JP5896930B2 - コンクリート舗装の目地シール材およびその施工法 - Google Patents

コンクリート舗装の目地シール材およびその施工法 Download PDF

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Description

本発明は道路、トンネル、空港、港湾その他の広い面積の舗装に於いて必要とされる目地のシール材において、既設目地の経年劣化後のメンテナンス上、目地のコンクリート面との接着が不十分になったときに、比較的簡易な方法で機能を回復し、目地からの漏水などを無くす方法ならびに、予め成形した目地シール材を目地に挿入した後に簡易的な方法でこれを目地に接着させることができる方法で、排出COを削減でき、同時に機械資材や労力、危険作業などを省力できかつ、工期短縮ができる、コンクリート舗装の目地シール材およびその施工法に関するものである。
コンクリート舗装は道路、トンネルの中の舗装、港湾地区などのヤード、工場内、貯木場などの運輸関連のヤード、様々な広場など、アスファルト舗装に並ぶ舗装形式である。また、近年、アスファルト舗装の基盤舗装にコンクリート舗装を用いる、いわゆるコンポジット舗装も増加している。
コンクリート舗装の目地は予め目地の設置箇所を決めておき、目地の両側のコンクリートが硬化した後にその表面の目地予定箇所をコンクリートカッターで切断除去して空隙を作り、その空隙に後から目地充填材を注入するか、もしくはコンクリート打設時に仮の挿入物をその目地箇所に設置しておき、コンクリートの硬化後にその仮挿入物を切削除去して空隙を作って目地充填材を注入する方法が採られている。
目地充填材の注入は、舗装の延長が長く、かつ、水平な目地であるため、流動性の有るシール材料を特殊な機械を用いて注入している。この機械はシール材の貯蔵部と流量調節可能なポンプ、そしてそのポンプを動かす動力等を有したある程度大がかりな機械を用いている。
特にコンクリート道路の舗装では目地充填材として、加熱注入シール材を用いているため、その注入材を加熱して溶解する機械設備、かつ保温する装置も兼ね備えた機械を用いて注入作業を行っている(特許文献1及び2)。
コンクリート舗装の目地シール材には、国内では日本道路協会発行の舗装施工便覧などの公的な規格に、また海外では 米国連邦規格 SS-S-164等の規格にその性状規格が示されているが、国内では従来からこのコンクリート舗装の目地シール材には加熱式注入材が用いられている。
この目地シールについて一般のコンクリート舗装を例に取って工程順に説明すると、まず、硬化後のコンクリートが環境温度によって膨張伸縮するため、この伸縮量を吸収するための目地を「膨張目地」として設ける。この目地にはコンクリート版の荷重伝達のための鋼材等と共に目地板が設置されるが、これだけでは雨水が目地を伝って路盤に浸入するので、設置された目地板の上に隙間を残しておきこれにシール材を注入してシールする。また、コンクリートは硬化時に収縮するのでその収縮によるひび割れを一定間隔に誘導して入るようにするため、コンクリートの打設からまもない時期に表面にカッター溝を入れる。このカッター溝は一定間隔に入れられ、このカッター溝が「収縮目地」という目地となり、ここも同様にシール材を注入して路盤に雨水が入り込まないようにする。さらにコンクリートを打ち継ぐ場所にも同様に目地を設ける。
次に、コンクリート硬化後の目地材注入作業であるが、目地材は国内の公的な規格で指定されているように加熱式の注入材を用いる。この注入材はアスファルトや一定の温度で軟化溶融する熱可塑性の合成樹脂との混合物からなるものが多い。但し、これらの注入材は通常温度では固体であり、これを注入作業が出来る粘度まで加熱溶融しなければならな
い。この溶融作業は従来から過酷な作業となっており、大量の目地材を加熱溶融するため、何時間も前から大きな溶融釜でプロパンガスバーナーなどで加熱を行っているのが現状である。早朝作業で重労働であるばかりでなく、危険も多い作業で、この種の作業には作業者の確保なども難しい状況となっている。
さらに、施工現場で長時間火力による溶解作業を続けるため、使い果たすエネルギー量も多く、問題となっている二酸化炭素の排出量も多い工程である。コンクリートの目地は目地溝の形成、清掃、乾燥、プライマー塗布、シール材の注入の各工程を経て完了するが、以上のように従来の目地の注入作業は従来から多くの問題点を抱えていた。
特開2000−129617号公報 特開2002−129511号公報
本発明は、このようなコンクリート舗装などの目地の充填工法に於いて、従来の施工法と比較して、大量の燃料や機械資材や労力、危険作業などを省力でき、かつ問題視されている二酸化炭素の排出が少ない新たな、コンクリート舗装の目地シール材およびその施工法提供するものである。
これまで述べてきた従来の施工方法の問題点ならびに本発明で解決したい課題を列挙すると下記の通りである。
(1)従来の施工方法では、多くの工程を必要とすること。従来の目地充填材(目地シール材)の注入作業は加熱式目地材の溶解、溶解釜から注入機への転送、注入作業、仕上げ作業などを要していた。
(2)従来の施工方法では、各工程で比較的規模の大きい機械設備を必要とすること。
加熱式目地材の場合は、施工する延長が長いため相応の量の目地材を溶解しておくための溶解機や注入機などの諸器械を必要とする。従って、これらの機械設備を動かすエネルギー確保の結果から、排出されるCO2 量も多い。
(3)従来の施工方法は、各工程に労力、熟練工を必要としていた。
充填材注入作業などは長い延長距離を迅速に正確に作業して行かねばならず、極めて熟練を要す作業である。近年、これらの熟練工は少なくなりつつある。
(4)危険や過酷な労働を伴う作業が多い。
特に目地充填材の注入作業は一定の姿勢で注入機械を保持するため、長い広大な距離の注入作業は過酷な労働となる。加熱式充填材の場合は作業開始の数時間前から溶解作業を開始せねばならず、火力を使う作業で危険を伴う。
本発明者らは前記の課題を解決するため、目地の充填材に於いて、従来の施工法が主に施工現場で加熱・溶解して用いる目地充填材であるのに対して、現場で火力などを用いないで施工できる工法で、排出CO2 を削減でき、同時に機械資材や労力、危険作業などを省力できかつ、既設目地のメンテナンスに於いても工期短縮ができる新たな目地充填材の施工方法を鋭意検討し開発した。
本発明のコンクリート舗装の目地シール材の施工方法は、熱軟化・溶融性の目地シール材を目地溝内に充填してシールするにあたり、目地シール材内に電磁発熱体を配置し、目地内でシール材を電磁誘電加熱して熱軟化・溶融して所要の目地を形成することからなる。
また、本発明は電磁発熱体を含む目地シール材に関するものである。
本発明の施工法のひとつは、 コンクリート舗装に一定間隔に設ける目地に於いて、加熱によって軟化溶融する性質を持つ目地シール材料をロープ状または棒状などの目地に対応する所要形状に成形し、その中に芯材として鉄線もしくは鉄網等の電磁誘電加熱の可能な材質の電磁発熱体を入れた成形体(目地シール材)とし、この目地シール材料の成形体を目地溝内に挿入し、電磁誘電装置によって前記電磁発熱体を発熱させて、該成形体の目地シール材料を軟化もしくは溶融せしめて目地をシールすることを特徴とする方法である。
本発明は、また、予めロープ状または角柱状等の前記成形体とした目地シール材をコンクリート舗装の目地位置に設けた溝の中に挿入するにあたり、目地シール材表面またはシール材と目地溝の被着面との間に接着剤を介在させる方法も含む。
また、本発明は該目地シール材を施工後、コンクリート版の伸縮疲労等の理由によって接着が不十分になった場合に、充填してある該目地シール材の上から電磁誘電装置をかざすことによって、鉄線もしくは鉄網等の電磁誘電加熱の可能な材質の電磁発熱体を発熱させ温度を高めることで、該目地シール材の表面もしくは全体を溶融せしめてコンクリート舗装の目地溝内に、再び接着させることによるコンクリート舗装の目地シール材の機能回復方法およびメンテナンス方法でもある。
また、本発明のコンクリート舗装の目地シール材の施工法のもうひとつは、コンクリート舗装に一定間隔に設ける目地に於いて、予め目地溝内に連続した鉄線もしくは鉄網等の電磁誘電加熱の可能な材質の電磁発熱体を挿入しておき、その後、目地シール材料を加熱溶解して、この目地の中に注入して硬化させ目地をシールし、その後のメンテナンスの際に目地の上方から電磁誘電装置を目地に向かってかざすことによって、電磁発熱体を発熱させて目地シール材料を軟化溶融せしめてコンクリート舗装の目地溝内に常に接着させ、シールを完全な状態に保つシールの保守方法をも含む。
目地シール材は注入から長期の期間を経ると目地の伸縮疲労などにより、コンクリート目地側面と接着が不十分になることがあるが、この電磁誘導装置を目地に向かってかざすことによって、鉄線もしくは鉄網の温度を高め、該目地シール材の表面もしくは全体を溶融させることによってコンクリート目地側面との接着を再び回復させることができる機能回復工法である。
本発明によって得られる効果としては次の二つが挙げられる。
ひとつは、予めロープ状などの形状に成形された目地シール材を使用することで、これまで必要としてきた種々の施工機械が不要となり、現場で材料を加熱溶融することが必要でなくなることである。また、従来の施工で必要とした人員は注入ノズルを担当する者、注入機械を所定位置に移動させる者、材料の溶解作業やプライマーの塗布作業を担当する者の最低3名の人員が必要であったが、本発明の施工法では貼り付け機械の移動と操作を担当する者と電磁誘電装置を目地に向かってかざして溶融させてゆく者との2名で作業が可能である。
本発明のもうひとつの効果は、従来と同様に現場で目地シール材料を溶融して注入する方法でも、予め目地の隙間の中に連続した鉄線もしくは鉄網を挿入しておくことで、経年後に仮にコンクリートと目地シール材の接着が不十分になった場合でも、電磁誘電装置を目地に向かってかざして溶融させて再度接着させることで、容易に目地の機能復旧ができることである。なお、この機能復旧はひとつめの発明でも同様に容易に可能である。
本発明を舗装の目地充填工事に用いた場合のその効果を列挙すると、
ひとつめの発明に関して、
(1)従来の施工方法では、別途に梱包されたシール材料を取り出し、加熱溶解機で施工の前から溶解しておく工程を必要としていたが、本発明により現場に到着すれば直ちに注入作業が出来る。これにより、施工日数の短縮が可能である。
(2)従来の施工は、材料を現場で加熱溶融し溶けた高温の材料を目地に注入するという極めて重労働かつ、熟練を要す施工で危険であったが、本発明工法では熟練も必要とせず簡単に施工ができる。従って、熟練工不足の事態を回避できるとともに施工の安全が確保しやすい。
(3)従来の施工は、火力を用いて大量でかつ重量のある充填材を溶解する等の作業が必要であり、CO2 を多く発生するし、環境上でも問題があったが、本発明工法はCO2 の発生が低減出来、危険や過酷な労働も伴わない。
ふたつめの発明については、
(4)経年後に目地シール材がコンクリート面との接着が不十分になったとき、従来は目地シール材を取り去る工事を行った上で再度最初から、目地シール材の注入を行わなけえればならなかったが、本発明工法では既に注入済みの目地シール材を電磁発熱体によって溶融して再度コンクリートに接着させるため、容易に機能回復が可能である。
(5)本発明の機能復旧方法を使用することで、目地シールの工事全体のトータルコストの削減に寄与するものである。
目地シール材を目地溝に挿入した状態を示す断面模式図 図1の目地を電磁誘導加熱する状態を示す断面模式図 電磁発熱体(鉄網)を目地溝内に配置した状態を示す模式図 図3の目地溝に目地シール材料を注入した状態を示す模式図 目地シール材と目地溝との間に隙間ができた状態を示す断面模式図 図5の目地を電磁誘導加熱して隙間を解消した状態を示す断面模式図 電磁発熱体(芯材)が鉄線である目地シール材の斜視図 電磁発熱体(鉄網)が鉄網である目地シール材の斜視図 従来の目地シール構造を示す断面模式図
本発明のひとつめの発明に用いる電磁発熱体を含む成形体(目地充填材)のための目地シール材料は、アスファルト、熱可塑性合成樹脂、粉末ゴムなどの合成または天然ゴム、および充填剤(フィラー)等からなり、その配合を調整検討することにより、コンクリート舗装等の目地充填材としての役割を充たすものを用いることができる。従来より使用されている目地シール材料であっても、加熱軟化溶融するもので成形できるものであれば使用できる。鉄線、鉄網等の電磁発熱体を腐食させない材料であること、熱可塑性であるものが好ましい。
目地シール材料(以下単にシール材という)は、予め工場で押し出し成形、プレス成型等により所要の形状に成形する。
成形体の形状は、特に限定されないが、そのひとつの形状としては、シール材を施工後
の目地充填材の形状と同じ形状かまたはほぼ同じ形状にする。したがって形状は、長い平板状、帯状であっても良い。
一般にコンクリート舗装などの目地は舗装版とその両側の円形水路などの構造物との間の側目地、縦方向の打ち継ぎ目などに設ける縦目地、収縮クラックの発生を防止するための収縮目地や施工の途中の区切りにできる施工目地、舗装版の温度膨張による伸縮を緩和するための膨張目地などがある。
これらの目地に於ける充填材が占める断面形状は対象とする舗装の用途により異なるが、舗装道路では膨張目地で幅25mm、深さ40mm程度、その他の目地で幅8〜10mm、深さ40〜70mm程度である。この目地の所定寸法に予め工場でシール材を成形したものを使用する方法である。
別の方法としては、本発明で用いる元のシール材の形状を一定とし、それを施工機械(施工装置)に供給して施工機械で加熱軟化させて希望する目地のサイズに成形して使用する方法である。
前者は目地施工の速度を早くするという長所があり、また、目地の側面にシール材を強固に接着させるために別の材料を目地材と被着面の間に介在させる場合などに有利である。また、後者は予め一種類の寸法のシール材を製作準備しておけば、施工現場でどのような目地寸法にも対応できるし、施工機械に取りつけたシール材を目地に合わせて交換する手間も省ける。
本発明のひとつめの発明の目地シール材(目地充填材)に用いる電磁発熱体としては、鉄線もしくは鉄網に限ることなく、電磁誘電加熱の可能な材質を用いることができる。材質は鉄に限らず銅、酸化亜鉛など同様に電磁誘電加熱が可能な材質であれば良い。これらの電磁誘電加熱が可能な材料を目地シール材の中に挿入する形状は、線状のもの、線を束ねたもの、線を格子状に繋げた網状のものなど形状は自由であるが、目地シール材の寸法、形状によって、目地シール材の表面部分あるいは全部を十分に溶融させることができるようにその形状や数量を決定する。例えば、鉄線はスパイラル状としてもよく、鉄網は長い円筒状、角筒状の網体としてもよい。
電磁発熱体が鉄粉などの粉体、微細粒子の場合には、予めこれらの粉体を、シール材または適当な結合剤を用いて、紐状などに成形したものを芯材として使用する。
予め工場での目地充填材の製作は、プラスチック成形用の押出し成形機と同様な押出し成形機を用いてロープ状または連続した板状に成形するのがその後の取り扱いに有利であるが、所定の長さのロッド(棒)状や板状に成形してもよい。鉄線もしくは鉄網などの芯材もこの押出し成形機によって成形と同時に挿入することができる。また、鉄線もしくは鉄網と一緒にポリエチレン発泡体、塩化ビニルなどの樹脂系の芯材、もしくはSBR、クロロプレンなどのゴム系の芯材を入れることもできる。
成形は、例えば、電磁発熱体を一側面上に設けた帯状体と電磁発熱体を設けない帯状体の二つを作り、両者を合わせることで、中に電磁発熱体を含む成形体としてもよい。
ロープ状等の延長の長いシール材は巻物等にして現場に供給する。その形態は施工する条件に合わせ、適切な長さで準備しておく。従来の方法では現場にはダンボール箱に詰められた個体のシール材の梱包を解いて、それを溶解する加熱釜に投入し長時間かけて溶解していたが、本発明のシール材は、巻物材料を施工機械に取りつけるだけで良く、ダンボールなどの廃棄物を削減することも容易である。
本発明のもうひとつの発明に用いる所定の温度で軟化溶融する性質を持つ目地シール材料は、国内もしくは海外で公的な規格で指定されているような加熱式の目地シール材を用いることができる。この注入材は石油アスファルトと熱可塑性の合成樹脂や合成ゴムとの
混合物からなるものが多い。国内の公的な規格としては 舗装施工便覧(日本道路協会 平成18年発行)に記載の 加熱型注入材の品質の基準がある。また海外の規格としては 米国連邦規格 SS-S-164規格などがある。
本発明のもうひとつの発明では、予め目地の隙間の中に連続した鉄線もしくは鉄網等の電磁発熱体を挿入しておき、その後、これらの規格に適合する加熱式の目地シール材料を加熱溶解して、この目地の中に注入して硬化させる。電磁発熱体に関しては 最初の発明に用いたものと同じもので良い。こうして施工された目地シール材は、時間が経過してそのメンテナンスの際に目地の上方から電磁誘電装置を目地に向かってかざすことによって、鉄線もしくは鉄網等の電磁発熱体を発熱させて温度を高めることで、該目地シール材料の表面もしくは全体を溶融せしめてコンクリート舗装の目地溝内に、常に接着させることができる。
本発明で用いる 電磁誘電加熱装置については 目地内もしくは目地シール材内に挿入した電磁発熱体を電磁誘電によって自己発熱させることができる装置である。装置としては電波を使用する電波誘電加熱でも、高周波を使用する高周波誘電加熱でも良い。この装置は通常、コイルを多数巻いたものを板状の装置に入れ、電源装置と組み合わせて電磁波を発生させる。この板状の装置を目地の上に非接触でかざして用いる。目地が長い距離に及ぶので 車輪を付けて車の後ろに繋げて引っ張るか、人力でかざしながら走行させる。
電磁誘電加熱装置の容量ならびに走行の速度に関しては、目地シール材の形状寸法と目地内に挿入する鉄線もしくは鉄網の太さなどの形状によって左右される。また鉄線、鉄網の代わりに用いる銅線、銅網など、材質によっても左右される。目地の深さが20mm以下であれば単独の鉄線または銅線等で良いがこの場合の径は0.6mm以上が好ましい。また、目地の深さが20mmを越える深さであれば、幅の有る鉄網や銅網等を用いるのが好ましい。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの例に限られるものでない。実施例1
所定の温度で軟化溶融する性質を持つ目地シール材料として、表1の材料を表に記載の割合で加熱混合して得られたシール材を用いた。このシール材を所定の形状に成形する機械として、プラスチック成型押し出し機を用いるが、この機械にクロスヘッドという押し出し装置を付加した機械であれば、この成形したものの中に成形と共に芯材(電磁発熱体)を挿入することができる。芯材として径1.0mmの鉄線で(網目12mm)格子状に製作された幅30mmの鉄網を使用し、長さが10mで、縦15mm、横40mmの角柱状(舗装試験便覧試験用)および 縦12.7mm、横50mmの角柱状(米国連邦規格SS−S−164試験用)に成形した目地シール材を得た。なお、本発明はこの材料の配合にはとらわれない。
Figure 0005896930
上記材料からなる目地シール材を道路舗装の目地充填材に係わる公的性能規格である舗装施工便覧ならびに米国連邦規格SS−S−164に規定されている性能規格に従って試験を行った。
試験用の目地として、1対のコンクリートブロックを所定の間隔を空けて固定しておき、この間に上記の成形した目地シール材を挿入して、該シール材の両脇と底の部分を離形テープで覆ったのち、電磁誘電加熱装置を使って目地シール材を加熱し、一部を溶融させてコンクリートブロックに接着させた。コンクリートブロックには予めプライマーを塗布しておいた。このようにして作成した試験体を放冷硬化させたのち、引張試験を行った。それぞれの試験方法は表2の通りである。
Figure 0005896930
本発明の目地シール材の性能試験結果を表3に示す。
Figure 0005896930
実施例2
舗装試験便覧試験用の目地として、220×110×34mmの大きさの2枚のコンクリートブロックの間に15×40×200mmの空間を作成した。また、米国連邦規格SS−S−164試験用としては76.2×50.8×25.4mmの大きさの2枚のコンクリートブロックの間に12.7×50×50mmの空間を作成した。そして、これらの空間に径1.0mmの鉄線で格子状に製作された幅30mmの鉄網(網目12mm)を所定の長さで予め挿入した。所定の温度で軟化溶融する性質を持つシール材として、表4に記載の材料を記載の割合で加熱混合して得られたシール材を用いた。このシール材を再度180℃に溶解して、これをコンクリートブロックの間に作った目地に注入する。予め目地に挿入した鉄網は目地の空間の中央に位置するようにしておく。なお、本発明はこの材料の配合にはとらわれない。シール材を放冷硬化させ、このようにして作成したコンクリートブロック目地を、実施例1と同様に表2の試験方法により引張試験した。
Figure 0005896930
合わせて、この材料を道路舗装の目地充填材に係わる公的性能規格である舗装施工便覧
ならびに米国連邦規格SS−S−164に規定されている性能規格に従って試験を行った。
本発明の目地シール材料の性能試験結果を表5に示す。
Figure 0005896930
このように本発明の目地シール材は舗装施工便覧ならびに米国連邦規格SS−S−164に規定されている性能規格に全て適合する。従って、所定の温度で軟化溶融する性質を持つ目地シール材料を、予めロープ状または角柱状に成形しておき、この中に芯材として鉄線もしくは鉄網を入れたものとし、この目地シール材料を目地に挿入設置し、あとから電磁誘電装置を表面にかざすことによって鉄線もしくは鉄網の温度を高めることで、該目地シール材料の表面もしくは全体を溶融せしめて目地溝内に接着させる目地シール材はコンクリート舗装用の目地シール材として有効である。また予め目地の隙間の中に連続した鉄線もしくは鉄網を挿入しておき、その後、所定の温度で軟化溶融する性質を持つ目地シール材料を加熱溶解して、この目地の中に注入して硬化させる目地シール材もコンクリート舗装用の目地シール材として有効である。
同時にこのシール材を施工して経年後にメンテナンスする際に、シール材とコンクリート面との接着が不十分になっていても、目地の上方から電磁誘電装置を目地に向かってかざすことによって、鉄線もしくは鉄網の温度を高めることで、該目地シール材料の表面もしくは全体を溶融せしめて目地溝内に接着させたこの目地シール材も、コンクリート舗装用の目地シール材として有効である。
以下に本発明の実施例のいくつかを図面にしたがって説明する。
図9は、従来のコンクリート目地の一例を示す断面模式図である。コンクリート版6、6の間の目地溝7に、樹脂等からなるバックアップ材4を配置し、その上方の溝7内に加熱溶解した目地シール材料11を注入して固化させて目地をシールする。以下の説明において、同じ部材には同じ符号を付す。
図1は、本発明のひとつめの発明の目地シール材を使用した例で、電磁発熱体としての鉄網2を熱軟化溶融性のシール材1内に含む目地シール材3を目地溝7内に挿入した状態をを示す断面模式図である。このように挿入した目地シール材3を、図2に示すように、目地の上方に電磁誘電装置8をかざして鉄網2を発熱させてシール材1を溶融させて目地溝7内に密着充填させる。9は電磁波を示す。
図3〜図6は、本発明のもう一つの発明の例を示す。図3に示すように電磁発熱体としての鉄網2を予め目地溝7内に配置し、次に熱溶融した目地シール材料1を溝7内に注入して、図4に示すように目地をシールする。この様に従来のシール方法と同様にしてシールした目地が長期間の使用によって目地溝7の壁面から剥離して隙間5が生じた状態を図5に示す。図5に示すように剥離して隙間5が生じた目地に、図6に示すように上方より電磁誘電装置8をかざして鉄網2を発熱させて目地シール材料1を再溶融させて目地溝7内に再び密着充填させる。
図7は電磁発熱体である鉄線2を芯材として目地シール材料1内に有する目地シール材3の斜視図を示し、図8は鉄網を芯材とした例を示す。
1:軟化溶融性の目地シール材料、 2:鉄線または鉄網(電磁発熱体)、
3:目地シール材、 4:バックアップ材、5:剥離箇所、
6:コンクリート版、7:目地溝、8:電磁誘電装置

Claims (4)

  1. コンクリート舗装に設ける目地に於いて、加熱によって軟化溶融する性質を持つ目地シール材料を目地に対応する所要形状に成形し、その中に芯材として電磁誘電加熱の可能な材質の電磁発熱体を入れた成形体とし、この目地シール材料の成形体を目地溝内に挿入し、電磁誘電装置によって前記電磁発熱体を発熱させて、前記成形体の目地シール材料を軟化溶融せしめて目地をシールすることを特徴とするコンクリート舗装の目地シール材の施工法。
  2. 前記電磁発熱体を含む目地シール材料を目地に施工した後、目地のシールが不十分になった場合に、施工した該目地シール材料の上から電磁誘電装置をかざすことによって、前記電磁発熱体を発熱させて、前記目地シール材料を軟化溶融せしめて目地を再シールすることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート舗装の目地シール材の施工法
  3. コンクリート舗装に設ける目地に於いて、予め目地溝の中に電磁誘電加熱の可能な材質の電磁発熱体を挿入しておき、その後、加熱によって軟化溶融する性質を持つ目地シール材料を加熱溶解して、この目地溝の中に注入して硬化させて目地をシールし、その後メンテナンス時に前記電磁発熱体を発熱させ、該目地シール材料を軟化溶融せしめて目地を再シールすることを特徴とするコンクリート舗装の目地シール材の施工法。
  4. 加熱によって軟化溶融する性質を持つ目地シール材料により成形された目地に対応する所要形状を有する成形体と、
    該成形体の中に芯材として配置され、電磁誘電加熱の可能な材質の電磁発熱体と、
    を備えることを特徴とするコンクリート舗装の目地シール材。
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