JP5892869B2 - 張線装置 - Google Patents

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Description

本発明は、張線装置に関し、特に、例えば架線工事などにおいて、架線などの自由端側を水平方向ないしは横方向に引っ張って、電柱側に保持することができる張線装置に関する。
従来の張線器として、特許文献1に記載のものが知られている。図18に示すように、この張線器1001は、張線器本体部1002と、掴線器1008を取り付けるための掴線器取付部1003と、張線器本体部1002と掴線器取付部1003との間を連結するためのワイヤ1004と、ラチェットハンドル1005と、電柱Cなどの支持基体に取り付けられる基体取付部1006と、で構成されている。
この張線器1001を使用して、電柱間などに架線を張設する場合には、先ず、張線器1001が、基体取付部1006に取り付けられた尻手ワイヤ1009を、電柱Cに固定することによって、電柱Cに支持される。次に、ワイヤ1004が張線器本体部1002から引き出された状態で、架線1007の自由端1007a側が、掴線器取付部1003に取り付けられた掴線器1008によって掴持される。そして、ラチェットハンドル1005が手動操作されて、ワイヤ1004が張線器本体部1002の内部に巻き取られることによって、架線1007の自由端1007a側が電柱C側に引っ張られて保持される。
また、特許文献1に記載の張線器1とは別に、ウィンチなどを使用して、電柱間などに架線を張設する場合もあった。
特開平11−103513号公報
しかしながら、特許文献1に記載の張線器1001は、ワイヤ1004を張線器本体部1002の内部に巻き取るために、張線器1001の傍でラチェットハンドル1005を手動操作する必要がある。従って、ワイヤ1004の巻き取り中に、仮に、架線1007と掴線器1008との掴持が外れたときは、掴線器1008が有らぬ方に飛んでくるおそれがあった。
また、ウィンチなどを使用して、電柱間などに架線を張設する場合は、ウィンチの重量が重かったり、回転速度が遅かったりなどの理由で、素早い張設作業が困難であった。
また、ウィンチによる架線の張設は、架線をいわゆる「縦吊り」するため、安全率が高く設定されている。ちなみに、特許文献1に記載の張線器1001による架線の張設は、架線をいわゆる「横吊り」する構造であるが、「縦吊り」の安全率より低い。
それゆえに、本発明の目的は、架線などの張設を安全かつ素早くできる張線装置を提供することである。
この発明の請求項1にかかる張線装置は、張線器本体部と、第1取付部と、前記張線器本体部と前記第1取付部との間を連結するための牽引部と、前記張線器本体部に内蔵された、前記牽引部を前記張線器本体部の内部に巻き取って前記第1取付部を前記張線器本体部の側に引き寄せるように動作する回転駆動機構と、前記回転駆動機構に駆動力を付与する電動モータを有し、スイッチで回転を制御される駆動源と、前記張線器本体部の回転駆動機構の近傍に内蔵された、前記回転駆動機構及び/又は第1取付部の移動を制御するためのブレーキ機構と、前記張線器本体部に設けられた第2取付部と、を備え、前記牽引部は長さを有するチェーン又は帯状体であり、前記回転駆動機構は、主として、前記駆動源の電動モータの駆動力によってブレーキ機構を介して回転駆動する構造であり、張線器本体部は、回転駆動機構及びブレーキ機構を内蔵する筐体を有し、筐体は、回転駆動機構を内蔵している回転駆動機構収容部と、ブレーキ機構を内蔵しているブレーキ機構収容部と、電動回転機を回転駆動機構収容部に固定するための電動回転機固定用部材とを有し、回転駆動機構収容部とブレーキ機構収容部とは、並び、電動回転機固定用部材は、回転駆動機構収容部に固定され、電動回転機固定用部材は、電動回転機挿入用穴が形成され、電動回転機挿入用穴は、電動回転機のチャック側が挿入でき、かつ、保持できるように形成されていること、を特徴とする、張線装置である。
この発明の請求項2にかかる張線装置は、張線器本体部と、第1取付部と、前記張線器本体部と前記第1取付部との間を連結するための牽引部と、前記張線器本体部に内蔵された、前記牽引部を前記張線器本体部の内部に巻き取って前記第1取付部を前記張線器本体部の側に引き寄せるように動作する回転駆動機構と、前記回転駆動機構に駆動力を付与する電動モータを有し、スイッチで回転を制御される駆動源と、前記張線器本体部の回転駆動機構の近傍に内蔵された、前記回転駆動機構及び/又は第1取付部の移動を制御するためのブレーキ機構と、前記張線器本体部に設けられた第2取付部と、を備え、前記回転駆動機構は、第1回転軸を有し、前記牽引部は長さを有するチェーン又は帯状体であり、前記回転駆動機構は、主として、前記駆動源の電動モータの駆動力によってブレーキ機構を介して回転駆動する構造であり、第1回転軸は、回転軸方向が第1チェーンが回転する横方向と直交ないしは交差する方向になるように、電動回転機固定用部材の電動回転機挿入用穴の中央に配置され、第1回転軸の端部は、第1回転軸を回転駆動する際に、駆動源である電動回転機のチャックによってチャッキングされるように形成されたこと、を特徴とする、張線装置である。
この発明の請求項3にかかる張線装置は、張線器本体部と、第1取付部と、前記張線器本体部と前記第1取付部との間を連結するための牽引部と、前記張線器本体部に内蔵された、前記牽引部を前記張線器本体部の内部に巻き取って前記第1取付部を前記張線器本体部の側に引き寄せるように動作する回転駆動機構と、前記回転駆動機構に駆動力を付与する電動モータを有し、スイッチで回転を制御される駆動源と、前記張線器本体部の回転駆動機構の近傍に内蔵された、前記回転駆動機構及び/又は第1取付部の移動を制御するためのブレーキ機構と、前記張線器本体部に設けられた第2取付部と、を備え、前記牽引部は長さを有するチェーン又は帯状体であり、前記回転駆動機構は、主として、前記駆動源の電動モータの駆動力によってブレーキ機構を介して回転駆動する構造であり、前記回転駆動機構は、第1回転軸と、前記第1回転軸に固定された第1平歯車と、第2回転軸と、前記第2回転軸に固定された第2平歯車及び第2平歯車に連結されたロードシーブとを有し、前記ブレーキ機構は、第3回転軸と、前記第3回転軸に螺着された第3平歯車と、ブレーキ板及びピニオンとを有し、前記回転駆動機構の第1平歯車と前記ブレーキ機構の第3平歯車とが噛み合い、前記回転駆動機構の第2平歯車と前記ブレーキ機構のピニオンとが噛み合っていること、を特徴とする、張線装置である。
この発明の請求項4にかかる張線装置は、前記駆動源の電動モータを無線制御するための送信機と、前記送信機から送信された信号を受信するための、前記駆動源に取り付けられた受信機と、を備えていること、を特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の張線装置である。
この発明の請求項5にかかる張線装置は、前記ブレーキ機構は、第3回転軸と、前記第3回転軸に螺着された第3平歯車と、ブレーキ板及びピニオンと、前記第3回転軸に挿通されたディスクと、第1ブレーキライニングと、ラチェット型ブレーキギヤ及び第2ブレーキライニングと、前記ラチェット型ブレーキギヤに係止可能な止爪とを有し、前記ブレーキ機構のディスクと、第1ブレーキライニングと、ラチェット型ブレーキギヤ及び第2ブレーキライニングとの面接触摩擦力及び前記ラチェット型ブレーキギヤに係止した止爪とによって、第3回転軸の逆回転を制御すること、を特徴とする、請求項1ないし請求項のいずれかに記載の張線装置である。
本発明では、牽引部が、ワイヤーではなく、チェーンであるため、所望の位置でチェーンを90度に曲げたり、180度折り返したりすることができ、牽引部の取り扱いの自由度が高くなり、架線などの素早い張設作業に適している。
さらに、回転駆動機構が、主として、駆動源の電動モータの駆動力によって回転駆動する構造であるため、回転駆動機構の回転速度が速くなる。従って、牽引部を張線器本体部の内部に巻き取って第1取付部を張線器本体部の側に引き寄せる動作が速くなる。
本発明では、電動モータのON/OFFなどが無線で制御されるため、作業者は、牽引部を張線器本体部の内部に巻き取って第1取付部を張線器本体部の側に引き寄せる作業を、張線器から離れた位置で行うことができる。従って、仮に、架線と掴線器との掴持が外れても、掴線器が作業者の方に飛んできて怪我をしたり、架線に触れて感電をしたりするおそれがなくなる。さらに、無線制御であるため、信号線が不要であり、架線などの素早い張設作業に適している。
また、本発明は、駆動源に電力を供給するためのバッテリが、駆動源に取り付けられれば、バッテリが駆動源と一体化していることによって、電源コードが不要となり、架線などの素早い張設作業をすることができる。
また、本発明は、駆動源は電動ドリルとすれば、駆動源が電動ドリルと兼用とすることによって、電動ドリルを別途携行する必要がなくなる。
本発明では、ブレーキ機構が、回転駆動機構に構造的に簡素に係止しているため、張線器の小型化に適している。
本発明によれば、架線などの張設作業を安全かつ素早くできる張線装置を得ることができる。
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴及び利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための形態の説明から一層明らかとなろう。
本発明に係る張線装置の一実施の形態を示す分解斜視図である。 図1に示した張線装置の組立斜視図である。 張線器本体部の正面から見た斜視図である。 張線器本体部の平面図である。 張線器本体部の右側から見た斜視図である。 張線器本体部を後側から見た斜視図である。 張線器本体部の左側から見た斜視図である。 張線器本体部の底面図である。 張線器本体部の正面断面図である。 張線器本体部の平面断面図である。 張線器本体部の底面断面図である。 ロードシーブの図解図である。 (A)は張線器本体部の一部右側面断面図であり、(B)は張線器本体部の平面図解図である。 回転駆動機構及びブレーキ機構の分解斜視図である。 駆動源(電動回転機)を示す正面図である。 受信機を示す図で、(A)は外観斜視図であり、(B)は底面図である。 張線装置の使用手順を説明するための斜視図である。 張線装置の使用手順を示すフローチャートである。 ラチェットハンドルを示す図で、(A)は正面図であり、(B)は平面図である。 従来の張線装置を示す正面図である。
(張線装置の構成)
図1は、本発明に係る張線装置の一実施の形態を示す分解斜視図である。図2は、図1に示した張線装置の組立斜視図である。張線装置1は、架線工事などにおいて、架線などの自由端側を電柱C側に引っ張って保持することができる。
張線装置1は、地上に垂設された電柱Cと直交ないしは交差する方向、すなわち地上と平行ないしは水平の方向に、架線を引っ張って張設する、いわゆる「横吊り」するように、構成されている。
張線装置1は、概略、張線器本体部2と、第1掴線器900(後述)を取り付けるための第1取付部5と、張線器本体部2と第1取付部5との間を連結するための牽引部である第1チェーン6と、電動モータを有している駆動源である電動回転機7と、張線装置1を電柱Cに取り付けるための尻尾ワイヤ830(後述)を把持するための第2取付部8と、電動回転機7の電動モータを無線制御するための送信機9と、送信機9から送信された信号を受信するための受信機10と、電動回転機7に電力を供給するためのバッテリ11と、第1チェーン6を固定するための第3取付部12とで構成されている。
本実施の形態の場合、張線装置1は、最大使用張力が30kNであり、総重量が16kgである。張線器本体部2は12kgである。電動回転機7は2.2kgである。
(張線器本体部の構成)
図3は張線器本体部2の正面図であり、図4は平面図であり、図5は右側面図である。図6は張線器本体部2を後側から見た斜視図である。図7は、張線器本体部2の左側面図であり、図8は底面図である。張線器本体部2は、筐体20と、筐体20に内蔵された後述の回転駆動機構3及びブレーキ機構4とを有している。
筐体20は、回転駆動機構3を内蔵している略縦長矩形筒状の回転駆動機構収容部22と、ブレーキ機構4を内蔵している略円形筒状のブレーキ機構収容部24と、電動回転機7を回転駆動機構収容部22に固定するための電動回転機固定用部材26とを有している。
回転駆動機構収容部22とブレーキ機構収容部24とは、垂直方向(長さ方向)に仕切り壁が設けられることなく、横方向に並んで並接している。回転駆動機構収容部22は、ブレーキ機構収容部24より高背に(長く)設定されている。これは、駆動源である電動回転機7のチャック720側の先端部分が、回転駆動機構収容部22の内部に十分に収納され、筐体20に堅固に固定されるための空間を確保するためである。
(回転駆動機構収容部の構成)
図3に示すように、回転駆動機構収容部22は、概略、平板状の上面220と、平板状の底面222と、平板状の正面224と、平板状の第1側面225と、平板状の背面226と、平板状の第2側面227とを有している。
回転駆動機構収容部22の正面224の下部には、水平方向に延在しているボルト取付け座部228が設けられている。ボルト取付け座部228には、垂直方向に軸を有している取付穴230が形成されている。
図4に示すように、回転駆動機構収容部22の上面220は、平面視が矩形であり、開口している。
図5に示すように、回転駆動機構収容部22の第1側面225の上部には、矩形形状の電動回転機操作用窓232が形成されている。電動回転機操作用窓232を通して、電動回転機7のチャック720が回動操作される。第1側面225の下部には、第1張出し部234が外側に向かって張り出している。
第1張出し部234の下には、牽引部である第1チェーン6を張線器本体部2の内部に出し入れする際の出入り口となる2つのチェーン入出口236,238が、並設して形成されている。チェーン入出口236,238はそれぞれ十字形になっており、第1チェーン6が絡まることなく、張線器本体部2の幅方向すなわち横方向に出し入れすることができるように工夫されている。
図6及び図7に示すように、回転駆動機構収容部22の背面226の上部には、矩形形状の電動回転機操作用窓239が形成されている。電動回転機操作用窓239を通して、電動回転機7のチャック720が回動操作される。背面226の下部には、第2取付部8及び第3取付部12を張線器本体部2に取り付けるための固定部材70が、背面226に沿って配設されている。
固定部材70は、図6に示すように、第1水平部70a及び第2水平部70bと、第1垂直部70c及び第2垂直部70dとからなる。
第1垂直部70cには、図6及び図10に示すように、ジョイントボルト74が、ボルト軸方向が垂直方向になるように挿通した状態でナット締めされ、固定されている。
図6及び図7に示すように、回転駆動機構収容部22の第2側面227には、仕切り壁が設けられることなく、ブレーキ機構収容部24が並接されている。
図5及び図8に示すように、回転駆動機構収容部22の底面222には、回転駆動機構3の第2回転軸34の下側端部34b(後述)が、貫通して突き出され、ナット締めされることによって固定されている。
(ブレーキ機構収容部の構成)
図3及び図4に示すように、ブレーキ機構収容部24は、概略、上面240と、底面242と、正面244と、側面245と、背面246とを有している。なお、ブレーキ機構収容部24の右側面は、ブレーキ機構収容部24が回転駆動機構収容部22の左側に並接しているため、存在しない。
ブレーキ機構収容部24の正面244は、横断面形状(水平方向に切断した断面の形状)が円弧状であり、回転駆動機構収容部22の正面224に連設されている。
図4に示すように、ブレーキ機構収容部24の上面240は閉口しており、回転駆動機構収容部22の第2側面227に連設されている。
図6及び図7に示すように、ブレーキ機構収容部24の背面246は、回転駆動機構収容部22の背面226に連設している。背面246の中央部には、第2張出し部248が外側に向かって張り出している。第2張出し部248には、止爪操作用窓250が形成されている。止爪操作用窓250からは、止爪54のレバー部54a(後述)が引き出されている。
第2張出し部248の下側には、固定部材70の第2垂直部70d側の略半分が、背面246に沿って配設されている。
図8に示すように、ブレーキ機構収容部24の底面242は、回転駆動機構収容部22の底面222に連設している。底面242には、ブレーキ機構4の第3回転軸40の下側端部40bが、貫通して突き出され、ナット締めされることによって固定されている。
(電動回転機固定用部材の構成)
図3及び図4に示すように、平面視が矩形の電動回転機固定用部材26は、4隅のうち3隅に配置された3本の固定用ボルト272a,272b,272cによって、回転駆動機構収容部22の上面220に固定されている。
電動回転機固定用部材26は、電動回転機7を保持するに十分な厚さを有した矩形の天部260と、天部260の四方の縁に配置されている正面部262と第1側面部263と背面部264と第2側面部265とからなる。従って、電動回転機固定用部材26は底板を有していない。天部260の中央には、電動回転機挿入用穴268が形成されている。電動回転機挿入用穴268の径は、電動回転機7のチャック720側の先端部分が挿入でき、かつ、保持できる寸法に設定されている。
電動回転機挿入用穴268には、スリット270が連設されている。スリット270は、電動回転機挿入用穴268から外側に向かって径方向に延在し、天部260の縁に達している。正面部262は、第1側面部263と第2側面部265とにスリット270によって分割され、分割された正面部262の第1側面部263側の第1正面部262aと第2側面部265側の第2正面部262bとを備える。
締付け部材274は、固定用ボルト272cを備えており、固定用ボルト272cは、第1正面部262aから第2正面部262bに亘って架け渡される。
第1正面部262aは、固定用ボルト272cで所定の位置に固定された第2正面部262bに、締付け部材274の回動によって接近したり離れたりする。言い換えると、スリット270は、片側にのみ固定用ボルト272cが配置されている第2正面部262bと第1正面部262aとの間に設けられている。電動回転機固定用部材26は、その弾性力で縮径して電動回転機7のチャック720側の先端部分を堅固に固定される。
天部260の裏側には、略ボルト構造の締付け部材274が、電動回転機挿入用穴268を避けて、天部260と平行に取り付けられている。すなわち、締付け部材274は、電動回転機7を電動回転機固定用部材26に固定するときに、スリット270の隙間幅dを狭める方向と略同一の方向(電動回転機挿入用穴268の接線方向)とは平行な方向に配設されている。締付け部材274の締付け側端部274aは、第1側面部263から正面部262に螺着され、第1側面部263を貫通してハンドル276に接合されている。締付け部材274の固定側端部274bは、正面部262に沿って、スリット270の位置を越えて天部260の裏側に固定されている。
電動回転機挿入用穴268は、電動回転機7のチャック720側の底面視略円形状の先端部分を嵌挿するために、平面視略円形状に形成されている。
更に、電動回転機挿入用穴268は、電動回転機7のチャック720の上方において、周方向に突出された係止突部722を挿入するために、逃がし溝278を凹設されている。
逃がし溝278は、電動回転機挿入用穴268を部分的に切り欠かれて形成され、手前側と向こう側とに分かれて2箇所形成されている。手前側の第1の逃がし溝278aは、スリット270を挟んで左右に分かれて形成されている。
手前側の第1の逃がし溝278aと向こう側の第2の逃がし溝278bとは、略々回転対称性を有している。
電動回転機挿入用穴268は、電動回転機固定用部材26の底面側に、電動回転機7の係止突部722の上縁部を係止するための、係止縁280aと係止縁280bとを備えている。
係止縁280aと係止縁280bとは、電動回転機挿入用穴268の内周縁と略々直交するように形成されている。
電動回転機7の係止突部722は、チャック720の上方において、左右に分かれて形成された突条であり、その上縁が水平面状ないしは前方に向けてやや下がる傾斜面を形成されている。
そして、電動回転機挿入用穴268に電動回転機7のチャック720側が嵌挿され、すなわち、電動回転機挿入用穴268の逃がし溝278に電動回転機7の係止突部722を嵌挿し、電動回転機7を、電動回転機7のチャック720の中心軸のまわりを1回転の36分の1ないし24分の1回転させて(回転角は略10〜15度)、電動回転機7の係止突部722を電動回転機挿入用穴268の係止縁280a及び係止縁280bに係止させる。
而して、電動回転機7の係止突部722と係止縁280a及び係止縁280bとは、電動回転機7の抜け止めとなり、電動回転機7の落下を防止する。
電動回転機7が張線器本体部2に装着される場合は、締付け部材274のハンドル276が手動で正回転方向に回動操作されて、電動回転機固定用部材26が締め付けられ、無段階的にスリット270の隙間幅dが狭められて、縮径される。これによって、電動回転機挿入用穴268の径が小さくなり、電動回転機7のチャック720側の先端部分が電動回転機固定用部材26に堅固に固定される。
一方、電動回転機7が張線器本体部2から取り外される場合は、締付け部材274のハンドル276が手動で逆回転方向に回動操作されて、電動回転機固定用部材26が緩められ、スリット270の隙間幅dが広げられる。これによって、電動回転機挿入用穴268の径が大きくなり、電動回転機7のチャック720側の先端部分が電動回転機固定用部材26から取り外し可能となる。
(回転駆動機構の構成)
図9は張線器本体部2の正面断面図であり、図10はその平面断面図である。図11は張線器本体部2の一部右側面断面図である。図12は回転駆動機構3及びブレーキ機構4の分解斜視図である。
回転駆動機構3は、牽引部である第1チェーン6を張線器本体部2の内部に巻き取って、第1取付部5を張線器本体部2の側に引き寄せるように動作する。すなわち、回転駆動機構3は、牽引部である第1チェーン6を張線器本体部2の内部に出し入れする機能を有する。回転駆動機構3は、主として、駆動源である電動回転機7の電動モータの駆動力によって回転駆動する構造である。
図9〜図12に示すように、回転駆動機構収容部22に内蔵されている回転駆動機構3は、概略、第1回転軸(駆動軸)30と、第1回転軸30に固定されている第1平歯車32と、第1回転軸30を保持するための第1回転軸用保持部材310と、第2回転軸(従動軸)34と、第2回転軸34に上方から下方に向かって順に固定されている、第2平歯車36と、ロードシーブ38とを有している。
第1回転軸用保持部材310は、複数本の固定ボルト316を利用して、電動回転機固定用部材26の電動回転機挿入用穴268の下方であって筐体20の中間ベース台座部27の上方に固定されている。第1回転軸用保持部材310は、上板312と、下板314と、側板(図示せず)を有している。
第1回転軸30は、略円柱状棒鋼からなる。
第1回転軸30は、回転軸方向が垂直方向、すなわち第1チェーン6が回転する横方向と直交ないしは交差する方向になるように、電動回転機固定用部材26の電動回転機挿入用穴268の中央に配置され、第1回転軸用保持部材310によって回転自在に支持されている。
第1回転軸30の上側端部30aは、六角柱状であり、駆動回転軸保持部材310の上板312を貫通して上方に向けて突き出ている。この上側端部30aは、第1回転軸30を回転駆動する際に、駆動源である電動回転機7のチャック720によってチャッキングされる。
第1回転軸30の下側端部30bは、駆動回転軸保持部材310の下板314によって、回転自在に支持されている。第1回転軸30を支持する際、ベアリングは、荷重がかかるため用いない。
第1平歯車32は、平面視円形で、その中心にその外周の歯すじに平行な中空の芯部32aを備える。
第1平歯車32は、第1回転軸用保持部材310の上板312と下板314との間に配置されている。第1平歯車32は、その回転軸である芯部32aが第1回転軸30と同芯になるように、第1回転軸30に固定されている。第1平歯車32とブレーキ機構4の第3平歯車46(後述)とは、噛み合っている。
第2回転軸34は、略円柱状棒鋼からなる。
第2回転軸34は、回転軸方向が垂直方向、すなわち第1チェーン6が回転する方向と直交ないしは交差する方向になるように配置されている。第2回転軸34の上側端部34aは、筐体20の中間ベース台座部27に回転自在に支持されている。第2回転軸34の下側端部34bは、筐体20の底部28(言い換えると、回転駆動機構収容部22の底面222)を貫通して突き出て、ナット締めされている。
第2平歯車36は、平面視円形で、その中心にその外周の歯すじに平行な中空の芯部36aを備える。
第2平歯車36は、筐体20の中間ベース台座部27より下側に配置されている。第2平歯車36は、その回転軸である芯部36aが第2回転軸34と同芯になるように、第2回転軸34に固定されている。第2平歯車36とブレーキ機構4のピニオン53(後述)とは、噛み合っている。
ロードシーブ38は、第2平歯車36の下方に配置されている。ロードシーブ38は、車38bの回転軸が第2回転軸34と同芯になるように、第2回転軸34に固定されている。
ロードシーブ38は、第1チェーン6にかみ合うように形成されたポケット38a及び歯をもつ車38bを備えており、第2回転軸34と直交する方向すなわち横方向に第1チェーン6を移動させるように構成されている。
ポケット38aは、第2回転軸34の周りを水平方向に周回しており、車38bは、水平方向に回転して、車38bの歯が第1チェーン6と噛合して、第1チェーン6を水平方向に移動させる。
ロードシーブ38には、牽引部である第1チェーン6の巻取り側端部6b(後述)が固定されている。第2回転軸34が回転すると、第1チェーン6はロードシーブ36の周りに巻き取られる。
(ブレーキ機構の構成)
ブレーキ機構4は、回転駆動機構3に係止し、牽引部である第1チェーン6が緩められる際に、第1チェーン6が張線器本体部2の内部から即座に引き出されることがないように、第1チェーン6の移動を制御するブレーキとして動作する。
図9、図10及び図12に示すように、ブレーキ機構収容部24に内蔵されているブレーキ機構4は、概略、第3回転軸(従動軸)40と、ツマミ43と、第3回転軸40に固定されている第3平歯車46、ブレーキ板52及びピニオン53と、上方から下方に向かって順に第3回転軸40に挿通されているディスク47、第1ブレーキライニング49、ラチェット型ブレーキギヤ50及び第2ブレーキライニング51と、止爪54と、ラチェット爪55とを有している。
第3回転軸40は、回転軸方向が垂直方向、すなわち第1チェーン6が回転する横方向と直交ないしは交差する方向になるように配置されている。
第3回転軸40の中央部分は、ブレーキ板52を介して、筐体20の中間ベース台座部27によって回転自在に支持されている。
第3回転軸40の下側部分は、筐体20の底部28によって回転自在に支持されている。
第3回転軸40を支持する際、ベアリングは、荷重がかかるため用いない。
第3回転軸40の上側端部40aには、第3平歯車46が螺着されている。すなわち、第3平歯車46は、中央に雌ねじ孔芯部46aが形成されている。第3平歯車46は、第3回転軸40の上側端部40aの雄ねじ部40cに雌ねじ孔芯部46aを螺合され、第3平歯車46の回転に伴って雄ねじ部40cに沿って下方に降下するように構成されている。
ツマミ43は、第3平歯車46との間に割ピン44及びチェックワッシャー45を配置し、六角穴付ボルト41a,41b及びばね座金42a,42bを利用して、第3平歯車46に固定されている。第3回転軸40の下側端部40bは、筐体20の底部28(言い換えると、ブレーキ機構収容部24の底面242)を貫通して突き出て、ナット締めされている。第3平歯車46と回転駆動機構3の第1平歯車32とは、噛み合っている。
割ピン44は、第3平歯車46が上側端部40aより抜け出ることを防止するために、上側端部40aの雄ねじ部40cより上方に形成された貫通孔40dに割ピン44の足44aを嵌挿して、固定されている。
チェックワッシャー45は、中央の芯部45aを形成され、その外周縁に係止凸部40bを形成されている。チェックワッシャー45は、芯部45aにて係止凸部40の上側端部40aに回転自在に取り付けられている。
ディスク47は、円板状体で、その中心に中空の芯部47aを有している。
第1ブレーキライニング49は、合成樹脂と合金からなる柔軟性を有する円板状体で、その中心に中空の芯部49aを有している。
ラチェット型ブレーキギヤ50は、円板状体で、外周面に歯部50aを並列され、その中心に中空の芯部50bを有している。
第2ブレーキライニング51は、合成樹脂と合金からなる柔軟性を有する円板状体で、その中心に中空の芯部51aを有している。
ディスク47と、第1ブレーキライニング49と、ラチェット型ブレーキギヤ50と、第2ブレーキライニング51とは、それぞれ、その回転軸の方向が第3回転軸40の方向に揃えられた状態で、第3回転軸40に固定されることなく、第3回転軸40の中央部分に回転自在に取り付けられている。
ディスク47は芯部47aにおいて、第1ブレーキライニング49は芯部49aにおいて、ラチェット型ブレーキギヤ50は芯部50bにおいて、第2ブレーキライニング51は芯部51aにおいて、第3回転軸40に嵌挿されている。
そして、ディスク47と第1ブレーキライニング49とラチェット型ブレーキギヤ50と第2ブレーキライニング51とは、第3平歯車46とブレーキ板52との間に配置されている。
ブレーキ板52は、筐体20の中間ベース台座部27を貫通した状態で、その回転軸が第3回転軸40と同芯になるように、第3回転軸40に固定されている。すなわち、ブレーキ板52は、第3回転軸40と共に一体的に回転するようになっている。
ピニオン53は、筐体20の中間ベース台座部27より下側に配置されている。ピニオン53は、その回転軸が第3回転軸40と同芯になるように、第3回転軸40に固定されている。すなわち、ピニオン53は、第3回転軸40と共に一体的に回転するようになっている。ピニオン53と回転駆動機構3の第2平歯車36とは、噛み合っている。
筐体20の中間ベース台座部27の上面には、止爪54が、ラチェット型ブレーキギヤ50に係止可能の状態で、固定軸56に揺動自在に取り付けられている。止爪54は、レバー部54aと爪部54bとを有し、レバー部54aを手動で切り換え操作することによって、爪部54bがラチェット型ブレーキギヤ50の歯に噛み合ったり(係止したり)、歯から外れたりする。ラチェット型ブレーキギヤ50の回転方向は、止爪54が係止された状態において、正方向(時計回り方向)に制限され、逆方向(反時計回り方向)に回転できない。
さらに、筐体20の中間ベース台座部27の上面には、ラチェット爪55が、弾性部材(ばね部材)58によって付勢された状態で、固定軸57に揺動自在に取り付けられている。ラチェット爪55は、弾性部材(ばね部材)58の弾性力によって、ラチェット型ブレーキギヤ50の一方向に傾いている歯に係止している。ラチェット爪55は、ラチェット型ブレーキギヤ50の逆方向への回転を制御している。
(回転駆動機構及びブレーキ機構の動作)
次に、回転駆動機構3及びブレーキ機構4の動作について説明する。
牽引部である第1チェーン6が緩められている状態において、回転駆動機構3のディスク47と第1ブレーキライニング49とラチェット型ブレーキギヤ50と第2ブレーキライニング51とブレーキ板52との相互間での上下面接触摩擦力は、緩く、相互に独立している(フリーの状態である)。
次に、電動回転機7によって回転駆動機構3の第1回転軸30が駆動回転されると、第1回転軸30に固定されている第1平歯車32を介して、回転力がブレーキ機構4の第3平歯車46に伝達され、第3平歯車46が回転する。
第3平歯車46は、第3回転軸40の上側端部40aの雄ねじ部40cに螺合されているため、第3平歯車46の回転に伴い、第3回転軸40の上側端部40aにおいて、ブレーキ板52側に向けて下降する。
而して、第3平歯車46とブレーキ板52との間隔は縮まる。
ブレーキ機構4のディスク47と第1ブレーキライニング49とラチェット型ブレーキギヤ50と第2ブレーキライニング51は、第3回転軸40に固定されていないため、即座には回転力は伝達されない。つまり、第3回転軸40が回転しても、ディスク47と第1ブレーキライニング49とラチェット型ブレーキギヤ50と第2ブレーキライニング51とは、即座に第3回転軸40と共に回転することはない。
しかし、第1回転軸30及び第1平歯車32が回転するに従って回転する第3平歯車46は、その回転に伴い、第3回転軸40の上側端部40aにおいて、下降する。それに伴って、第3平歯車46に押されたディスク47とブレーキ板52とが接近し、ディスク47と第1ブレーキライニング49とラチェット型ブレーキギヤ50と第2ブレーキライニング51とブレーキ板52との相互間での上下面接触摩擦力が、徐々に強くなってくる。
ディスク47と第1ブレーキライニング49とラチェット型ブレーキギヤ50と第2ブレーキライニング51とブレーキ板52との相互間での面接触摩擦力が強くなると、第3平歯車46の回転力が、ディスク47と第1ブレーキライニング49とラチェット型ブレーキギヤ50と第2ブレーキライニング51に徐々に伝達される。すなわち、ディスク47と第1ブレーキライニング49とラチェット型ブレーキギヤ50と第2ブレーキライニング51とブレーキ板52とが、回転するようになる。
第3平歯車46の回転に伴い、ブレーキ板52が回転すると、第3回転軸40に固定されているピニオン53が回転する。そして、ピニオン53の回転力は、ピニオン53に係止している回転駆動機構3の第2平歯車36に伝達される。
第2平歯車36は、第2回転軸34に固定されているため、その回転力は第2回転軸34に伝達される。
第2回転軸34が回転すると、第2回転軸34に固定されているロードシーブ38の車38bが回転し、第1チェーン6は、車38bに噛合してロードシーブ36のポケット38aの周りを周回して、第1取付部5が張線器本体部2の側に引き寄せられる。
このとき、止爪54及びラチェット爪55がラチェット型ブレーキギヤ50に係止して、正方向(時計回り方向)にのみ回転するように作用することで、ラチェット型ブレーキギヤ50は、逆回転しない。
次に、牽引部である第1チェーン6を緩める場合は、止爪54をラチェット型ブレーキギヤ50から外して、電動回転機7を逆回転させて緩める。
ラチェット爪55は、ラチェット型ブレーキギヤ50に係止して、正方向(時計回り方向)にのみ回転するように作用する。
このとき、ディスク47と第1ブレーキライニング49とラチェット型ブレーキギヤ50と第2ブレーキライニング51とブレーキ板52とが、摩擦力により面接触しているため、第1チェーン6が張線器本体部2の内部から即座に引き出されることはない。すなわち、この摩擦力が第1チェーン6の移動を制御するブレーキの役割を果たしている。
また、後述するように、電動回転機7は、ブレーキ機構を内蔵しているため、回転駆動を停止する場合は、即座にブレーキがかかって回転駆動が停止する。
従って、上述のブレーキ機構4と電動回転機7のブレーキ機構との2重構造ブレーキが備えていることにより、第1チェーン6が張線器本体部2の内部から引き出される速度を制御している。
(第1取付部の構成)
第1取付部5は、第1掴線器900(後述)を取り付けるためのものである。
図1、図2及び図5に示すように、第1取付部5は、鉤部500と、基部520とを有している。鉤部500は、鉤部500の間口(鉤部500の根元部500aと先端部500bとの間)に、鉤部500の表口を開閉可能なように開閉部材502を配設している。
開閉部材502は、その根元部502aが、鉤部500の根元部500aに設けられている固定軸504に取り付けられており、固定軸504を支軸にして揺動自在である。開閉部材502は、その先端部502bが、鉤部500の先端部500bに圧接するように、ばね部材(図示せず)によって弾性力が付与されている。この構造によって、鉤部500に取り付けられた第1掴線器900は、外れ難くなっている。
基部520は、動滑車526が内蔵されている動滑車収容部522と、鉤部500を回転軸Qの周りに回転自在に支持している先端部524とを有している。動滑車526は、動滑車収容部522に設けられている固定軸528に、回転自在に支持されている。動滑車526には、牽引部である第1チェーン6が架けられている。
鉤部500には、予め地上において、最適な第1掴線器が選択されて取り付けられる。
(牽引部の構成)
牽引部である第1チェーン6は、張線器本体部2と第1取付部5との間を連結するためのものである。
図1、図2及び図5に示すように、牽引部である第1チェーン6は、固定側端部6aが、張線器本体部2の外部に設けられているジョイントボルト74に固定され、第1取付部5の動滑車526に巻回されて折り返され、巻取り側端部6bが、張線器本体部2に内蔵されている回転駆動機構3のロードシーブ38に周回されている。
第2回転軸34に取り付けられたロードシーブ38の車38bが正回転すると、第1チェーン6の巻取り側端部6bの側がロードシーブ38に巻き取られる。
(第2取付部の構成)
第2取付部8は、張線装置1を電柱Cに取り付けるための尻手ワイヤ830(後述)を把持するものである。
図6に示すように、第2取付部8は、張線器本体部2の固定部材70の第2垂直部70dに取り付けられている。第2取付部8は、張線器本体部2を間にして、第1取付部5や第3取付部12(後述)が配置されている側とは反対の側に配置されている。
第2取付部8は、第1取付部5と略々同じ高さ位置において、張線器本体部2に取り付けられている。
第2取付部8は、鉤部800と、基部820とを有している。鉤部800は、張線器本体部2の幅方向、すなわち横方向に向けて基部820より突き出ている。鉤部800は、鉤部800の表口(鉤部800の根元部800aと先端部800bとの間)に、鉤部800の表口を開閉可能なように開閉部材802を配設している。
開閉部材802は、その根元部802aが、鉤部800の根元部800aに設けられている固定軸804に取り付けられており、固定軸804を支軸にして揺動自在である。開閉部材802は、その先端部802bが、鉤部800の先端部800bに圧接するように、ばね部材(図示せず)によって弾性力が付与されている。この構造によって、鉤部800に取り付けられた尻手ワイヤ830は、外れ難くなっている。
基部820は、固定部材70の第2垂直部70dを貫通して、第1水平部70aと第2水平部70bとの間に配置されている。基部820は、鉤部800を、回転軸R(図6図示)の周りに回転自在に支持している。
鉤部800には、予め地上において、最適な尻手ワイヤ830が選択され、直接又はフックなどを介して取り付けられる。
(第3取付部の構成)
第3取付部12は、第1チェーン6の巻取り側端部6bを、例えば、ボルト取付け座部228に取り付けるためのものである。
図2、図5及び図8に示すように、第3取付部12は、ボルト取付け座部228の取付穴230に挿入可能なジョイントボルト124と、このジョイントボルト124を表口を開閉可能に支持するU字形部材122と第1チェーン6の巻取り側端部6bの先端は、第3取り付け部12のU字形部材122に固定されている。
第1チェーン6の固定側端部6aは、図5及び図8に示すように、張線器本体部2の固定部材70の第1垂直部70cに配設されたジョイントボルト74に取り付けられている。第1チェーン6は、第1取付部5に巻回されて、巻取り側端部6bがチェーン入出口238より張線器本体部2のロードシープ38に入り、ロードシープ38のポケット38aを周回した第1チェーン6の巻取り側端部6bは、第3取り付け部12のU字形部材122に固定される。
(駆動源の構成)
駆動源である電動回転機7は、回転駆動機構3に回転駆動力を付与するものであり、電動モータを有している。図1、図2及び図13に示すように、電動回転機7は、電動ドリルの回転機であり、電動回転機7の電動モータが、回転駆動機構3に回転駆動力を付与する。
電動回転機7は、概略、電動回転機本体700と、電動回転機本体700に内蔵されている電動モータ及びブレーキ機構(図示せず)と、電動回転機本体700に設けている電動モータの正/逆回転切替スイッチ(図示せず)と、電動回転機本体700の先端部に取り付けられているチャック720と、電動回転機本体700の中央部に設けられたハンドル740と、ハンドル740の下部に設けられた受信機装着部760と、受信機装着部760に設けられている取付金具780とを有している。
チャック720は、電動モータの回転軸の先端に設けられ、棒状物をつかむことができる構造を備える。なお、電動回転機7は、市販の周知のものであり、その詳細な説明は省略する。
電動回転機7を張線器本体部2に装着する場合は、張線器本体部2の回転駆動機構収容部22の上面220に固定されている電動回転機固定用部材26の電動回転機挿入用穴268から、電動回転機本体700のチャック720が挿入される。
チャック720が、回転駆動機構収容部22に内蔵された回転駆動機構3の第1回転軸30の上側端部30aを囲む位置にセットされると、図7に示すように、締付け部材274のハンドル276が正回転方向に回動操作され、電動回転機固定用部材26が締め付けられる。これによって、電動回転機挿入用穴268の径が小さくなり、電動回転機本体700のチャック720側の先端部分が電動回転機固定用部材26に堅固に固定される。
次に、回転駆動機構収容部22に形成されている2つの電動回転機操作用窓232,239を通して、チャック720が締め込まれる。これによって、チャック720は、第1回転軸30の上側端部30aをチャッキング(つかむ)し、電動回転機7の駆動と共に、第1回転軸30が回転駆動することになる。
電動回転機7を張線器本体部2から取り外す場合は、回転駆動機構収容部22に形成されている2つの電動回転機操作用窓232,239を通して、チャック720が緩められる。これによって、チャック720は、第1回転軸30の上側端部30aからアンチャッキングされる。
次に、締付け部材274のハンドル276が、図7に示すように、逆回転方向に回動操作され、電動回転機固定用部材26が緩められる。これによって、電動回転機挿入用穴268の径が大きくなり、電動回転機本体700が電動回転機固定用部材26から取り外し可能となる。このように、電動回転機7は、張線器本体部2に容易に着脱することができる。
また、電動回転機7は、送信機9(後述)が作業者によって操作されて、送信機9から受信機10(後述)に、電動モータのON/OFF制御信号が無線で送信されると、受信機10からのON/OFF制御信号を受信機装着部760を介して受け取り、電動モータのON/OFF制御が実行されるように構成されている。
牽引部である第1チェーン6を張線器本体部2の内部に巻き取る場合は、作業者によって、電動回転機7に設けている電動モータの正/逆回転切替スイッチ(図示せず)が、手動で「正回転」側に切り替えられると共に、張線器本体部2に設けられている止爪54のレバー部54aが、手動で切り換え操作されて、止爪54の爪部54bがラチェット型ブレーキギヤ50に噛み合うように係止される(図10及び図12参照)。
その後、送信機9が作業者によって操作されて、送信機9から受信機10に、電動モータのON信号が無線で送信される。電動回転機7は、受信機10からのON信号が送られてくると、電動モータが正回転して、回転駆動機構3の第1回転軸30が正回転駆動する。これによって、牽引部である第1チェーン6の巻取り側端部6b側が張線器本体部2の内部に巻き取られて、第1取付部5が張線器本体部2の側に引き寄せられる。
第1チェーン6が、所望の長さだけ張線器本体部2の内部に巻き取られると、送信機9が作業者によって操作されて、送信機9から受信機10に、電動モータのOFF信号が無線で送信される。電動回転機7は、受信機10からOFF信号が送られてくると、電動モータが停止して、回転駆動機構3の第1転軸30の回転が停止する。
一方、第1チェーン6を張線器本体部2の内部から引き出して緩ませる場合は、作業者によって、電動回転機本体700に設けている電動モータの正/逆回転切替スイッチ(図示せず)が、「逆回転」側に切り替えられると共に、張線器本体部2に設けられている止爪54のレバー部54aが、手動で切り換え操作されて、止爪54の爪部54bがラチェット型ブレーキギヤ50から外される。
その後、送信機9が作業者によって操作されて、送信機9から受信機10に、電動モータのON信号が無線で送信される。電動回転機7は、受信機10からのON信号が送られてくると、電動モータが逆回転して、回転駆動機構3の第1回転軸30が逆回転駆動する。これによって、牽引部である第1チェーン6の巻取り側端部6b側が張線器本体部2の内部から引き出される。
第1チェーン6が、所望の長さだけ張線器本体部2の内部から引き出されると、送信機9が作業者によって操作されて、送信機9から受信機10に、電動モータのOFF信号が無線で送信される。電動回転機7は、受信機10からOFF信号が送られてくると、電動モータが停止して、回転駆動機構3の第1回転軸30の回転が停止する。
また、張線装置1の張力は、以下の計算式に基づいて算出される。
63N.m(電動回転機7のトルク)×2/1(ギア比)=126N.m
126N.m×23T/7T(張線器本体部2の減速比)=414N.m
414N.m×2/1(動滑車)=828N.m=8280kg.cm
8280kg.cm×1/2.575(ロードシープ38の半径)=3010kg
駆動源として電動回転機7を電動回転機とすれば、駆動源と電動回転機とが兼用されている構成となり、電動回転機を別途携行する必要がなく、架線などの張設作業に適する。
(送信機の構成)
送信機9は、電動回転機7の電動モータを無線制御するためのものである。図1及び図2に示すように、送信機9は、略直方体形状のコントロールボックス90と、コントロールボックス90に内蔵されている電子部品搭載回路基板(図示せず)と、コントロールボックス90の上面に配設されているONスイッチ92及びOFFスイッチ93と、コントロールボックス90の1つの側面に配設されている送信用赤外線発光ダイオード96とを有している。
ONスイッチ92が押されると、送信用赤外線発光ダイオード96から、電動回転機7の電動モータを稼動させるための無線信号(赤外線)が、受信機10に向かって送信される。一方、OFFスイッチ93が押されると、送信用赤外線 ダイオード96から、電動回転機7の電動モータを停止させるための無線信号(赤外線)が、受信機10に向かって送信される。
従って、作業者は、張線装置1から離れた位置で、電動回転機7の電動モータのON/OFFを無線で制御できる。
なお、本実施の形態の送信機9は、電動回転機7の電動モータのON/OFF制御のみを行うものであるけれども、さらに、電動モータの正/逆回転などの制御を行うように構成されていてもよい。
(受信機の構成)
受信機10は、送信機9から送信された無線信号を受信するためのものである。図1及び図2に示すように、受信機10は、電動回転機7の受信機装着部760に装着されている。図14は受信機を示す図で、(A)は外観斜視図であり、(B)は底面図である。
図14に示すように、受信機10は、略直方体形状のケース100と、ケース100に内蔵されている電子部品搭載回路基板(図示せず)と、3つの受信用フォトダイオード108a,108b,108cとを有している。
ケース100は、張線器本体部2及び電動回転機7側の第1側面部101と、バッテリ11側の第2側面部102と、背面部103と、平面部104と、正面部105と、底面部106とを有している。第1側面部101は電動回転機7の受信機装着部760に面接触し、第1側面部101に設けられた1対の出力端子107a,107bを介して、受信機10と電動回転機7とが電気的に接続されている。第2側面部102はバッテリ11に面接触し、第2側面部102に設けられた雄型の1対の入力端子109a,109bを介して、受信機10とバッテリ11とが電気的に接続されている。
背面部103には、受信用フォトダイオード108aが配設され、平面部104には受信用フォトダイオード108bが配設され、正面部105には、受信用フォトダイオード108cが配設されている。
平面部104は、張線装置1を用いて電柱間などに架線を張設する際には、下向きとなるので、受信用フォトダイオード108bと地上にいる作業者が持っている送信機9の送信用赤外線発光ダイオード96と向かい合う面となる。
張線装置1を用いて電柱C間等に架線を張設する際には、張線器本体部2及び電動回転機7が回転して受信機10の上下が入れ替わったりすることがある。そこで、背面部103及び正面部105は、地上にいる作業者が持っている送信機9の送信用赤外線発光ダイオード96と向かい合う面となることがあるときに、電動回転機7の電動モータのON/OFF を行うことができるように、受信用フォトダイオード108a及び受信用フォトダイオード108cが設けられている。
なお、本実施の形態の受信機10は、電動回転機7の電動モータのON/OFF制御のみを行うものであるけれども、さらに、電動モータの正/逆回転などの制御を行うように構成されていてもよい。
(バッテリの構成)
バッテリ11は、電動回転機7に電力を供給するためのものである。図1及び図2に示すように、バッテリ11は略直方体形状をしており、その上面110は受信機10の第2側面部102に面接触している。バッテリ11の上面110には、雌型の1対の出力端子112a,112bが設けられている。1対の出力端子112a,112bとして、雌型を採用したため、不要な感電を防止できる。
1対の雌型出力端子112a,112bには、それぞれ、受信機10の1対の雄型入力端子109a,109bが挿入され、受信機10とバッテリ11とが電気的に接続される。なお、バッテリ11は、市販の周知のものであり、その詳細な説明は省略する。
(張線装置の使用手順)
次に、以上の構成からなる張線装置1を用いて、架線などの自由端側を電柱側に引っ張って、電柱間などに架線を張設する手順の一例について説明する。図15は、張線装置1の使用手順を説明するための斜視図である。図16は、張線装置1の使用手順を示すフローチャートである。
ステップS1で、張線装置1の第1取付部5の鉤部500には、第1掴線器900が、第1掴線器900に設けられた取付穴902を利用して取り付けられる。第2取付部8の鉤部800には、尻手ワイヤ830の張線器側取付端部830bが、フック832を利用して取り付けられる。
次に、ステップS2で、尻手ワイヤ830、第1掴線器900及び第2掴線器920を取り付けた張線装置1が、作業者によって、電柱Cの高所の作業位置まで携帯される。その後、尻手ワイヤ830の電柱側取付端部830aが、電柱Cに巻き付けられた後、締め付け部材834によって締め込まれ、張線装置1が電柱Cに取り付けられる。
次に、ステップS3で、作業者によって、電動回転機本体700に設けている電動モータの正/逆回転切替スイッチが「逆回転」側に切り替えられると共に、張線器本体部2に設けられている止爪54のレバー部54aが切り換え操作されて、止爪54の爪部54bがラチェット型ブレーキギヤ50から外される。
その後、作業者によって、送信機9が操作されて、送信機9から受信機10に、電動モータのON信号が無線で送信される。電動回転機7は、受信機10からのON信号が送られてくると、電動モータが逆回転して、回転駆動機構3の第1回転軸30が逆回転駆動される。これによって、牽引部である第1チェーン6の巻取り側端部6b側が張線器本体部2の内部から引き出される。
第1チェーン6が、所望の長さだけ張線器本体部2の内部から引き出されると、送信機9が操作されて、送信機9から受信機10に、電動モータのOFF信号が無線で送信される。電動回転機7は、受信機10からOFF信号が送られてくると、電動モータが停止して、回転駆動機構3の第1回転軸30の逆回転が停止する。
第1チェーン6が引き出された状態で、架線960の自由端960a側が、張線装置1に取り付けられた第1掴線器900によって掴持される。
次に、ステップS4で、作業者によって、電動回転機本体700に設けている電動モータの正/逆回転切替スイッチが「正回転」側に切り替えられると共に、張線器本体部2に設けられている止爪54のレバー部54aが切り換え操作されて、止爪54の爪部54bがラチェット型ブレーキギヤ50に噛み合うように係止される。
その後、作業者によって、送信機9が操作されて、送信機9から受信機10に、電動モータのON信号が無線で送信される。電動回転機7は、受信機10からのON信号が送られてくると、電動モータが正回転して、回転駆動機構3の第1回転軸30が正回転駆動される。
これによって、牽引部である第1チェーン6の巻取り側端部6b側が、張線器本体部2の内部に巻き取られて、第1取付部5が張線器本体部2の側に引き寄せられる。この結果、架線960の自由端960a側が、張線装置1と共に上方に引き上げられながら、電柱C側に引っ張られて保持される。
このとき、作業者は、張線装置1から離れた位置から、送信機9を操作することによって、第1チェーン6の巻き取り作業を実行することができる。従って、仮に、架線960と第1掴線器900との掴持が外れても、第1掴線器900が作業者の方に飛んできて怪我をしたり、架線960に触れて感電をしたりするおそれがなくなる。
第1チェーン6が、所望の長さだけ張線器本体部2の内部に巻き取られると、送信機9が作業者によって操作されて、送信機9から受信機10に、電動モータのOFF信号が無線で送信される。電動回転機7は、受信機10からOFF信号が送られてくると、電動モータが停止して、回転駆動機構3の第1回転軸30の正回転が停止する。
次に、ステップS5で、架線960の十分な張設がなされているか否かが判断される。架線960の張設が十分なされていると判断された場合は、ステップS6で、電柱Cの上の作業者は、架線960と電柱Cとを接続する。
一方、ステップS5で、架線960の張設が十分なされていないと判断された場合は、電柱C側に引っ張られて保持された架線960の自由端960a側が、第3取り付け部12に取り付けられた第2掴線器920によって掴持される。
次に、第1掴線器900から架線960が外され、前記ステップS3が実行される。
次に、架線960の自由端960a側が、第1掴線器900によって掴持された後、第2掴線器920から架線960が外され、前記ステップS4が実行される。
そして、再び、ステップS5で、架線960の十分な張設がなされているか否かが判断される。仮に、再び、架線960の張設が十分なされていないと判断された場合は、ステップS3とステップS4とが必要なだけ繰り返される。
なお、バッテリ11の蓄電がなくなった場合は、電動回転機7の代わりに、図17に示すラチェットハンドル140を使用して、手動で回転駆動機構3に回転駆動力を付与する。図17の(A)はラチェットハンドル140の正面図であり、(B)は平面図である。
ラチェットハンドル140は、ラチェット本体部142と、ラチェット本体部142に対して垂直に取り付けられたソケット部124と、ラチェット本体部142に対して水平に取り付けられたハンドル部148とを有している。
ソケット部144は、ラチェット本体部142に把持される基部144aと、基部144aに樹設されたボックスレンチ部144bとを有している。ボックスレンチ部144bは筒状の六角柱であり、その長さLは、張線器本体部2の回転駆動機構収容部22の上面222に配置されている電動回転機固定用部材26の電動回転機挿入用穴268の位置から回転駆動機構3の第1回転軸30の上側端部30aまでの距離より長い寸法に設定されている。ボックスレンチ部144bの横断面の内周面145の形状は、第1回転軸30の六角柱形状の上側端部30aが嵌まるように、六角形状となっている。
ラチェットハンドル140は、電動回転機固定用部材26の電動回転機挿入用穴268から挿入され、ボックスレンチ部144bの先端部に、第1回転軸30の上側端部30aが嵌め込まれると、ハンドル部148が作業者によって水平方向に往復揺動操作される。これによって、ボックスレンチ部144bが回転駆動すると共に、第1回転軸30が回転駆動することになる。
以上の構成からなる張線装置1は、牽引部がワイヤーのような帯状体ではなく、チェーンであるため、所望の位置で第1チェーン6を90度に曲げたり、180度折り返したりすることができ、牽引部の取り扱いの自由度が高くなり、架線などの素早い張設作業に適している。
また、回転駆動機構3が、主として、駆動源である電動回転機7の電動モータの駆動力によって回転駆動する構造であるため、回転駆動機構3の回転速度が速くなる。従って、牽引部である第1チェーン6を張線器本体部2の内部に巻き取って第1取付部5を張線器本体部2の側に引き寄せる動作が速くなる。この結果、架線などの張設を素早くできる。
また、作業者は、張線装置1から離れた位置から、送信機9を操作することによって、第1チェーン6の巻き取り作業を実行することができる。従って、仮に、架線960と第1掴線器900との掴持が外れても、第1掴線器900が作業者の方に飛んできて怪我をしたり、架線960に触れて感電をしたりするおそれがなくなる。この結果、架線などの張設を安全にできる。
さらに、張線装置1は、従来のウィンチなどと比較して、軽量化が可能となる。
なお、この発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変形される。
1 張線装置
2 張線器本体部
3 回転駆動機構
4 ブレーキ機構
5 第1取付部
6 牽引部(第1チェーン)
6a 固定側端部
6b 巻取り側端部
7 駆動源(電動回転機)
8 第2取付部
9 送信機
10 受信機
11 バッテリ
12 第3取付部
20 筐体
22 回転駆動機構収容部
24 ブレーキ機構収容部
26 電動回転機固定用部材
27 中間ベース台座部
28 底部
30 第1回転軸
30a 上側端部
30b 下側端部
32 第1平歯車
32a,36a,45a,47a,49a,50b,51a 芯部
34 第2回転軸
34a 上側端部
34b 下側端部
36 第2平歯車
38 ロードシーブ
38a ポケット
38b 車
40 第3回転軸
40a 上側端部
40b 下側端部
40c 雄ねじ部
40d 貫通孔
41a,41b 六角穴付ボルト
42a,42b ばね座金
43 ツマミ
44 割ピン
44a 足
45 チェックワッシャー
46 第3平歯車
46a 雌ねじ孔芯部
47 ディスク
49 第1ブレーキライニング
50 ラチェット型ブレーキギヤ
50a 歯部
51 第2ブレーキライニング
52 ブレーキ板
53 ピニオン
54 止爪
54a レバー部
54b 爪部
55 ラチェット爪
70 固定部材
70a 第1水平部
70b 第2水平部
70c 第1垂直部
70d 第2垂直部
74 ジョイントボルト
90 コントロールボックス
92 ONスイッチ
93 OFFスイッチ
96 送信用赤外線発光ダイオード
100 受信機本体
101 第1側面部
102 第2側面部
103 背面部
104 平面部
105 正面部
106 底面部
107a,107b 出力端子
108a,108b,108c 受信用フォトダイオード
109a,109b 入力端子
110 上面
112a,112b 出力端子
122 U字形部材
124 ジョイントボルト
128 第2チェーン
128a 固定側端部
128b 掴線器取付側端部
140 ラチェットハンドル
142 ラチェット本体部
144 ソケット部
144a 基部
144b ボックスレンチ部
148 ハンドル部
220 上面
222 底面
224 正面
225 第1側面
226 背面
227 第2側面
230 取付穴
232,239 電動回転機操作用窓
236,238 チェーン入出口
240 上面
242 底面
244 正面
245 側面
246 背面
248 第2張出し部
250 止爪操作用窓
260 天部
262 正面部
262a 第1正面部
262b 第2正面部
263 第1側面部
264 背面部
265 第2側面部
268 電動回転機挿入用穴
270 スリット
272a,272b,272c 固定用ボルト
274 締付け部材
274a 締付け側端部
274b 固定側端部
276 ハンドル
278 逃がし溝
278a 第1の逃がし溝
278b 第2の逃がし溝
280a,280b 係止縁
310 第1回転軸用保持部材
312 上板
314 下板
500 鉤部
500a 根元部
500b 先端部
502 開閉部材
502a 根元部
502b 先端部
504 固定軸
520 基部
522 動滑車収容部
526 動滑車
528 固定軸
700 電動回転機本体
720 チャック
722 係止突部
740 ハンドル
760 受信機装着部
760 取付金具
800 鉤部
800a 根元部
800b 先端部
802 開閉部材
802a 根元部
802b 先端部
804 固定軸
820 基部
830 尻手ワイヤ
830a 電柱側取付端部
900 第1掴線器
902 取付穴
920 第2掴線器
922 取付穴
960 架線
960a 自由端
C 電柱

Claims (5)

  1. 張線器本体部と、
    第1取付部と、
    前記張線器本体部と前記第1取付部との間を連結するための牽引部と、
    前記張線器本体部に内蔵された、前記牽引部を前記張線器本体部の内部に巻き取って前
    記第1取付部を前記張線器本体部の側に引き寄せるように動作する回転駆動機構と、
    前記回転駆動機構に駆動力を付与する電動モータを有し、スイッチで回転を制御される
    駆動源と、
    前記張線器本体部の回転駆動機構の近傍に内蔵された、前記回転駆動機構及び/又は第
    1取付部の移動を制御するためのブレーキ機構と、
    前記張線器本体部に設けられた第2取付部と、を備え、
    前記牽引部は長さを有するチェーン又は帯状体であり、
    前記回転駆動機構は、主として、前記駆動源の電動モータの駆動力によってブレーキ機
    構を介して回転駆動する構造であり、
    張線器本体部は、回転駆動機構及びブレーキ機構を内蔵する筐体を有し、
    筐体は、回転駆動機構を内蔵している回転駆動機構収容部と、ブレーキ機構を内蔵しているブレーキ機構収容部と、電動回転機を回転駆動機構収容部に固定するための電動回転機固定用部材とを有し、
    回転駆動機構収容部とブレーキ機構収容部とは、並び、
    電動回転機固定用部材は、回転駆動機構収容部に固定され、
    電動回転機固定用部材は、電動回転機挿入用穴が形成され、
    電動回転機挿入用穴は、電動回転機のチャック側が挿入でき、かつ、保持できるように
    形成されていること、
    を特徴とする、張線装置。
  2. 張線器本体部と、
    第1取付部と、
    前記張線器本体部と前記第1取付部との間を連結するための牽引部と、
    前記張線器本体部に内蔵された、前記牽引部を前記張線器本体部の内部に巻き取って前
    記第1取付部を前記張線器本体部の側に引き寄せるように動作する回転駆動機構と、
    前記回転駆動機構に駆動力を付与する電動モータを有し、スイッチで回転を制御される
    駆動源と、
    前記張線器本体部の回転駆動機構の近傍に内蔵された、前記回転駆動機構及び/又は第
    1取付部の移動を制御するためのブレーキ機構と、
    前記張線器本体部に設けられた第2取付部と、を備え、
    前記回転駆動機構は、第1回転軸を有し、
    前記牽引部は長さを有するチェーン又は帯状体であり、
    前記回転駆動機構は、主として、前記駆動源の電動モータの駆動力によってブレーキ機
    構を介して回転駆動する構造であり、
    第1回転軸は、回転軸方向が第1チェーンが回転する横方向と直交ないしは交差する方
    向になるように、電動回転機固定用部材の電動回転機挿入用穴の中央に配置され、第1回転軸の端部は、第1回転軸を回転駆動する際に、駆動源である電動回転機のチャックによってチャッキングされるように形成されたこと、
    を特徴とする、張線装置。
  3. 張線器本体部と、
    第1取付部と、
    前記張線器本体部と前記第1取付部との間を連結するための牽引部と、
    前記張線器本体部に内蔵された、前記牽引部を前記張線器本体部の内部に巻き取って前
    記第1取付部を前記張線器本体部の側に引き寄せるように動作する回転駆動機構と、
    前記回転駆動機構に駆動力を付与する電動モータを有し、スイッチで回転を制御される
    駆動源と、
    前記張線器本体部の回転駆動機構の近傍に内蔵された、前記回転駆動機構及び/又は第
    1取付部の移動を制御するためのブレーキ機構と、
    前記張線器本体部に設けられた第2取付部と、を備え、
    前記牽引部は長さを有するチェーン又は帯状体であり、
    前記回転駆動機構は、主として、前記駆動源の電動モータの駆動力によってブレーキ機
    構を介して回転駆動する構造であり、
    前記回転駆動機構は、第1回転軸と、前記第1回転軸に固定された第1平歯車と、第2回転軸と、前記第2回転軸に固定された第2平歯車及び第2平歯車に連結されたロードシーブとを有し、
    前記ブレーキ機構は、第3回転軸と、前記第3回転軸に螺着された第3平歯車と、ブレーキ板及びピニオンとを有し、
    前記回転駆動機構の第1平歯車と前記ブレーキ機構の第3平歯車とが噛み合い、前記回転駆動機構の第2平歯車と前記ブレーキ機構のピニオンとが噛み合っていること、
    を特徴とする、張線装置。
  4. 前記駆動源の電動モータを無線制御するための送信機と、
    前記送信機から送信された信号を受信するための、前記駆動源に取り付けられた受信機
    と、
    を備えていること、を特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の張線装置。
  5. 前記ブレーキ機構は、第3回転軸と、前記第3回転軸に螺着された第3平歯車と、ブレ
    ーキ板及びピニオンと、前記第3回転軸に挿通されたディスクと、第1ブレーキライニン
    グと、ラチェット型ブレーキギヤ及び第2ブレーキライニングと、前記ラチェット型ブレ
    ーキギヤに係止可能な止爪とを有し、
    前記ブレーキ機構のディスクと、第1ブレーキライニングと、ラチェット型ブレーキギ
    ヤ及び第2ブレーキライニングとの面接触摩擦力及び前記ラチェット型ブレーキギヤに係
    止した止爪とによって、第3回転軸の逆回転を制御すること、
    を特徴とする、請求項1ないし請求項のいずれかに記載の張線装置。
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