JP2009204593A - 電解液中での電気化学測定用プローブ及び電気化学測定装置並びにそれを用いた電気化学測定方法 - Google Patents

電解液中での電気化学測定用プローブ及び電気化学測定装置並びにそれを用いた電気化学測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水中のような電解液中において、測定対象物の測定範囲を規定することにより測定対象物の単位面積当たりでの電気化学測定を容易且つ安定に行えるようにする。
【解決手段】絶縁材により筒形に形成されて海中の測定対象物3に対する測定範囲を規定する検出本体4と、検出本体4内の長手方向中間位置に固定した対極5と、検出本体4内の検出側端6である一端と対極5との間に固定した照合電極7とを有する電気化学測定用プローブ1を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、海水中のような電解液中において測定対象物の単位面積当たりでの電気化学測定を容易且つ安定に行える電解液中での電気化学測定用プローブ及び電気化学測定装置並びにそれを用いた電気化学測定方法に関する。
電気化学測定法には、電極電位を時間の関数として外部より与え、その際に流れる電流(或いは電気量)の時間的変化を観察する電位規制法、電流を時間の関数として外部より与え、電極電位の時間的変化を観察する電流規制法、及び、電気量を時間の関数として外部より与え、電極電位の時間的変化を観察する電気量規制法等が知られいる。
そして、上記電気化学測定法を用いて鋼構造物の腐食等を評価する方法が種々提案されている。
特許文献1には、コンクリート中に鋼材を有するコンクリート構造物のコンクリートの表面に、電極を備えた2個以上の鋼材腐食検出端を一定の間隔で接触させ、電位測定装置により、2箇所以上のコンクリート中の鋼材の自然電位の差を測定することにより、コンクリート中の鉄筋の腐食状況を検出する方法が記載されている。
更に、特許文献2には、透水性材料製蓋を有する検出端容器内に電解質溶液を充満させ、その電解質溶液もしくは蓋内に、対極およびこれに対向して配置された照合電極と、電流線制御電極およびこれに対向して配置された照合電極とを設け、前記対極と電流線制御電極と各照合電極とをポテンショスタットに接続して、腐食モニタリング用プローブを構成し、そのプローブにおける蓋をコンクリートの表面に密着させ、かつコンクリート中の鋼材に電気的に導通をとり、前記プローブにより電気化学測定を行ない、電気化学的特性値からコンクリート中鋼材の腐食状況を評価することが記載されている。
上記特許文献1、2はいずれも大気中において鋼材の腐食状況を測定するようにしたものであり、水(海水を含む)のような電解液中での電気化学測定のためのものではなかった。電気化学測定法を用いて鋼構造物の腐食状況等を測定するためには、測定範囲を規定する必要があるが、大気中での測定では大気を通して電極間を電子が移動することが殆どないために、特許文献1、2に示すように電流を流す範囲を規定して測定を行うことは比較的容易であった。
一方、海水などの電解電液中で電気化学測定法により鋼構造物の腐食状況等を測定するためには、海水により電子が移動するために、測定する範囲を規定して電気化学測定法による測定を行うことは困難であった。
水中で電気化学測定を行うものとしては特許文献3がある。特許文献3には、炉水および冷却水と接触する原子炉、蒸気配管、タービン、復水器および水配管の腐食損傷を推測するために、電気化学センサからリード線を介して測定処理装置に接続される腐食環境検知装置において、コンピュータに、電気化学センサで測定した電位標準偏差および電流標準偏差から、腐食抵抗を算出する機能と、予め別の校正用の電気化学センサで測定した腐食抵抗と腐食速度との関係を表す校正曲線を記憶させる機能と、腐食抵抗を校正曲線に参照することで腐食速度を算出し、表示するモニタを備えている。
特開平10−221292号公報 特開平05−288708号公報 特開2004−028818号公報
特許文献3に示す装置では、水を収容する容器等の腐食速度を電気化学測定により水中で精度良く推定できるとしている。しかし、特許文献3は電気化学センサと校正用の電気化学センサを、夫々容器内の水中に吊り下げて設けることにより容器全体との間での電気化学測定を行うようにしているため、水が静止している必要がある。即ち、測定側の水が流動している場合には校正側も同じ条件で水を流動させる必要があり、このために測定装置の構成、操作が非常に複雑となり実用上困難となる。
又、特許文献3では容器等の測定範囲を規定することなしに腐食速度を測定するようにしたものであるため、例えば鋼矢板、鋼管杭などの港湾鋼構造物、橋梁ケーソン、浮体鋼構造物、船舶などの海洋鋼構造物全般のような大型の鋼構造物に対して適用しても、測定範囲が特定されないために腐食速度を正確に測定することができない。又、港湾構造物等が設置される場所の水は通常流動していると共に性状が変化することがあり、更に、鋼構造物等が常に水に浸漬している部分と潮の干満によって浸漬と露出が繰り返される部分とでは腐食速度が異なることが考えられるが、このように条件が変動する場所において前記特許文献3を適用しても腐食速度を正確に推定することはできないという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなしたもので、水中のような電解液中において、測定対象物の測定範囲を規定することにより、測定対象物の単位面積当たりでの電気化学測定を容易且つ安定に行えるようにした電解液中での電気化学測定用プローブ及び電気化学測定装置並びにそれを用いた電気化学測定方法を提供しようとするものである。
本発明は、絶縁材により筒形に形成されて電解液中での測定対象物に対する測定範囲を規定する検出本体と、該検出本体内の長手方向中間位置に固定した対極と、前記検出本体内の検出側端である一端と対極との間に固定した照合電極とを有することを特徴とする電解液中での電気化学測定用プローブ、に係るものである。
上記電解液中での電気化学測定用プローブにおいて、検出本体の検出側端には測定対象物に対する密着を高めるためのシール部材を有することが好ましい。
又、上記電解液中での電気化学測定用プローブにおいて、対極における照合電極に対向する側と反対側の面に絶縁材を有することは好ましい。
又、上記電解液中での電気化学測定用プローブにおいて、検出側端を測定対象物に押し当てた状態に検出本体を支持する保持手段を有することは好ましい。
本発明は、上記電解液中で使用される電気化学測定用プローブと、前記対極及び照合電極に導通すると共に前記測定対象物に導通し、照合電極の設定電位が保持されるよう前記対極と測定対象物との間の電極電位を調節してその時の電流を測定し、又は対極と測定対象物測定対象物との間に流す電流を調節してその時の電極電位を測定するポテンショスタットと、を有することを特徴とする電解液中での電気化学測定装置、に係るものである。
本発明は、前記電解液中での電気化学測定装置を用いて測定対象物の腐食速度を測定する電解液中での電気化学測定方法であって、ポテンショスタットに導通した前記電気化学測定プローブの検出側端を水中で測定対象物の表面に押し当てて測定範囲を規定し、ポテンショスタットにより測定対象物が平衡状態にある時の照合電極の自然電位から照合電極の電位が所定の設定電位になるよう前記対極と測定対象物との間の電圧を調節した時に前記対極と測定対象物との間に流れる単位面積当たりの電流を測定し、更に前記設定電位を変えたときの電流を測定する作業を複数回行って各設定電位と電流の関係をグラフ化し、得られた曲線の傾きにより分極抵抗を求め、該分極抵抗が腐食速度と反比例の関係にあることから測定対象物の腐食速度を測定し、この操作を測定対象物の複数箇所で行って測定対象物の腐食速度の平均値を測定することを特徴とする電解液中での電気化学測定方法、に係るものである。
本発明は、前記電解液中での電気化学測定装置を用いて測定対象物の表面に施された塗装の防食性能を測定する電解液中での電気化学測定方法であって、ポテンショスタットに導通した前記電気化学測定プローブの検出側端を水中で測定対象物の塗装表面に押し当てて測定範囲を規定し、ポテンショスタットにより照合電極の電位が所定の設定電位になるよう前記対極と測定対象物との間の交流電圧を調節した時に前記対極と測定対象物との間に流れる単位面積当たりの電流からインピーダンスを測定することにより塗装の防食性能を測定し、この操作を測定対象物の複数箇所で行って塗装の防食性能の平均値を測定することを特徴とする電解液中での電気化学測定方法、に係るものである。
本発明の電解液中での電気化学測定用プローブ、及び該電気化学測定用プローブを備えた電気化学測定装置によれば、絶縁材により筒形に形成されて電解液中での測定対象物に対する測定範囲を規定する検出本体と、該検出本体内の長手方向中間位置に固定した対極と、前記検出本体内の検出側端である一端と対極との間に固定した照合電極とを有する電気化学測定用プローブの検出側端を電解液中で測定対象物の表面に押付けることにより、電解液中において電気化学測定を行う測定対象物の表面の面積とその面積に対応する電解液の範囲を容易に規定することができ、よって電解液中での単位面積当たりの電気化学測定を容易且つ安定して行える効果がある。
更に、上記電気化学測定装置を用いることにより、電解液中での測定対象物の腐食速度、或いは測定対象物の表面に施された塗装の防食性能等の測定を、容易且つ安定して行える効果がある。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
本発明は、水(海水)等の電解液中に設置される例えば鋼矢板、鋼管杭などの港湾鋼構造物、橋梁ケーソン、浮体鋼構造物、或いは船舶などの海洋鋼構造物全般の大型の鋼構造物からなる測定対象物を電気化学測定するためのものであり、図1は海中で使用される電気化学測定用プローブ1、及び該電気化学測定用プローブ1を有する電気化学測定装置2の一例を示す切断側面図、図2は図1の電気化学測定用プローブ1をII−II方向から見た切断正面図である。
図1、図2に示す電気化学測定用プローブ1は、塩化ビニル等の合成樹脂或いはその他の絶縁材により筒形に形成して海中の鋼構造物等の測定対象物3の測定範囲を規定するための検出本体4を備えている。この検出本体4は図2では円筒の場合を例示しているが、内部が空洞であればよく、断面形状が四角或いはその他の形状を有していてもよい。そして、上記検出本体4は例えば内側径が100mmに対して長さが200mm程度の大きさに形成することができる。
前記検出本体4内の長手方向中間位置には対極5を固定している。この対極5は検出本体4内を直径方向に横切るように固定することができ、更に対極5には例えば亜鉛Zn等を用いることができるが他の公知の材料からなるものを用いてもよい。前記検出本体4内の検出側端6である一端と前記対極5との間には照合電極7を固定している。この照合電極7には銀−酸化銀電極等を用いることができるが他の公知の材料からなるものを用いてもよい。前記照合電極7は前記検出側端6から所要の距離だけ内側に入り込んだ位置に設けられている。又、前記照合電極7の先端には通常、電子を集めるガラス電極8が設けられているので、このガラス電極8が検出本体4の断面の略中心位置になるように設けることが好ましい。
上記検出本体4の検出側端6には、測定対象物3に対する密着を高めるためのゴム等のシール部材9を設けている。
又、前記対極5における照合電極7に対向する側と反対側の面には絶縁材10を設けている。
更に、前記電気化学測定用プローブ1には、図3、図4に示すように検出側端6を測定対象物3に押し付けた状態に検出本体4を支持しておくための保持手段11を備えている。
図3の保持手段11は、検出本体4の検出側端6に近い外周部に、十字方向に張り出したアーム12を設け、各アーム12に対して前記シール部材9からは突出しないように僅かに後退させた位置に磁石13を固定している。これにより検出本体4は、磁石13の吸着力によって測定対象物3の表面に固定されるようになっている。前記アーム12及び磁石13は周方向の3個所以上に設けることが好ましい。
図4の保持手段11は、検出本体4の検出側端6に近い外周部に、前記シール部材9から突出しないように僅かに後退した位置に環状の吸引開口14を備えた吸引通路15を形成しており、該吸引通路15に連通する真空吸引ホース16を設けている。これにより検出本体4は、吸引開口14による吸引によって測定対象物3の表面に吸着固定されるようになっている。
電気化学測定装置2は、図1、図5に示すように、前記電気化学測定用プローブ1の対極5と照合電極7に導通し、更に前記測定対象物3に導通するようにしたポテンショスタット17と、電源18と、演算装置19とからなる測定器20を備えており、該測定器20は鋼構造物からなる測定対象物3上のドルフィン21の上部に設置するようにしている。
前記ポテンショスタット17には、照合電極7の設定電位が保持されるよう前記対極5と測定対象物3との間の電圧を調節してその時の電流を測定し、又は対極5と測定対象物3との間に流す電流を調節してその時の電圧を測定するようにした従来と同様の電気化学測定機能を備えたものを用いることができる。
又、電源18としては、直流電源又は交流電源、或いは直流と交流を切り替えて使用できるようにした電源を用いることができる。更に、演算装置19としては、パーソナルコンピュータ(PC)等を用いることができる。
次に、上記図示例の作動を説明する。
前記電気化学測定用プローブ1、及び該電気化学測定用プローブ1を備えた電気化学測定装置2を用いて鋼構造物からなる測定対象物3の腐食速度を測定する方法の一例を説明する。
測定を行うには、ダイバーが電気化学測定用プローブ1を把持して海中に潜水し、電気化学測定用プローブ1の検出側端6を測定対象物3に押し付ける。すると、検出本体4に備えた保持手段11によって電気化学測定用プローブ1は測定対象物3の表面に吸着固定される。この時、ダイバーが電気化学測定用プローブ1を把持して測定対象物3の表面に押付けた状態に保持することもできるが、前記した保持手段11を備えると、電気化学測定を行う数分〜十数分の間、電気化学測定用プローブ1の検出側端6を測定対象物3に確実に密着させた状態に容易に保持することができる。この時、検出側端6にシール部材9を備えているので測定対象物3に対する電気化学測定用プローブ1の密着性を高めることができる。
更に、検出本体4内は軸方向に開放されているため、検出本体4によって規定した測定対象物3の測定面は海中と同一の条件に保持される。この時、検出本体4の長手方向中間部に配置した対極5は、電位が低い測定対象物3との間で電子の移動が行われるように作用し、且つ、対極5における照合電極7と対向する側とは反対側の面に絶縁材10を設けているので、対極5の電子が検出本体4の検出側端6とは反対側の端部から外部を回って測定対象物3との間で移動するような回り込みを防止することができる。
従って、上記電気化学測定用プローブ1によれば、絶縁材からなる検出本体4によって、測定する測定対象物3の表面の面積とその面積に対応する検出本体4内の電解液の範囲を容易且つ確実に規定することができる。
電気化学測定用プローブ1が設置されると、測定対象物3の電位が平衡状態にある時の自然電位(自然の状態での腐食電位)がポテンショスタット17によって計測されるので、この自然電位から照合電極7の電位が所定の設定電位ΔE(±10mV程度の極微少量)になるよう前記対極5と測定対象物3との間の電圧を調節し、この時の対極5と測定対象物3との間に流れる単位面積当たりの微小の電流Δiをポテンショスタット17により測定する。更に、前記設定電位ΔEを変更したときの電流Δiを測定する作業を複数回行うことによりグラフ化した電流−電位曲線を得る。そして、この曲線は自然電位(腐食電位)の近傍では直線となり、次式1が成立する。
ΔE=Rp×Δi・・・(1)
上記曲線の勾配(ΔE/Δi)を分極抵抗Rp(電荷移動抵抗、又は腐食反応抵抗)という。
又、腐食速度Icorr.と分極抵抗Rpとの間には一般に次式2
Icorr.(A/m)=K(V)/Rp(Ω・m)・・・(2)
が成立し、分極抵抗Rpが腐食速度Icorr.と反比例の関係にあることはSternとGearyによって確立されている(M. Stern,A. L. Geary:J. Electrochem. Soc.,Vol. 104,No.1,56-63 (1957))。
式2中、Kは材料・環境の組み合わせで決まる比例定数であり、通常は腐食減量測定から求めた腐食速度Icorr.と分極抵抗Rpの測定値から予め決定しておく必要があるが、一般的には、K=0.02〜0.03Vを用いることができる((社) 日本コンクリート工学協会:コンクリート診断技術'02[基礎編], 164-165)。
よって、上記式1、式2より腐食速度Icorr.が推定できる。
更に、図5に示すように、前記電気化学測定装置2を用いて、測定対象物3の異なる複数箇所で分極抵抗法により腐食抵抗Rp及び腐食速度Icorr.を求める測定操作を行う。このとき、少なくとも、測定対象物3が常に海水中に没している箇所と、潮の干満によって海水への浸漬と露出が繰り返される部分の計測を行い、得られた腐食速度の平均値を求めることにより、測定対象物3の正確な腐食速度を算出することができる。
又、前記したように海中の鋼構造物からなる測定対象物3の表面に電着によって電着膜が形成されている場合にも、電着膜は導電性を有するため、電着膜の上から前記電気化学測定装置2を用いて上記と同様の方法により測定対象物3の腐食速度を測定することができる。
又、測定対象物3の腐食速度は次のような方法によっても測定できる。
水中では測定対象物3の電位が−770mV以下では腐食が進行しないことが従来から知られており、更に、測定対象物3と対極5との間に流れる電流が100A/mに対して腐食は略0.1mm/年程度であることが知られている。
従って、前記照合電極7の電位が−770mVになるように対極5と測定対象物3との間の電圧を調節し、この時の対極5と測定対象物3との間に流れる単位面積当たりの電流を測定することにより、測定対象物3の腐食速度、即ち測定対象物3の減肉する速度を推定することができる。
図6は海水等の電解液中において前記電気化学測定装置2を用いて測定対象物3の表面に施された塗装22の防食性能を測定する方法を示している。塗装22の防食性能を測定するには、前記と同様にダイバーが電気化学測定用プローブ1を把持して海中に潜水し、電気化学測定用プローブ1の検出側端6を測定対象物3の塗装22の表面に押し付けて保持手段11により吸着固定させる。これにより塗装22における測定範囲が規定される。
電気化学測定用プローブ1が設置されると、測定対象物3の電位が平衡状態にある時の自然電位(自然の状態での腐食電位)がポテンショスタット17によって計測されるので、ポテンショスタット17により照合電極7の電位が所定の設定電位になるよう前記対極5と測定対象物3との間の交流電圧を調節し、この時に前記対極5と測定対象物3との間に流れる単位面積当たりの電流からインピーダンスを測定する。交流インピーダンスが小さいと電子の移動が大きいことにより腐食が生じ易く、又、交流インピーダンスが大きいと電子の移動が小さいことにより腐食は生じ難いことが判明するので、これによって塗装22の防食性能を測定することができる。この防食性能を測定する操作を塗装22の複数箇所で行うことにより塗装22の防食性能の平均値を測定することができる。
尚、上記電気化学測定用プローブ1及び該電気化学測定用プローブ1を備えた電気化学測定装置2を用いて行う電気化学測定は、上記で説明した方法にのみ限定されるものではなく、他の種々の電気化学測定法にも適用できることは勿論である。
本発明を実施する電気化学測定用プローブ及び該電気化学測定用プローブを備えた電気化学測定装置の一例を示す切断側面図である。 図1における電気化学測定用プローブのII−II方向切断正面図である。 電気化学測定用プローブに備えた保持手段の一例を示す側面図である。 電気化学測定用プローブに備えた保持手段の他の例を示す側面図である。 本発明により測定対象物の腐食速度を測定する方法の一例を示す説明用側面図である。 本発明により測定対象物の表面に施された塗装の防食性能を測定する方法の一例を示す切断側面図である。
符号の説明
1 電気化学測定用プローブ
2 電気化学測定装置
3 測定対象物
4 検出本体
5 対極
6 検出側端
7 照合電極
9 シール部材
10 絶縁材
11 保持手段
17 ポテンショスタット
22 塗装

Claims (7)

  1. 絶縁材により筒形に形成されて電解液中での測定対象物に対する測定範囲を規定する検出本体と、該検出本体内の長手方向中間位置に固定した対極と、前記検出本体内の検出側端である一端と対極との間に固定した照合電極とを有することを特徴とする電解液中での電気化学測定用プローブ。
  2. 検出本体の検出側端には測定対象物に対する密着を高めるためのシール部材を有する請求項1に記載の電解液中での電気化学測定用プローブ。
  3. 対極における照合電極に対向する側と反対側の面に絶縁材を有する請求項1又は2に記載の電解液中での電気化学測定用プローブ。
  4. 検出側端を測定対象物に押し当てた状態に検出本体を支持する保持手段を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の電解液中での電気化学測定用プローブ。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の電解液中で使用される電気化学測定用プローブと、前記対極及び照合電極に導通すると共に前記測定対象物に導通し、照合電極の設定電位が保持されるよう前記対極と測定対象物との間の電極電位を調節してその時の電流を測定し、又は対極と測定対象物測定対象物との間に流す電流を調節してその時の電極電位を測定するポテンショスタットと、を有することを特徴とする電解液中での電気化学測定装置。
  6. 請求項5に記載の電解液中での電気化学測定装置を用いて測定対象物の腐食速度を測定する電解液中での電気化学測定方法であって、ポテンショスタットに導通した前記電気化学測定プローブの検出側端を水中で測定対象物の表面に押し当てて測定範囲を規定し、ポテンショスタットにより測定対象物が平衡状態にある時の照合電極の自然電位から照合電極の電位が所定の設定電位になるよう前記対極と測定対象物との間の電圧を調節した時に前記対極と測定対象物との間に流れる単位面積当たりの電流を測定し、更に前記設定電位を変えたときの電流を測定する作業を複数回行って各設定電位と電流の関係をグラフ化し、得られた曲線の傾きにより分極抵抗を求め、該分極抵抗が腐食速度と反比例の関係にあることから測定対象物の腐食速度を測定し、この操作を測定対象物の複数箇所で行って測定対象物の腐食速度の平均値を測定することを特徴とする電解液中での電気化学測定方法。
  7. 請求項5に記載の電解液中での電気化学測定装置を用いて測定対象物の表面に施された塗装の防食性能を測定する電解液中での電気化学測定方法であって、ポテンショスタットに導通した前記電気化学測定プローブの検出側端を水中で測定対象物の塗装表面に押し当てて測定範囲を規定し、ポテンショスタットにより照合電極の電位が所定の設定電位になるよう前記対極と測定対象物との間の交流電圧を調節した時に前記対極と測定対象物との間に流れる単位面積当たりの電流からインピーダンスを測定することにより塗装の防食性能を測定し、この操作を測定対象物の複数箇所で行って塗装の防食性能の平均値を測定することを特徴とする電解液中での電気化学測定方法。
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