JP5898641B2 - ゴルフクラブヘッドのシェルモールドのクラウン部に対応する部位の鋳造流路の設計方法 - Google Patents

ゴルフクラブヘッドのシェルモールドのクラウン部に対応する部位の鋳造流路の設計方法 Download PDF

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本発明は、ゴルフクラブヘッドのシェルモールドの鋳造流路の設計方法に関するもので、特にゴルフクラブヘッドのシェルモールドのクラウン部に対応する部位の鋳造流路の設計方法およびそのシェルモールドによって鋳造し得るゴルフクラブヘッドのクラウン部に係り、ゴルフクラブヘッドのクラウン部は鋳造による成形が簡単にできる不等厚の構造を有するものである。
従来の方法として、例えば中華民国公告第I361091号の「ゴルフクラブヘッド」においては、図7に示すように、ゴルフクラブヘッド9には大体として一個の底部91、一個のクラウン部(crown)92、一個のフェース部93および一個のホーゼル94が含まれる。ゴルフクラブヘッド9の内部は中空状に形成され、底部91とクラウン部92は略相対する位置に位置し、ゴルフクラブヘッド9が底部91によって地面と当接する時、クラウン部92はゴルフクラブヘッド9の上部に位置するように形成される。フェース部93は打球するのに用いられ、ホーゼル94は一個のホーゼル(図示なし)と連接するのに用いられることにより、ゴルフクラブヘッド9は上記ホーゼルとともに一個のゴルフクラブを構成することができる。
一般的に言えば、比較的軽く、低重心と深重心のゴルフクラブヘッド9であれば、比較的広い範囲の打球のスイートスポットを有することができるため、ゴルフクラブの打球の性能を高めることができる。その中、ゴルフクラブヘッド9のクラウン部92に関して言えば、クラウン部92の肉厚を減らすことによってゴルフクラブヘッド9の全体の重量を有効に軽く減らすことができる。しかしながら、軽薄になり過ぎると、クラウン部92は変形して壊れ易くなるため、通常、業者はクラウン部92の内側において不等厚の構造を形成することにより、重量と強度の間に平衡を取るようにしている。
現在、上述した不等厚の構造は、通常、複数個の間隔で設置された多辺形の凹穴によって構成される。そのため、ゴルフクラブヘッド9のクラウン部92の内側において蜂の巣形状のような不等厚の構造が形成される。その中、クラウン部92に凹穴が設けられる部位においては、肉厚が比較的薄い部位を「薄肉エリア」と定義し、そしてそれぞれの凹穴の間に肉厚が比較的厚い部位を「厚肉エリア」と定義されている。
中華民国公告第I361091号公報
しかしながら、ゴルフクラブヘッド9を鋳造し成形する時、金属液はクラウン部92の薄肉エリアにおいてその流動性が低下してしまうという現象を有し、さらには常に肉厚の0.5mm以下の薄肉エリアにおいて、金属液は流動し難い情況が生じてしまうという問題点があった。その他に、クラウン部92の厚肉エリアも薄肉エリアによって金属液の流動が乱れるように分割されることにより、良好な金属液の流動による補充を獲得するのは難しくなるため、鋳造し得るゴルフクラブヘッド9は常にクラウン部92の部位において成形がよくないという問題点があった。
本発明は、このような問題点に鑑みて発明されたものであって、その第一の目的は、シェルモールドを使用してゴルフクラブヘッドを鋳造し成形する時、金属液の流動性を高めるとともに、ゴルフクラブヘッドのクラウン部の部位の不等厚構造を確実に鋳造し成形することを可能にし、ゴルフクラブヘッドの鋳造成形の歩留りを高めることができるゴルフクラブヘッドのシェルモールドのクラウン部に対応する部位の鋳造流路の設計方法を提供しようとするものである。
本発明の第二の目的は、不等厚構造を簡単に鋳造し成形することができるゴルフクラブヘッドのクラウン部を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明によるゴルフクラブヘッドのシェルモールドのクラウン部に対応する部位の鋳造流路の設計方法は、シェルモールドにゴルフクラブヘッドのクラウン部を成形するのに用いられる部位において一個の図心を備え、かつ図心を中心とする一個の中心エリアが定義され、少なくとも一個の注入口に位置を決定し、かつ複数個の互いに連通する流路を設置することにより、その中の複数個の流路は注入口に沿って中心エリアの方向へ向かって延伸するように形成され、複数個の流路の間に成形後に肉厚が比較的薄い薄肉エリア成形部を複数個設置し、かつ複数個の薄肉エリア成形部がシェルモールドにクラウン部を成形する部位の40%乃至70%を占めることを含む。
また、本発明によるゴルフクラブヘッドのシェルモールドのクラウン部に対応する部位の鋳造流路の設計方法は、それぞれの流路の幅(W)は、3mm<W≦15mmで、かつ単一の流路の総長さ(L)は40mm<L≦150mmであることもできる。また、中心エリアは図心を中心として半径30mmをカバーする範囲であることもできる。また、流路と薄肉エリア成形部の間に一個の導引部が設けられることにより、流路と薄肉エリア成形部の間に成形後の肉厚の段差を緩く減らすこともできる。
また、本発明によるゴルフクラブヘッドのクラウン部は、厚肉エリアおよび薄肉エリアを含み、薄肉エリアはクラウン部全体の40%乃至70%を占め、クラウン部には一個の図心と図心を中心とする一個の中心エリアが含まれ、厚肉エリアには強化部と流路凝固部が分けられ、強化部には少なくとも一個の参考点が含まれ、参考点は鋳造時の注入口に対応され、一部分の流路凝固部は参考点に沿って中心エリアの方向へ向かって延伸するように形成される。
さらに、本発明によるゴルフクラブヘッドのクラウン部は、厚肉エリアは肉厚(t)が0.5mm<t≦0.8mmのエリアで、薄肉エリアは肉厚が0.35mm<t≦0.5mmのエリアであることもできる。また、強化部の肉厚は0.7mm<t≦0.8mmで、流路凝固部の肉厚は0.5mm<t≦0.7mmで、流路凝固部にカバーされる範囲は厚肉エリア全体の50%乃至80%を占めることもできる。また、流路凝固部の幅は3mm<W≦15mmで、単一の流路凝固部の総長さは40mm<L≦150mmであることもできる。また、図心を中心として半径30mmをカバーする範囲はクラウン部の中心エリアを形成することもできる。また、他に導引エリアが含まれ、導引エリアは厚肉エリアと薄肉エリアの間に設けられ、かつ厚肉エリアから薄肉エリアに向かって肉厚を段々減らすように形成することもできる。
本発明のゴルフクラブヘッドのシェルモールドのクラウン部に対応する部位の鋳造流路の設計方法によれば、シェルモールドを使用してゴルフクラブヘッドを鋳造し成形する時、金属液の流動性を高めるとともに、ゴルフクラブヘッドのクラウン部の部位の不等厚の構造を確実に鋳造し成形するように製造でき、ゴルフクラブヘッドの鋳造成形の歩留りを高めることができるという利点がある。
本発明のゴルフクラブヘッドのクラウン部によれば、不等厚の構造を簡単に鋳造し成形することができるという利点がある。
図1は、本発明のゴルフクラブヘッドのシェルモールドのクラウン部に対応する部位の鋳造流路の設計方法の実施例1の実施段階の説明図一である。 図2は、本発明のゴルフクラブヘッドのシェルモールドのクラウン部に対応する部位の鋳造流路の設計方法の実施例1の実施段階の説明図二である。 図3は、本発明の実施例1によって鋳造し得るゴルフクラブヘッドのクラウン部の構造の説明図である。 図4は、本発明のゴルフクラブヘッドのシェルモールドのクラウン部に対応する部位の鋳造流路の設計方法の実施例2の流路の説明図である。 図5は、本発明のゴルフクラブヘッドのシェルモールドのクラウン部に対応する部位の鋳造流路の設計方法の実施例3の流路の説明図である。 図6は、本発明のゴルフクラブヘッドのシェルモールドのクラウン部に対応する部位の鋳造流路の設計方法の実施例4の流路の説明図である。 図7は、従来のゴルフクラブヘッドの構造の説明図である。
本発明の実施の形態について、以下、図面を参照して説明する。
図1は、本発明のゴルフクラブヘッドのシェルモールドのクラウン部に対応する部位の鋳造流路の設計方法の実施例1の実施段階の説明図一で、図2は、本発明のゴルフクラブヘッドのシェルモールドのクラウン部に対応する部位の鋳造流路の設計方法の実施例1の実施段階の説明図二で、図3は、本発明の実施例1によって鋳造し得るゴルフクラブヘッドのクラウン部の構造の説明図である。
図1、2、3を参照すると、本発明のゴルフクラブヘッドは一個のシェルモールド1によって鋳造して得られるものである。ゴルフクラブヘッドの上部の部位には一個のクラウン部が含まれる。シェルモールド1には一個のクラウン部成形部Fが設けられる。クラウン部成形部Fには後述から明らかとなる本発明の特殊な流路設計が含まれるため、シェルモールド1によって鋳造されるゴルフクラブヘッドはそのクラウン部においてクラウン部成形部Fの流路と互いに対応する不等厚の構造を形成することができる。
このように、本発明においては主にシェルモールド1のクラウン部成形部Fに対してその流路の形態を設計することにより、クラウン部の部位において特殊な不等厚の構造を有するゴルフクラブヘッドを鋳造し得るものであるため、ゴルフクラブヘッドにおいてクラウン部を除いたその他の部位、およびシェルモールド1においてクラウン部成形部Fを除いたその他の成形部位について、その構造の型態は全て現用の周知技術と全く同じであり、そして本発明において制限されるものではない。本発明のクラウン部成形部Fの鋳造流路の設計方法は大体として下記の段階を含む。
再び図1を参照すると、シェルモールド1のクラウン部成形部Fには一個の幾何形状の中心(以下「図心O」と称する。)が含まれ、さらに図心Oを中心として一個の中心エリアCが定義される。例を挙げて言えば、中心エリアCは図心Oを中心として半径約30mmをカバーする範囲からなることができる。
再び図2を参照すると、少なくとも一個の注入口11の位置を決定し、さらに複数個の互いに連通する流路12を設置することにより、それぞれの流路12は注入口11に沿って中心エリアCの方向へ向かって延伸するように形成される。例を挙げて言えば、実施例1においては選択的に二個の注入口11a、11bを設置することができ、その中の一個の注入口11aは主としてフェース部を成形するための側端に設けられ、もう一個の注入口11bは主としてフェース部の相対する端縁を成形するための位置に設けられる。
これにより、図2に示すように、シェルモールド1の複数個の流路12の内の大多数の流路12は全てそれぞれ注入口11a、11bに沿って中心エリアCの方向へ向かって延伸するように形成される。さらに、中心エリアCを通過した後、引き続き相対する側の端縁まで延伸するため、ゴルフクラブヘッドを鋳造する時に金属液が円滑にシェルモールド1内の各部位に流れ込むのを確保することができる。実施例1において、それぞれの流路12の幅(W)は約3mm<W≦15mmであるように形成され、かつ単一の流路12の総長さ(L)は約40mm<L≦150mmであるように形成される。
上述した流路12の設置を完成した後、さらに進んで複数個の流路12の間に複数個の薄肉エリア成形部13を設置することにより、成形後のゴルフクラブヘッドにおいては、それぞれの薄肉エリア成形部13に対応する部位において、肉厚が比較的薄い型態を形成することができる。その中、複数個の薄肉エリア成形部13は略クラウン部成形部F全体のの40%乃至70%を占めることにより、成形後のゴルフクラブヘッドのクラウン部の重量を軽く減らすことができるため、ゴルフクラブヘッドの打球性能を高めることができる。
他に、流路12と薄肉エリア成形部13の間には好ましくは一個の導引部14が設けられることにより、流路12と薄肉エリア成形部13の間の成形後の肉厚の段差を緩く減らすことができるため、力を受けた時に応力の集中によって破損してしまうのを避けることができる。
上述した段階で構成されるクラウン部成形部Fにおいて、金属液が注入口11a、11bからシェルモールド1に注入された後、金属液は円滑に複数個の流路12によって確実にそれぞれの薄肉エリア成形部13に向かって流動して充填することにより、成形後のゴルフクラブヘッドのクラウン部の部位は比較的厚いまたは比較的薄い部位に対しても、全て予期される形態に基づいて成形することができる。そのため、従来技術における成形がよくないという問題点を徹底的に解決することができ、さらに鋳造し得るゴルフクラブヘッドはクラウン部の部位において成形性のよい不等厚の構造を有することができるため、ゴルフクラブヘッドの鋳造成形時の歩留りを高めることができる。
再び図3を参照すると、それは本発明の実施例1の設計流路によって鋳造し成形したゴルフクラブヘッドで、上記ゴルフクラブヘッドは中空状に形成される。上記ゴルフクラブヘッドには一個のクラウン部2が含まれ、クラウン部2の不等厚の構造はクラウン部2の内表面上に成形される。図3においては、クラウン部2の不等厚の構造を現すためにゴルフクラブヘッドを逆さまに配置し、さらに、実線だけでゴルフクラブヘッドのクラウン部2を描いて表現している。
クラウン部2には、一個の図心O、および図心Oを中心とする一個の中心エリアCが含まれる。例を挙げて言えば、中心エリアCは図心Oを中心として半径30mmをカバーする範囲である。他に、図心Oの位置はクラウン部2の異なる形状に応じて変えることができることは、本発明の分野に通常の知識を有する者には容易に理解できることである。
さらに詳しく言えば、ゴルフクラブヘッドのクラウン部2は、大きく分けて厚肉エリア21と薄肉エリア22に分けることができる。厚肉エリアは肉厚(t)が約0.5mm<t≦0.8mmのエリアであり、薄肉エリアは肉厚が約0.35mm<t≦0.5mmのエリアで、かつ薄肉エリア22はクラウン部2全体のの40%乃至70%を占めることにより、クラウン部2の重量を軽く減らすのを確保することができるため、ゴルフクラブヘッドの打球性能を高めることができる。
その他に、クラウン部2には、好ましくは、他に導引エリア23が含まれる。導引エリア23は厚肉エリア21と薄肉エリア22の間に設けられ、さらに厚肉エリア21から薄肉エリア22に向かって肉厚を段々減らすように形成されることにより、厚肉エリア21と薄肉エリア22の間の段差を緩く減らすのに用いることができる。このため、クラウン部2が力を受けた時、応力集中によって破損してしまうのを避けることができる。
その中、クラウン部2の厚肉エリア21は強化部21aと流路凝固部21bに分けることができる。強化部21aの肉厚は約0.7mm<t≦0.8mmで、厚肉エリア21の中に相対的に厚い部位に属し、比較的よい強度の構造を有するため、通常、フェース板と互いに連接する部位に形成され、打球時に生じる衝撃力を支えるのに用いられる。
その他に、鋳込時に金属液が円滑にシェルモールドの中に流れ込ませるべく、注入口と連接する部位の流路のサイズは比較的大きく形成され、金属液が凝固した後、その部位における肉厚が比較的厚い強化部21aが形成される。すなわち、ゴルフクラブヘッドのクラウン部2の厚肉エリア21の強化部21aにおいて、少なくとも一個の参考点Pが含まれ、参考点Pは鋳造時の注入口11に対応し(図2を参照)、かつ実施例1において述べたように、ゴルフクラブヘッドを成形する時に選択的に二個の注入口11a、11bを設置する場合、クラウン部2の強化部21aには二個の参考点P1、P2が含まれる。
流路凝固部21bの肉厚は約0.5mm<t≦0.7mmであり、厚肉エリア21の中に相対的に比較的薄い部位に属する。流路凝固部21bはゴルフクラブヘッドを鋳造する時、主として金属液が流動するための通路として用いられ、流路凝固部21bがカバーする範囲は約厚肉エリア21全体の50%乃至80%を占める。
実施例1において、流路凝固部21bは、大体、参考点P1、P2に沿って中心エリアCの方向へと延伸するようにクラウン部2の内表面に分布され、流路凝固部21bが中心エリアCを通過した後、引き続き相対する側の端縁まで延伸するように形成される。その中、流路凝固部21bの幅は約3mm<W≦15mmで、かつ単一の流路凝固部21bの総長さは約40mm<L≦150mmである。
再び図2、3を参照すると、上述した構造によってゴルフクラブヘッドを鋳造し成形する時、金属液は注入口11a、11bから注入され、さらに複数個の流路12から円滑にそれぞれの薄肉エリア成形部13に向かって流動して充填することにより、成形後のゴルフクラブヘッドのクラウン部2の部位は、厚肉エリア21であっても薄肉エリア22であっても、全て予期される様態に確実に成形することができ、鋳造し得るゴルフクラブヘッドはクラウン部2の部位において良好な不等厚の構造を有するように成形することができるため、ゴルフクラブヘッドとホーゼル(図示せず)が結合した後、打球性能が良好なゴルフクラブヘッドを構成することができる。
図4は、本発明のゴルフクラブヘッドのシェルモールドのクラウン部に対応する部位の鋳造流路の設計方法の実施例2の流路の説明図である。図4を参照すると、実施例2は大体として上述した実施例1と同じである。その主な差異は、実施例2では、シェルモールド1には選択的に一個の注入口11cが設けられ、かつ注入口11cは大体フェース部を成形するための側端に設けられることである。
これにより、図4に示すように、シェルモールド1の複数個の流路12の内の大多数の流路12は全てそれぞれ注入口11cに沿って中心エリアCの方向へ向かって延伸するように形成され、さらに中心エリアCを通過した後、引き続き相対する側の端縁まで延伸する。そのため、ゴルフクラブヘッドを鋳造する時に金属液が円滑にシェルモールド1内の各部位に流れ込むのを確保することができる。その中、少なくとも一個の流路12’を上述した方向に沿って延伸する複数個の流路12と横断して連接させることにより、鋳造成形後に少なくとも一個のリブを形成することができるため、補助的にクラウン部の全体構造の強度を高めることができる。
図5は、本発明のゴルフクラブヘッドのシェルモールドのクラウン部に対応する部位の鋳造流路の設計方法の実施例3の流路の説明図である。図5を参照すると、実施例3は大体として上述した実施例1と同じである。実施例3における主な特徴点は、シェルモールド1には選択的に二個の注入口11d、11eが設けられ、かつ二個の注入口11d、11eは大体フェース部を成形するための両側端に設けられる。
これにより、図5に示すように、シェルモールド1の複数個の流路12の内の大多数の流路12は、全て、それぞれ二個の注入口11d、11eに沿って中心エリアCの方向へ向かって延伸するように形成され、さらに中心エリアCを通過した後、引き続き相対する側の端縁まで延伸するように形成され、そして、複数個の流路12の末端は交錯状に形成されるため、複数個の薄肉エリア成形部13を設置することができる。このように、ゴルフクラブヘッドを鋳造する時に金属液がスムースにシェルモールド1の内の各部位に流れ込むのを確保することができるため、ゴルフクラブヘッドのクラウン部の不等厚の構造をスムースに成形することができる。
図6は、本発明のゴルフクラブヘッドのシェルモールドのクラウン部に対応する部位の鋳造流路の設計方法の実施例4の流路の説明図である。図6を参照すると、実施例4は大体として上述した実施例1と同じである。実施例4における主な特徴点は、シェルモールド1には選択的に三個の注入口11f、11g、11hが形成される点にある。三個の注入口11f、11g、11hは大体フェース部を成形するための両側端と中間部位に設けられる。
これにより、図6に示すように、シェルモールド1の複数個の流路12の内の大多数の流路12は全てそれぞれ三個の注入口11f、11g、11hに沿って中心エリアCの方向へ向かって延伸するように形成され、さらに中心エリアCを通過した後、引き続き相対する側の端縁まで延伸するように形成される。このように、ゴルフクラブヘッドを鋳造する時、金属液は流路12に沿ってクラウン部成形部Fの中心部位(すなわち大体クラウン部成形部Fの図心Oの部位で中心エリアCの内に位置する。)まで流れ込み、それから再び放射線状に周囲に向かって流れ込むことにより、金属液が円滑にシェルモールド1内の各部位に流れ込むのを確保することができるため、ゴルフクラブヘッドのクラウン部の不等厚の構造をスムースに成形することができる。
上述を綜合すると、従来のゴルフクラブヘッドでは、成形性を考えずに先に薄肉エリアの形態を設計するため、鋳造時にクラウン部の部位において成形が悪くなるという問題が生じがちであったが、本発明では、先にクラウン部の全体を補充できる流路を設計した後、再び流路の外の部位に薄肉エリアを設置してクラウン部の重量を減らすものである。それ故、本発明のゴルフクラブヘッドのシェルモールドのクラウン部に対応する部位の鋳造流路の設計方法によれば、シェルモールドを使用してゴルフクラブヘッドを鋳造し成形する時、金属液の流動性を高めることにより、金属液を先に厚肉エリアを略充満状態となるように充填した後、再び近くの未だ充填を完成していない薄肉エリアに対して充填を行なうことにより、金属液はクラウン部全体を確実に充填することができ、それにより、ゴルフクラブヘッドのクラウン部の部位の不等厚の構造が確実に鋳造し成形するのを確保し、ゴルフクラブヘッドの鋳造成形の歩留りを高めることができる。
また、本発明のゴルフクラブヘッドのクラウン部によれば、鋳造成形が行ない易い不等厚の構造を有するため、厚肉エリアまたは薄肉エリアであっても、全て予期される様態に確実に成形することができ、そして、鋳造し得るゴルフクラブヘッドはクラウン部の部位において良好な不等厚の構造を有するように成形することができるため、ゴルフクラブヘッドとホーゼルが結合した後、打球性能が良好なゴルフクラブヘッドを構成することができる。
本発明は、その精神と必須の特徴事項から逸脱することなく他のやり方で実施することができる。従って、本明細書に記載した好ましい実施形態は例示的なものであり、限定を意図するものではない。
1 シェルモールド
11 注入口
11a、11b、11c、11d、11e、11f、11g、11h 注入口
12 流路
13 薄肉エリア成形部
14 導引部
2 クラウン部
21 厚肉エリア
21a 強化部
21b 流路凝固部
22 薄肉エリア
23 導引エリア
9 ゴルフクラブヘッド
91 底部
92 クラウン部
93 フェース部
94 ホーゼル
F クラウン部成形部
O 図心
C 中心エリア
P、P1、P2 参考点

Claims (3)

  1. ゴルフクラブヘッドのシェルモールド(1)のクラウン部(2)に対応する部位の鋳造流路の設計方法であって、シェルモールド(1)にゴルフクラブヘッドのクラウン部(2)を成形するのに用いられる部位に一個の図心(O)が含まれ、かつ図心(O)を中心とする一個の中心エリア(C)が定義され、中心エリア(C)は図心(O)を中心として半径30mmをカバーする範囲であり、少なくとも一個の注入口(11)の位置を決定し、かつ複数個の互いに連通する流路(12)を設置することにより、その中の複数個の流路(12)が注入口(11)に沿って中心エリア(C)の方向へ向かって延伸するように形成され、複数個の流路(12)の間に成形後に肉厚が比較的薄い薄肉エリア成形部(13)を複数個設置し、かつ複数個の薄肉エリア成形部(13)はシェルモールド(1)にクラウン部(2)を成形する部位の40%乃至70%を占めることを含む、ゴルフクラブヘッドのシェルモールドのクラウン部に対応する部位の鋳造流路の設計方法。
  2. それぞれの流路(12)の幅(W)は3mm<W≦15mmで、かつ単一の流路(12)の総長さ(L)は40mm<L≦150mmであることを特徴とする請求項1に記載の鋳造流路の設計方法。
  3. 流路(12)と薄肉エリア成形部(13)の間に一個の導引部(14)が設けられることにより、流路(12)と薄肉エリア成形部(13)の間に成形後の肉厚の段差を緩く減らすことを特徴とする請求項1に記載の鋳造流路の設計方法。
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