JP5893772B1 - 乳酸菌及び発酵物の製造方法 - Google Patents

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【課題】 高酸性及び高温環境下でも増殖性に優れた乳酸菌を提供するとともに、この乳酸菌を利用する発酵物の製造方法及び発酵物を提供する。【解決手段】本発明の乳酸菌は、ハナビラタケ子実体表面に生育し、ラクトバチルス パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)に属する乳酸菌であって、60℃の環境で少なくとも30分間生存可能であり、且つpH2.5の環境で少なくとも3時間生存可能である。具体的には、ラクトバチルス パラカゼイNITE P-01960が挙げられる。本発明の発酵物の製造方法は被発酵物に接種して発酵させる方法であり、この発明の発酵物はこの発明の製造方法により製造されたものである。なお、被発酵物としては、β-グルカンを含むものが挙げられ、より具体的にはキノコ子実体、キノコ廃菌床が挙げられる。【選択図】図1

Description

本発明は、乳酸菌及び発酵物の製造方法関する。
キノコは、食物繊維を豊富に含む生鮮食品として昔から食されてきた。近年、免疫活性、血糖値上昇抑制、高血圧抑制作用等を示し医薬品にも利用されているβ-グルカンを豊富に含有していることから、健康食品として利用されることも多くなってきている。
健康食品としてキノコを利用する際は、キノコ子実体又はキノコ菌糸体自体を乾燥処理や抽出処理し、顆粒状、錠剤状及び液状とすることが多い。ただ、これらは付加価値が少なく、キノコ独特の香味を有するため使用が困難である。
一方、キノコを生産する際に生じるキノコ廃菌床は、食物繊維やβ-グルカンを含んではいるものの、果樹や野菜などの肥料として使用する以外に特に用途もなく、各種に特有の香味も有しているため、その多くは有効に利用されていない。
さて、キノコ子実体及びキノコ廃菌床は、キノコの種類や栽培方法等によりpHが大きく異なる。キノコ子実体及びキノコ廃菌床のpHは一般的には弱酸性であるものの、酸性に近いpH3〜4のものも多い。
これに対して、乳酸菌はpH6付近を好むため、あまり酸性が高いと良好に増殖できない。そのため、安定した乳酸発酵を行うためには、発酵原料のpH調整が必要であった(特許文献1を参照。)。
また、乳酸発酵は、乳酸菌数の増加に伴い原料のpHが3付近まで下がる。ただ、その条件下では、乳酸菌の生息は困難であり死滅してしまう。そのため、生きた乳酸菌を多く確保するには、発酵度の調整が必要であった。なお、生きた乳酸菌を体内および腸まで届けるためには、胃酸から発酵品を守るため、カプセル等で加工することが望ましいとされている。
さらに、日本酒製造における火入れのように、乳酸菌は普通40℃以上の高温下では死滅する。そのため、固形培地を使用する場合には、殺菌後に固形培地の温度が約40℃以下まで冷却させてからでないと乳酸菌を接種できず、時間の無駄があった(非特許文献1を参照。)。
特許第4471355号公報
"日本酒"、 [online]、Wikipedia、 [平成26年12月11日検索]、 インターネット<URL: http://ja.wikipedia.org/wiki/日本酒>
高酸性及び高温環境下でも増殖性に優れた乳酸菌を提供することを課題とする。また、この乳酸菌を利用する発酵物の製造方法及び発酵物を提供することを課題とする。
発明者らは、鋭意研究の結果、キノコ子実体およびキノコ廃菌床の発酵処理に対して、耐熱性・耐酸性・増殖性と良好な香味を示す乳酸菌を見出した。また、この乳酸菌を使用する発酵物の製造方法及び当該製造方法によって製造された発酵物について完成した。
すなわち、本発明の乳酸菌は、ハナビラタケ子実体表面に生育し、ラクトバチルス パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)に属する乳酸菌であって、60℃の環境で少なくとも30分間生存可能であり、且つpH2.5の環境で少なくとも3時間生存可能である。具体的には、ラクトバチルス パラカゼイNITE P-01960が挙げられる
本発明の発酵物の製造方法は被発酵物に接種して発酵させる方法であり、この発明の発酵物はこの発明の製造方法により製造されたものである。なお、被発酵物としては、β-グルカンを含むものが挙げられ、中でも食品素材、食品廃棄物、農林水産廃棄物などが好ましく、キノコ子実体、キノコ廃菌床がより好ましい。
本発明の乳酸菌で発酵することによって、β-グルカン量を減少させることなく、アミノ酸量が増加して香味が良く、機能性に優れた高濃度乳酸菌発酵物が得られる。例えば、
キノコ子実体発酵物は、健康食品としての利用のみならず、調味素材(出汁や調味料)としても利用可能な食品に生まれ変わることができる。また、キノコ廃菌床発酵物は、肥料としての利用のみならず、機能性と香味を兼ね備えた家畜飼料として生まれ変わることができる。
図1は、ハナビラタケ廃菌床発酵物の飼料への混合が、マウスの体重・血糖値・中性脂肪に与える影響を示すグラフである。
本発明は、乳酸菌及び乳酸菌による発酵物の製造方法ある。そこで、以下にこれらについて説明する。
1.乳酸菌
本発明の乳酸菌は、ハナビラタケ子実体表面に生育し、ラクトバチルス パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)に属する乳酸菌であって、60℃の環境で少なくとも30分間生存可能であり、且つpH2.5の環境で少なくとも3時間生存可能なものである。具体的には、ラクトバチルス パラカゼイNITE P-01960が挙げられる。
2.発酵物の製造方法
(1)被発酵物
本発明の乳酸菌によって発酵される対象(被発酵物)は、発酵可能なものであれば特に限定されないが、β-グルカンを含むものが挙げられ、より具体的には食品、食品廃棄物、農林水産廃棄物などが挙げられる。
食料としては、例えば、キノコ類子実体、大麦類の穀物等が挙げられる。また、食品廃棄物としては、例えば、酒粕、ビール粕、焼酎粕等が挙げられる。さらに、農林水産廃棄物としては、例えば、キノコ廃菌床等が挙げられる。
(2)発酵方法
被発酵物の発酵は、固形培地を培養する際に使用する公知の方法であれば特に限定することなく使用できる。
(3)その他
本発明の発酵物は、飼料として使用できるのはもちろん、肥料、健康食品、医薬品、化粧品としても利用可能である。また、本発明の発酵物は単独で使用してもよいが、用途に応じて他の公知の成分と公知の方法で組み合わせて使用してもよい。
例えば、飼料として使用する際には、他の栄養分、例えば、カルシウムやビタミンBなどと混合して使用してもよい。肥料として使用する場合には、例えば、カリや窒素などの成分と混合してもよい。健康食品や医薬品として使用する際には、DHAやヒアルロン酸などと混合したうえ、錠剤、顆粒、カプセル等に加工してもよい。
以下、この発明について実施例に基づいてより詳細に説明する。なお、この発明の特許請求の範囲は、以下の実施例によって如何なる意味においても制限されない。
1.乳酸菌の分離
ハナビラタケは、キノコ類の中でもβ-グルカンの含有量が多く、乾燥重量100g中に30〜50g含んでいる。そこで、発明者らは、ハナビラタケ子実体に生息している乳酸菌に着目して、この乳酸菌を分離した。
(1)ハナビラタケの栽培と採取
唐松、フスマ等からなる固体培地を使用してハナビラタケを栽培し、ハナビラタケ子実体を発生させた。ハナビラタケ子実体はそのpHがpH5付近で収穫するのが一般的ではあるが、耐酸性の乳酸菌を得るため、老化が進みpH3付近になるまで放置したのち、子実体の一部を採取した。
(2)乳酸菌の単離
採取したハナビラタケ子実体を、滅菌済みメスを使用して5mm角以下にまるまで細かく刻み、滅菌済み生理食塩水で10倍及び100倍の希釈液を調製した。各希釈液から1mlをシャーレに滴下し、分離用培地により混釈したのち、30℃、48時間培養した。培養後、分離用培地に形成された乳酸菌コロニーを採取した。なお、分離用培地は、BCP加プレートカウント寒天培地又はMRS寒天培地を使用した。
ここで、BCP加プレートカウント寒天培地は、酵母エキス 2.5g/L、ペプトン 5.0g/L、ブドウ糖 1.0g/L、ポリソルベート80 1.0g/L、L-システイン 0.1g/L、ブロムクレゾールパープル 0.06g/L、寒天15g/Lを含む培地である。また、MRS寒天培地は、カゼインペプトン 10.0g/L、肉エキス 10.0g/L、酵母エキス 4.0g/L、ブドウ糖 20.0g/L、クエン酸三アンモニウム2.0g/L、酢酸ナトリウム5.0g/L、硫酸マグネシウム7水和物0.2g/L、硫酸マンガン4水和物0.05g/L、リン酸水素二カリウム2.0g/L、Tween80 1.08g/L、寒天12.0g/Lを含む培地である。
(3)菌株の選抜
単離した乳酸菌から、ラクトバチルス パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)及びラクトコッカス ラクティス(Lactococcus lactis)に属する複数の菌株を得た。得られた菌の増殖試験をして、ラクトバチルス パラカゼイ(Lactobacillus paracasei)の中から、増殖率の高い4菌株を選抜した。選抜した菌株を菌株1〜菌株4と名付けた。なお、菌株1については、Lactobacillus paracaseiであり、寄託番号NITE P-01960(以下、本菌株と略記することもある。)として、独立行政法人製品評価技術基盤機構 特許生物寄託センターに国内寄託した。
(4)本菌株の性質
本菌株について、菌学的性質、炭水化物の分解性、16S rDNA塩基配列の比較の性質を調べた。その結果、本菌株がラクトバチルス パラカゼイに属する新菌株であることが確認できた。以下にその詳細を記載する。
1)菌学的性質
MRS寒天培地を使用して30℃、48時間培養したのち、定法に従って本菌株(Lactobacillus paracasei NITE P-01960)の菌学的性質を調べた。なお、比較のため、ラクトバチルス パラカゼイNBRC15889株(以下、基準株と略記することもある。)についても同様に調べた。その結果を表1に示す。
Figure 0005893772
表1に示すように、本菌株と基準株は、菌学的性質がほぼ同一であったが、コロニー形成の直径及び隆起形状で違いがあった。
2)炭水化物の分解性
本菌株の各種炭水化物の分解性を、細菌検査同定用キットApi 50 CHL(bio Merieux社製)を使用して評価し、基準株と比較した。その結果を表2および表3に示す。
Figure 0005893772
Figure 0005893772
表2及び3に示すように、本菌株と基準株とは、ラムノース、ソルビトール、α−メチル−D−グルコシド、イヌリンの資化性に相違が認められた(表中、「*」で示した)。
3)16S rDNA塩基配列の比較
本菌株の16S rDNAの塩基配列(部分配列)を公知の方法で決定した。決定した塩基配列のうち、5'末端(1番目)から553番目までの塩基配列を配列番号1に示す。この決定した塩基配列について、アポロンDB-BA9.0(テクノスルガラボ)、及び国際塩基配列データベース(GenBank/DDBJ/EMBL)において相同性検索及び簡易分子系統解析をした。その結果、本菌株の配列番号1に示す塩基配列は、基準株の塩基配列と100%の相同性を示した。
以上のように、本菌株は、基準株と比較して、菌学的性質及び炭水化物の分解性に一部相違点があり、16S rDNAの前記塩基配列が高い相同性を有していた。そのため、本菌株は、ラクトバチルス パラカゼイに属する新規の乳酸菌株であることが分かった。
2.乳酸菌の性能評価
菌株1〜菌株4の耐熱性及び耐酸性について評価した。具体的には以下の手順により評価した。
(1)耐熱性の評価
菌株1〜菌株4をMRS液体培地で30℃、48時間前培養した。前培養液1mlを温度60℃又は65℃に調整した滅菌済み生理食塩水9mlに添加し、各温度を保持した状態で30分間放置した。
高温下に放置した乳酸菌培養液を滅菌済み生理食塩水で希釈して、希釈液1mlをシャーレに滴下し、BCP加プレートカウント寒天培地で混釈した。BCP加プレートカウント寒天培地を30℃、48時間培養して、形成された乳酸菌コロニーを確認して、乳酸菌の生存を確認した。その結果を表4に示す。
Figure 0005893772
表4に示すように、菌株1〜4は60℃及び65℃で30分間放置されても生存可能であり、菌株1と菌株3については65℃でも高い生存可能性があることが分かった。
(2)耐酸性の評価
菌株1〜菌株4をMRS液体培地で30℃、48時間前培養した。前培養液1mlを殺菌済みのpH調整液(pH3.0、pH2.5、pH2.2、pH2.0)9mlに添加して3時間放置した。
高酸性下に放置した乳酸菌培養液を滅菌済み生理食塩水で希釈して、希釈液1mlをシャーレに滴下し、BCP加プレートカウント寒天培地で混釈した。BCP加プレートカウント寒天培地を30℃、48時間培養したのち、形成された乳酸菌コロニーを確認して、乳酸菌の生存確認をした。その結果を表5に示す。
Figure 0005893772
表5に示すように、菌株1〜4はpH3.0、pH2.5、pH2.2の環境下で3時間放置されても生存可能であり、菌株1についてはpH2.2でも高い生存可能性があることが分かった。
(3)増殖性の評価
菌株1〜菌株4をMRS液体培地で30℃、48時間前培養した。滅菌済み生理食塩水で希釈したのち、希釈液1mlをシャーレに滴下して、BCP加プレートカウント寒天培地で混釈した。BCP加プレートカウント寒天培地を30℃、48時間培養したのち、形成された乳酸菌コロニーの数を確認して、乳酸菌の増殖確認をした。その結果を表6に示す。
Figure 0005893772
表6に示すように、熱及び酸のストレスがない状態では、菌株1、菌株3、菌株4、菌株2の順で増殖性が優れていることが分かった。
以上のように、(1)耐熱性の評価、(2)耐酸性の評価、及び(3)増殖性の評価結果から、いずれの性質においても菌株1が優れた菌株であることが分かった。
3.キノコ子実体発酵食品の製造及びその性能評価
ハナビラタケは、キノコの中でもβ-グルカン含有量が多く、免疫活性、血圧上昇抑制、血糖値上昇抑制等の報告もある機能性に優れたキノコである。そこで、ハナビラタケ子実体を使用してキノコ子実体発酵食品を製造し、発酵食品の性質を調べた。
(1)キノコ子実体発酵食品の製造とその発酵
ハナビラタケ子実体を乾燥、粉砕し、グルコース(培地重量の0.5〜1.0%)と水を加えて固形培地を製造し、滅菌した。菌株1を液体培地で前培養して、固形培地に接種し、30℃、2日間発酵した。
(2)増殖性の評価
菌株1の増殖性は、固形培地中で生存している菌数の時間による増減によって調べた。具体的には、固形培地中で生存している菌数を、培養開始から1日目と2日目とで比較した。
なお、菌株1の増殖確認は次のようにして行った。まず、培養後の固体培地を滅菌済み生理食塩水で希釈して、希釈液1mlをシャーレに滴下し、BCP加プレートカウント寒天培地で混釈した。つぎに、シャーレを30℃、48時間培養して、寒天培地に形成された乳酸菌コロニーの数を確認した。その結果を表7に示す。
Figure 0005893772
表7に示すように、菌株1が1日で10億個/g以上増殖したことから、ハナビラタケ子実体は菌株1の増殖に有効であることが分かった。
(3)アミノ酸組成の評価
2日間培養した固形培地を40〜60℃で乾燥させ、β-グルカン量(和光純薬工業製のグルコースCIIテストワコーによる酵素法)及びアミノ酸量(アミノ酸自動分析法及び高速液体クロマトグラフ法による)を測定した。その結果を表8に示す。
Figure 0005893772
表8に示すように、発酵後のハナビラタケ子実体発酵物中のβ-グルカン及びアミノ酸が発酵前に比べて増加していることが分かった。すなわち、発酵により有効成分であるβ−グルカンが増加しているので、菌株1による発酵はハナビラタケ子実体の機能性を向上させることが分かった。また、旨味成分であるグルタミン酸やアスパラギン酸が増加していることから、ハナビラタケ子実体発酵物は健康食品にとどまらず、調味素材としても利用可能であることが分かった。
(4)香味の評価
ハナビラタケ子実体乾燥物(発酵前)とハナビラタケ子実体発酵物(発酵後)の香味を官能評価した。その結果を表9に示す。表9に示すように、発酵によって、癖が少なく、官能上好ましい状態になった。
Figure 0005893772
4. キノコ廃菌床発酵飼料の製造とその性能評価
キノコ廃菌床をより有効利用するため、菌株1でキノコ廃菌床を発酵させ、キノコ廃菌床発酵飼料として利用できるか否かを調べた。
(1)キノコ廃菌床発酵飼料の製造とその発酵
ハナビラタケ廃菌床にグルコース(培地重量の0.5〜1.0%)と、フスマ(培地重量の10〜30%)とを加えてpH5〜6に調整して、水を加えて固形培地を製造したのち、滅菌した。菌株1を液体培地で前培養して、固形培地に接種し、30℃、48時間発酵した。
(2)増殖性の評価
培養後の固体培地を滅菌済み生理食塩水で希釈して、希釈液1mlをシャーレに滴下し、BCP加プレートカウント寒天培地で混釈した。つぎに、シャーレを30℃、48時間培養して、寒天培地に形成された乳酸菌コロニーの数を確認した。その結果を表10に示す。
Figure 0005893772
表10に示すように、菌株1は、ハナビラタケ廃菌床中1g中に1億個以上、フスマを添加することで10億個以上増殖した。そのため、ハナビラタケ廃菌床は、菌株1の増殖に有効であることが分かった。
(3)機能性の評価
ハナビラタケ廃菌床発酵飼料の機能性、具体的には、ハナビラタケ廃菌床発酵飼料の摂取が体重(W)、血糖値(BS、三和化学研究所製のグルテストセンサーにより測定)、中性脂肪(NF、和光純薬工業製のE-テストワコーにより測定)に与える影響を調べた。まず、(1)で製造したハナビラタケ廃菌床発酵飼料をマウスの標準飼料(CE-2、日本クレア(株)製)に、3%、5%および10%混合した固形飼料を製造した。
マウス(6週齢、オス)を1週間順化させたのち、温度24℃、湿度55%の環境下で、固形飼料のみを餌として与え、10週間飼育した。飼育開始から10週間後に体重(W)、血糖値(BS)、中性脂肪(NF)を測定した。その結果を図1に示す。なお、図1中の測定値は、各群7匹のマウスの平均値である。
図1に示すように、標準飼料のみに比べて、ハナビラタケ廃菌床発酵飼料を加えた飼料のほうが、血糖値及び中性脂肪が減少した。また、3%の混合で十分な効果が確認できた。ハナビラタケ発酵廃菌床による血糖値および中性脂肪の抑制への効果が明らかになった。

Claims (7)

  1. ラクトバチルス パラカゼイNITE P-01960
  2. 請求項に記載の乳酸菌を、被発酵物に接種して発酵させる発酵物の製造方法。
  3. 被発酵物が、β-グルカンを含む請求項に記載の発酵物の製造方法。
  4. 被発酵物が、食品素材である請求項に記載の発酵物の製造方法。
  5. 食品素材が、キノコ子実体である請求項に記載の発酵物の製造方法。
  6. 被発酵物が、食品廃棄物又は農林水産廃棄物である請求項に記載の発酵物の製造方法。
  7. 被発酵物が、キノコ廃菌床である請求項に記載の発酵物の製造方法
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