JP5892422B2 - 分極抵抗測定方法 - Google Patents
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Description
また、当該方法では、一対の対極を用いているため、構造物表面における2つの対極がそれぞれ接触する領域の不陸の状況が異なる場合や、該各領域に対する接触状態が異なる場合等には、測定結果に大きな誤差が生じ、鉄筋の分極抵抗を精度良く測定できないおそれがある。
しかし、当該方法では、直流電流を段階的に大きくする必要があるため、測定時間が比較的長くなり、十分に効率的とは言い難い。また、当該方法においても対極を2つ用いているため、上記と同様、測定結果に誤差が生じるおそれや、鉄筋の分極抵抗を精度良く測定できないおそれがある。
すなわち、例えば、上記したような外側対極を用いることなく、内側対極のみを用いた場合、該対極と構造物表面との接触面積が比較的小さくなる一方、上記の通り、該対極から構造物中に流入した電流が拡散するため、結果的に測定精度が低下することになる。
ここで、上記のように、対極によって構造物表面側からコンクリートを介して鉄筋に直流電流を流入させたとき、対極から構造物に流入した直流電流量や鉄筋の直流分極量は、実際に測定することが可能であるのに対し、鉄筋における対極と最短距離で結ぶ領域に流入した直流電流量や当該領域における鉄筋の分極抵抗は、実際に測定することができない。
しかし、上記鉄筋に流入した直流電流量や鉄筋の分極抵抗のうち、上記鉄筋に流入した直流電流量については、有限要素法解析(FEM解析)を用いることによって算出し得ることが、一般的に知られている。
かかるFEM解析では、構造物におけるコンクリートの抵抗率、対極の自然電位、鉄筋の自然電位、対極の分極抵抗、鉄筋の分極抵抗、対極に印加された直流電圧を境界条件として用いつつ、ラプラス方程式にて上記鉄筋に流入する直流電流量とを算出する方法である。
また、通常、上記境界条件のうち、コンクリートの抵抗率、対極の自然電位、鉄筋の自然電位、対極の分極抵抗、対極に印加された直流電圧は、実際に測定可能であるため、実測値が用いられる一方、鉄筋の分極抵抗は、上記の通り実際に測定できないため、過去のデータの蓄積分等から予測して設定された値が用いられる。
一方、一般に、鉄筋の分極抵抗は、鉄筋の直流分極量を鉄筋に流入した直流の電流量で除することによって算出することができるため、境界条件として設定した仮想分極抵抗と、FEM解析によって算出された鉄筋に流入した直流電流量とを乗じると、鉄筋の直流分極量が求められるはずであると考えられる。
そして、求められた鉄筋の直流分極量は、上記の通り、実際に測定された鉄筋の直流分極量(対極から直流電流を構造物に流入させたとき、照合電極によって検知された、鉄筋における直流電位の自然電位からの変化量)と等しくなると考えられ、両者を比較して、両者にずれがある場合には、仮想分極抵抗の値にずれがあることになると考えられる。このため、複数の仮想分極抵抗を用い、FEM解析を行って鉄筋の直流分極量をそれぞれ算出し、算出された直流分極量と上記実測値たる直流分極量とのずれが最も小さくなったときの仮想分極抵抗の値を、鉄筋の分極抵抗として決定し得ることを本発明者らは見出し、本発明を完成するに至った。
コンクリートと該コンクリートに埋設された鉄筋とを有するコンクリート構造物の表面に接触させつつ直流電流を前記構造物に流入させて前記鉄筋を分極させることが可能な、開口を有する対極と、
前記構造物表面に接触させつつ前記鉄筋の直流分極量を検知可能な照合電極とを用い、
前記対極から前記構造物に所定の直流電流を流入させ、前記照合電極の検知結果に基づいて前記鉄筋の分極抵抗を測定する分極抵抗測定方法であって、
前記対極を1つ用い、且つ、前記照合電極を少なくとも1つ用いて、
前記照合電極ごとに、前記鉄筋の直流分極量を検知し、前記鉄筋の仮想分極抵抗を複数用い、該複数の仮想分極抵抗を境界条件として有限要素法解析による解析を行って、前記鉄筋に流入した仮想直流電流量をそれぞれ算出し、算出された仮想直流電流量と前記仮想分極抵抗とを乗じて前記鉄筋の仮想直流分極量をそれぞれ算出し、
前記実測値たる直流分極量と前記仮想直流分極量との差が全体として最も小さくなった仮想分極抵抗を、前記鉄筋の分極抵抗として決定することを特徴とする。
また、「分極抵抗」とは、「鉄筋の直流分極量」を「鉄筋に流入した直流電流量」で除することによって算出される値を意味し、「仮想分極抵抗」とは、予想に基づく等により任意に設定された分極抵抗を意味する。なお、「分極抵抗」及び「仮想分極抵抗」の意味するところは、下記においても同様である。
また、有限要素法解析を行って得られた仮想直流分極量が、実測値たる直流分極量に対してずれている場合であっても、このずれが補正されるように仮想分極抵抗の値を決定することができるため、鉄筋における照合電極と最短距離で結ぶ領域(照合電極で検知可能な領域)での分極抵抗を精度良く測定することが可能となる。また、対極から構造物に流入させた直流電流が構造物中で拡散していても、分極抵抗を精度良く測定することが可能となる。
加えて、分極抵抗の測定に際して直流電流を用いるため、効率的となる。
従って、コンクリートと該コンクリートに埋設された鉄筋とを有するコンクリート構造物における鉄筋の分極抵抗を、精度良く効率的に測定することが可能となる。
コンクリートと該コンクリートに埋設された鉄筋とを有するコンクリート構造物の表面に接触させつつ直流電流を前記構造物に流入させて前記鉄筋を分極させることが可能な、開口を有する対極と、
前記構造物表面に接触させつつ前記鉄筋の直流分極量を検知可能な照合電極とを用い、
前記対極から前記構造物に所定の直流電流を流入させ、前記照合電極の検知結果に基づいて前記鉄筋の分極抵抗を測定する分極抵抗測定方法であって、
前記対極を1つ用い、且つ、前記照合電極を少なくとも1つ用いて、
前記照合電極ごとに、前記鉄筋の直流分極量を検知し、前記鉄筋の仮想分極抵抗を複数用い、該複数の仮想分極抵抗を境界条件として有限要素法解析による解析を行って、前記鉄筋に流入した仮想直流電流量をそれぞれ算出し、前記実測値たる直流分極量を前記仮想分極抵抗で除することにより前記鉄筋の実測値に基づく直流電流量をそれぞれ算出し、
前記実測値に基づく直流電流量と前記仮想直流電流量との差が全体として最も小さくなった仮想分極抵抗を、前記鉄筋の分極抵抗として決定することを特徴とする。
P/Gスタット23は、鉄筋3と接触させ得る端子19と、対極16とに電気的に接続されており、構造物表面1aが陽極、鉄筋3が陰極となるように対極16及び端子19に直流電圧を印加可能に構成されている。
マルチメーター25は、鉄筋3と接触させ得る端子21と照合電極15とに電気的に接続されており、照合電極15で検知された、鉄筋3の自然電位、直流電位(Instantoff電位:通電時の真の鋼材電位)、直流分極量を受信して表示するように構成されている。
電気ケーブル27は、対極16及び端子19とP/Gスタット23とをそれぞれ電気的に接続されて、また、照合電極15、端子21及び対極16とマルチメーター25とをそれぞれ電気的に接続して構成されている。
また、より具体的には、外径L1が20mm以上100mm以下であることが好ましく、40mm以上80mm以下であることがより好ましい。
例えば、直流電流流出部17が図2に示すような中空円筒状である場合、該直流電流流出部17の外径を71mm、内径を33mmとすることができる。
また、より具体的には、外径L1が20mm以上100mm以下であることが好ましく、40mm以上80mm以下であることがより好ましい。
対極16を1つ用い、且つ、照合電極15を少なくとも1つ用いて、
照合電極15ごとに、鉄筋3の直流分極量を検知し、鉄筋3の仮想分極抵抗を複数用い、該複数の仮想分極抵抗を境界条件として有限要素法解析(FEM解析)による解析を行って、上記鉄筋に流入した仮想直流電流量をそれぞれ算出し、算出された仮想直流電流量と上記仮想分極抵抗とを乗じて鉄筋3の仮想直流分極量をそれぞれ算出し、
上記実測値たる直流分極量と上記仮想直流分極量との差が全体として最も小さくなった仮想分極抵抗を、鉄筋3の分極抵抗として決定する。
また、FEM解析のモデルにおいては、図6に示すように、鉄筋3における照合電極15の測定対象となる領域をbとし、照合電極15の外径をaとしたとき、a<b<3aであることが好ましく、b=2aであることがより好ましい。例えば、照合電極15の外径が20mmである場合、上記領域は、40mmとすることができる。
また、FEM解析を行ったときの仮想直流分極量が、実測値たる直流分極量に対してずれている場合であっても、このずれが補正されるように仮想分極抵抗の値を決定することができるため、鉄筋3における対極と対向する領域での分極抵抗を精度良く測定することが可能となる。また、対極16から構造物1に流入させた直流電流が構造物1中で拡散していても、分極抵抗を精度良く測定することが可能となる。
加えて、分極抵抗の測定に際して直流電流を用いるため、効率的となる。
従って、コンクリート構造物1における鉄筋3の分極抵抗を、精度良く効率的に測定することが可能となる。
上記対極16と、上記照合電極15とを用い、対極16から構造物1に所定の直流電流を流入させ、照合電極15の検知結果に基づいて鉄筋3の分極抵抗を測定する分極抵抗測定方法であって、
対極16を1つ用い、且つ、照合電極15を少なくとも1つ用いて、
照合電極15ごとに、鉄筋3の直流分極量を検知し、鉄筋3の仮想分極抵抗を複数用い、該複数の仮想分極抵抗を境界条件としてFEM解析による解析を行って、鉄筋3に流入した仮想直流電流量をそれぞれ算出し、上記実測値たる直流分極量を上記仮想分極抵抗で除することにより鉄筋3の実測値に基づく直流電流量をそれぞれ算出し、
上記実測値に基づく直流電流量と上記仮想直流電流量との差が全体として最も小さくなった仮想分極抵抗を、鉄筋3の分極抵抗として決定する。
よって、かかる実施形態においても、上記実施形態と同様、コンクリート構造物1における鉄筋3の分極抵抗を、精度良く効率的に測定することが可能となる。
図1〜図3に示す分極抵抗測定装置10と同様の分極抵抗測定装置を用いた。照合電極15の外径は、20mmとした。また、図4、図5に示すように、鉄筋3の長手方向において、構造物表面1aにおける所望の測定位置を測定位置P2とし、該測定位置P2と、測定位置P2を挟みつつ測定位置P2と間隔5cmを隔てた測定位置P1、P3に対極センサ13を接触させることとした。具体的には、測定位置P2に対極16と該対極16の開口16a内に配された照合電極15とを接触させ、測定位置P1及び測定位置P3にそれぞれ、照合電極15を接触させることとした。供試体として、直径13mmの異形鉄筋が埋設された20cm×20cm×10cmの鉄筋コンクリートたる構造物を用いた。また、直流電流流出部17としてSUS板、直流電流流出補助部18として、ゴムスポンジを用いた。かかるゴムスポンジの代表特性値を表1に示す。
次に、供試体の端部から5cm離れた測定位置P1、10cm離れた測定位置P2、15cm離れた測定位置P3において、照合電極15によって、鉄筋3における各照合電極15の直下の領域(照合電極と最短距離を結ぶ領域)の自然電位を検知し、対極16によって該対極16の自然電位を検知した。
次に、構造物表面1aが陽極、鉄筋23が陰極となるように、P/Gスタット23によって対極16及び鉄筋3に直流電流を印加して対極16から構造物1に直流電流を流入させ、測定位置P1、P2、P3の各照合電極15によって、このように構造物1に直流電流を流入させたときの、鉄筋3における各照合電極15の直下の領域の直流電位をそれぞれ検知した。すなわち、各照合電極15によって、各照合電極15の直下の領域の該直流電位の自然電位からの変化量たる直流分極量ΔE1、ΔE2、ΔE3(単位:mV)をそれぞれ検知した。
このとき、測定位置P2にて、上記のように構造物1に直流電流を流入させたときの対極16の直流電位を、該対極16によって検知した。
また、このときの対極16に印加した直流電圧を、P/Gスタット23によって検知した。
上記より、FEM解析の境界条件として、表2に示すように、コンクリートの抵抗率、鉄筋3の自然電位、対極16の自然電位、対極16の分極抵抗、対極16に印加した直流電圧(外部印加電圧)が得られた。
また、FEM解析のモデルを、図6に示すように、鉄筋3における測定位置P1、P2、P3での測定対象となる領域を、各照合電極15の直下において長手方向に4cmと設定することとした。さらに、これら領域の間隔を1cmとすることとした。
そして、測定位置P1、P2、P3について、表2に示すように、上記境界条件としての鉄筋3の仮想分極抵抗を複数用い、複数の仮想分極抵抗を1300Ωm2、1400Ωm2、1500Ωm2とし、かかる仮想値を与えてFEM解析を行って、各測定位置での鉄筋3に流入する直流電流量(直流電荷密度mA/m2)を各仮想分極抵抗ごとにそれぞれ算出した。ここで、各測定位置での鉄筋の表面積は、上記4cmの領域の表面積を表す。なお、FEM解析においては、鉄筋3の分極抵抗が長手方向に一様であるとしたことに基づき、測定位置P1、P3での対極16の自然電位、対極16の分極抵抗及び対極16に印加した直流電圧として、測定位置P2での値を用いた。
さらに、測定位置P1、P2、P3について、FEM解析で算出された鉄筋3に流入した直流電流量と、各仮想分極抵抗とを乗じることによって、仮想直流分極量をそれぞれ算出した。
そして、図7、図8、図9に示すように、算出された各仮想直流分極量と、照合電極15で検知された実測値たる直流分極量とを比較したところ、図8に示すように、1400Ωm2のとき、実測値たる直流分極量と各仮想直流分極量との差の合計が最も小さかった。
この結果、仮想分極抵抗1400Ωm2を鉄筋3の分極抵抗として決定した。
なお、後述する図10〜図12に示すように、実測値における鉄筋に流入する電流量と鉄筋の直流分極量との関係を示すグラフの傾きから、仮想分極抵抗は、約1400Ωm2であると、推察された。このため、本実施例1で測定された測定方法によれば、精度良く分極抵抗を測定し得ることが確認できた。
また、実施例1の分極抵抗測定方法によれば、従来の直流分極抵抗法と比較的して短時間で分極抵抗の測定が可能となることがわかった。
実施例1で得られた鉄筋3の分極抵抗をFEM解析の境界条件として用いた。また、他の境界条件のうち、鉄筋3の自然電位、対極16の自然電位、対極16の分極抵抗、コンクリート抵抗率については、上記表2に示す値を用いた、そして、残る境界条件たる外部印加電圧を複数段階に変更させて、測定位置P1、P2、P3について、各外部印加電圧でのFEM解析を行って、鉄筋3に流入する仮想直流電流量(直流電荷密度mA/m2)をそれぞれ算出した。さらに、得られた仮想直流分極量と用いた仮想分極抵抗(1400Ωm2)を乗じて仮想直流分極量をそれぞれ算出した。かかる仮想値における鉄筋に流入した直流電流量と鉄筋の直流分極量との関係を、図10、図11、図12に示す。
一方、上記と同じ供試体について、上記と同様に対極センサ13を配置し、P/Gスタット23によって、対極16に印加する直流電圧(外部印加電圧)を複数段階に変更し、変更したときの鉄筋3の直流分極量(自然電位からの直流電位の変化量)を各照合電極15によって検知した。また、このとき対極16から構造物1に流入した直流電流量をP/Gスタット23によって検知し、この直流電流量を、鉄筋3に流入した直流電流量(鉄筋3全体に流入した直流電流量)とした。なお、上記したように、鉄筋3の分極抵抗が長手方向に一様であるとの仮定の下、かかる鉄筋3に流入した直流電流量(直流電荷密度mA/m2)を、各測定位置P、P2、P3での鉄筋3に流入した直流電流量とした。かかる実測値における鉄筋に流入した直流電流量と鉄筋の直流分極量との関係を、図10〜図12に示す。ここで、鉄筋3の表面積は、鉄筋全体の表面積を表す。
図10〜図12に示すように、各測定位置P1、P2、P3において、各外部印加電圧において仮想直流分極量と実測値たる直流分極量との差が小さく、実施例1の分極抵抗測定方法によれば精度良く分極抵抗を測定し得ることが確認された。
図13に示すように、対極16として、外径100mm、内径20mmの中空円筒状であること以外は実施例と同様のものを用い、照合電極15は、開口16の中央部に1つ、対極の外側に1cmの間隔を置いて2つ配した。それ以外は実施例1と同様にして、測定位置P1、測定位置P2、測定位置P3にて、対極16から構造物1に直流電流を流入させ、照合電極15による検知を行った。
また、表3に示すように、複数の仮想分極抵抗として80Ωm2、70Ωm2、60Ωm2を用いること以外は、実施例1と同様に、各測定位置での測定領域を4cmとしたままFEM解析を行って仮想直流電流量を算出した。さらに、鉄筋における仮想直流分極量を算出した。結果を図14、図15、図16に示す。この結果、実測値たる直流分極量(実測値)と各仮想分極量(仮想値)との差の合計は、仮想分極抵抗80Ωm2のときに最も小さかった。これにより、両者のずれを補正することができた。ただし、測定位置P2と、測定位置P1及び測定位置P3とでは、各照合電極15間で、実測値及び仮想値のいずれもが相違した。また、実測値及び仮想値が実施例1よりも小さかった。よって、上記した実施例1のように、対極16の外径が、測定位置の間隔と比較して小さい方が、より精度良く鉄筋の分極抵抗を測定し得ることがわかった。
Claims (2)
- コンクリートと該コンクリートに埋設された鉄筋とを有するコンクリート構造物の表面に接触させつつ直流電流を前記構造物に流入させて前記鉄筋を分極させることが可能な、中空円筒状の対極と、
前記構造物表面に接触させつつ前記鉄筋の直流分極量を検知可能な照合電極とを用い、
前記対極から前記構造物に所定の直流電流を流入させ、前記照合電極の検知結果に基づいて前記鉄筋の分極抵抗を測定する分極抵抗測定方法であって、
前記対極は、前記構造物に前記直流電流を流入させることが可能な直流電流流出部と、該直流電流流出部の裏面に積層されて前記構造物の表面と接触するように構成されて、前記直流電流流出部から流出した前記直流電流が前記構造物の表面に流出することを補助することが可能な直流電流流出補助部とを有しており、
前記対極を1つ用い、
前記照合電極を少なくとも1つ、且つ、前記照合電極として前記対極の内側に配された円柱状の照合電極を少なくとも用い、
前記円柱状の照合電極の外径A、前記対極の外径L1、及び、前記対極の内径L2が、A<L1<10A、且つ、A+1≦L2mmを満たしており、
前記照合電極ごとに、前記鉄筋の直流分極量を検知し、前記鉄筋の仮想分極抵抗を複数用い、該複数の仮想分極抵抗を境界条件として有限要素法解析による解析を行って、前記鉄筋に流入した仮想直流電流量をそれぞれ算出し、算出された仮想直流電流量と前記仮想分極抵抗とを乗じて前記鉄筋の仮想直流分極量をそれぞれ算出し、
前記実測値たる直流分極量と前記仮想直流分極量との差が全体として最も小さくなった仮想分極抵抗を、前記鉄筋の分極抵抗として決定することを特徴とする分極抵抗測定方法。 - コンクリートと該コンクリートに埋設された鉄筋とを有するコンクリート構造物の表面に接触させつつ直流電流を前記構造物に流入させて前記鉄筋を分極させることが可能な、中空円筒状の対極と、
前記構造物表面に接触させつつ前記鉄筋の直流分極量を検知可能な照合電極とを用い、
前記対極から前記構造物に所定の直流電流を流入させ、前記照合電極の検知結果に基づいて前記鉄筋の分極抵抗を測定する分極抵抗測定方法であって、
前記対極は、前記構造物に前記直流電流を流入させることが可能な直流電流流出部と、該直流電流流出部の裏面に積層されて前記構造物の表面と接触するように構成されて、前記直流電流流出部から流出した前記直流電流が前記構造物の表面に流出することを補助することが可能な直流電流流出補助部とを有しており、
前記対極を1つ用い、
前記照合電極を少なくとも1つ、且つ、前記照合電極として前記対極の内側に配された円柱状の照合電極を少なくとも用い、
前記円柱状の照合電極の外径A、前記対極の外径L1、及び、前記対極の内径L2が、A<L1<10A、且つ、A+1≦L2mmを満たしており、
前記照合電極ごとに、前記鉄筋の直流分極量を検知し、前記鉄筋の仮想分極抵抗を複数用い、該複数の仮想分極抵抗を境界条件として有限要素法解析による解析を行って、前記鉄筋に流入した仮想直流電流量をそれぞれ算出し、前記実測値たる直流分極量を前記仮想分極抵抗で除することにより前記鉄筋の実測値に基づく直流電流量をそれぞれ算出し、
前記実測値に基づく直流電流量と前記仮想直流電流量との差が全体として最も小さくなった仮想分極抵抗を、前記鉄筋の分極抵抗として決定することを特徴とする分極抵抗測定方法。
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