JP5897774B2 - 生体試料の冷凍保存用基板装置、冷凍保存装置、および冷凍保存方法 - Google Patents

生体試料の冷凍保存用基板装置、冷凍保存装置、および冷凍保存方法 Download PDF

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Description

本発明は、生体細胞を含む生体試料の冷凍保存を行い、生体試料を入れる培養面と、培養面および培養液を入れるチャンバとを特に備える基板装置に関する。また、本発明は、かかる基板装置を少なくとも1つ備える冷凍保存装置に関する。また、本発明は、上記基板装置または冷凍保存装置を用いて行われる、生体細胞を含む生体試料の冷凍保存方法に関する。本発明は、生体細胞の冷凍保存、特に、ヒトES細胞などの幹細胞、または卵母細胞などの胚細胞の冷凍保存に用いられる。
ヒトES細胞(hESC)を長期間保存するために、冷凍保存(凍結状態での保存)を行うことが知られている。例えば、指定方法の1つに「緩慢凍結」があり、他の細胞型で用いられる十分に試行された冷凍保存方法がhESCに適用される。細胞は培養面から分離され、試料容器内において凍結防止剤(例えば、10%のDMSO)を加えられ、ゆっくりとした冷却速度で浮遊状態で凍結される。試料は、例えば水槽に入れて解凍することで復元される(例えば「Biotechnol. Appl. Biochem.」vol.41,2005年,97-104頁のB.C.Heng他を参照のこと)。「緩慢凍結」方法には、低有効性と低信頼性、培養面から細胞を分離する際の化学的および機械的ストレス、低細胞生存率、および解凍された細胞の機能性に限界がある点において問題がある。よって、解凍後、細胞は培養面の限られた範囲内でしか培養することができず、再培養には長時間かかる。
「緩慢凍結」に対する既知の代替方法としては、ガラス化による冷凍保存があり(ほぼ瞬間冷凍、または急速冷凍)、ガラス化を実現するために極めて高速な冷却速度で細胞が凍結される(例えば−130℃)。冷却速度は、例えば「Cryobiology」vol.63(1),2011年,32頁のM.Sansinena他(「Numerical simulation of cooling rates in vitrification systems used for oocyte cryopreservation」)により評価される。ガラス化の一般的な問題は、氷晶の形成を防ぐために高濃度の凍結防止剤が必要となることであるが、こうした凍結防止剤は、毒性作用を有して冷凍保存の成果を損なうことが多い。
冷却速度が極めて高速であるために、従来のガラス化では試料(細胞および低温培地)は少量に制限される。従来の場合、概ね、量が少ないほど試料の表面積対体積率が大きくなり、試料と冷却媒体との間の距離が短いほど良好なガラス化の確率が高まる。
従来のガラス化のもう1つの一般的な限界は、ライデンフロスト現象に由来する。この現象は、温かい面が液体窒素と接触するときの気泡の形成により見分けられる。冷却速度を下げ、よって良好なガラス化の可能性も低下する絶縁領域が形成される。
また、従来のガラス化では、大きくかつ急激な温度差に耐えることが期待される材料への要求が高い。ガラス化基板の場合、部品のクラッキングやずれが、細胞傷害を引き起こしたり試料の無菌状態を低くしたりすることがある。そのため、材料の損害を防ぎ摩耗を最小限とする適切な材料または方法を見つけることには関心がよせられている。
例えば、既知の方法の1つにストロー内ガラス化があり、細胞が培養面から分離され、低温培地でのインキュベーションの後で、開放または閉鎖ストロー、任意でプラスチックピンの先端、に運ばれる(「Mol. Reprod. Dev.」vol.51,1998年,53-58頁のG.Vajta他、「Stem Cells」vol.22,2004年,779-789頁のM.Richards他、「Theriogenology」vol.67,2007年,73−80頁のM.Kuwayama他、「Reprod. Biomed. Online」vol.11,2005年,608−614頁のM.Kuwayama他)。
ストロー内ガラス化では生存率に優れるが、多くの量の取り扱いには適していない。極めて少量の試料と、最大化された表面積対体積率と、により、一度にガラス化可能な細胞の量は大幅に減少する。ストローの厚みは、直径が大きすぎると表面積対体積率が良好なガラス化には好ましくないものとなるため、かなり制限される。ストローを長くすれば表面積対体積率を維持することができるが、取り扱いの関係で、試料インキュベーション時間が非常に長くなり細胞傷害につながることになる。
また、ストロー内ガラス化は、非常に高価であり、またその成果は操作者個人の専門技能に大きく依存する。この方法の問題は、特に試料の取扱いが難しいことによるものであり、高濃度の有毒な凍結防止剤でのインキュベーション時間の調整における間違いや、凍結および解凍の際の高細胞消失が起こる可能性がある。また、これらの方法によってガラス化可能な細胞の数は、極めて限定的である。
別の既知のガラス化方法では、いわゆる「クライオループ」が用いられる。クライオループを用いることで、細胞を含む試料の液滴がピンの端部のプラスチックリングに保持され、液体窒素に浸される(−196℃)(「Fertil. Steril.」vol.72,1999,1073−1078頁のM.Lane他)。この方法の問題は、試料と窒素との直接接触と、窒素中の不純物による細胞のコンタミネーションの危険性と、によるものである。
別の既知のガラス化として、接着状態の細胞が培養面でガラス化する接着ガラス化がある(「Cryobiology」vol.63,2011,175-185頁のA.F.Beier他)。A.F.Beierにより提案されるこの方法を、図11に模式的に示す(先端技術)。まず、生体細胞2’が基板プラットフォーム10’に接着状態で培養される。基板プラットフォーム10’は、培養液3’の入った容器20’に配置される(図11A)。培養液3’は、例えば栄養媒体と少なくとも1種類の凍結防止剤とを含む。生体細胞2’をガラス化するために、冷却媒体4’としての液体窒素の入った別の容器30’に基板プラットフォーム10’が移される(図11B)。容器30’において細胞2’のガラス化が起こる。永久保存するためには、基板プラットフォーム10’は窒素タンク60’内の液体窒素4’の蒸気の中に置かれる(図11C)。
この方法にも、やはり、試料と窒素との直接接触と、その結果としての窒素中の不純物による細胞のコンタミネーションの危険性と、による問題がある。特に、微生物によるコンタミネーションのリスクにより、臨床用途の可能性が大きく制限される(「Reprod. Biomed. Online」vol.24,2012,180−185頁のD.Stoop他)。液体窒素による殺菌方法も存在するが、時間もコストもかかる。
製造直後の液体窒素の純度は高く、市販時には実際には製剤品質を有しているが、運搬中や保管中に微生物やそのほかの不純物によるコンタミネーションが起こる可能性がある。コンタミネーションは、液体窒素の表面におけるエアロゾル形成により気相にも伝わることがあり、空気の質を損なう。ろ過による液体窒素の浄化方法は煩雑であり、実際には十分な信頼性がないことがわかっている。
容易に実施可能で、特に低温培地におけるインキュベーション時間の厳守に対する要求があまり厳格でないガラス化方法には関心が寄せられている。また、より費用対効果が優れ、労働集約性が低く、効率的な方法でhESCを利用するための冷凍保存の自動化に関心が寄せられている。例えば、自動バイオバンクは、多数の患者または生命体からの幹細胞の保存と使用を可能にする。
また、良好に冷凍保存を行うために、例えばストロー内でのガラス化および解凍の後であって、例えば実験や治療の用途で利用される前に、細胞が培養面で再成長可能であることが望ましい。冷凍保存の効率を最大限にするよう解凍から使用までの時間を最小限にすることに、関心が寄せられている。
従来の培養方法では、多くの場合、冷凍保存前に接着状態にある細胞を分離または培養することができない。冷凍保存に対する要求を高める懸滴培養についても、ここで明確に述べておく。これらの培養技術とともに用いることができる新規な冷凍保存技術の可能性は、非常に有益であり、新たな利用方法の余地を作り出す。
US5257128は、100℃から−100℃の範囲で制御可能な温度での液体培地における凍結および解凍の際に細胞を観察するクライオベンチを開示する。しかしながら、クライオベンチは、培養目的にも試料のガラス化にも適さない。DE69633854T2は、皿部と、組織等価物を固定する膜による支持部と、蓋部とを備える容器を用いた、低温で培養された組織等価物の維持・保存の方法およびパッケージを開示する。この容器もまた、培養目的にも試料のガラス化にも適さない。培養容器は、US5650325、WO9640858A1、GB1539263A、に開示されているが、冷凍保存を目的として設計されたものではない。
本発明の目的は、生体細胞を含む生体試料の冷凍保存ために改良された基板装置および方法を提供することであり、この装置および方法により、従来の生体試料の冷凍保存技術の問題および制限が排除または最小化される。本発明の別の目的は、生体試料の冷凍保存用の基板装置を少なくとも1つ備える、改良された冷凍保存装置を提供することである。特に、本発明により、一度により多くの試料を貯蔵することができ、貯蔵条件を再現可能に調整できるようにし、試料のコンタミネーションの可能性の排除と、生体試料のガラス化と、のうち少なくともいずれかを可能とする冷凍保存技術が提供される。
上記の目的は、独立請求項の特徴を有する基板装置、冷凍保存装置、および方法によって実現される。本発明の好適な実施形態および用途については、従属請求項に記載される。
本発明の第1の様態において、上記の目的は、特に生体細胞を含む生体試料の冷凍保存のための、培養面を有する基板プラットフォームと、基板プラットフォームの培養面を有し、培養液を入れるよう構成された第1チャンバと、を備える基板装置を提供する、一般的な技術的教示によって実現される。本発明によれば、基板装置は、温度制御媒体(冷却媒体または加熱媒体)を入れるよう構成された第2チャンバを備える。本発明によれば、第1チャンバおよび第2チャンバは、連結されている。両チャンバは、基板プラットフォームが第1チャンバの内部と第2チャンバの内部との間の分割壁となるよう、互いに隣接して接続される。第1チャンバ(または第1容器や培養区画)は、好ましくは平坦な広がりを有する培養面を含む。培養面は、接着細胞培養物または懸滴培養物を入れるのに適した生物学的適合性材料からなる面である。第2チャンバ(または第2容器、窒素区画)は、基板プラットフォームによって第1チャンバから区切られている。第1チャンバの生体試料は、周囲、特に第2チャンバの温度制御媒体から、分離されている。液状または気体状の物質間の交換は除外される。
好都合には、第1チャンバと第2チャンバとの間に設けられた本発明の基板プラットフォームは、同時に複数の機能を果たす。まず、基板プラットフォームの前面に培養面の広がりが配され、この培養面により、非常に高い表面積対体積率で生体試料を入れることができる。培養面のサイズの選択には制限がなく、例えばストロー内冷凍保存の場合に比べると、極めて多量の試料を冷凍保存することができる。
次に、基板プラットフォームは、培養面の層方向に延びる固体要素である。基板プラットフォームは、基本的には培養面に垂直、すなわち基板プラットフォームの厚み方向にはあまり伸びないため、温度制御媒体から生体試料への熱伝達の点では、試料と温度制御媒体との間の距離は無視できるほどのものである。基板プラットフォームは、第1チャンバに面した前面が培養面となり、反対側の第2チャンバに面した背面が第2チャンバの蓋となる、シート、フィルム、または層状の材料からなる。
第3に、基板プラットフォームは、生体試料と温度制御媒体との間、特に生体試料と液体窒素との間を確実に分離する。これにより、従来の技術と比較して、温度制御媒体を浄化するために特別な予防措置をとる必要がなく、信頼性の向上した基板装置を、新しい用途、特に医療や生物工学上の用途において利用できるようにする。
本発明の第2の様態において、上述の目的は、第1ステップにおいて特に培養された生体細胞が第1チャンバの培養液中で基板プラットフォームの培養面に配置され、第2ステップにおいて第1チャンバに隣接する第2チャンバに冷却媒体を充填することにより第1チャンバと第2チャンバとの間の分割壁となる基板プラットフォームの温度を低下させて生体試料を凍結状態に変換させる、生体試料の冷凍保存方法を提供する一般的な技術的教示によって実現される。好ましくは、この方法は、上述した本発明の第1の様態に係る基板装置を用いて行われる。好ましくは、第2チャンバに冷却媒体を充填することにより、生体試料のガラス化が実現するように、生体試料を保持する基板プラットフォームの温度が急速に低下する。
本発明の方法は、種類の異なる生体試料を用いて行われてもよい。「生体試料」という用語は、生体細胞および培養液の任意の組成を指す。培養液は、細胞の周囲の液膜または液滴となる。生体細胞は、分離された細胞、細胞群、または細胞コロニーであり、特に接着状態または浮遊状態にある。生体試料は、1種類の細胞(同一の細胞)を含むものであってもよく、例えば幹細胞および分化した細胞など、異なる種類の細胞を含むものであってもよい。本発明の好都合な変形例において、例えば、接着状態であって異なる種類の細胞を、冷却媒体の影響で凍結が起こるよりも前に培養面で共通に培養(共培養)することができる。一般に、培養液(低温培地)は、少なくとも1種類の栄養媒体と、例えばDMSO、プロパンジオール、エチレン・グリコールのような少なくとも1種類の凍結防止剤と、を含む。凍結防止剤の組成は、特に、DMSO20%、エチレン・グリコール20%、トレハロース300mMであってもよい。単一の培養液を一度に、またはそれぞれ異なる栄養媒体および/または凍結防止剤を含む複数の培養液を連続して用いてもよい。
本発明の方法において特に好都合な点は、本発明の技術を用いることで、先に説明したライデンフロスト現象による問題が最小限に抑えられることにある。冷却媒体が第2チャンバに充填される際に徐々に形成される気泡は全て第2チャンバの上部に集まり、よって基板プラットフォームから取り除かれる。したがって、不必要な断熱領域の形成が防止される。
本発明の第3の様態において、上述の目的は、上述した本発明の第1の様態に記載の基板装置を少なくとも1つと、当該少なくとも1つの基板装置を入れて回転(旋回)するよう構成される回転装置と、を備える冷凍保存装置を提供する、一般的な技術的教示によって実現される。基板装置は、冷凍保存装置内に回転可能に配置される。本発明によれば、基板装置は、回転装置により、垂直方向すなわち重力方向における第1チャンバおよび第2チャンバの配置に関して異なる状態間で回転(旋回)することができる。回転装置により、基板装置は、第1チャンバが第2チャンバの垂直方向上方に配置されて基板プラットフォームが第1チャンバの床部となった状態である培養状態と、第2チャンバが第1チャンバの上方に配置されて基板プラットフォームが第2チャンバの床部となった状態である温度制御状態と、の間を旋回することができる。
本発明の好適な用途によれば、基板装置は、培養面の生体試料のガラス化を行うよう構成される。このため、基板プラットフォームの厚みおよび熱伝導率は、好ましくは第2チャンバ内に露出している基板プラットフォームの背面が、例えば−130℃以下など試料のガラス転移温度より低い温度の冷却媒体、特に液体窒素で濡れている場合、生体試料の温度が即座に冷却媒体の温度とされるように選択されることが好ましい。試料のガラス転移温度は例えば約−130℃であるが、濃度や例えば気圧などの条件によっては、これよりも高くても低くてもよい。基板プラットフォームの厚みおよび熱伝導率は、特に、マイナス5000°/s、特に好ましくはマイナス37,500°/sよりも早い冷却速度が実現されるように選択される。好都合に、これにより、現実的な利点のある冷却速度が実現される(上掲のM.Sansinena他を参照)。
好都合に、基板プラットフォームの厚みは、当業者により、所望の冷却速度、水平方向の広がり、および要求される機械的安定性に応じて選択されてもよい。生体試料をガラス化するためには、本発明の好適な変形例における基板プラットフォームの厚みが、200μm未満、特に好ましくは120μm未満、例えば100μm以下であることが好都合であることがわかっている。また、基板プラットフォームが、ガラス、プラスチック、例えばシリコンなどの半導体材料、または例えば銅、金、銀などの金属からなる場合、生体試料のガラス化を好都合に促進することができる。一般に、熱伝導率が高い、例えば上記材料の熱伝導率を有する生体適合性材料が用いられる。ガラスまたはプラスチックの基板プラットフォームは、機械的安定性が高く生体適合性材料が入手しやすいという点で好都合である。また、半導体材料または金属からなる基板プラットフォームは、安定性が高く熱伝導率も高いという点で好都合である。さらに、基板プラットフォーム、特に好ましくは基板装置全体に金属を用いることは、金属の熱容量のおかげで好都合である。例えば、窒素タンクにおいて冷却できない場合でも、少なくとも一時的には試料に必要とされる保存温度を維持することができ、これにより試料の損失を最小限に抑える。
別の好都合な変形例によれば、基板プラットフォームは、透明材料からなってもよい。特に好ましくは、基板プラットフォームは、培養面の生体試料に対して光学的研究、特に顕微鏡による研究を行うことができるように形成されてもよい。好都合に、これにより、凍結中および冷凍保存中に試料を観察することができる。
本発明の別の好都合な実施形態によれば、基板装置は、基板プラットフォームと第1および/または第2チャンバとの間を液密かつ分離可能に接続するよう構成された基板保持部を備える。好都合には、基板保持部は、交換可能な基板プラットフォームを固定する手段を構成する。基板装置には、例えば保存対象の細胞型および/または本発明の用途に応じて選択される別の培養面が設けられていてもよい。
本発明の別の好都合な変形例によれば、基板装置の第1および/または第2チャンバには補償部が設けられる。補償部は、基板プラットフォームと、第1および/または第2チャンバの他の部分と、の間に配置されて、基板プラットフォームと第1チャンバとの間の温度依存性の機械的ストレスを吸収するよう構成される。基板プラットフォームと、第1または第2チャンバの他の部分と、が異なる材料からなる場合、基板装置が冷却または加熱されるときに生じる機械的ストレスが補償部により補償される。補償部は、例えば伸縮継ぎ手であり、基板プラットフォームと、第1および/または第2チャンバのホルダと、の間の柔軟性のある緩衝地帯となる。
代替的または付加的に、基板装置の第1チャンバには均圧弁が設けられてもよい。均圧弁は、第1チャンバとその周囲との間の過剰圧力を等しくするのに適している。過剰圧力は、例えば基板装置が加熱されて生体試料を復元するときに生じることがある。
本発明の別の変形例において、基板プラットフォームは第1チャンバまたは完成した基板装置と一体の要素であってもよい。例えば、基板装置は、第1および第2チャンバならびに基板プラットフォームの単一部品であってもよい。この場合、基板装置の機械的安定性、および基板装置が小型である点で、好都合である。基板装置は、例えば射出成形プロセスによりプラスチックで形成されてもよい。
本発明による基板装置によれば、好都合には、培養液および/または温度制御媒体の送達のための別の変形例が可能である。例えば、注入装置で各媒体を第1または第2チャンバに充填する手動送達を行ってもよい。また、基板装置は、培養液および/または温度制御媒体の1つを搬送するよう構成された搬送装置を備えてもよい。この変形例には、基板装置の使用を自動化し、媒体搬送および所与の保存手順遵守における再現性が向上するという利点がある。好都合には、搬送装置は、例えば第1チャンバまたは第2チャンバ壁部または蓋部に一体化されたマイクロ流体装置を備えてもよい。マイクロ流体ユニットは、例えばマイクロ流体システム技術からそれ自体が知られている、媒体搬送のための導通要素および計測要素を有する流体チップを備える。代替的または付加的に、搬送装置は、第1チャンバまたは第2チャンバの内部につながる媒体ラインを少なくとも1つ備えてもよい。マイクロ流体ユニットと同様に、媒体ラインは代替的に基板プラットフォームに一体化されてもよい。
本発明の別の好都合な変形例によれば、基板装置の第1チャンバおよび第2チャンバが互いに分離可能に接続されていれば、本発明の具体的な用途での要求に対する基板装置の適用、また例えば第1チャンバの洗浄や第1チャンバに生体試料をロードする際の基板装置の取り扱いにおいて、さらに有利である。第1の変形例において、第2チャンバが、第1チャンバを分離可能に入れるよう構成されたチャンバフレームにしっかりと接続されていてもよい。好都合には、この場合、チャンバフレームを有する第2チャンバが、まず第1チャンバ内の生体試料の温度制御、次に第1チャンバの保持という二重の機能を果たす。別の変形例では、第1チャンバおよび第2チャンバは、ねじ継ぎ手を介して互いに接続される。
本発明の実施においては、1つの単一の第1チャンバを1つの単一の第2チャンバへ連結することに限定されない。特に、異なる種類の細胞を保存するために、第1チャンバがそれぞれ別の試料を入れるよう配置されたいくつかのサブチャンバに細分化されると好都合である。サブチャンバは互いに隣り合わせに、第2チャンバに隣接して配置され、基板プラットフォームがサブチャンバと第2チャンバとの間の共通の分割壁となる。好都合には、全サブチャンバ内の全試料が、第2チャンバ内の温度制御媒体によって、同時に同じ温度、例えば凍結または解凍温度になる。
本発明の特に好ましい別の実施形態において、基板装置は、特に本発明の第3の様態に係る冷凍保存装置である支持体に旋回可能に基板装置を入れるよう構成されたチャンバ保持部を備える。チャンバ保持部は、例えば基板プラットフォームの広がりに平行な面に配置された2つの支持要素を有しており、これらの要素は例えば冷凍保存装置などの支持体に連結されてもよい。支持要素は、例えば、支持体の軸受に乗った差し込み部、または支持体の差し込み部を入れるピボット軸受である。好都合には、チャンバ保持部は、基板装置が、培養状態と保存状態との間で横軸を中心に再現可能な方法で急速旋回できるようにする。
好都合には、本発明に係る冷凍保存を、培養面への生体細胞の準備の点で異なる、異なる種類の細胞培養物において実行してもよい。本発明の方法の第1変形例は、接着生体細胞、すなわち培養面に接着(付着)して配置される生体細胞の冷凍保存を提供する。この場合、第1の部分的ステップにおいて、基板装置を、第1チャンバが第2チャンバの上に配置されて基板プラットフォームが第1チャンバの床部となった状態である培養状態とする。培養面の接着細胞培養物は、培養液で覆われる。生体細胞は、栄養媒体および/または培養液中の分化因子の作用により、培養面で培養、すなわち細胞増殖および任意で細胞増殖を施される。次の部分的ステップにおいて、基板装置は、第2チャンバが第1チャンバの上に配置されて基板プラットフォームが第2チャンバの床部となった状態である温度制御状態に旋回される。培養液は、好都合には、培養面に接着したままの細胞が残余培養液の表面張力によって薄い液膜にのみ覆われたままとなるように、第1チャンバから流れ出す。これにより、冷凍保存が施される生体試料の量が最小限となる。温度制御状態において、例えば液体窒素などの冷却媒体が、第2チャンバに充填される。冷却媒体は、上を向いている基板プラットフォームの背面を覆い、基板プラットフォームが培養面に配置された生体試料とともに即座に冷却されるようにする。
本発明の方法の第2変形例は、「懸滴」培養および懸滴状態の細胞のガラス化を提供する。この結果、非接着状態での生体細胞の冷凍保存となる。生体細胞は、懸滴状態で凍結される。このため、第1の部分的ステップにおいて、基板装置を、第2チャンバが第1チャンバの上に配置されて基板プラットフォームが第2チャンバの床部となった状態である温度制御状態とする。基板プラットフォームの培養面は水平方向にそろっており、培養面の法線は垂直方向に下向き、すなわち重力方向となっている。培養液の懸滴が培養面に塗布され、生体細胞が個別に、またはグループになってその中に置かれる。任意で、凍結前に、懸滴での生体細胞培養が行われる。第2の部分的ステップにおいて、本発明に係る方法の第1実施形態と同様に、基板プラットフォームと生体試料とが急速に凍結されるよう、冷却媒体が第2チャンバに充填される。
また、本発明に係る基板装置は、冷凍保存された細胞の復元に有利である。第2チャンバは、生体試料の解凍に用いてもよい。このため、基板装置が温度制御状態にある時に、例えば37℃など所定の解凍温度の水などの加熱媒体を第2チャンバに充填する。生体試料を保持する基板プラットフォームは、加熱媒体により生体試料が解凍されるまで加熱される。その後、細胞は第1チャンバから取り除かれてもよく、またはそこでさらに培養されてもよい。
本発明の別の利点を以下にまとめる。本発明では、接着冷凍保存の利点と液体窒素によるガラス化の利点を組み合わせることができる。接着状態で冷凍保存されるため、ガラス化の前に細胞をトリプシンやコラゲナーゼなどの酵素で例えば細胞を基板から分離させるなどの処理をする必要がなく、解凍後さらに培養が可能となる前にコロニーが再成長する必要がない。また、細胞−細胞接触は元の状態のままで維持されるため、細胞に生じるストレスがさらに低減される。
また、冷凍保存後の細胞の生存率および機能性は、ストロー内ガラス化の場合よりも優れている、またはこれと同等である。しかながら、ストローよりも優れているのは、大量の細胞を一度に保存することができる点である。例えば、基板装置の培養面を拡大するという簡単な方法で、複数のコロニーを容易にガラス化することができる。また、各コロニーが個別に処理されるストローの場合のように別々の時間ではなく、各細胞コロニーが同時に各媒体と接触するため、凍結防止剤、任意で高濃度のものを導入するインキュベーション時間を正確に定義することができる。
本発明の方法の別の利点は、容易に自動化できる点である。煩雑な手動ピペット操作で1つの低温培地から次の低温培地へ試料を移動させてストローに吸い込ませる必要がない。かわりに、吸入または基板の自動回転により、簡単に媒体を変更することができる。システムの取扱いの容易さにより、個々の専門技能や操作者のスキルに依存することなく良好な保存を行うことができ、また同様に良好かつ普遍的に保存を行うことができる。
従来の接着ガラス化方法の持つコンタミネーションの危険性は、本発明に係る「2チャンバ・システム」によって最小限に抑えられる。培養区画と窒素区画との間には培養面という形で物的障壁が常に存在するため、細胞物質と非無菌の可能性がある窒素との間の接触は起こらない。また、培養区画(第1チャンバ)は周囲から分離することができ、特に蓋部によって外気から保護することができる。これにより、治療目的でのシステムの使用が簡易になり、ガラス化やタンクでの保存に無菌の窒素を用いる必要がなくなる。
可能な限り冷却速度を早くするための最小限の試料量や最大限の表面積対体積率など、良好なガラス化のための一般的な物理的条件は、本発明のいくつかの様態でも支持されている。まず、ぶら下がり状態(「オーバーヘッド」)での接着培養およびガラス化は、細胞に形成される膜を最小限とすることにつながる。余剰の媒体は下方向に流出し、よって試料量を不要に大きくすることにはつながらない。それ故、ガラス化の量が多くなりすぎる危険性を冒すことなく、インキュベーションに常に十分な低温培地を用いることが可能となる。液膜が最小限となることにより、有毒な低温培地も解凍後に少量の洗浄媒体で容易に希釈することができる。これにより、有毒な低温媒体による細胞傷害を最小限に抑えることができる。また、例えば細胞コロニーなど成長した試料の形状が平坦であることも、冷却速度に好ましい影響を与える。冷却媒体と細胞との間の距離は極小であり、二次元細胞コロニーの表面積対体積率は例えばストローの場合よりも大きい。加えて、細胞コロニーを他の細胞型との共培養物として冷凍保存することができる。これにより、多くの人手を要する解凍後の共培養物の準備を省くことができ、共培養物以外の細胞にかかる時間を最小限とすることができる。この利点は、hESCとマウスのフィーダー細胞との共培養物において特に顕著である。
異なる培養面の利用可能性により、本発明に係る基板装置を用途と細胞型に応じて操作できるようにすることができる。表面の熱伝導性を向上させることにより、ガラス化をさらに最大限に良好なものとすることができる。異なる培養面に特別な固定手段を用いることにより、用途に応じて表面を入れ替えることができる。熱的に誘導される使用材料の体積変化は、培養面とその保持部との間に設けられた柔軟性のある緩衝地帯により吸収することができる。これにより、熱膨張係数の異なる材料を基板に用いることができる。培養面と基板装置の残りの部分に同一の材料を用いる代替例も可能である。したがって、体積変化が同一であり、材料にストレスが生じることがない。
メニスカスの形成により基板の辺縁部で細胞上の媒体の量が増加すると、メニスカスがこれ以上形成されないよう辺縁部での角度と材料を適応させてもよい。これは、辺縁部まで細胞のガラス化を最適化するのに都合がよい。
本発明のさらなる詳細と利点を、添付の図面を参照して以下で説明する。
本発明に係る基板装置の第1実施形態の培養状態における模式断面図である。 本発明に係る冷凍保存装置の実施形態の模式断面図である。 本発明の好適な実施形態における冷凍保存方法の工程である。 図1の基板装置の基板プラットフォームの拡大断面図である。 冷凍保存後に生体試料を復元する工程である。 本発明に係る基板装置の別の実施形態であって、搬送装置を備える実施形態の模式断面図である。 本発明に係る基板装置の別の実施形態であって、チャンバフレームを備える実施形態の模式断面図である。 本発明に係る基板装置の別の実施形態であって、ねじ継ぎ手を備える実施形態の模式断面図である。 本発明に係る基板装置の別の実施形態であって、マイクロ流体ユニットを備える実施形態の模式断面図である。 本発明に係る基板装置の別の実施形態であって、多数のサブチャンバを備える実施形態の模式断面図である。 従来の接着生体細胞の冷凍保存の模式的な説明図である(先端技術)。
以下、本発明の実施形態を、基板装置および冷凍保存装置の特徴、ならびに冷凍保存方法の工程を参照して説明する。接着状態または懸滴における生体細胞の培養、培養媒体、凍結防止剤の使用、処理手順、保存状態の監視、媒体の冷却および加熱の取り扱いについては、従来技術から既知の場合には詳細を記載しない。基板装置および冷凍保存装置を、(水平方向に直交する)垂直切断面での模式断面図を用いて例として図示する。基板装置または冷凍保存装置の空間方向を含む、図とは異なる幾何学的形状は、本発明の所望の用途に応じて選択することができる。例えば、基板装置は、(図中の切断面に直交する)水平投影図において円形または矩形形状であってよい。また、第1および第2チャンバが形成する構造は、(缶のような)円筒形であってもよい。試料培養用の多数の第1チャンバが、温度制御媒体用の1つの共通チャンバと組み合わされる場合、第1チャンバの形状と配置は、同様に所望の用途の条件に応じて選択することができる。
図1に示す本発明に係る基板装置100の実施形態は、基板プラットフォーム10と、第1チャンバ20と、第2チャンバ30とを備える。基板プラットフォーム10は、第1チャンバ20の内部と第2チャンバ30の内部との間の分割壁となる。
基板プラットフォーム10は、基板保持部12および補償部13を介して第1チャンバ20のチャンバ壁21に接続される。第1チャンバ20のチャンバ壁21は、中空円筒形状をしており、その円柱軸は、基板装置100の対称軸であり、培養状態および温度制御状態において垂直方向(z方向)を向いている(以下を参照)。第1チャンバ20の円筒チャンバ壁21は、第2チャンバ30に面する端部に補償部13が接続される突出部22を有する。第1チャンバ20のチャンバ壁21は、第2チャンバ30とは反対側の端部に、蓋部23用のシートを有する。蓋部23は、第1チャンバ20の内部と基板装置100の周囲との間でのガス交換を除外するために、第1チャンバ20のチャンバ壁21に連結されていてもよい。
第2チャンバ30は、その形状とサイズが第1チャンバ20の形状とサイズに適合するチャンバ壁31を備える。図に示す例では、第2チャンバ30のチャンバ壁31も、第1チャンバ20に面する端部に内側に向けて半径方向に突出する突出部32を有する中空円筒形状をしている。基板プラットフォーム10の補償部13は、第1チャンバの突出部22にのみ接続されてもよく、図に示すように突出部22,32の両方に接続されていてもよく、または第2チャンバ30の突出部32にのみ接続されてもよい。第2チャンバ30は、基板プラットフォーム10と反対側が開放されている。ただし、変形例においては、第2チャンバ30にも蓋部を設けることができる。
第1および第2チャンバ20,30のチャンバ壁21,31は、例えばプラスチックおよび/または金属など異なる材料からなってもよく、突出部22,32で互いに接続されてもよい。また、チャンバ壁21,31は、一体の要素として例えばプラスチックまたは金属からなる1つの部品からなってもよい。
基板プラットフォーム10は、円板形状のガラス平板、プラスチック、または金属を含む。第1チャンバ20面したガラス板の上面は、例えば露出したガラス面または生体適合性のある表面層を有するガラス面から構成される培養面11となる。培養面11は、生体細胞を少なくとも1つ含む保存する試料を入れるのに適しており(図3参照)、特に細胞培養物(例えば、hESCs、MEFs、iPS細胞、またはその他の接着成長する細胞型)が配された表面および/または親水性表面を含んでもよい。
基板保持部12は、中に基板プラットフォーム10が分離可能に配置される環状のフレームである。フレームは、基板プラットフォーム10に液密に連結するよう構成され、例えば基板プラットフォーム用の台と、取り付けられた基板プラットフォーム10をしっかりと固定するための環状の封止舌とを備える。基板プラットフォーム10は、封止舌を持ち上げて基板プラットフォーム10を外すことにより、例えば特定の培養タスクに適合するように交換することができてもよい。好ましくは、基板保持部12は、特にシリコーンゴムである軟質プラスチック、または金属からなる。
補償部13は、温度に応じて基板装置100の部品の寸法の変化を保証する伸縮継ぎ手である。補償部13は、例えば円環板形状をしており、一方が基板プラットフォーム10および/または基板保持部12、他方が突出部22,32および/またはチャンバ壁21,31の隣接する材料に適合する材料からなる。材料は、温度による熱膨張または熱収縮が互いに補完または相殺されるように選択される。例えば、チャンバ壁21,31の材料が基板プラットフォーム10の材料よりも収縮すれば(すなわち、本例では、チャンバ壁21,31よりも冷気で収縮する)、補償部13がこれを補償する。図からはなれると、基板保持部12および補償部13は、一体の要素として1つの部品からなってもよい。この場合、この要素は基板保持部および補償部の両方として機能する。
実施例においては、基板装置100は、例えば以下のような寸法をとる。基板プラットフォームの直径:20mm、基板プラットフォームの厚み:180μm(例えば、ドイツのメーカーibidi社のμディッシュタイプ)、基板装置100のx−y面における外径:35mm、第1および第2チャンバ壁21,31の厚み:3mm、第1および第2チャンバ壁21,31のz方向の高さ:いずれも10mm、蓋部23のz方向の高さ:4mm。上記の寸法は例に過ぎず、当業者は、具体的な用途での要求に応じて寸法を選択することができる。
図に示すように、第1および第2チャンバ20,30の外側、例えば基板プラットフォーム10と同一面内に、例えば図2に示す冷凍保存装置の基板装置100を入れるよう構成されたチャンバ保持部50が配置される。チャンバ保持部50は、例えば、基板装置100の円筒形状の外側に半径方向外向きに突出する、共通の参照線に沿って互いに反対側に配置された2個の差し込み部51,52を備える。
本発明の変形例において、基板装置100に、図1に模式的に示す均圧弁25を設けてもよい。均圧弁25は、チャンバ壁21または蓋部23に挿入されており、第1チャンバの過剰圧力を周囲と等しくするよう設計されている。
図2に、本発明に係る冷凍保存装置200の実施形態を模式的に示す。この冷凍保存装置は、例えば図1に示す基板装置100を入れるのに適し、また本発明に係る冷凍保存方法の実施に適している(以下を参照)。冷凍保存装置200は、基板装置100を保持および回転させることができる回転装置210と、例えば台上などの作業面(不図示)上で回転装置210と基板装置100とを安定して位置合わせするよう構成された支持フレーム220とを備える。支持フレーム220は、例えばプラスチックおよび/または金属からなる要素であり、その下側に流出培養液または流出温度制御媒体を入れる溝部221を設けてもよい。
回転装置210は、支持フレーム220の向かい合った延長アームに互いに距離をおいて配置されるピボット軸受211,212を備える。ピボット軸受211,212は、チャンバ保持部50の差し込み部51,52を受ける(図1参照)。このため、基板装置100がピボット軸受211,212に挿入されると両者の間の距離が大きくなるよう、例えば一方のピボット軸受211を軸方向に弾性的に移動可能とすることができる(二重矢印参照)。また、回転装置210を、模式的に示す任意の装置ユニット213とともに示す。駆動ユニット213は、例えば電気モータを備え、この電気モータは基板装置100を回転するよう設計され、例えば歯車などの動力伝達要素を介して基板装置100に接続される。
図3に、本発明の実施形態における生体細胞2を含む生体試料1の冷凍保存方法であって、生体細胞2が基板プラットフォーム10の培養面の接着細胞培養物となる方法の工程を模式的に示す。図3Aは、基板装置100の第1チャンバ20の基板プラットフォーム10の培養面に生体試料1を用意する様子を示し(図1参照)、生体細胞2は培養液3に囲まれている。本発明の実施形態において、接着細胞の培養は、図示のように第1チャンバ20が第2チャンバ30の上にある培養状態で行われる。したがって、第2チャンバ30の底部が開放された空の状態で、第1チャンバ20に培養液3を充填することができる。培養液3は、細胞および本発明の具体的な用途に応じて選択された組成を有し、栄養媒体と、少なくとも1種類の凍結防止剤とを含む。組成の例としては、DMSO20%、エチレン・グリコール20%、トレハロース300mMである。
生体細胞2の培養は、細胞型に特有の所定の培養手順に従って行われる。ここで、基板装置100の蓋部23は、密封または開放することができる。第1チャンバ20を蓋部23で閉鎖可能なことは、第1チャンバ20を運搬する際に特に有利である。例えば、培養は、冷凍保存とは別の場所、例えばインキュベーション装置において行われてもよい。その後の冷凍保存のために、蓋部23を閉めた状態で基板装置100を例えば図2に示す冷凍保存装置に運搬することができる。
具体的な実験的に試験された例において、細胞2は、マウス線維芽細胞の単分子層で囲まれたヒトES細胞コロニー(hESCコロニー)から構成され、培養液3は、DMSO20%、エチレン・グリコール20%、トレハロース300mMの標準的なhESC培地からなる。図3Aに示す培養は、基板装置100において数時間または数日にもわたって行われる。また、基板プラットフォーム10の生体細胞2の培養は、まず、別のインキュベーション装置で行われる。基板プラットフォーム10は、所望の培養結果が得られた後に、基板装置100に挿入することができる。
図3Bに示す別の部分的ステップにおいて、基板装置100は水平回転軸を中心に180°回転される。そして、基板装置100は、第2チャンバ30が第1チャンバ20の上に来る温度制御状態となる。試料1は、基板プラットフォーム10の下向きの培養面から接着状態で浮遊する。培養液3の表面張力により、液膜4も図3Bに示す温度制御状態で維持されて、細胞を覆う。したがって、好都合には、細胞2は液膜4としての培養液と接触し続け、培養液の量は膜形成により最小限に抑えられる。これにより、その後冷却媒体5が第2チャンバ30に導入されたときの試料1の急速冷凍に役立つ(図3C参照)。
試料1の冷凍保存、特にガラス化は、例えば液体窒素などの冷却媒体5を第2チャンバ30に充填することにより実現される(図3Cの矢印参照)。熱交換は、同時に第1チャンバ20の内部の分割壁となる基板プラットフォーム10を介して起こるため、試料1は−196℃まで急速に冷却される。試料1は、−130℃未満の温度で維持される場合、ガラス化して安定する。試料の安定性は、特に冷却媒体5が第2チャンバ内に維持される場合、保証される。特に、これにより、冷却媒体5が再充填される場合には冷凍保存された試料1を現実的に無制限に運搬することができる。基板装置100が液体窒素蒸気、例えば窒素タンク内に気相で保存される場合、試料1も約−170℃の気相で安定してガラス化するが、第2チャンバ30の冷却媒体5は徐々に蒸発する。
図3Bおよび図3Cに、第1チャンバ20が閉じた基板装置100の温度制御状態を示す。したがって、基板装置100が培養状態から温度制御状態に回転すると、残余培養液3は蓋部23によって第1チャンバ20内に保持される。図から離れて、温度制御状態では、液膜4を除く培養液3が全て流出するよう、蓋部23を取り外してもよい。
一方、図3は、例として接着細胞の培養および冷凍保存を示しており、培養および冷凍保存は、代替的に、懸滴の生体細胞とともに行うこともできる(「懸滴」培養)。この場合、基板装置はすでに培養用の温度制御状態となっており、第2チャンバ30は第1チャンバ20の上に配置されて、基板プラットフォームの培養面は下向き、すなわち重力方向を向いている。浮遊細胞を含む培養液の液滴は、培養面からぶら下がる。凍結防止剤を含む培養液の導入および/または交換は、従来の懸滴培養より既知の方法で実現される。試料のガラス化のために、細胞を含む液滴が急速に凍結するよう、冷却媒体が第2チャンバに導入される。
図4に、温度制御状態における基板装置100のさらに詳細を示す。図4Aは、図3Cと同様に、第1チャンバ20と、第2チャンバ30と、その間の分割壁となる基板プラットフォーム10とを有する基板装置100を示す。生体細胞2は、基板プラットフォーム10の下向きの培養面に接着状態で配置され、液膜4で覆われる。第2チャンバ30には、生体細胞2が急速に冷却されてガラス化するよう、上から冷却媒体5が充填される(矢印参照)。
図4Bは、基板プラットフォーム10の部分拡大図であり、その下向きで第1チャンバ20に面する培養面11に、異なる種類の生体細胞、特に細胞群2.1および個々の細胞2.2を含む試料1が配置される。例えば、大きい細胞群2.1(細胞コロニー)はヒトES細胞コロニーであり、細胞2.2は細胞質の単分子層を形成するマウス胎児線維芽細胞からなる。細胞群2.1および細胞2.2は、培養面11に接着固定される。
冷却媒体5が第2チャンバ30に充填されると(図4Bの矢印参照)、基板プラットフォーム10は急速に冷却される。冷却媒体5が上から第2チャンバ30に充填されると、ライデンフロスト現象を最小限に抑えることができる。気泡6は、冷却媒体5が基板プラットフォーム10に作用するにつれて形成されるものであるが(図4Cの変形図参照)、重力方向とは反対方向、すなわち上向きに移動し、これに対応する体積が流入する冷却媒体に置き換えられる。したがって、従来の冷凍保存方法に見られる気泡の絶縁効果を、最小限に抑えることができる。
また、図4Cは、冷却媒体5と細胞2との間の距離が基板プラットフォーム10の厚みを薄くすることにより最小限に抑えられることを示す。細胞2および液膜4を含む試料1の熱は、急速に冷却媒体5に向って流れる(図4Cの矢印7参照)。
図4Dおよび図4Eに、基板プラットフォーム10の第1および第2チャンバ20,30の壁部への固定の変形例を模式的に示す。基板プラットフォーム10は、例えば基板保持部12および補償部13(一体的な要素として示す)で第2チャンバ30の壁部の突出部32に固定される(図4D)。補償部13は、特に基板プラットフォーム10と第1および第2チャンバ20,30の他方の壁部の熱膨張係数が異なる場合、基板プラットフォーム10および基板保持部12の機械的ストレスを防止することができる。
図4Eに、第1チャンバ20の壁部の突出部22がチャンバ20の内側に面した環状の突出部となり、部分的に基板プラットフォーム10、基板保持部12および/または補償部13を超えて突出する様子を模式的に示す。この突出部に沿った基板プラットフォーム10の面と突出部22の端部との間の角度αは、90°未満である。好都合には、これにより、試料1と突出部22との間にメニスカスが形成されず、試料1の厚みが突出部22まで変化しないままであることが保証される。好都合には、これにより、さらに、試料1の辺縁部における冷凍保存条件が基板プラットフォーム10の中央部の条件と同じとなり、細胞2のガラス化を最適なものとする。
図5に、冷凍保存の後の試料1の復元を模式的に示す。例えば液体窒素などの液体の冷却媒体は、保存中に窒素タンクの気相に蒸発し、通常、第2チャンバ30は、冷凍保存中は空になっている(図5A)。この状況で、試料1を解凍するために窒素タンクから基板装置100を取り外すことができる。これは、例えば37℃の水などの加熱媒体8を上から第2チャンバ30に充填することにより行われる(図5Bの矢印参照)。試料の解凍は、冷凍保存同様、急速に行われ、これにより解凍中に試料1に氷晶が形成されることを防止することができる。
そして、図5Cに示すように、基板装置100が回転して、第1チャンバ20が第2チャンバ30の上に配置される培養状態(二重矢印参照)に戻る。第2チャンバ30が空にされ、第1チャンバ20にはさらに培養液3が充填される。培養液3により、例えば試料1が洗浄され、さらに培養される。続いて、例えば移動やさらにガラス化するなどの追加的な処理工程を行うことができる。
図5に示す工程の代わりに、解凍時、基板装置100が培養状態であるときに加熱媒体を第1チャンバ20充填してもよい。この場合、加熱媒体は、37℃まで加熱された培養液であってもよい。
本発明の別の実施形態において、基板装置100には、例として図6に示すような搬送装置40が設けられてもよい。図に示す例において、搬送装置40は、それぞれが第1チャンバ20または第2チャンバ30に接続された多数の媒体ライン41,42を備える。媒体ライン41,42は、例えば、液体貯蔵庫およびポンプに接続されたチューブまたはパイプ(一部のみ図示)であり、特に培養液を自動的に第1チャンバ20に搬送し、冷却または加熱媒体を自動的に第2チャンバ30に搬送することが可能である。媒体ライン41,42(または少なくとも図に示す媒体ラインの端部または接続部)は、第1および第2チャンバ20,30の壁部21,31に一体化されている。また、媒体ラインは、第1または第2チャンバの蓋部に接続されてもよい。
図6Bによれば、少なくとも1種類の培養液3が第1チャンバ20の媒体ライン41を介して培養状態で導入される。例えば、所定の培養手順に従って、栄養媒体ならびに/または所定の組成および/もしくは濃度の凍結防止剤を連続して第1チャンバ20に導入することができる。
試料1を凍結させるために、基板装置は、回転して第2チャンバ30が第1チャンバ20の上に来る温度制御状態になる(図6C)。この状況で、冷却媒体が、第2チャンバ30の媒体ライン42を介して第2チャンバ30の内部に充填される。第2チャンバ30への冷却媒体5充填のレベルは、冷却媒体の流入と流出を適切に制御することで調整することができる。同時に、第1チャンバ20の媒体ライン41を介して、第1チャンバ20が空にされる。図6Dによれば、試料1を解凍するために、例えば水などの加熱媒体8が媒体ライン42を介して第2チャンバ30に充填できるようにする。
図1の実施形態から離れると、本発明に係る基板装置100の第1および第2チャンバ20,30は、例えば図7に示すように、互いに分離可能に接続することができる。第1チャンバ20(図7A)は、その内部が基板プラットフォーム10、チャンバ壁21、および蓋部23に囲まれた容器である。基板プラットフォーム10の培養面11は試料1を接着状態または懸滴で入れる第1チャンバ20に面しており、基板プラットフォーム10の培養面11とは逆の面は外部に露出している。第2チャンバ30(図7B)は、半径方向に内側に突出する突出部32を有するチャンバ壁31と、第1チャンバ20を分離可能に入れるよう構成されたチャンバフレーム33とを備える構成を有する。チャンバフレーム33は、その内径が第1チャンバ20の外径に等しい円筒形のシートである。第2チャンバ30とは反対の側に、第1チャンバ20をチャンバフレーム33に固定することができるフレームカバー34が設けられる。チャンバフレーム33の第2チャンバ30に面する側には、基板プラットフォーム10が第2チャンバ30の内部に露出する開口部がある。
図7Aおよび7Bの基板装置100の二重構造は、第2チャンバ30(ガラス化チャンバ)を第1チャンバ20(培養チャンバ)として何度も使用することができるという点で有利である。第1チャンバ20の形状は、例えばインキュベーション装置での最適な培養に適したものとすることができる。第2チャンバ30は、所望の冷凍保存が行われるようになるまで第1チャンバ20に連結されない。また、チャンバフレーム33を有する第2チャンバ30が市販の培養基板の形状に適している場合には、その培養基板を第1チャンバに用いてもよい。
図7Aおよび図7Bに示す基板装置100の実施形態は、試料1の培養および例えば顕微鏡による研究などの観察を、第2チャンバ30やチャンバフレーム33なしで行うことができるという点で有利である。これにより、所定の培養ステージにおける冷凍保存のための試料1の準備および/または生体細胞を含む適切な試料の選択の自由度が、さらに上がる。
図7C〜図7Fに、図7Aおよび図7Bに示す基板装置100を用いた、本発明に係る冷凍保存の工程を示す。図7Cによれば、基板プラットフォーム10と、試料1と、培養液3とともに、第1チャンバ20が、チャンバフレーム33に挿入されて固定される。必要であれば、冷却媒体が第2チャンバ30から第1チャンバ20の周り、特に蓋部23に浸透しないよう、第1チャンバ20の接触面26とチャンバフレーム33とに封止(不図示)を設けてもよい。
ガラス化が開始される前に、基板装置が基板プラットフォーム10の面に対して180°回転して、細胞2を含む試料1および液膜4が下向きにぶら下がる。余分な培養液は、下向きになった第1チャンバの蓋部23に溜まる、または媒体ライン(不図示)を介して排出される(図7D)。
この後、例えば液体窒素などの低温培地5が、第2チャンバ30に導入される(図7E)。結果として、基板プラットフォーム10と試料1から急速に熱が取り除かれ、生体細胞2を含む試料1がガラス化する。さらに、液体の冷却媒体が第2チャンバ30から蒸発可能な窒素タンクの液体窒素上で、気相で保管することができる(図7F)。
複数の要素からなる基板装置100の別の変形例を、図8に示す。第1チャンバ20は、基板プラットフォーム10、チャンバ壁21、および蓋部23とともに、閉鎖可能な容器として構成される。第1チャンバ20の外側、特にチャンバ壁21の外側には、雄ねじ24が設けられ、これが第2チャンバ30のチャンバ壁31の雌ねじ34と連携して、ねじ継ぎ手35となる(図8B)。図1を参照して上述したように、冷凍保存装置200(図2)に入れるために、第2チャンバ30は外側にチャンバ保持部を有してもよい。第1チャンバ20と第2チャンバ30とを組み合わせた状態において(図8C)、基板プラットフォーム10は第2チャンバ30の内部に露出し、基板プラットフォーム10の内側は、上述のように、第1チャンバ20の内部で試料1の培養面となる。このように組み合わせた状態において、上述のように、基板装置100を試料1のガラス化に用いることができる。
図9に、本発明に係る基板装置100の別の実施形態を示す。この実施形態では、少なくとも1種類の培養液を搬送する搬送装置40が、マイクロ流体ユニット43(または媒体搬送チップ)から構成される。マイクロ流体ユニット43は、例えば、媒体ライン、バルブ、液体貯蔵庫、および/またはポンプなどのマイクロ流体要素44を含む。マイクロ流体ユニット43により、培養媒体、凍結防止剤、または水を、第1チャンバ20および/または第2チャンバ30の内部に特に自動的に、導入することができる。
本発明によれば、マイクロ流体ユニット43は、基板装置100にしっかりと接続されていなければならないわけではない。むしろ、図9に示すように、マイクロ流体ユニット43を第1および第2チャンバ20,30から分離可能としてもよい。この場合、マイクロ流体ユニット43は、具体的には培養液の搬送と冷却媒体の搬送という、二重の機能を果たすことが好ましい。マイクロ流体ユニット43は、培養状態または温度制御状態において基板装置100の上面に位置する第1または第2チャンバ20,30に液体を導入するために、例えば基板装置100上など固定位置に例えば図2の培養装置200の一部として設けてもよい。図9に示す本発明の実施形態は、少なくとも1種類の培養液3.1,3.2、冷却媒体、および加熱媒体を搬送する工程を完全に自動化することができるという点で特に有利である。
また、少なくとも1つのマイクロ流体ユニットを第1ならびに/または第2チャンバの蓋部および/もしくは壁部に組み込んでもよい。例えば液体窒素などの冷却媒体を第2チャンバに導入するために、例えば、別のマイクロ流体ユニットを設けてもよい。
図9B〜図9Fに、基板装置100およびマイクロ流体ユニット43を用いた冷凍保存の経過を模式的に示す。図9Bによれば、基板装置が培養状態にあるとき、マイクロ流体ユニット43によって第1培養液3.1を第1チャンバ20に導く。その後、基板装置は、第1チャンバ20が下向きになるようチャンバ保持部50上で180°回転して、第1培養液3.1が第1チャンバ20から流出する(図9C)。さらに180°回転して、第1チャンバ20が基板装置の上面に戻ると、マイクロ流体ユニット43によって別の培養液3.2が第1チャンバ20に充填される(図9D)。最終ステップでは、図9Eに示すように試料1ガラス化する。これは、第2チャンバ30が基板装置の上面に来るよう、基板装置100が再度180°回転してすることにより行われる。例えば液体窒素などの冷却媒体5が、マイクロ流体ユニット43によって第2チャンバ30に充填される。
最後に、図9Fに、試料1の復元、ならびに例えば加熱した水などの加熱媒体8および凍結防止剤を洗い流す洗浄物質がマイクロ流体ユニット43によって第1チャンバ20に加えられる様子を模式的に示す。
図10に、本発明に係る基板装置100の別の実施形態を示す。この実施形態では、第1チャンバが、それぞれ基板プラットフォーム10.1,10.2,10.3,・・・を有し、第2チャンバ30に隣接して配置される多数のサブチャンバ20.1,20.2,20.3,・・・を備える。第1媒体ライン41は、培養液3をサブチャンバ20.1,20.2,20.3,・・・(図10A)に導くようまたはこれらのサブチャンバ(図10B)から導出するよう設けられる。上記の実施形態を参照して説明したように、基板装置100は、少なくとも1種類の培養液を導入および導出するために毎回180°回転してもよい。試料1.1,1.2,1.3,・・・をガラス化するために、基板装置100が温度制御状態にあるとき、例えば液体窒素などの冷却媒体5を第2媒体ラインを介して第2チャンバ30に導く(図10C)。図10Eは、対応して試料の復元を示す図であり、培養状態の基板装置100の第1媒体ライン41を介して加熱媒体8がサブチャンバ20.1,20.2,20.3,・・・に導かれる。
図10に示す基板装置100の実施形態は、好都合には、搬送および導出ラインが全て装置内に含まれて基板プラットフォームの特性に適合した小型の構造を形成する。好都合には、媒体変化、媒体追加、インキュベーション、ガラス化、および解凍は、完全に自動化することができ、複数の試料を用いて同時に行うことができる。これにより、開放して媒体または凍結防止剤を手動で導出または追加する必要性が取り除かれる。
上述の説明、図面、および請求項において開示された本発明の特徴は、単独または組み合わせによって、本発明の各種構成の実現に大きな影響を与えるものである。

Claims (18)

  1. 体細胞(2,2.1,2.2)を含む生体試料(1)の冷凍保存のための基板装置(100)であって、
    前面および背面を有する基板プラットフォーム(10)であって、前記基板プラットフォーム(10)の前面が前記生体試料(1)を入れる培養面(11)となる基板プラットフォームと、
    前記基板プラットフォーム(10)の前記培養面(11)を有する第1チャンバ(20)であって、前記第1チャンバ(20)は培養液(3)を入れるのに適した第1チャンバと、
    温度制御媒体(5)を入れるのに適した第2チャンバ(30)と、
    前記基板装置(100)を冷凍保存装置に旋回可能に入れるのに適したチャンバ保持部(50)と、を備え、
    前記第1チャンバ(20)および前記第2チャンバ(30)は、互いに隣接して接続され、
    前記基板プラットフォーム(10)は前記第1チャンバ(20)と前記第2チャンバ(30)との間の分割壁となり、前記基板プラットフォーム(10)の背面は前記第2チャンバ(30)に面している基板装置。
  2. 請求項1の基板装置であって、
    前記基板プラットフォーム(10)の背面は、前記第2チャンバ(30)内に露出しており、
    前記基板プラットフォーム(10)は、前記基板プラットフォーム(10)の背面が−120℃を下回る温度の第1温度制御媒体(5)で濡れている場合に、前記培養面(11)において前記生体試料(1)がガラス化可能な厚みおよび熱伝導率を有する基板装置。
  3. 請求項1または2の基板装置であって、
    前記基板プラットフォーム(10)は、
    前記基板プラットフォーム(10)の厚みが、200μm未満であることと、
    前記基板プラットフォーム(10)が、ガラス、プラスチック、半導体材料、または金属からなることと、
    前記基板プラットフォーム(10)が、透明材料からなることと、
    のうち少なくとも1つの特徴を有する基板装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1つの基板装置であって、
    前記基板プラットフォーム(10)は、液密の基板保持部(12)を介して、前記第1または第2チャンバ(20,30)に分離可能に接続されている基板装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1つの基板装置であって、
    前記基板プラットフォーム(10)が、補償部(13)を介して、前記第1または第2チャンバ(20,30)に接続され、前記補償部(13)が、前記基板プラットフォーム(10)と前記第1または第2チャンバ(20,30)との間の温度依存性のストレスを吸収するよう構成されていることと、
    前記第1チャンバ(20)が、前記第1チャンバ(20)とその周囲との間の気圧を等しくするのに適した均圧弁(25)を有することと、
    のうち少なくとも1つの特徴を備える基板装置。
  6. 請求項1から4のいずれか1つの基板装置であって、
    前記基板プラットフォーム(10)は、前記第1または第2チャンバ(20,30)と一体の要素である基板装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1つの基板装置であって、
    前記培養液(3)および/または前記温度制御媒体(5)を搬送するのに適した搬送装置(40)を備える基板装置。
  8. 請求項7の基板装置であって、
    前記搬送装置(40)は、少なくとも1つの媒体ライン(41,42)およびマイクロ流体ユニット(43)のうち、少なくとも一方を備える基板装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1つの基板装置であって、
    前記第1および第2チャンバ(20,30)は、互いに分離可能に接続される基板装置。
  10. 請求項9の基板装置であって、
    前記第2チャンバ(30)は、前記第1チャンバ(20)を分離可能に入れるよう構成されたチャンバフレーム(33)にしっかりと接続されている基板装置。
  11. 請求項9または10の基板装置であって、
    前記第1チャンバ(20)は、ねじ継ぎ手(35)を介して、前記第2チャンバ(30)に接続されている基板装置。
  12. 請求項1から11のいずれか1つの基板装置であって、
    前記第1チャンバ(20)は、前記第2チャンバ(30)に隣接して配置される複数のサブチャンバ(20.1,20.2,20.3,・・・)を備え、前記基板プラットフォーム(10)は、前記サブチャンバ(20.1,20.2,20.3,・・・)と前記第2チャンバ(30)との間の分割壁となる基板装置。
  13. 冷凍保存装置(200)であって、
    請求項1から12のいずれか1つの基板装置(100)を少なくとも1つと、
    前記少なくとも1つの基板装置(100)を入れるのに適した旋回ユニット(210)と、を備え、
    前記基板装置(100)は、前記旋回ユニット(210)により、前記基板プラットフォーム(10)が前記第1チャンバ(20)の床部となる培養状態と、前記基板プラットフォーム(10)が前記第2チャンバ(30)の床部となる温度制御状態と、の間で旋回可能である基板装置。
  14. 体細胞(2,2.1,2.2)を含む生体試料(1)の冷凍保存方法であって、
    第1チャンバ(20)内の基板プラットフォーム(10)の培養面(11)に前記生体試料(1)を配置し、前記生体細胞(2,2.1,2.2)を培養液(3)で囲むステップと、
    前記基板プラットフォーム(10)が前記第1チャンバ(20)と第2チャンバ(30)との間の分割壁となるように前記第1チャンバ(20)に隣接して接続される第2チャンバ(30)に冷却媒体(5)を入れ、前記基板プラットフォーム(10)の温度を低下させて前記生体試料(1)を凍結状態に変換させるステップと、を備え、
    前記生体細胞(2,2.1,2.2)の培養は、
    前記第1チャンバ(20)と前記第2チャンバ(30)とを、前記基板プラットフォーム(10)が前記第1チャンバ(20)の床部となり前記培養液(3)が前記第1チャンバ(20)に充填される培養状態にするステップと、
    前記生体細胞(2,2.1,2.2)を、前記基板プラットフォーム(10)の前記培養面(11)に接着状態にするステップと、を含み、
    前記第1チャンバ(20)および前記第2チャンバ(30)は、旋回して前記基板プラットフォーム(10)が前記第2チャンバ(30)の床部となる温度制御状態となり、前記冷却媒体(5)が前記第2チャンバに入るよりも前に前記培養液(3)が前記第1チャンバから流出する方法。
  15. 請求項14の方法であって、
    前記生体細胞(2,2.1,2.2)の培養は、
    前記第1チャンバ(20)と前記第2チャンバ(30)とを、前記基板プラットフォーム(10)が前記第2チャンバ(30)の床部となる温度制御状態にするステップと、
    前記基板プラットフォーム(10)の前記培養面(11)から浮遊する前記生体細胞(2)を、前記培養液(3)の液滴に入れるステップと、を含む方法。
  16. 請求項14または15の方法であって、
    前記基板プラットフォーム(10)の温度は、前記生体試料(1)がガラス化する冷却速度で低下する方法。
  17. 請求項14から16のいずれか1つの方法であって、
    前記生体試料(1)は、前記培養面(11)で共通に培養されて種類の異なる生体細胞(2.1,2.2)を含む方法。
  18. 請求項14から17のいずれか1つの方法であって、
    加熱媒体(8)を前記第2チャンバ(30)に入れ、前記基板プラットフォーム(10)の温度を上昇させて前記生体試料(1)を解凍状態に変化させるステップを含む方法。
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