JP2004255369A - 光触媒による廃水処理装置、及び廃水処理方法 - Google Patents

光触媒による廃水処理装置、及び廃水処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光触媒と処理液との接触確率を向上させて有機物を効果的に分解できる廃水処理装置、さらには廃水処理によって生じるスラッジの量を低減させ、しかもアミンやメラミンなどの低分子量成分も分離除去可能である廃水処理方法を提供する。
【解決手段】処理槽内に、光触媒活性を有する酸化チタン膜を内面及び/又は外面に形成してなる複数のガラス細管と、光照射装置とを具備し、該複数のガラス細管に設けられた酸化チタン膜に対し光が到達するように光照射装置が配設され、該ガラス管の内及び/又は外に廃水を導入して、光照射により廃水中の有機物を分解することを特徴とする光触媒による廃水処理装置、及びこの処理槽内に、廃水から浮遊もしくは沈降分離する汚泥を分離除去した処理水を導き、光酸化分解処理する廃水処理方法。
【選択図】 図2

Description

本発明は、光触媒による廃水処理装置、及び廃水処理方法に関する。
従来、塗装工場等から排出される塗装廃水は、この中の塗料を速かにしかも効率よく分離除去可能であることから、塗装廃水に先ず凝集剤を添加して塗装廃水中に含まれる塗料などを凝集分離(浮遊又は沈殿)させて除去し、次いで、必要に応じてこの凝集分離処理水を好気下に生物処理する方法が一般的に行なわれている。これらの処理によって分離除去された沈殿物などのスラッジは産業廃棄物として処理されるが、凝集剤の使用分だけスラッジ量が多くなり、さらにその焼却処理では多くのエネルギーを必要とするため、地球温暖化の点から問題があった。
また上記凝集剤を用いる方法では、塗装廃液中に含まれるアミンやメラミンなどの低分子量成分(分子量約1000以下)を分離除去あるいは分解することや、残留有機物濃度の低減が困難であった。
そこで廃水処理において公知の光触媒処理などを用いることも検討されている(例えば、特許文献1など)。該光触媒処理には、光触媒粒子を廃水中に流動させる方法や処理槽壁面に光触媒を塗布し固定化する方法などがあるが、前者では処理後の処理液と光触媒粒子との分離に問題があり、後者では光触媒との接触確率が低く、処理に多大な時間を要するという問題があり、いずれも不十分であった。
特開平8−155308号公報
本発明の目的は、光触媒と処理液との接触確率を向上させて有機物を効果的に分解できる廃水処理装置、さらには廃水処理によって生じるスラッジの量を低減させ、しかもアミンやメラミンなどの低分子量成分も分離除去可能である廃水処理方法を提供することにある。
本発明は、
1.処理槽内に、光触媒活性を有する酸化チタン膜を内面及び/又は外面に形成してなる複数のガラス細管と、光照射装置とを具備し、該複数のガラス細管に設けられた酸化チタン膜に対し光が到達するように光照射装置が配設され、該ガラス管の内及び/又は外に廃水を導入して、光照射により廃水中の有機物を分解することを特徴とする光触媒による廃水処理装置、
2.光触媒活性を有する酸化チタン膜が、多孔質膜である1項記載の廃水処理装置、
3.1又は2項記載の処理槽を複数槽設けて連結し多段処理する廃水処理装置、
4.廃水から浮遊もしくは沈降分離する汚泥を分離除去した処理水を、1ないし3のいずれか1項記載の光触媒による廃水処理装置の処理槽内に導き、光酸化分解処理することを特徴とする廃水処理方法、
5.1ないし3のいずれか1項記載の光触媒による廃水処理装置で処理された処理水の少なくとも一部を還流希釈水とし、これを該処理装置に供給される前段処理水に混合し該前段処理水を希釈して該処理装置に供給する4項記載の廃水処理方法、
に関する。
本発明によれば、光触媒活性を有する酸化チタン膜を形成してなる複数のガラス細管を用いることによって、光触媒と廃水との接触確率を向上させることができ、特にアミンやメラミンなどの低分子量成分も容易に分解除去できる。従って塗料廃水などの工業廃水や農業廃水など、廃水中に含まれる有機物を効果的に分解し、処理時間の短縮が可能である。
本発明では、光触媒活性を有する酸化チタン膜を、内面及び/又は外面に形成してなる複数のガラス細管を用いる。
上記光触媒活性を有する酸化チタン膜は、ガラス面への付着性や光触媒作用向上の点から、緻密な多孔質膜であることが望ましく、そのような酸化チタン膜は、特に制限なく従来公知の方法で形成可能であり、例えばアルコキシチタンなどのチタン溶液を基材に浸漬させゾルゲル法により酸化チタン膜を形成する方法、酸化チタンをスパッタ法やCVD法で基材に蒸着させ膜を形成する方法、基材が金属チタンの場合に表面を陽極酸化等の方法で酸化して酸化チタン膜を形成する方法、酸化チタンなどの粉末やゾルをアルキルシリケートやペルオキソチタン酸等に添加してこれを基材に塗布し酸化チタン膜を形成する方法などが挙げられるが、本発明では特に造膜性、付着性などの点から、水酸化チタン化合物もしくは加水分解性チタン化合物及び/又はそれらの低縮合物を過酸化水素水と混合して得られるペルオキソチタン酸水溶液を含む塗布剤を用いて酸化チタン膜を形成する方法が好適である。
上記加水分解性チタン化合物としては、特に一般式(I)
Ti(OR) (I)
(式中、Rは同一又は異なって、炭素数1〜5のアルキル基を示す。)で表されるテトラアルコキシチタンが好ましい。また水酸化チタン化合物もしくは加水分解性チタン化合物の低縮合物としては、縮合度2〜30程度のものが好ましい。
上記ペルオキソチタン酸水溶液において、水酸化チタン化合物もしくは加水分解性チタン化合物及び/又はそれらの低縮合物と過酸化水素水とは、前者が10重量部に対して、後者が過酸化水素換算で0.1〜100重量部、好ましくは1〜20重量部の割合で混合することが適当である。両者の混合は、通常、1〜70℃程度で10分〜2時間程度攪拌下に行なうことが望ましく、混合の際には必要に応じてアルコール系、アルコールエーテル系の水可溶性有機溶剤を使用することもできる。
上記の通り得られるペルオキソチタン酸水溶液単独でも酸化チタン膜を形成可能であるが、ペルオキソチタン酸水溶液を含む塗布剤として、(1)上記の通り得られるペルオキソチタン酸水溶液に光触媒粉末やゾルなどを混合してなる溶液、(2)光触媒ゾル、特に酸化チタンゾルの存在下に、水酸化チタン化合物もしくは加水分解性チタン化合物及び/又はそれらの低縮合物を過酸化水素水と混合して得られるペルオキソチタン酸水溶液も好適に使用可能である。
上記で使用する光触媒粉末としては、紫外線及び/又は可視光を吸収して光触媒作用を発現し得るものであれば特に制限なく、例えば酸化チタン、酸化タングステン、酸化亜鉛、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、チタン酸ストロンチウム、酸化チタン−酸化ジルコニウム複合酸化物及び酸化珪素−酸化チタン複合酸化物等の酸化物等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上混合して使用でき、特に酸化チタンが好適である。また、これらをアルミナ、シリカ、ジルコニア、酸化チタン、活性炭等から形成された多孔体、例えばシリカゲル等などに担持させてなるものも使用できる。該光触媒粉末の結晶子径は、通常、1〜100nm、好ましくは5〜50nmの範囲のものが適用できる。
また上記で使用する酸化チタンゾルとしては、例えば無定型酸化チタン微粒子、アナターゼ型酸化チタン微粒子等が水系媒体(水以外にアルコール系、エーテル系、ケトン系等の水可溶性有機溶剤を含んでも良い)に分散されたゾルなどが挙げられ、特に光触媒活性の点からアナターゼ型酸化チタン微粒子の水系分散液が好適である。
上記光触媒粉末(又はゾル)を用いる場合には、ペルオキソチタン酸水溶液と光触媒粉末(又はゾル)とを、固形分重量比で100/10〜100/500、好ましくは100/50〜100/300の割合で含有させることが好適である。
上記ペルオキソチタン酸水溶液を含む塗布剤には、さらに必要に応じて各種添加物を含有することができ、例えば、充填剤、ベンガラや着色ガラスフリット粉末等の着色剤などを挙げられる。さらに多孔質膜の形成のためにポリエチレングリコールなどを、貯蔵安定性向上のためにヒドロキシカルボン酸などの有機酸を含有することができる。ポリエチレングリコールを使用する場合には、ペルオキソチタン酸水溶液の固形分100重量部に対して、0.1〜200重量部程度配合することができる。
本発明では、上記ペルオキソチタン酸水溶液を含む塗布剤などを、ガラス細管の内面及び/又は外面に塗布し、100〜500℃程度の温度で加熱乾燥することで、付着性に優れた緻密で均一な多孔質である酸化チタン膜を形成することができる。
ガラス細管への塗布方法には、例えばディップコーティング、スピンコーティング、スプレー法などを採用でき、光触媒粉末が塗布面から一部露出するように塗布することが望ましい。その際、塗布されるガラス細管の表面をブラスト等の処理を施しておくと、酸化チタン膜の付着性を向上させることができる。
形成される酸化チタン膜の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常、0.001〜20μm程度であるのが好ましく、0.1〜15μmの範囲内がより好ましい。
上記光触媒活性を有する酸化チタン膜が形成されるガラス細管としては、通常、内径が1〜10mmφ、もしくはそれ以上の大きさの内径を有する石英ガラス製等が、光の透過性の点から好適に使用できる。
本発明ではガラス管として、管外側に酸化チタン膜を形成したガラス細管をさらに径の大きいガラス細管内に差し込むことで得られる2重構造のガラス細管を用いることもできる。このような2重構造のガラス細管を用いることにより、ガラスとガラスとの空隙中を循環させる廃水の層を薄くすることができ、循環中の廃水による照射された光の吸収を抑制でき、また形成された酸化チタン膜表面に対し廃水が接触しやすくなり、且つ光触媒反応の場である酸化チタン膜表面に光が到達し易くなるので好適である。
本発明においてガラス細管は、1本ずつ間隔をあけて、もしくは束状に配列して処理槽内に設置することができる。
本発明の装置は、上記酸化チタン膜が形成された複数のガラス細管と光照射装置とを処理槽内に具備し、該複数のガラス細管に設けられた酸化チタン膜に対し光が到達するように光照射装置が配設され、ガラス管の内及び/又は外に廃水を導入する。導入された廃水は循環させることでガラス細管表面の酸化チタン膜に接触し、廃水中の有機物が酸化分解されるものである。
上記光照射装置としては、紫外光及び/又は可視光領域の光を放射する光照射ランプであれば特に制限なく、例えば高圧水銀灯、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、ブラックライトなどが使用可能である。光照射時間や強度は、処理水中の有機物の濃度などによって適宜選択できる。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は、光触媒活性を有する酸化チタン膜が形成された2重構造を有するガラス細管の断面図及び側面図であり、図2は本発明の実施の一形態を示す廃水処理装置の概略図である。図1において、1は2重構造を有するガラス細管、2は内管、3は外管、4は酸化チタン膜、5は廃水、6は光触媒酸化処理水、を夫々示し、図2において、7は高圧水銀灯、8は集光ミラー、9はブロアユニット、10は排気口、11は廃水処理装置(「光触媒ユニット」ということがある)を夫々示す。
図1においてガラス細管1は、管の外側に光触媒活性を有する酸化チタン膜4が形成されたガラス製の内管2とこれを覆うガラス製の外管3とからなり、この内管2と外管3によって形成された隙間に廃水5が供給される。廃水5の中の有機物は、光照射を受けて活性化した酸化チタン膜表面に接触し酸化分解される。酸化分解された廃水は、光触媒酸化処理水6として排出される。
上記内管2と外管3によって形成された隙間は、通常、0.3〜5.0mm、好ましくは0.5〜1.0mmの厚みであることが望ましい。
上記廃水5は、有機物を含有する廃水、例えば工場や事業所から排出される工業廃水、農業廃水、生活排水などであり、特に工業廃水には塗料廃水を含む場合が挙げられる。該塗料廃水とは、例えば自動車などの各種塗装ライン、板金工場における塗装ブース水、塗料製造工場などから出る塗料成分を含んだ廃水や、各種工場における洗浄水などが挙げられる。該塗装廃水には一般的な生活排水や工業廃水に比較して難分解な高分子化合物を多く含む場合が多い。
これらの廃水には、それぞれの種類に応じて各種顔料、染料、有機樹脂、架橋剤、有機溶剤、界面活性剤、油脂、及びその他の有機成分が含まれるが、その組成や含有量については、廃水の種類や発生源となる工場や事業所、あるいは発生する時間帯によっても変動し、一定ではない。例えば水性塗料による塗装廃水の一例を挙げると、沈殿物1〜100g/リットル、CODMn1,000〜10,000mg/リットル、TOC1,000〜15,000mg/リットル、BOD1,000〜5,000mg/リットル及び有機溶剤1〜10,000mg/リットル程度である。ここでCODMnは化学的酸素供給量を、TOCは全有機体炭素量を、またBODは生化学的酸素要求量を意味する。
本発明では、上記有機物を含有する廃水4を、分解効率を向上させる点から、必要に応じて浮遊もしくは沈降分離する汚泥を分離除去された、光透過可能な程度に透明もしくは半透明な処理水とすることが望ましい。汚泥の分離除去の方法としては、例えば凝集分離処理、電気分解処理などの公知のスラッジ処理方法などが挙げられる。
図2において光触媒ユニット11内では、図1に示す2重構造を有するガラス細管1が、横に複数本並べられており(図2では奥に並ぶガラス管を図示せず)、これらに対し、並列になるように該光触媒ユニット11の上部に高圧水銀灯7が設置され、ガラス管1の酸化チタン膜4に対し均一に光が照射される。
本発明では、光触媒ユニット内において、高圧水銀灯等の光照射装置を中心とし、その周りを取り囲むように複数のガラス細管1を配設することも可能であり、図2と同様に均一の光を照射することが可能である。
図2では、高圧水銀灯7からの拡散された光を集光ミラー8により集光、反射させることで、効率よくガラス細管1に対し光を照射することができる。高圧水銀灯7とガラス細管1との距離、つまり光照射距離は、通常、5〜30cmの間隔であることが望ましい。また、光照射中は高圧水銀灯7等の光源から著しい発熱が伴う場合があるので、ブロアユニット9及び排気口10で強制的に冷却を行うことが可能である。
本発明では、処理時間の短縮の観点から、図3や図4に示すように、図2の光触媒ユニット11を1ユニットとして、複数設けて連結し、多段処理してもよい。各光触媒ユニットから排出される処理水6の少なくとも一部を還流希釈水として用いることができる。
具体的に、図3では、光触媒ユニットを複数設けて直列に連結し、有機廃水からスラッジ分離処理された処理水を初期必要希釈水を含む希釈槽において希釈して1段目の光触媒ユニットに供給し、その後各段の光触媒ユニットから排出される処理水の少なくとも一部を還流希釈水として希釈槽に供し、順次酸化分解処理を行なうものである。図3において、I、I、I及びIは、還流希釈水の水量(リットル/分)を、t、t、t及びtは夫々の槽における処理水の滞留時間(反応時間)、V、V、V及びVは夫々の槽の大きさ(リットル)を示し、これらは下記関係にある。
=V/(I+I+I+I
また図4では、各段の光触媒ユニットの入り口に夫々混合装置を設置し、各段の光触媒ユニットで処理された処理水の少なくとも一部を還流希釈水として、その前段の光触媒ユニットで処理された処理水と該混合装置において混合して適宜希釈し、順次光触媒酸化分解処理を行なうものである。
いずれの図においても、処理水のTOCレベルと排出目標TOCレベルにより、これら数値は変動する。各光触媒酸化処理槽について滞留時間(反応時間)を十分に大きくとりたい場合はVが大きい装置が必要となるか又は、流量Iが小さい(処理速度が小さい)ことになる。逆に処理スピード(流量I)を大きくした場合は、滞留時間は短くなって、格段における排出水のTOCレベルが高くなり、従って段数が多く必要となる。
次いで図5において本発明方法の実施の一形態を示すフロー図を示す。図5において、31は塗装廃水、32は電気分解処理槽、33は図2に示す光触媒による廃水処理装置(あるいは図3または図4に示す廃水処理装置)、34は再処理用の返送水、35は電気分解処理水、36は光触媒酸化処理水、を夫々示す。
図5の方法では、まず、上記塗装廃水31を電解槽32に供給して電気分解処理を行なう。電気分解処理は、供給された廃水に電解質を投入・溶解し、その水槽内に複数の電極を適当な間隔に配置して、電極間に通電し電気分解を行なうものである。これによって廃水が凝集化するものである。
本発明では上記電解槽32が、アルミ電極を具備し、さらに電解質として硝酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどを使用することが好適である。
上記電気分解処理条件は、通常、塗装廃水中の塗料固形分濃度が20,000mg/リットルに対して電解質濃度(例えば、硝酸ナトリウムの場合)が約0.01〜0.05mol/リットルとなるように電解質溶液を塗装廃水に攪拌混合して行なうのが適当である。
上記電気分解処理によって、浮遊もしくは沈降分離する汚泥は分離除去される。分離された汚泥は脱水処理されスラッジとなる。
次いで本発明では、上記で得られた電解処理水35を光触媒による廃水処理装置33に供給し、槽内で紫外線により活性化した光触媒材の酸化作用により、電解処理水35中の有機物をさらに酸化分解処理する。光触媒による廃水処理装置は上述の図3や図4のように多段処理とすることが望ましい。
上記光触媒酸化処理により浄化された処理水36は、CODMn300mg/リットル以下のレベルまで浄化されれば、一般の下水にそのまま排出され、そうでなければ光触媒酸化処理後の処理水を返送水34として、再度、電解槽32に供給し、繰り返し電気分解処理、光触媒酸化処理を行なうことができる。また、CODMn10mg/リットル以下という河川放流に必要なレベルまで分解する必要がある場合は、光触媒ユニットの段数をさらに増加させることで対応することもできる。
また図6に示すように、必要に応じて、上記で得られた光触媒酸化処理水36を生物反応槽37に供給する、及び/又は促進酸化処理槽39に供給して浄化処理することもできる。
生物処理は、活性汚泥法や担体投入型生物処理法などの従来公知の方法で行なうことができる。生物処理後の処理水中に含まれる活性汚泥などの懸濁物は分離され、分離された汚泥は生物反応槽37に返送される。
上記生物処理により浄化された処理水38は、CODMn300mg/リットル以下のレベルまで(河川放流に必要なレベルまで分解する必要がある場合は、CODMn10mg/リットル以下まで)浄化されれば、そのまま排出され、そうでなければ生物処理後の処理水を返送水34として、再度、電解槽32あるいは光触媒による廃水処理槽33に供給し、繰り返し電気分解処理、光触媒酸化処理及び生物処理を行ない、上記レベルまで浄化することが望ましい。
促進酸化処理は、オゾン処理、過酸化水素処理、及び紫外線処理とを組み合わせることで中間生成物にオゾンより酸化力の高いOHラジカルを生成させ、より酸化反応を進行させる技術であり、通常、紫外線とオゾン、或いはオゾンと過酸化水素などのように、オゾン処理、過酸化水素処理、及び紫外線処理のいずれか2つを組み合わせた2元系処理でもよいし、3つ全てを組み合わせた3元系処理であっても良い。オゾンや過酸化水素の注入量や紫外線照射量などは処理水中の有機物濃度によって適宜選択することができ、通常、槽内の溶存オゾン濃度が50〜130g/m、過酸化水素濃度が5〜30mg/L/H程度の条件が適当である。
上記促進酸化処理により浄化された処理水40は、CODMn300mg/リットル以下のレベルまで(河川放流に必要なレベルまで分解する必要がある場合は、CODMn10mg/リットル以下まで)浄化されれば、そのまま排出され、そうでなければ促進酸化処理後の処理水を返送水34として、再度、電解槽32あるいは光触媒による廃水処理槽33に供給し、繰り返し電気分解処理、光触媒酸化処理及び促進酸化処理を行ない、上記レベルまで浄化することが望ましい。
本発明では、さらに必要に応じて、光触媒酸化処理水36を生物反応槽37に供給後、促進酸化処理槽39に供給する、或いは光触媒酸化処理水36を促進酸化処理槽39に供給後、生物反応槽37に供給する、などの工程を適宜選択することも可能である。
以下、実施例により本発明方法をさらに詳細に説明する。
実施例1
自動車用水性塗料(ポリエステル/メラミン硬化型、固形分22.3%)を、そのまま塗装廃水試料(A)として用いた。この試料(A)中の初期CODMn8,500mg/リットル、TOC11,000mg/リットルであった。
この塗装廃水試料(A)280gに、該塗料固形分20,000mg/リットルに対して硝酸ナトリウム溶液を濃度0.02mol/リットルとなるように混合し、その混合液を電解槽に入れ、スターラーで攪拌下、その中に電極面積(片面)が35cmのアルミ電極板2枚を電極間距離20mmとなるように設置し、電圧10Vで0.17時間通電する条件にて電気分解処理を行なった。
次いで、得られた電気分解処理水を濾過し、その濾過液をイオン交換水で倍に希釈したものを図1に示す2重構造を有するガラス細管を4本具備する光触媒酸化処理槽(図2)に供給し、酸化分解処理に供した。具体的には、上記の通り希釈された電気分解処理水730gを、2重構造のガラス細管の中(ガラスとガラスとの空隙中に)を循環させながら、400W高圧水銀灯を12時間照射した。この時の紫外線強度は15mW/cmであった。空気の吹き込み及び薬剤の添加は一切しなかった。
得られた光触媒酸化処理水を濾過した濾過液のTOCの値を、第2次処理液の水質として表1に示す。また、光触媒酸化処理前の電気分解処理後に濾過分離されたTOCの値を第1次処理液の状態として表1に併せて示す。
尚、上記で用いた2重構造を有するガラス細管は、表面をブラスト処理した石英ガラス管(外径3mm)の外側に塗布剤(注1)を塗布し170℃で1時間乾燥させて多孔質の酸化チタン膜を形成したガラス管を内管とし、これを石英ガラス管(内径4mm、外径6mm)内に差し込んで作成した。
(注1)塗布剤:テトラiso−プロポキシチタン10部とiso−プロパノール10部の混合物を、30%過酸化水素水10部と脱イオン水100部の混合物中に20℃で1時間かけて攪拌しながら滴下した後、25℃で2時間熟成し、黄色透明のやや粘性のあるペルオキソチタン酸水溶液を得た。これに、ポリエチレングリコール5部を脱イオン水15部に溶解した溶液を添加、攪拌した。得られた溶液400gに対し、光触媒粒子として「AMT−600」(テイカ社製、アナターゼ型酸化チタン、結晶子径約30nm)を26.4g加えてペイントシェーカーで分散処理して塗布剤を得た。
実施例2
上記実施例1において、光触媒酸化処理を図3のように、2段直列に連結し、光触媒酸化処理を2回行った場合であること以外は実施例1と同様の処理を行った。尚、一段あたりの処理時間は12時間とした。得られた電解処理液および光触媒酸化処理液の濾過液のTOC値を表1に示す。
実施例3
上記実施例1において、光触媒酸化処理を図3のように、3段直列に連結し、光触媒酸化処理を3回行った場合であること以外は実施例1と同様の処理を行った。得られた電解処理液および光触媒酸化処理液の濾過液のTOC値を表1に示す。
比較例1
上記実施例1において実施例1と同様に電気分解処理を行ない、次いで、得られた電気分解処理水を濾過し、その濾過液を生物反応槽に入れ、シュードモナス属、アシネトバクター属、ロドコッカス属、バチルス属、キャンディダ属、フザリウム属などの好気性菌を有する活性汚泥を使用し、処理温度23℃、pH7.5、水理学的滞留時間(HRT)48時間の条件下に生物処理を行なった。得られた生物処理水を濾過した濾過液のTOCの値を第2次処理液の水質として表1に示す。また、光触媒酸化処理前の電気分解処理後に濾過分離されたTOCの値を第1次処理液の状態として表1に併せて示す。
比較例2
上記実施例1と同様の塗装廃水試料(A)280gに、凝集剤「コーワフロック303」(珪酸アルミニウム、有限会社コーワ製、商品名)を5,000mg/リットルとなるように添加して凝沈処理を行ない、その上澄液を比較例1と同様の生物反応槽を入れて同様の条件で48時間生物処理を行なった。得られた生物処理水を濾過した濾過液のTOCの値を第2次処理液の水質として表1に示す。また、光触媒酸化処理前の凝集処理後に濾過分離されたTOCの値を第1次処理液の状態として表1に併せて示す。
Figure 2004255369
上記表1において、第1次処理液の目視(透明度)は、下記の通りに評価した。
(*1)透明度:処理後の濾過液の透明性を目視で評価した(○:浮遊物もなく透明、△:若干の浮遊物が存在)。
(*2)TOC(全有機炭素)の測定は、全有機炭素計 TOC−5000A(島津製作所製)にて行った。
光触媒活性を有する酸化チタン膜が形成された、2重構造を有するガラス細管の断面図及び側面図である。 本発明の装置の実施の一態様を示す概略図である。 本発明の廃水処理方法を示す説明図である。 本発明の廃水処理方法を示す別の説明図である。 本発明方法の実施の一形態を示すフロー図である。 本発明方法の実施の一形態を示すフロー図である。
符号の説明
1 2重構造を有するガラス細管
2 ガラス管(内管)
3 ガラス管(外管)
4 光触媒活性を有する酸化チタン膜
5 電解処理水
6 光触媒酸化処理水
7 高圧水銀灯
8 集光ミラー
9 ブロアユニット
10 排気口
11 光触媒ユニット
31 塗装廃水
32 電気分解処理槽
33 光触媒酸化処理槽
34 再処理返送水
35 電解処理水
36 光触媒酸化処理水

Claims (5)

  1. 処理槽内に、光触媒活性を有する酸化チタン膜を内面及び/又は外面に形成してなる複数のガラス細管と、光照射装置とを具備し、該複数のガラス細管に設けられた酸化チタン膜に対し光が到達するように光照射装置が配設され、該ガラス管の内及び/又は外に廃水を導入して、光照射により廃水中の有機物を分解することを特徴とする光触媒による廃水処理装置。
  2. 光触媒活性を有する酸化チタン膜が、多孔質膜である請求項1記載の廃水処理装置。
  3. 請求項1又は2記載の処理槽を複数槽設けて連結し多段処理する廃水処理装置。
  4. 廃水から浮遊もしくは沈降分離する汚泥を分離除去した処理水を、請求項1ないし3のいずれか1項記載の光触媒による廃水処理装置の処理槽内に導き、光酸化分解処理することを特徴とする廃水処理方法。
  5. 請求項1ないし3のいずれか1項記載の光触媒による廃水処理装置で処理された処理水の少なくとも一部を還流希釈水とし、これを該処理装置に供給される前段処理水に混合し該前段処理水を希釈して該処理装置に供給する請求項4記載の廃水処理方法。

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