JP2008055397A - 塗装工程で生じる廃水の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 塗装工程で発生した塗料廃水は濁っており、光触媒酸化分解を行うために必要な紫外線が廃水内部まで届かない。光触媒コーティングを施した板やビーズを入れて光触媒酸化分解を行う方法もあるが、その表面に十分な紫外線が届かず、光触媒酸化分解が行われない。また、沈降した汚泥の処理もできない。
【解決手段】 光触媒コーティング12を施したガラス製の容器11に塗装工程で発生した廃水10を入れ、エアーパイプ13を通してエアーを吹き込みながら紫外線ランプ14を照射して、光触媒酸化分解を行う。エアーでゆっくり攪拌し、廃水中の有機物を分解する。容器外部から紫外線を照射し、容器内部で光触媒酸化分解を行うことにより堆積した汚泥を処理する。なお、事前に塗料排水中の固形化した汚泥を濾過によって取り除くか又は物理的方法によって粉砕しておくことで、光触媒酸化分解の効率を上げることができる。
【選択図】図1
【解決手段】 光触媒コーティング12を施したガラス製の容器11に塗装工程で発生した廃水10を入れ、エアーパイプ13を通してエアーを吹き込みながら紫外線ランプ14を照射して、光触媒酸化分解を行う。エアーでゆっくり攪拌し、廃水中の有機物を分解する。容器外部から紫外線を照射し、容器内部で光触媒酸化分解を行うことにより堆積した汚泥を処理する。なお、事前に塗料排水中の固形化した汚泥を濾過によって取り除くか又は物理的方法によって粉砕しておくことで、光触媒酸化分解の効率を上げることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、塗料廃棄物の処理方法に関するものである。
塗装工場から排出された塗装廃水は、屋外のピットで凝集剤を添加して塗料を浮上させる。浮上した塗料をポンプで別の槽に移し、この別槽の中で浮上した塗料汚泥をスクレーパで除去する。そして残った塗装廃水をピットに戻す方法で処理されている。
この方法では、塗料の汚泥や有機物が循環水中に残るという問題がある。
凝集剤の添加量を増やせば塗料の粘土は低下するが、廃棄物の量が増えて処理費用が上がるという問題がある。
逆に、添加量を減らせば廃棄物の量は減少するが、汚泥の粘り気が増加する。それゆえ、循環水の配管やポンプを詰まらせ、汚泥処理の作業効率が下がるという問題がある。
上記方法では、塗装廃水中のアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、水溶性有機溶剤、有機性顔料、エマルジョン水性塗料等の有機物を除去することは困難である。そして、これらは悪臭の原因となる。
有機物分解の一手段として光触媒酸化分解がある。例えば、光触媒コーティングを施した板やビーズを塗装廃水に入れて紫外線を照射するという方法がある。しかし、その表面に十分な紫外線が届かず、光触媒酸化分解が行われず、沈降した汚泥を処理することもできない。
特開2004−89991
本発明は、光触媒酸化分解作用の効果を十分し奏しうる状態にすることによって、塗料廃水中に溶け込んだり浮遊したりしている有機物を減少させること、塗装廃水中に含まれる汚泥の粘り気を減少させること、及び汚泥の堆積量を減少させることを課題とする。
また、本発明は、並列で設置して増減させることのできる塗装廃水中の有機物の処理する光触媒酸化分解作用を利用した装置の設計を目的とする。
前述の課題を解決するため、本発明は、次の解決手段をとっている。
光触媒作用をもつ酸化チタンコーティング剤をコーティングした光触媒酸化槽中で溶解した有機物と物理的に粉砕した廃棄塗料を含む塗装廃水を空気により攪拌し、紫外線照射による光触媒酸化作用で塗装廃水中の有機物を酸化分解する。
透明な容器内面に光触媒作用をもつ酸化チタンコーティング剤をコーティングして、その容器の外側から紫外線を照射して塗装廃水を処理する。
塗装廃水中の汚泥は粘り気の無い状態、粘り気のある状態、粘り気は無いが硬化して固まりになった状態の三種類が混合している。これらを攪拌等の物理的方法で粉砕して混ぜ合わせて、かつ表面積を増やして、塗料廃水中の有機物が光触媒作用をもつ酸化チタンコーティング膜に接触する確率を向上させる。
空気による攪拌を行い、塗料廃水中の有機物が光触媒作用を持つ酸化チタンコーティング膜に接触する確率を向上させる。
を採っている。
を採っている。
容器の底面の外部から紫外線を照射することにより、沈降した汚泥も光触媒処理する。
上記廃水処理を行う容器を複数併設し、廃水を段階的に移しかえて行くことにより、より精度の高い廃水処理を行うことが可能となる。
なお、汚泥等が装置に固着しないよう、容器に細孔等を設けないようにすべき点に留意すべきである。
本発明によれば、表1に示すように、塗装廃水中に含まれる有機物中の炭素量(TOC(mg/l))を半減できる。
また、図2が示すように、フィルターでは分離が困難であったコロイド成分や溶解成分を容易に分解することが可能となる。
さらに、塗料ミストを回収するために塗装ブースと塗料廃水処理の間を循環させる水中に含まれる、堆積しない汚泥の量も減らすことができ、配管やポンプのメンテナンスを減らすことが可能となる。
また、図2が示すように、フィルターでは分離が困難であったコロイド成分や溶解成分を容易に分解することが可能となる。
さらに、塗料ミストを回収するために塗装ブースと塗料廃水処理の間を循環させる水中に含まれる、堆積しない汚泥の量も減らすことができ、配管やポンプのメンテナンスを減らすことが可能となる。
本発明によれば、表2に示すように、汚泥の堆積量を二割減らすことができる。汚泥処理コストは、その体積で決まるため、堆積量が減少することで処理費用の削減が可能となる。
本発明によれば、表3に示すように、汚泥の粘り気を無くすことができる。
これにより、塗料ミストを回収するために塗装ブースと塗料廃水処理ピットの間を循環させる水中に含まれる汚泥の粘り気を無くすことができ、配管やポンプ内で汚泥が固着することを防止できるようになる。また、スラッジ回収作業性を向上することが可能となる。
これにより、塗料ミストを回収するために塗装ブースと塗料廃水処理ピットの間を循環させる水中に含まれる汚泥の粘り気を無くすことができ、配管やポンプ内で汚泥が固着することを防止できるようになる。また、スラッジ回収作業性を向上することが可能となる。
光触媒コーティング12を施したガラス製の容器11に塗装工程で発生した廃水10を入れ、エアーパイプ13を通してエアーを吹き込みながら紫外線ランプ14を照射して、光触媒酸化分解を行う。塗料排水を物理的方法で粉砕して光触媒酸化分解の効率を上げる。エアーでゆっくり攪拌を行い、廃水中の有機物を分解する。容器外部から紫外線を照射し、容器内部で光触媒酸化分解を行うことにより、堆積した汚泥を処理する。
塗装工場で採取した塗料排水10を容器に採取し、これをスターラーで攪拌し、塊となった汚泥を粉砕する。
一方、汚泥粉砕後の排水を光触媒酸化処理するための容器が必要となる。光触媒TiO2皮膜をガラス容器内側の側面及び底面に塗布することによって作製する。なお、光触媒酸化チタンコーティング剤として、市販の酸化チタンコーティング剤を用いる。光触媒酸化チタンコーティング剤に含まれる光触媒は、アナタース型酸化チタンである。
このTiO2皮膜付き300mlビーカに、撹拌した塗料廃水を100ml入れ、下から紫外線を照射できるようにセットする。
紫外線ランプの紫外線波長を254nmに設定する。
空気供給量を20ml/minに設定する。空気の供給は、市販のエアーポンプにより行う。
空気供給(20ml)を行いながら、紫外線(254nm)を72時間照射する。なお、TiO2皮膜と紫外線ランプとの距離を10mmとする。
紫外線以外の光を一切遮断した状態で、上記照射を行うことが望ましい。
光触媒処理前後の塗料廃水を15時間放置して汚泥を沈降させてから、その上澄み水のTOC測定と目視観察を行う。
結果は、表1に示すように光触媒処理前の塗料廃水に比べて半減した。また図2が示すように不透明であった上澄み水が透明になった。
光触媒処理前後の塗料廃水を15時間放置して汚泥を沈降させてから、その堆積量を測定した。
具体的には、汚泥が沈降していない状態の塗料廃水をサンプル管に等量ずつ採取して15時間放置してから、堆積した汚泥の高さを測定した。
結果は、表2に示すように、光触媒処理前に比べて堆積量は約2割減少した。
具体的には、汚泥が沈降していない状態の塗料廃水をサンプル管に等量ずつ採取して15時間放置してから、堆積した汚泥の高さを測定した。
結果は、表2に示すように、光触媒処理前に比べて堆積量は約2割減少した。
光触媒処理前後の塗料廃水を15時間放置して汚泥を沈降させてから、その沈降した汚泥を内径1mmのガラス細管にゴムピペッターを用いて吸い上げた。
結果は、表3に示すように、光触媒処理前の汚泥はガラス細管に固着して吸い上げることはできなかった。しかし、光触媒処理後の汚泥は、ガラス細管に固着することなく、ガラス細管を通過した。よって、塗装装置に固着する原因である汚泥の粘り気が無くなったものと判断できる。
結果は、表3に示すように、光触媒処理前の汚泥はガラス細管に固着して吸い上げることはできなかった。しかし、光触媒処理後の汚泥は、ガラス細管に固着することなく、ガラス細管を通過した。よって、塗装装置に固着する原因である汚泥の粘り気が無くなったものと判断できる。
10…塗料廃水
11…ガラス製の容器
12…光触媒コーティング
13…エアーパイプ
14…UVランプ(254nm)
11…ガラス製の容器
12…光触媒コーティング
13…エアーパイプ
14…UVランプ(254nm)
Claims (15)
- 光触媒作用をもつ酸化チタンコーティング剤をコーティングした容器内で塗装廃水を攪拌しながら紫外線を照射して、塗装廃水中のアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、水溶性有機溶剤、有機性顔料、エマルジョン水性塗料等の有機物を光触媒酸化分解する廃水処理方法
- 容器の外側から容器内の有機物に紫外線を照射できるようにするため、透明な容器内壁に光触媒作用をもつ酸化チタンコーティング剤をコーティングしたことを特徴とする請求項1記載の廃水処理方法
- 容器の底に堆積しやすい汚泥を効率的に処理するために、その容器の底面の外側から紫外線を照射することを特徴とする請求項1記載の廃水処理方法
- 廃水の光触媒酸化分解を効率的に行うため、酸化チタンコーティング剤をコーティングした容器に廃水を入れる前に、予め攪拌により、塊となった汚泥を粉砕しておくことを特徴とする請求項1記載の廃水処理方法
- 廃水の光触媒酸化分解を効率的に行うため、酸化チタンコーティング剤をコーティングした容器に廃水を入れる前に、予め濾過により、塊となった汚泥を除去しておくことを特徴とする請求項1記載の廃水処理方法
- 塗料廃水中の有機物が光触媒作用を持つ酸化チタンコーティング膜に接触する確率を向上させるために、酸化チタンコーティング剤をコーティングした容器内で空気による攪拌を行うことを特徴とする請求項1記載の廃水処理方法
- 請求項2、請求項3、及び請求項4に記載した特徴を具備する請求項1記載の廃水処理方法
- 請求項2、請求項3、及び請求項5に記載した特徴を具備する請求項1記載の廃水処理方法
- 請求項2、請求項3、請求項4及び請求項5に記載した特徴を具備する請求項1記載の廃水処理方法
- 請求項2、請求項3、請求項4、及び請求項6に記載した特徴を具備する請求項1記載の廃水処理方法
- 請求項2、請求項3、請求項5、及び請求項6に記載した特徴を具備する請求項1記載の廃水処理方法
- 請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、及び請求項6に記載した特徴を具備する請求項1記載の廃水処理方法
- 請求項4に記載した事前攪拌槽又は請求項5に記載した汚泥濾過槽を複数併設することによって、廃水処理の効率をより高めたことを特徴とする請求項1記載の廃水処理方法
- 請求項2に記載した酸化チタンコーティング容器を複数併設することによって、廃水処理の効率をより高めたことを特徴とする請求項1記載の廃水処理方法
- 請求項13及び請求項14に記載した特徴を具備する請求項1記載の廃水処理方法
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ITUD20090117A1 (it) * | 2009-06-15 | 2010-12-16 | Med Italia Srl | Sistema di depurazione per liquidi e impianto attuativo |
CN109354377A (zh) * | 2018-12-13 | 2019-02-19 | 青岛大学 | 一种印染污泥快速脱水的预处理方法 |
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