JP5893511B2 - アルカリ水電解用隔膜 - Google Patents

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Description

本発明は、アルカリ水電解用隔膜に関する。
従来、石油を中心としたエネルギー構図が構築されているが、石油は限りある資源であることに加えて産出可能な地域が限定されているため、今後のエネルギー事情を考慮すると、安定したエネルギーの供給方法が必要である。このようなエネルギー事情を反映し、水素は石油に代わる新しいエネルギー源として注目されている。水素の工業的製造方法として、高分子電解質を用いた水電解法が挙げられるが、これは白金のような高価な貴金属を触媒として使用するため、コストが高くなる問題がある。一方、アルカリ水電解法は、高価な貴金属触媒を使用することなく、アルカリ水を電気分解することで、安価に安定して水素を得られる方法として期待されている。
アルカリ水電解法に用いられる隔膜として、親水性無機材料を含有するイオン透過性隔膜が提案されている(特許文献1)。このイオン透過性隔膜は、水への濡れ性を示し、多孔質であるためイオン透過性を有するが、電解環境下において、アルカリ水への濡れ性が不十分であるという問題があり、特に電解時に電極で生成したガスが隔膜表面に付着することによる電圧上昇が問題となる。また、特許文献1のイオン透過性膜は厚みが厚く、イオン透過性が不十分であるという問題もある。
特開2008−144262号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、一般的にアルカリ水電解用隔膜に要求される特性(すなわち、(1)隔膜を通じてガスの通過がないこと、(2)イオンの透過性があること、(3)電極間での短絡防止性があること、ならびに(4)アルカリ水に対して機械的強度および化学的強度が備わっていること)に優れ、かつ、電解時に電極で生成したガスが隔膜表面に付着することによる電圧上昇を抑制し得るアルカリ水電解用隔膜を提供することにある。
本発明のアルカリ水電解用隔膜は、イオン透過膜と、該イオン透過膜の片側または両側に配置された多孔性補強体とを備え、該イオン透過膜が、中酸性イオン交換基、弱酸性イオン交換基、強塩基性イオン交換基、中塩基性イオン交換基または弱塩基性イオン交換基を有するポリマーから構成され、該多孔性補強体が、濃度30重量%の水酸化カリウム水溶液に対して、濡れ性を示す。
好ましい実施形態においては、上記多孔性補強体が、上記イオン透過膜の両側に配置されている。
好ましい実施形態においては、上記多孔性補強体が、親水性官能基を有するポリマーから構成されている。
好ましい実施形態においては、上記親水性官能基が、グラフト重合により導入されている。
好ましい実施形態においては、上記多孔性補強体が、織布、不織布、ネット、メッシュまたは焼結多孔膜である。
好ましい実施形態においては、上記イオン透過膜が、無孔性である。
本発明によれば、イオン透過膜の片側または両側に多孔性補強体を備えることにより、電極間での短絡防止性および強度を維持しつつ、イオン透過膜を薄くすることでき、その結果、イオン透過性に優れるアルカリ水電解用隔膜を得ることができる。また、水酸化カリウム水溶液に対して濡れ性を示す多孔性補強体を用いることにより、電解時に生成したガスが隔膜表面に付着することを防止して、電圧上昇を抑制し得るアルカリ水電解用隔膜を得ることができる。
本発明の好ましい実施形態によるアルカリ水電解用隔膜の概略断面図である。 本発明の好ましい実施形態によるアルカリ水電解用隔膜の概略断面図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
A.アルカリ水電解用隔膜の全体構成
図1は、本発明の好ましい実施形態によるアルカリ水電解用隔膜の概略断面図である。図1に示すアルカリ水電解用隔膜100は、イオン透過膜10と多孔性補強体20とを備える。図2は、本発明の別の好ましい実施形態によるアルカリ水電解用隔膜の概略断面図である。図2に示すアルカリ水電解用隔膜100’は、イオン透過膜10の両側に多孔性補強体20を備える。多孔性補強体20は、濃度30重量%の水酸化カリウム水溶液に対して、濡れ性を示す。多孔性補強体20は、図1に示すようにイオン透過膜10の片側に配置されていてもよく、図2に示すようにイオン透過膜10の両側に配置されていてもよい。また、多孔性補強体20がイオン透過膜10の片側に配置される場合、本発明のアルカリ水電解用隔膜100は、イオン透過膜10をアノード電極側に配置して用いてもよく、カソード電極側に配置して用いてもよい。イオン透過膜10と多孔性補強体20とは、例えば、ホットプレス機または加熱ロールを用いて加熱加圧して溶着させて積層させることができる。好ましくは、イオン透過膜10と多孔性補強体20とを積層し、積層体端部のみを加熱する。このようにして加熱すれば、多孔性補強体20が過度に加熱されて濡れ性が低下することを防ぐことができる。また、本発明のアルカリ水電解用隔膜は、隔膜として使用する際に、電極等により両側から圧力をかけて、イオン透過膜10と多孔性補強体20とを固定してもよい。
本発明のアルカリ水電解用隔膜においては、イオン透過膜10が多孔性補強体20により補強されて、電解用隔膜として十分な強度を有し、かつ、電極間での短絡防止性にも優れる。また、多孔性補強体20は、多孔性であるため、イオン透過性を阻害することなく上記効果を発現し得る。さらに、上記のようにイオン透過膜10が補強されるため、イオン透過膜10を薄くすることができ、その結果、イオン透過性に優れるアルカリ水電解用隔膜を得ることができる。
本発明のアルカリ水電解用隔膜の厚みは、好ましくは15μm〜1500μmであり、より好ましくは35μm〜1000μmであり、さらに好ましくは55μm〜600μmである。
B.イオン透過膜
上記イオン透過膜としては、アルカリ水電解において、カソード電極で生成されるイオン(例えば、水酸化物イオン等のアニオン)をアノード電極に透過させ得る限り、任意の適切な膜が用いられ得る。上記イオン透過膜は、好ましくは、濃度40重量%の水酸化カリウム水溶液中でイオン透過性(アニオン透過性)を示す。具体的には、上記イオン透過膜は、温度25℃/濃度40重量%の水酸化カリウム水溶液中を電解液としたときの電気抵抗値が、好ましくは10Ω・cm以下であり、より好ましくは5Ω・cm以下であり、さらに好ましくは0.01Ω・cm〜4Ω・cmである。上記イオン透過膜は、好ましくは無孔性である。無孔性のイオン透過膜を用いれば、電解により生じたガスの通過を防ぎ、生成ガスの純度を高めることができる。
上記イオン透過膜を構成する材料としては、例えば、アニオン交換性の官能基を有するポリマーが挙げられる。上記アニオン交換性の官能基を有するポリマーとしては、アルカリ水に対して機械的耐久性および化学的耐久性を有するポリマーが好ましく用いられる。上記アニオン交換性の官能基を有するポリマーとしては、例えば、フッ素系樹脂、オレフィン系樹脂、芳香族炭化水素系樹脂等の樹脂にアニオン交換性の官能基が導入されたポリマーが挙げられる。なかでも、アルカリ水に対する化学的安定性の観点から、フッ素系樹脂またはオレフィン系樹脂にアニオン交換性の官能基が導入されたポリマーが好ましく用いられる。
上記フッ素系樹脂としては、例えば、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン共重合体等が挙げられる。なかでも好ましくは、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体またはテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン共重合体である。
上記オレフィン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、およびこれらの化合物を構成する繰り返し単位を有する共重合体等が挙げられる。なかでも好ましくは、ポリプロピレン、超高分子量ポリエチレン、低密度ポリエチレンまたは高密度ポリエチレンである。イオン透過膜を構成する材料として用いられる超高分子量ポリエチレンの粘度平均分子量は好ましくは50万〜1000万であり、より好ましくは100万〜1000万である。なお、上記粘度平均分子量は、ASTMD4020に規定の粘度法により測定することができる。
上記芳香族炭化水素系樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリスルホン、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリーレート、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、熱可塑性ポリイミド、およびこれらの化合物を構成する繰り返し単位を有する共重合体等が挙げられる。
上記アニオン交換性の官能基は、中酸性イオン交換基、弱酸性イオン交換基、強塩基性イオン交換基、中塩基性イオン交換基または弱塩基性イオン交換基である。このような官能基を有するポリマーを用いれば、アルカリ水に対する濡れ性に優れ、イオン透過性に優れるイオン透過膜を得ることができる。
本明細書において、中酸性イオン交換基とは、水中における酸解離定数pKaが1以上2未満の官能基をいう。中酸性イオン交換基としては、例えば、ホスホメチル基、リン酸基等が挙げられる。本明細書において、弱酸性イオン交換基とは、水中における酸解離定数pKaが2以上、好ましくは2〜10の官能基をいう。弱酸性イオン交換基としては、例えば、カルボン酸基、フェノール性水酸基、カルボキシメチル基等が挙げられる。中酸性基および弱酸性基を有するポリマーから構成されるイオン透過膜は、中酸性基および弱酸性基を、アルカリ金属イオン(例えば、カリウム)で中和処理することにより、アルカリ水への濡れ性を向上させることができる。なお、強酸性基を有するポリマーから構成される膜は、該強酸性基がアルカリ水中のアルカリ金属イオンにより容易に交換され、アルカリ水に対する濡れ性が低減するため、本発明のイオン透過膜としては好ましくない。
本明細書において、強塩基性イオン交換基とは、水中における塩基解離定数pKbが2未満の官能基をいう。強塩基性イオン交換基としては、例えば、第4級アンモニウム塩基、スルホニウム塩基、ホスホニウム塩基、ピリジニウム塩基等が挙げられる。本明細書において、中塩基性イオン交換基とは、水中における塩基解離定数pKbが2以上4未満の官能基をいう。中塩基性イオン交換基としては、例えば、エピクロロヒドリントリエタノールアミン基等が挙げられる。本明細書において、弱塩基性イオン交換基とは、水中における塩基解離定数pKbが4以上、好ましくは4〜10の官能基をいう。弱塩基性イオン交換基としては、例えば、第1級アミン基、第2級アミン基、第3級アミン基、イミダゾール基等が挙げられる。
上記アニオン交換性の官能基を有するポリマーは、例えば、特開昭55−100654号公報または特公58−43866号公報に記載されている方法で、樹脂フィルムに上記アニオン交換性の官能基をグラフト重合して得られ得る。具体的には、上記アニオン交換性の官能基を有するポリマーは、上記の樹脂(例えば、フッ素系樹脂、オレフィン系樹脂、芳香族炭化水素系樹脂)を含む樹脂フィルムを形成し、該樹脂フィルムに放射線を照射してフリーラジカルを生成させ、該フリーラジカルを起点として、該樹脂フィルムに上記アニオン交換性の官能基およびビニル基を有するモノマーをグラフト重合させることにより得られ得る。また、上記アニオン交換性の官能基を有するポリマーを得る別の方法として、上記の樹脂(例えば、フッ素系樹脂、オレフィン系樹脂、芳香族炭化水素系樹脂)を生成する前駆体(モノマー)と、上記アニオン交換性の官能基を有するモノマーと、必要に応じて架橋剤とを共重合させる方法も挙げられる。
上記イオン透過膜の厚みは、好ましくは5μm〜500μmであり、より好ましくは5μm〜200μmであり、さらに好ましくは5μm〜100μmである。このような範囲であれば、イオン透過性に優れるアルカリ水電解用隔膜を得ることができる。
C.多孔性補強体
上記多孔性補強体は、濃度30重量%の水酸化カリウム水溶液に対して濡れ性を示す。本発明のアルカリ水電解用隔膜は、このように濡れ性を示す多孔性補強体を備えることにより、アルカリ水電解により生じたガス(水素ガスおよび酸素ガス)が付着し難く、該ガスによる電圧上昇を抑制することができる。なお、本明細書において、「水酸化カリウム水溶液に対して濡れ性を示す」とは、多孔性補強体を温度80℃/濃度30重量%の水酸化カリウム水溶液中に1000時間浸漬させた場合にも、濡れ性が失われないことをいう。具体的には、上記のように水酸化カリウム水溶液中に浸漬させた後の多孔性補強体の表面に濃度30重量%の水酸化カリウム水溶液を滴下した際に、滴下した水酸化カリウム水溶液が裏面にまで到る場合、該多孔性補強体を「水酸化カリウム水溶液に対して濡れ性を示す」多孔性補強体という。
上記多孔性補強体を構成する材料としては、濃度30重量%の水酸化カリウム水溶液に対して濡れ性を示す限り、任意の適切な材料が用いられ得る。上記多孔性補強体を構成する材料としては、例えば、親水性官能基を有するポリマーが挙げられる。
親水性官能基を有するポリマーとしては、例えば、アルカリ水に対して機械的耐久性および化学的耐久性を有する樹脂を骨格として、該樹脂に親水性官能基が導入されたポリマーが挙げられる。上記骨格となる樹脂としては、例えば、上記B項で説明したフッ素系樹脂、オレフィン系樹脂、芳香族炭化水素系樹脂等が挙げられる。なかでも好ましくは超高分子量ポリエチレンである。上記骨格となる樹脂として用いられる超高分子量ポリエチレンの粘度平均分子量は、好ましくは50万〜1500万であり、より好ましくは100万〜1200万である。上記親水性官能基としては、例えば、ヒドロキシル基、カルボン酸基、アミノ基、アミド基、シアノ基等が挙げられる。
上記親水性官能基の導入は、例えば、上記骨格となる樹脂のフィルム状成形物(以下、基材ともいう)を、所定の方法により処理することにより行うことができる。
上記基材は、多孔性である。上記基材の形態としては、例えば、織布、不織布、ネット、メッシュ、焼結多孔膜等が挙げられる。好ましくは、焼結多孔膜である。焼結多孔膜であれば、強度およびイオン透過性に優れる。焼結多孔膜を得る方法としては、例えば、特開平2−214647号公報に記載された焼結法が挙げられる。
上記基材の厚みは、好ましくは10μm〜1000μmであり、より好ましくは30μm〜500μmであり、さらに好ましくは50μm〜200μmである。このような範囲であれば、補強体として十分な強度を有し、かつ、電極の短絡を防止することができる。
上記基材の形態が焼結多孔質膜の場合、親水性官能基導入前の基材の気孔率は、好ましくは10%〜95%であり、より好ましくは15%〜90%であり、さらに好ましくは15%〜60%であり、特に好ましくは15%〜55%である。このような範囲であれば、イオン透過性に優れる多孔性補強体を得ることができる。なお、親水性官能基導入を導入することにより基材の気孔率は数%(例えば、1%〜8%)低下する。したがって、上記多孔性補強体の気孔率は、好ましくは10%〜90%であり、より好ましくは10%〜55%であり、さらに好ましくは10%〜50%である。なお、本明細書において、親水性官能基導入前の基材の気孔率とは、{1−(基材の見掛け密度/基材を構成する材料の真比重)}×100の式で算出される値をいい、多孔性補強体の気孔率とは、{1−(多孔性補強体の見掛け密度/多孔性補強体を構成する材料の真比重)}×100の式で算出される値をいう。
上記親水性官能基を導入する方法としては、上記基材を、放射線グラフト重合法、化学開始剤グラフト重合法等のグラフト重合法;プラズマ処理、大気圧プラズマ処理、コロナ処理、UV処理、UVオゾン処理等の表面処理法;重クロム酸カリウム溶液または過マンガン酸カリウム溶液等による酸化処理;ナトリウム処理液等による化学的なエッチング処理;親水性ポリマーまたは界面活性剤のコーティング等により処理する方法が挙げられる。なかでも好ましくは、グラフト重合法であり、より好ましくは放射線グラフト重合法である。放射線グラフト重合法を用いれば、骨格となる樹脂の特性(例えば、機械的耐久性、化学的耐久性)を損なうことなく、長期的に親水性(より具体的には、アルカリ水に対する濡れ性)を維持し得る多孔性補強体を得ることができる。さらに、放射線グラフト重合により親水性官能基が導入されたポリマーから構成される多孔性補強体は、高温のアルカリ水(例えば、80℃の30重量%水酸化カリウム水溶液)中でも、親水性を失わない。以下、親水性官能基を導入する方法の代表例として、放射線グラフト重合法により、親水性官能基を導入する好ましい実施形態を説明する。
上記放射線グラフト重合法としては、上記基材に放射線を照射してフリーラジカルを生成させた後、放射線が照射された基材と、親水性官能基を有するモノマーおよび/または親水性官能基を導入し得るモノマーを含むモノマー組成物とを接触させ、該フリーラジカルを起点としてグラフト重合させる方法(前照射法)を用いることが好ましい。基材とモノマーとを共存させた状態に放射線を照射してグラフト重合させる方法(同時照射法)に比べて、モノマー同士の重合が抑制されて、グラフト重合に寄与するモノマーの量が多くなり、モノマーの利用率が優れるからである。なお、以下、本明細書において、親水性官能基を有するモノマーおよび親水性官能基を導入し得るモノマーを主モノマーともいう。主モノマーとして、親水性官能基を有するモノマーまたは親水性官能基を導入し得るモノマーを、単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記前照射法としては、不活性ガス中で放射線を照射し重合するポリマーラジカル法を用いてもよく、酸素存在下で放射線を照射し重合するパーオキサイド法を用いてもよい。好ましくは、ポリマーラジカル法である。ポリマーラジカル法を用いれば、モノマーがグラフト重合されずにポリマー化することを抑制することができる。上記放射線としては、例えば、α線、β線、γ線、電子線、紫外線などが挙げられる。好ましくは、γ線または電子線である。
上記放射線グラフト重合法における放射線照射線量は、通常1kGy〜500kGy(キログレイ:1グレイは1J/kgエネルギー吸収に相当する)であり、好ましくは5kGy〜300kGyである。照射線量が1kGyより少ないとグラフト重合に十分な数のフリーラジカルが生成されないおそれがある。また、照射線量が500kGyより多いと基材を構成する樹脂の過剰な架橋反応や劣化が進むおそれがある。照射時の温度は特に制限されないが、例えば、−200℃〜60℃であり、好ましくは−200℃〜25℃程度である。照射時および照射後の環境温度が基材を構成する樹脂のガラス転移温度より高すぎると生成したフリーラジカルが失活するおそれがある。照射後の樹脂は、好ましくは常温以下、より好ましくは−60℃以下の低温下に置くことが好ましい。
放射線が照射された基材と、親水性官能基を有するモノマーおよび/または親水性官能基を導入し得るモノマー(主モノマー)を含むモノマー組成物とを接触させて、グラフト重合させる方法としては、例えば、放射線が照射された基材をモノマー組成物中に浸漬させる方法が挙げられる。
上記モノマー組成物は、有機溶媒を含む均一系溶液であってもよく、水溶性溶媒(例えば、水)を含むエマルジョン溶液であってもよい。上記有機溶媒としては、モノマーを溶解することができ、かつ、基材に浸透し得る溶媒であれば、任意の適切な溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、好ましくは炭素数が1〜6の低級アルコール、より好ましくは炭素数が1〜4の低級アルコール、さらに好ましくはエタノールまたはメタノールが挙げられる。また、有機溶剤として、アセトン、酢酸メチル、酢酸エチル、ヘキサンまたはトルエンを用いてもよい。好ましくは、上記モノマー組成物は、減圧脱気、窒素などの不活性ガスによるバブリングを行い、脱酸素される。
放射線が照射された基材とモノマー組成物とを接触させる際の温度(グラフト重合反応における反応温度)は、好ましくは0℃〜100℃、より好ましくは30℃〜80℃である。放射線が照射された基材とモノマー組成物とを接触させる時間(グラフト重合反応における反応時間)は、好ましくは10分〜48時間である。
上記親水性官能基を有するモノマーとしては、例えば、親水性官能基を有するビニル系化合物が挙げられ、下記一般式(1)で表されるビニル系化合物が好ましく用いられ得る。
C=C(X)R ・・・(1)
Xは水素原子、または直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表す。Xがアルキル基の場合、その炭素数は、好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜5である。Rは親水性官能基を有する直鎖状または分岐状のアルキル基であり、好ましくはヒドロキシル基、カルボン酸基、1級アミノ基、2級アミノ基、3級アミノ基、アミド基、シアノ基、4級アンモニウム基、イミダゾール基、ピリジル基および/または4級ピリジニウム基を有する直鎖状または分岐状のアルキル基である。Rは、炭素数が、好ましくは1〜20であり、より好ましくは1〜10であり、さらに好ましくは1〜6である。このような炭素数であれば、親水性に優れる多孔性補強体を得ることができる。
上記親水性官能基を有するモノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、2−ヒドロキシメチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、酢酸ビニル、アリルアミン、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートアクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、アクリロイルモルフォリン、N−イソプロピルアクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、1−ビニルイミダゾール、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、メチルビニルピリジン、エチルビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール、アミノスチレン、アルキルアミノスチレン、ジアルキルアミノスチレン、トリアルキルアミノスチレン、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。なかでも好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、2−ヒドロキシメチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、アクリルアミドまたはメタクリルアミドである。これらのモノマーは、単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記親水性官能基を導入し得るモノマーとしては、例えば、スチレンスルホン酸のアルキルエステル;ビニルスルホン酸のアルキルエステル;アクリルホスホン酸のアルキルエステル;スチレンスルホン酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩またはアンモニウム塩;ビニルスルホン酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩またはアンモニウム塩;アクリルホスホン酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩またはアンモニウム塩等が挙げられる。スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸またはアクリルホスホン酸のアルキルエステルを用いる場合、グラフト重合した後、エステルを加水分解して酸型とすることにより多孔性補強体を親水化することができる。スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸またはアクリルホスホン酸の塩を用いる場合は、グラフト重合した後、例えば約1規定の硝酸、塩酸または硫酸等を用いて、酸処理を行うことにより多孔性補強体を親水化することができる。
スチレンスルホン酸のアルキルエステルの具体例としては、スチレンスルホン酸エチルエステル、スチレンスルホン酸プロピルエステル、スチレンスルホン酸イソプロピルエステル、スチレンスルホン酸n−ブチルエステル、スチレンスルホン酸tertブチルエステル、スチレンスルホン酸イソブチルエステル、スチレンスルホン酸ペンチルエステル、スチレンスルホン酸ネオペンチルエステル、スチレンスルホン酸イソペンチルエステル、スチレンスルホン酸tertペンチルエステル等が挙げられる。ビニルスルホン酸のアルキルエステルの具体例としては、ビニルスルホン酸エチルエステル、ビニルスルホン酸メチルエステル等が挙げられる。
親水性官能基を導入し得るモノマーとして、ハロゲン化アルキルスチレンを用いてもよい。ハロゲン化アルキルスチレンの具体例としては、クロロメチルスチレン、ブロモメチルスチレン、ヨードメチルスチレン、クロロエチルスチレン、ブロモエチルスチレン、ヨードエチルスチレン、クロロペンチルスチレン、ブロモペンチルスチレン、ヨードペンチルスチレン、クロロヘキシルスチレン、ブロモヘキシルスチレン、ヨードヘキシルスチレン、クロロプロピルスチレン、ブロモプロピルスチレン、ヨードプロピルスチレン、クロロブチルスチレン、ブロモブチルスチレン、ヨードブチルスチレン等が挙げられる。ハロゲン化アルキルスチレンを用いる場合、グラフト重合した後、例えば、アンモニア水、またはアルキルアミン(例えば、ジアミン、トリアミン、テトラアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルエチルアミン)をアルコール、アセトンおよび/または水に溶解させた溶液等でハロゲン化アルキル基の4級アンモニウム化処理を行うことで多孔性補強体を親水化することができる。また、例えばトリブチルホスフィンをアルコールおよび/またはアセトンに溶解させた溶液で、ホスホニウム化処理を行うことで多孔性補強体を親水化することができる。
上記モノマー組成物における主モノマーの濃度は、好ましくは0.1重量%〜70重量%であり、より好ましくは5重量%〜60重量%である。主モノマーの濃度が0.1重量%未満の場合、グラフト重合反応が十分に進行しないおそれがある。また、主モノマーの濃度が70重量%より高い場合、未反応モノマーが残存し歩留まりの低下を招くおそれがある。
上記モノマー組成物中に、その他のモノマーが含まれていてもよい。その他のモノマーとしては、上記主モノマーと共重合可能なモノマーであれば、任意の適切なモノマーが用いられ得る。その他のモノマーの含有割合は、上記主モノマーの合計量に対して、好ましくは0.5重量%〜100重量%であり、より好ましくは1重量%〜50重量%である。
上記モノマー組成物における全モノマー(主モノマー+その他のモノマー)の濃度は、好ましくは1重量%〜200重量%であり、より好ましくは5重量%〜150重量%であり、さらに好ましくは10重量%〜100重量%である。
上記モノマー組成物中のその他のモノマーは架橋剤であってもよい。架橋剤を含むモノマー組成物を用いることにより、架橋構造を有し耐久性(例えば、耐水性、耐熱性)に優れる多孔性補強体を得ることができる。架橋剤としては、例えば、ビニル基を2つ以上有するビニル系化合物が挙げられる。架橋剤の具体例としては、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
グラフト重合反応させた後、親水性官能基を有するポリマーを、トルエン、メタノール、イソプロピルアルコール、アセトン等の有機溶媒または水で洗浄し、その後、乾燥することが好ましい。
グラフト重合により得られた親水性官能基を有する基材の、重量グラフト率は、好ましくは5%〜80%であり、より好ましくは10%〜50%である。なお、本明細書において重量グラフト率とは、(グラフト重合後の基材の重量−グラフト重合前の基材の重量)/(グラフト重合前の基材の重量)×100で算出される値をいう。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。実施例における評価方法は以下のとおりである。また、実施例において、特に明記しない限り、「部」および「%」は重量基準である。
(1)厚みの測定
厚みはデジタルアップライトゲージR1−205(尾崎製作所社製;測定子:Φ5mm、測定力:1.1N以下)を使用した。特に断りがない場合は、25℃±2℃、65±20%RHでの測定値である。
(2)多孔性補強体の水酸化カリウム水溶液に対する濡れ性
80℃に維持された濃度30重量%の水酸化カリウム水溶液中に、多孔性補強体を1000時間浸漬した。その後、多孔性補強体を引き上げ、残存した水酸化カリウム水溶液を十分に洗浄、除去した後、乾燥させた。次いで、多孔性補強体の一方の面(裏面)にpH試験紙(アズワン社製、品番「1−1745−01」)をあてておき、他方の面(表面)から濃度30重量%の水酸化カリウム水溶液1滴(約50mg)を滴下した。滴下して1分間経過した後、該水酸化カリウム水溶液が裏面まで到り、pH試験紙が変色した場合は、濡れ性ありと判断した。なお、比較例5および6については、得られたイオン透過膜について、該評価を行った。
(3)電気抵抗測定
実施例および比較例で得られたアルカリ水電解用隔膜の電気抵抗を、JIS C 2313に準じて測定した。電解液は、濃度40重量%の水酸化カリウム水溶液を用いた。電極としては、白金板を用いた。測定時の液温は25℃に設定した。測定は、アルカリ水電解用隔膜を電解液に10分間浸漬させた後に行った。なお、比較例5および6については、得られたイオン透過膜について、該評価を行った。
(4)アルカリ水電解評価
実施例および比較例で得られたアルカリ水電解用隔膜のアルカリ水電解評価は、アクリル樹脂製のH型セルを用いて行った。電解液は、濃度30重量%の水酸化カリウム水溶液を用い、電極としては、Ni電極を用いた。測定時の液温は25℃に設定した。電流密度を1.4A/cmとし、定電流を1時間連続して印加した時の電圧を測定し、測定開始から50分後〜1時間後における測定値の平均値により、アルカリ水電解評価を行った。測定は、アルカリ水電解用隔膜を電解液に10分間浸漬させた後に行った。なお、比較例5および6については、得られたイオン透過膜について、該評価を行った。
[実施例1]アルカリ水電解用隔膜(多孔性補強体1/イオン透過膜A/多孔性補強体1)の作製
(イオン透過膜Aの作製)
ポリエチレンフィルムに100kGy/300kVの電子線照射による架橋処理を施して得られた架橋ポリエチレンフィルム(厚さ30μm)に50kGyの電子線を照射し、フリーラジカルを生成した。次いで、このフリーラジカルが生成した架橋ポリエチレンフィルムを液温が70℃に維持されたメタクリル酸(和光純薬社製)のメタノール溶液(濃度:40重量%)に5時間浸漬し、上記架橋ポリエチレンフィルムにメタクリル酸をグラフト重合(重量グラフト率:35%)させた。次いで、グラフト重合させた架橋ポリエチレンフィルムを、濃度10重量%の水酸化カリウム(和光純薬製)水溶液に1時間浸漬してメタクリル酸部分をカリウム塩とした。その後、フィルムを引き上げ、水洗して余分な水酸化カリウムを洗い流しながした後、表面部分の水分を除き、イオン透過膜Aを得た。
(多孔性補強体1の作製)
多孔性補強体を構成する基材として、超高分子量ポリエチレンの焼結多孔膜(日東電工社製、商品名「サンマップ、厚さ:100μm、気孔率:30%)を用いた。
該基材に、15kGyの電子線を照射することで、フリーラジカルを生成させた。照射後、−70℃で保管した。
次いで、セパフラブルフラスコに主モノマー成分としてのアクリルアミド(和光純薬社製)270gと、メタノール330gとを投入し、温度を25℃に保ったまま窒素のバブリングを1時間行うことで、混合液に残存している酸素を除去した。
ここに、上記の電子線を照射した基材を投入し、液温を60℃まで昇温させ、液温を60℃に維持しながら、15分間重合処理を行い、親水性官能基を有するポリマーを得た。
その後、親水性官能基を有するポリマーを、60℃の純水中に30分間浸漬して、未反応モノマーおよびホモポリマーを洗浄除去した。この洗浄操作を計3回繰り返した後、80℃で1時間乾燥させ、重量グラフト率15%の多孔性補強体1(気孔率:28%)を得た。得られた多孔性補強体1を、上記評価(2)に供した。結果を表1に示す。
(アルカリ水電解用隔膜の作製)
上記イオン透過膜Aおよび多孔性補強体1を、多孔性補強体1/イオン透過膜A/多孔性補強体1の順に積層し、ホットプレス機により積層体端部を溶着させて、アルカリ水電解用隔膜を得た。得られたアルカリ水電解用隔膜を、上記評価(3)および(4)に供した。結果を表2に示す。
[実施例2]アルカリ水電解用隔膜(多孔性補強体1/イオン透過膜A)の作製
多孔性補強体1をイオン透過膜Aの片側にのみ積層した以外は、実施例1と同様にして、アルカリ水電解用隔膜を得た。得られたアルカリ水電解用隔膜を、上記評価(3)および(4)に供した。結果を表2に示す。なお、評価(3)および(4)において、アルカリ水電解用隔膜は、イオン透過膜Aがアノード極側となるように、配置した。
[実施例3]アルカリ水電解用隔膜(多孔性補強体1/イオン透過膜A)の作製
多孔性補強体1をイオン透過膜Aの片側にのみ積層した以外は、実施例1と同様にして、アルカリ水電解用隔膜を得た。得られたアルカリ水電解用隔膜を、上記評価(3)および(4)に供した。結果を表2に示す。なお、評価(3)および(4)において、アルカリ水電解用隔膜は、イオン透過膜Aがカソード極側となるように、配置した。
[実施例4]アルカリ水電解用隔膜(多孔性補強体1/イオン透過膜B/多孔性補強体1)の作製
イオン透過膜Aに代えて、下記のようにして作製したイオン透過膜Bを用いた以外は、実施例1と同様にして、アルカリ水電解用隔膜を得た。得られたアルカリ水電解用隔膜を、上記評価(3)および(4)に供した。結果を表2に示す。
(イオン透過膜Bの作製)
厚さ50μmのテトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)フィルム(旭硝子社製、商品名「Fluon」)に、90kGyのγ線を照射し、フリーラジカルを生成させた。次いで、このフリーラジカルが生成したETFEフィルムを液温が70℃に維持された1,4−クロロメチルスチレンのメタノール溶液(濃度:50重量%)に3時間浸漬し、前記ETFEフィルムにクロロメチルスチレンをグラフト重合(重量グラフト率:52%)させた。次いで、グラフト重合させたETFEフィルムを、トルエンで洗浄し、乾燥させた後、1Nのトリメチルアミンのエタノール溶液に40℃で12時間浸漬し、グラフト重合された1,4−クロロメチルスチレン由来の構成単位に第4級アンモニウム基を導入した。その後、水酸化カリウム水溶液で洗浄し、Cl部をOHイオンとした。さらに、水洗後、乾燥して、イオン透過膜Bを得た。
[比較例1]アルカリ水電解用隔膜(多孔性補強体1/イオン透過膜C/多孔性補強体1)の作製
イオン透過膜Aに代えて、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン重合体から構成されるイオン透過膜C(デュポン社製、商品名「ナフィオン212CS」、厚み:50μm)を用いた以外は、実施例1と同様にして、アルカリ水電解用隔膜を得た。得られたアルカリ水電解用隔膜を、上記評価(3)および(4)に供した。結果を表2に示す。
[比較例2]アルカリ水電解用隔膜(多孔性補強体2/イオン透過膜A/多孔性補強体2)の作製
多孔性補強体1に代えて、多孔性補強体2を用いた以外は、実施例1と同様にして、アルカリ水電解用隔膜を得た。多孔性補強体2としては、日東電工社製の商品名「サンマップ」(厚さ:100μm、気孔率:30%)、すなわち、親水性官能基が導入されていない超高分子量ポリエチレンの多孔膜を用いた。多孔性補強体2を、上記評価(2)に供した。結果を表1に示す。また、得られたアルカリ水電解用隔膜を、上記評価(3)および(4)に供した。結果を表2に示す。
[比較例3]アルカリ水電解用隔膜(多孔性補強体3/イオン透過膜A/多孔性補強体3)の作製
多孔性補強体1に代えて、多孔性補強体3を用いた以外は、実施例1と同様にして、アルカリ水電解用隔膜を得た。多孔性補強体3としては、日東電工社製の商品名「サンマップ」(厚さ:100μm、気孔率:30%)に、帯電防止塗料(ニューファインケミカル社製、商品名「エレクノンOR−W」)を含浸塗布し、常温で1時間乾燥させて親水性を付与したフィルムを用いた。多孔性補強体3を、上記評価(2)に供した。結果を表1に示す。また、得られたアルカリ水電解用隔膜を、上記評価(3)および(4)に供した。結果を表2に示す。
[比較例4]アルカリ水電解用隔膜(多孔性補強体4/イオン透過膜A/多孔性補強体4)の作製
多孔性補強体1に代えて、下記のようにして作製した多孔性補強体4を用いた以外は、実施例1と同様にして、アルカリ水電解用隔膜を得た。多孔性補強体4を、上記評価(2)に供した。結果を表1に示す。また、得られたアルカリ水電解用隔膜を、上記評価(3)および(4)に供した。結果を表2に示す。
(多孔性補強体4の作製)
日東電工社製の商品名「サンマップ」(厚さ:100μm、気孔率:30%)を、イソプロピルアルコール(IPA)に浸漬して濡らし、その後、IPAが乾かないように即座に、ポリビニルアルコール水溶液(ポリビニルアルコール重合度:2000、濃度:1.5重量%)に浸漬させて、「サンマップ」の多孔空間にPVA溶液を充満させる。
濃度25重量%のグルタールアルデヒド水溶液(和光純薬社製)60g、6N塩酸(和光純薬社製)10gおよび純水530gを含む混合溶液に、上記のPVA溶液が含浸された「サンマップ」を投入し、32℃に加温し1時間反応させた。1時間後には液は白濁し、PVA架橋体が生成していると判断した。ついで水洗し、80℃で30分乾燥することで、PVA架橋体で親水化された多孔性補強体4を得た。
[比較例5]
初めに1−メチル−2−ピロリドン(和光純薬社製)30gと、フッ化カルシウム(和光純薬社製)12gとを混合してホモミクサーで十分に撹拌した。ここにポリスルホン(BASF社製、商品名「ULTRASON S6010」)4g、を添加して60℃に加温し、再度十分に撹拌、溶解した後、脱泡して懸濁液を調製した。
200メッシュ、厚み190μmのポリエチレン網(ニップ(ポリエチレン)強力網、NBC社製)を、伸長状態で、底面に設置した10cm×10cmのガラス製の枠体上に、上記懸濁液10mlを流し込んだ。その後、懸濁液を流し込んだ枠体ごと25℃の純水中に浸漬し、室温で10分間放置して1−メチル−2−ピロリドンを抽出した。その後、凝固したシート状物を枠体より剥離し、さらに25℃の純水中で30分間洗浄し、25℃で風乾後、80℃の乾燥機で30分間乾燥し、シート状のイオン透過膜Dを得た。得られたイオン透過膜を、上記評価(2)に供した。結果を表1に示す。なお、イオン透過膜Dは、表面に凹凸が多く見られ、膜厚みが300μm〜1500μmとばらついており、電気抵抗測定およびアルカリ水電解評価はできなかった。
[比較例6]
初めに1−メチル−2−ピロリドン(和光純薬社製)30gと、フッ化カルシウム(和光純薬社製)24gとを混合してホモミクサーで十分に撹拌した。ここにポリスルホン(BASF社製、商品名「ULTRASON S6010」)8g、を添加して60℃に加温し、再度十分に撹拌、溶解した後、脱泡して懸濁液を調製した。
次いで、ガラス板にベーカー式アプリケータを用いて、ギャップ300μmで上記懸濁液を塗布した。この上に200メッシュ、厚み190μmのポリエチレン網(ニップ(ポリエチレン)強力網、NBC社製)を載せ、ハンドローラーにて面圧を加えてメッシュに懸濁液を十分に浸みこませた。その後、同じ様にベーカー式アプリケータを用いて、ギャップ400μmで再度上記懸濁液を塗布した。その後、ガラス板ごと25℃の純水中に浸漬し、室温で10分間放置して1−メチル−2−ピロリドンを抽出した。凝固したシート状物を剥離し、さらにこれを25℃の純水中で30分間洗浄し、25℃で風乾後、80℃の乾燥機で30分間乾燥し、シート状のイオン透過膜Eを得た。得られたイオン透過膜Eは、表面が平滑で、膜厚みが380μm前後で均一であった。得られたイオン透過膜Eを、上記評価(2)〜(4)に供した。結果を表1および表2に示す。
Figure 0005893511
Figure 0005893511
表1および表2から明らかなように、本発明によれば、特定のイオン交換基を有するポリマーから構成されるイオン透過膜と、濃度30重量%の水酸化カリウム水溶液に対して濡れ性を示す多孔性補強体とを積層することにより、電気抵抗が小さく、電圧上昇を抑制し得るアルカリ水電解用隔膜を得ることができる。なお、アルカリ水電解評価において、比較例2では電解初期より測定上限を超える電圧を示し、比較例3では電解を開始して2分後に電圧上昇し5分後に測定上限を超える電圧を示し、比較例4では電解を開始して3分後に電圧上昇し7分後に測定上限を超える電圧を示した。表2中、これらの結果は、「N.D.」と表記した。
また、多孔性補強体は、放射線グラフト重合により親水性官能基を導入することで、高温のアルカリ水に長時間浸漬しても、アルカリ水に対する濡れ性が維持される。
本発明のアルカリ水電解用隔膜は、アルカリ水電解法に用いられる隔膜として好適に用いられ得る。
10 イオン透過膜
20 多孔性補強体
100、100’ アルカリ水電解用隔膜

Claims (4)

  1. イオン透過膜と、該イオン透過膜の片側または両側に配置された多孔性補強体とを備え、
    該イオン透過膜が、中酸性イオン交換基、弱酸性イオン交換基、強塩基性イオン交換基、中塩基性イオン交換基または弱塩基性イオン交換基を有するポリマーから構成され、
    該多孔性補強体が、親水性官能基を有するポリマーから構成され、
    該親水性官能基が、グラフト重合により導入され、
    該親水性官能基を有するポリマーのグラフト重合率が10%〜50%であり、
    該多孔性補強体が、濃度30重量%の水酸化カリウム水溶液に対して、濡れ性を示す、
    アルカリ水電解用隔膜。
  2. 前記多孔性補強体が、前記イオン透過膜の両側に配置されている、請求項1に記載のアルカリ水電解用隔膜。
  3. 前記多孔性補強体が、織布、不織布、ネット、メッシュまたは焼結多孔膜である、請求項1または2に記載のアルカリ水電解用隔膜。
  4. 前記イオン透過膜が、無孔性である、請求項1からのいずれかに記載のアルカリ水電解用隔膜。
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