JP5896930B2 - コンクリート舗装の目地シール材およびその施工法 - Google Patents
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コンクリート舗装の目地は予め目地の設置箇所を決めておき、目地の両側のコンクリートが硬化した後にその表面の目地予定箇所をコンクリートカッターで切断除去して空隙を作り、その空隙に後から目地充填材を注入するか、もしくはコンクリート打設時に仮の挿入物をその目地箇所に設置しておき、コンクリートの硬化後にその仮挿入物を切削除去して空隙を作って目地充填材を注入する方法が採られている。
特にコンクリート道路の舗装では目地充填材として、加熱注入シール材を用いているため、その注入材を加熱して溶解する機械設備、かつ保温する装置も兼ね備えた機械を用いて注入作業を行っている(特許文献1及び2)。
コンクリート舗装の目地シール材には、国内では日本道路協会発行の舗装施工便覧などの公的な規格に、また海外では 米国連邦規格 SS-S-164等の規格にその性状規格が示されているが、国内では従来からこのコンクリート舗装の目地シール材には加熱式注入材が用いられている。
い。この溶融作業は従来から過酷な作業となっており、大量の目地材を加熱溶融するため、何時間も前から大きな溶融釜でプロパンガスバーナーなどで加熱を行っているのが現状である。早朝作業で重労働であるばかりでなく、危険も多い作業で、この種の作業には作業者の確保なども難しい状況となっている。
これまで述べてきた従来の施工方法の問題点ならびに本発明で解決したい課題を列挙すると下記の通りである。
(2)従来の施工方法では、各工程で比較的規模の大きい機械設備を必要とすること。
加熱式目地材の場合は、施工する延長が長いため相応の量の目地材を溶解しておくための溶解機や注入機などの諸器械を必要とする。従って、これらの機械設備を動かすエネルギー確保の結果から、排出されるCO2 量も多い。
充填材注入作業などは長い延長距離を迅速に正確に作業して行かねばならず、極めて熟練を要す作業である。近年、これらの熟練工は少なくなりつつある。
(4)危険や過酷な労働を伴う作業が多い。
特に目地充填材の注入作業は一定の姿勢で注入機械を保持するため、長い広大な距離の注入作業は過酷な労働となる。加熱式充填材の場合は作業開始の数時間前から溶解作業を開始せねばならず、火力を使う作業で危険を伴う。
また、本発明は電磁発熱体を含む目地シール材に関するものである。
本発明は、また、予めロープ状または角柱状等の前記成形体とした目地シール材をコンクリート舗装の目地位置に設けた溝の中に挿入するにあたり、目地シール材表面またはシール材と目地溝の被着面との間に接着剤を介在させる方法も含む。
目地シール材は注入から長期の期間を経ると目地の伸縮疲労などにより、コンクリート目地側面と接着が不十分になることがあるが、この電磁誘導装置を目地に向かってかざすことによって、鉄線もしくは鉄網の温度を高め、該目地シール材の表面もしくは全体を溶融させることによってコンクリート目地側面との接着を再び回復させることができる機能回復工法である。
ひとつは、予めロープ状などの形状に成形された目地シール材を使用することで、これまで必要としてきた種々の施工機械が不要となり、現場で材料を加熱溶融することが必要でなくなることである。また、従来の施工で必要とした人員は注入ノズルを担当する者、注入機械を所定位置に移動させる者、材料の溶解作業やプライマーの塗布作業を担当する者の最低3名の人員が必要であったが、本発明の施工法では貼り付け機械の移動と操作を担当する者と電磁誘電装置を目地に向かってかざして溶融させてゆく者との2名で作業が可能である。
ひとつめの発明に関して、
(1)従来の施工方法では、別途に梱包されたシール材料を取り出し、加熱溶解機で施工の前から溶解しておく工程を必要としていたが、本発明により現場に到着すれば直ちに注入作業が出来る。これにより、施工日数の短縮が可能である。
(2)従来の施工は、材料を現場で加熱溶融し溶けた高温の材料を目地に注入するという極めて重労働かつ、熟練を要す施工で危険であったが、本発明工法では熟練も必要とせず簡単に施工ができる。従って、熟練工不足の事態を回避できるとともに施工の安全が確保しやすい。
(3)従来の施工は、火力を用いて大量でかつ重量のある充填材を溶解する等の作業が必要であり、CO2 を多く発生するし、環境上でも問題があったが、本発明工法はCO2 の発生が低減出来、危険や過酷な労働も伴わない。
(4)経年後に目地シール材がコンクリート面との接着が不十分になったとき、従来は目地シール材を取り去る工事を行った上で再度最初から、目地シール材の注入を行わなけえればならなかったが、本発明工法では既に注入済みの目地シール材を電磁発熱体によって溶融して再度コンクリートに接着させるため、容易に機能回復が可能である。
(5)本発明の機能復旧方法を使用することで、目地シールの工事全体のトータルコストの削減に寄与するものである。
目地シール材料(以下単にシール材という)は、予め工場で押し出し成形、プレス成型等により所要の形状に成形する。
成形体の形状は、特に限定されないが、そのひとつの形状としては、シール材を施工後
の目地充填材の形状と同じ形状かまたはほぼ同じ形状にする。したがって形状は、長い平板状、帯状であっても良い。
これらの目地に於ける充填材が占める断面形状は対象とする舗装の用途により異なるが、舗装道路では膨張目地で幅25mm、深さ40mm程度、その他の目地で幅8〜10mm、深さ40〜70mm程度である。この目地の所定寸法に予め工場でシール材を成形したものを使用する方法である。
別の方法としては、本発明で用いる元のシール材の形状を一定とし、それを施工機械(施工装置)に供給して施工機械で加熱軟化させて希望する目地のサイズに成形して使用する方法である。
電磁発熱体が鉄粉などの粉体、微細粒子の場合には、予めこれらの粉体を、シール材または適当な結合剤を用いて、紐状などに成形したものを芯材として使用する。
成形は、例えば、電磁発熱体を一側面上に設けた帯状体と電磁発熱体を設けない帯状体の二つを作り、両者を合わせることで、中に電磁発熱体を含む成形体としてもよい。
混合物からなるものが多い。国内の公的な規格としては 舗装施工便覧(日本道路協会 平成18年発行)に記載の 加熱型注入材の品質の基準がある。また海外の規格としては 米国連邦規格 SS-S-164規格などがある。
電磁誘電加熱装置の容量ならびに走行の速度に関しては、目地シール材の形状寸法と目地内に挿入する鉄線もしくは鉄網の太さなどの形状によって左右される。また鉄線、鉄網の代わりに用いる銅線、銅網など、材質によっても左右される。目地の深さが20mm以下であれば単独の鉄線または銅線等で良いがこの場合の径は0.6mm以上が好ましい。また、目地の深さが20mmを越える深さであれば、幅の有る鉄網や銅網等を用いるのが好ましい。
所定の温度で軟化溶融する性質を持つ目地シール材料として、表1の材料を表に記載の割合で加熱混合して得られたシール材を用いた。このシール材を所定の形状に成形する機械として、プラスチック成型押し出し機を用いるが、この機械にクロスヘッドという押し出し装置を付加した機械であれば、この成形したものの中に成形と共に芯材(電磁発熱体)を挿入することができる。芯材として径1.0mmの鉄線で(網目12mm)格子状に製作された幅30mmの鉄網を使用し、長さが10mで、縦15mm、横40mmの角柱状(舗装試験便覧試験用)および 縦12.7mm、横50mmの角柱状(米国連邦規格SS−S−164試験用)に成形した目地シール材を得た。なお、本発明はこの材料の配合にはとらわれない。
試験用の目地として、1対のコンクリートブロックを所定の間隔を空けて固定しておき、この間に上記の成形した目地シール材を挿入して、該シール材の両脇と底の部分を離形テープで覆ったのち、電磁誘電加熱装置を使って目地シール材を加熱し、一部を溶融させてコンクリートブロックに接着させた。コンクリートブロックには予めプライマーを塗布しておいた。このようにして作成した試験体を放冷硬化させたのち、引張試験を行った。それぞれの試験方法は表2の通りである。
舗装試験便覧試験用の目地として、220×110×34mmの大きさの2枚のコンクリートブロックの間に15×40×200mmの空間を作成した。また、米国連邦規格SS−S−164試験用としては76.2×50.8×25.4mmの大きさの2枚のコンクリートブロックの間に12.7×50×50mmの空間を作成した。そして、これらの空間に径1.0mmの鉄線で格子状に製作された幅30mmの鉄網(網目12mm)を所定の長さで予め挿入した。所定の温度で軟化溶融する性質を持つシール材として、表4に記載の材料を記載の割合で加熱混合して得られたシール材を用いた。このシール材を再度180℃に溶解して、これをコンクリートブロックの間に作った目地に注入する。予め目地に挿入した鉄網は目地の空間の中央に位置するようにしておく。なお、本発明はこの材料の配合にはとらわれない。シール材を放冷硬化させ、このようにして作成したコンクリートブロック目地を、実施例1と同様に表2の試験方法により引張試験した。
同時にこのシール材を施工して経年後にメンテナンスする際に、シール材とコンクリート面との接着が不十分になっていても、目地の上方から電磁誘電装置を目地に向かってかざすことによって、鉄線もしくは鉄網の温度を高めることで、該目地シール材料の表面もしくは全体を溶融せしめて目地溝内に接着させたこの目地シール材も、コンクリート舗装用の目地シール材として有効である。
図9は、従来のコンクリート目地の一例を示す断面模式図である。コンクリート版6、6の間の目地溝7に、樹脂等からなるバックアップ材4を配置し、その上方の溝7内に加熱溶解した目地シール材料11を注入して固化させて目地をシールする。以下の説明において、同じ部材には同じ符号を付す。
図1は、本発明のひとつめの発明の目地シール材を使用した例で、電磁発熱体としての鉄網2を熱軟化溶融性のシール材1内に含む目地シール材3を目地溝7内に挿入した状態をを示す断面模式図である。このように挿入した目地シール材3を、図2に示すように、目地の上方に電磁誘電装置8をかざして鉄網2を発熱させてシール材1を溶融させて目地溝7内に密着充填させる。9は電磁波を示す。
図7は電磁発熱体である鉄線2を芯材として目地シール材料1内に有する目地シール材3の斜視図を示し、図8は鉄網を芯材とした例を示す。
3:目地シール材、 4:バックアップ材、5:剥離箇所、
6:コンクリート版、7:目地溝、8:電磁誘電装置
Claims (4)
- コンクリート舗装に設ける目地に於いて、加熱によって軟化溶融する性質を持つ目地シール材料を目地に対応する所要形状に成形し、その中に芯材として電磁誘電加熱の可能な材質の電磁発熱体を入れた成形体とし、この目地シール材料の成形体を目地溝内に挿入し、電磁誘電装置によって前記電磁発熱体を発熱させて、前記成形体の目地シール材料を軟化溶融せしめて目地をシールすることを特徴とするコンクリート舗装の目地シール材の施工法。
- 前記電磁発熱体を含む目地シール材料を目地に施工した後、目地のシールが不十分になった場合に、施工した該目地シール材料の上から電磁誘電装置をかざすことによって、前記電磁発熱体を発熱させて、前記目地シール材料を軟化溶融せしめて目地を再シールすることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート舗装の目地シール材の施工法。
- コンクリート舗装に設ける目地に於いて、予め目地溝の中に電磁誘電加熱の可能な材質の電磁発熱体を挿入しておき、その後、加熱によって軟化溶融する性質を持つ目地シール材料を加熱溶解して、この目地溝の中に注入して硬化させて目地をシールし、その後メンテナンス時に前記電磁発熱体を発熱させ、該目地シール材料を軟化溶融せしめて目地を再シールすることを特徴とするコンクリート舗装の目地シール材の施工法。
- 加熱によって軟化溶融する性質を持つ目地シール材料により成形された目地に対応する所要形状を有する成形体と、
該成形体の中に芯材として配置され、電磁誘電加熱の可能な材質の電磁発熱体と、
を備えることを特徴とするコンクリート舗装の目地シール材。
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