JP5894774B2 - 林檎繊維食品の製造方法、および、それに利用する林檎繊維食品の製造装置 - Google Patents

林檎繊維食品の製造方法、および、それに利用する林檎繊維食品の製造装置 Download PDF

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Description

この発明は、果実搾汁粕を原料とする果実繊維食品の製造に関連するものであり、特に、林檎果実の、これまで産業廃棄物として大量に処分されていた生林檎搾汁粕を効率的に乾燥、粉砕して粉末化し、食物繊維を豊富に含む新たな機能、用途に適した林檎繊維食品を製造、提供する分野は勿論のこと、その輸送、保管、展示、販売に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
普通、一般に出回る果実の多くは、その収穫期に新鮮なまま食する生食が最も望ましいといえるものの、良質の果実全てが、生食用として市場に出回っている訳ではなく、それらの中にも、出荷調整のためであったり、付加価値を高める目的や保管、管理が難しかったり、貯蔵施設に経費が掛かり過ぎる等といった様々な理由で生食用から外されて加工用果物に回されるものや、最初から、色付きや形、外傷といった外観上の理由などから加工用果物に回されている果実も多く、それらは、ジュース、缶詰め、ゼリー、ジャム等の加工食品として流通することとなり、林檎生産高で追随を揺らさない青森においても、長年に亘って改良を重ねられては来ているとは言え、それらの処理、加工技術で搾汁処理後の絞り粕の問題には、未だ十分とは言い切れない状態である。
例えば、東北地方の代表的なデリシャス系、赤玉、ふじ等といった各品種の林檎果実は、結実の過程において、葉で光合成されたブドウ糖が、主として糖アルコールの一種であるソルビトールとなり、果実に送られて果糖に変化するものであるが、その変化の遅れにより、ソルビトールが果実内維管束付近の細胞から染みだして蜜入り症状を呈し、成熟が進んだ証拠ともなり、日当たりがよく、高温な年ほど蜜入りとなり易いといわれていて消費者からも喜ばれているが、こうした蜜入り症状の進んだ林檎果実ほど貯蔵に適さず、収穫後の早期の中に出荷するか、もしくは、長期保存可能な食品に加工してしまう必要があり、したがって、生食用として必要な量以外の林檎は、加工食品、特に林檎ジュース等に加工して年間を通じた供給が可能となるようにし、林檎に含まれている各種ビタミンやミネラル類や食物繊維等の有効成分を、長期保存の可能なジュース等といった加工食品から何時でも接種できるようにしており、それらは、整腸作用を有していて健康維持に大いに役立つことから、成人は固よりのこと、離乳食にも有効なものとして大量の需要が続いて来た上に、毎日の食生活の中で規則的に摂取することにより、体内に蓄積された放射線核種を効果的に排泄できるという林檎ペクチンを固有していることについては、従前から
良く知られるところである。
このように多くの林檎果実が、生食以外にもジュース等加工食品として多くの人々から食されていて、その加工量も毎年膨大なものとなっており、その製造の際に、大量の生林檎搾汁粕を発生していて、加工業者間では、それらの処分に困るほどの現実に直面しており、その搾汁粕は、水分や糖質を豊富に含み、腐敗や黴を発生しやすいため、貯蔵が困難であり、その約1/2は肥料や家畜用飼料としてリサイクル利用されているものの、残る約1/2は有効利用できず、そのまま産業廃棄物として処理せざるを得ないのが現状となっており、林檎栽培を盛んに行っている果樹園農家や、林檎ジュースを製造する工場等では、何とか経費を掛けてまで廃棄処分してしまうようなことをせず、それら林檎搾汁粕をできるだけ有効に活用する方法がないものかと、長年に亘って様々な試行錯誤を続けてきているような状況である。
(従来の技術)
ところが、この生林檎搾汁粕は、水分を多量に含む上、糖質が高く、取扱い中に繊維が絡みあってしまって団子状になり易いという性質を持つことから、従前からの一般的な乾燥手段では、不十分な乾燥状態に止まってしまい、充分に水分を除去しきれていないため、乾燥後に腐敗や黴を発生してしまって二次利用が難しく、また、その弊害を除去しようとして急激な加熱処理によって強制的に含水率を下げようとすると、簡単に焦げ付いて商品にならないだけではなく、乾燥装置を痛める結果となってしまうという厄介な問題を有していることから、これまでのところでは、林檎搾汁粕を始めとする糖質の高い果実搾汁粕は、粒状を揃えて均質な加工食品にするための工業化に不向きであるとして、長年の渡って放置されたままの技術分野となっていた。
御当地に在住して林檎果実の加工に深く係る本願発明者等は、予てより、こうした状況を憂慮し続けている中、自らその打開策となる、下記の特許文献1(1)に示すような、含水率6ないし12パーセントとなるまで乾燥させて乾燥済み搾汁粕とした上、該乾燥済み搾汁粕を、その混合割合が40重量パーセントとなるようにして、未乾燥のままの果実搾汁粕に加えて100重量パーセント相当量となる混練物にすると共に、乾燥機を用いて含水率6ないし12パーセントとなるまで乾燥させて乾燥済み搾汁粕とした後、引き続き、その中から40重量パーセント相当量を分離した上、それらを、次の未乾燥のままの新たな果実搾汁粕に戻して100重量パーセント相当量の混練物としてから、乾燥機を用いて含水率6ないし12パーセントとなるまで乾燥させて乾燥済み搾汁粕とする工程を繰り返していくようにする一方、その都度40重量パーセント相当量が分離されて残る60重量パーセント相当量の乾燥済み搾汁粕だけを、その都度含水量6ないし10パーセントとなるよう調整されたものとして粉砕工程に回して粉末あるいは粒状の果実繊維食品に加工していくようにしてなる実繊維食品の製造方法の開発に成功し、それらの技術的価値が評価されて特許化を果たし、既に実用化済みとしている。
(1)特許第4238326号公報
(問題意識)
この本願発明者によって開発に成功した特許文献1(1)の果実繊維食品の製造方法は、様々な果実搾汁粕から果実繊維食品を製造するのに有効なものであって、林檎果実の繊維食品を効率的に加工しようとすると、含水率6ないし12パーセントまで乾燥させた乾燥済み林檎搾汁粕を、その混合割合が40重量パーセントとなるよう、未乾燥のままの果実搾汁粕に加えて100重量パーセント相当量となる混練物を製造した後、即座に次工程の乾燥機に投入、乾燥を開始すると、短時間乾燥が困難であり、また、高い糖度の故に乾燥中に焦げ付いて商品価値を損ねてしまう可能性が高いという、新たな欠点が明らかになり、実繊維食品の品質を安定化するには、当該混練物を1晩寝かせて水分を充分に分散・均質化してから乾燥機に投入、乾燥しなければならないことが判明し、効率的な生産には、さらなる改良が不可欠なものであるという事実を知覚していたところに、不幸にして、3.11の東日本大震災被災時の原発事故から、広い範囲に亘って放射被爆の悲劇が重大問題となり、自然界の除染と共に、被爆者人体からの除染が喫緊の課題となり、この林檎ペクチンに多大の期待が寄せられ、林檎搾汁粕の効率的な処理方法の開発を放置できない状況となっている。
(発明の目的)
この発明は、以上のように、これまで産業廃棄物として大量に処分されてきた糖質の高い生林檎搾汁粕の処理事情に鑑み、生林檎搾汁粕が、特に林檎ペクチン生産に欠くことができない有効且つ重要な原料資源であり、現在おかれた国難とも言うべき事態に須らく対処するために焦眉の急を要すという見地から、何とかそれらを加工食品として効率的に再生、利用して食品市場に供給可能とすることはできないものかと判断し、長期に渡る経験を生かして早急に幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に、林檎搾汁粕を格段に効率的に乾燥粒状化または粉末状化可能とする極めて新規な林檎繊維食品の製造方法、および、その製造に使用する新規な構造からなる林檎繊維食品の製造装置を完成、実用化の目度を立てることに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の林檎繊維食品の製造方法は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、汁抽出過程で得られたままの生林檎搾汁粕に対し、水分6ないし8%に乾燥済みのアップルファイバー乾燥粕を1:1の重量割合で混合・攪拌すると共に加圧し、該生林檎搾汁粕の水分をアップルファイバー乾燥粕に強制的且つ短時間の中に浸透・拡散し、均質化させて林檎繊維半乾燥粕を製造した後、120ないし200℃で水分6ないし8%になるまで加熱・強制乾燥するようにして林檎繊維食品に加工するようにしてなるものとした構成を要旨とする林檎繊維食品の製造方法である。
この基本的な構成からなる林檎繊維食品の製造方法は、その表現を変えて示すならば、果汁抽出過程で得られたままの生林檎搾汁粕に対し、水分6ないし8%に乾燥済みのアップルファイバー乾燥粕を1:1の重量割合で混合機に投入して混合・攪拌すると共に加圧し、該生林檎搾汁粕の水分をアップルファイバー乾燥粕に強制的且つ短時間の中に浸透・拡散し、均質化させて林檎繊維半乾燥粕を製造した後、直火熱風乾燥機を用いて120ないし200℃で加熱・強制乾燥し、水分6ないし8%の全量アップルファイバー乾燥粕とし、該全量アップルファイバー乾燥粕を粉砕機にて粉末あるいは粒状のアップルファイバー乾燥粒に加工した上、包装装置にて一定量毎に包装した林檎繊維食品に加工するようにしてなるものとした構成からなる林檎繊維食品の製造方法となる。
より具体的には、果汁抽出過程で得られたままの生林檎搾汁粕に対し、水分6ないし8%に乾燥済みのアップルファイバー乾燥粕を1:1の重量割合で混合機に投入して混合・攪拌すると共に加圧し、該生林檎搾汁粕の水分をアップルファイバー乾燥粕に強制的且つ短時間の中に浸透・拡散し、均質化させて林檎繊維半乾燥粕を製造した後、直火熱風乾燥機を用いて120ないし200℃で加熱・強制乾燥し、水分6ないし8%の全量アップルファイバー乾燥粕とし、該全量アップルファイバー乾燥粕を粉砕機にて粉末あるいは粒状のアップルファイバー乾燥粒とし、異物分離機で混入異物を除去した上、包装装置にて一定量毎に包装した林檎繊維食品に加工するようにしてなるものとした構成からなる林檎繊維食品の製造方法となる。
更に具体的に示すと、果汁抽出過程で得られたままの生林檎搾汁粕に対し、水分6ないし8%に乾燥済みのアップルファイバー乾燥粕を1:1の重量割合で混合機に投入して混合・攪拌すると共に加圧し、該生林檎搾汁粕の水分をアップルファイバー乾燥粕に強制的且つ短時間の中に浸透・拡散し、均質化させて林檎繊維半乾燥粕を製造した後、直火熱風乾燥機を用いて120ないし200℃で加熱・強制乾燥し、水分6ないし8%の全量アップルファイバー乾燥粕とし、該全量アップルファイバー乾燥粕を粉砕機にて粉末あるいは粒状のアップルファイバー乾燥粒とし、該アップルファイバー乾燥粒に添加物供給機で適量の機能性添加物を添加し、異物分離機で混入異物を除去した上、包装装置にて一定量毎に包装した林檎繊維食品に加工するようにしてなるものとした林檎繊維食品の製造方法といえる。
これを換言すると、果汁抽出過程で得られたままの生林檎搾汁粕に対し、水分6ないし8%に乾燥済みのアップルファイバー乾燥粕を1:1の重量割合で混合・攪拌すると共に加圧し、該生林檎搾汁粕の水分をアップルファイバー乾燥粕に強制的且つ短時間の中に浸透・拡散し、均質化させて林檎繊維半乾燥粕を製造した後、120ないし200℃で加熱・強制乾燥し、水分6ないし8%の全量アップルファイバー乾燥粕とし、該全量アップルファイバー乾燥粕中の一部量を前記生林檎搾汁粕と1:1の重量割合で混合・攪拌するアップルファイバー乾燥粕の一部または全部にする一方、該全量アップルファイバー乾燥粕中の他部量を林檎繊維食品に加工するようにしてなるものとした林檎繊維食品の製造方法となる。
更にまた、果汁抽出過程で得られたままの生林檎搾汁粕に対し、水分6ないし8%に乾燥済みのアップルファイバー乾燥粕を1:1の重量割合で混合機に投入して混合・攪拌してから加圧し、該生林檎搾汁粕の水分をアップルファイバー乾燥粕に強制的且つ短時間の中に浸透・拡散し、均質化させて林檎繊維半乾燥粕を製造した後、直火熱風乾燥機を用いて120ないし200℃で加熱・強制乾燥し、水分6ないし8%の全量アップルファイバー乾燥粕とし、該全量アップルファイバー乾燥粕中の一部量を前記混合機への再投入に当て、生林檎搾汁粕と1:1の重量割合で混合・攪拌するアップルファイバー乾燥粕の一部または全部にする一方、該全量アップルファイバー乾燥粕中の他部量を粉砕機にて粉末あるいは粒状のアップルファイバー乾燥粒に加工した上、包装装置にて一定量毎に包装した林檎繊維食品に加工するようにしてなる林檎繊維食品の製造方法ということができる。
(関連する発明)
上記した林檎繊維食品の製造方法に関連し、この発明には、それに利用するための林檎繊維食品の製造装置も包含している。
即ち、生林檎搾汁粕およびアップルファイバー乾燥粕を1:1の重量割合で投入可能とする各原料ホッパーと、各原料ホッパーが供給する生林檎搾汁粕およびアップルファイバー乾燥粕を混合・攪拌すると共に加圧し、該生林檎搾汁粕の水分をアップルファイバー乾燥粕に強制的且つ短時間の中に浸透・拡散し、均質化した林檎繊維半乾燥粕を製造可能な混合機と、混合機からの林檎繊維半乾燥粕を120ないし200℃で水分6ないし8%になるまで加熱・強制乾燥可能な直火熱風乾燥機とを有してなるものとした、この発明の基本をなす前記林檎繊維食品の製造方法のための製造装置である。
この林檎繊維食品の製造装置を、より具体的なものとして示すと、生林檎搾汁粕およびアップルファイバー乾燥粕を1:1の重量割合で投入可能とする各原料ホッパー、各原料ホッパーが供給する生林檎搾汁粕およびアップルファイバー乾燥粕を混合・攪拌すると共に加圧し、該生林檎搾汁粕の水分をアップルファイバー乾燥粕に強制的且つ短時間の中に浸透・拡散し、均質化した林檎繊維半乾燥粕を製造可能な混合機、該混合機からの林檎繊維半乾燥粕を120ないし200℃で水分6ないし8%になるまで加熱・強制乾燥可能な直火熱風乾燥機、該直火熱風乾燥機で水分6ないし8%に乾燥した全量アップルファイバー乾燥粕を粉末あるいは粒状のアップルファイバー乾燥粒に粉砕可能な粉砕機、および、該粉砕機からのアップルファイバー乾燥粒を一定量毎に包装可能な包装装置を有してなるものとした、この発明の基本をなす前記林檎繊維食品の製造方法のための製造装置となる。
これを、表現を変えて示すと、生林檎搾汁粕およびアップルファイバー乾燥粕を1:1の重量割合で投入可能とする各原料ホッパー、各原料ホッパーが供給する生林檎搾汁粕およびアップルファイバー乾燥粕を混合・攪拌すると共に加圧し、該生林檎搾汁粕の水分をアップルファイバー乾燥粕に強制的且つ短時間の中に浸透・拡散し、均質化した林檎繊維半乾燥粕を製造可能な混合機、該混合機からの林檎繊維半乾燥粕を120ないし200℃で水分6ないし8%になるまで加熱・強制乾燥可能な直火熱風乾燥機、該直火熱風乾燥機で水分6ないし8%に乾燥した全量アップルファイバー乾燥粕を粉末あるいは粒状のアップルファイバー乾燥粒に粉砕可能な粉砕機、該粉砕機からのアップルファイバー乾燥粒内に混入する混入異物を除去可能な異物分離機、および、一定量毎に包装可能な包装装置を有してなるものとした、この発明の基本をなす前記林檎繊維食品の製造方法のための製造装置といえる。
また、換言するならば、生林檎搾汁粕およびアップルファイバー乾燥粕を1:1の重量割合で投入可能とする各原料ホッパー、各原料ホッパーが供給する生林檎搾汁粕およびアップルファイバー乾燥粕を混合・攪拌すると共に加圧し、該生林檎搾汁粕の水分をアップルファイバー乾燥粕に強制的且つ短時間の中に浸透・拡散し、均質化した林檎繊維半乾燥粕を製造可能な混合機、該混合機からの林檎繊維半乾燥粕を120ないし200℃で水分6ないし8%になるまで加熱・強制乾燥可能な直火熱風乾燥機、該直火熱風乾燥機で水分6ないし8%に乾燥した全量アップルファイバー乾燥粕を粉末あるいは粒状のアップルファイバー乾燥粒に粉砕可能な粉砕機、該粉砕機からのアップルファイバー乾燥粒に適量の機能性添加物を添加可能な添加物供給機、該粉砕機と添加物供給機とからの機能性添加物入りアップルファイバー乾燥粒内に混入する混入異物を除去可能な異物分離機、および、一定量毎に包装可能な包装装置を有してなるものとした、この発明の基本をなす前記林檎繊維食品の製造方法のための製造装置ということができる。
以上のとおり、この発明の林檎繊維食品の製造方法によれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、これまで産業廃棄物として大量に処分されてきた糖質の高い生林檎搾汁粕の処理事情を一変させ、、それら生林檎搾汁粕が食物繊維の豊富な原料資源として効率的に再生、利用し、カリウム、クエン酸、リンゴ酸、ペクチンなどの不溶性・水溶性食物繊維を含む健康に有益な林檎繊維食品を、従来に比較して極めて短時間にて効率的に生産することができるようになり、食物繊維を多量に含む健康食品、あるいは他の食品、例えば、パン類、麺類、菓子類等への添加物として再生、利用することが可能となり、産業廃棄物としての生林檎搾汁粕の減少と、有用成分をふんだんに含む新たな加工食品の提供という相乗的効果を得ることができるようになる上、3.11の東日本大震災時の原発事故による被災で放射線物質を大量に放出する結果となった福島原子力発電所周辺、およびその影響を受ける広大な地域の住民にとっては、特に、体内に蓄積された放射線核種を効果的に排出できる林檎ペクチンを、継続して毎日摂取する上で、これら有効食品を、これまでとは違って大巾に低廉価格のものとして容易に入手可能にすることができるという極めて秀れた特徴が得られるものである。
また、この発明の林檎繊維食品の製造装置によれば、従前までのように、生林檎搾汁粕を適度に乾燥させることが困難であり、乾燥後の含水量が高く、腐敗や黴の発生を免れることができなかったり、あるいは、過度の加熱によって焦げ付きを生じてしまい、安定した乾燥を行うことが極めて難しいという難題を抱えていたものが、果汁抽出過程で得られたままの生林檎搾汁粕、および、充分に乾燥済みのアップルファイバー乾燥粕を1:1の重量割合で混合・攪拌すると共に加圧し、該生林檎搾汁粕の水分をアップルファイバー乾燥粕に強制的且つ短時間の中に浸透・拡散し、均質化した林檎繊維半乾燥粕を製造可能な混合機を設け、効率的な乾燥に適する状態の均質な林檎繊維半乾燥粕に調整してから直火熱風乾燥機に投入するという極めて画期的な構成を実現化し得たことにより、大量の生林檎搾汁粕であっても、連続的あるいは断続的に効率的な乾燥を実現化し、鮮度を維持したまま極めて良質の林檎繊維食品に製造することができ、果汁抽出過程で得られたままの生林檎搾汁粕からの林檎繊維食品の製造を工業化する上で大いに威力を発揮するという実用的な効果を奏するものとなる。
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
生林檎搾汁粕は、林檎果実から果汁を圧搾することによって残る生の搾り粕であり、林檎果実から、ジュース、ジャム、ゼリー等果実による加工食品を作る際の圧搾工程で発生する副産物をその主たる対象物としているが、この果実搾汁粕としては、林檎以外の、蜜柑、檸檬、李、葡萄、桃、パイナップル、バナナ、洋梨、梅、カカオ豆、その他の果実や、トマト、ニンジン、ホウレン草、白菜、キャベツ、ソラマメ、セロリー、アスパラガス等の野菜類からジュース、ソース、ケチャップ等の加工食品を製造する際に発生した圧搾粕に置き換えることが可能である。
当該生林檎搾汁粕は、例えば、紅玉、国光およびデリシャスなどに代表される林檎原料果実に付着した土砂や農薬等を洗い落とし、おろし金式摩砕機で摩砕し、ビタミンCまたは塩を加えて変色を防ぎ、圧搾機で70ないし75パーセント程度を搾汁し、糖およびクエン酸などで調整した後、濾過してジュースを製造し、その際に圧搾機によって搾汁した果実粕部分であり、更に、濾過して残存した果実粕部分も生林檎搾汁粕として利用することができる。
そして、この林檎繊維食品の製造方法で、果汁抽出過程で得られたままの生林檎搾汁粕に対し、水分6ないし8%に乾燥済みのアップルファイバー乾燥粕を1:1の重量割合で混合・攪拌すると共に加圧し、該生林檎搾汁粕の水分をアップルファイバー乾燥粕に強制的且つ短時間の中に浸透・拡散し、均質化させて林檎繊維半乾燥粕を製造する工程は極めて重要な工程であり、これは生林檎搾汁粕に対してアップルファイバー乾燥粕を1:1の重量割合未満で混合しても、あまり効果的な含水量の減少が得られず、充分な乾燥までに長時間を要する上に、林檎繊維半乾燥粕の粘度が高く、乾燥機内部に付着して焦げ付きを発生してしまう虞が強く、また、1:1の重量割合を超えるアップルファイバー乾燥粕を生林檎搾汁粕に配合した場合には、過度な加熱状態となって林檎繊維半乾燥粕全体を焦げ付かないように乾燥するための温度管理が難しくなる上、その後の乾燥処理に回す部分の歩留まりを悪くしてしまって工業化に適しないものになってしまうという事実に基づくものものであり、生林檎搾汁粕に対し、水分6ないし8%に乾燥済みのアップルファイバー乾燥粕を1:1の重量割合で混合・攪拌すると共に加圧すれば、従前必要とされていたような、混合物を1晩程度寝かせて水分を充分に分散・均質化してから乾燥機に投入するという工程が不要となり、しかも乾燥機内への搾汁粕の粘着や焦げ付きを防止できる上、林檎の栄養成分や風味も失われず、効率的な乾燥処理を実施可能とするものになり、極めて好都合のものとなる。
果汁抽出過程で得られたままの生林檎搾汁粕に対し、水分6ないし8%に乾燥済みのアップルファイバー乾燥粕を1:1の重量割合で混合機に投入して混合・攪拌してから、スクリューコンベアまたは搾汁機に投入して加圧するようにするのが望ましく、加圧を行わない場合には、水分の浸透、分散化が行われず、林檎繊維半乾燥粕中に生林檎搾汁粕の塊などが点在状に残存し、乾燥機内で部分的な焦げ付きを生じてしまい、全量アップルファイバー乾燥粕の全体の品質を低下させてしまう上、歩留まりの悪化や、乾燥機のメンテナンス頻度を高める要因となるから、必ず攪拌後の加圧か、攪拌を伴う加圧かの少なくとも何れかを行うことで、水分の分散、浸透による均質化を強制的、且つ短時間で完了するようにすべきである。
林檎繊維半乾燥粕を製造した後には、直火熱風乾燥機を用いて120ないし200℃で加熱・強制乾燥し、水分6ないし8%の全量アップルファイバー乾燥粕としなければならず、120℃未満では、充分な乾燥を得るのに長時間を要して効率的な製造を実現化できないばかりでなく、製造した全量アップルファイバー乾燥粕の鮮度を損ねてしまうという欠点を生じてしまい、200℃を超えると、充分な乾燥を得る前に燃焼や焦げ付きを生じてしまい、やはり製造した全量アップルファイバー乾燥粕の品質を悪化させてしまう虞が高く、120ないし200℃で加熱・強制乾燥するのが全量アップルファイバー乾燥粕の品質を安定化させるのに有効である。
加えて、林檎繊維食品としての品質を高めると共に、他の食品や飲料への添加などの利便性を高めたものとするよう、全量アップルファイバー乾燥粕を粉砕機にて粉末あるいは粒状のアップルファイバー乾燥粒に加工するようにしたものとするのが望ましく、更には、該アップルファイバー乾燥粒に添加物供給機で適量の機能性添加物を添加し、異物分離機で混入異物を除去した上、包装装置にて一定量毎に包装するようにしてなるものとすることができる。
また、全量アップルファイバー乾燥粕中の一部量を前記混合機への再投入に当て、生林檎搾汁粕と1:1の重量割合で混合・攪拌するアップルファイバー乾燥粕の一部または全部にする一方、該全量アップルファイバー乾燥粕中の他部量を粉砕機にて粉末あるいは粒状のアップルファイバー乾燥粒に加工した上、包装装置にて一定量毎に包装した林檎繊維食品に加工するようにすることもできる。
この発明の林檎繊維食品の製造装置の、最良もしくは望ましい形態について以下に説明を加えることにする。
原料ホッパーは、果汁抽出過程で得られたままの生林檎搾汁粕の適量ずつを、混合機に投入する機能を担い、単位時間当たりに定量の生林檎搾汁粕を供給可能になるものとするのが望ましく、例えば、林檎果実の搾汁工程の後に送出される生林檎搾汁粕を、直接あるいはベルトコンベア等を通じて供給されるよう構成することもできる外、所定量の生林檎搾汁粕を一時的に貯留し、定量ずつを送出するように構成したものであってもよい。また、生林檎搾汁粕の送出部分は、湿った生林檎搾汁粕が付着して目詰まりを起こさないよう、スクリューコンベアやピストン状の押し出し機構等を設け、強制的に所定量の生林檎搾汁粕を送出できるよう構成すると良い。
分配装置は、直火熱風乾燥機で得たで水分6ないし8%の全量アップルファイバー乾燥粕中の一部量を混合機および乾燥機がわへの再投入に当てる一方、同全量アップルファイバー乾燥粕中の他部量を粉砕機および包装装置などの林檎繊維食品とするがわに供給可能とするよう、分離・供給可能とする機能を分担し、例えば、二又に分かれた漏斗状に形成され、互いの送出口の開口寸法を送出割合に合わせて設定したものとして、上方から供給されたアップルファイバー乾燥粕を、開口寸法の大きいほうからは比較的多量に、開口寸法の小さな側からは比較的少量に分割するよう構成するものとしたり、あるいは、夫々の開口に開度調節の可能な開閉弁または開閉扉を設け、その開度を適宜調節して、アップルファイバー乾燥粕の送出量を調整できるよう構成したものとすることも可能である外、送出口付近にスクリューコンベアやピストン状の押し出し機構等を設けて、強制的に所定量のアップルファイバー乾燥粕を送出できるよう構成しても差し支えはない。
混合機は、供給される含水率の異なる二種類の搾汁粕、即ち、汁抽出過程で得られたままの生林檎搾汁粕に対し、水分6ないし8%に乾燥済みのアップルファイバー乾燥粕を効率的且つ均質に混合・攪拌、加圧して水分の浸透と均質化とを可能とする機能を果たすものであり、更に、混合・攪拌・加圧によって得た林檎繊維半乾燥粕を連続的あるいは断続的に送出可能な構造とすべきであり、例えば、所定容量の混練用容器に連続的に生林檎搾汁粕とアップルファイバー乾燥粕とを供給し、容器底部に設けられた混練用スクリューで混合・攪拌・加圧された林檎繊維半乾燥粕を適量ずつ断続的に汲み上げ、乾燥機側へ送出するよう構成することも可能である外、後述する実施例にも示すように、スクリューコンベア型のものとして、乾燥機側への強制搬送を行うと同時に、その搬送中に生林檎搾汁粕とアップルファイバー乾燥粕との混合・攪拌・加圧を進行させるよう構成したものとすることもできる。
乾燥機は、前記混合機によって生林檎搾汁粕に対し、水分6ないし8%に乾燥済みのアップルファイバー乾燥粕を1:1の重量割合で混合・攪拌すると共に加圧して得た林檎繊維半乾燥粕を水分6ないし8%に強制乾燥させる機能を果たすものであり、熱源を有して加熱させた金属部分または陶器部分等に、林檎繊維半乾燥粕を直接接触させて熱伝達による加熱、乾燥を行うか、あるいは遠赤外線ライトまたは発熱ランプ等を用いた輻射熱によって林檎繊維半乾燥粕を加熱、乾燥するものとするか、もしくは、加熱した空気、または過熱蒸気を吹き付け、乾燥を促進させるよう構成したものとすることも可能であり、例えば、林檎繊維半乾燥粕を通さず、通気性のみを確保する目の大きさに形成された金網状のベルトコンベアによって搬送される林檎繊維半乾燥粕に、上方からボイラーより供給される蒸気を吹きかけ、コンベア移送中に乾燥を進行するよう構成することができる外、後述する実施例のように、林檎繊維半乾燥粕を移送する攪拌用ドラム中にバーナーからの熱風を吹き込み、120ないし200℃で加熱・強制乾燥可能な直火熱風乾燥機からなるものとすることができる。
異物分離機は、製造過程で乾燥済みの全量アップルファイバー乾燥粕中に誤って混入してしまった砂や金属等の異物を除去する機能を分担し、異物を発見したときには、林檎繊維食品の製造装置の全体を停止し、異物を取り除いた後、同製造装置を再度起動するよう構成することも可能であるが、連続的に移送される全量アップルファイバー乾燥粕を停止することなく、異物を除去できるよう構成することが望ましく、例えば、遠心分離器を用いたり、金属探知器を設置するべきであり、所定容量の容器内で回転させ、乾燥済みの全量アップルファイバー乾燥粕よりも質量の重い異物を遠心方向に分離するものとし、磁性物質を磁石で吸着するようにしたものや、異物を検出すると、圧縮空気を吹き付けて異物のみを吹き飛ばし、排除してしまうよう構成したもの等としても良い。
なお、この発明に包含される製造装置には、乾燥機で強制的に乾燥させた全量アップルファイバー乾燥粕を粉末あるいは粒状のアップルファイバー乾燥粒に加工可能な粉砕機を設け、更に、該アップルファイバー乾燥粒に適量の添加剤を混合可能とする添加物供給機、および/または、前述の異物分離機が併設されてなるものとしたものとすることもでき、該添加物供給機は、該アップルファイバー乾燥粒中に、ある種の機能を有する添加物を、自動あるいは半自動、もしくは作業員による直接操作によって供給する機能を果たすものであって、アップルファイバー乾燥粒への混合割合を正確に設定できるよう構成すべきであり、必要に応じて甘味料、着色料、香料、保存料の外、他の食品等を、適量ずつ供給できるよう構成することが望ましく、例えば、水飴やサッカリン等の甘味料、林檎酸や酢酸等の酸味料、デキストリンやローズマリー抽出物等の安定化剤あるいは酸化防止剤、および各種ビタミンやミネラル成分等を添加、供給できるよう構成するのが望ましいといえる。
また、異物分離機は、製造過程で乾燥済みのアップルファイバー乾燥粒中に誤って混入してしまった砂や金属等の異物を除去する機能を果たすものであって、異物を発見したときには、林檎繊維食品の製造装置の全体を停止して異物を取り除いた後、同製造装置を再度起動するよう構成することも可能であるが、連続的に移送されるアップルファイバー乾燥粒を停止することなく、異物を除去できるよう構成することが望ましく、例えば、遠心分離器を用いたり、金属探知器を設置するべきであり、所定容量の容器内で回転させ、アップルファイバー乾燥粒よりも質量の重い異物を遠心方向に分離するものとし、磁性物質を磁石で吸着するようにしたものや、異物を検出すると、圧縮空気を吹き付けて異物のみを吹き飛ばし、排除してしまうよう構成したもの等とすることができる。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図面は、この発明の林檎繊維食品の製造方法、および、それに利用する林檎繊維食品の製造装置の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
林檎繊維食品の製造装置を示す模式図である。 林檎繊維食品の製造装置をより具体的に示す模式図である。 林檎繊維食品の製造装置を示す概念図である。 一部に改良を加えた林檎繊維食品の製造装置を示す模式図である。 一部に改良を加えた林檎繊維食品の製造装置をより具体的に示す模式図である。 一部に改良を加えた林檎繊維食品の製造装置を示す概念図である。
図1ないし図3に示す事例は、生林檎搾汁粕Aおよびアップルファイバー乾燥粕Bを投入可能とする各原料ホッパー11,12と、各原料ホッパー11,12が供給する生林檎搾汁粕Aおよびアップルファイバー乾燥粕Bを混合・攪拌すると共に加圧し、該生林檎搾汁粕Aの水分をアップルファイバー乾燥粕Bに強制的且つ短時間の中に浸透・拡散し、均質化した林檎繊維半乾燥粕Cを製造可能な混合機1と、同混合機1からの林檎繊維半乾燥粕Cを所定乾燥状態になるまで加熱・強制乾燥可能な直火熱風乾燥機2とを有してなるものとした、この発明の林檎繊維食品の製造方法のための製造装置における代表的な一実施例を示すものである。
以下では、この発明の林檎繊維食品の製造方法の一例に従い順次、林檎繊維食品の製造装置の構造を示して行くこととする。
それら各図からも明確に把握できるとおり、この発明の林檎繊維食品の製造装置は、その主要部分を、果汁抽出過程で得られたままの生林檎搾汁粕Aに対し、アップルファイバー乾燥粕Bを混合・攪拌、加圧可能な混合機1、該混合機1で得た林檎繊維半乾燥粕Cを所定の乾燥状態まで強制的に乾燥可能な直火熱風乾燥機2、該直火熱風乾燥機2で得た全量アップルファイバー乾燥粕D粉末あるいは粒状のアップルファイバー乾燥粒Eに加工する粉砕機3、および、該アップルファイバー乾燥粒Eを一定量毎に包装し、林檎繊維食品Gに加工する包装装置6とからなるものである。
混合機1は、モーターなどの駆動源10を有するスクリューコンベア1からなり、果汁抽出過程で得られたままの生林檎搾汁粕Aを投入する原料ホッパー11、および、水分6ないし8%に乾燥済みのアップルファイバー乾燥粕Bを投入する混合原料ホッパー12を有すると共に、該原料ホッパー11からの生林檎搾汁粕A、および混合原料ホッパー12からの乾燥済みのアップルファイバー乾燥粕Bの供給割合を1:1の重量割合で当該スクリューコンベア1に受け、次工程の直火熱風乾燥機2に向けて搬送すると同時に、混合・攪拌・加圧を行い、該生林檎搾汁粕Aの水分をアップルファイバー乾燥粕Bに強制的且つ短時間の中に浸透・拡散し、均質化させて林檎繊維半乾燥粕Cを製造するものとしてある。
直火熱風乾燥機2は、略水平状に設けた乾燥用攪拌ドラム本体20(ロータリーキルン・ドラム式)および同乾燥用攪拌ドラム本体20一端がわから、120ないし200℃の熱風を強制的に吹き込むバーナー21を設けたものとし、乾燥用攪拌ドラム本体20のバーナー21を設置したがわから順次、当該混合機1から搬送した林檎繊維半乾燥粕Cを供給し、乾燥用攪拌ドラム本体20を毎分6回転の速度で回転駆動し、およそ20分で、投入した所定量林檎繊維半乾燥粕Cの乾燥を終了し、送出するよう設定したものとしてある。
直火熱風乾燥機2の送出部には、乾燥を終えた全量アップルファイバー乾燥粕Dを強制的に搬送する搬送管路22の一端を接続し、同搬送管路22の他端を、粉砕機3(分離型ホッパー)上側に設置した集塵機31に接続し、該集塵機31から送出する全量アップルファイバー乾燥粕Dが粉砕機3に落下、供給されるよう構成している。
集塵機31に供給した全量アップルファイバー乾燥粕Dは、発生ガスを除去した後、粉砕機3に供給し、その粉砕翼30,30,……の回転を受けて均質な粉末状に粉砕してアップルファイバー乾燥粒Eとし、粉末用ホッパー32に落下、供給して一時的に、放置、除熱しながら貯留し、略室温近くまで温度が低下した後に、計量用バルブ33を通じて、所定量を食品容器34に供給し、所定量のアップルファイバー乾燥粒Eを受けた食品容器34は、異物分離機5に向けて移動しながら、その移動経路途中に設けてある添加物供給機4,4の、各添加物計量用バルブ40,40の夫々から、デキストリンや着色料を兼ねるビタミン等の機能性添加物Fを適量ずつ添加した後、食品容器34ごと異物分離器5に装着し、遠心分離作用を受けて、混入してしまった異物を取り除き、更に、同食品容器34に収容されたまま包装装置6まで移動、装着し、適量づつに小分けしてポリエチレンからなる販売用密閉容器60に分包して林檎繊維食品Gを製造する。
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明の林檎繊維食品の製造方法、および、それに利用する林檎繊維食品の製造装置は、図1ないし図3に示してあるように、直火熱風乾燥機2を用いて強制乾燥する前段階にて、混合機1の原料ホッパー11と混合原料ホッパー12から、果汁抽出過程で得られたままの生林檎搾汁粕Aと、水分6ないし8%に乾燥済みのアップルファイバー乾燥粕Bとを、重量割合にして1:1での供給を受けた同混合機1のスクリューコンベア1が混合・攪拌するようにすると共に加圧して、この生林檎搾汁粕Aの水分をアップルファイバー乾燥粕Bに強制的且つ短時間の中に浸透・拡散し、均質化させて林檎繊維半乾燥粕Cを製造するようにしてあるから、従前までであれば、含水量が多過ぎて充分な乾燥までに長時間を要したり、糖分が高過ぎて乾燥中に焦げ付いて商品価値を損ねてしまったりすることが多発し、こうした弊害を解消しようとすると、生林檎搾汁粕に乾燥済みの林檎搾汁粕を6:4の重量割合で混練し、1晩寝かせてから加熱・乾燥しなければならなかったものが、こうした長時間に渡る待機で、鮮度を低下させてしまうという不都合な工程を解消し得て、前述したように林檎繊維半乾燥粕Cを製造した直後、直ちに直火熱風乾燥機2へ供給し、加熱・強制乾燥して鮮度に秀れた良質な林檎繊維食品Gを迅速且つ効率的に生産することができる。
図4ないし図6に示す事例は、生林檎搾汁粕A用の原料ホッパー11、および、アップルファイバー乾燥粕Bを投入可能とする混合原料ホッパー12、それら各原料ホッパー11,12が供給する生林檎搾汁粕Aおよびアップルファイバー乾燥粕Bを混合・攪拌すると共に加圧し、該生林檎搾汁粕Aの水分をアップルファイバー乾燥粕Bに強制的且つ短時間の中に浸透・拡散し、均質化した林檎繊維半乾燥粕Cを製造可能な混合機1、該混合機1からの林檎繊維半乾燥粕Cを所定乾燥状態になるまで加熱・強制乾燥し、所定乾燥状態の全量アップルファイバー乾燥粕Dとする直火熱風乾燥機2、および、同直火熱風乾燥機2からの全量アップルファイバー乾燥粕D中の一部量と他部量とに分離し、一部量を混合原料ホッパー12に循環・供給する一方、他部量を包装装置6がわに分配可能とする分配装置23からなる、この発明の林檎繊維食品の製造方法のための製造装置における代表的な他の実施例を示すものである。
以下では、この発明の林檎繊維食品の製造方法の一例に従い順次、林檎繊維食品の製造装置の構造を示していくこととするが、前記実施例1と重複する部分に関しては、同一符号を付して説明を省略する。
分配装置23は、直火熱風乾燥機2の送出部に接続してある搬送管路22の他端を、同分配装置23上側に設置してある集塵機25、25に接続するようにし、この集塵機25,25から送出する全量アップルファイバー乾燥粕Dが、当該混合原料ホッパー12および分離型ホッパー24の夫々に均等落下、供給されるよう構成し、全量アップルファイバー乾燥粕D中の一部量を分配供給する分配装置23の一方の送出口が、当該アップルファイバー乾燥粕B用混合機1の混合原料ホッパー12を形成するものとし、また、全量アップルファイバー乾燥粕D中の他部量を分配供給する同分配装置23の他方の送出口が分離型ホッパー24を形成し、該全量アップルファイバー乾燥粕D中の他部量を強制的に送出する搬送管路26の一端に接続し、同搬送管路26の他端には、集塵機31を介して粉砕機3を接続してなるものとしてあり、該粉砕機3には、前記実施例1と同じく、添加物供給機4、異物分離機5および包装装置6を経て、適量づつに小分けしてポリエチレンからなる販売用密閉容器60に分包し、林檎繊維食品Gを製造するようにしたものである。
(実施例2の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明の林檎繊維食品の製造方法、および、それに利用する林檎繊維食品の製造装置は、図4ないし図6に示すように、混合機1で果汁抽出過程で得られたままの生林檎搾汁粕Aに対し、水分6ないし8%に乾燥済みのアップルファイバー乾燥粕Bを1:1の重量割合で混合・攪拌すると共に加圧し、均質化させ、製造した直後の林檎繊維半乾燥粕Cを、直火熱風乾燥機2に投入し、加熱・強制乾燥して水分6ないし8%の全量アップルファイバー乾燥粕Dとした上、該全量アップルファイバー乾燥粕D中の一部量を前記生林檎搾汁粕Aと1:1の重量割合で混合・攪拌するアップルファイバー乾燥粕Bの一部または全部にする一方、これら全量アップルファイバー乾燥粕D中の他部量を林檎繊維食品Gに加工するようにしてあることから、1つの製造装置を可動することにより、次回以降生産に必要となるアップルファイバー乾燥粕Bを生産、準備することが可能となり、原料費の大幅削減を達成すると共に、原料の仕入れ、搬入作業工数を半減し、格段に効率的な生産を達成可能とするものとなる。
(結 び)
叙述の如く、この発明の林檎繊維食品の製造方法、および、それに利用する林檎繊維食品の製造装置は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、特に、製造工程を、既に開発済みのものを基に大巾に簡略化し得ていて、その栄養成分や風味を損ねることなく高い鮮度を維持したまま、焦げ付かせず、製造後の腐敗や黴の発生も確実に防止し得るものとした上、製造工程も簡略化できて従前の物に比すればかなりの割合で低廉化することも可能ならしめているため、従前にも増して生林檎搾汁粕の新たな加工食品への活用が確実になるという利点だけではなく、何よりも有用な成分を含む新たな健康食品としての提供が円滑なものになることから、深刻な除染問題へ大いに寄与し得ることになるという、経済的効果と同時に社会的貢献が一挙に図られることとなり、果樹園農家や果実加工業界、それに健康を指向する一般消費者等からは固よりのこと、何といっても、今次、放射線核種の体内蓄積に懸念を抱く多くの人々にとっては朗報になるものと考えられることから、高い評価がなされ、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
A 生林檎搾汁粕
B アップルファイバー乾燥粕
C 林檎繊維半乾燥粕
D 全量アップルファイバー乾燥粕
E アップルファイバー乾燥粒
F 機能性添加物
G 林檎繊維食品
1 混合機
10 同 駆動源
11 同 原料ホッパー
12 同 混合原料ホッパー
2 直火熱風乾燥機
20 同 乾燥用攪拌ドラム本体
21 同 バーナー
22 同 搬送管路
23 同 分配装置
24 同 分離型ホッパー
25 同 集塵機
26 同 搬送管路
3 粉砕機
30 同 粉砕翼
31 同 集塵機
32 同 粉末用ホッパー
33 同 計量用バルブ
34 同 食品容器
4 添加物供給機
40 同 添加物計量用バルブ
5 異物分離機
6 包装装置

Claims (11)

  1. 果汁抽出過程で得られたままの生林檎搾汁粕に対し、水分6ないし8%に乾燥済みのアップルファイバー乾燥粕を1:1の重量割合で混合・攪拌すると共に加圧し、該生林檎搾汁粕の水分をアップルファイバー乾燥粕に強制的且つ短時間の中に浸透・拡散し、均質化させて林檎繊維半乾燥粕を製造した後、120ないし200℃で水分6ないし8%になるまで加熱・強制乾燥するようにして林檎繊維食品に加工することを特徴とする林檎繊維食品の製造方法。
  2. 果汁抽出過程で得られたままの生林檎搾汁粕に対し、水分6ないし8%に乾燥済みのアップルファイバー乾燥粕を1:1の重量割合で混合機に投入して混合・攪拌してから加圧し、該生林檎搾汁粕の水分をアップルファイバー乾燥粕に強制的且つ短時間の中に浸透・拡散し、均質化させて林檎繊維半乾燥粕を製造した後、直火熱風乾燥機を用いて120ないし200℃で加熱・強制乾燥し、水分6ないし8%の全量アップルファイバー乾燥粕とし、該全量アップルファイバー乾燥粕を粉砕機にて粉末あるいは粒状のアップルファイバー乾燥粒に加工した上、包装装置にて一定量毎に包装した林檎繊維食品に加工することを特徴とすることを特徴とする林檎繊維食品の製造方法。
  3. 果汁抽出過程で得られたままの生林檎搾汁粕に対し、水分6ないし8%に乾燥済みのアップルファイバー乾燥粕を1:1の重量割合で混合機に投入して混合・攪拌してから加圧し、該生林檎搾汁粕の水分をアップルファイバー乾燥粕に強制的且つ短時間の中に浸透・拡散し、均質化させて林檎繊維半乾燥粕を製造した後、直火熱風乾燥機を用いて120ないし200℃で加熱・強制乾燥し、水分6ないし8%の全量アップルファイバー乾燥粕とし、該全量アップルファイバー乾燥粕を粉砕機にて粉末あるいは粒状のアップルファイバー乾燥粒とし、異物分離機で混入異物を除去した上、包装装置にて一定量毎に包装した林檎繊維食品に加工するようにしてなることを特徴とする林檎繊維食品の製造方法。
  4. 果汁抽出過程で得られたままの生林檎搾汁粕に対し、水分6ないし8%に乾燥済みのアップルファイバー乾燥粕を1:1の重量割合で混合機に投入して混合・攪拌してから加圧し、該生林檎搾汁粕の水分をアップルファイバー乾燥粕に強制的且つ短時間の中に浸透・拡散し、均質化させて林檎繊維半乾燥粕を製造した後、直火熱風乾燥機を用いて120ないし200℃で加熱・強制乾燥し、水分6ないし8%の全量アップルファイバー乾燥粕とし、該全量アップルファイバー乾燥粕を粉砕機にて粉末あるいは粒状のアップルファイバー乾燥粒とし、該アップルファイバー乾燥粒に添加物供給機で適量の機能性添加物を添加し、異物分離機で混入異物を除去した上、包装装置にて一定量毎に包装した林檎繊維食品に加工するようにしてなることを特徴とする林檎繊維食品の製造方法。
  5. 果汁抽出過程で得られたままの生林檎搾汁粕に対し、水分6ないし8%に乾燥済みのアップルファイバー乾燥粕を1:1の重量割合で混合・攪拌すると共に加圧し、該生林檎搾汁粕の水分をアップルファイバー乾燥粕に強制的且つ短時間の中に浸透・拡散し、均質化させて林檎繊維半乾燥粕を製造した後、120ないし200℃で加熱・強制乾燥し、水分6ないし8%の全量アップルファイバー乾燥粕とし、該全量アップルファイバー乾燥粕中の一部量を前記生林檎搾汁粕と1:1の重量割合で混合・攪拌するアップルファイバー乾燥粕の一部または全部にする一方、該全量アップルファイバー乾燥粕中の他部量を林檎繊維食品に加工するようにすることを特徴とすることを特徴とする林檎繊維食品の製造方法。
  6. 果汁抽出過程で得られたままの生林檎搾汁粕に対し、水分6ないし8%に乾燥済みのアップルファイバー乾燥粕を1:1の重量割合で混合機に投入して混合・攪拌してから加圧し、該生林檎搾汁粕の水分をアップルファイバー乾燥粕に強制的且つ短時間の中に浸透・拡散し、均質化させて林檎繊維半乾燥粕を製造した後、直火熱風乾燥機を用いて120ないし200℃で加熱・強制乾燥し、水分6ないし8%の全量アップルファイバー乾燥粕とし、該全量アップルファイバー乾燥粕中の一部量を前記混合機への再投入に当て、生林檎搾汁粕と1:1の重量割合で混合・攪拌するアップルファイバー乾燥粕の一部または全部にする一方、該全量アップルファイバー乾燥粕中の他部量を粉砕機にて粉末あるいは粒状のアップルファイバー乾燥粒に加工した上、包装装置にて一定量毎に包装した林檎繊維食品に加工することを特徴とすることを特徴とする林檎繊維食品の製造方法。
  7. 生林檎搾汁粕およびアップルファイバー乾燥粕を1:1の重量割合で投入可能とする各原料ホッパーと、各原料ホッパーが供給する生林檎搾汁粕およびアップルファイバー乾燥粕を混合・攪拌すると共に加圧し、該生林檎搾汁粕の水分をアップルファイバー乾燥粕に強制的且つ短時間の中に浸透・拡散し、均質化した林檎繊維半乾燥粕を製造可能な混合機と、混合機からの林檎繊維半乾燥粕を120ないし200℃で水分6ないし8%になるまで加熱・強制乾燥可能な直火熱風乾燥機とを有してなるものとしたことを特徴とする、請求項1ないし6何れか一記載の林檎繊維食品の製造方法のための製造装置。
  8. 生林檎搾汁粕およびアップルファイバー乾燥粕を1:1の重量割合で投入可能とする各原料ホッパー、各原料ホッパーが供給する生林檎搾汁粕およびアップルファイバー乾燥粕を混合・攪拌すると共に加圧し、該生林檎搾汁粕の水分をアップルファイバー乾燥粕に強制的且つ短時間の中に浸透・拡散し、均質化した林檎繊維半乾燥粕を製造可能な混合機、該混合機からの林檎繊維半乾燥粕を120ないし200℃で水分6ないし8%になるまで加熱・強制乾燥可能な直火熱風乾燥機、該直火熱風乾燥機で水分6ないし8%に乾燥した全量アップルファイバー乾燥粕を粉末あるいは粒状のアップルファイバー乾燥粒に粉砕可能な粉砕機、および、該粉砕機からのアップルファイバー乾燥粒を一定量毎に包装可能な包装装置を有してなるものとしたことを特徴とする、請求項1ないし6何れか一記載の林檎繊維食品の製造方法のための製造装置。
  9. 生林檎搾汁粕およびアップルファイバー乾燥粕を1:1の重量割合で投入可能とする各原料ホッパー、各原料ホッパーが供給する生林檎搾汁粕およびアップルファイバー乾燥粕を混合・攪拌すると共に加圧し、該生林檎搾汁粕の水分をアップルファイバー乾燥粕に強制的且つ短時間の中に浸透・拡散し、均質化した林檎繊維半乾燥粕を製造可能な混合機、該混合機からの林檎繊維半乾燥粕を120ないし200℃で水分6ないし8%になるまで加熱・強制乾燥可能な直火熱風乾燥機、該直火熱風乾燥機で水分6ないし8%に乾燥した全量アップルファイバー乾燥粕を粉末あるいは粒状のアップルファイバー乾燥粒に粉砕可能な粉砕機、該粉砕機からのアップルファイバー乾燥粒内に混入する混入異物を除去可能な異物分離機、および、一定量毎に包装可能な包装装置を有してなるものとしたことを特徴とする、請求項1ないし6何れか一記載の林檎繊維食品の製造方法のための製造装置。
  10. 生林檎搾汁粕およびアップルファイバー乾燥粕を1:1の重量割合で投入可能とする各原料ホッパー、各原料ホッパーが供給する生林檎搾汁粕およびアップルファイバー乾燥粕を混合・攪拌すると共に加圧し、該生林檎搾汁粕の水分をアップルファイバー乾燥粕に強制的且つ短時間の中に浸透・拡散し、均質化した林檎繊維半乾燥粕を製造可能な混合機、該混合機からの林檎繊維半乾燥粕を120ないし200℃で水分6ないし8%になるまで加熱・強制乾燥可能な直火熱風乾燥機、該直火熱風乾燥機で水分6ないし8%に乾燥した全量アップルファイバー乾燥粕を粉末あるいは粒状のアップルファイバー乾燥粒に粉砕可能な粉砕機、該粉砕機からのアップルファイバー乾燥粒に適量の機能性添加物を添加可能な添加物供給機、該粉砕機と添加物供給機とからの機能性添加物入りアップルファイバー乾燥粒内に混入する混入異物を除去可能な異物分離機、および、一定量毎に包装可能な包装装置を有してなるものとしたことを特徴とする、請求項1ないし6何れか一記載の林檎繊維食品の製造方法のための製造装置。
  11. 直火熱風乾燥機で得たで水分6ないし8%の全量アップルファイバー乾燥粕中の一部量を混合機への再投入に当てる一方、同全量アップルファイバー乾燥粕中の他部量を粉砕機に供給可能とするよう、分離・供給可能とする分配装置を有するものとした、請求項1ないし6何れか一記載の林檎繊維食品の製造方法のための、請求項7ないし10何れか一記載の製造装置。
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