JP5892422B2 - 分極抵抗測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリートと該コンクリート埋設された鉄筋とを有するコンクリート構造物における鉄筋の分極抵抗を測定する分極抵抗測定方法に関する。
従来、コンクリートと該コンクリート埋設された鉄筋とを有するコンクリート構造物(以下、単に構造物という場合がある。)において、構造物中の鉄筋の腐食を防止するために、電気防食法が用いられている。かかる電気防食法として、一般的に、外部電源方式による方法が知られている。
該外部電源方式としては、例えば、以下の方式が挙げられる。すなわち、まず、鉄筋における比較的腐食し易い箇所に対応して構造物表面に、例えば線状陽極等の陽極材を配置する。次に、構造物の一部をはつりさせて鉄筋を露出させて、上記陽極材と露出させた鉄筋とを外部電源に電気的に接続させる。そして、該外部電源によって陽極材が陽極、鉄筋が陰極となるように直流電圧を印加することによって、構造物表面側から鉄筋に向かって移動して鉄筋に流入する防食電流を、上記陽極材から構造物に流入させる方式である。
また、かかる電気防食法において効果的に鉄筋の腐食を防止するためには、構造物中の鉄筋の腐食箇所に応じて陽極材を適切に配置する必要があることも知られている。鉄筋におけるこの腐食箇所を把握する方法として、構造物表面において鉄筋の分極抵抗を測定する方法が用いられている。かかる分極抵抗は、構造物における所定の領域で直流電流を流入させたときに、該直流電流を流入させた領域の直下において鉄筋の一部が分極して生じた直流分極量を、このときに鉄筋に流入した直流電流量で除することによって算出される値である。かかる分極抵抗を測定する方法としては、交流インピーダンス法と直流分極抵抗法とが知られている。
交流インピーダンス法としては、例えば、構造物表面に接触させつつ交流電流を流入させて鉄筋を分極させることが可能な対極と、構造物表面に接触させつつ、対極から構造物に流入した交流電流量と鉄筋の交流分極量とを検知可能な照合電極とを用いて、鉄筋の分極抵抗を測定する方法が提案されている(特許文献1、2、3参照)。かかる方法では、対極が一対用いられており、かかる2つの対極は、中央側に開口をそれぞれ有し、且つ、内側と外側とに2つ並べて配されている。また、かかる2つの対極から、構造物に対して周波数を段階的に変更しつつ交流電流を流入させ、上記照合電極で検知された交流電流量及び交流分極量を、直流電流量及び直流分極量と換算した後、これらから分極抵抗を算出するようになっている。
かかる交流インピーダンス法において、一対の対極のうち、外側対極は、内側対極から構造物へと流入した電流が、外側に向かって放射状に拡散することを抑制するためのものであり、この外側電極を配置することによって、内側対極から構造物に流入させた電流が、該内側対極と対向する領域に流れるため、鉄筋における該対向する領域の分極抵抗を測定することが可能となっている。
一方、直流分極抵抗法としては、例えば、上記と同様の一対の対極と、照合電極とを用い、一対の対極から構造物に直流電圧を段階的に大きくしながら流入させ、照合電極によって鉄筋に流入した直流電流量及び鉄筋の直流分極量を検知し、検知結果から分極抵抗を算出する方法が提案されている(特許文献4参照)。
特開昭63−163266号公報 特許第2685358号公報 特開2001−108653号公報 特開2009−235512号公報
しかし、上記交流インピーダンス法では、周波数を段階的に変更する必要があるため、測定時間が比較的長くなり、また、検知された交流分極量を直流分極量に換算する必要があるため、効率的とはいえない。また、分極抵抗は電流密度に対して非線形関係にあるところ、交流インピーダンス法では極めて小さい電流密度の領域における分極抵抗を評価しているのに対し、電気防食で対象とする電流密度の領域は交流インピーダンス法で対象とする領域よりも大きい。そのため、交流インピーダンス法で得られる分極抵抗を電気防食の有限要素法の境界条件として利用することは極めて困難である。
また、当該方法では、一対の対極を用いているため、構造物表面における2つの対極がそれぞれ接触する領域の不陸の状況が異なる場合や、該各領域に対する接触状態が異なる場合等には、測定結果に大きな誤差が生じ、鉄筋の分極抵抗を精度良く測定できないおそれがある。
一方、上記したような直流分極抵抗法では、交流から直流への換算が不要である分、交流インピーダンス法よりも効率的となる。
しかし、当該方法では、直流電流を段階的に大きくする必要があるため、測定時間が比較的長くなり、十分に効率的とは言い難い。また、当該方法においても対極を2つ用いているため、上記と同様、測定結果に誤差が生じるおそれや、鉄筋の分極抵抗を精度良く測定できないおそれがある。
上記問題点に鑑み、本発明は、コンクリートと該コンクリート埋設された鉄筋とを有するコンクリート構造物における鉄筋の分極抵抗を、精度良く効率的に測定することが可能な分極抵抗測定方法を提供することを課題とする。
本発明者らが上記課題について鋭意研究したところ、以下のことが判明した。
すなわち、例えば、上記したような外側対極を用いることなく、内側対極のみを用いた場合、該対極と構造物表面との接触面積が比較的小さくなる一方、上記の通り、該対極から構造物中に流入した電流が拡散するため、結果的に測定精度が低下することになる。
ここで、上記のように、対極によって構造物表面側からコンクリートを介して鉄筋に直流電流を流入させたとき、対極から構造物に流入した直流電流量や鉄筋の直流分極量は、実際に測定することが可能であるのに対し、鉄筋における対極と最短距離で結ぶ領域に流入した直流電流量や当該領域における鉄筋の分極抵抗は、実際に測定することができない。
しかし、上記鉄筋に流入した直流電流量や鉄筋の分極抵抗のうち、上記鉄筋に流入した直流電流量については、有限要素法解析(FEM解析)を用いることによって算出し得ることが、一般的に知られている。
かかるFEM解析では、構造物におけるコンクリートの抵抗率、対極の自然電位、鉄筋の自然電位、対極の分極抵抗、鉄筋の分極抵抗、対極に印加された直流電圧を境界条件として用いつつ、ラプラス方程式にて上記鉄筋に流入する直流電流量とを算出する方法である。
また、通常、上記境界条件のうち、コンクリートの抵抗率、対極の自然電位、鉄筋の自然電位、対極の分極抵抗、対極に印加された直流電圧は、実際に測定可能であるため、実測値が用いられる一方、鉄筋の分極抵抗は、上記の通り実際に測定できないため、過去のデータの蓄積分等から予測して設定された値が用いられる。
一方、一般に、鉄筋の分極抵抗は、鉄筋の直流分極量を鉄筋に流入した直流の電流量で除することによって算出することができるため、境界条件として設定した仮想分極抵抗と、FEM解析によって算出された鉄筋に流入した直流電流量とを乗じると、鉄筋の直流分極量が求められるはずであると考えられる。
そして、求められた鉄筋の直流分極量は、上記の通り、実際に測定された鉄筋の直流分極量(対極から直流電流を構造物に流入させたとき、照合電極によって検知された、鉄筋における直流電位の自然電位からの変化量)と等しくなると考えられ、両者を比較して、両者にずれがある場合には、仮想分極抵抗の値にずれがあることになると考えられる。このため、複数の仮想分極抵抗を用い、FEM解析を行って鉄筋の直流分極量をそれぞれ算出し、算出された直流分極量と上記実測値たる直流分極量とのずれが最も小さくなったときの仮想分極抵抗の値を、鉄筋の分極抵抗として決定し得ることを本発明者らは見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の分極抵抗測定方法は、
コンクリートと該コンクリートに埋設された鉄筋とを有するコンクリート構造物の表面に接触させつつ直流電流を前記構造物に流入させて前記鉄筋を分極させることが可能な、開口を有する対極と、
前記構造物表面に接触させつつ前記鉄筋の直流分極量を検知可能な照合電極とを用い、
前記対極から前記構造物に所定の直流電流を流入させ、前記照合電極の検知結果に基づいて前記鉄筋の分極抵抗を測定する分極抵抗測定方法であって、
前記対極を1つ用い、且つ、前記照合電極を少なくとも1つ用いて、
前記照合電極ごとに、前記鉄筋の直流分極量を検知し、前記鉄筋の仮想分極抵抗を複数用い、該複数の仮想分極抵抗を境界条件として有限要素法解析による解析を行って、前記鉄筋に流入した仮想直流電流量をそれぞれ算出し、算出された仮想直流電流量と前記仮想分極抵抗とを乗じて前記鉄筋の仮想直流分極量をそれぞれ算出し、
前記実測値たる直流分極量と前記仮想直流分極量との差が全体として最も小さくなった仮想分極抵抗を、前記鉄筋の分極抵抗として決定することを特徴とする。
ここで、本発明において「差が全体として最も小さくなった」とは、前記照合電極が複数備えられている場合には、照合電極ごとに得られる前記実測値たる直流分極量と前記仮想直流分極量との差の合計が最も小さくなったことを意味し、前記照合電極が1つ備えられている場合には、その照合電極における前記実測値たる直流分極量と前記仮想直流分極量との差が最も小さくなったことを意味する。
また、「分極抵抗」とは、「鉄筋の直流分極量」を「鉄筋に流入した直流電流量」で除することによって算出される値を意味し、「仮想分極抵抗」とは、予想に基づく等により任意に設定された分極抵抗を意味する。なお、「分極抵抗」及び「仮想分極抵抗」の意味するところは、下記においても同様である。
かかる構成よれば、1つの対極を用いることによって、コンクリート構造物表面との接触面積を比較的小さくすることができるため、該接触面積が比較的大きいことに起因する測定誤差を低減することができる。
また、有限要素法解析を行って得られた仮想直流分極量が、実測値たる直流分極量に対してずれている場合であっても、このずれが補正されるように仮想分極抵抗の値を決定することができるため、鉄筋における照合電極と最短距離で結ぶ領域(照合電極で検知可能な領域)での分極抵抗を精度良く測定することが可能となる。また、対極から構造物に流入させた直流電流が構造物中で拡散していても、分極抵抗を精度良く測定することが可能となる。
加えて、分極抵抗の測定に際して直流電流を用いるため、効率的となる。
従って、コンクリートと該コンクリートに埋設された鉄筋とを有するコンクリート構造物における鉄筋の分極抵抗を、精度良く効率的に測定することが可能となる。
また、本発明の分極抵抗測定方法は、
コンクリートと該コンクリートに埋設された鉄筋とを有するコンクリート構造物の表面に接触させつつ直流電流を前記構造物に流入させて前記鉄筋を分極させることが可能な、開口を有する対極と、
前記構造物表面に接触させつつ前記鉄筋の直流分極量を検知可能な照合電極とを用い、
前記対極から前記構造物に所定の直流電流を流入させ、前記照合電極の検知結果に基づいて前記鉄筋の分極抵抗を測定する分極抵抗測定方法であって、
前記対極を1つ用い、且つ、前記照合電極を少なくとも1つ用いて、
前記照合電極ごとに、前記鉄筋の直流分極量を検知し、前記鉄筋の仮想分極抵抗を複数用い、該複数の仮想分極抵抗を境界条件として有限要素法解析による解析を行って、前記鉄筋に流入した仮想直流電流量をそれぞれ算出し、前記実測値たる直流分極量を前記仮想分極抵抗で除することにより前記鉄筋の実測値に基づく直流電流量をそれぞれ算出し、
前記実測値に基づく直流電流量と前記仮想直流電流量との差が全体として最も小さくなった仮想分極抵抗を、前記鉄筋の分極抵抗として決定することを特徴とする。
ここで、本発明において、「差が全体として最も小さくなった」とは、前記照合電極が複数備えられている場合には、照合電極ごとに得られる前記実測値に基づく直流電流量と前記仮想直流電流量との差の合計が最も小さくなったことを意味し、前記照合電極が1つ備えられている場合には、その照合電極における前記実測値に基づく直流電流量と前記仮想直流電流量との差が最も小さくなったことを意味する。
以上のように、本発明によれば、コンクリートと該コンクリート埋設された鉄筋とを有するコンクリート構造物における鉄筋の分極抵抗を、精度良く効率的に測定することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る分極抵抗測定方法に用いられる分極抵抗測定装置の構成を模式的に示す概略図 対極を模式的に示す概略上面図 対極を模式的に示す概略側面図 コンクリート構造物表面における対極センサによる測定位置P1、P2、P3を示す概略図。 対極センサに直流電圧が印加される状態を模式的に示す概略図 測定位置P1、P2、P3でのFEM解析を行う際に、鉄筋において各測定位置に配された対極センサで測定され得る領域のモデルを模式的に示す概略図 実施例1における、仮想分極抵抗を1500Ωm2としたときの、実測値たる直流分極量と仮想直流分極量とを表すグラフ 実施例1における、仮想分極抵抗を1400Ωm2としたときの、実測値たる直流分極量と仮想直流分極量とを表すグラフ 実施例1における、仮想分極抵抗を1300Ωm2としたときの、実測値たる直流分極量と仮想直流分極量とを表すグラフ 参考例1における、測定位置P1での鉄筋に流入した直流電流量と鉄筋の直流分極量との関係を、実測値及び仮想値について示すグラフ 参考例1における、測定位置P2での鉄筋に流入した直流電流量と鉄筋の直流分極量との関係を、実測値及び仮想値について示すグラフ 参考例1における、測定位置P3での鉄筋に流入した直流電流量と鉄筋の直流分極量との関係を、実測値及び仮想値について示すグラフ 実施例2で用いた対極を模式的に示す概略上面図 実施例2において、仮想分極抵抗を80Ωm2としたときの、実測値たる直流分極量と仮想直流分極量とを表すグラフ 実施例2において、仮想分極抵抗を70Ωm2としたときの、実測値たる直流分極量と仮想直流分極量とを表すグラフ 実施例2において、仮想分極抵抗を60Ωm2としたときの、実測値たる直流分極量と仮想直流分極量とを表すグラフ
以下に本発明に係る分極抵抗測定方法の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施形態の分極抵抗測定法に用いられる分極抵抗測定装置について説明する。図1に示すように、本実施形態に用いられる分極抵抗測定装置10は、対極センサ13、端子19、端子21、ポテンションスタット/ガルバノスタット(P/Gスタット)23及びマルチメーター25及び電気ケーブル27を備えている。
対極センサ13は、対極16と照合電極15を備えている。具体的には、開口16aを有する1つの対極16と、1つ以上の照合電極15とを備えている。対極16は、コンクリート2と該コンクリート2に埋設された鉄筋3とを有するコンクリート構造物1の表面1aに接触させつつ直流電流を構造物1に流して鉄筋3を分極させることが可能に構成されている。また、照合電極15は、鉄筋3の直流分極量を検知可能に構成されている。図1では、照合電極15は、1つが開口16a内に備えられ、2つが対極16を挟むように備えられている。なお、照合電極15は、4つ以上備えられていてもよく、開口16a内にのみ1つ備えられていてもよい。また、照合電極15の数量を増やすことによって、鉄筋3の分極抵抗の測定精度を向上させることができる。
P/Gスタット23は、鉄筋3と接触させ得る端子19と、対極16とに電気的に接続されており、構造物表面1aが陽極、鉄筋3が陰極となるように対極16及び端子19に直流電圧を印加可能に構成されている。
マルチメーター25は、鉄筋3と接触させ得る端子21と照合電極15とに電気的に接続されており、照合電極15で検知された、鉄筋3の自然電位、直流電位(Instantoff電位:通電時の真の鋼材電位)、直流分極量を受信して表示するように構成されている。
電気ケーブル27は、対極16及び端子19とP/Gスタット23とをそれぞれ電気的に接続されて、また、照合電極15、端子21及び対極16とマルチメーター25とをそれぞれ電気的に接続して構成されている。
また、かかる分極抵抗測定装置10は、対極16から構造物1に所定の直流電流を流入させ、照合電極15の検知結果に基づいて鉄筋3の分極抵抗を測定可能に構成されている。
照合電極15は、鉄筋3の自然電位、及び、対極から構造物1に直流電流を流入させたときの鉄筋3の直流電位を検知することができるようになっている、すなわち、該直流電位の自然電位からの変化量として鉄筋の直流分極量を検知することができるようになっている。また、照合電極15は、検知結果をマルチメーター25に送信するようになっている。かかる照合電極15は、例えば、鉛、飽和甘こう、飽和硫酸銅、飽和塩化銀、ハフニウム、二酸化マンガン等の金属材料から形成することができる。また、照合電極15の形状は、特に限定されないが、例えば、円筒状とすることができる。また、照合電極15の外径は、特に限定されるものではなく、例えば、対極16の開口17aの大きさに応じて適宜設定されればよい。かかる外径は、2mm〜50mmであることが好ましく、5mm〜30mmであることがさらに好ましい。
ここで、照合電極15の外径とは、該照合電極15が、例えば、図2に示すように、円柱状である場合、該円柱の外周縁のなす円の直径を意味し、例えば、多角柱等である場合、断面の多角形等と内接する仮想円の直径を意味する。
対極16は、P/Gスタット23から直流電圧が供給されて、構造物表面1aから鉄筋3に向かう直流電流を構造物1に流入させるようになっている。また対極16は、該対極16の自然電位、該対極16から構造物1に直流電流を流入させたときの該対極16の直流電位を検知し得るようになっている。さらに、図2及び図3に示すように、対極16は、P/Gスタット23から直流電圧が供給されて構造物1に直流電流を流入させることが可能な直流電流流出部17と、直流電流流出部17よりも柔らかく且つ導電性を有しており、直流電流流出部17の裏面に積層されて構造物表面1aと接触するように構成され、且つ、直流電流流出部17から流出した直流電流が構造物表面1aへと流出することを補助することが可能な直流電流流出補助部18とを有している。
直流電流流出部17は、例えば、SUS、酸化貴金属が焼付されたチタン、白金、ニオブ、白金チタン、亜鉛等から形成されている。直流電流流出部17の形状は、照合電極15が配されるような開口17aを有していれば特に限定されるものではない。該形状は、例えば、中空円筒状とすることができる。また、照合電極15の外径(A)に対し、直流電流流出部17(すなわち対極16)の外径L1がA<L1<10A、内径(開口径)L2がA+1≦L2を満たしていることが好ましく、外径L1がA<L1<4A、内径L2が2A+1<L2を満たしていることがより好ましく、外径L1がL1=3.55A、内径L2がL2=1.65Aを満たしていることがさらに好ましい。外径L1がA<L1<10A、内径L2がA+1≦L2mmを満たしていることによって、より精度良く分極抵抗を測定することができる。
また、より具体的には、外径L1が20mm以上100mm以下であることが好ましく、40mm以上80mm以下であることがより好ましい。
ここで、直流電流流出部17の外径とは、該直流電流流出部17が、例えば、図2に示すように、中空円筒状である場合、該円筒の外周縁のなす円の直径を意味し、例えば、中空多角筒状等である場合、断面の多角形等と内接する仮想円の直径を意味する。また、直流電流流出部17の内径とは、該直流電流流出部17が、例えば、図2に示すように、開口17aの断面が円形の場合、該開口17aの直径を意味し、例えば、開口17aの断面が多角形等である場合、該多角形等と内接する仮想円の直径を意味する。
例えば、直流電流流出部17が図2に示すような中空円筒状である場合、該直流電流流出部17の外径を71mm、内径を33mmとすることができる。
また、直流電流流出部17の厚みは、通常、好ましくは0.1〜10mmとすることができ、より好ましくは1〜5mmとすることができる。例えば、図3に示すように、直流電流流出部17の厚みを1.5mmとすることができる。
直流電流流出補助部18は、直流電流流出部17よりも柔らかい導電性材料から形成されている。かかる直流電流流出補助部18は、直流電流流出部17よりも柔らかいため、構造物表面1aとの密着性により優れる。よって、対極16が直流電流流出補助部18を有していることによって、より精度良く分極抵抗を測定することができる。また、直流電流流出補助部18は、導電性の多孔質材料から形成されていることが好ましく、これにより、水酸化カルシウム等の電解液を含浸させることができるため、直流電流流出補助部18の設置抵抗を低減することができる。このような、導電性の多孔質材料としては、ゴムスポンジや不織布等が挙げられる。
また、図2及び図3に示すように、直流電流流出補助部18は、直流電流流出部17と同様の形状にすることが好ましい。すなわち、上記直流電流流出部の外径及び内径と同様、照合電極15の外径(A)に対し、直流電流流出補助部18(すなわち対極16)の外径L1がA<L1<10A、内径(開口径)L2がA+1≦L2を満たしていることが好ましく、外径L1がA<L1<4A、内径L2が2A+1<L2を満たしていることがより好ましく、外径L1がL1=3.55A、内径L2がL2=1.65Aを満たしていることがさらに好ましい。外径L1がA<L1<10A、内径L2がA+1≦L2mmを満たしていることによって、より精度良く分極抵抗を測定することができる。
また、より具体的には、外径L1が20mm以上100mm以下であることが好ましく、40mm以上80mm以下であることがより好ましい。
ここで、上記直流電流流出部17と同様、直流電流流出補助部18の外径とは、該直流電流流出補助部18が、例えば、図2に示すように、中空円筒状である場合、該円筒の外周縁のなす円の直径を意味し、例えば、中空多角筒状等である場合、断面の多角形等と内接する仮想円の直径を意味する。また、直流電流流出補助部18の内径とは、該直流電流流出補助部18が、例えば、図2に示すように、開口18aの断面が円形の場合、該開口18aの直径を意味し、例えば、開口18aの断面が多角形等の場合、該多角形等と内接する仮想円の直径を意味する。例えば、直流電流流出補助部18が図2に示すような中空円筒状である場合、該直流電流流出補助部18の外径を71mm、内径を33mmとすることができる。
また、直流電流流出補助部18の厚みは、通常、好ましくは1〜10mmである。かかる厚みが、1〜10mmであることによって、直流電流流出部17から流出する電流に悪影響を及ぼし難いという利点がある。例えば、図3に示すように、直流電流流出補助部18の厚みを、直流電流流出部17よりも厚い、5mmとすることができる。なお、対極16を、直流電流流出補助部18を有さず、直流電流流出部19のみを有する構成とすることもできる。
P/Gスタット23は、対極16及び鉄筋3に対して、構造物表面1aが陽極、鉄筋3が陰極となるように、直流電圧を印加して、対極16から構造物表面1aに直流電流を流すためのものである。また、印加する直流電圧を適宜変更することができるようになっている。さらに、対極16から構造物1に流入した直流電流量、対極16に印加した直流電圧を検知することができるようになっている。さらに、これら検知結果を表示することができるようになっている。
マルチメーター25は、照合電極15から送られた直流分極量を表示することができるようになっている。また、マルチメーター25で得られた結果を用いて、例えば中央演算装置(CPU)からなる制御部(不図示)によって、コンクリートの抵抗率、構造物表面1aにおける直流分極量、鉄筋3の直流分極量、分極抵抗等を境界条件として用いつつ有限要素法解析(FEM解析)を行うことによって、鉄筋3に流入した直流電流量を算出するようになっている。
次に、上記分極抵抗装置を用いた分極抵抗測定方法について説明する。
本実施形態の分極抵抗測定方法は、上記対極16と、上記照合電極15とを用い、対極16から構造物1に所定の直流電流を流入させ、照合電極15の検知結果に基づいて鉄筋3の分極抵抗を測定する分極抵抗測定方法であって、
対極16を1つ用い、且つ、照合電極15を少なくとも1つ用いて、
照合電極15ごとに、鉄筋3の直流分極量を検知し、鉄筋3の仮想分極抵抗を複数用い、該複数の仮想分極抵抗を境界条件として有限要素法解析(FEM解析)による解析を行って、上記鉄筋に流入した仮想直流電流量をそれぞれ算出し、算出された仮想直流電流量と上記仮想分極抵抗とを乗じて鉄筋3の仮想直流分極量をそれぞれ算出し、
上記実測値たる直流分極量と上記仮想直流分極量との差が全体として最も小さくなった仮想分極抵抗を、鉄筋3の分極抵抗として決定する。
上記FEM解析は、上記した通り、構造物1におけるコンクリート2の抵抗率、対極16の自然電位、鉄筋3の自然電位、対極16の分極抵抗、鉄筋3の分極抵抗、対極16に印加された直流電圧を境界条件として用いつつ、ラプラス方程式にて鉄筋3に流入する直流電流量とを算出する方法である。
また、FEM解析のモデルにおいては、図6に示すように、鉄筋3における照合電極15の測定対象となる領域をbとし、照合電極15の外径をaとしたとき、a<b<3aであることが好ましく、b=2aであることがより好ましい。例えば、照合電極15の外径が20mmである場合、上記領域は、40mmとすることができる。
上記分極抵抗測定方法において、好適に適用されるコンクリート構造物1としては、例えば、港湾構造物、橋梁等が挙げられる。
かかる構成よれば、1つの対極16を用いることによって、構造物表面1aとの接触面積を比較的小さくすることができるため、該接触面積が比較的大きいことに起因する測定誤差を低減することができる。
また、FEM解析を行ったときの仮想直流分極量が、実測値たる直流分極量に対してずれている場合であっても、このずれが補正されるように仮想分極抵抗の値を決定することができるため、鉄筋3における対極と対向する領域での分極抵抗を精度良く測定することが可能となる。また、対極16から構造物1に流入させた直流電流が構造物1中で拡散していても、分極抵抗を精度良く測定することが可能となる。
加えて、分極抵抗の測定に際して直流電流を用いるため、効率的となる。
従って、コンクリート構造物1における鉄筋3の分極抵抗を、精度良く効率的に測定することが可能となる。
また、本発明の他の実施形態の分極抵抗測定法は、
上記対極16と、上記照合電極15とを用い、対極16から構造物1に所定の直流電流を流入させ、照合電極15の検知結果に基づいて鉄筋3の分極抵抗を測定する分極抵抗測定方法であって、
対極16を1つ用い、且つ、照合電極15を少なくとも1つ用いて、
照合電極15ごとに、鉄筋3の直流分極量を検知し、鉄筋3の仮想分極抵抗を複数用い、該複数の仮想分極抵抗を境界条件としてFEM解析による解析を行って、鉄筋3に流入した仮想直流電流量をそれぞれ算出し、上記実測値たる直流分極量を上記仮想分極抵抗で除することにより鉄筋3の実測値に基づく直流電流量をそれぞれ算出し、
上記実測値に基づく直流電流量と上記仮想直流電流量との差が全体として最も小さくなった仮想分極抵抗を、鉄筋3の分極抵抗として決定する。
ここで、鉄筋3に流入した直流電流量と仮想分極抵抗を乗じることによって算出した鉄筋の直流分極量と、実測値たる鉄筋の直流分極量とを比較することは、実測値たる鉄筋の直流分極量を仮想分極抵抗で除することによって算出した鉄筋に流入した直流電流量(実測値に基づく鉄筋に流入した直流電流量)と、FEM解析で算出した鉄筋の仮想直流電流量とを比較することに相当する。
よって、かかる実施形態においても、上記実施形態と同様、コンクリート構造物1における鉄筋3の分極抵抗を、精度良く効率的に測定することが可能となる。
上記本実施形態の分極抵抗測定法について、以下、実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明の分極抵抗測定法は、下記実施例に特に限定されるものではない。また、下記実施例では、測定位置P1、P2、P3で、実測値たる直流分極量と仮想直流分極量とをそれぞれ比較して、鉄筋の分極抵抗を決定する例を示すが、本発明は、かかる態様に限定されるものではなく、対極16の開口16aに配された1つの照合電極15を用いて、測定位置P2のみにて実測値たる直流分極量と仮想直流分極量とを比較して、鉄筋3の分極抵抗を決定することもできる。
<実施例1>
図1〜図3に示す分極抵抗測定装置10と同様の分極抵抗測定装置を用いた。照合電極15の外径は、20mmとした。また、図4、図5に示すように、鉄筋3の長手方向において、構造物表面1aにおける所望の測定位置を測定位置P2とし、該測定位置P2と、測定位置P2を挟みつつ測定位置P2と間隔5cmを隔てた測定位置P1、P3に対極センサ13を接触させることとした。具体的には、測定位置P2に対極16と該対極16の開口16a内に配された照合電極15とを接触させ、測定位置P1及び測定位置P3にそれぞれ、照合電極15を接触させることとした。供試体として、直径13mmの異形鉄筋が埋設された20cm×20cm×10cmの鉄筋コンクリートたる構造物を用いた。また、直流電流流出部17としてSUS板、直流電流流出補助部18として、ゴムスポンジを用いた。かかるゴムスポンジの代表特性値を表1に示す。
Figure 0005892422
まず、コンクリートの抵抗率、及び、対極16の分極抵抗を、予め測定した。
次に、供試体の端部から5cm離れた測定位置P1、10cm離れた測定位置P2、15cm離れた測定位置P3において、照合電極15によって、鉄筋3における各照合電極15の直下の領域(照合電極と最短距離を結ぶ領域)の自然電位を検知し、対極16によって該対極16の自然電位を検知した。
次に、構造物表面1aが陽極、鉄筋23が陰極となるように、P/Gスタット23によって対極16及び鉄筋3に直流電流を印加して対極16から構造物1に直流電流を流入させ、測定位置P1、P2、P3の各照合電極15によって、このように構造物1に直流電流を流入させたときの、鉄筋3における各照合電極15の直下の領域の直流電位をそれぞれ検知した。すなわち、各照合電極15によって、各照合電極15の直下の領域の該直流電位の自然電位からの変化量たる直流分極量ΔE1、ΔE2、ΔE3(単位:mV)をそれぞれ検知した。
このとき、測定位置P2にて、上記のように構造物1に直流電流を流入させたときの対極16の直流電位を、該対極16によって検知した。
また、このときの対極16に印加した直流電圧を、P/Gスタット23によって検知した。
上記より、FEM解析の境界条件として、表2に示すように、コンクリートの抵抗率、鉄筋3の自然電位、対極16の自然電位、対極16の分極抵抗、対極16に印加した直流電圧(外部印加電圧)が得られた。
また、FEM解析のモデルを、図6に示すように、鉄筋3における測定位置P1、P2、P3での測定対象となる領域を、各照合電極15の直下において長手方向に4cmと設定することとした。さらに、これら領域の間隔を1cmとすることとした。
そして、測定位置P1、P2、P3について、表2に示すように、上記境界条件としての鉄筋3の仮想分極抵抗を複数用い、複数の仮想分極抵抗を1300Ωm2、1400Ωm2、1500Ωm2とし、かかる仮想値を与えてFEM解析を行って、各測定位置での鉄筋3に流入する直流電流量(直流電荷密度mA/m2)を各仮想分極抵抗ごとにそれぞれ算出した。ここで、各測定位置での鉄筋の表面積は、上記4cmの領域の表面積を表す。なお、FEM解析においては、鉄筋3の分極抵抗が長手方向に一様であるとしたことに基づき、測定位置P1、P3での対極16の自然電位、対極16の分極抵抗及び対極16に印加した直流電圧として、測定位置P2での値を用いた。
さらに、測定位置P1、P2、P3について、FEM解析で算出された鉄筋3に流入した直流電流量と、各仮想分極抵抗とを乗じることによって、仮想直流分極量をそれぞれ算出した。
そして、図7、図8、図9に示すように、算出された各仮想直流分極量と、照合電極15で検知された実測値たる直流分極量とを比較したところ、図8に示すように、1400Ωm2のとき、実測値たる直流分極量と各仮想直流分極量との差の合計が最も小さかった。
この結果、仮想分極抵抗1400Ωm2を鉄筋3の分極抵抗として決定した。
なお、後述する図10〜図12に示すように、実測値における鉄筋に流入する電流量と鉄筋の直流分極量との関係を示すグラフの傾きから、仮想分極抵抗は、約1400Ωm2であると、推察された。このため、本実施例1で測定された測定方法によれば、精度良く分極抵抗を測定し得ることが確認できた。
また、実施例1の分極抵抗測定方法によれば、従来の直流分極抵抗法と比較的して短時間で分極抵抗の測定が可能となることがわかった。
Figure 0005892422
<参考例1>
実施例1で得られた鉄筋3の分極抵抗をFEM解析の境界条件として用いた。また、他の境界条件のうち、鉄筋3の自然電位、対極16の自然電位、対極16の分極抵抗、コンクリート抵抗率については、上記表2に示す値を用いた、そして、残る境界条件たる外部印加電圧を複数段階に変更させて、測定位置P1、P2、P3について、各外部印加電圧でのFEM解析を行って、鉄筋3に流入する仮想直流電流量(直流電荷密度mA/m2)をそれぞれ算出した。さらに、得られた仮想直流分極量と用いた仮想分極抵抗(1400Ωm2)を乗じて仮想直流分極量をそれぞれ算出した。かかる仮想値における鉄筋に流入した直流電流量と鉄筋の直流分極量との関係を、図10、図11、図12に示す。
一方、上記と同じ供試体について、上記と同様に対極センサ13を配置し、P/Gスタット23によって、対極16に印加する直流電圧(外部印加電圧)を複数段階に変更し、変更したときの鉄筋3の直流分極量(自然電位からの直流電位の変化量)を各照合電極15によって検知した。また、このとき対極16から構造物1に流入した直流電流量をP/Gスタット23によって検知し、この直流電流量を、鉄筋3に流入した直流電流量(鉄筋3全体に流入した直流電流量)とした。なお、上記したように、鉄筋3の分極抵抗が長手方向に一様であるとの仮定の下、かかる鉄筋3に流入した直流電流量(直流電荷密度mA/m2)を、各測定位置P、P2、P3での鉄筋3に流入した直流電流量とした。かかる実測値における鉄筋に流入した直流電流量と鉄筋の直流分極量との関係を、図10〜図12に示す。ここで、鉄筋3の表面積は、鉄筋全体の表面積を表す。
図10〜図12に示すように、各測定位置P1、P2、P3において、各外部印加電圧において仮想直流分極量と実測値たる直流分極量との差が小さく、実施例1の分極抵抗測定方法によれば精度良く分極抵抗を測定し得ることが確認された。
<実施例2>
図13に示すように、対極16として、外径100mm、内径20mmの中空円筒状であること以外は実施例と同様のものを用い、照合電極15は、開口16の中央部に1つ、対極の外側に1cmの間隔を置いて2つ配した。それ以外は実施例1と同様にして、測定位置P1、測定位置P2、測定位置P3にて、対極16から構造物1に直流電流を流入させ、照合電極15による検知を行った。
また、表3に示すように、複数の仮想分極抵抗として80Ωm2、70Ωm2、60Ωm2を用いること以外は、実施例1と同様に、各測定位置での測定領域を4cmとしたままFEM解析を行って仮想直流電流量を算出した。さらに、鉄筋における仮想直流分極量を算出した。結果を図14、図15、図16に示す。この結果、実測値たる直流分極量(実測値)と各仮想分極量(仮想値)との差の合計は、仮想分極抵抗80Ωm2のときに最も小さかった。これにより、両者のずれを補正することができた。ただし、測定位置P2と、測定位置P1及び測定位置P3とでは、各照合電極15間で、実測値及び仮想値のいずれもが相違した。また、実測値及び仮想値が実施例1よりも小さかった。よって、上記した実施例1のように、対極16の外径が、測定位置の間隔と比較して小さい方が、より精度良く鉄筋の分極抵抗を測定し得ることがわかった。
Figure 0005892422
1:コンクリート構造物、1a:表面、2:コンクリート、3:鉄筋、10:分極抵抗測定装置、13対極センサ、15:照合電極、16:対極、17:直流電流流出部、18:直流電流流出補助部、19:端子

Claims (2)

  1. コンクリートと該コンクリートに埋設された鉄筋とを有するコンクリート構造物の表面に接触させつつ直流電流を前記構造物に流入させて前記鉄筋を分極させることが可能な、中空円筒状の対極と、
    前記構造物表面に接触させつつ前記鉄筋の直流分極量を検知可能な照合電極とを用い、
    前記対極から前記構造物に所定の直流電流を流入させ、前記照合電極の検知結果に基づいて前記鉄筋の分極抵抗を測定する分極抵抗測定方法であって、
    前記対極は、前記構造物に前記直流電流を流入させることが可能な直流電流流出部と、該直流電流流出部の裏面に積層されて前記構造物の表面と接触するように構成されて、前記直流電流流出部から流出した前記直流電流が前記構造物の表面に流出することを補助することが可能な直流電流流出補助部とを有しており、
    前記対極を1つ用い、
    前記照合電極を少なくとも1つ、且つ、前記照合電極として前記対極の内側に配された円柱状の照合電極を少なくとも用い、
    前記円柱状の照合電極の外径A、前記対極の外径L1、及び、前記対極の内径L2が、A<L1<10A、且つ、A+1≦L2mmを満たしており、
    前記照合電極ごとに、前記鉄筋の直流分極量を検知し、前記鉄筋の仮想分極抵抗を複数用い、該複数の仮想分極抵抗を境界条件として有限要素法解析による解析を行って、前記鉄筋に流入した仮想直流電流量をそれぞれ算出し、算出された仮想直流電流量と前記仮想分極抵抗とを乗じて前記鉄筋の仮想直流分極量をそれぞれ算出し、
    前記実測値たる直流分極量と前記仮想直流分極量との差が全体として最も小さくなった仮想分極抵抗を、前記鉄筋の分極抵抗として決定することを特徴とする分極抵抗測定方法。
  2. コンクリートと該コンクリートに埋設された鉄筋とを有するコンクリート構造物の表面に接触させつつ直流電流を前記構造物に流入させて前記鉄筋を分極させることが可能な、中空円筒状の対極と、
    前記構造物表面に接触させつつ前記鉄筋の直流分極量を検知可能な照合電極とを用い、
    前記対極から前記構造物に所定の直流電流を流入させ、前記照合電極の検知結果に基づいて前記鉄筋の分極抵抗を測定する分極抵抗測定方法であって、
    前記対極は、前記構造物に前記直流電流を流入させることが可能な直流電流流出部と、該直流電流流出部の裏面に積層されて前記構造物の表面と接触するように構成されて、前記直流電流流出部から流出した前記直流電流が前記構造物の表面に流出することを補助することが可能な直流電流流出補助部とを有しており、
    前記対極を1つ用い、
    前記照合電極を少なくとも1つ、且つ、前記照合電極として前記対極の内側に配された円柱状の照合電極を少なくとも用い、
    前記円柱状の照合電極の外径A、前記対極の外径L1、及び、前記対極の内径L2が、A<L1<10A、且つ、A+1≦L2mmを満たしており、
    前記照合電極ごとに、前記鉄筋の直流分極量を検知し、前記鉄筋の仮想分極抵抗を複数用い、該複数の仮想分極抵抗を境界条件として有限要素法解析による解析を行って、前記鉄筋に流入した仮想直流電流量をそれぞれ算出し、前記実測値たる直流分極量を前記仮想分極抵抗で除することにより前記鉄筋の実測値に基づく直流電流量をそれぞれ算出し、
    前記実測値に基づく直流電流量と前記仮想直流電流量との差が全体として最も小さくなった仮想分極抵抗を、前記鉄筋の分極抵抗として決定することを特徴とする分極抵抗測定方法。
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