JP5795944B2 - 水浄化装置 - Google Patents
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- Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
Description
水中の有機物や細菌を除去する水の浄化は、一般的に水中に薬剤等の物質を拡散させることにより行われている。しかし、薬剤を水中に拡散させて水を浄化した場合、薬剤の一部が浄化した水中に残留してしまうという問題がある。また、薬剤を浄化する水中に投入し、浄化後、投入した薬剤を浄化水から除去するという処理が必要となるため、浄化装置が大型化し、浄化コストが上昇するという問題がある。
そこで、気泡と銀イオンを水に拡散させ殺菌水を製造する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、正コロナ放電により発生させた正イオンと負コロナ放電により発生させた負イオンとを空気中の浮遊するカビ菌などに付着させ、発生させた活性種によりカビ菌を除去する空気浄化装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、低コストで水を浄化することができる水浄化装置を提供する。
本発明によれば、大気中における負コロナ放電により発生させる負イオンを含む空気を生成する第2空気生成部と、第2空気生成部により生成した空気の気泡を水中に生成する第2気泡生成部とを備えるため、水中に負イオンを含む空気の気泡を生成することができる。
本発明によれば、第1および第2気泡生成部は、第1および第2気泡生成部においてそれぞれ生成された気泡が浄化対象の水中に供給されるように設けられるため、正イオンを含む気泡と、負イオンを含む気泡とを浄化対象の処理水中に供給することができる。このことにより、処理水中で正イオンを含む気泡と負イオンを含む気泡とを合体させることができる。これらの気泡が合体すると、処理水中で気泡中の正イオンと負イオンとを反応させることができ、処理水中に活性種を発生させることができる。この活性種により処理水中の有機物や細菌を酸化除去することにより、処理水を浄化することができる。浄化に用いた正イオン、負イオン、活性種は残留性がないため、これらを除去する必要がなく低コストで処理水を浄化することができる。
また、正イオンを含む気泡を生成する第1気泡生成部と、負イオンを含む気泡を生成する第2気泡生成部とを別々に設けることにより、正イオンと負イオンとを狭い空間に閉じ込めることなく正イオンを含む気泡と負イオンを含む気泡とを生成することができる。このため、気泡を生成する前に正イオンと負イオンとが会合し失活することを防止することができる。
このような構成によれば、第1および第2気泡生成部が生成する気泡を長時間水中に滞在させることができ、本発明の水浄化装置の浄化能力を高くすることができる。
本発明の水浄化装置において、第1空気生成部で生成した空気を第1気泡生成部に供給する第1空気流路と、第2空気生成部で生成した空気を第2気泡生成部に供給する第2空気流路とをさらに備え、第1空気流路は、正の電位に維持できる内壁を有し、第2空気流路は、負の電位に維持できる内壁を有することが好ましい。
このような構成によれば、第1または第2空気生成部と第1または第2気泡生成部とを間隔をおいて設けることができる。このことにより、第1または第2空気生成部に水が浸入することによる漏電や故障を防止することができる。また、第1または第2空気流路の内壁に正イオンまたは負イオンが接触することによる正イオンまたは負イオンの失活を抑制することができる。
このような構成によれば、第1空気流路の内壁に正イオンが付着することにより、第1空気流路の内壁を正の電位に維持することができ、第2空気流路の内壁に負イオンが付着することにより、第2空気流路の内壁を負の電位に維持することができる。
本発明の水浄化装置において、第1または第2空気流路の内壁に電圧を印加する電源回路をさらに備えることが好ましい。
このような構成によれば、電源回路により印加される電圧により、第1空気流路の内壁を正の電位に維持することができ、第2空気流路の内壁を負の電位に維持することができる。
このような構成によれば、第1および第2気泡生成部においてそれぞれ生成された気泡を浄化槽中の処理水に供給することができ、浄化槽中の処理水を浄化することができる。
本発明の水浄化装置において、前記浄化槽は、浄化する水が流れる浄化槽流路を内部に備え、第1および第2気泡生成部は、前記浄化槽流路に並んで生成した気泡を供給することが好ましい。
このような構成によれば、浄化槽の処理水中の有機物や細菌に正イオンを含む気泡または負イオンを含む気泡のうち一方を先に吸着させ、その後正イオンを含む気泡と負イオンを含む気泡とを合体させることができるため、有機物や細菌の表面近傍で活性種を発生させることができる。このことにより、有機物や細菌を効率よく除去することができる。
このような構成によれば、仕切り板により浄化槽流路を形成することができる。また、浄化槽流路を長くすることができ、水浄化装置の浄化能力を高くすることができる。
本発明の水浄化装置において、第1および第2気泡生成部は、前記浄化槽流路に交互に並んで生成した気泡を供給することが好ましい。
このような構成によれば、浄化槽の処理水中の有機物や細菌に正イオンを含む気泡または負イオンを含む気泡のうち一方を先に吸着させ、その後正イオンを含む気泡と負イオンを含む気泡とを合体させることができるため、有機物や細菌の表面近傍で活性種を発生させることができる。このことにより、有機物や細菌を効率よく除去することができる。
このような構成によれば、攪拌器により浄化槽の処理水を攪拌することができ、正イオンを含む気泡および負イオンを含む気泡により処理水中の有機物や細菌を効率よく除去することができる。
本発明の水浄化装置において、前記浄化槽は、浄化する水を循環させる循環流路を備えることが好ましい。
このような構成によれば、処理水を浄化槽により繰り返し浄化することが可能になる。
本発明の水浄化装置において、前記浄化槽は、内壁に光触媒層を有し、かつ、前記光触媒層に光を照射する光源を有することが好ましい。
このような構成によれば、正イオンを含む気泡および負イオンを含む気泡により発生させる活性種による浄化に加え、浄化槽内壁の光触媒層で発生させる活性種により処理水を浄化することができる。
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。図面や以下の記述中で示す構成は、例示であって、本発明の範囲は、図面や以下の記述中で示すものに限定されない。
図1〜5は、それぞれ本発明の一実施形態の水浄化装置の構成を示す概略断面図などである。なお、図1〜4は、水浄化装置25に含まれる浄化槽1の処理水の水面に垂直な断面の図であり、図5は、水浄化装置25に含まれる浄化槽1の処理水の水面に平行な断面の図である。
本実施形態の水浄化装置25は、大気中における正コロナ放電により発生させる正イオンを含む空気を生成する第1空気生成部3と、大気中における負コロナ放電により発生させる負イオンを含む空気を生成する第2空気生成部4と、第1空気生成部3により生成した空気の気泡を水中に生成する第1気泡生成部6と、第2空気生成部4により生成した空気の気泡を水中に生成する第2気泡生成部7とを備え、第1および第2気泡生成部6、7は、第1および第2気泡生成部6、7においてそれぞれ生成された気泡が浄化対象の水中に供給されるように設けられたことを特徴とする。
また、本実施形態の水浄化装置25は、浄化槽1をさらに有してもよい。
以下、本実施形態の水浄化装置25について説明する。
第1空気生成部3は、大気中における正コロナ放電により発生させる正イオンを含む空気を生成する部分であり、第2空気生成部4は、大気中における負コロナ放電により発生させる負イオンを含む空気を生成する部分である。
「大気中における正コロナ放電により発生させる正イオン」とは、大気中に正極性コロナを発生させることにより生じる正イオンであり、水素イオン(H+)の周囲に複数の水分子が集合したクラスターイオンであると考えられる。また、この正イオンは、H+(H2O)m(mは自然数)で表すことができると考えられる。このような正イオンは、大気中で正極放電電極と負極放電電極との間に電圧を印加し、正極放電電極の近傍で正極性コロナを発生させることにより、空気中に発生させることができる。
また、第1空気生成部3は筐体を備えることができる。このことにより、前記正イオンを含む空気を漏れなく第1気泡生成部6に供給することができる。なお、この筐体の内壁は、高い電気抵抗を有してもよい。このことにより、筐体の内壁が正の電位に帯電することができ、正イオンが筐体の内壁に接触し失活することを防止することができる。
さらに、図2のように第1空気生成部3と第1気泡生成部6は、一体化されていてもよい。
また、第2空気生成部4は筐体を備えることができる。このことにより、前記負イオンを含む空気を漏れなく第2気泡生成部7に供給することができる。なお、この筐体の内壁は、高い電気抵抗を有してもよい。このことにより、筐体の内壁が負の電位に帯電することができ、負イオンが筐体の内壁に接触し失活することを防止することができる。
さらに、図2のように第2空気生成部4と第2気泡生成部7は、一体化されていてもよい。
また、空気供給部10は、第1空気生成部3内および第2空気生成部4内の圧力が大気圧より高くなるように設けることができる。このことにより、第1空気生成部3で生成した空気を第1気泡生成部6により気泡とすることができ、第2空気生成部4で生成した空気を第2気泡生成部7により気泡とすることができる。
空気供給部10は、例えば、エアコンプレッサーやファンなどである。
また、図5に示した水浄化装置25のように1つの第1空気生成部3に対して複数の第1気泡生成部6を設けることができ、また、1つの第2空気生成部4に対して複数の第2気泡生成部7を設けることができる。このことにより、浄化する処理水中に供給する気泡の量を多くすることができ、水浄化装置25の浄化能力を高くすることができる。
帯電層は、例えば、高い電気抵抗を有する材料からなるフィルムまたは絶縁体からなる薄いフィルムであってもよい。
第1気泡生成部6は、第1空気生成部3により生成した空気の気泡23を水中に生成する部分であり、第2気泡生成部7は、第2空気生成部4により生成した空気の気泡24を水中に生成する部分である。
水浄化装置25は、図1〜3のように第1気泡生成部6および第2気泡生成部7とそれぞれ1つずつ有してもよく、図4のように第1気泡生成部6および第2気泡生成部7のうちどちらか一方を複数有してもよく、第1気泡生成部6および第2気泡生成部7をそれぞれ複数有してもよい。
また、第1気泡生成部6および第2気泡生成部7は、水を渦流させその中に第1空気生成部6または第2空気生成部4により供給された空気を巻き込みファンなどにより気泡を切断するように設けられてもよい。
なお、本発明においてマイクロバブルとは、直径分布のピークが50μm以下の気泡をいう。
また、第1気泡生成部6および第2気泡生成部7は、気泡が形成された水を浄化する水中に供給するように設けられてもよく、気泡を直接浄化する水中に形成するように設けられてもよい。
また、第1気泡生成部6により生成した気泡23を含む水と、第2気泡生成部7により生成した気泡24を含む水は、混合して浄化する水に供給してもよい。このことにより正イオンを含む気泡23と負イオンを含む気泡24とが浄化する水中で合体しやすくなり、活性種を発生しやすくなる。
水浄化装置25は浄化槽1を備えることができる。水浄化装置25が浄化槽1を備えない場合、水浄化装置25は、水に接触するように設置できるように設けることができる。例えば、浴槽、水槽、池、川、海などの水に水浄化装置25を接触するように設置することにより、これらの水中に正イオンを含む気泡23と負イオンを含む気泡24とを供給することができ、これらの水を浄化することができる。
浄化槽1は処理水流入口17と処理水排出口18とを備えることができる。処理水流入口17から浄化前の処理水を浄化槽1に流入させることができ、処理水排出口18から浄化後の処理水を浄化槽1から排出させることができる。このことにより、水浄化装置25により連続的に処理水を浄化することができる。
なお、浄化槽流路31は、例えば、図3、4のように浄化槽1内に仕切り板30を設けることにより形成することができる。また、図5のように、浄化槽1を細長い形状にすることにより浄化槽流路31を形成してもよい。また、浄化槽流路31を長くすることにより、処理水に含まれる有機物や細菌と、正イオンを含む気泡23または負イオンを含む気泡24とが接触する確率を高くすることができる。
光触媒層26は、光触媒を含む薄膜であってもよく厚膜であってもよい。また、光触媒を含むフィルム、光触媒が担持されたガラスや繊維体などであってもよい。光触媒層26が光触媒を含む薄膜である場合、例えば、CVD法やスパッタ法により形成することができ、光触媒層26が光触媒を含む厚膜である場合、例えば、微粒子状の光触媒を含むペースト、コーティング剤を浄化槽1の内壁に設置する基体上に塗布、乾燥または焼成することにより形成することができる。
本発明の水浄化装置の効果を調べるために水浄化実験を行った。
本実験では、まず、純水中に武藤化学(株)製のメチレン青原液を添加し、約10mg/lのメチレンブルー水溶液を調製した。このメチレンブルー水溶液約100mlに正イオンを含むバブルと負イオンを含むバブルを約40時間供給した(実施例)。また、比較例1として、調製したメチレンブルー水溶液約100mlを正イオンと負イオンとを含む空気を供給し続けた密閉空間中に約40時間放置した。さらに比較例2として、正イオンを含む空気と負イオンを含む空気の混合気体のバブルを、調製したメチレンブルー水溶液約100mlに約40時間供給した。
この実験により、本発明の水浄化装置による浄化処理では、メチレンブルーの分解量が多いことがわかった。このことにより、本発明の水浄化装置は高い水浄化能力を有することがわかった。
Claims (12)
- 大気中における正コロナ放電により発生させる正イオンを含む空気を生成する第1空気生成部と、大気中における負コロナ放電により発生させる負イオンを含む空気を生成する第2空気生成部と、第1空気生成部により生成した空気の気泡を水中に生成する第1気泡生成部と、第2空気生成部により生成した空気の気泡を水中に生成する第2気泡生成部とを備え、
第1および第2気泡生成部は、第1および第2気泡生成部においてそれぞれ生成された気泡が浄化対象の水中に供給されるように設けられたことを特徴とする水浄化装置。 - 第1および第2気泡生成部は、水中にマイクロバブルを生成する請求項1に記載の水浄化装置。
- 第1空気生成部で生成した空気を第1気泡生成部に供給する第1空気流路と、第2空気生成部で生成した空気を第2気泡生成部に供給する第2空気流路とをさらに備え、
第1空気流路は、正の電位に維持できる内壁を有し、
第2空気流路は、負の電位に維持できる内壁を有する請求項1または2に記載の水浄化装置。 - 第1または第2空気流路は、その内壁に高い電気抵抗を有する帯電層を有する請求項3に記載の水浄化装置。
- 第1または第2空気流路の内壁に電圧を印加する電源回路をさらに備える請求項3に記載の水浄化装置。
- 浄化槽をさらに備え、
第1および第2気泡生成部は、第1および第2気泡生成部においてそれぞれ生成された気泡が前記浄化槽に供給されるように設けられた請求項1〜5のいずれか1つに記載の水浄化装置。 - 前記浄化槽は、浄化する水が流れる浄化槽流路を内部に備え、
第1および第2気泡生成部は、前記浄化槽流路に並んで生成した気泡を供給する請求項6に記載の水浄化装置。 - 前記浄化槽は、前記浄化槽流路を形成する仕切り板を有する請求項7に記載の水浄化装置。
- 第1および第2気泡生成部は、前記浄化槽流路に交互に並んで生成した気泡を供給する請求項7または8に記載の水浄化装置。
- 前記浄化槽は、攪拌器を備える請求項6〜9のいずれか1つに記載の水浄化装置。
- 前記浄化槽は、浄化する水を循環させる循環流路を備える請求項6〜10のいずれか1つに記載の水浄化装置。
- 前記浄化槽は、内壁に光触媒層を有し、かつ、前記光触媒層に光を照射する光源を有する請求項6〜11のいずれか1つに記載の水浄化装置。
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