JP5893472B2 - ヒドロキシルラジカル水生成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体等の精密洗浄や食品類等の殺菌に用いることができるヒドロキシルラジカル水生成装置に関する。
半導体製造において半導体デバイスの超微細化構造・高集積化に伴い、シリコンウェハ表面の洗浄工程におけるパーティクル汚染や有機物及び無機物汚染の除去が重要課題となっている。また、超音波照射やキャビテーションによる洗浄ではシリコンウェハに傷を付ける要因となりえるため、酸やアルカリ等の薬剤と大量の超純水を用いて洗浄している。これらの方法は、使用する薬剤による薬傷の危険性があるとともに、設備の大型化やランニングコストの増加、廃液や汚泥処理の課題があった。そのため、オゾン水洗浄等も用いられているが、オゾンの洗浄力不足や廃棄オゾンガス処理等の課題がある。
酸化分解力がオゾン水よりも10〜10000倍強いと言われているものにヒドロキシルラジカル(OH・)水がある。このヒドロキシルラジカル(OH・)水は、光触媒を用いた紫外線照射や超音波の照射等で生成されるが、高い酸化力により水中の不純物と反応して直ぐに消失するため、流水による洗浄等には向いていないという課題を有していた。
この課題を解決するものとして、活性酸素種を含有した水の製造装置として(特許文献1)には、「紫外線照射によって光触媒で生成された活性酸素種及び/又は装置内を通過する水溶液と反応し活性酸素水が長時間保持される活性酸素水精製装置であり、0.5MHz以上の超音波振動又は水中ファンにより繊維状の光触媒体又は水を動かす拡散手段を有し、前記水溶液が酸素、塩素、アンモニア等のガス類及び/又はナトリウム、カリウム、マグネシウムの塩類の少なくともいずれか1つを含有することを特徴とした活性酸素水生成装置」が開示されている。
尚、活性酸素種とは、生体内や自然界に存在し、スーパーオキシドアニオンラジカル(・O2 -)、ヒドロキシルラジカル(OH・)、オゾン(O3)、過酸化水素(H22)、一酸化窒素(NO)、次亜塩素酸(HOCl)、一重項酸素(12)等を指している。
特開2008−272616号公報
しかしながら上記従来の技術においては、以下のような課題を有していた。
(1)(特許文献1)に開示の技術は、活性酸素種を長時間保持することができるが、不純物の多い水溶液を用いており、光触媒がアルミナ被膜を形成した金属製繊維体にチタニア薄膜を被覆しているので、金属等のコンタミネーション(不純物)があり、半導体等の精密洗浄には向かないという課題を有していた。また、含まれる塩類等と活性酸素種とが反応し、活性酸素種の濃度が低下し、特に酸化力の高いヒドロキシルラジカル(OH・)は、発生後直ぐに消失してしまうことが懸念される。
又、絡み合った金属繊維体に紫外線を照射しているので繊維体に紫外線が照射されない部位が生じ、ヒドロキシルラジカル(OH・)等の活性酸素種の発生効率が悪いという課題があった。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、効率良く大量のヒドロキシルラジカル(OH・)を発生させ、しかもヒドロキシルラジカル(OH・)を長時間保持することが出来るヒドロキシルラジカル水生成装置を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明のヒドロキシルラジカル水生成装置は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載のヒドロキシルラジカル水生成装置は、紫外線域の光透過性を有する通水部と、前記通水部を流れる水が接触する光触媒部と、前記通水部に水を供給する給水部と、水中に微細気泡を発生させる微細気泡発生部と、を有し、紫外線を照射することによる前記水の分解反応と、前記光触媒部の光触媒反応とによってヒドロキシルラジカルを生成し、前記水中に発生させた前記微細気泡にヒドロキシルラジカルを保持させるヒドロキシルラジカル水生成装置において、(a)前記通水部が、紫外線透過性素材により形成され通水面側にコーティングされた光触媒により前記光触媒部が形成された通水路と、前記水の流入口及び取出口と、を有し、(b)前記通水部の周囲に1乃至複数個配設され前記通水路に紫外線を照射する紫外線照射部と、(c)前記通水部に連設され、前記微細気泡を発生させる微細気泡発生器又は周波数0.5MHz以上の超音波を前記水及び前記光触媒に付与する超音波発振器を用いた微細気泡発生部と、を備え、前記取出口が前記光触媒部より上部側に連設される構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)超音波等による微細気泡及び紫外線,光触媒を組み合わせることでヒドロキシルラジカル(OH・)等の活性酸素種を大量に発生させるので、ヒドロキシルラジカル(OH・)の発生効率に優れ、ヒドロキシルラジカル(OH・)の発生量も多いので、装置に流水を通すだけで高濃度のヒドロキシルラジカル(OH・)水を得ることができ、ヒドロキシルラジカル水の生成効率性に優れる。また、生成するヒドロキシルラジカル(OH・)が微細気泡に保持されるので、水中にヒドロキシルラジカル(OH・)を長時間保持することができ、半導体等の精密洗浄性、殺菌機能性に優れるヒドロキシルラジカル水を得ることができる。
(2)取出口が光触媒部より上部側に連設されることにより、通水路下部から水が溜まり、水と光触媒が十分に反応して大量のヒドロキシルラジカル(OH・)等の活性酸素種が発生し、ヒドロキシルラジカル(OH・)を微細気泡に保持させた状態で取り出すことできるので、装置に水を1度通すだけでも高濃度のヒドロキシルラジカル水を効率良く得ることができ、ヒドロキシルラジカル水の生成効率性を高めることができる。
(3)水の取出口が光触媒部の上部側に形成した場合、通水部の底面側から微細気泡を発生させるので、微細気泡が連続的に発生するヒドロキシルラジカル(OH・)等の活性酸素種と接触し易く微細気泡に保持され易いので、高濃度で長寿命のヒドロキシルラジカル(OH・)を長時間保持することができ、生成したヒドロキシルラジカル水の機能安定性に優れる。
ここで、本発明において、ヒドロキシルラジカル水とは超音波等による微細気泡や紫外線、光触媒によって生成する活性酸素種を含む水のことであり、活性酸素種の中でもヒドロキシルラジカル(OH・)を多く含む水を指す。
本発明のヒドロキシルラジカル水生成装置に導入される水として、電気伝導率が温度25±2℃下で0.1μS/cm以下、好ましくは0.06μS/cm以下のものが用いられる。純水又は超純水,イオン交換水やこれらにオゾンを溶解させたもの等を使用することで、生成されるヒドロキシルラジカル水中に活性酸素種以外の不純物が含まれず、ヒドロキシルラジカル(OH・)が不純物と反応して消失することがないため更に発生効率を良くすることができる。
また、オゾン水生成装置を流入口の上流に配設し、超純水にオゾンを含有させたオゾン水をヒドロキシルラジカル水生成装置に導入することで、超音波等による微細気泡や紫外線によりオゾンがヒドロキシルラジカル(OH・)に変わり、短時間で高濃度のヒドロキシルラジカル水を得ることができる。尚、オゾン水の代わりに、水として純度の高い水と、オゾンガスを、紫外線の照射前に別々に装置に導入しても良い。純度の高い水程、溶解度が高いので、微細気泡状のオゾンガスと混合することによりオゾンを溶存させることができる。
超音波等による微細気泡と紫外線、光触媒を用いてヒドロキシルラジカル(OH・)を発生させるので、水を通すだけでヒドロキシルラジカル水を連続式に取り出すことができ、半導体等の精密洗浄にも使用し易い。また、バッチ式のように不純物が含まれた洗浄後の水は使用されないので、コンタミネーションも発生し難く、信頼性、メンテナンス性に優れる。
通水部を構成するものとしては、紫外線域の光透過性があれば樹脂でもガラスでも良いが、石英ガラスであることが望ましい。石英ガラスを用いることにより、金属イオン等の溶出がなく、不純物の含有量が極めて少ないヒドロキシルラジカル水を得ることができ、半導体等の精密洗浄に用いてもコンタミネーションが発生し難くなるためである。
また、通水部の通水路に形成される光触媒部は、通水面に光触媒をコーティングして形成することができればコーティング方法は特に限定されず、スパッタリングや真空蒸着、溶射、ゾルゲル法等のどのような方法でも用いることができるが、中でもスパッタリングを用いることが望ましい。スパッタリングは光触媒の分子を直接ぶつけてコーティングすることができ、他の方法に比べてコーティングが剥げ難く、真空中で処理されるので不純物が含まれ難く、光触媒部から金属イオン等の不純物が溶出することが無いため、半導体等の精密洗浄に用いることができる。
通水路を形成する通水部の厚みや通水路の幅は、その材質や流入する水の流量(流速)、紫外線の強度(光量)、超音波の強度、微細気泡の発生量等に応じて適宜、選択することができる。通水部の厚みとしては、低波長の紫外線が十分に透過する厚みに形成することが好ましい。例えば、石英ガラスを使用する場合、30mmの厚みを超えると200nm以下の紫外線の透過率が90%未満となり、紫外線によるオゾンの発生量や水の分解による直接活性酸素種の発生量が減少し、ヒドロキシルラジカル(OH・)の発生効率が落ちるので好ましくない。
通水部の材質や流入する水の流量(流速)、紫外線の強度(光量)、超音波の強度、微細気泡の発生量等の条件によっても変わるが、通水路の幅を狭くすることで、流入する水と光触媒の単位時間当たりの接触面積を大きくすることができる。光触媒と水との境界面で起こる光触媒反応が効率的に行われるので、微細気泡の発生に超音波を用いた場合は振動が減衰し難く、ヒドロキシルラジカル(OH・)の発生効率がより高くなる。
光触媒は、通水路の通水面にコーティングでき、紫外線によりヒドロキシルラジカル(OH・)等の活性酸素種を生成できるものであればどのようなものでも良く、酸化チタン、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化ニオブ、酸化モリブデン、酸化バナジウム、硫化カドミウム等を用いることができる。
紫外線照射部で照射する紫外線の波長は180〜400nmが選択される。波長が400nmより長くなるにつれ、可視光となり光触媒の反応効率が悪くなる傾向にあり好ましくない。また、180nmより短くなるにつれ、水を直接活性酸素種に分解することができるが、通水部を透過できる紫外線の割合が減少し、結果的にヒドロキシルラジカル(OH・)の発生効率が悪くなる傾向にあり好ましくない。
紫外線照射部は、紫外線が照射できれば良く、水銀ランプやキセノンランプ、LEDランプ等を用いることができる。
微細気泡発生部としては、直径50μm以下の微細気泡を発生させることができればよく、超音波発振器や微細気泡発生器等を使用することができるが、水へのコンタミネーションが少ない超音波発振器を用いることが好ましい。直径が50μm以下の気泡は、通常の気泡のように水の表面ではじけて消えるのではなく、水中で徐々に縮小し消失する。その時に、水に溶存しているガス等を分解してヒドロキシルラジカル(OH・)等の活性酸素種を発生されるとともに、ナノサイズの気泡が残存するので、ヒドロキシルラジカル(OH・)等の活性酸素種を長時間保持し長寿命化することができる。
超音波発振器の周波数としては0.5MHz以上が好ましい。超音波の周波数が0.5MHzよりも小さくなるにつれて、指向性が無くなって拡散し易くなり、微細気泡の発生量が低下して、ヒドロキシルラジカル(OH・)を保持できる時間が減少する傾向にあり好ましくない。また、超音波発振器の振動子の素材としては特に限定はしないが、サファイアを用いることが望ましい。サファイアの振動子は耐久性が高く、長寿命でメンテナンス性に優れるからである。また、振動子が水と接触する場合、その接触面に光触媒をコーティングして使用しても良い。光触媒と水との接触面積が増えるので、より効率的にヒドロキシルラジカル(OH・)を発生させることができる。
微細気泡発生部は、微細気泡を通水部内の水に分散できればどのような位置に形成しても良い。但し、気泡は浮くので、微細気泡発生部は底部側に形成する方が好ましいが、超音波発振器を用いる場合は、通水部内の水全体を振動させることができれば底部側でも側面部でも良く、振動子は通水路に露出させても良いし、させなくても良い。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記通水路の幅が1〜4mmであること構成を有している。
この構成により、請求項1の作用に加え以下のような作用が得られる。
(1)通水路の幅が1〜4mmであるので、通水路の光触媒部と装置内の流入水との単位時間当たりの接触効率が良くなり、短時間で効率よくヒドロキシルラジカル(OH・)を発生させることができ、ヒドロキシルラジカル水の生成効率性に優れる。
通水路の幅は1〜4mmであることが好ましい。通水路の幅が1mmより狭くなるにつれ、装置の製造が困難になるとともに、通水路を通る際の水の抵抗が大きく水が流れ難いので、得られるラジカル水の量が大幅に減少する傾向にあり好ましくない。また、4mmより広くなるにつれ、オゾン水あたりの紫外線照射密度が少なくなるとともに、光触媒と接触するオゾン水の量が減少し、通水路を通過する水量に対して、ヒドロキシルラジカル(OH・)の発生量が少なく、ヒドロキシルラジカル(OH・)の含有量が低いラジカル水しか得られなくなる傾向にあり好ましくない。
通水路の高さは特に限定しないが、例えば微細気泡発生部として超音波発振器を装置の底部側に配設する場合は、超音波が十分に伝達して微細気泡発生の効果が得られる範囲で選択すれば良い。この場合、通水路を大きくし、処理能力を高める場合は、超音波発振器と水面までの距離が変化せず、超音波が減衰しない水平方向に通水路の長さを長くする方が効率良くヒドロキシルラジカル(OH・)を発生させることができるものと推測される。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2の発明であって、前記微細気泡発生部が前記通水部の底面側に配設され、前記微細気泡発生部から発生する微細気泡の移動方向と紫外線の照射方向が交差するように前記紫外線照射部が前記通水部の側方に配設される構成を有している。
この構成により、請求項1又は2の作用に加え以下の作用を有している。
(1)微細気泡発生部が通水部の底部側に連設されるので、発生させた微細気泡を装置に流入した水に効率良く接触させることができ、ヒドロキシルラジカル(OH・)等の活性酸素種の発生と保持を効率的に行うことができ、ヒドロキシルラジカル水の生成効率性に優れる。
(2)通水路側方に配設された紫外線照射部の紫外線の照射方向が、通水路の底部に配設された微細気泡発生部から発生する微細気泡の移動方向と交差しているので、超音波や紫外線を通水路全体に効率よく作用させることができ、ヒドロキシルラジカル(OH・)の発生効率を向上させることができる。
微細気泡発生部は、通水部の底面側に連設されることが望ましい。微細気泡は、通水部内の水の中を上昇しながら、水を分解するとともにナノレベルの微細気泡を発生させる。そのため、微細気泡発生部を通水部の底部側に連設し、底部側から微細気泡を発生させることで効率良くヒドロキシルラジカル(OH・)等の活性酸素種を発生させることができ、活性酸素種を微細気泡の内部に保持することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の内いずれか1に記載の発明であって、前記紫外照射部が、紫外線を反射させて前記光触媒部に照射するための紫外線反射板を備える構成を有している。
この構成により、請求項1乃至3の内いずれか1の作用に加え以下の作用を有している。
(1)紫外線反射板により紫外線を光触媒部に集めることができ、光触媒反応をより活性化でき、ヒドロキシルラジカル水の高品質性に優れる。
紫外線反射板は、紫外線反射率が80%以上のものが好ましく、アルミやステンレス等を用いることができる。
また、紫外線反射板に紫外線ランプ等の保持部を設け、紫外線照射部と一体化することで、紫外線ランプの交換時以外は紫外線ランプに直接触れることが少なく、安全性が得られる。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の内いずれか1に記載の発明であって、前記通水部が、前記通水路の前記微細気泡発生部側に拡開して形成された拡開部を備える構成を有している。
この構成により、請求項1乃至4の内いずれか1の作用に加え以下の作用を有している。
(1)微細気泡発生部からの微細気泡を通水路に集中させて導入することができるので、微細気泡の作用を向上させることができ、ヒドロキシルラジカル(OH・)の生成効率や微細気泡によるヒドロキシルラジカル(OH・)の保持量を増すことができるので、高濃度のヒドロキシルラジカル水を効率良く生成することができる。
また、通水路の拡開部は、微細気泡発生部から発生する微細気泡や超音波を通水路に集中させるように、微細気泡発生部側に向って拡開していればよく、その形状は円錐状も角錐状でもよい。
拡開部は通水部の超音波振動部側を5〜25°の角度で傾斜させ(拡開し)て形成することが望ましい。拡開部の一方の傾斜の角度が5°より小さくなるにつれ、超音波を集中させる効果が小さくなり、微細気泡の作用を高めることが出来なくなる傾向にあり好ましくない。また、角度が25°より大きくなるにつれ、拡開部に微細気泡や超音波が衝突して散乱し、通水路に導入され難くなって、微細気泡の作用が低減しやすくなる傾向にあり好ましくない。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5の内いずれか1に記載の発明であって、前記光触媒部が、前記通水路の通水面側表面に対向配置され、表面に光触媒がスパッタリングによりコーティングされた2枚の石英ガラス製の薄板で形成された構成を有している。
この構成により、請求項1乃至5の内いずれか1の作用に加え以下の作用を有している。
(1)石英ガラスは平滑度が高いので、止め具等を使わずとも水の表面張力で通水路に貼り付けて光触媒部を形成することができ生産性に優れるとともに、止め具等からの不純物の溶出の心配がなく、ヒドロキシルラジカル水の品質の安定性に優れる。
(2)光触媒部を形成する薄板の表面に光触媒がスパッタリングによりコーティングされているので、コーティング作業による不純物の混入が無く、光触媒部からの不純物の溶出の心配がなく、耐久性に優れる。
(3)石英ガラスは低波長側の紫外線の透過率が高く、通水部内に透過した紫外線による水の分解が起き易く、分解によってヒドロキシルラジカル(OH・)等の活性酸素種を効率的に発生させることができ、ヒドロキシルラジカル水の生成効率性に優れるとともに、ガラスの純度を高くすることにより、金属等の溶出も防止して、不純物の少ないヒドロキシルラジカル水を生成することができ、生成されるヒドロキシルラジカル水の高品質性に優れる。
ここで、ガラスは平滑度が高いので、平面のガラス同士を水で貼り付けた場合、平面と平行にスライドさせる以外には、大気圧や分子間結合により容易には剥がせない。そのため、通水部を薄板と同様の石英ガラスで形成することが好ましい。
薄板の厚さとしては、通水部の厚みと合わせて30mm以下にすることが望ましい。合計の厚みが30mmを超えると、200nm未満の紫外線透過率が90%未満となり、紫外線によるオゾンの発生量や水の分解による直接活性酸素種の発生量が減少し、ヒドロキシルラジカル(OH・)の発生効率が落ちるので好ましくない。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6の内いずれか1に記載の発明であって、前記流入口及び前記流入口に接続される流入路と、前記取出口及び前記取出口に接続される取水路と、がフッ素系樹脂で形成される構成を有している。
この構成により、請求項1乃至6の内いずれか1の作用に加え以下の作用を有している。
(1)水の流入口及び流入口に接続された流入路と、取出口及び取出口に接続された取水路がフッ素系樹脂で形成されることにより、金属等の溶出が殆ど無く、不純物の少ないヒドロキシルラジカル水を得ることができる。
(2)不純物が少なく、ヒドロキシルラジカル(OH・)等の活性酸素種が不純物と接触・反応して消失することがないので、高濃度のヒドロキシルラジカル水を得ることができる。
(3)不純物の混入が殆ど無く、また、他の物質と反応しても水に戻るだけで、環境負荷も小さく、半導体等の精密洗浄や食品類の殺菌等にも使用することができる安全性、環境保護性に優れたヒドロキシルラジカル水を生成することができる。
以上のように、本発明のヒドロキシルラジカル水生成装置によれば、以下のような有利な効果が得られる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)ヒドロキシルラジカル(OH・)の発生効率に優れ、ヒドロキシルラジカル(OH・)の保持時間が長く高濃度のヒドロキジラジカル水を得ることができるヒドロキシルラジカル水生成装置を提供することができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)流入水と光触媒との接触効率が良く、短時間で効率よくヒドロキシルラジカル(OH・)を発生させることができるヒドロキシルラジカル水生成装置を提供することができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)ヒドロキシルラジカル(OH・)等の活性酸素種と微細気泡が接触し易く、ヒドロキシルラジカル(OH・)を効率的に長時間保持することができるヒドロキシルラジカル水生成装置を提供することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3の内いずれか1の効果に加え、
(1)光触媒反応を活性化でき、安全性に優れるヒドロキシルラジカル水生成装置を提供することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4の内いずれか1の効果に加え、
(1)ヒドロキシルラジカル(OH・)の生成効率や保持量が高く、高濃度のヒドロキシルラジカル水を効率よく生成することができるヒドロキシルラジカル水生成装置を提供することができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1乃至5の内いずれか1の効果に加え、
(1)ヒドロキシルラジカル(OH・)等の活性酸素種を効率よく発生させることができるとともに、不純物の少ないヒドロキシルラジカル水を生成することができるヒドロキシルラジカル水生成装置を提供することができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項1乃至6の内いずれか1の効果に加え、
(1)ヒドロキシルラジカル(OH・)等の活性酸素種が消失し難く、高濃度のヒドロキシルラジカル水を得ることができるとともに、半導体等の精密洗浄や食品類の殺菌に使用することができるヒドロキシルラジカル水生成装置を提供することができる。
実施の形態1のヒドロキシルラジカル水生成装置を正面側から見た斜視図 実施の形態1のヒドロキシルラジカル水生成装置の要部断面正面図 実施の形態1のヒドロキシルラジカル水生成装置の要部断面側面図 実施の形態1のヒドロキシルラジカル水生成装置の要部断面正面図における紫外線照射部の拡大図 実施の形態1のヒドロキシルラジカル水生成装置の上流に超純水装置及びオゾン水生成装置を連設したヒドロキシルラジカル水生成システムの水の流れを示す概要図 比較例1のオゾン濃度を100%としたとき酸化剤の割合を示したグラフ クロロゲン酸の添加による酸化剤の濃度変化を示したグラフ 酸化還元電位の経時変化を示すグラフ フタル酸エステル類の残留割合を示したグラフ ヒドロキシルラジカル水の酸化還元電位に対する生成金属イオンの濃度を示すグラフ
本発明の実施の形態1におけるヒドロキシルラジカル水生成装置について、以下図面を参照しながら説明する。尚、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1のヒドロキシルラジカル水生成装置を正面側から見た斜視図であり、図2は実施の形態1のヒドロキシルラジカル水生成装置の要部断面正面図であり、図3は実施の形態1のヒドロキシルラジカル水生成装置の要部断面側面図であり、図4は実施の形態1のヒドロキシルラジカル水生成装置の要部断面正面図における紫外線照射部の拡大図である。
図1乃至図3において、1は実施の形態1のヒドロキシルラジカル水生成装置、1aはヒドロキシルラジカル水生成装置1の内部に収容されたヒドロキシルラジカル水生成部(図2)、1bはヒドロキシルラジカル水生成部1aの底板、2はヒドロキシルラジカル水生成部1aを支持するヒドロキシルラジカル水生成装置1の台部、3は台部2の底部に配設されたヒドロキシルラジカル水生成装置1の脚部、4は幅方向の中央部で長さ方向と平行に二分して形成されヒドロキシルラジカル水生成部1aを覆うように台部2上に覆設されたヒドロキシルラジカル水生成装置1の覆設部材、4aは台部2と覆設部材4の底辺との間に配設され覆設部材4を開閉自在に保持する覆設部材回動部、4bは覆設部材4の上面に配設され覆設部材4の開閉を固定する覆設部材掛止部、5は覆設部材4の側壁上部側にスリット状に形成された上部開口部、6は覆設部材4の内側に上部開口部5に対向するように配設され上部開口部5から外部への紫外線漏れを防止する上部遮断部(図2)、7は覆設部材4の側壁下部側にスリット状に形成された下部開口部、8は覆設部材4の内側に下部開口部7に対向するように配設され下部開口部7から外部への紫外線漏れを防止する下部遮断部(図2)、9は台部2の底部に形成され後述するヒドロキシルラジカル水生成部1aの通水部11に連通するフッ素樹脂製の流入口(図2、図3)、9aは流入口9に接続されヒドロキシルラジカル水生成部1aの内部に水を流入させるフッ素樹脂製の流入チューブ(図1、図2)、9bはヒドロキシルラジカル水生成部1aの底部に後述する超音波振動子27と密接するように形成され流入口9から流入した超純水やオゾン水等の水を溜める流入部(図2、図3)、9cは流入部9bとヒドロキシルラジカル水生成部1aの底部を連通させ流入部9bに溜った水を後述するヒドロキシルラジカル水生成部1aの通水部11に供給する給水部(図2)、10は流入口9と連設され台部2の底面側に固定されて0.5MHz以上の超音波を水に付与する微細気泡発生部としての超音波発振器(図1、図2)、10aは超音波発振器10の電源コード(図2、図3)、11は通水路12の幅が2mmとなるように石英ガラスで形成されたヒドロキシルラジカル水生成部1aの通水部(図2)、11aは通水部11の下端部を台部2の上面に固定する通水部固定部(図2)、11bは通水路12の下端側で超音波発振器10側に拡開して形成された通水部11の拡開部(図2)、11dは通水部11の上部に覆設された蓋部、13は少なくとも通水路12側の表面に酸化チタン等の光触媒がコーティングされた厚さ2mmの石英ガラスの薄板で形成され通水路12の通水面側に対向して貼り付けられた光触媒部(図2、図3)、14は石英ガラスで形成され光触媒部13の間隔位置を通水路12内で固定する光触媒部固定部(図2、図3)、15は通水部11の両外側に配設された紫外線照射部(図2、図3)、16は水銀ランプ係止部16aで固定された紫外線照射部15の波長185nmの複数の水銀ランプ(図2、図3)、17は左右両側の水銀ランプ16の外側を覆うように配設され水銀ランプ16から照射される紫外線を光触媒部13側に反射させる紫外線反射板(図2、図3)、18,18’は紫外線反射板螺合部18aにより左右それぞれの紫外線反射板17を保持する紫外線反射板固定部(図2、図3)、18bは台部2の上面と各々の紫外線反射板固定部18,18’の下端部を固定し台部2に対して紫外線反射板固定部18,18’を回動自在に保持する紫外線反射板回動部(図2)、19は一端が紫外線反射板固定部18の上端部に形成された回動部19aに回動自在に保持され他端が紫外線反射板固定部18’の上端部に形成された掛止部19bに係止されて紫外線反射板固定部18,18’の上端部を固定する紫外線反射掛止部(図2)、20はヒドロキシルラジカル水生成部1aの長手方向の両端部で通水部11の光触媒部13よりも上部側に形成されフッ素樹脂製の取出しチューブ20aが連結されたフッ素樹脂製のヒドロキシルラジカル水の取出口(図3)、21はヒドロキシルラジカル水生成部1aの長手方向の両側で取出しチューブ20aを支えるチューブ支持部(図3)、22は取出口20に取出しチューブ20aを挿通するために覆設部材4に形成されたチューブ挿通口(図1、図3)、23は通水部11の蓋部11dの長手方向中央部に形成されたオーバーフロー水排出孔(図2、図3)、23aはフッ素系樹脂で形成されオーバーフロー水排出孔23に嵌合されたオーバーフロー水排出部(図2、図3)、23bはフッ素系樹脂で形成されオーバーフロー水排出部23aに連結され通水部11からオーバーフローした水を排出するチューブである。
次に、実施の形態1のヒドロキシルラジカル水生成装置1の紫外線照射部15の詳細について説明する。
図4中、11cは通水路12の光触媒部13との接触面(通水面側)に段差状に形成され光触媒部13の下端部が係止される光触媒部係止部、24は通水部11の下端部両側に形成されたフランジ部、24aは通水部11のフランジ部24と台部2及び超音波発振器10を連結固定する合成樹脂製の通水部留め具、25a,25bはフランジ部24からの水漏れを防ぐためフランジ部24の上下にそれぞれ配設されたパッキン、26は通水部留め具24aとパッキン25aの間に配設されフランジ部24を強固に抑えるための押さえ板、27は超音波発振器10で超音波を発振するサファイア製の超音波振動子、28は給水部9cから供給され通水路12を流れる流水、29は紫外線照射部15から通水路12に照射される紫外線、30は超音波発振部10から流水28方向に出される周波数0.5MHz以上の超音波である。
ヒドロキシルラジカル水生成部1aに覆設される覆設部材4はステンレス製で、正面から見て上底10cm,下底15cm,高さ20cm程度の台形で奥行きが40cm程度に形成した。覆設部材4によって紫外線照射部15からの紫外線29が外部に漏れない。また、覆設部材4は覆設部材回動部4aにより開閉できるようなっているが、開閉方法はこれに限定されない。
上部開口部5及び下部開口部7は、紫外線の照射や超音波により発生する熱を冷ますための空気の給排気口であり、紫外線29が漏れないように上部遮断部6及び下部遮断部9を備えている。空気を導入又は排気ができれば位置や形状は限定されず、必要がなければ設けなくても良い。
流入口9や取出口20、オーバーフロー水排出部23a、各チューブ9a,20a,23bはフッ素系樹脂で形成されているが、ヒドロキシルラジカル水の使用用途によってはこの限りではなく、その他の合成樹脂や金属等を用いても良い。フッ素系樹脂は、活性酸素種の影響を受けず、且つ活性酸素種と反応しないのでヒドロキシルラジカル(OH・)等の活性酸素種を効率よく生成できるとともに、生成した活性酸素種の減少が少なくて済むので、好ましい。
また、通水部11の超音波振動器10側には、超音波30を集中させて通水路12へ送るための拡開部11bが形成される。これにより、超音波30や微細気泡を通水路12に集中することができる。また、フランジ部24との角度も緩やかとなり、フランジ部24と拡開部11bの境目で割れ難くなり好ましい。
拡開部11bは通水部11の通水路12の下端側から超音波振動器10側に向って5〜25°の角度で拡開させて形成した。拡開部11bの下に開いた傾斜の角度が5°より小さくなるにつれ、超音波30が集中させる効果が小さくなり、微細気泡の作用を高めることが出来なくなる傾向があり、角度が25°より大きくなるにつれ、超音波振動機10から照射される超音波30や微細気泡が拡張部11bに衝突して散乱し、通水路12に導入され難くなり、微細気泡の作用が小さくなる傾向があることがわかったためである。
通水路12の幅は2mmに形成しているが、これに限定されるものではなく、通水路12の幅は、通水部11の材質や流入する水の流量、紫外線29の強度(光量)、超音波30の強度、微細気泡の発生量等の条件によって適宜選択される。
光触媒部13は、通水部11の光触媒部係止部11cで係止され、光触媒部固定部14でズレ防止された状態で、流入する水の表面張力を利用して通水路12の通水面側に貼り付けられている。
光触媒部13への光触媒のコーティングにはスパッタリングを用いた。スパッタリングを用いることで、コーティングの際に不純物が混入し難く、コーティングが容易には剥がれなくなるためである。
超音波発振器10の周波数は0.5MHz以上とした。周波数が0.5MHz以下では50μm以下の微細気泡が発生し難く、消失時に発生するナノレベルの微細気泡の発生量や水の分解に伴うヒドロキシルラジカル(OH・)を含む活性酸素種の発生量が少なくなる傾向にあり、ヒドロキシルラジカル水の発生効率やヒドロキシルラジカル(OH・)の濃度の低下、保持時間の減少等が発生するおそれがあることがわかったためである。また、超音波発振器10の代わりに微細気泡発生器等を用いても良い。超音波発振器10は通水部11のどちらか一方の側面側に配置しても良い。この場合、紫外線照射部15は通水部11の他方の側面側に配置してあれば良い。
超音波発振器10の超音波振動子27は、耐久性を考えてサファイアを使用したが、石英等を用いても良い。また、超音波振動子27の表面に光触媒をコーティングしても良い。
紫外線照射部15において、水銀ランプ16には185nmの波長のものを用いているが、180〜400nmの波長であれば、用途によって254nmや306nm,365nm等の波長の水銀ランプを組み合わせても用いても良い。また、紫外線を照射することができればランプは特に限定されず、キセノンランプやLEDランプ等を使用することができる。
水銀ランプ16は、ガラス管のガラスが薄く直接扱うと破損の危険性があるが、水銀ランプ係止部16aを紫外線反射板固定部18,18‘に固定することで、紫外線反射板固定部18,18’の開閉とともに水銀ランプ16を動かすことができるので、水銀ランプ16の取替え以外には直接触ることが無く安全性が高い。尚、水銀ランプ係止部16aと紫外線反射板固定部18は別々に形成しても良い。
紫外線反射板17は、紫外線29の反射率が80%以上である素材を用いることが好ましい。紫外線反射板17を用いることで、紫外線29がヒドロキシルラジカル水生成部1aの外部に漏れ難くなるとともに、紫外線29を光触媒部13に集めることができるので、光触媒の活性効率や活性酸素種の発生効率を増すことができる。紫外線反射板17に用いられる素材としてはアルミニウム、ステンレス等を用いることができる。紫外線反射板17の形状については、光触媒部13に紫外線を反射することができればどのような形状でも良い。
紫外線反射板固定部18は紫外線反射板17と一体になるよう固定されており、紫外線反射板固定部18と同時に紫外線照射部15を開閉できるようになっている。これは、紫外線反射板17が水銀ランプ16により熱を持ち、直接触ると火傷する恐れがあるからである。紫外線反射板17及び紫外線反射板固定部18は必要が無ければ設けなくても良い。
図5は実施の形態1のヒドロキシルラジカル水生成装置の上流に超純水装置及びオゾン水生成装置を連設したヒドロキシルラジカル水生成システムの水の流れを示す概要図である。
図5において、ヒドロキシルラジカル水生成部1aの通水部11に水を供給するための流入口9(図2,3参照)の上流側に超純水製造装置31を連設することで不純物の少ないヒドロキシルラジカル水を得ることができる。また、超純水製造装置31の下流にオゾン水生成装置32を連設することで、オゾンが紫外線により分解されヒドロキシルラジカル(OH・)を発生させるので、よりヒドロキシルラジカル(OH・)の発生効率が増し、ヒドロキシルラジカル(OH・)の濃度を高めることができる。
以上のように構成された本実施の形態1のヒドロキシルラジカル水生成装置1の使用方法を図4及び図5を用いて説明する。
給水ポンプ(図示せず)によって、超純水製造装置31とオゾン水生成装置32を経てヒドロキシルラジカル水生成装置1内に流入し通水部11の底部の流入部9bに流入したオゾン水は給水部9cから通水路12を上部に向かって流れ、通水部11と連接した超音波発振器10により流水28に0.5MHz以上の超音波30が負荷される。この際、超音波30によって発生したマイクロ或いはナノレベルの微細気泡内で水が分解され、(化1)に示す反応が起こり、ヒドロキシルラジカル(OH・)等の活性酸素種が発生する。
超音波30が負荷された流水28は、光触媒部13に達したところで、紫外線照射部15による185nmの紫外線29で(化1)に示す水分解反応が起こるとともに、光触媒部13表面で光触媒反応によって(化2)や(化3)に示す反応が起こり、ヒドロキシルラジカル(OH・)を含む活性酸素種が発生する。
また、流水28中に発生したヒドロキシルラジカル(OH・)は、超音波発振器10の発する超音波30によって発生した微細気泡内に保持される。
さらに、流水28にオゾンを含ませることにより、(化4)に示す紫外線によるオゾンの分解反応と、それに伴う水と励起酸素原子の反応や(化5)に示すオゾンと水素ラジカルとの反応によりヒドロキシルラジカル(OH・)が生成されるので、より効率的に高濃度のヒドロキシルラジカル水を得ることができる。
以上のように、本実施の形態1におけるヒドロキシルラジカル水生成装置は構成されているので、以下のような作用が得られる。
(1)UVC(200〜280nm)の範囲又はそれ以下の波長の紫外線を用いても、覆設部材4や各遮断部(6,9),紫外線反射板17等により紫外線が外部に漏れないため、紫外線による健康被害が起きず安全性に優れる。
(2)覆設部材4に開口部(5,7)が形成されているので、水銀ランプ16が発生する熱の放熱及び冷却効率が高い。
(3)超音波30等による微細気泡及び紫外線29,光触媒によってヒドロキシルラジカル(OH・)を発生させるので、ヒドロキシルラジカル(OH・)の発生効率が良く、装置に流水を通すだけで高濃度のヒドロキシルラジカル水を得ることができる。また、生成するヒドロキシルラジカル(OH・)が超音波によって発生する微細気泡内に保持されるので、水中にヒドロキシルラジカル(OH・)を長時間保持することができる。
(4)取出口20が光触媒部13より上部側に形設されるので、ヒドロキシルラジカル水生成部1aの底部に形成された給水部9cから流入する水を通水部11で十分に反応させることでき、ヒドロキシルラジカル水生成部1aに水を1度通すだけでもヒドロキシルラジカル(OH・)の濃度が高いヒドロキシルラジカル水を得ることができる。
(5)通水路12の幅が2mmに形成されているので、光触媒がコーティングされた光触媒部13と流水28との接触効率が良くなり、短時間で効率よくヒドロキシルラジカル(OH・)を発生させることができる。
(6)通水部11及び光触媒部13に紫外線の透過率が高い石英ガラスを使用しているので、光触媒反応が進行し易く、金属等の溶出もないので、不純物の少ないヒドロキシルラジカル水を生成することができる。
(7)超音波発振器10が通水部11の底部側に連設されるので、流水28が通水部11に入って直ぐに微細気泡と効率的に接触することができ、光触媒反応等で発生させたヒドロキシルラジカル(OH・)等の活性酸素種を効率的に保持することができる。
(8)流水28の取出口20が光触媒部13の上部側にあり、通水部11の底面側から微細気泡を発生させるので、微細気泡がヒドロキシルラジカル(OH・)等の活性酸素種と接触し易く微細気泡に保持され易いので、高濃度のヒドロキシルラジカル(OH・)を長時間保持することができる。
(9)紫外線反射板17により紫外線29を通水部11に集めることができ、光触媒反応をより活性化できる。
(10)紫外線反射板17と水銀ランプ係止部16aを一体に形成することで、メンテナンス時にガラスの薄い水銀ランプ16を直接触る必要がなくなるので安全性に優れる。
(11)流水28の流入口9と取出口20、これらと連接するチューブ(9a,20a)がフッ素系樹脂で形成されるので、流水28に金属等の溶出が起き難く、不純物の少ないヒドロキシルラジカル水を得ることができる。また、不純物が少ないのでヒドロキシルラジカル(OH・)等の活性酸素種が消失し難く、高濃度のヒドロキシルラジカル水を得ることができる。
(12)拡開部11bで超音波発振器10によって発生した微細気泡を通水路12に集中させて導入することができるので、微細気泡の作用を向上させることができ、ヒドロキシルラジカル(OH・)の生成効率や微細気泡によるヒドロキシルラジカル(OH・)の保持量を増すことができるので、高濃度のヒドロキシルラジカル水を効率良く生成することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。尚、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1,比較例1)
超純水製造装置31(日本ミリポア社製、Milli−QSP)、オゾン水生成装置32(エコデザイン株式会社製,ED−OW−7)を準備し、図5に示した概要図と同じ構成となるように、実施の形態1のヒドロキシルラジカル水生成装置1の上流側に連設した。水銀ランプ16に低圧水銀ランプ(株式会社栗原工業製,25−8UV−LAMP)と、超音波発振器10に周波数1MHzの超音波発振器(本多電子株式会社製,W−357LS−160)を用いた。
流量0.9L/minの条件で超純水装置31から得られた超純水に、オゾン水生成装置32内で発生させたオゾンを溶解させ、濃度6mg/Lのオゾン水を生成した。このオゾン水を比較例1とした。(比較例1)
次に、得られたオゾン水を低水銀ランプ及び超音波発振器の電源を入れた状態のヒドロキシルラジカル水生成装置に導入し、紫外線及び紫外線が照射された光触媒並びに超音波を作用させることで得られた試験水を実施例1とした。(実施例1)
(比較例2)
ヒドロキシルラジカル水生成装置1の水銀ランプ16及び超音波発振器10の電源を入れず、オゾン水に紫外線を照射せず、かつ、超音波を作用させずに光触媒に接触させることで得られた水を比較例2とした。
(比較例3)
ヒドロキシルラジカル水生成装置1の光触媒部13を取り外し、超音波発振器10のみ電源を入れ、オゾン水に紫外線を照射せず、かつ、光触媒と接触させずに超音波のみを作用させることで得られた水を比較例3とした。
(比較例4)
ヒドロキシルラジカル水生成装置1の超音波発振器10の電源のみを入れ、オゾン水に紫外線を照射せず、超音波を作用させ、かつ、光触媒と接触させることで得られた水を比較例4とした。
(比較例5)
ヒドロキシルラジカル水生成装置1の光触媒部13を取り外し、水銀ランプ16のみ電源を入れ、オゾン水に超音波を作用させず、かつ、光触媒と接触させずに紫外線を照射することで得られた水を比較例5とした。
(比較例6)
ヒドロキシルラジカル水生成装置1の水銀ランプ16のみ電源を入れ、オゾン水に超音波を作用させず、紫外線を照射し、かつ、紫外線が照射された光触媒と接触させることで得られた水を比較例6とした。
(比較例7)
ヒドロキシルラジカル水生成装置1の光触媒部13を取り外し、水銀ランプ16及び超音波発振器10の電源を入れ、オオゾン水を光触媒と接触させずに紫外線を照射し、かつ、超音波を作用させることで得られた水を比較例7とした。
(比較例8)
超純水を直接ヒドロキシルラジカル水生成装置1に連接し、水銀ランプ16及び超音波発振器10の電源を入れず、超純水に紫外線を照射せず、かつ、超音波を作用させずに光触媒を接触させることで得られた水を比較例8とした。
(比較例9)
超純水製造装置31から得られた超純水を比較例9とした。
(比較例10)
水道水を比較例10とした。
試験水1,比較例1乃至10と作用させた構成の一覧を表1に示す。
(酸化剤の定量)
実施例及び各比較例に含まれる酸化剤の割合を調べるためオゾン濃度の変化を確かめた。
まず、実施例1及び比較例1〜7の試験水を各々1L準備し、ヨウ化カリウム(林純薬工業株式会社製)を2g添加して撹拌し、20℃の室温で20分間静置して十分に反応させ、1.58mg/Lのチオ硫酸ナトリウム(和光純薬工業株式会社製)で滴定して、酸化剤によって遊離したヨウ素の消費量を定量した。ヨウ素消費量の結果から得られた酸化剤の濃度をオゾン濃度に換算した結果を図6に示す。
図6は比較例1のオゾン濃度を100%としたとき酸化剤の割合を示したグラフである。
図6より、比較例1及び2の試験水の割合が100%であることから、オゾン水と光触媒を接触させただけでは、酸化剤の割合が変化しないことが分かった。比較例3及び4の試験水は、比較例1の試験水に比べ、酸化剤の割合は55%程度であり、酸化剤の濃度割合に殆ど変化がないことから、比較例3及び4の試験水では超音波のみが酸化剤の割合に影響していると考えられ、オゾン水に1MHzの超音波を当てることで、酸化剤の割合(オゾンの割合)が減少することが分かった。比較例1乃至4の試験水に紫外線を作用させたものである比較例5乃至7及び実施例1において、オゾン水に紫外線を照射した比較例5の試験水は酸化剤の割合が15%程度まで減少しており、比較例3及び4の試験水に比べて急激に減少していることが分かった。このことから、紫外線によりオゾンが分解されているものと推測される。また、光触媒と紫外線照射を組み合わせた比較例6試験水では酸化剤の割合が10%程度であり、比較例5の試験水と比べて酸化剤の割合が減少しているが、比較例7及び実施例1の試験水の酸化剤の割合から分かるように、オゾン水に作用させた条件(光触媒との接触や超音波の作用)が増えることで酸化剤の割合が高くなる傾向にあることが分かった。
これらのことから、オゾン水に紫外線や超音波を作用させることで、オゾンが分解されるとともに、紫外線が照射された水にはオゾン以外の酸化剤が生成されているものと推測される。更に、超音波や紫外線による水の分解反応や、光触媒反応によって活性酸素種が生成されることが知られていることから、オゾン以外の酸化剤は活性酸素種であると推測される。
(活性酸素種の定性)
オゾン以外の酸化剤がどの活性酸素種であるかを調べるために、比較例4及び6、実施例1の試験水を各々100μL準備し、ヒドロキシルラジカル(OH・)の補足能を持つクロロゲン酸1.77gを添加した。添加前後の試験水にルミノール100μgを添加し、化学発光測定装置(アトー株式会社製、ルミネッセンサーOcta AB−2270)を用いて測定したルミノールの発光量からクロロゲン酸の添加前後の酸化剤の量を測定した。その結果を図7に示す。
図7はクロロゲン酸の添加による酸化剤の濃度変化を示したグラフである。
測定値は、ルミノールの発光量から求めた酸化剤の濃度を、酸化剤の種類に関係なくオゾン濃度として換算したものである。図7から、実施例1と比較例4及び6の試験水全てでクロロゲン酸を添加した後の試験水の酸化剤の濃度が減少していることから、オゾン以外の酸化剤がヒドロキシルラジカル(OH・)であることが確認された。
また、比較水4の試験水では、クロロゲン酸の添加後も酸化剤が残っていることから、オゾンとヒドロキシルラジカル(OH・)の混合溶液であることが分かった。これに対して、比較例6及び実施例1の試験水では、クロロゲン酸の添加によって酸化剤が無くなっていることから、酸化剤が全てヒドロキシルラジカル(OH・)であることが分かった。
これらの結果から、紫外線を照射することでオゾンは分解されているものと推測される。さらに、図6から、比較例6の試験水に比べて、実施例1の試験水の酸化剤の濃度が高いことから、紫外線や光触媒,超音波を組み合わせることで、高濃度のヒドロキシルラジカル(OH・)を水中に生成することができることが分かった。
(酸化還元電位の経時変化の測定)
ラジカル水中のヒドロキシルラジカル(OH・)の寿命を調べるために、光触媒が作用している比較例1,4,6,8,10及び実施例1の試験水を各々0.3L準備して、酸化還元電位計(Lutron Electronic Enterprise社製YK−23RP)を用いて25℃の室内で酸化還元電位の経時変化を測定した。結果を図8に示す。
図8は、酸化還元電位の経時変化を示すグラフである。
図8より、オゾンのみを含有す比較例1の試験水において、酸化還元電位の減少は緩やかであり、測定開始から60分後も1000mVから殆ど値が変わらなかった。オゾンとヒドロキシルラジカル(OH・)の両方を含有する比較例4の試験水では、測定開始から60分間の間に徐々に酸化還元電位が減少し、1000mV程度から800mV程度に約2割の減少がみられた。また、ヒドロキシルラジカル(OH・)のみを含有する比較例6及び実施例1の試験水では、5分後までの間に徐々に酸化還元電位が減少し、それ以降の減少は緩やかであった。比較例8及び10の試験水は、測定開始から60分後まで酸化還元電位に変化は見られなかった。
実施例1の試験水の酸化還元電位はヒドロキシルラジカル(OH・)が無くなれば超純水と殆ど変わらないと考えられる。実施例1の試験水の酸化還元電位は、60分後に超純水と同じであると考えられる比較例8の試験水と同程度の値を示していることから、実施例1の試験水中のヒドロキシルラジカル(OH・)の酸化力は、水中で5分間以上は残存していることが示された。
(有機物分解性試験)
ヒドロキシルラジカル水の有機物の分解性を調べるために、実施例1及び比較例1,9の試験水を各々0.2L準備し、1.7×10-3mg/Lのフタル酸ジブチル及びフタル酸n−ジオクチル各0.34μgを混合して撹拌し、20℃で1分間反応させた。その後、フタル酸エステル類の残留割合をガスクロマトグラフ/質量分析計(Agilent Technologies社製7683B Series Injector−7890A GC System−5975C Inert XL EI/Ci MSD)を用いて測定した。この時、オゾン水生成装置通過後の水のオゾン濃度は6.5〜6.7mg/Lとした。結果を図9に示す。
図9は、フタル酸エステル類の残留割合を示したグラフである。図9の測定値は、比較例9におけるフタル酸エステル類の濃度を100%とした時の割合である。また、比較例1のオゾン水の濃度と、実施例1のヒドロキシルラジカル(OH・)の濃度が異なるので、比較水1のオゾンの濃度と実施例1のヒドロキシルラジカル(OH・)の濃度が同じになるように、実施例1の測定結果を換算してある。
図9より、比較例1の試験水は、フタル酸ジブチルで約10%、フタル酸n−ジオクチルで20%弱であった。それに対し、実施例1の試験水ではフタル酸ジブチルで約6%、フタル酸n−ジオクチルで10%強であった。このことから、実施例1の試験水のヒドロキシルラジカル水はオゾン水よりも有機物の洗浄能力が高いことが確認された。
(金属溶解性試験)
ヒドロキシルラジカル水の金属に対するイオン化能力を調べるため、亜鉛粉末0.051gと銅粉末0.051g、銀粉末0.05を準備した。亜鉛粉末は実施例1の試験水200mLと混合し、銅粉末及び銀粉末は実施例1の試験水90mLと混合して、25℃で30分間撹拌し、十分に反応させ、反応後の各金属イオン濃度を測定したこの時、オゾン水生成装置通過後の水のオゾン濃度は6.5〜6.7mg/Lとした。結果を図10に示す。
尚、ヒドロキシルラジカル水の濃度は時間とともに減少するとともに、金属との反応によってもヒドロキシルラジカル(OH・)の濃度に差がでるため、酸化還元電位計(Lutron Electronic Enterprise社製YK−23RP)で、酸化還元電位を測定しながら金属粉末を反応させ、酸化還元電位をヒドロキシルラジカル(OH・)の濃度とした。
図10は、ヒドロキシルラジカル水の酸化還元電位に対する生成金属イオンの濃度を示すグラフである。図10につき、イオン化した銀の濃度が低かったため、銀については実測値の100倍の値となっている。
図10より、銅及び銀では、酸化還元電位が大きくなるにつれ、金属イオン濃度も高くなる傾向にあり、正の相関があることが確認された。
また、亜鉛はイオン化し易いため、ヒドロキシルラジカル(OH・)の濃度と金属イオン濃度に相関関係は見られなかった。しかし、亜鉛の場合は、酸化還元電位が比較的低い場合でも、金属イオン濃度は高いという傾向が確認された。
これらのことから、ヒドロキシルラジカル水は、金属のイオン化にも有効であり、イオン化傾向の小さい金属においても洗浄効果を有するとともに、亜鉛以外の両性元素(アルミや錫、鉛)にも洗浄効果が期待できることが確認された。
本発明は、効率良くヒドロキシルラジカル(OH・)を発生させることができ、装置からの金属イオン等の不純物の溶出が少なくコンタミネーションがないので、ヒドロキシルラジカル(OH・)を長時間含有することができるとともに、連続式に処理することができるので、半導体等の精密洗浄や衛生性が重視される調理器具や食品類の殺菌、水洗便器等の殺菌、病院施設等における器具類や手の殺菌等にも用いることができるヒドロキシルラジカル水生成装置を提供することができる。
1 ヒドロキシルラジカル水生成装置
1a ヒドロキシルラジカル水生成部
1b 底板
2 台部
3 脚部
4 覆設部材
4a 覆設部材回動部
4b 覆設部材掛止部
5 上部開口部
6 上部遮断部
7 下部開口部
8 下部遮断部
9 流入口
9a 流入チューブ
9b 流入部
9c 給水部
10 超音波発振器
10a 電源コード
11 通水部
11a 通水部固定部
11b 拡開部
11c 光触媒部係止部
11d 蓋部
12 通水路
13 光触媒部
14 光触媒部固定部
15 紫外線照射部
16 水銀ランプ
16a 水銀ランプ係止部
17 紫外線反射板
18,18’ 紫外線反射板固定部
18a 紫外線反射板螺合部
18b 紫外線反射板回動部
19 紫外線反射板掛止部
19a 回動部
19b 掛止部
20 取出口
20a 取出しチューブ
21 チューブ支持部
22 チューブ挿通口
23 オーバーフロー水排出孔
23a オーバーフロー水排出部
23b 排出チューブ
24 フランジ部
24a 通水部留め具
25a,25b パッキン
26 押さえ板
27 超音波振動子
28 流水
29 紫外線
30 超音波
31 超純水製造装置
32 オゾン水生成装置
33 ヒドロキシルラジカル水生成システム

Claims (7)

  1. 紫外線域の光透過性を有する通水部と、前記通水部を流れる水が接触する光触媒部と、前記通水部に水を供給する給水部と、を有し、紫外線を照射することによる前記水の分解反応と、前記光触媒部の光触媒反応とによってヒドロキシラジカルを生成し、前記水中に発生させた微細気泡にヒドロキシラジカルを保持させるヒドロキシラジカル水生成装置において、(a)前記通水部が、紫外線透過性素材により形成され通水面側にコーティングされた光触媒により前記光触媒部が形成された通水路と、前記水の流入口及び取出口と、を有し、(b)前記通水部の周囲に1乃至複数個配設され前記通水路に紫外線を照射する紫外線照射部と、(c)前記通水部に連設され、前記微細気泡を発生させる微細気泡発生器又は周波数0.5MHz以上の超音波を前記水及び前記光触媒に付与する超音波発振器を用いた微細気泡発生部と、を備え、前記取出口が前記光触媒部より上部側に連設されることを特徴とするヒドロキシラジカル水生成装置。
  2. 前記通水路の幅が1〜4mmであることを特徴とする請求項1に記載のヒドロキシラジカル水生成装置。
  3. 前記微細気泡発生部が前記通水部の底面側に配設され、前記微細気泡発生部から発生する微細気泡の移動方向と紫外線の照射方向が交差するように前記紫外線照射部が前記通水部の側方に配設されることを特徴とする請求項1又は2に記載のヒドロキシラジカル水生成装置。
  4. 前記紫外照射部が、紫外線を反射させて前記光触媒部に照射するための紫外線反射板を備えることを特徴とする請求項1乃至3の内いずれか1に記載のヒドロキシラジカル水生成装置。
  5. 前記通水部が、前記通水路の前記微細気泡発生部側に拡開して形成された拡開部を備えることを特徴とする請求項1乃至4の内いずれか1に記載のヒドロキシラジカル水生成装置。
  6. 前記光触媒部が、前記通水路の通水面側表面に対向配置され、表面に光触媒がスパッタリングによりコーティングされた2枚の石英ガラス製の薄板で形成されたことを特徴とする請求項1乃至5の内いずれか1に記載のヒドロキシラジカル水生成装置。
  7. 前記流入口及び前記流入口に接続される流入路と、前記取出口及び前記取出口に接続される取水路と、がフッ素系樹脂で形成されることを特徴とする請求項1乃至6の内いずれか1に記載のヒドロキシラジカル水生成装置。
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