JP2020153782A - 腐食検出装置、腐食検出方法および腐食検出プログラム - Google Patents

腐食検出装置、腐食検出方法および腐食検出プログラム Download PDF

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俊徳 金光
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Abstract

【課題】構造物表面から非破壊で腐食を検出すること。【解決手段】4つの電極11a〜11dは、内部に鋼材2が設けられたコンクリート1の表面に直線状に配置される。電源部20は、電極11a、11dに交流電力を印加する。計測部21は、電源部20から交流電力を印加した際の11b、11cの電位差を計測する。算出部30aは、計測部21により計測される電位差から鋼材2の分極抵抗を算出する。【選択図】図1

Description

本発明は、腐食検出装置、腐食検出方法および腐食検出プログラムに関する。
近年、高度経済成長期に大量に建設されたコンクリート構造物の老朽化が進行している。コンクリート構造物は、コンクリート内部に設けられた鉄筋などの鋼材が経年劣化により腐食する。そして、コンクリート構造物は、腐食の進行に伴って鋼材が膨張することで、かぶりコンクリートの浮きやはく落を引き起こす虞がある。鋼材の腐食は、ひび割れの発生などのコンクリートの表面に顕在化する前から内部で進行している。
そこで、コンクリート内部の鋼材表面の分極抵抗を計測して鋼材の腐食速度を検出する検出手法が知られている。
M.Stern A.L.Geary,"Electrochemical Polarization",Journal of the Electrochemical Society,Vol.104 No.1 p.56-63,1957. 小林孝一 宮川豊章,"分極抵抗法を用いた鉄筋の腐食速度評価に関する研究",土木学会論文集,No.669/V-50 p.173-186,2001.
従来の検出手法は、完全に非破壊ではなく、既設のコンクリート構造物を対象に腐食進行速度を検出する場合、コンクリートに孔を空けて鉄筋を一部露出させて鉄筋に測定用のコードを接続する必要がある。コンクリート構造物は、孔を埋めた場合でも、環境によっては埋め戻し箇所が弱点部となる虞がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、構造物表面から非破壊で腐食を検出できる腐食検出装置、腐食検出方法および腐食検出プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の腐食検出装置は、4つの電極と、電源部と、計測部と、算出部とを有する。4つの電極は、内部に鋼材が設けられたコンクリートの表面に直線状に配置される。電源部は、4つの電極のうち外側の2つの電極に交流電力を印加する。計測部は、4つの電極のうち内側の2つの電極の電位差を計測する。算出部は、計測部により計測される電位差から内側の2つの電極間の分極抵抗を算出する。
本発明は、構造物表面から非破壊で腐食を検出できるという効果を奏する。
図1は、実施例に係る腐食検出装置の概略構成の一例を示す図である。 図2は、鋼材が内部に設けられたコンクリートの電気的な特性を示す等価回路の一例を示す図である。 図3は、実施例に係るコールコールプロットの一例を示す図である。 図4は、実施例に係る腐食検出手法における電極の配置と試験体の概要を示す図である。 図5Aは、実施例に係る試験体に用いたモルタルの配合を示す図である。 図5Bは、実施例に係る試験体の鉄筋の有無、事前腐食期間、含有塩化物イオン濃度、同じ条件の試験体数を示す図である。 図6は、比較例に係る三電極法における電極の配置を示す図である。 図7は、実施例に係る鉄筋なしの試験体についてのコールコールプロット、および、周波数と交流インピーダンスの実数値の関係を示した図である。 図8は、実施例に係る健全鉄筋の試験体についてのコールコールプロット、および、周波数と交流インピーダンスの実数値の関係を示した図である。 図9は、実施例に係る腐食鉄筋の試験体についてのコールコールプロット、および、周波数と交流インピーダンスの実数値の関係を示した図である。 図10は、実施例に係る試験体の塩分濃度と端子間溶液抵抗の関係を示した図である。 図11は、塩分濃度と鉄筋の腐食による端子間分極抵抗変化の関係を示した図である。 図12は、各試験体に対して、実施例に係る腐食検出手法により計測した端子間分極抵抗と、三電極法により計測した分極抵抗を比較した図である。 図13は、鉄筋が埋設されている試験体表面に置いた計測端子の間隔dごとの、端子間隔1cmの計測値に対する端子間分極抵抗の比率を示した図である。 図14Aは、実施例に係る試験体の配置の一例を示す図である。 図14Bは、実施例に係る試験体の配置の一例を示す図である。 図15は、実施例に係る鉄筋量が変化した場合の端子間分極抵抗の一例を示す図である。 図16は、実施例に係る腐食検出手法の腐食速度指標と三電極法の腐食速度指標の算出結果を比較した一例を示す図である。 図17は、CEBの腐食速度による劣化グレーディングに本発明の端子間分極抵抗を対応させた一例を示す図である。 図18は、実施例に係る腐食検出処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図19は、腐食検出プログラムを実行するコンピュータを示す図である。 図20は、従来の腐食検出手法の一例を示す図である。
以下に、本発明に係る腐食検出装置、腐食検出方法および腐食検出プログラムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。そして、各実施例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
実施例に係る腐食検出手法と、従来法の腐食検出手法との違いを示すため、最初に、従来の腐食検出手法を説明する。
[従来の腐食検出手法]
図20は、従来の腐食検出手法の一例を示す図である。図20には、コンクリート構造物を模したコンクリート200が示されている。コンクリート200は、鉄筋などの長尺な鋼材201が内部に表面と並列に設けられている。図20には、従来の腐食検出手法の一例として、3つの電極を用いてコンクリート200内部の鋼材201の分極抵抗を計測する三電極法の構成が概略的に示している。三電極法では、コンクリート200に鋼材201まで到達する孔202を空けて鋼材201を一部露出させて鋼材201に測定用のコード210を接続する。また、三電極法では、孔202から離れた鋼材201の上部となるコンクリート200の表面に、コード211が接続された電極212を配置する。また、三電極法では、電極212と孔202との間のコンクリート200の表面にコード213が接続された電極214を配置する。三電極法では、計測器220からコード210、211を介して電極212と鋼材201に交流電力を印加する。交流電力の印加によって、電極212と鋼材201の間には、電流215が流れる。鋼材201は、交流電力が印加されることで作用極として機能する。電極212は、対極として機能する。電極214は、照合電極として機能する。三電極法では、計測器220から電極212と鋼材201の間に流す交流電力の周波数を変えながら交流電力を印加し、計測器220により鋼材201と電極214間の電位差を計測して周波数ごとの交流インピーダンスを算出する。
しかしながら、三電極法は、図20に示したように、コンクリート200中の鋼材201の一部に導線を接続するため、コンクリート200に孔202を空けて鋼材201を一部露出させる必要がある。
[腐食検出装置]
次に、実施例に係る腐食検出手法を実施する腐食検出装置の構成について説明する。図1は、実施例に係る腐食検出装置の概略構成の一例を示す図である。図1には、コンクリート構造物を模したコンクリート1が示されている。コンクリート1は、鉄筋などの長尺な鋼材2が内部に表面からの深さが同一となるように設けられている。
腐食検出装置10は、4つの電極11a〜11dを有する。電極11a〜11dは、コンクリート1の表面に配置されている。電極11a〜11dは、端子とも称する。電極11a〜11dは、コンクリート1の鋼材2の上部となる位置に直線状に等間隔で配置する。実際のコンクリート構造物では、鋼材の配置を示した設計データに基づいて、あるいは、別な手段で鋼材の配置を検出して、鋼材の上部となる位置に電極11a〜11dを鋼材軸上に直線状に等間隔で配置する。電極11a〜11dには、それぞれコード12a〜12dが個別に接続されている。
また、腐食検出装置10は、電源部20と、計測部21と、制御部22とを有する。電源部20は、コード12a、12dを介して電極11a、11dに接続されている。計測部21は、コード12b、12cを介して電極11b、11cに接続されている。
電源部20は、周波数が変更可能な交流電源とされている。電源部20は、鋼材2の腐食の検出を行う際、コード12a、12dを介して、電極11a、11dに交流電力を印加する。例えば、電源部20は、所定の周波数範囲で周波数を変えながら電極11a、11dに交流電力を印加する。周波数範囲は、例えば、100kHz〜100mHzとする。コンクリート1は、電極11a、11dから印加される交流電力に伴い、電極11a、11dの間となるコンクリート1の内部や鋼材2に電流13が流れる。
計測部21は、電源部20から交流電力を印加した際の電極11b、11c間の電位差を計測する。電極11b、11cの間の区間が、電位差の計測区間となる。計測部21は、計測した電位差を示す測定データを制御部22へ出力する。
制御部22は、腐食検出装置10の動作を統括的に制御する。制御部22は、例えば、コンピュータであり、コントローラ30と、ユーザインターフェース31と、記憶部32とを有する。
コントローラ30は、CPU(Central Processing Unit)を備え、電源部20を制御する。
ユーザインターフェース31は、腐食検出装置10を操作するコマンドの入力操作を行うキーボードや、腐食の検出結果を可視化して表示するディスプレイ等から構成されている。
記憶部32には、コントローラ30で実行される各種プログラムを記憶する。例えば、記憶部32は、後述する腐食検出処理を実行するプログラムを記憶する。さらに、記憶部32は、コントローラ30で実行されるプログラムで用いられる各種データを記憶する。なお、各種のプログラムや各種データは、コンピュータで読み取り可能なコンピュータ記録媒体(例えば、ハードディスク、DVDなどの光ディスク、フレキシブルディスク、半導体メモリ等)に記憶されていてもよい。また、各種のプログラムや各種データは、他の装置に記憶され、例えば専用回線を介してオンラインで読み出して利用されてもよい。
コントローラ30は、プログラムやデータを格納するための内部メモリを有し、記憶部32に記憶されたプログラムを読み出し、読み出したプログラムの処理を実行する。コントローラ30は、プログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。例えば、コントローラ30は、算出部30aと、出力制御部30bの機能を有する。
ところで、鉄筋などの鋼材を内部に設けられたコンクリートは、図2に示す等価回路として解釈することができる。図2は、鋼材が内部に設けられたコンクリートの電気的な特性を示す等価回路の一例を示す図である。等価回路50は、コンクリート側の電気的な特性を示す第1回路51と、鋼材側の電気的な特性を示す第2回路52とが直列に接続した回路として示すことができる。
第1回路51は、抵抗Rc2とコンデンサCcとを並列に接続した並列回路53に抵抗Rc1を直列に接続した回路として示すことができる。ここで、抵抗Rc1と抵抗Rc2の抵抗値を加算した抵抗値が、コンクリートの溶液抵抗Rsとなる。コンクリート側は、セメントペースト自身や粗骨材との界面に電気容量があり、周波数に応じて交流インピーダンスが変化する。
第2回路52は、分極抵抗Rpと、ワールブルグインピーダンスZwとを直列に接続した直列回路54に、コンデンサCdlを並列に接続した回路として示すことができる。鋼材側に関しては、鋼材とコンクリートの界面に電荷の分離が生じコンデンサと抵抗の並列回路が形成される。コンデンサCdlは、鋼材表面の電気容量を表している。ワールブルグインピーダンスZwは、コンクリート中の酸素拡散の特性を表している。鋼材表面の分極よりもコンクリート中の拡散による酸素到達が遅い拡散律速になった場合、ワールブルグインピーダンスZwが卓越してくる。
等価回路50から、コールコール(Cole-Cole)プロットは、図3のように表される。図3は、コールコールプロットの一例を示す図である。コールコールプロットは、鉄筋などの鋼材を内部に設けられたコンクリートの周波数ごとの交流インピーダンスZを虚数Im(Z)と実数Re(Z)の成分に分けて複素数平面にプロットしたものである。コールコールプロットは、虚数軸の正負が反転している。
回路内にコンデンサ成分が含まれる場合、高周波ほどインピーダンスの実数値が小さくなるため、コールコールプロットでは、左側ほど高周波で計測した交流インピーダンスがプロットされ、右側ほど低周波で計測した交流インピーダンスがプロットされる。また、鋼材が内部に設けられたコンクリートの場合、コールコールプロットには、図3のように、高周波側と低周波側にそれぞれ半円が形成されることが多い。高周波側の半円は、主にコンクリートの影響によるものである。低周波側の半円は、鋼材−コンクリート界面の性状を表しており、直径が分極抵抗Rpに対応した半円となり、実数軸との交点の内、小さい方の交点の値が溶液抵抗Rsに対応する。
図1に戻る。算出部30aは、計測部21から出力された測定データを取得する。算出部30aは、測定データに基づき、計測部21により計測される電位差から鋼材2の分極抵抗を算出する。例えば、算出部30aは、計測部21により計測される周波数ごとの電位差から周波数ごとの交流インピーダンスを求める。そして、算出部30aは、周波数ごとの交流インピーダンスを複素数平面に示したコールコールプロットを求める。コールコールプロットには、図3に示したように、高周波側と低周波側の半円の一部が形成される。算出部30aは、コールコールプロットに形成される低周波側の半円に対してカーブフィッティングを行って鋼材2の分極抵抗Rpを算出する。例えば、算出部30aは、カーブフィッティングを行って低周波側の半円の直径を求めて分極抵抗Rpを算出する。
電源部20から印加する交流電力の電流が小さい場合、交流インピーダンスの誤差が大きくなり、カーブフィッティングから求まる分極抵抗Rpの誤差が大きくなる場合がある。そこで、算出部30aは、分極抵抗Rpの誤差を小さくするため、次のような処理を実施してもよい。例えば、算出部30aは、コールコールプロットの低周波側の半円に対してカーブフィッティングを行って鋼材2の分極抵抗を算出する。また、算出部30aは、低周波側の半円の一部の周波数の交流インピーダンスを除いてカーブフィッティングを行って鋼材2の分極抵抗を求める。そして、算出部30aは、コールコールプロットの低周波側の半円に対してカーブフィッティングを行って算出した鋼材2の分極抵抗と、低周波側の半円の一部の周波数の交流インピーダンスを除いてカーブフィッティングを行って算出した鋼材2の分極抵抗との差を算出する。算出部30aは、算出した差が所定の許容レベルよりも大きい場合、電源部20から印加する交流電力の電流を増加させて、計測部21により電極11b、11cの電位差を再度計測することを差が許容レベル以下となるまで繰り返してもよい。許容レベルは、許容誤差に応じて予め定めておいてもよく、ユーザインターフェース31から入力させてもよい。なお、電源部20から印加される交流電力によって鋼材2に流れる電流が増加すると、鋼材2が発熱して電気的な状態が変化する場合がある。このため、電源部20から印加する交流電力の電流は、上限を設けてもよい。算出部30aは、算出した差が所定の許容レベルよりも大きい場合、電源部20から印加する交流電力の電流を所定の上限以下で増加させて、計測部21により電極11b、11cの電位差を再度計測することを差が許容レベル以下となるまで繰り返してもよい。
算出部30aは、電極11b、11cの間隔に応じて、鋼材2の分極抵抗Rpから、鋼材2の単位長あたりの分極抵抗を算出する。そして、算出部30aは、単位長あたりの分極抵抗を腐食速度に換算する所定の換算式を用いて、鋼材の単位長あたりの分極抵抗から腐食速度を算出する。詳細な具体例は、後述する。
出力制御部30bは、各種の出力制御を行う。例えば、出力制御部30bは、算出部30aによる算出された腐食速度に基づく情報をユーザインターフェース31に表示させる。また、例えば、出力制御部30bは、算出部30aにより算出された腐食速度のデータを不図示のネットワークを介して外部の端末装置へ出力する。
[具体例]
ここで、実施例に係る腐食検出手法により、コンクリートの内部に設けられた鋼材の腐食を検出した実験の一例を説明する。
[試験体の概要]
最初に、計測対象となる試験体の概要について説明する。以下に示す実験では、コンクリート構造物を模した試験体を用いて鋼材の腐食を検出した。鋼材は、鉄筋とした。試験体としては、鉄筋の有無および鉄筋の腐食程度と、含有塩化物イオン濃度(塩分濃度)とを変化させた複数の小型モルタルを用いた。
図4は、実施例に係る腐食検出手法における電極の配置と試験体の概要を示す図である。図4(A)には、試験体70の断面図が示されている。図4(B)には、試験体70の側面図が示されている。試験体70は、40mm×40mm×160mmのサイズとした。鉄筋71は、直径10mmで長さ140mmの黒皮のない丸鋼(SS400)を用い、両端から20mmずつエポキシ樹脂72で被覆することで、中央の100mmを試験区間とした。試験体70は、スペイサーとして内径12mmの塩化ビニル製の六角ナット73を用いて、かぶりを確保した。実験では、鉄筋なし、健全鉄筋、腐食鉄筋の試験体70をそれぞれ複数作成した。鉄筋71は、腐食鉄筋の場合、40℃、相対湿度80%の雰囲気下で、1日1回5分間、3%のNaCl水溶液の噴霧を行う環境負荷装置内に2週間暴露して腐食を促進させた。腐食鉄筋は、試験区間全面が腐食するように、暴露3日目に暴露面の上下を反転させた。その結果、ほぼ全面に腐食進行性の赤さびを主としたさびが定着した。試験体70は、打設後に20℃、相対湿度70%の雰囲気下で2週間の封かん養生を行い、その後取り出して計測を行った。試験体70に用いるコンクリートは、水/セメント=55(%)、セメント:細骨材=1:3のモルタルとし、塩分濃度が要因に応じて0、3、10(kg/m3)となるようにNaClを練り混ぜている。図5Aは、実施例に係る試験体に用いたモルタルの配合を示す図である。図5Bは、各試験体の鉄筋の有無、事前腐食期間、含有塩化物イオン(Cl-)濃度、試験体数を示す図である。各試験体70の試験体名は、「(鉄筋)-CL(塩分濃度)」として示す。試験体名の(鉄筋)の部分は、鉄筋なしを「N」とし、健全鉄筋を「S」とし、腐食鉄筋を「Cor」とした。例えば、試験体名「N−CL0」は、鉄筋なし、塩分濃度が0%の試験体70を示す。また、試験体名「S−CL3」は、健全鉄筋、塩分濃度が3%の試験体70を示す。また、試験体名「Cor−CL10」は、腐食鉄筋、塩分濃度が10%の試験体70を示す。試験体70は、同じ条件のものを2つずつ作成し、それぞれに番号を付した。図5Bの試験体数は、同じ条件の試験体70がそれぞれ2つあることを示している。以下では、同じ条件の試験体70を区別する場合、試験体名は、(鉄筋)-CL(塩分濃度)-(番号)として示す。
図4に戻る。電極11a〜11dには、10mm×40mm×2mmのステンレス片(SUS404)を用い、10mm×40mmの面をモルタル表面との接触面とした。電極11a〜11dとモルタル表面の接触には、導電性のシート(例えば、ハイドロゲルシート)を用いた。電源部20からの電流印加は、電位差制御とし、FRA(周波数応答解析器)付きのポテンショスタットを用いた。
また、比較例として、三電極法により各試験体70の腐食の検出を実施した。図6は、比較例に係る三電極法における電極の配置を示す図である。対極とする電極212には、40mm×140mm×2mmのステンレス板(SUS404)を用い、40mm×140mmの面をモルタル表面との接触面とした。照合電極とする電極214には、鉛照合電極(PRE)を用いた。また、比較例の試験体70は、三電極法による計測が可能なように、鉄筋71の一端側の一部を破壊して鉄筋71の一端を露出させ、鉄筋71の一端に測定用の配線74を接続した。
[実験内容および実験結果]
実験では、実施例に係る腐食検出手法により、電極11a〜11dの間の間隔d=30(mm)とし、各試験体70に対して、電極11a、11d間に交流電力の電圧をΔV=30(mV)とし、周波数100kHz〜1Hzの範囲で高周波から低周波の交流電力を印加して、電極11b、11cの電位差を計測した。そして、試験体70ごとに、試験体70での周波数ごとの電位差の測定結果からコールコールプロット、および、周波数と交流インピーダンスの実数値との関係を求めた。交流インピーダンスの実数値は、Real(Z)を用いた。図7は、実施例に係る鉄筋なしの試験体についてのコールコールプロット、および周波数と交流インピーダンスの実数値の関係を示した図である。図8は、実施例に係る健全鉄筋の試験体についてのコールコールプロット、および周波数と交流インピーダンスの実数値の関係を示した図である。図9は、実施例に係る腐食鉄筋の試験体についてのコールコールプロット、および周波数と交流インピーダンスの実数値の関係を示した図である。図7〜図9は、(A)にコールコールプロットが示され、(B)に周波数と交流インピーダンスの実数値の関係が示されている。
図7(A)に示すように、内部に鉄筋71がない場合、コールコールプロットは、周波数1〜100Hzまでほぼ変化がなく1箇所に留まる。また、図7(B)に示すように、Real(Z)は、全周波数域でほぼ変化がない。これは、モルタルのみの場合は、低周波数で応答する容量性成分がないことを示している。
一方、図8(A)および図9(A)に示すように、鉄筋71がある場合、コールコールプロットは、高周波数側の半円と低周波数側の半円の一部を表す形状が見られた。さらに、図8(B)および図9(B)に示すように、Real(Z)は、鉄筋71が健全鉄筋、腐食鉄筋である場合ともに1〜10Hz程度の低周波数域で増大した。これは、図2に示した等価回路の第2回路52の分極抵抗RpとコンデンサCdlの並列回路と類似の挙動を示していると考えられる。特に、図8(B)に示すように、鉄筋71が健全鉄筋の場合は、腐食鉄筋の場合に比べて、Real(Z)の変化量が大きかった。このような周波数変化は、内部に鉄筋71がない場合には見られないことから、印加電流が鉄筋71を経由する場合に特有の応答性状であると考えられる。ここで、図3に示すように低周波側の半円のカーブフィッティングを行うことで、内部鉄筋表面の腐食速度の指標やコンクリートの電気的性質によって変化する指標を算出することができる。そこで、半円と実数軸との2つの交点間の長さを、端子間分極抵抗の計測値R p-four(Ω)、半円と実数軸との交点の内、低い方の値を、端子間溶液抵抗の計測値R s-four(Ω)と定義した。端子間分極抵抗および端子間溶液抵抗に端子間との文言を付けた理由は、実施例に係る腐食検出手法による四電極法では内側の2端子(電極11b、11c)間のインピーダンス性状から、これらの値を算出しており、三電極法の分極抵抗R p(Ω)および溶液抵抗R s(Ω)と明確に区別するためである。
図10は、実施例に係る試験体の塩分濃度と端子間溶液抵抗の関係を示した図である。図10には、試験体70内に鉄筋71がない場合(鉄筋なし)と、試験体70内の鉄筋71が健全鉄筋の場合(健全鉄筋)と、試験体70内の鉄筋71が腐食鉄筋の場合(腐食鉄筋)との塩分濃度と端子間溶液抵抗が示されている。各試験体70の端子間溶液抵抗R s-four(Ω)は、鉄筋なしの場合は、図3に示したような高周波側の半円のカーブフィッティングから求め、健全鉄筋および腐食鉄筋の場合は、代表値として100(Hz)の時のReal(Z)(Ω)を用いた。図10に示すように、鉄筋なしの試験体70は、塩分濃度が上昇するほど端子間溶液抵抗が低下する傾向を示した。これは、塩化物イオン増加によりモルタル内部のイオン伝導性が良くなったためと考えられる。さらに、鉄筋なしの試験体70は、鉄筋ありの試験体70に比べ、塩分濃度の大小によらず10倍以上大きな端子間溶液抵抗R s-fourを示した。これは、鉄筋がない場合には計測区間全体でモルタルの溶液抵抗が影響する一方、鉄筋がある場合には印加電流の一部が優先的に鉄筋内部に流れ、その分の抵抗が極めて小さくなるためと考えられる。鉄筋の電気抵抗率は、10-7(Ω・m)程度である。したがって、このように端子間溶液抵抗R s-fourに変化がある場合は、鉄筋表面を経由しており、低周波数域の交流インピーダンスを計測することにより、端子間分極抵抗R p-fourを計測することができると考えられる。
図11は、塩分濃度と鉄筋の腐食による端子間分極抵抗変化の関係を示した図である。図11には、健全鉄筋と腐食鉄筋の試験体70について、低周波側の円弧のカーブフィッティングにより算出した端子間分極抵抗R p-fourと塩分濃度との関係が示されている。健全鉄筋と腐食鉄筋の試験体70では、端子間分極抵抗R p-fourの値が大きく異なっている。よって、端子間分極抵抗R p-fourは、少なくとも鉄筋の腐食発生の有無の判定に有用である。また、端子間分極抵抗R p-fourは、定量的な値として算出できることから、腐食発生後の定量的な腐食速度を算出できる可能性がある。塩分濃度による違いとしては、健全鉄筋は塩分濃度が大きくなるほど端子間分極抵抗R p-fourが小さくなる傾向がある。これは、塩分濃度が3.10(kg/m3)となると鋼材腐食発生限界濃度を超えて、腐食が発生し始めたことを反映していると考えられる。一方、腐食鉄筋の試験体70では、塩分濃度の違いによる端子間分極抵抗R p-fourの変化が小さい。よって、実施例に係る腐食検出手法は、モルタルなどのコンクリートの塩分濃度が違う場合でも、端子間分極抵抗R p-fourから鉄筋の腐食を同様に判定できる。
各試験体70の分極抵抗R pを、図6に示した三電極法で計測した。そして、実施例に係る腐食検出手法により計測した各試験体70の端子間分極抵抗R p-fourと、三電極法により計測した各試験体70の分極抵抗R pの比較を行った。図12は、各試験体に対して、実施例に係る腐食検出手法により計測した端子間分極抵抗と、三電極法とにより計測した各試験体の分極抵抗を比較した図である。図12では、横軸を三電極法で計測した分極抵抗R pとし、縦軸を実施例に係る腐食検出手法で計測した端子間分極抵抗R p-fourとして、各試験体70をプロットした。また、図12には、端子間分極抵抗と分極抵抗の比較結果、および全算出値に対して切片を0とした最小二乗法による線形回帰直線とその式を示した。図12に示すように、実施例に係る腐食検出手法により求まる端子間分極抵抗R p-fourは、三電極法による分極抵抗R pと線形関係にあり、同様の増減傾向にある。よって、実施例に係る腐食検出手法により端子間分極抵抗R p-fourを算出すれば、三電極法と同様に腐食発生の検知および腐食速度算出に用いることができる。
図12は、実施例に係る腐食検出手法による端子間分極抵抗の計測値R p-fourと、三電極法による分極抵抗の計測値R pをそのまま比較したものであり、単位は(Ω)である。腐食速度は単位面積あたりの電流密度Icorr(μA/cm2)から算出されるため、R p-fourおよびR pに関しても単位量あたりの値を設定する必要がある。
三電極法の単位量に関しては、非特許文献1に示されたStern and Gearyの理論において、鉄筋の単位表面積当たりの分極抵抗Rp(=R p×A)が、以下の式(1)に示すように腐食電流密度Icorrに反比例するとされている。
Figure 2020153782
ここで、
corrは、腐食電流密度(μA/cm2)である。
Kは、換算係数K値(mV)(20〜40mV程度)である。実施例では、非特許文献2を参考に、Kを30mVとする。
pは、三電極法による分極抵抗の計測値(Ω)である。
Aは、被測定面積(cm2)である。
pは、単位面積あたりの分極抵抗(kΩ・cm2)である。
腐食電流密度Icorr(μA/cm2)は、鉄が溶解して2価の鉄イオンに変化し、電子を放出する半反応式を仮定した以下の式(2)により、腐食速度CR(Corrosion Rate)(mg/cm2/second)に換算できる。
Figure 2020153782
ここで、
CRは、腐食速度(mg/cm2/second)である。
Mは、鉄の原子量(55.85)である。
Fは、ファラデー定数(96500C)である。
corrは、腐食電流密度(μA/cm2)である。
pは、電荷移動抵抗Rctとも呼ばれることがあるが、実施例では分極抵抗Rpと呼ぶ。RpとRctが異なる場合には、腐食速度は、Rctを用いて算出されるが、実施例では同一と見なせる場合しか現れず、その際には分極抵抗Rpと呼ばれるのが一般的である。
従来、三電極法は、分極抵抗の計測値R p(Ω)に電流に実際に流れた鉄筋の表面積である被測定面積A(cm2)をかけて単位面積あたりの分極抵抗Rp(kΩ・cm2)を求める。三電極法では、求めた単位面積あたりの分極抵抗Rp(kΩ・cm2)を式(1)により腐食電流密度に換算することができる。しかし、三電極法は、鉄筋への導通のため構造物を一部破壊する必要がある。また、三電極法は、計測電流が拡散し、被測定面積Aを算出することが難しい場合がある。
一方、実施例に係る腐食検出手法は、内側の電極11b、11c間の電位差を計測しており、電極11a〜11dの間隔や鉄筋量で変化するとも考えられる。実施例に係る腐食検出手法を腐食速度に換算できる計測法にするためには、端子間分極抵抗R p-four(Ω)を間隔d、試験体70の形状、鉄筋の配筋状況などによらない単位量に換算する必要がある。
そこで、実施例に係る腐食検出手法における電極11a〜11dの間隔の変化による計測値の変化を考慮するために、以下のような実験を実施した。鉄筋が埋設されている試験体70の1体ずつに対して、電極11a〜11dの間隔dをd=1,2,3(cm)と変えて、実施例に係る腐食検出手法により、計測周波数10kHz〜100mHz、印加電位差ΔV=100(mV)の条件下で交流インピーダンスの計測を行い、端子間分極抵抗R p-four(Ω)を算出した。そして、試験体70別に、間隔dでの端子間分極抵抗R p-four(Ω)を間隔d=1(cm)における端子間分極抵抗R p-four(Ω)で割って比率を求めた。このように、電極11a〜11dを等間隔としたまま、間隔dを変えて端子間分極抵抗R p-four(Ω)を計測することで、電極11a〜11dの相対的な関係が変わらないため、間隔dの分極抵抗Rpへの影響を求めることができる。
図13は、鉄筋が埋設されている試験体表面に置いた計測端子の間隔dごとの、端子間隔1cmの計測値に対する端子間分極抵抗の比率を示した図である。比率は、間隔dでの端子間分極抵抗R p-four(Ω)を間隔d=1(cm)おける分極抵抗Rpで割った値である。図13に示すように、健全鉄筋および腐食鉄筋は、間隔dが大きいほど比率が大きくなり、最小二乗法による線形近似を行うことができる。また、図13には、最小二乗法による線形回帰直線とその式、および決定係数R2を示した。任意の間隔dで計測した端子間分極抵抗R p-four(Ω)は、図13に示す線形回帰直線の式を用いて、単位長(1(cm))あたりの端子間分極抵抗Rp-fourに換算できる。以下の式(3)により、間隔dで計測した端子間分極抵抗R p-fourを、単位長あたりの端子間分極抵抗Rp-fourに換算することができる。
Figure 2020153782
なお、式(3)は、図13に示す実験結果を線形近似した線形回帰直線の式から求めた一例であり、近似の手法などにより、式の形式や係数の値が変化する。
次に、鉄筋量が変化した場合の端子間分極抵抗の変化を調べる実験を実施した。実験では、鉄筋(健全鉄筋または腐食鉄筋)、塩分濃度が同じ条件の2つの試験体70を電気的に結合して鉄筋量を変化させた。図14Aおよび図14Bは、実施例に係る試験体の配置の一例を示す図である。例えば、図14Aに示すように、2つの試験体70を縦に重ねて配置し、間を導電性のシート(例えば、ハイドロゲルシート)で電気的に結合した。また、図14Bに示すように、2つの試験体70を並列に並べて配置し、間を導電性のシート(例えば、ハイドロゲルシート)で電気的に結合した。そして、電極11a〜11dの間隔d=3(cm)、計測周波数10kHz〜100mHzとし、印加電位差ΔV=100(mV)の条件下で計測を行い、端子間分極抵抗R p-four(Ω)を算出した。
図15は、実施例に係る鉄筋量が変化した場合の端子間分極抵抗の一例を示す図である。図15の「単体」は、比較として、1つの試験体70から算出した端子間分極抵抗R p-four(Ω)を示している。「縦置2本」は、図14(A)に示すように、縦に重ねて配置した2つの試験体70から算出した端子間分極抵抗R p-fourを示している。「横置2本」は、図14(B)に示すように、横に並べて配置した2つの試験体70から算出した端子間分極抵抗R p-fourを示している。図15に示すように、端子間分極抵抗R p-fourは、鉄筋量の変化による変化が小さいことがわかった。
図13に示すように端子間分極抵抗R p-fourは、間隔dに比例して増加する。また、図15に示すように分極抵抗Rpは、鉄筋量の変化による変化が小さい。この結果から、端子間分極抵抗R p-fourの単位量は、単位長あたりの値とすることが適切である。単位長あたりの端子間分極抵抗Rp-four(Ω/cm)は、式(3)により求めることが可能である。
ここで、三電極法は、分極抵抗の計測値R p(Ω)に電流に実際に流れた鉄筋の表面積である被測定面積A(cm2)をかけて単位面積あたりの分極抵抗Rp(kΩ・cm2)を求める。この被測定面積Aは、図6に示すような計測条件の場合、鉄筋の試験区間の全表面積とするのが一般的である。図6の場合は、A=30.8(cm2)となる。
各試験体70について、実施例に係る腐食検出手法により算出したRp-four(Ω/cm)と、三電極法により求めたRp(kΩ・cm2)を比較した結果を図16に示す。図16は、実施例に係る腐食検出手法の腐食速度指標と三電極法の腐食速度指標の算出結果を比較した一例を示す図である。図16に示すように、Rp-four(Ω/cm)は、Rp(kΩ・cm2)と線形関係にあり、同様の増減傾向にあることがわかる。図16には、Rp-four(Ω/cm)とRp(kΩ・cm2)の最小二乗法による線形回帰直線とその式および決定係数R2を示した。図16に示す線形回帰直線の式から、Rp-four(Ω/cm)とRp(Ω・cm2)には以下の式(4)の関係がある。
Figure 2020153782
ここで、
は、端子間分極抵抗の単位量を鉄筋表面の単位面積あたりの分極抵抗に換算する係数である。実施例の結果からK=0.265となる。
なお、式(4)は、図16に示す比較結果を線形近似した線形回帰直線の式から求めた一例であり、近似の手法などにより、式の形式や係数の値が変化する。
これにより、実施例に係る腐食検出手法では、式(4)により、単位長あたりの端子間分極抵抗Rp-fourを、単位面積あたりの分極抵抗Rpに換算できる。そして、実施例に係る腐食検出手法では、Rp-fourを換算したRpから、式(1)により、腐食電流密度Icorrを算出でき、式(2)により、Icorrから腐食速度CRを算出できる。このように、実施例に係る腐食検出手法では、式(1)〜式(4)を組み合わせて用いることで、端子間分極抵抗の計測値R p-four(Ω)を腐食速度CR(mg/cm2/second)に換算することが可能となる。
図1に戻る。算出部30aは、電極11b、11cの間隔に応じて、端子間分極抵抗R p-fourから、鋼材2の単位長あたりの端子間分極抵抗Rp-fourを算出する。例えば、算出部30aは、電極11b、11cの間隔dに応じて、式(3)の演算を行って、鋼材2の端子間分極抵抗R p-fourから、単位長あたりの端子間分極抵抗Rp-fourを算出する。
ここで、腐食検出装置10は、電極11a〜11dを間隔dで等間隔としている。これにより、算出部30aは、間隔dが変わった場合でも、式(3)から、単位長あたりの端子間分極抵抗Rp-fourを算出できる。間隔dを可変とする場合、腐食検出装置10は、間隔dをユーザインターフェース31から入力させてもよい。また、腐食検出装置10は、電極11a〜11dの間隔dを特定の値(例えば、2cm)として使用するものとしてもよい。腐食検出装置10は、電極11a〜11dの間隔dを広くすることで、表面から深い位置の鋼材2や一度で広い範囲の鋼材2の腐食を検出できる。一方、腐食検出装置10は、電極11a〜11dの間隔dを狭くすることで、鋼材2の腐食を精度よく検出できる。
算出部30aは、単位長あたりの端子間分極抵抗を腐食電流密度に換算し、腐食速度に換算する所定の換算式を用いて、単位長あたりの端子間分極抵抗Rp-fourから腐食速度CRを算出する。例えば、換算式として式(1)、式(2)および式(4)を用いる。この場合、最初に、算出部30aは、式(4)を用いて、単位長あたりの端子間分極抵抗Rp-fourからRpを算出する。次に、算出部30aは、式(1)を用いて、Rpから腐食電流密度Icorrを算出する。そして、式(2)を用いてIcorrから腐食速度CRを算出する。なお、換算式は、式(1)、式(2)および式(4)を組み合わせた1つの式を用いてもよい。
出力制御部30bは、検出結果を出力する。例えば、出力制御部30bは、算出部30aにより算出された腐食速度CRに基づく情報をユーザインターフェース31に表示させる。例えば、出力制御部30bは、算出部30aにより算出された腐食速度CRをユーザインターフェース31に表示させる。なお、出力制御部30bは、算出部30aにより算出された単位長あたりの端子間分極抵抗Rp-fourから、CEBにおける腐食速度によるグレーディングから計測対象構造物の健全度を判定し、判定結果を出力してもよい。図17は、CEBの腐食速度による劣化グレーディングに本発明の端子間分極抵抗を対応させた一例を示す図である。図17には、単位長あたりの端子間分極抵抗Rp-fourの範囲とCEBでの腐食速度判定との関係を示している。出力制御部30bは、算出部30aにより算出された単位長あたりの端子間分極抵抗Rp-fourからCEBの腐食速度を判定し、CEBの腐食速度グレーディングを出力してもよい。
このように、実施例に係る腐食検出装置10は、構造物表面から非破壊で腐食を検出できる。また、実施例に係る腐食検出装置10は、腐食電流密度IcorrやCEBの腐食速度を出力することで、コンクリート構造物の劣化診断や、設備の重要度を考慮した上での対策の優先度判定などに用いることができる。
[処理の流れ]
腐食検出装置10がコンクリートの内部に設けられた鋼材の腐食を検出する腐食検出処理の流れについて説明する。図18は、実施例に係る腐食検出処理の手順の一例を示すフローチャートである。
算出部30aは、計測部21から計測データを取得する(S10)。算出部30aは、計測データに基づき、電極11b、11cの電位差から鋼材2の端子間分極抵抗R p-four(Ω)を算出する(ステップS11)。例えば、算出部30aは、計測部21により計測される周波数ごとの電位差から周波数ごとの交流インピーダンスを求める。そして、算出部30aは、周波数ごとの交流インピーダンスを複素数平面に示したコールコールプロットを求める。算出部30aは、コールコールプロットに形成される低周波側の半円に対してカーブフィッティングを行って鋼材2の端子間分極抵抗R p-fourを算出する。
算出部30aは、電極11b、11cの間隔に応じて、端子間分極抵抗R p-four(Ω)から、鋼材2の単位長あたりの端子間分極抵抗Rp-four(Ω/cm)を算出する(ステップS12)。例えば、算出部30aは、間隔dの際の端子間分極抵抗R p-fourに対して、式(3)の演算を行って、単位長あたりの端子間分極抵抗Rp-fourを算出する。
算出部30aは、単位長あたりの端子間分極抵抗Rp-fourを鉄筋の単位表面積あたりの分極抵抗に換算する所定の換算式を用いて、単位長あたりの端子間分極抵抗Rp-fourから単位表面積あたりの分極抵抗Rpを算出する(ステップS13)。例えば、換算式として式(4)を用いて算出する。
算出部30aは、単位表面積あたりの分極抵抗Rpを腐食電流密度に換算する所定の換算式を用いて、単位表面積あたりの分極抵抗Rpから腐食電流密度Icorrを算出する(ステップS14)。例えば、換算式として式(1)を用いて算出する。
算出部30aは、腐食電流密度を腐食速度に換算する所定の換算式を用いて、腐食電流密度からIcorr腐食速度CRを算出する(ステップS15)。例えば、換算式として式(2)を用いて算出する。
出力制御部30bは、検出結果を出力し、(ステップS16)、処理を終了する。例えば、出力制御部30bは、腐食速度CRやCEBにおける腐食速度のグレーディングをユーザインターフェース31に表示させる。
[効果]
このように、本実施例に係る腐食検出装置10は、4つの電極11a〜11dと、電源部20と、計測部21と、算出部30aとを有する。電極11a〜11dは、内部に鋼材2が設けられたコンクリート1の表面に直線状に配置される。電源部20は、電極11a〜11dのうち外側の電極11a、11dに交流電力を印加する。計測部21は、電源部20から交流電力を印加した際の電極11a〜11dのうち内側の電極11b、11cの電位差を計測する。算出部30aは、計測部21により計測される電位差から内側の電極11b、11c間の端子間分極抵抗R p-fourを算出する。これにより、腐食検出装置10は、構造物表面から非破壊で腐食を検出できる。
また、電源部20は、所定の周波数範囲で周波数を変えて電極11a、11dに交流電力を印加する。計測部21は、電源部20から周波数範囲で周波数を変えて交流電力を印加した際の電極11b、11cの電位差を計測する。算出部30aは、計測部21により計測される周波数ごとの電位差から周波数ごとの交流インピーダンスを求め、周波数ごとの交流インピーダンスを複素数平面に示したコールコールプロットにおいて形成される高周波側と低周波側の半円のうち低周波側の半円に対してカーブフィッティングを行って11b、11c間の端子間分極抵抗R p-fourを算出する。これにより、腐食検出装置10は、構造物表面から非破壊で鋼材2の腐食を検出できる。
また、算出部30aは、電極11b、11cの間隔に応じて、電極11b、11c間の端子間分極抵抗R p-fourから、単位長あたりの端子間分極抵抗Rp-fourを算出する。これにより、腐食検出装置10は、電極11b、11cの間隔や埋設された鋼材2の配筋状況に関わらず、鋼材2の単位長あたりの端子間分極抵抗Rp-fourから鋼材2の腐食を評価できる。
また、算出部30aは、コールコールプロットの低周波側の半円に対してカーブフィッティングを行って算出した電極11b、11c間の端子間分極抵抗R p-fourと、低周波側の半円の一部の周波数の交流インピーダンスを除いてカーブフィッティングを行って算出した電極11b、11c間の端子間分極抵抗R p-fourとの差が所定の許容レベルよりも大きい場合、すなわち、コールコールプロットのばらつきが許容レベルより大きい場合、電源部20から印加する交流電力の電流を増加させて、計測部21により電極11b、11cの電位差を再度計測することを差が許容レベル以下となるまで繰り返す。これにより、腐食検出装置10は、電極11b、11c間の端子間分極抵抗R p-fourを精度よく求めることができる。
また、電源部20は、100kHz〜100mHzの範囲で周波数を変えて電極11a、11dに交流電力を印加する。これにより、腐食検出装置10は、電極11b、11c間の端子間分極抵抗R p-fourを算出できる。
また、電極11a〜11dは、鋼材2の配置位置に沿ってコンクリート1の表面に等間隔で配置する。これにより、腐食検出装置10は、電極の間隔に関わらず、電極11b、11c間の単位長あたりの端子間分極抵抗Rp-fourを算出できる。
さて、これまで開示の装置に関する実施例について説明したが、開示の技術は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
例えば、上記の実施例では、腐食検出装置が、コンクリート1に交流電力を印加して電位差を測定し、測定された測定データから電極11b、11c間の端子間分極抵抗Rp-fourを算出する場合について説明したが、開示の装置はこれに限定されない。例えば、腐食検出装置は、コンクリート1に交流電力を印加して電位差を測定する装置と、測定された測定データから電極11b、11c間の端子間分極抵抗R p-fourを算出する装置とにより構成されてもよい。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的状態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、算出部30aおよび出力制御部30bの各処理部が適宜統合されてもよい。また、各処理部の処理が適宜複数の処理部の処理に分離されてもよい。さらに、各処理部にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
[腐食検出プログラム]
また、上記の実施例で説明した各種の処理は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータシステムで実行することによって実現することもできる。そこで、以下では、上記の実施例と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータシステムの一例を説明する。図19は、腐食検出プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
図19に示すように、コンピュータ300は、CPU(Central Processing Unit)310、HDD(Hard Disk Drive)320、RAM(Random Access Memory)340を有する。これら300〜340の各部は、バス400を介して接続される。
HDD320には上記の算出部30aおよび出力制御部30bと同様の機能を発揮する腐食検出プログラム320aが予め記憶される。なお、腐食検出プログラム320aについては、適宜分離してもよい。
また、HDD320は、各種情報を記憶する。例えば、HDD320は、上述の測定データなど腐食の検出に用いる各種データを記憶する。
そして、CPU310が、腐食検出プログラム320aをHDD320から読み出して実行することで、実施例の各処理部と同様の動作を実行する。すなわち、腐食検出プログラム320aは、算出部30aおよび出力制御部30bと同様の動作を実行する。
なお、上記した腐食検出プログラム320aについては、必ずしも最初からHDD320に記憶させることを要しない。
例えば、コンピュータ300に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」にプログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ300がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
さらには、公衆回線、インターネット、LAN、WANなどを介してコンピュータ300に接続される「他のコンピュータ(またはサーバ)」などにプログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ300がこれらからプログラムを読み出して実行するようにしてもよい。
1 コンクリート
2 鋼材
10 腐食検出装置
11a〜11d 電極
20 電源部
21 計測部
22 制御部
30 コントローラ
30a 算出部
30b 出力制御部
31 ユーザインターフェース
32 記憶部

Claims (9)

  1. 内部に鋼材が設けられたコンクリートの表面に直線状に配置された4つの電極と、
    前記4つの電極のうち外側の2つの電極に交流電力を印加する電源部と、
    前記電源部から交流電力を印加した際の前記4つの電極のうち内側の2つの電極の電位差を計測する計測部と、
    前記計測部により計測される電位差から前記内側の2つの電極間の分極抵抗を算出する算出部と、
    を有することを特徴とする腐食検出装置。
  2. 前記電源部は、所定の周波数範囲で周波数を変えて前記外側の2つの電極に交流電力を印加し、
    前記計測部は、前記電源部から前記周波数範囲で周波数を変えて交流電力を印加した際の前記内側の2つの電極の電位差を計測し、
    前記算出部は、前記計測部により計測される周波数ごとの電位差から周波数ごとの交流インピーダンスを求め、周波数ごとの交流インピーダンスを複素数平面に示したコールコールプロットにおいて形成される高周波側と低周波側の半円のうち低周波側の半円に対してカーブフィッティングを行って前記内側の2つの電極間の分極抵抗を算出する
    ことを特徴とする請求項1に記載の腐食検出装置。
  3. 前記算出部は、前記内側の2つの電極の間隔に応じて、前記内側の2つの電極間の分極抵抗から、前記内側の2つの電極間の単位長あたりの分極抵抗を算出する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の腐食検出装置。
  4. 前記算出部は、単位長あたりの電極間の分極抵抗を腐食速度に換算する所定の換算式を用いて、前記鋼材の単位長あたりの電極間の分極抵抗から腐食速度を算出する
    ことを特徴とする請求項3に記載の腐食検出装置。
  5. 前記算出部は、前記コールコールプロットの前記低周波側の半円に対してカーブフィッティングを行って算出した前記電極間の分極抵抗と、前記低周波側の半円の一部の周波数の交流インピーダンスを除いてカーブフィッティングを行って算出した電極間の分極抵抗との差が所定の許容レベルよりも大きい場合、前記電源部から印加する交流電力の電流を増加させて、前記計測部により前記内側の2つの電極の電位差を再度計測することを前記差が前記許容レベル以下となるまで繰り返す
    ことを特徴とする請求項2に記載の腐食検出装置。
  6. 前記周波数範囲は、100kHz〜100mHzとする
    ことを特徴とする請求項2に記載の腐食検出装置。
  7. 前記4つの電極は、前記鋼材の配置位置に沿って前記コンクリートの表面に等間隔で配置される
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1つに記載の腐食検出装置。
  8. 内部に鋼材が設けられたコンクリートの表面に直線状に配置された4つの電極のうち外側の2つの電極に交流電力を印加し、
    交流電力を印加している際の前記4つの電極のうち内側の2つの電極の電位差を計測し、
    計測される電位差から前記鋼材の分極抵抗を算出する
    ことを特徴とする腐食検出方法。
  9. 内部に鋼材が設けられたコンクリートの表面に直線状に配置された4つの電極のうち外側の2つの電極に交流電力を印加した際の前記4つの電極のうち内側の2つの電極の電位差を計測した計測データを取得し、
    前記計測データにより示される電位差から前記鋼材の分極抵抗を算出する
    処理をコンピュータに実行させることを特徴とする腐食検出プログラム。
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