端末装置100に対し、通信部204を通じて正常終了通知を送信する。サーバ200は、受信したデータのデータ格納部211への格納が完了するごとに、各データのデータ識別子を含む正常終了通知を端末装置100に送信してもよい。これを受信した端末装置100は、正常終了通知に含まれるデータ識別子に対応するデータに対し、次々に後処理を実行できる。
(3)データの取得処理
データの取得処理は、1)イベントの検出、2)取得の要否判定及び制御情報の特定、3)取得対象データの特定、4)データ取得先及び取得順序の特定、5)データの取得、6)後処理、の6段階に大別できる。以下、各段階について順を追って詳述する。また、取得先が行う処理についても併せて説明する。以下の処理において、データ転送処理と同様の処理については同様に行うことができる。
(3−1)イベントの検出
変化検出部101は、記憶していた検出条件C125を満たすイベントを検出すると、制御情報識別子C101及び検出制御情報識別子C121と、自らを特定する検出手段識別子とを、データ取得制御部122に検出通知として送信する。
(3−2)制御情報の特定及び取得の要否判定
データ取得制御部122は、検出通知を受け取ると、制御情報識別子C101をキーとして制御情報C100を検索し、取得する。次いで、データ取得制御部122は、検出通知中の検出制御情報識別子C121をキーとして制御情報C100から検出制御情報C111を特定する。さらに、データ取得制御部122は、検出制御情報C111の検出手段識別子C124と検出通知中の検出手段識別子とを比較し、両者が一致しない場合は取得処理を中断する。
(3−3)取得対象データの特定
次に、データ取得制御部122は、検出制御情報C111に含まれる処理識別子C123をキーとして、取得制御情報リストC104から対応する取得制御情報C151を検索し、取得する。データ取得制御部122は、取得した取得制御情報C151から取得対象条件C162を抽出し、取得対象条件C162を満たすデータを特定する。
例えば、取得対象条件C162として「端末装置100が1時間以内に他の装置に転送したデータ」が記述されている場合を考える。この場合、データ取得制御部122は、制御情報C100に関連付けられたデータのうち、転送履歴格納部113の転送日時が取得対象条件を満たすデータ識別子とその転送先の装置識別子とを特定する。
(3−4)データの取得
次いで、データ取得制御部122は、データ取得部121に取得対象のデータ識別子及び装置識別子を渡す。データ取得部121は、前記データ識別子を含む取得要求を、装置識別子で特定される取得先に送信する。データ取得部121は、取得要求に対する転送メッセージを待機し、これを受信するとデータ及びデータ識別子を抽出する。さらに、データ取得部121は、データ識別子とデータとを対応付けてデータ格納部112に格納する。
(3−5)後処理
データの取得処理においても、データ転送処理と同様に、データの取得後に後処理を行うとしても良い。例えば、取得したデータの再生の開始などである。
(3−6)取得先の処理
次に、前記取得要求を受信した端末装置100またはサーバ200における処理について説明する。一例として、サーバ200が取得要求を受信した場合を例に取る。サーバ200は、通信部204を通じてデータの取得要求を受信する。データ要求受信部203は、受信情報からデータ識別子を抽出し、これをデータ転送部202に渡す。データ転送部202は、渡されたデータ識別子をキーにデータ格納部211を検索し、転送対象となるデータを読み出す。読み出されたデータは、データ転送部202により通信部106を通じて要求元の端末装置100に送信される。
なお、サーバ200におけるデータ転送処理においても、データに付与されている制御情報またはサーバ200が保持する制御情報に従い、転送後の後処理を行うことができる。
なお、端末装置100が取得要求を処理する場合、サーバ200と同様の機能構成を端末装置100に設けておく。
(4)電源処理
電源処理機能は、電源供給の遮断の検出または遮断を予測が可能な端末装置100が具備することが好ましい機能である。電源処理では、電源の供給が遮断したときに行うべき通信処理に必要な蓄電量を算出し、必要な蓄電量を蓄電部123に蓄える。
蓄電量算出部124は、制御情報格納部111またはデータ格納部112から制御情報C100を読み出す。次に、蓄電量算出部124は、電力供給の遮断に関係する検出制御情報C111を抽出する。すなわち、検出手段識別子C124及び検出条件C125が電力供給の遮断に関係している検出制御情報C111を抽出する。次に、蓄電量算出部124は、抽出した検出制御情報C111の処理識別子C123から、対応する転送制御情報C131または取得制御情報C151を特定する。蓄電量算出部124は、特定した転送制御情報C131または取得制御情報C151から、転送処理または取得処理に必要な電力を算出する。例えば、転送対象となるデータの数や使用する通信手段、記録媒体への書き込み手段の消費電力などに基づいて、電力値を算出する。
蓄電量算出部124は、端末装置100が保持する制御情報C100のうち、電力供給に関係するもの全てについて、消費電力値を算出する。算出した値のうち最大値が蓄電部123に送信される。蓄電部123は、送信された値に従い蓄電する。
電源処理により、端末装置100は、蓄えるべき電力を蓄電部123に蓄えているので、電力供給が遮断されても確実にデータの転送処理を完了することができる。
[処理の流れ]
次に、本発明のデータ処理システムSで実行される各処理の流れについて、図面を用いて説明する。
(1)制御情報の生成及び検出の準備処理
図11は、端末装置100が実行する制御情報の生成及び検出の準備処理の流れの一例を示すフローチャートである。この例では、ユーザ入力に基づいて制御情報を生成する場合を例にとって説明する。この処理により、ユーザ入力に基づいて制御情報が生成され、さらに端末装置100は生成された制御情報に基づいて所定のイベントの検出が可能な状態になる。
ステップS1001:制御情報生成部300は、制御情報生成指示を受け付け、ユーザに対して制御情報の生成に必要な情報の一覧を表示し、ユーザの入力を受け付ける。
ステップS1002:制御情報生成部300は、入力された情報に基づいて、制御情報C100を生成する。
ステップS1003:制御情報生成部300は、ユーザが入力した情報またはデータ種別に基づいて、制御情報C100を端末装置100に関連付けて格納するのか、データに関連付けて格納するのかを決定する。
ステップS1004:制御情報C100を端末装置100に関連付けて蓄積する場合、制御情報生成部300は、データ識別子と制御情報C100との対応付及び制御情報C100を、制御情報格納部111に格納する。
ステップS1005:制御情報生成部300は、制御情報C100の格納後、制御情報C100の格納場所と共に制御情報の生成を検出制御部102に通知する。
ステップS1006:検出制御部102は、この通知を受け取ると、通知された格納場所から制御情報C100を読み出す。
ステップS1007:検出制御部102は、抽出した検出手段識別子C121に対応する変化検出部101に対し、検出条件C125、制御情報識別子C101、検出制御情報識別子C121を送信する。すなわち、検出すべきイベントと、そのイベントが生じたら実行すべき処理内容が記述されている場所と、を変化制御部101に記憶させる。
ステップS1008:変化検出部101は、検出条件C125、制御情報識別子C101、検出制御情報識別子C121を記憶し、記憶した検出条件C125に合致するイベントの検出に備える。
ステップS1021:前記ステップS1003において、制御情報C100をデータ格納部112に格納すると判断した場合、ステップS1021に移行する。制御情報C100をデータに付与する場合、制御情報生成部300は、前記データ識別子で特定されるデータをデータ格納部112から読み出す。
ステップS1022:制御情報生成部300は、制御情報C100に対応するデータ識別子の数だけ制御情報C100を複製し、読み出したデータそれぞれに付与する。
ステップS1023:制御情報生成部300は、制御情報付与済みデータを、データ格納部112に格納する。
以上により、制御情報の生成及び格納並びにイベントの検出準備が実行される。ユーザ入力に基づいてこの処理を行うことにより、ユーザの意図に沿った通信処理を、自動的に行うことが可能となる。
(2)データの転送処理
図12は、データ処理システムSが実行するデータ転送処理の流れの一例を示すフローチャートである。端末装置100は、制御情報C100に基づいて通信処理を行う。ここでは、端末装置100からサーバ200にデータが転送される場合を例に取り、説明する。
(2−1)端末装置の処理
ステップS1101:いずれかの変化検出部101は、記憶している検出条件C125を満たすイベントを検出すると、検出通知をデータ転送制御部104に通知する。
ステップS1102:データ転送制御部104は、検出通知に含まれる制御情報識別子C101をキーとして制御情報格納部111及びデータ格納部112を検索し、制御情報C100を取得する。
ステップS1103:データ転送制御部104は、データの転送処理の要否を判定する。
ステップS1104:データ転送制御部104は、検出制御情報C111に含まれる処理識別子C123をキーとして、対応する転送制御情報C131を取得する。さらにデータ転送制御部104は、前記転送制御情報C131に基づいて転送対象条件C142を取得し、転送対象条件C142を満たすデータを特定する。
ステップS1105:データ転送制御部104は、転送制御情報C131から転送先条件C143を取得し、転出対象となるデータの転送先を特定する。
ステップS1106:データ転送制御部104は、転送先に対し、データを転送する。複数のデータがある場合、転送順序を決定し、それに応じて転送を行っても良い。また、複数の通信手段を選択できる場合、通信品質や通信速度、消費電力、蓄電部123の蓄電量、ネットワーク状態などを考慮し、いずれかの通信手段を選択する。なお、送信先の端末の障害などでデータ転送がエラーになる場合、ステップS1105に戻り処理を繰り返す。
ステップS1107:データ転送部103は、転送先からの正常終了通知を一定時間内に受信すると、後処理の要否判定を行う。正常終了通知を一定時間内に受信しない場合は処理を終了する。正常終了通知を受信すると、データ転送部103は、転送制御情報C131から転送後処理C144を取得し、転送したデータに対する後処理が必要か否か判定する。
ステップS1108:後処理が必要な場合、データ転送部103は、転送後処理C144に設定された処理を行う。
ステップS1109:最後に、データ転送部103は、転送を完了したデータのデータ識別子と、転送先識別子と、転送時刻と、を転送履歴格納部113に格納する。
(2−2)サーバの処理
端末装置100からデータを受信したサーバ200は、以下の処理を行う。
ステップS1121:サーバ200は、通信部204を通じてデータを受信する。
ステップS1122:データ受信部203は、受信したデータをデータ格納部211に格納する。
ステップS1123:サーバ200は、送信元の端末装置100に対し、通信部204を通じて正常終了通知を送信する。
以上の処理により、ユーザの意図した制御情報に従い、ユーザの意図するデータが装置間で転送される。転送ルールとして電源供給の遮断を設定しておけば、電源供給の遮断により自動的にデータが他の装置に転送されるので、外部からアクセスできない装置に使いたいデータがあるという状況の発生を防止することができる。
なお、転送先にデータを送信できない場合、近くのオンライン環境にある装置に転送しても良いし、処理を終了しても良い。また、自端末装置100が保持する記憶媒体にデータを書き出しても良い。この場合、転送対象データと共に転送先の装置識別子を記録媒体に書き出しておけば、記憶媒体をオンライン環境の装置に接続することで転送処理を継続することもできる。
また、上記説明では、全ての検出条件を満たすことを確認した後に転送処理を開始する場合を例に取ったが、いずれか1つの検出条件を満たすと転送処理を開始するとしても良い。具体的には、1つ目の検出条件を検出すると、ステップS1103を飛ばして、ステップS1104とステップS1106の処理を行い、転送対象データ及び転送先を特定する。次に、転送対象データをロックした状態で転送先の装置に転送する。端末装置100は、上記転送処理と平行して、他の検出条件の確認を行い、全ての検出条件を満たすことを確認すると、転送先の装置にロック解除指示を送信する。この方法では、転送対象データを先に転送し、最後にロック解除指示を送信することにより、処理完了までの時間を短縮できる。
さらに、転送したデータがロックされている状態を解除したい場合、転送元装置から転送先装置にデータの無効化指示を送信し、これに応じて転送先装置より無効化完了通知を受信すると、対象データのロックを解除することもできる。データそのものを送受信することなく、データの転送処理を取り消すことができる。
(3)データの取得処理
図13は、データ処理システムSが実行するデータ取得処理の流れの一例を示すフローチャートである。端末装置100は、制御情報C100に基づいて通信処理を行う。ここでは、端末装置100がサーバ200からデータを取得する場合を例に取り、説明する。
(3−1)端末装置の処理
ステップS1201:いずれかの変化検出部101は、記憶している検出条件C125を満たすイベントを検出すると、検出通知をデータ取得制御部122に通知する。
ステップS1202:データ取得制御部122は、検出通知に含まれる制御情報識別子C101をキーとして制御情報格納部111及びデータ格納部112を検索し、制御情報C100を取得する。
ステップS1203:データ取得制御部122は、データの取得処理の要否を判定する。
ステップS1204:データ取得制御部122は、検出制御情報C111に含まれる処理識別子C123をキーとして、対応する取得制御情報C151を取得する。さらにデータ取得制御部122は、前記取得制御情報C151に基づいて取得対象条件C162を取得し、取得対象条件C162を満たすデータを特定する。
ステップS1205:データ取得制御部122は、取得制御情報C151から取得先条件C163を取得し、取得対象となるデータの取得先を特定する。
ステップS1206:データ取得制御部122は、取得先に対し、データの取得要求を送信し、データの受信を待機する。
ステップS1207:データ取得部121は、取得先からデータを受信する。
ステップS1208:データ取得部121は、データ識別子とデータとを対応付けてデータ格納部112に格納する。
(3−2)サーバの処理
データの取得要求を受けた端末装置100またはサーバ200は、以下の処理を行う。ここでは、サーバ200が取得要求を受けた場合を説明する。
ステップS1121:サーバ200は、通信部204を通じてデータの取得要求を受信する。
ステップS1122:データ要求受信部203は、受信情報からデータ識別子を抽出し、これをデータ転送部202に渡す。データ転送部202は、渡されたデータ識別子をキーにデータ格納部211を検索し、転送対象となるデータを読み出す。
ステップS1123:データ転送部202は、読み出されたデータを、要求元の端末装置100に送信する。
以上の処理により、ユーザの意図した制御情報に従い、ユーザの意図するデータが装置間で移動される。データに対応付けた取得ルールとして電源投入を設定しておけば、電源投入により自動的にデータが他の装置から取得されるので、ユーザが今から使おうとしている装置に自動的にデータが集結し、ユーザの利便性が向上する。
本実施形態においては、端末装置100とサーバ200の機能を分けて説明したが、端末装置100やサーバ200が両方の機能を具備していても良い。
<第2実施形態>
(1)ドメイン
図14は、第2実施形態におけるデータ処理システムS’を示す。このデータ処理システムS’には、ドメインDが形成されている。ドメインとは、データの共有や移動が相互に可能な端末をグループ化したものである。ドメインD内では、端末装置100やサーバ200は、互いに有線または無線伝送路Nを介して通信可能である。言い換えると、ドメインD外にある端末装置100は、他の端末装置100やサーバ200と通信できる通信圏外にある。ドメインDが形成されている場合、「ドメインへの参加/離脱」は「電源のオン/オフ」を含む。つまり、イベント「ドメインへの端末装置100の復帰」は、「ドメイン外からドメイン内への端末装置100の復帰」だけでなく、「ドメイン内で電源がオンになる」を含む。また、「ドメインへの端末装置100の復帰」には、「ドメインへの端末装置100の登録」を含んでも良い。同様に、イベント「ドメインDからの端末装置100の離脱」は、「ドメイン内からドメイン外への離脱」だけでなく、「ドメイン内で電源がオフになる」や「ドメインからの端末装置100の脱退」を含む。
また、第2実施形態では、通信処理ルールを満足した場合、転送または取得のどちらかではなく、両方の処理を行う場合を考える。例えば、図14(a)は、端末装置100bがドメインから離脱した状態を示す。破線は、離脱前の状態を示す。離脱前は、データαは端末装置100aに保持されている。また、データβは端末装置100b自身に保持されている。端末装置100bの離脱により、端末装置100bはデータαを端末装置100aから取得し、データβをサーバ200に転送する。
図14(b)は、端末装置100bがドメインに復帰した状態を示す。破線は、復帰前の状態を示す。復帰前は、データαは端末装置100bに保持されている。復帰により、端末装置100bは、データαをサーバ200に転送し、データβをサーバ200から取得する。この図は、ドメイン離脱時にサーバ200に転送したデータβを端末装置100bが再度取得することを示しているが、必ずしも再取得しなくても良い。また、ドメイン離脱時に取得したデータαを、サーバ200に転送せず、取得元の端末装置100aに転送しても良い。このように、ドメインへの離脱を広義の電源オフと捉えることにより、ドメインを離脱しようとする端末装置100が、ドメインD内で必要なデータをドメインD外に持っていってしまうことを防止できる。また、ドメインDへの復帰を広義の電源オンと捉えることにより、ドメインDへ復帰した端末装置100のユーザの利便を図ることができる。
(2)通信可否判断ルール
さらに、第2実施形態では、通信処理ルールを満足し、かつ通信可否判断ルールを満足した場合にのみ、通信処理を実行することとする。通信可否判断ルールは、転送や取得などの通信処理を実行するか否かを決定する。すなわち、端末装置100は、同一の通信処理ルールを満足しても、通信可否判断ルールを満足するか否かにより通信処理の実行を制御する。その結果、通信処理ルールを満足しても、データの転送や取得を行うことが不適切な場合に処理の実行を行わずに済み、結果としてフレキシブルなデータ処理が可能となる。通信可否判断ルールの一例として、「データを所有しているユーザの端末にのみ転送可」や、「利用頻度が高い場合はドメイン外に持ち出し不可」を挙げることができる。
通信可否判断ルールは、主に、下記3者により設定されると考えられる。
(a)データの配信元:例えば、データを配信するコンテンツ配信業者が、通信可否判断ルールを設定する。
(b)ドメイン:例えば、各ドメインが形成されるホームネットワークの管理者が、通信可否判断ルールを設定する。
(c)個人:例えば、各端末装置100やサーバ200のユーザが、通信可否判断ルールを設定する。
図15は、通信可否判断ルールの一例を示す説明図である。通信可否判断ルールは、パラメータに依存する。以下に、図15の通信可否判断ルールを例に取り、通信可否判断ルールについて詳細に説明する。
例1:
通信可否判断ルール「所有ユーザの端末にのみ転送可」は、データの「所有ユーザ」及び「転送の可/否」と言うパラメータに依存する。この通信可否判断ルールは、例えば次のように働く。データβをもつ端末装置100bがドメインから離脱しようとするとき、データβが転送可能であり、かつ端末装置100aの所有ユーザが端末装置100bの所有ユーザと同じであれば、端末装置100bはデータβを他の端末装置100aに転送する。この通信可否判断ルールは、例えば家庭において、所有者以外が勝手にデータをドメイン外に持ち出すのを防止するために設定すると有効である。設定は、例えば家庭におけるシステム管理者が行ったり、各データの所有者が行うとよい。
例2:
通信可否判断ルール「利用頻度3回以上/週の場合は取得不可」は、各データの利用履歴、例えば視聴履歴と言うパラメータに依存する。より具体的には、このルールは、視聴履歴から求められる「利用頻度」というパラメータに依存する。この通信可否判断ルールは、例えば次のように働く。端末装置100bがドメインから離脱しようとするとき、データαのドメイン内の利用頻度が3回未満/週であれば、端末装置100aにあるデータαを取得する。この通信可否判断ルールは、例えば家庭において、家族がよく使用するデータが持ち出されるのを防止するために設定すると有効である。設定は、例えば家庭におけるシステム管理者が行うとよい。
例3:
通信可否判断ルール「不在ユーザのコンテンツは取得可」は、各ユーザのスケジュールに依存する。この通信可否判断ルールは、例えば次のように働く。端末装置100bがドメインから離脱しようとするとき、データαの所有ユーザが不在であれば、端末装置100aからそのデータαを取得する。この通信可否判断ルールは、例えば家庭において、データを最もよく使うであろうデータの所有者が不在の場合、そのデータを有効利用するために設定すると有効である。設定は、例えば家庭におけるシステム管理者が行ったり、各データの所有者が行うとよい。なお、この通信可否判断ルールを用いる場合、例えばサーバ200に各ユーザのスケジュールを蓄積しておくと、端末装置100は、必要な場合にサーバ200のスケジュールを参照することができる。
例4:
通信可否判断ルール「個人優先度高なら取得可」は、個人優先度の設定「父>母>子供」に依存する。この通信可否判断ルールは、例えば次のように働く。子供の端末装置100bがドメインから離脱しようとするとき、父のデータαを取得しようとしたとする。しかし、子供の優先度は父より低いので、父のデータαを取得できない。逆に、例えば父の端末装置100がドメインから離脱するときに、母や子供のデータを取得するのは可能である。父は、母や子供よりも個人優先度が高いからである。この通信可否判断ルールは、例えば父が家庭で仕事をした場合に、仕事関係の重要データを子供が勝手にドメイン外に持ち出すことを防止するのに有効である。この通信可否判断ルールの設定は、例えば家庭におけるシステム管理者が行うと良い。なお、この通信可否判断ルールを用いる場合、例えばサーバ200にドメイン内のユーザの個人優先度を記憶させておくと、端末装置100は必要な場合にサーバ200に設定された個人優先度を参照することができる。
例5:
通信可否判断ルール「嗜好性と分類とが合致すれば取得可」は、各ユーザの個人情報である嗜好性、例えば「サッカー」と、データの分類、例えば「サッカー」とに依存する。この通信可否判断ルールは、例えば次のように働く。端末装置100bがドメインから離脱しようとするとき、データαを取得しようとする。このとき、端末装置100bのユーザの嗜好性と取得しようとするデータαの内容とが「サッカー」で合致していれば、端末装置100bはデータαを取得できる。この通信可否判断ルールは、例えば、普段は家庭内で楽しんでいる音楽データや画像データを、ドメイン外のドライブ先でも楽しみたい場合に有効である。この通信可否判断ルールの設定は、例えば家庭におけるシステム管理者が行うと良い。なお、この通信可否判断ルールを用いる場合、ドメイン内の各ユーザの嗜好性及びデータの分類をサーバ200に記憶しておくと、各端末装置100は必要に応じてそれを参照することができる。
例6:
通信可否判断ルールとして、「ドメイン内ユーザに取得許可の問い合わせを行う」なども考えられる。この場合、パラメータとして「N人以上OK」をサーバ200に記憶しておく。この通信可否判断ルールは、次のように働く。端末装置100bがドメイン離脱時にデータαを取得するに先立ち、端末装置100bのデータ取得制御部122は他のユーザが操作する端末装置100に対し、取得可否の問い合わせを行う。さらに端末装置100bは、問い合わせに対する応答を所定時間待ち、「取得許可」の応答をN人以上のユーザから受信した場合、データαの取得要求を他の端末装置100aに送信してこれを取得する。また、端末装置100bは、収集した応答を出力しても良い。この通信可否判断ルールは、例えば家庭内で共有するデータを、誰かが勝手に持ち出すことを防止するのに有効である。このような通信可否判断ルールは、家庭内のシステム管理者により設定できる。
図16は、データαを取得しようとする端末装置100bからの問い合わせ画面の一例を示す。この画面は、ドメイン内でオンラインになっている他の端末装置100上でポップアップ表示される。この問い合わせ画面において「OK」または「Reject」ボタンが押されると、他の端末装置100から問い合わせ元の端末装置100bに応答が送信される。同一のユーザが複数の端末装置100を所有している場合、問い合わせ元の端末装置100bは、所有端末のうちオンラインになっている全ての端末装置100に問い合わせを送信し、何れかの端末装置100で入力された応答を有効と判断すると良い。これとは異なり、端末装置100bは、同一のユーザが所有しているオンライン端末装置100の何れかにのみ問い合わせを送信してもよい。その場合、端末装置100bは、どの端末装置100に問い合わせを送信するかの優先順位に従って問い合わせを行い、所定時間内に応答が返ってこない場合には、次の優先順位の端末装置100に問い合わせを送信することもできる。例えば、携帯電話の優先順位をデスクトップPCよりも高くすることが考えられる。さらに別の例として、問い合わせもと端末装置100bは、同一のユーザが所有しているオンライン端末装置100のうち、現在使用中の端末装置100に問い合わせを送信することもできる。この場合、サーバ200はドメイン内の各端末装置100の状態を管理しておき、各端末装置100は他の端末装置100の状態をサーバ200から取得すると良い。
図17は、収集した応答を表示する画面例である。この画面は、データαを取得しようとする端末装置100bで表示される。この例では、目的のデータを取得できるか否かに加え、データαの持ち出しを誰が許可して誰が拒絶したかが表示されている。これにより、端末装置100bのユーザは、目的のデータを取得できるか否かを把握できる。また、取得できない場合でも、持ち出しを拒絶した他のユーザが誰であるかを把握できるので、そのユーザの説得に当たるなどの対処をすることができる。
もちろん、ここに挙げた通信可否判断ルールは一例であり、これらの例に限定されない。
この実施形態では、説明を分かりやすくするために、通信可否判断ルールを転送可否判断ルールと取得可否判断ルールとに分類する。転送可否判断ルールは、転送処理を実行するか否かを決定するための判断基準である。取得可否判断ルールは、取得処理を実行するか否かを決定するための判断基準である。
(3)制御情報
図18は、通信可否判断ルールを含む制御情報の構造の概念説明図である。なお、本実施形態において、端末装置100の機能構成は、前記第1実施形態と同様である。制御情報は、通信処理ルールと通信処理対象条件と通信先条件とに加え、通信可否判断ルールを含む。本実施形態では、通信処理として、データの転送と取得の2つを想定し、通信可否判断ルールを転送可否判断ルールと取得可否判断ルールとに分けている。転送処理と取得処理とで通信処理ルールを共有しているのは、第1実施形態と同様である。
(3−1)全体構造の具体例
再び図18を参照し、制御情報のデータ構造について具体的に説明する。図中、実施形態と同様の情報については、図7と同様の符号番号を付して示す。
本実施形態では、制御情報C100’は階層構造を有している。制御情報C100’の第1層は、以下の情報(a)〜(d)を含む。
(a)制御情報識別子C101:制御情報C100’を一意に特定する。
(b)検出制御情報リストC102:通信処理の実行の契機である通信処理ルールの記述を含む。すなわち、制御情報C100’と関連付けられたデータに対する通信処理を開始するための条件が記述される。具体的には、端末装置100の変化検出部101が検出する1以上のイベントの組み合わせで定義される転送ルールや取得ルールが記述される。
(c)通信制御情報リストC105:データの転送処理や取得処理の制御内容が設定される。具体的には、転送処理については少なくとも転送先条件を含み、好ましくは転送対象条件及び転送後処理の記述を含む。取得処理については、少なくとも取得対象条件と取得先条件とを含み、好ましくは取得後処理の記述を含む。
(3−2)検出制御情報
検出制御情報リストC102は、1つ以上の検出制御情報C111を含む。各々の検出制御情報C111は、以下の情報(b1)〜(b3)を含む。
(b1)検出制御情報識別子C121:検出制御情報C111を一意に特定する。
(b2)検出内容リストC122:端末装置100の変化検出部101により検出可能な1以上のイベントの組み合わせが記述される。検出内容リストの内容は、第1実施形態と同様であり、検出内容リストC122に含まれる1以上の検出条件C125の組み合わせ、すなわち1以上のイベントの組み合わせが、通信可否判断を行う契機となる。
(b3)処理識別子C123:制御情報C100’において、検出内容リストC122を満たした場合に実行する処理内容へのポインタが記述される。この例では、後述する通信制御情報C171のいずれかへのポインタが記述される。
(3−3)通信制御情報
通信制御情報リストC105は、1以上の通信制御情報C171を含む。各々の通信制御情報C171は、以下の情報(c1)〜(c9)を含む。
(c1)処理識別子C141:通信制御情報リストC105において、通信制御情報C171を一意に特定する。
(c2)転送対象条件C142:転送処理の対象となるデータを特定する条件が記述される。
(c3)転送先条件C143:転送対象データの転送先を特定する条件が記述される。
(c4)転送後処理C144:転送処理完了後の転送処理対象データに対する処理内容が記述される。
(c5)転送可否判断ルールC145:転送処理を実行するか否かを決定する条件が記述される。
(c6)取得対象条件C162:取得処理の対象となるデータを特定する条件が記述される。
(c7)取得先条件C163:取得対象データの取得先を特定する条件が記述される。
(c8)取得後処理C164:取得処理完了後の取得処理対象データに対する処理内容が記述される。
(c9)取得可否判断ルールC165:取得処理を実行するか否かを決定する条件が記述される。
上記情報のうち、転送可否判断ルールC145及び取得可否判断ルールC165については、上述の通りである。転送対象条件、転送先条件、転送後処理、取得対象条件、取得先条件及び取得後処理については、第1実施形態と同様である。
(4)処理
図19は、本実施形態の端末装置100が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。この処理では、端末装置100は、所定の通信処理ルールが満たされたとき、転送処理及び/または取得処理を行うか否かを判断する。さらに、端末装置100は、前記判断に基づいて、転送処理、取得処理またはその両方を行う。下記処理において、ステップS1304〜S1311は転送に関する処理、ステップS1312〜S1319は取得に関する処理である。転送先及び取得先が行う処理は、第1実施形態と同様である。
ステップS1301:いずれかの変化検出部101は、記憶している検出条件C125を満たすイベントを検出すると、検出通知をデータ転送制御部104及びデータ取得制御部122に通知する。
ステップS1302:データ転送制御部104及びデータ取得制御部122は、検出通知に含まれる制御情報識別子C101をキーとして制御情報格納部111及びデータ格納部112を検索し、制御情報C100’を取得する。
ステップS1303:データ転送制御部104またはデータ取得制御部122は、通信処理ルールが満たされているか否かを判定する。満たされていない場合、処理を終了する。満たされている場合はステップS1304に移行する。本実施形態では、転送処理及び取得処理を実行する契機となる通信処理ルールは両処理に共通なので、データ転送制御部104またはデータ取得制御部122のどちらかがこの判断を行えば足りる。
ステップS1304:データ転送制御部104は、転送可否判断ルールが満たされているか否かを判断する。満たされている場合はステップS1305に移行し、満たされていない場合は後述するステップS1312に移行する。
ステップS1305:データ転送制御部104は、検出制御情報C111に含まれる処理識別子C123をキーとして、対応する通信制御情報C171を取得する。さらにデータ転送制御部104は、前記通信制御情報C171に基づいて転送対象条件C142を取得し、転送対象条件C142を満たすデータを特定する。
ステップS1306:データ転送制御部104は、通信制御情報C171から転送先条件C143を取得し、転出対象となるデータの転送先を特定する。
ステップS1307:データ転送制御部104は、転送先に対し、データを転送する。複数のデータがある場合、転送順序を決定し、それに応じて転送を行っても良い。また、複数の通信手段を選択できる場合、通信品質や通信速度、消費電力、蓄電部123の蓄電量、ネットワーク状態などを考慮し、いずれかの通信手段を選択する。なお、送信先の端末の障害などでデータ転送がエラーになる場合、ステップS1306に戻り処理を繰り返すとよい。
ステップS1308〜1309:データ転送部103は、転送先からの正常終了通知を受信すると、後処理の要否判定を行う。正常終了通知を一定時間内に受信しない場合は処理を終了してもよい。正常終了通知を受信すると、データ転送部103は、転送制御情報C131から転送後処理C144を取得し、転送したデータに対する後処理が必要か否か判定する。
ステップS1310:後処理が必要な場合、データ転送部103は、転送後処理C144に設定された処理を行う。例えば、データ転送部103は、転送されたデータの削除を行う。
ステップS1311:データ転送部103は、転送を完了したデータのデータ識別子と、転送先識別子と、転送時刻と、を転送履歴格納部113に格納する。
ステップS1312:転送処理を行ったあと、または転送可否判断ルールが満たされていない場合、データ取得制御部122は、取得可否判断ルールが満たされているか否かを判断する。満たされていると判断するとステップS1313に移行し、満たされていない場合は処理を終了する。取得可否判断ルールによっては、データ取得制御部122は、ドメイン内の他のユーザに取得の問い合わせを行ってもよい。データ取得制御部122は、その後一定時間その応答を収集し、収集した応答に応じて取得可否判断ルールが満たされているか否かを判断する。前述したように、データ取得制御部122は、収集した応答結果を出力し、ユーザの確認を待って次の処理に進んでも良い。
ステップS1313:データ取得制御部122は、検出制御情報C111に含まれる処理識別子C123をキーとして、対応する通信制御情報C171を取得する。さらにデータ取得制御部122は、前記通信制御情報C171に基づいて取得対象条件C162を取得し、取得対象条件C162を満たすデータを特定する。
ステップS1314:データ取得制御部122は、通信制御情報C171から取得先条件C163を取得し、取得対象となるデータの取得先を特定する。
ステップS1315:データ取得制御部122は、取得先に対し、データの取得要求を送信する。
ステップS1316〜S1317:データ取得部121は、要求したデータの受信を待機し(S1316)、取得先からデータを受信すると、取得したデータをデータ識別子と対応付けてデータ格納部112に格納する(S1317)。なお、一定時間内にデータを受信するか否かを監視し、受信しない場合、再度データの取得要求を送信したり、処理を終了することもできる。
ステップS1318〜S1319:データ取得部122は、後処理の要否判定を行い、“要”と判断すると(S1318)、取得後処理C164に設定された処理を行う(S1319)。例えば、取得履歴に新たに取得したデータとその識別子とを対応付けて書き込むことが挙げられる。
以上の処理では、端末装置100は、単に通信処理ルールを満たしただけでなく、さらに通信可否判断ルールを満たした場合にのみ、通信処理を行う。この処理により、状況に適した通信処理が可能になり、ユーザの利便性が向上する。また、上記処理では、電源のオン/オフをドメインの離脱/復帰に含め、ドメインから離脱した端末装置100でのデータの利用を可能にする。ドメインから離脱しようとする端末装置100が、データの転送だけでなくデータの取得も行うことにより、端末装置100はドメイン外でデータを利用できる。従って、ユーザから見れば、いつでもどこでも所望のデータを利用できるという利点がある。
(5)その他
端末装置100bが著作権で保護されたデータαを取得してドメインから離脱するとき、データαのライセンスデータのみを取得し、コンテンツデータをドメイン内に残す形態が考えられる。この場合、端末装置100b自身もデータαを再生することはできなくなるが、ドメイン内で他の端末装置100によりデータαが再生されることを防止することができる。しかも、ドメインに復帰したときには、端末装置100bはライセンスデータのみをドメイン内の端末装置100またはサーバ200に転送すればよく、コンテンツデータの転送は不要である。従って、ドメイン復帰時の転送データ量が少なくて済み、ドメイン内で無駄なリソースを使わずに済む利点がある。
さらに、ドメインから離脱しようとしている端末装置100bの種別や機能、環境などに基づいて取得可能なデータを制限することにより、ドメイン内でのデータの移動量を少なくすることができる。例えば、離脱しようとしている端末装置100bがデータαのコンテンツデータをドメイン外でも取得可能であれば、端末装置100bはドメイン離脱時にデータαのライセンスデータのみを取得する。一方、端末装置100bがデータαのコンテンツデータをドメイン外で取得不可能であれば、端末装置100bはドメイン離脱時にデータαのライセンスデータ及びコンテンツデータの両方を取得する。端末装置100bは、ドメイン外でコンテンツデータを取得できるかどうかを、次のように判断することができる。例えば端末装置100bは、自端末の通信帯域が所定値以下の場合、ドメイン外でのコンテンツデータを取得不可と判断できる。また例えば、端末装置100bは、自端末が携帯電話やPDA(Personal Digital Asistance)である場合や、記憶容量の余地がデータαのデータ量を下回っている場合、取得不可と判断できる。さらに例えば、端末装置100bは、データαの再生に必要なソフトウェアまたはハードウェアの有無を判断し、その結果取得不可と判断しても良い。
<第3実施形態>
[機能構成]
以下、本発明の第3実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。図20は、第3実施形態に係る端末装置500の機能構成図である。第3実施形態のデータ処理システムSSは、第1実施形態のデータ処理システムSにおいて端末装置100を図20に示す端末装置500に置き換えたものである。図中、第1実施形態と同じ符号を付した要素は、第1実施形態と同様の機能を有している。本実施形態では、ユーザ知覚部503及び知覚制御部504が端末装置100に付加されている。ユーザ知覚部503は、ユーザに制御情報で指定された情報を通知する1以上の出力装置からなる。知覚制御部504は、制御情報に基づきユーザ知覚部503を制御する。このようなデータ処理システムSSにおいて、ユーザ入力に基づいてユーザへの通知を行う知覚処理に関係する制御情報を生成し、ユーザへ通知する。
[制御情報]
図21は、制御情報C200の構造を示す概念説明図である。本実施形態では、第1実施形態で述べた制御情報C100に加え、制御情報C200を用いて処理を行う。
制御情報C200は、下記(a)〜(c)の情報を含む。
(a)制御情報識別子C201:制御情報C200を一意に特定する。
(b)検出制御情報リストC202:知覚処理実行の契機である知覚処理ルールの記述を含む。前記検出制御情報リストC102と同様の情報である。
(c)知覚制御情報リストC203:ユーザへの知覚処理の制御内容が設定される。少なくとも知覚手段の特定と知覚内容と転送処理または取得処理を特定する処理識別子とを含む。
知覚制御情報リストC203は、複数の知覚制御情報C231を含む。各知覚制御情報C231は、以下の情報(c1)〜(c5)を含む。
(c1)知覚処理識別子C241:知覚制御情報リストC203において、知覚制御情報C231を一意に特定する。
(c2)知覚手段識別子C242:ユーザへ情報を通知するための出力装置を特定する。
(c3)知覚内容C243:ユーザへ通知する情報を特定する。
(c4)知覚後処理C244:知覚処理完了後の処理の要否および処理内容を特定する。
(c5)処理識別子C141またはC161:転送や取得など通信処理を特定する。これにより、通信処理と知覚処理とを対応付けることができる。
ユーザへ情報を通知するための出力装置としては、ユーザの視覚に知覚させる出力装置、ユーザの聴覚に知覚させる出力装置、ユーザの触覚に知覚させる出力装置、ユーザの嗅覚に知覚させる出力装置などがある。これらの出力装置を用いた具体的な出力形態としては、ディスプレイへの表示、スピーカによる音声出力や警告音の出力、端末の振動、警告臭の発生などが挙げられる。
ユーザへ通知する情報としては、定型の情報、状況に応じて取得する情報などがある。定型の情報として「他の装置からデータを取得できない旨の警告」、聴覚、触覚、嗅覚に知覚させる内容を特定する「知覚内容番号11」などが挙げられる。ここで、知覚内容番号とは、例えば、警告音の識別を示し、1番なら外部からデータを取得できない意味の「ブー」、2番なら予定表など複数の装置が保持するデータの同期が完了していない意味の「ビー」といった識別を示す番号である。状況に応じて取得する情報として、「自装置が保持するデータ一覧」などが挙げられる。
知覚処理中または知覚処理が完了した後の処理としては、ユーザへの知覚を強化する処理やデータに対するユーザ操作を促す処理などがある。ユーザへの知覚を強化する処理として「一定時間毎に知覚処理を実施」や「異なる知覚手段で知覚処理を実施」などが挙げられる。データに対する処理を促す処理として、「処理開始ボタンを表示」などが挙げられる。
[処理]
前記制御情報C200を生成・格納し、検出の準備をする処理は、図11に示すフローチャートにおいて、制御情報C100の格納場所が端末装置100側の場合の流れと同様である(ステップS1001,S1002,S1004〜S1008)。
図22は、制御情報C200の生成のためのユーザ入力を受け付ける画面例である。この画面で受け付けた入力情報に基づいて、制御情報C200が生成され、制御情報格納部111に格納される。各入力項目は、プルダウンメニューからの選択入力が可能である。例えば、「知覚ルール」のプルダウンメニューには、「ディスプレイに表示」、「知覚内容を音声で読み上げる」などが表示される。「知覚内容」のプルダウンメニューには、「他の装置から取得できないことを警告」や、「自端末が保持するデータ一覧」などが表示される。
図23は、端末装置500が実行する知覚処理の流れを示すフローチャートである。
ステップS2101:変化検出部201の変化検出手段は、記憶していた検出条件C125を満たすイベントを検出すると、制御情報識別子C201及び検出制御情報識別子C121と、自らの検出手段識別子とを、知覚制御部504に検出通知として送信する。
ステップS2102:知覚制御部504は、検出通知を受け取ると、そこに含まれる制御情報識別子C201をキーとして、制御情報格納部511から制御情報C200を検索し、これを読み出す。
ステップS2103:知覚制御部504は、検出制御情報識別子C121をキーとして制御情報C200から検出制御情報C111を特定する。さらに、知覚制御部504は、検出制御情報C111の検出手段識別子C124と、検出通知に含まれる検出手段識別子と、が一致するか否かにより知覚処理の要否を判定する。判定方法は、第1実施形態と同様に行うことができる。知覚処理が不要の場合、本処理を終了する。
ステップS2104:知覚処理を続行する場合、知覚制御部504は、特定した検出制御情報C111に含まれる処理識別子C123をキーとして、対応する知覚制御情報C231を特定する。知覚制御部504は、知覚制御情報C231から、知覚手段識別子C242と、知覚内容C243と、知覚後処理C244と、処理識別子C141またはC161を取得する。さらに、知覚制御部504は、知覚手段識別子C242に基づいて出力装置を(ステップS2104)、知覚内容C243に基づいてユーザに知覚する内容を(ステップS2105)、知覚後処理C244に基づいてユーザに知覚させた後の処理を(ステップS2106)、それぞれ特定する。
例えば知覚手段識別子C242に「ディスプレイに表示」、知覚内容C243に「自装置が保持するデータ一覧」、知覚後処理C244に「他の装置から取得できないことを警告」、「処理開始ボタンを表示」とあるとする。この場合、知覚制御部504は、制御情報C200に関連付けられたデータで、且つ端末装置500が保持するデータ一覧を、データ格納部512から取得し、ディスプレイに警告と処理開始ボタンと共に表示する。
図24は、視覚的な知覚出力の一例を示す。処理対象のデータG301〜G303と、データに対する処理の開始ボタンG311〜G313と、が関連付けて表示され、ユーザ操作によるデータの転送処理を促している。制御情報で設定されている通信処理ルールが満たされた場合、この画面が表示される。画面上でボタンが押されると、転送先の装置のユーザ入力を受け付けることもできるし、制御情報C100に設定された転送先をユーザに通知し、ユーザの了解が取れると転送処理を開始することもできる。
<その他の実施形態>
(A)転送履歴
前記第1実施形態では、ある端末装置100aが別の端末装置100bにデータを転送した後、端末装置100aが前記データを再度取得する際に転送履歴を用いる例を説明した。ここで、端末装置100aが端末装置100bにデータを転送し、端末装置100bが前記データをさらに別の端末装置100cに転送した後、端末装置100aが前記データを再度取得する際に転送履歴を用いることを考える。この場合、次の2つの方法が考えられる。
(1)各端末装置が保持する転送履歴をたどり、前記データを保持する端末装置100cを特定する。具体的には、端末装置100aは、自ら保持する転送履歴に基づいて端末装置100bに取得要求を送信する。端末装置100bは、自ら保持する転送履歴に基づいて端末装置100cに取得要求を送信する。なお、端末装置100bが、端末装置100cの特定情報を端末装置100aに通知するとしても良い。
(2)各端末装置の転送履歴をマージした情報に基づき、前記データを保持する端末装置100cを特定する。具体的には、各々の端末装置の転送履歴を、特定の端末、例えばサーバ200に集める。そして、サーバ200において転送履歴をマージする。端末装置100aは、サーバ200に問い合わせることにより、端末装置100cを特定することができる。通信処理ルールとして「データの転送処理を行なう」、通信処理対象として「転送するデータに関する転送履歴」、通信先として「サーバ200」を制御情報に設定すれば、転送データをサーバ200に集めることが可能である。
なお、各々の端末装置100がデータ転送と共に転送データに関する転送履歴も送信し、各端末で転送履歴をマージすることもできる。
(B)なお、第3実施形態では、変化検出部101がイベントを検出すると、同一端末装置内のデータ転送制御部104あるいはデータ取得制御部122に検出通知を送信している。しかし、異なる端末装置のデータ転送制御部104あるいはデータ取得制御部122に対して検出通知を送信するとしても良い。
例えば、携帯電話に取り付けられたセンサが家に近づいたことを検出すると、携帯電話からサーバ200に検出通知を送信する。サーバ200は制御情報に従い音楽コンテンツを取得し、携帯電話に送信する。携帯電話が音楽コンテンツを出力することにより、携帯電話の使用者はBGMを楽しむことができる。
(C)以上の説明では端末装置100内に制御情報生成部300があるとして説明したが、他の装置に含まれる制御情報生成部300が制御情報を生成し、ネットワーク経由で前記制御情報を付与するとしても良い。
(D)上記の装置が実行する方法、その方法を実行するためのプログラム及びそのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、本発明の範囲に含まれる。ここで記録媒体としては、コンピュータが読み書き可能なフレキシブルディスク、ハードディスク、半導体メモリ、CD−ROM、DVD、光磁気ディスク(MO)、その他のものが挙げられる。
本発明のデータ処理装置は、外部からアクセスできない装置が保持していたデータを、前記装置が外部からアクセスできなくなった後においても、他の装置において前記データの取得、および利用を可能とする。STB、デジタルTV、DVDレコーダ、HDDレコーダ、PC、PDA、携帯電話などのデータ再生装置、記録装置、あるいはこれらの複合機器に本発明を適用することができる。
本発明のデータ処理装置を含むデータ処理システムSの構成を示す説明図 端末装置の機能構成を示す機能ブロック図 サーバの詳細な構成を示す機能ブロック図 端末装置及びサーバのデータ格納部に蓄積される情報の概念説明図 端末装置の制御情報格納部に蓄積されている情報の概念説明図 端末装置の転送履歴格納部に蓄積されている情報の概念説明図 データの通信処理を制御するための制御情報の構造の概念説明図 制御情報生成部が出力する制御情報入力画面の一例(メニュー画面) 制御情報生成部が出力する制御情報入力画面の一例(転送設定) 制御情報生成部が出力する制御情報入力画面の一例(取得設定) 端末装置が実行する制御情報の生成及び検出の準備処理の流れの一例を示すフローチャート データ処理システムSが実行するデータ転送処理の流れの一例を示すフローチャート データ処理システムSが実行するデータ取得処理の流れの一例を示すフローチャート (a)端末装置100bがドメインから離脱した状態を示す説明図(b)端末装置100bがドメインに復帰した状態を示す説明図 通信可否判断ルールの一例を示す説明図 データαを取得しようとする端末装置からの問い合わせ画面の一例を示す説明図 収集した応答を表示する画面例 第2実施形態における制御情報の構造の概念説明図 第2実施形態の端末装置が行う処理の流れの一例を示すフローチャート 第3実施形態に係る端末装置の機能構成図 第3実施形態における制御情報C200の構造を示す概念説明図 制御情報C200の生成のためのユーザ入力を受け付ける画面例 第3実施形態において端末装置が実行する知覚処理の流れを示すフローチャート 通信処理ルールを満たしたときに出力される視覚的な知覚出力の一例を示す画面例
符号の説明
100,500:端末装置
200:サーバ

Claims (17)

  1. ドメイン内でデータの通信を行うデータ処理装置であって、
    各ドメインは、データの送受信が可能な少なくとも1つのデータ処理装置を含み、
    任意のドメインへの登録または離脱に関するイベントを検出するイベント検出手段と、
    前記ドメイン内で共有されるデータの通信処理を開始するか否かを判断するための条件であって1以上のイベントの組み合わせで定まる通信処理ルールを含む制御情報を記憶する制御情報記憶手段と、
    前記イベント検出手段が検出するイベントに基づいて、前記制御情報中の通信処理ルールが満足されているか否かを判断する通信処理制御手段と、
    前記通信処理ルールが満足されていると前記通信処理制御手段が判断した場合、データについて、前記通信処理を行う通信手段と、
    を備え、
    前記制御情報記憶手段は、前記通信処理を許可するか否かを決定するための通信可否判断ルールを、前記通信処理ルールと対応付けてさらに記憶し、
    前記通信処理制御手段は、前記通信処理ルールが満足されていると判断した場合、さらに通信可否判断ルールに基づいて通信処理を許可するか否かを判断し、
    前記通信手段は、前記通信処理制御手段により前記通信処理ルールが満足されていると判断され且つ前記通信可否判断ルールに基づいて通信処理を許可すると判断された場合のみ、前記データについて前記通信処理を行い、
    前記通信処理は、前記ドメイン内で共有されるデータの転送先への転送またはそのデータを記憶している取得先からの取得であることを特徴とするデータ処理装置。
  2. 送対象となりうるデータを記憶するデータ記憶手段をさらに備え、
    前記通信手段は、前記通信処理ルールが満足されていると前記通信処理制御手段が判断した場合、転送対象の前記データを前記データ記憶手段から読み出し、読み出した前記データを転送先に転送する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載のデータ処理装置。
  3. 前記制御情報記憶手段は、前記通信処理を行う通信先を特定する通信先条件を、前記通信処理ルールと対応付けてさらに記憶し、
    前記通信手段は、前記通信処理ルールに対応付けられた通信先条件に基づいて、前記転送先または前記取得先を決定することを特徴とする、請求項に記載のデータ処理装置。
  4. 前記制御情報記憶手段は、前記通信処理の対象となるデータを特定する通信処理対象条件を、前記通信処理ルールと対応付けてさらに記憶し、
    前記通信手段は、前記通信処理ルールに対応付けられた通信処理対象条件で特定されるデータについて、前記通信処理を行うことを特徴とする、請求項に記載のデータ処理装置。
  5. 前記制御情報記憶手段は、前記制御情報を識別する制御情報識別子と、前記通信処理の対象となるデータを識別するデータ識別子と、を対応付けてさらに記憶することを特徴とする、請求項に記載のデータ処理装置。
  6. 前記制御情報記憶手段は、前記通信処理の対象となるデータと前記制御情報とを一体に記憶していることを特徴とする、請求項に記載のデータ処理装置。
  7. 前記制御情報記憶手段は、前記通信処理の後に実行する後処理を、前記通信処理ルールと対応付けてさらに記憶し、
    前記通信手段は、前記通信処理後に前記後処理を実行することを特徴とする、請求項に記載のデータ処理装置。
  8. 前記制御情報記憶手段は、ユーザへの通知処理を特定する通知処理ルールを、前記通信処理ルールと対応付けてさらに記憶し、
    前記イベント検出手段が検出するイベントと前記制御情報中の通信処理ルールとに基づいて、ユーザへの通知処理の要否を判断する通知処理制御手段と、
    前記通知処理制御手段が通知処理要と判断した場合、前記通信処理に先立ち、前記通知処理ルールで特定されるユーザへの通知処理を実行する通知処理手段と、
    をさらに備えることを特徴とする、請求項に記載のデータ処理装置。
  9. 前記制御情報の登録をユーザ毎に受け付ける制御情報受付手段をさらに備え、
    前記制御情報記憶手段は前記制御情報をユーザ毎に記憶する、
    ことを特徴とする、請求項に記載のデータ処理装置。
  10. 前記通信手段が通信処理した処理履歴を記憶する通信処理履歴記憶手段をさらに備えることを特徴とする、請求項に記載のデータ処理装置。
  11. 前記データの通信処理の実行に必要な電力を演算し、必要な電力の蓄積を制御する電力蓄積制御部をさらに備えることを特徴とする、請求項に記載のデータ処理装置。
  12. ドメイン内でデータの通信を行うデータ処理装置が実行するデータ処理方法であって、
    各ドメインは、データの送受信が可能な少なくとも一つのデータ処理装置を含み、
    任意のドメインへの登録または離脱に関するイベントを検出するイベント検出ステップと、
    前記ドメイン内で共有されるデータの通信処理を開始するか否かを判断するための条件であって1以上のイベントの組み合わせで定まる通信処理ルールを含む制御情報を記憶する制御情報記憶ステップと、
    前記イベント検出ステップで検出したイベントに基づいて、前記制御情報中の通信処理ルールが満足されているか否かを判断する通信処理制御ステップと、
    前記通信処理ルールが満足されていると前記通信処理制御ステップで判断した場合、データについて前記通信処理を行う通信ステップと、
    を備え、
    前記制御情報記憶ステップにおいては、前記通信処理を許可するか否かを決定するための通信可否判断ルールを、前記通信処理ルールと対応付けてさらに記憶し、
    前記通信処理制御ステップにおいては、前記通信処理ルールが満足されていると判断した場合、さらに通信可否判断ルールに基づいて通信処理を許可するか否かを判断し、
    前記通信ステップにおいては、前記通信処理制御ステップにおいて前記通信処理ルールが満足されていると判断され且つ前記通信可否判断ルールに基づいて通信処理を許可すると判断された場合のみ、前記データについて前記通信処理を行い、
    前記通信処理は、前記ドメイン内で共有されるデータの転送先への転送またはそのデータを記憶している取得先からの取得であることを特徴とするデータ処理方法。
  13. ドメイン内でデータの通信を行うコンピュータが実行するデータ処理プログラムであって、
    各ドメインは、データの送受信が可能な少なくとも1つのコンピュータを含み、
    任意のドメインへの登録または離脱に関するイベントを検出するイベント検出手段、
    前記ドメイン内で共有されるデータの通信処理を開始するか否かを判断するための条件であって1以上のイベントの組み合わせで定まる通信処理ルールを含む制御情報を記憶する制御情報記憶手段、
    前記イベント検出手段が検出するイベントに基づいて、前記制御情報中の通信処理ルールが満足されているか否かを判断する通信処理制御手段、及び
    前記通信処理ルールが満足されていると前記通信処理制御手段が判断した場合、データについて前記通信処理を行う通信手段、
    として前記コンピュータを機能させ、
    前記制御情報記憶手段は、前記通信処理を許可するか否かを決定するための通信可否判断ルールを、前記通信処理ルールと対応付けてさらに記憶し、
    前記通信処理制御手段は、前記通信処理ルールが満足されていると判断した場合、さらに通信可否判断ルールに基づいて通信処理を許可するか否かを判断し、
    前記通信手段は、前記通信処理制御手段により前記通信処理ルールが満足されていると判断され且つ前記通信可否判断ルールに基づいて通信処理を許可すると判断された場合のみ、前記データについて前記通信処理を行い、
    前記通信処理は、前記ドメイン内で共有されるデータの転送先への転送またはそのデータを記憶している取得先からの取得であることを特徴とするデータ処理プログラム。
  14. 前記通信可否判断ルールは、データの配信元、ドメイン、または前記データ処理装置のユーザのいずれかにより設定されることを特徴とする、請求項1に記載のデータ処理装置。
  15. 前記通信可否判断ルールは、前記データの所有者への前記データの転送を許可し、
    前記イベント検出手段が前記データ処理装置のドメインからの離脱を検出するとき、前記通信処理制御手段は、他のデータ処理装置の所有者が前記データの所有者か否かに基づいて、前記他のデータ処理装置へのデータの転送可否を判断し、
    前記通信手段は、前記通信処理制御手段により前記データの転送可と判断されたときに、前記データを前記他のデータ処理装置に転送する、
    ことを特徴とする、請求項1に記載のデータ処理装置。
  16. 前記データの利用履歴を蓄積する利用履歴蓄積手段をさらに備え、
    前記通信可否判断ルールは、所定の利用頻度を満たしているか否かに応じて前記データの転送を許可し、
    前記イベント検出手段が前記データ処理装置のドメインからの離脱を検出するとき、前記通信処理制御手段は、データの利用履歴から得られる利用頻度に基づいて前記データ取得の可否を判断し、
    前記通信手段は、前記通信処理制御手段により前記データを取得可と判断されたときに、外部から前記データを取得することを特徴とする、請求項1に記載のデータ処理装置。
  17. 前記ドメイン内のデータ処理装置のユーザそれぞれに対して設定されている個人優先度を外部から取得する優先度取得手段をさらに備え、
    前記通信可否判断ルールは、データの所有者よりも高い個人優先度を有するユーザのデータ処理装置への前記データの転送を許可し、
    前記イベント検出手段が前記データ処理装置のドメインからの離脱を検出するとき、前記通信処理制御手段は、外部から取得した個人優先度に基づいてデータ取得の可否を判断し、
    前記通信手段は、前記通信処理制御手段によりデータを取得可と判断されたときに、外部から前記データを取得することを特徴とする、請求項1に記載のデータ処理装置。
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