JP5893593B2 - 外装材の色数値検査方法 - Google Patents
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Description
カラーカードとしては、静物や人物をカメラで撮影する際に、露出や色調整をするために用いられる18%グレーカードや、立方体面に18%グレーや絶対黒、純白を組み合わせ、そのうちの2色を基準点で補正するようなキューブ状のものがある。
この発明の他の目的は、色の数値化を正しく行えて、精度の良い劣化判定が行えるようにすることである。
検査対象となる外装材の検査箇所に前記評価窓が位置するように、かつ前記Lが45〜55の部分が周囲の環境の明るい側に位置するように前記外装材に前記補正ツールを重ねる重ね過程(S2)と、
この補正ツールを重ねた状態で前記評価窓内の前記外装材の表面と共に前記補正ツールの表面をデジタル撮影手段で撮影する撮影過程(S3)と、
この撮影されたデジタルデータの画像の色から、前記外装材の前記評価窓内の部分の色の数値を算出する色数値算出過程(S4)と、
を含む。
前記外装材は、建てられた状態の外壁であり、前記重ね過程および撮影過程では、前記補正ツールの前記Lが45〜55の部分を上側に、Lが98〜105の部分を下側に位置させる。前記Lが45〜55の部分およびLが98〜105の部は、無彩色では、それぞれグレーおよび白となる部分である。
また、前記補正ツールの評価窓の周囲はLが45〜55の部分とするため、撮影自体も適切に行える。すなわち、デジタル撮影手段、いわゆるデジタルカメラには、一般時に撮影画面を18%グレーに平均化して撮影する特性があるため、18%グレーが大部分を占める色既知面を一緒に撮影すると、写り込んだ周辺の色は自然に近い色で撮影されたことになる。このように、撮影時により自然に近い色で撮影されるため、色の数値がより精度良く求まる。
前記外装材は建てられた状態の外壁であるが、補正ツールの前記Lが45〜55の部分を上側に位置させる。
外壁面は、上部は日照の影響を強く受け、明るく見える。一方、下部は地面からの反射の影響を受けて、上部よりも暗く見える。この影響をそれぞれ相殺する方向となるように、つまり補正ツールは上部にLが45〜55の部分、下部にLが98〜105の部分を配置することで、光の影響を平準化できる。
なお、この発明とは異なる参考例につき説明すると、建てられた状態の外壁に限らず、室内で生産段階の外装材を検査する場合であっても、撮影する照明の環境が方向性や偏りを生じている場合が多くあり、そのような場合、Lが45〜55の部分が周囲の環境の明るい側に位置するように前記外装材に補正ツールを重ねることで、光の影響を平準化できる。
このように、日照等の撮影環境が異なっていても、色の数値化を正しく行うことができる。
例えば、予め用意された初期のLabと、実建物においてデジタル撮影手段(2)で撮影した画像から求めたLabから、明度、彩度差、色差を求める。このように明度、彩度差、色差等の色の数値の差を知ることで、これを、予め用意された劣化の予測線図等と照らし合わせることで、外装材の劣化の度合い、さらに余寿命、メンテナンスの時期の適切な提示が可能となる。
撮影枠を設けて白の部分の割合が適切な範囲となるように撮影することで、色の数値化を正しく行えて、精度の良い劣化判定が行える。白の部分の適切な割合は、試験により15〜25%の範囲であることが判明した。
検査対象となる外装材の検査箇所に前記評価窓が位置するように、かつ前記Lが45〜55の部分が周囲の環境の明るい側に位置するように前記外装材に前記補正ツールを重ねる重ね過程と、この補正ツールを重ねた状態で前記評価窓内の前記外装材の表面と共に前記補正ツールの表面をデジタル撮影手段で撮影する撮影過程と、この撮影されたデジタルデータの画像の色から、前記外装材の前記評価窓内の部分の色の数値を算出する色数値算出過程と、を含み、前記重ね過程および撮影過程では、前記補正ツールの前記Lが45〜55の部分を上側に、Lが98〜105の部分を下側に位置させるため、専用の測定機器を用いることなく、凹凸のある外装材でも、また日照等の撮影環境が異なっていても、色の数値化を正しく行うことができる。
情報処理手段5は、パーソナルコンピュータや、いわゆるスマートフォン等の多機能携帯電話端末、PDAやタブレット型の携帯情報処理端末等である。
18%グレーは、Lab表示において、L=50、a=0、b=0であるが、これに限定されることなく、例えば、L=50、a=50、b=50のようなレッド系のもの、L=50、a=0、b=20のようなブルー系のもの、L=50、a=30、b=0のようなグリーン系のものなど、グレースケールにおける中間色とすれば良い。
また、前記補正ツール1の評価窓3の周囲はグレーとするため、撮影自体も適切に行える。すなわち、デジタル撮影手段2、いわゆるデジタルカメラには、一般時に撮影画面を18%グレーに平均化して撮影する特性があるため、18%グレーが大部分を占める色既知面を一緒に撮影すると、写り込んだ周辺の色は自然に近い色で撮影されたことになる。このように、撮影時により自然に近い色で撮影されるため、色の数値がより精度良く求まる。
外装材2が建てられた状態の外壁である場合、補正ツール1の前記グレーの部分1aを上側に位置させる。
外壁面は、上部は日照の影響を強く受け、明るく見える。一方、下部は地面からの反射の影響を受けて上部よりも暗く見える。この影響をそれぞれ相殺する方向となるように、つまり補正ツール1は上部にグレーの部分1a、下部に白の部分1bを配置することで、光の影響を平準化できる。
。このように、日照等の撮影環境が異なっていても、色の数値化を正しく行うことができる。
なお、この図からは、白の部分1bが0%のL値については、カメラによる差異が少ないことから、この発明とは異なるが、撮影時に図1において補正ツール1を全面グレー(白色0%)としたものを用い、図3に示すような近似直線式をカメラ毎に用意して、白色の配分15%程度などの場合の(正しい)色を設定して補正する方法も考えられる。
・外壁の外装材4の余寿命を知ることが可能となる。
・参考例として示すと、屋根材からなる外装材4の余寿命診断も同じ原理を用いて利用できる。
・多色を含む外壁等の外装材4の色を数値化できる。
・汎用のデジタルカメラを用い、安価に余寿命診断が行える。
・時間を掛けない従来方法に近い方法で診断できる。
・診断の機器類を減らすことができる。
・余寿命としてユーザーに提示することで、危険度、緊急度をわかり易くユーザーに説明することが可能になる。
・外壁の外装材のメンテナンス時期の適切な提示が可能になる。
・メンテナンス工事受注のための営業ツールとしての利用が可能になる。
・パソコンなどの機器と連動させることで、点検直後にその場で診断結果を提示することが可能になる。
・劣化の診断の他、新築時の現場や生産段階でも前記と同じ方法を用いて品質管理が可能になる。
図4において、情報処理手段5は、パーソナルコンピュータまたはスマートフォン、タブレット端末等の形態端末である。情報処理手段5は、CPU(中央処理装置)15、記憶手段16、および入出力ポート17を有している。記憶手段16に色数値検査プログラム19が記憶され、この情報処理装置5により実行可能な状態にインストールされている。記憶手段16は、ハードディスクやSSD等の大容量記憶装置とメモリ等とを纏めて一つで示している。記憶手段16にはOS(オぺレーションプログラム)(図示せず)が記憶され、また画像データ等のデータを記憶するデータ記憶領域16aが設けられている。前記色数値検査プログラム19は、前記OS上で実行されるアプリケーションプログラムである。
2…デジタル撮影手段
3…評価窓
4…外装材
5…情報処理手段
6…撮影枠
Claims (3)
- 建てられた状態の外壁の外装材の色数値検査方法であって、
面材状に形成されて表面が、Lab表示におけるLが既知でそれぞれLが45〜55の部分とLが98〜105の部分との2つの部分に上下に色分けされ、前記Lが45〜55の部分で囲まれる箇所に評価窓を有する補正ツールを準備する準備過程と、
検査対象となる外装材の検査箇所に前記評価窓が位置するように、かつ前記Lが45〜55の部分が周囲の環境の明るい側に位置するように前記外装材に前記補正ツールを重ねる重ね過程と、
この補正ツールを重ねた状態で前記評価窓内の前記外装材の表面と共に前記補正ツールの表面をデジタル撮影手段で撮影する撮影過程と、
この撮影されたデジタルデータの画像の色から、前記外装材の前記評価窓内の部分の色の数値を算出する色数値算出過程と、
を含み、
前記重ね過程および撮影過程では、前記補正ツールの前記Lが45〜55の部分を上側に、Lが98〜105の部分を下側に位置させる外装材の色数値検査方法。 - 請求項1に記載の外装材の色数値検査方法において、前記色数値算出過程で算出された前記外装材の色の数値から前記外装材の劣化の判定を行う劣化判定過程を含む外装材の色数値検査方法。
- 請求項1または請求項2に記載の外装材の色数値検査方法において、前記補正ツールは、上部をLが50のグレー、下部をLが100の白とし、前記補正ツールの表面に撮影範囲を示す撮影枠を設け、この撮影枠内における、前記白の部分の割合を前記補正ツールの表面の全体に対する15〜25%とした外装材の色数値検査方法。
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