JP5892323B2 - 液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示素子の製造方法に関する。さらに詳しくは、視野角が広く、応答速度の速い液晶表示素子を製造するための新規な方法に関する。
液晶表示素子のうち、垂直配向モードとして従来知られているMVA(Multi−Domain Vertical Alignment)型パネルは、液晶パネル中に突起物を形成し、これにより液晶分子の倒れ込み方向を規制することにより、視野角の拡大を図っている。しかし、この方式によると、突起物に由来する透過率およびコントラストの不足が不可避であり、さらに液晶分子の応答速度が遅いという問題がある。
近年、上記の如きMVA型パネルの問題点を解決すべく、PSA(Polymer Sustained Alignment)モードが提案された。PSAモードは、パターン状導電膜付き基板およびパターンを有さない導電膜付き基板からなる一対の基板の間隙、あるいは2枚のパターン状導電膜付き基板からなる一対の基板の間隙に重合性の化合物を含有する液晶組成物を狭持し、導電膜間に電圧を印加した状態で紫外線を照射して重合性化合物を重合し、これによりプレチルト角特性を発現して液晶の配向方向を制御しようとする技術である。この技術によると、導電膜を特定の構成とすることにより視野角の拡大および液晶分子応答の高速化を図ることができ、MVA型パネルにおいて不可避であった透過率およびコントラストの不足の問題も解消される。しかしながら、前記重合性化合
物の重合のために、例えば100,000J/mといった多量の紫外線の照射が必要であり、そのため液晶分子が分解する不具合が生ずるほか、紫外線照射によっても重合しなかった未反応化合物が液晶層中に残存することとなり、これらが相俟って表示ムラが発生し、電圧保持特性に悪影響を及ぼし、あるいはパネルの長期信頼性に問題が生じることが明らかになっている。
これらに対し非特許文献1は、反応性メソゲンを含有するポリイミド系液晶配向剤から形成された液晶配向膜を用いる方法を提案している。非特許文献1によると、かかる方法により形成された液晶配向膜を具備する液晶表示素子は、液晶分子の応答が高速であるという。しかしながら非特許文献1には、いかなる反応性メソゲンをいかなる量で使用すべきかについての指針は全く記載されておらず、また必要な紫外線照射量も依然として多く、表示特性、特に電圧保持特性に関する懸念は払拭されていない。
ところで近年は、液晶表示素子の大型化傾向が著しく、これに伴って大型化する基板の重量を低減しようとの要請がある。これを満たすために、合成樹脂製の基板の使用が一部で試みられている。しかしながら、非特許文献1に記載されたようなメソゲン部位を有する液晶配向膜材料は溶解性に劣るため、これを溶液状の組成物として調製するためには特定の高沸点溶媒(例えばN−メチル−2−ピロリドン)を使用する必要がある。このような高沸点溶媒を含有する液晶配向剤は、これを塗布した後の溶媒除去工程ないし焼成工程において、使用した高沸点溶媒が完全に蒸発除去される程度の高温加熱が必要である。この加熱温度は、時として汎用の樹脂の軟化温度を超えるため、PSAモードおよびその改良モードにおける樹脂性基板の適用が妨げられている。
特開平5−107544号公報 特開2010−97188号公報 特開2009−169224号公報 特開2011−76065号公報
Y.−J.Lee et.al.,SID 09 DIGEST,p.666(2009) T.J.Scheffer et.al.,J.Appl.Phys.vol.48,p.1783(1977) F.Nakano et.al.,JPN.J.Appl.Phys.vol.19,p.2013(1980)
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、視野角が広く、液晶分子の応答速度が速く、表示特性および長期信頼性に優れる液晶表示素子の製造方法を提供することを目的とする。本発明はさらに、好ましくは高温の加熱を要さずに上記の液晶表示素子の製造方法を提供することをも目的とする。
本発明によれば、本発明の上記課題は、
導電膜を有する一対の基板の該導電膜上に、それぞれ、
(A)ポリアミド、ポリビニルアルコール誘導体およびポリ(メタ)アクリレートよりなる群から選択される少なくとも1種の重合体、ここで、上記重合体は、ステロイド構造を有する基、下記式(A−0)
(式(A−0)中、aは0または1であり、bは0〜2の整数であり、ただしaおよびbが同時に0になることはなく、cは1〜20の整数である。)
で表される基、炭素数4〜40のアルキル基(ただし、上記式(A−0)で表される基に含まれる場合を除く。)および炭素数4〜40のフルオロアルキル基よりなる群から選択される少なくとも1種の基を有するものである、ならびに
(B)重合性不飽和化合物
を含有する重合体組成物を塗布して塗膜を形成し、
前記塗膜を形成した一対の基板を、液晶分子の層を介して前記塗膜が相対するように対向配置して液晶セルを形成し、
前記一対の基板の有する導電膜間に電圧を印加した状態で前記液晶セルに光照射する工程を経ることを特徴とする、液晶表示素子の製造方法によって達成される。
本発明の方法によって製造された液晶表示素子は、視野角が広く、液晶分子の応答速度が速く、十分な透過率およびコントラストを示し、表示特定に優れるうえ、長時間連続駆動しても表示特性が損なわれることがない。また、本発明の方法によると、照射に必要な光の量が少なくてすむため、液晶表示素子の製造コストの削減に資する。さらに、本発明の方法において使用される重合体組成物は高沸点溶媒の使用を要しないから、本発明の好ましい態様によれば、耐熱性に乏しい樹脂基板にも好適に適用することができる。
従って、本発明の方法により製造された液晶表示素子は、性能面およびコスト面の双方において従来知られている液晶表示素子に勝り、種々の用途に好適に適用することができる。
実施例および比較例において製造した、パターニングされた透明導電膜を有する液晶セルにおける透明導電膜のパターンを示す説明図である。 実施例および比較例において製造した、パターニングされた透明導電膜を有する液晶セルにおける透明導電膜のパターンを示す説明図である。
<重合体組成物>
本発明の方法において用いられる重合体組成物は、
(A)ポリアミド、ポリビニルアルコール誘導体およびポリ(メタ)アクリレートよりなる群から選択される少なくとも1種の重合体、ならびに
(B)重合性不飽和化合物
を含有する。
[(A)重合体]
(A)重合体は、ポリアミド、ポリビニルアルコール誘導体およびポリ(メタ)アクリレートから選ばれる重合体であり、この重合体はステロイド構造を有する基、下記式(A−0)


(式(A−0)中、aは0または1であり、bは0〜2の整数であり、ただしaおよびbが同時に0になることはなく、cは1〜20の整数である。)
で表される基、炭素数4〜40のアルキル基(ただし、上記式(A−0)で表される基に含まれる場合を除く。)および炭素数4〜40のフルオロアルキル基よりなる群から選択される少なくとも1種の基(以下、「プレチルト角発現性基」という。)を有する。(A)重合体がプレチルト角発現性基を有することにより、液晶の応答速度がより高速となる点で好ましい。
プレチルト角発現性基におけるステロイド構造を有する基としては、例えば3−コレスタニル基、3−コレステニル基、3−(7−デヒドロ)コレステニル基、3−ラノスタニル基などを挙げることができる。
上記式(A−0)における基C2c+1−の具体例としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基(以上において、「n−」は直鎖であることを表す。)などを挙げることができる。上記式(A−0)基の具体例としては、例えば下記式(A−0−1)および(A−0−2)
(上式中、n−C11−およびn−C15−は、それぞれ、直鎖のペンチル基および直鎖のヘプチル基を示す。)
のそれぞれで表される基を挙げることができる。
上記炭素数4〜40のアルキル基(ただし、上記式(A−0)で表される基に含まれる場合を除く。)としては、直鎖のものが好ましく、特に炭素数8〜20の直鎖のアルキル基が好ましい。
上記炭素数4〜40のフルオロアルキル基としては直鎖のものが好ましい。プレチルト角発現性基であるフルオロアルキル基の具体例としては、例えば3−(トリフルオロメチル)プロピル基、4−(トリフルオロメチル)ブチル基などを挙げることができる。
本発明における(A)重合体は、上記のようなプレチルト角発現性基を、0.05〜0.7ミリモル/g−重合体の割合で有することが好ましく、0.1〜0.5ミリモル/g−重合体の割合で有することがより好ましい。
−ポリアミド−
本発明におけるポリアミドは、ジカルボン酸またはジカルボン酸ハロゲン化物と、ジアミンと、を重縮合反応させることによって得ることができる。
本発明におけるポリアミドは、好ましくは上記のようなプレチルト角発現性基を有する。プレチルト角発現性基を有するポリアミドは、例えばジカルボン酸またはジカルボン酸ハロゲン化物と、プレチルト角発現性基を有するジアミンと、を重縮合反応させることによって得ることができる。
本発明におけるポリアミドを合成するために用いられるジカルボン酸としては、例えばシュウ酸、脂肪族ジカルボン酸、脂環式構造を有するジカルボン酸、芳香族環を有するジカルボン酸、脂環式構造および芳香族環の双方を有するジカルボン酸などを挙げることができる。
上記脂肪族ジカルボン酸としては、炭素数1〜20の飽和の炭化水素基に2つのカルボキシ基が結合したジカルボン酸および炭素数2〜20の不飽和の炭化水素基に2つのカルボキシ基が結合したジカルボン酸を挙げることができる。前者の例として、例えばマロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸などを;
後者の例として、例えばフマル酸、ムコン酸などを、それぞれ挙げることができる。これらのうち、炭素数1〜12の飽和の炭化水素基に2つのカルボキシ基が結合したジカルボン酸が好ましい。
上記脂環式構造を有するジカルボン酸としては、例えば1,1−シクロプロパンジカルボン酸、1,2−シクロプロパンジカルボン酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、1,2−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1−シクロブテン−1,2−ジカルボン酸、1−シクロブテン−3,4−ジカルボン酸、1,1−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−(2−ノルボルネン)ジカルボン酸、ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクタン−1,4−ジカルボン酸、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボン酸、2,5−ジオキソ−1,4−ビシクロ[2.2.2]オクタンジカルボン酸、1,3−アダマンタンジカルボン酸、4,8−ジオキソ−1,3−アダマンタンジカルボン酸、2,6−スピロ[3.3]ヘプタンジカルボン酸、1,3−アダマンタン二酢酸、カンファー酸などを;
上記芳香族環を有するジカルボン酸として、例えばo−フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−tert−ブチルイソフタル酸、5−アミノイソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、テトラメチルテレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−アントラセンジカルボン酸、1,4−アントラキノンジカルボン酸、2,5−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、1,5−ビフェニレンジカルボン酸、4,4’’−タ−フェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルメタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルプロパンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルヘキサフルオロプロパンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ビベンジルジカルボン酸、4,4’−スチルベンジカルボン酸、4,4’−トランジカルボン酸、4,4’−カルボニル二安息香酸、4,4’−スルホニル二安息香酸、4,4’−ジチオ二安息香酸、p−フェニレン二酢酸、3,3’−p−フェニレンジプロピオン酸、4−カルボキシ桂皮酸、p−フェニレンジアクリル酸、3,3’−[4,4’−(メチレンジ−p−フェニレン)]ジプロピオン酸、4,4’−[4,4’−(オキシジ−p−フェニレン)]ジプロピオン酸、4,4’−[4,4’−(オキシジ−p−フェニレン)]二酪酸、(イソプロピリデンジ−p−フェニレンジオキシ)二酪酸、ビス(p−カルボキシフェニル)ジメチルシラン、1,5−(9−オキソフルオレン)ジカルボン酸、3,4−フランジカルボン酸、4,5−チアゾールジカルボン酸、2−フェニル−4,5−チアゾールジカルボン酸、1,2,5−チアジアゾール−3,4−ジカルボン酸、1,2,5−オキサジアゾール−3,4−ジカルボン酸、2,3−ピリジンジカルボン酸、2,4−ピリジンジカルボン酸、2,5−ピリジンジカルボン酸、2,6−ピリジンジカルボン酸、3,4−ピリジンジカルボン酸、3,5−ピリジンジカルボン酸、3,6−ピリジンジカルボン酸などを;
上記脂環式構造および芳香族環の双方を有するジカルボン酸としては、例えば3,4−ジフェニル−1,2−シクロブタンジカルボン酸、2,4−ジフェニル−1,3−シクロブタンジカルボン酸、3,4−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−1,2−シクロブタンジカルボン酸、2,4−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−1,3−シクロブタンジカルボン酸などを、それぞれ挙げることができる。
これらのうち、シュウ酸および脂肪族ジカルボン酸よりなる群から選択される1種以上を使用することが好ましい。
上記ジカルボン酸ハロゲン化物としては、うえに例示したようなジカルボン酸の塩化物、臭化物およびヨウ化物を挙げることができ、特に、シュウ酸および脂肪族ジカルボン酸よりなる群から選択される1種以上の塩化物または臭化物を使用することが好ましい。
本発明におけるポリアミドを合成するために用いられるジアミンとしては、例えば脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン、ジアミノオルガノシロキサンなどを挙げることができる。
本発明におけるポリアミドを合成するために用いられるジアミンは、プレチルト角発現性基を有するジアミンを含むものであることが好ましい。プレチルト角発現性基を有するジアミンとしては、プレチルト角発現性基を有する芳香族ジアミンであることが好ましく、その具体例として、例えばドデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、テトラデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ペンタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,4−ジアミノベンゼン、ドデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、テトラデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、ペンタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、ヘキサデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ−3,5−ジアミノベンゼン、コレステニルオキシ−3,5−ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、コレステニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニル、3,5−ジアミノ安息香酸コレステニル、3,5−ジアミノ安息香酸ラノスタニル、3,6−ビス(4−アミノベンゾイルオキシ)コレスタン、3,6−ビス(4−アミノフェノキシ)コレスタン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ブチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェノキシ)メチル)フェニル)−4−ヘプチルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−((アミノフェニル)メチル)フェニル)−4−(4−ヘプチルシクロヘキシル)シクロヘキサン、下記式(A−1)
(式(A−1)中、XおよびXIIは、それぞれ、単結合、−O−、−COO−または−OCO−(ただし、「*」を付した結合手が式(A−I)の左方向を向く。)であり、Rは単結合、メチレン基または炭素数2もしくは3のアルキレン基であり、a、bおよびcは、それぞれ、上記式(A−0)におけるのと同じ意味である。)
で表される化合物などを挙げることができる。
上記式(A−1)におけるX−R−XII−で表される2価の基としてはメチレン基、炭素数2もしくは3のアルキレン基、−O−、−COO−または−O−CHCH−O−(ただし、「*」を付した結合手がジアミノフェニル基と結合する。)であることが好ましい。ジアミノフェニル基における2つのアミノ基は、他の基に対して2,4−位または3,5−位
にあることが好ましい。
上記式(A−1)で表される化合物の具体例としては、例えば下記式(A−1−1−1)、(A−1−1−2)および(A−1−2)
(上式中、n−C11−およびn−C15−は、それぞれ、直鎖のペンチル基および直鎖のヘプチル基を示す。)
のそれぞれで表される化合物であることが好ましい。
プレチルト角発現性基を有するジアミンとしては、上記のうち、ヘキサデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、オクタデカノキシ−2,5−ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ−3,5−ジアミノベンゼン、コレステニルオキシ−3,5−ジアミノベンゼン、コレスタニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、コレステニルオキシ−2,4−ジアミノベンゼン、3,5−ジアミノ安息香酸コレスタニル、3,5−ジアミノ安息香酸コレステニルおよび上記式(A−1)で表される化合物よりなる群から選択される1種以上を使用することが好ましい。
本発明におけるポリアミドを合成するために用いられるジアミンとしては、プレチルト角発現性基を有するジアミンのみからなるものであってもよく、あるいはプレチルト角発現性基を有するジアミンとプレチルト角発現性基を有さないジアミンとの混合物であってもよい。プレチルト角発現性基を有さないジアミンとしては、プレチルト角発現性基を有さない脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミン、ジアミノオルガノシロキサンなどを挙げることができる。
プレチルト角発現性基を有さないジアミンのうち、脂肪族ジアミンとしては、例えば1,1−メタキシリレンジアミン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどを;
脂環式ジアミンとしては、例えば1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどを;
プレチルト角発現性基を有さない芳香族ジアミンとしては、例えば芳香族ジアミンとして、例えばo−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、1,5−ジアミノナフタレン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、2,7−ジアミノフルオレン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、9,9−ビス(4−アミノフェニル)フルオレン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−(p−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、4,4’−(m−フェニレンジイソプロピリデン)ビスアニリン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,6−ジアミノピリジン、3,4−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノピリミジン、3,6−ジアミノアクリジン、3,6−ジアミノカルバゾール、N−メチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−エチル−3,6−ジアミノカルバゾール、N−フェニル−3,6−ジアミノカルバゾール、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−ベンジジン、N,N’−ビス(4−アミノフェニル)−N,N’−ジメチルベンジジン、1,4−ビス−(4−アミノフェニル)−ピペラジン、3,5−ジアミノ安息香酸、4−(4’−トリフルオロメトキシベンゾイロキシ)シクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート、4−(4’−トリフルオロメチルベンゾイロキシ)シクロヘキシル−3,5−ジアミノベンゾエート、2,4−ジアミノーN,N―ジアリルアニリン、4−アミノベンジルアミン、3−アミノベンジルアミン、1−(2,4−ジアミノフェニル)ピペラジン−4−カルボン酸、4−(モルホリン−4−イル)ベンゼン−1,3−ジアミン、1,3−ビス(N−(4−アミノフェニル)ピペリジニル)プロパン、α−アミノ−ω−アミノフェニルアルキレンなどを;
プレチルト角発現性基を有さないジアミノオルガノシロキサンとして、例えば1,3−ビス(3−アミノプロピル)−テトラメチルジシロキサンなどを、それぞれ挙げることができるほか、
特許文献2(特開2010−97188号公報)に記載のジアミンを用いることができる。
プレチルト角発現性基を有さないジアミンとしては、p−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノ−2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,4−ビス−(4−アミノフェニル)−ピペラジンおよび3,5−ジアミノ安息香酸よりなる群から選択される1種以上であることが好ましい。
本発明におけるポリアミドを合成するために用いられるジアミンは、プレチルト角発現性基を有するジアミンを、ジアミンの全量に対して、1モル%以上含むことが好ましく、5〜40モル%含むことがより好ましく、10〜30モル%含むことがさらに好ましい。
本発明におけるポリアミドは、上記のようなジカルボン酸またはジカルボン酸ハロゲン化物とジアミンとを、好ましくは適当な縮合剤の存在下、好ましくは適当な溶媒中で重縮合反応させることにより、合成することができる。
ジカルボン酸またはジカルボン酸ハロゲン化物と、ジアミンと、の使用割合は、ジカルボン酸またはジカルボン酸ハロゲン化物の1モルに対するジアミンの使用割合として、好ましくは0.9〜1.1モルであり、より好ましくは0.95〜1.05モルである。
好ましい縮合剤は、ジカルボン酸を使用するか、ジカルボン酸ハロゲン化物を使用するかによって異なる。縮合剤としては、ジカルボン酸を使用する場合には、例えば(PhO)3P、(PhO)PCl2、PhPOCl2、(C373P(O)O、POCl3、SOCl2/Et3N、Ph3P/C2Cl6、SiCl4、Me2SiCl2などを使用することが好ましく;
一方、ジカルボン酸ハロゲン化物を使用する場合には、例えばトリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリンなどを使用することが好ましい。縮合剤の使用割合は、ジカルボン酸ハロゲン化物の100重量部に対して、200〜400重量部とすることが好ましく、220〜300重量部とすることがより好ましい。
溶媒としては、有機溶媒を使用することが好ましく、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドンなどを好適に使用することができる。溶媒の使用割合は、ジカルボン酸またはジカルボン酸ハロゲン化物とジアミンとの合計100重量部に対して、400〜900重量部とすることが好ましく、500〜700重量部とすることがより好ましい。
重縮合反応の温度は、25〜200℃とすることが好ましく、60〜100℃とすることがより好ましい。重縮合反応の時間は、2〜10時間とすることが好ましく、3〜6時間とすることがより好ましい。
上記のようにして本発明におけるポリアミドを合成することができる。このようにして合成されたポリアミドは、公知の方法によって精製した後に使用することが好ましい。
−ポリビニルアルコール誘導体−
本発明におけるポリビニルアルコール誘導体は、例えばポリビニルアルコールおよびビニルアルコール/エチレン共重合体ならびにこれらを修飾した重合体から選択されるものであり、好ましくは上記で説明したプレチルト角発現性基を有するものである。
ポリビニルアルコールは、酢酸ビニルを重合した後にエステル結合を鹸化することにより、得ることができる。ビニルアルコール/エチレン共重合体は、酢酸ビニルとエチレンとを共重合した後に、酢酸ビニルに由来する繰り返し単位のエステル結合を鹸化することにより、得ることができる。プレチルト角発現性基を有するポリビニルアルコール誘導体は、例えば
酢酸ビニルの有する水素原子のうちの少なくとも1個をプレチルト角発現性基を有する基で置換した化合物(以下、「プレチルト角発現性基置換酢酸ビニル」という。)を単独重合する方法(方法1);
プレチルト角発現性基置換酢酸ビニルと、酢酸ビニルおよびエチレンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の混合物を(共)重合した後に、酢酸ビニルに由来する繰り返し単位のエステル結合を鹸化する方法(方法2);または
ポリビニルアルコールまたはビニルアルコール/エチレン共重合体を先ず合成し、次いで鹸化後に生成した水酸基の反応性を利用して、重合体にプレチルト角発現性基を有する基を事後的に付加する方法(方法3)などにより、合成することができる。
上記方法1および2において使用されるプレチルト角発現性基置換酢酸ビニルは、例えばプレチルト角発現性基を有するアルコールを先ずトリフルオロメタンスルホネートとし、これをヘック反応条件下で酢酸ビニルのC=C二重結合炭素に付加する方法により、合成することができる。
方法2において、プレチルト角発現性基置換酢酸ビニルは、全モノマーに対して、2モル%以上使用することが好ましく、2〜60モル%使用することがより好ましく、5〜40モル%使用することがさらに好ましく、特に10〜30モル%使用することが好ましい。方法3においては、酢酸ビニルを、全モノマーに対して、10モル%以上使用することが好ましく、20〜90モル%使用することがより好ましい。
上記方法1におけるプレチルト角発現性基置換酢酸ビニルの単独重合、方法2におけるプレチルト角発現性基置換酢酸ビニルと酢酸ビニルおよびエチレンよりなる群から選ばれる少なくとも1種との共重合、ならびに方法3におけるポリビニルアルコールを得るための酢酸ビニルの単独重合およびビニルアルコール/エチレン共重合体を得るための酢酸ビニルとエチレンとの共重合は、それぞれ、公知のラジカル重合法により行うことができる。
このラジカル重合法としては、例えばバルク重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合などの適宜の方法を採用することができるが、これらのうち、溶液重合法によることが好ましい。
ラジカル重合を溶液重合法による場合、適当な溶媒およびラジカル重合開始剤の存在下において、所望のモノマーまたはモノマー混合物を、好ましくは50〜150℃、より好ましくは60〜100℃の温度において、必要に応じてエチレンを供給しながら、撹拌することにより、所望の重合体または共重合体を得ることができる。
上記溶媒としては、アルコール、エーテル、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート、芳香族炭化水素、ケトン、エステルを挙げることができる。ラジカル重合における溶媒としては、メタノール、エタノール、イソブチルアルコールなどのアルコールを使用することが好ましい。溶媒の使用割合は、モノマーの合計100重量部に対して、100〜900重量部とすることが好ましく、600〜800重量部とすることがより好ましい。
上記ラジカル重合開始剤としては、例えばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルパレロニトリル、アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルパレロニトリル)などのアゾ化合物;
アセチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド、2,4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキシアセテートなどの過酸化物;
ジイソプピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエトキシエチルパーオキシジカーボネートなどのパーカーボネート化合物;
t−ブチルパーオキシネオデカネート、α−クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシネオデカネートなどのパーエステル化合物;
アゾビスジメチルバレロニトリル、アゾビスメトキシバレロニトリルなどのその他のラジカル重合開始剤を挙げることができる。ラジカル重合開始剤の使用割合は、モノマーの合計100重量部に対して、0.01〜5重量部とすることが好ましく、0.05〜2重量部とすることがより好ましい。
ラジカル重合の時間は、2〜10時間とすることが好ましく、3〜5時間とすることがより好ましい。
重合後、重合反応系を低温に冷却して、重合を停止することが好ましい。重合停止のための低温としては、例えば10℃以上50℃未満とすることができ、20〜40℃とすることが好ましい。
上記重合に引き続いて行われる鹸化は、得られた(共)重合体をアルカリ性条件下におくことによって行うことができる。そのためには、(共)重合体を、好ましくは適当な溶媒中で、アルカリ性化合物と接触させればよい。
鹸化に使用される溶媒としては、例えばアルコールを挙げることができる。これらの具体例としては、例えばメタノール、エタノール、ブタノールなどを挙げることができる。溶媒の使用割合は、(共)重合体100重量部に対して、好ましくは25〜900重量部であり、より好ましくは50〜600重量部である。
鹸化に使用されるアルカリ性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラートなどのアルカリ金属の水酸化物;アルコラートなどアルカリ触媒などを挙げることができる。アルカリ性化合物の使用割合は、(共)重合体の有する酢酸ビニルユニットの1モルに対して、0.001〜0.01モルとすることが好ましく、0.002〜0.008モルとすることがより好ましい。
鹸化の温度は、10〜70℃とすることが好ましく、30〜40℃とすることがより好ましい。鹸化の時間は、0.5〜4時間とすることが好ましく、1〜2時間とすることがより好ましい。
(共)重合体の組成によっては、鹸化の進行中に鹸化反応系がゲル化する場合がある。そのような場合は、反応系の全体を適当な粉砕機によって粉砕したうえで鹸化反応を続行することが好ましい。
鹸化反応後には、適当な中和剤により、反応系を中和することが望ましい。ここで使用される中和剤としては、例えば塩酸、塩化アンモニウム水溶液などを挙げることができる。中和は、pH値として好ましくは5〜9、より好ましくは6〜8の条件下で行われる。中和温度は、15〜40℃とすることが好ましく、20〜30℃とすることがより好ましい。
方法1および方法2においては、上記のような方法により、本発明における好ましいポリビニルアルコール誘導体を得ることができる。
方法3においては、上記のような方法により、本発明における好ましいポリビニルアルコール誘導体の前駆重合体であるポリビニルアルコールまたはビニルアルコール/エチレン共重合体を得ることができる。方法3では、このポリビニルアルコールまたはビニルアルコール/エチレン共重合体(前駆重合体)にプレチルト角発現性基を有する基を付加することにより、本発明における好ましいポリビニルアルコール誘導体を得ることができる。より具体的には、先ずプレチルト角発現性基を有する基およびカルボキシル基を有する化合物(以下、「プレチルト角発現性カルボン酸」という。)を適当なハロゲン化剤によって酸ハロゲン化物とした後、該酸ハロゲン化物と前駆重合体とを、好ましくは適当な縮合剤の存在下、好ましくは適当な溶媒中でエステル化反応させることにより、合成することができる。
上記プレチルト角発現性カルボン酸としては、例えばステロイド構造を有する基、上記式(A−0)で表される基、炭素数4〜40のアルキル基(ただし、上記式(A−0)で表される基に含まれる場合を除く。)または炭素数4〜40のフルオロアルキル基を有するカルボン酸を挙げることができ、その具体例として、例えばコハク酸モノ(3−(7−デヒドロ)コレステリル)、下記式(5−1)〜(5−8)
のそれぞれで表される化合物などを挙げることができる。
上記ハロゲン化剤としては、酸塩化物を使用することが好ましく、その具体例として、例えば(PhO)PCl、PhPOCl、POCl、SOCl/EtN、PhP/CCl、SiCl、MeSiCl(以上において、Phはフェニル基であり、Etはエチル基であり、Meはメチル基である。)などを使用することが好ましくい。ハロゲン化剤の使用割合としては、プレチルト角発現性カルボン酸100重量部に対して、好ましくは2〜10重量部であり、より好ましくは3〜6重量部である。このハロゲン化反応は、好ましくは適当な溶媒、例えばジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミドなどの存在下で、例えば20〜100℃、好ましくは40〜80℃において、例えば0.5〜5時間、好ましくは1〜2時間行うことができる。
前駆重合体と、プレチルト角発現性カルボン酸のハロゲン化物との使用割合は、前駆重合体の有するビニルアルコールユニット1モルに対するプレチルト角発現性カルボン酸のハロゲン化物の使用割合として、好ましくは0.9〜1.1モルであり、より好ましくは0.95〜1.05モルである。
上記縮合剤としては、例えばトリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリンなどを使用することが好ましい。縮合剤の使用割合は、ハロゲン化物の100重量部に対して、好ましくは200〜400重量部であり、より好ましくは220〜300重量部である。
上記溶媒としては、有機溶媒を使用することが好ましく、例えばテトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドンなどを好適に使用することができる。溶媒の使用割合は、前駆重合体とプレチルト角発現性カルボン酸のハロゲン化物との合計100重量部に対して、400〜900重量部とすることが好ましく、500〜700重量部とすることがより好ましい。
エステル化反応の温度は、35〜200℃とすることが好ましく、50〜100℃とすることがより好ましい。エステル化反応の時間は、3〜10時間とすることが好ましく、3〜6時間とすることがより好ましい。
以上のようにして、所望のポリビニルアルコール誘導体を合成することができる。以上のようにして合成されたポリビニルアルコール誘導体は、公知の方法によって精製した後に使用することが好ましい。
−ポリ(メタ)アクリレート−
本発明におけるポリ(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリレートの単独重合体もしくは共重合体であるが、あるいは(メタ)アクリレートと他の共重合性モノマーとの共重合体であることができ、好ましくは上記で説明したプレチルト角発現性基を有する。
ここで(メタ)アクリレートとは、アクリレートおよびメタクリレートの双方を包含する概念である。(メタ)アクリル酸も同様に、アクリル酸およびメタクリル酸の双方を包含する概念である。
プレチルト角発現性基を有するポリ(メタ)アクリレートは、例えばプレチルト角発現性基を有する(メタ)アクリレートの単独重合体であるか、あるいはプレチルト角発現性基を有する(メタ)アクリレートと、これ以外の他の共重合性モノマーとの共重合体であることができる。ここで、他の共重合性モノマーとしては、例えばプレチルト角発現性基を有さない(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、マレイミド化合物、ビニル芳香族化合物などを挙げることができる。プレチルト角発現性基を有さない(メタ)アクリレートとしては、環状エーテル構造を有する(メタ)アクリレートおよびそれ以外のプレチルト角発現性基を有さない他の(メタ)アクリレートを挙げることができる。
上記プレチルト発現性基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば3−コレスタニル(メタ)アクリレート、3−コレステニル(メタ)アクリレート、3−エルゴステニル(メタ)アクリレート、3−エルゴスタニル(メタ)アクリレート、3−スチグマステニル(メタ)アクリレート、3−スチグマスタニル(メタ)アクリレート、n−オクタデシル(メタ)アクリレート、4−(4−n−ヘプチル−シクロヘキシル)フェニル(メタ)アクリレートなどを挙げることができ、これらから選択される1種以上を用いることができる。
上記環状エーテル構造を有する(メタ)アクリレートとしては、例えばグリシジル(メタ)アクリレート、2−(グリシジルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル(メタ)アクリレートなどを;
上記プレチルト角発現性基を有さない他の(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレートなどを;
上記マレイミド化合物としては、例えばN−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどを;
上記ビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、インデン、p−ヒドロキシスチレンなどを、それぞれ挙げることができ、これらと(メタ)アクリル酸とから選択される1種以上を使用することができるほか、
特許文献3(特開2009−169224号公報)に記載されたモノマーを使用してもよい。
本発明におけるポリ(メタ)アクリレートを合成する際の、プレチルト角発現性基を有するポリ(メタ)アクリレートの使用割合としては、全モノマーに対して、2モル%以上とすることが好ましく、2〜60モル%とすることがより好ましく、5〜40モル%とすることがさらに好ましく、特に10〜30モル%とすることが好ましい。
本発明におけるポリ(メタ)アクリレートは、上記のようなモノマーを用いて、公知のラジカル反応法によって得ることができる。
本発明におけるポリ(メタ)アクリレートの合成は、上記のようなモノマーを、好ましくは適当な重合開始剤の存在下に、好ましくは適当な溶媒中でラジカル重合することにより、行うことができる。
上記重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤として一般に知られているものを制限なく使用することができ、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;
ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス−(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物;
過酸化水素などを使用することができる。
上記溶媒としては、例えばアルコール、エーテル、グリコールエーテル、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート、芳香族炭化水素、ケトン、エステルなどを使用することができ、これらのうちエチレングリコールアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテートが好ましく、特に、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートまたは3−メトキシプロピオン酸メチルを使用することが好ましい。
このようにして合成されたポリ(メタ)アクリレートは、公知の方法によって精製した後に使用してもよい。
−(A)重合体−
本発明における(A)重合体は、上記のようなポリアミド、ポリビニルアルコール誘導体およびポリ(メタ)アクリレートよりなる群から選択される少なくとも1種である。これらの重合体の2種以上を混合して使用してもよい。
本発明における(A)重合体はとしては、ポリアミド、ポリビニルアルコール誘導体またはポリ(メタ)アクリレートを単独で使用するか、あるいはこれらのうちの1種と後述の他の重合体とを混合して使用することが好ましい。
[(B)重合性不飽和化合物]
本発明において用いられる(B)重合性不飽和化合物は、重合性の炭素−炭素二重結合を有する基であり、好ましくは分子中に、下記式(B−I)
(式(B−I)中、Rは水素原子またはメチル基であり、YおよびYは、それぞれ独立に、酸素原子または硫黄原子である。)
で表される1価の基の少なくとも2個を有する化合物(B−1)を含む。
化合物(B−1)における上記式(B−II)で表される1価の基の数は、2個であることが好ましい。上記式(B−II)におけるYとしては、酸素原子であることが好ましい。
化合物(B−1)は、分子中に下記式(B−II)
−X−Y−X− (B−II)
(式(B−II)中、XおよびXは、それぞれ独立に、1,4−フェニレン基または1,4−シクロへキシレン基であり、Yは単結合、炭素数1〜4の2価の炭化水素基、酸素原子、硫黄原子または−COO−であり、ただし上記XおよびXは1個または複数個の炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、フッ素原子またはシアノ基で置換されていてもよい。)
で表される2価の基で表される2価の基の少なくとも1個をさらに含むものであることが好ましい。
上記式(B−II)における炭素数1〜4の2価の炭化水素基としては、例えばメチレン基、ジメチルメチレン基などを挙げることができる。上記式(B−II)で表される2価の基としては、例えば下記式(B−II−1)〜(B−II−6)
のそれぞれで表される基などを挙げることができる。上記式(B−II−1)〜(B−II−6)のそれぞれにおけるベンゼン環およびシクロヘキサン環は、それぞれ、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、フッ素原子またはシアノ基で置換されていてもよい。
本発明において用いられる化合物(B−1)としては、
ビフェニル構造を有するジ(メタ)アクリレート(上記式(B−I)におけるYおよびYが、それぞれ、酸素原子であり、上記式(B−II)で表される2価の基が上記式(B−II−1)で表される基である。)、
フェニル−シクロヘキシル構造を有するジ(メタ)アクリレート(上記式(B−I)におけるYおよびYが、それぞれ、酸素原子であり、上記式(B−II)で表される2価の基が上記式(B−II−2)で表される基である。)、
2,2−ジフェニルプロパン構造を有するジ(メタ)アクリレート(上記式(B−I)におけるYおよびYが、それぞれ、酸素原子であり、上記式(B−II)で表される2価の基が上記式(B−II−3)で表される基である。)、
ジフェニルメタン構造を有するジ(メタ)アクリレート(上記式(B−I)におけるYおよびYが、それぞれ、酸素原子であり、上記式(B−II)で表される2価の基が上記式(B−II−4)で表される基である。)および
ジフェニルチオエーテル構造を有するジ−チオ(メタ)アクリレート(上記式(B−I)におけるYが酸素原子であり、Yが硫黄原子であり、上記式(B−II)で表される2価の基が上記式(B−II−5)で表される基である。)ならびに
その他の化合物(B−1)
を挙げることができる。
これらの具体例としては、ビフェニル構造を有するジ(メタ)アクリレートとして、例えば4’−アクリロイロキシ−ビフェニル−4−イル−アクリレート、
4’−メタクリロイロキシ−ビフェニル−4−イル−メタアクリレート、
2−[4’−(2−アクリロイロキシ−エトキシ)−ビフェニル−4−イロキシ]−エチルアクリレート、
2−[4’−(2−メタクリロイロキシ−エトキシ)−ビフェニル−4−イロキシ]−エチルメタクリレート、
ビフェニルのエチレンオキシド付加物のジアクリレート、
ビフェニルのエチレンオキシド付加物のジメタクリレート、
ビフェニルのプロピレンオキシド付加物のジアクリレート、
ビフェニルのプロピレンオキシド付加物のジメタクリレートなどを;
フェニル−シクロヘキシル構造を有するジ(メタ)アクリレートとして、例えば4−(4−アクリロイロキシ−フェニル)−シクロヘキシルアクリレート、
4−(4−メタクリロイロキシ−フェニル)−シクロヘキシルメタクリレート、などを;
2,2−ジフェニルプロパン構造を有するジ(メタ)アクリレートとして、例えば4−[1−(4−アクリロイロキシ−フェニル)−1−メチル−エチル]−フェニルアクリレート、
4−[1−(4−メタクリロイロキシ−フェニル)−1−メチル−エチル]−フェニルメタクリレート、
ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物のジアクリレート、
ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物のジメタクリレート、
ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物のジアクリレート、
ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物のジメタクリレートなどを;
ジフェニルメタン構造を有するジ(メタ)アクリレートとして、例えばビスフェノールFのエチレンオキシド付加物のジアクリレート、
ビスフェノールFのエチレンオキシド付加物のジメタクリレート、
ビスフェノールFのプロピレンオキシド付加物のジアクリレート、
ビスフェノールFのプロピレンオキシド付加物のジメタクリレートなどを;
その他の化合物(B−1)として、例えば2,5−ビス{4−(3−アクリロイロキシ−プロポキシ)−安息香酸}トルエンなどを、それぞれ挙げることができるほか、特許文献4(特開2011−76065号公報)に記載の化合物を使用することができる。
上記のような化合物(B−1)は、有機化学の定法を適宜に組み合わせることにより合成することができるほか、市販品として入手することができる。化合物(B−1)の市販品としては、例えばビスヒドロキシエトキシBPジアクリレート、ビスヒドロキシエトキシBis−Aジアクリレート(本州化学工業(株)製);
アロニックスM−208、M−210(東亞合成(株)製);
SR−349、SR−601,SR−602(サートマー社製);
KAYARAD R−712、R−551(日本化薬(株)製);
NKエステルBPE−100、NKエステルBPE−200、NKエステルBPE−500、NKエステルBPE−1300、NKエステルA−BPE−4(新中村化学工業(株)製)、Actilane420(日本シイベルヘグナー(株)製):
ライトエステルBP−2EM、ライトアクリレートBP−4EA、ライトアクリレートBP−4PA、エポキシエステル3000M、エポキシエステル3000A(共栄社化学(株)製);
V#540、V#700(大阪有機化学工業(株)製);
FA−321M(日立化成工業(株)製);
MPSMA(住友精化社製);
リポキシVR−77(昭和高分子(株)製)などを挙げることができる。
本発明において用いられる化合物(B−1)としては、上記に例示した化合物よりなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
(B)重合性不飽和化合物としては、化合物(B−1)のみを用いてもよく、化合物(B−1)とその他の不飽和化合物とを併用してもよい。
上記その他の不飽和化合物は、プレチルト角を90°により近付け、これにより本願が所期する効果をより有効に発現させる目的で、本発明における重合体組成物に含有されることができる。このようなその他の不飽和化合物は、好ましくは炭素−炭素二重結合を1個有する化合物であり、より好ましくは炭素−炭素二重結合の1個と上記式(A−1)で表される基とを有する。このようなその他の不飽和化合物の具体例としては、例えばメタクリル酸−5ξ−コレスタン−3−イル、メタクリル酸 4−(4’−フェニル−ビシクロヘキシル−4−イル)フェニルエステルなどを挙げることができる。
(B)重合性不飽和化合物として、化合物(B−1)とともにその他の不飽和化合物を使用する場合、その使用割合としては、(B)重合性不飽和化合物の全量に対して80重量%以下とすることが好ましく、50重量%以下とすることがより好ましい。その他の不飽和化合物は、これを(B)重合性不飽和化合物の全量に対して2重量%以上用いることにより、その所期する効果を発現することができる。
本発明において用いられる重合体組成物中における(B)重合性不飽和化合物の使用割合としては、重合体の合計((A)重合体および任意的に用いられる後述の他の重合体の合計をいう。以下同じ。)の100重量部に対して、1〜100重量部とすることが好ましく、5〜50重量部とすることがより好ましい。
[その他の成分]
本発明において用いられる重合体組成物は、上記の如き(A)重合体および(B)重合性不飽和化合物を必須の成分とするが、これら以外に本発明の効果を減殺しない範囲でその他の成分を含有していてもよい。ここで使用することのできるその他の成分としては、例えば他の重合体、光重合開始剤、ラジカル捕捉剤、光安定剤などを挙げることができる。
−他の重合体−
上記他の重合体は、得られる塗膜の電気特性をより改善するなどの目的で本発明における重合体組成物に含有されることができる。
他の重合体は、(A)重合体以外の重合体であり、ポリアミド、ポリビニルアルコール誘導体およびポリ(メタ)アクリレート以外の重合体から選択される1種以上であることができる。他の重合体の具体例としては、例えばポリアミック酸、ポリイミド、ポリアミック酸エステル、ポリオルガノシロキサン、ポリエステル、セルロース誘導体、ポリアセタール、ポリスチレン誘導体(ただし、(A)重合体に該当する場合を除く。)、ポリ(スチレン−フェニルマレイミド)誘導体などを挙げることができる。他の重合体を使用する場合、該他の重合体としては、ポリアミック酸、ポリイミドおよびポリオルガノシロキサンよりなる群から選択される1種以上を使用することが好ましく、ポリアミック酸およびポリイミドよりなる群から選択される1種以上を使用することがより好ましい。
本発明における重合体組成物が他の重合体を含有するものである場合、その割合は、重合体の合計に対して、50重量%以下とすることが好ましく、30重量%以下とすることがより好ましい。
−光重合開始剤−
上記光重合開始剤は、得られる液晶表示素子の応答速度をより高速とするなどの目的で本発明における重合体組成物に含有されることができる。
光重合開始剤としては例えばα−ジケトン、アシロイン、アシロインエーテル、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物、キノン化合物、ハロゲン化合物、アシルホスフィンオキシド、有機過酸化物などをあげることができる。これらの具体例としては、α−ジケトンとして例えばベンジル、ジアセチルなどを;
アシロインとして例えばベンゾインなどを;
アシロインエーテルとして例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどを;
ベンゾフェノン化合物として例えばチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、チオキサントン−4−スルホン酸、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、フェニル−(4−p−トリルスルファニル−フェニル)−メタノンなどを;
アセトフェノン化合物として例えばアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、4−(α,α’−ジメトキシアセトキシ)ベンゾフェノン、2,2’−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−メトキシアセトフェノン、2−メチル−2−モルフォリノ−1−(4−メチルチオフェニル)−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンなどを;
キノン化合物として例えばアントラキノン、1,4−ナフトキノンなどを;
ハロゲン化合物として例えばフェナシルクロリド、トリブロモメチルフェニルスルホン、トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどを;
アシルホスフィンオキシドとして例えば2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシドなどを;
有機過酸化物として例えばジ−t−ブチルペルオキシドなどを、それぞれ挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。
光重合開始剤としては市販品を用いてもよく、例えばIRGACURE−124、同−149、同−184、同−369、同−500、同−651、同−819、同−907、同−1000、同−1700、同−1800、同−1850、同−2959、Darocur−1116、同−1173、同−1664、同−2959、同−4043(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製);
KAYACURE−BMS、同−DETX、同−MBP、同−DMBI、同−EPA、同−OA(以上、日本化薬(株)製);
LUCIRIN TPO(BASF社製);
VICURE−10、同−55(以上、STAUFFER社製);
TRIGONALP1(AKZO社製);
SANDORAY 1000(SANDOZ社製);
DEAP(APJOHN社製);
QUANTACURE−PDO、同−ITX、同−EPD(以上、WARD BLEKINSOP社製)などを好ましく使用することができる。
光重合開始剤としては、熱安定性が高いとの観点からベンゾフェノン化合物を使用することが好ましい。
光重合開始剤の使用割合は、(B)重合性不飽和化合物100重量部に対して、30重量部以下とすることが好ましく、0.1〜30重量部とすることがより好ましく、特に0.5〜20重量部とすることが好ましい。
−ラジカル捕捉剤−
上記ラジカル捕捉剤は、基板上に本発明における重合体組成物を塗布して塗膜とする際に好ましく行われる加熱により、(B)重合性不飽和化合物が好ましくない反応を起こすことを回避するために、本発明の液晶配向剤中に含有されることができる。
このようなラジカル捕捉剤の具体例としては、例えばペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、
1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、
N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)、
3,3’,3”,5’,5”−ヘキサ−tert−ブチル−α,α’,α”−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、
4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、
4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、
エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート、
ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、
1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリン)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、
2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミン)フェノールなどを挙げることができ、これらのうちから選択される1種以上を使用することができる。
ラジカル捕捉剤としては市販品を用いてもよく、例えば(株)ADEKA製のアデカスタブAO−20、アデカスタブAO−30、アデカスタブAO−40、アデカスタブAO−50、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−70、アデカスタブAO−80、アデカスタブAO−330;
住友化学(株)製のsumilizerGM、sumilizerGS、sumilizerMDP−S、sumilizerBBM−S、sumilizerWX−R、sumilizerGA−80;
チバジャパン(株)製のIRGANOX1010、IRGANOX1035、IRGANOX1076、IRGANOX1098、IRGANOX1135、IRGANOX1330、IRGANOX1726、IRGANOX1425WL、IRGANOX1520L、IRGANOX245、IRGANOX259、IRGANOX3114、IRGANOX565、IRGAMOD295;
(株)エーピーアイコーポレーション製のヨシノックスBHT、ヨシノックスBB、ヨシノックス2246G、ヨシノックス425、ヨシノックス250、ヨシノックス930、ヨシノックスSS、ヨシノックスTT、ヨシノックス917、ヨシノックス314
などを好ましく使用することができる。
本発明における重合体組成物中のラジカル捕捉剤の使用割合は、(B)重合性不飽和化合物100質量部に対して、好ましくは10質量部以下であり、より好ましくは5質量部以下である。
[重合体組成物]
本発明において用いられる重合体組成物は、上記の如き(A)重合体および(B)重合性不飽和化合物ならびに任意的に使用されるその他の添加剤を、適当な有機溶媒に溶解した溶液として調製されることが好ましい。
上記有機溶媒としては、高沸点溶媒およびその他の溶媒を挙げることができる。上記高沸点溶媒は、常圧(1.013×10Pa)における沸点が180℃以上である有機溶媒であり、例えばN−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、γ−ブチロラクタム、メチルメトキシプロピオネ−ト、エチルエトキシプロピオネ−ト、エチレングリコール−n−ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、などを挙げることができる。上記その他の溶媒は、上記の高沸点溶媒に該当しない有機溶媒であり、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−i−プロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート、ジイソペンチルエーテルなどを挙げることができる。
本発明における(A)重合体は、汎用の有機溶媒に対する溶解性が高いから、上記高沸点溶媒を用いなくとも溶液状の組成物として調製することができる。従って、本発明における重合体組成物が含有する溶媒として、高沸点溶媒を使用せず、その他の溶媒のみを使用することにより、重合体組成物を塗布した後の溶媒除去工程ないし焼成工程において、加熱温度を低い温度としても塗膜から溶媒が容易に除去されることとなり、このことにより、本発明の方法を耐熱温度の低い合成樹脂性の基板にも好適に適用することができ、好ましい。
有機溶媒の使用割合としては、重合体組成物の固形分濃度(重合体組成物中の有機溶媒以外の成分の合計重量が重合体組成物の全重量に占める割合)が1〜15重量%となる割合とすることが好ましく、1.5〜8重量%となる割合とすることがより好ましい。
<液晶表示素子の製造方法>
本発明の液晶表示素子の製造方法は、
導電膜を有する一対の基板の該導電膜上に、それぞれ、上記の如き重合体組成物を塗布して塗膜を形成し、
前記塗膜を形成した一対の基板を、液晶分子の層を介して前記塗膜が相対するように対向配置して液晶セルを形成し、
前記一対の基板の有する導電膜間に電圧を印加した状態で前記液晶セルに光照射する工程を経ることを特徴とする。
ここで、基板としては例えばフロートガラス、ソーダガラスの如きガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミド、フルオレン系ポリエーテル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)の如き合成樹脂などからなる透明基板などを用いることができる。
上記導電膜としては、透明導電膜を用いることが好ましく、例えばSnOからなるNESA(登録商標)膜、In−SnOからなるITO膜などを用いることができる。この導電膜は、それぞれ、複数の領域に区画されたパターン状導電膜であることが好ましい。このような導電膜構成とすれば、導電膜間に電圧を印加する際(後述)にこの各領域ごとに異なる電圧を印加することによって各領域ごとに液晶分子のプレチルト角の方向を変えることができ、これにより視野角特性をより広くすることが可能となる。
このような基板の該導電膜上に、重合体組成物を塗布するには、例えばロールコーター法、スピンナー法、印刷法、インクジェット法などの適宜の塗布方法によることができる。塗布後、該塗布面を、予備加熱(プレベーク)し、次いで焼成(ポストベーク)することにより塗膜を形成する。プレベーク条件は、例えば40〜120℃において0.1〜5分であり、ポストベーク条件は、好ましくは100〜300℃、より好ましくは120〜250℃、特に好ましくは150〜180℃において、好ましくは5〜200分、より好ましくは10〜100分である。使用する重合体組成物が高沸点溶媒を含有しないものである場合には、このプレベークおよびポストベークの最高到達温度を180℃以下としても本発明の効果を十分に発現することができるから、本発明の方法は、耐熱性の低い合成樹脂製基板にも好適に適用することができる。ポストベーク後の塗膜の膜厚は、好ましくは0.001〜1μmであり、より好ましくは0.005〜0.5μmである。
このようにして形成された塗膜はこれをそのまま次工程の液晶セルの製造に供してもよく、あるいは液晶セルの製造に先んじて必要に応じて塗膜面に対するラビング処理を行ってもよい。このラビング処理は、塗膜面に対して、例えばナイロン、レーヨン、コットンなどの繊維からなる布を巻き付けたロールで一定方向に擦ることにより行うことができる。ここで、特許文献1(特開平5−107544号公報)に記載されているように、一旦ラビング処理を行った後に塗膜面の一部にレジスト膜を形成し、さらに先のラビング処理と異なる方向にラビング処理を行った後にレジスト膜を除去する処理を行い、領域ごとに異なるラビング方向とすることによって、得られる液晶表示素子の視界特性をさらに改善することが可能である。
次いで、前記塗膜を形成した一対の基板を、液晶分子の層を介して前記塗膜が相対するように対向配置して液晶セルを形成する。
ここで使用される液晶分子としては、負の誘電異方性を有するネマティック型液晶が好ましく、例えばジシアノベンゼン系液晶、ピリダジン系液晶、シッフベース系液晶、アゾキシ系液晶、ビフェニル系液晶、フェニルシクロヘキサン系液晶などを用いることができる。液晶分子の層の厚さは、1〜5μmとすることが好ましい。
このような液晶を用いて液晶セルを製造するには、例えば以下の2つの方法を挙げることができる。
第一の方法としては、それぞれの液晶配向膜が対向するように間隙(セルギャップ)を介して2枚の基板を対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤を用いて貼り合わせ、基板表面およびシール剤により区画されたセルギャップ内に液晶を注入充填した後、注入孔を封止することにより、液晶セルを製造することができる。あるいは第二の方法として、液晶配向膜を形成した2枚の基板のうちの一方の基板上の所定の場所に例えば紫外光硬化性のシール剤を塗布し、さらに液晶配向膜面上の所定の数箇所に液晶を滴下した後、液晶配向膜が対向するように他方の基板を貼り合わせるとともに液晶を基板の全面に押し広げ、次いで基板の全面に紫外光を照射してシール剤を硬化することにより、液晶セルを製造することができる。
その後、前記一対の基板の有する導電膜間に電圧を印加した状態で前記液晶セルに光照射する。
ここで印加する電圧は、例えば5〜50Vの直流または交流とすることができる。
照射する光としては、例えば150〜800nmの波長の光を含む紫外線および可視光線を用いることができるが、300〜400nmの波長の光を含む紫外線が好ましい。照射光の光源としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、エキシマーレーザーなどを使用することができる。前記の好ましい波長領域の紫外線は、前記光源を、例えばフィルター、回折格子などと併用する手段などにより得ることができる。
光の照射量としては、好ましくは1,000J/m以上100,000J/m未満であり、より好ましくは1,000〜50,000J/mである。従来知られているPSAモードの液晶表示素子の製造においては、100,000J/m程度の光を照射することが必要であったが、本発明の方法においては、光照射量を50,000J/m以下、さらに10,000J/m以下とした場合であっても所望の液晶表示素子を得ることができ、液晶表示素子の製造コストの削減に資するほか、強い光の照射に起因する電気特性の低下、長期信頼性の低下を回避することができる。
そして、上記のような処理を施した後の液晶セルの外側表面に偏光板を貼り合わせることにより、液晶表示素子を得ることができる。ここで使用される偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させた「H膜」と呼ばれる偏光膜を酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板、またはH膜そのものからなる偏光板などを挙げることができる。
<(A)重合体の合成>
合成例A−1
2000mLの三口フラスコに、ジカルボン酸としてのテレフタル酸83.07g(0.50モル)と、ジアミンとしてのp−フェニレンジアミン54.07g(0.40モル)および3,5−ジアミノ安息香酸−3−コレスタニル(0.10モル)とを、亜リン酸トリフェニル310.0g(0.50モル)、塩化リチウム42.4g(1.00モル)、ピリジン250mlおよびN−メチル−2−ピロリドン500mlと混合し、100℃で3時間攪拌して反応を行った。反応後、反応混合物を大量のエタノール中に注いで再沈し、90gの重合体(A−1)(ポリアミド)をろ別して回収した。
得られた重合体(A−1)の少量をN−メチル−2−ピロリドンに溶解して重合体濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度は60mPa・sであった。
合成例A−2
(1)プレチルト角発現部位を有するビニルモノマーの合成
下記スキーム1に従って、化合物(a−2)を合成した。
2000mLの三口フラスコに、式(a−2−0)で表される7−デヒドロコレステロール384.64g(1.00モル)、無水トリフルオロメタンスルホン酸338.56g(1.20モル)およびトリエチルアミン202.2g(2.0モル)をジクロロメタン840mLに溶解し、窒素雰囲気中、−30℃において1時間攪拌下に反応を行った。次いで、反応混合物中に蒸留水を少しずつ加えて反応を止めた後、酢酸エチル300mLを加え、希塩酸および蒸留水で順次に洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムによって脱水した後、溶媒を除去し固体を得た。
500mLの三口フラスコに、窒素雰囲気中、上記の固体を、酢酸パラジウム0.112g(0.0005モル)、トリ(o−トルイル)リン0.608g (0.002モル)、ジメチルアセトアミド(脱水品)100mL、トリエチルアミン(脱水品)27.7mL(0.20モル)および酢酸ビニル51.65g(0.6モル)と混合し、115℃において8時間攪拌下に反応を行った。反応後、反応混合物に酢酸エチル300mLを加え、希塩酸および蒸留水で順次に洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムによって脱水した後、溶媒を除去し固体を得た。得られた固体をエタノールから再結晶することにより、式(a−2)で表される化合物の白色結晶を373.4g得た。
(2)ポリビニルアルコール誘導体の合成
2000mLの三口フラスコに、上記で得た式(a−2)で表される化合物の白色結晶のうちの46.7g(0.1モル)と酢酸ビニル77.5g(0.9モル)とをメタノール500mL中に溶解した後、ここにアゾビスイソブチロニトリルを50.0mg加え、60℃において5時間攪拌してラジカル重合反応を行った。
反応後、反応混合物に規定の水酸化ナトリウム水溶液250mLを加え、40℃において1時間攪拌して鹸化した後、反応液を過剰の水の中に投入して生成物を析出させた。析出した固形分をろ別して回収し、減圧下に乾燥することにより、重合体(A−2)(ポリビニルアルコール誘導体)58gを得た。
この重合体(A−2)の少量をN−メチル−2−ピロリドンに溶解して重合体濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度は60mPa・sであった。
合成例A−3
攪拌棒、三方コックおよび温度計を装着した300mLの四つ口フラスコに、コレスタニルメタクリレート15g(0.033モル)、グリシジルメタクリレート13g(0.090モル)、メタクリル酸7.2g(0.084モル)、スチレン7.2g(0.069モル)およびN−シクロヘキシルマレイミド7.2g(0.044モル)を仕込み、さらに溶媒としてエタノール53g、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)2.2gおよび分子量調整剤としてα−メチルスチレンダイマー0.96gを添加した。これを窒素気流で約10分間バブリングして系内の窒素置換を行った後、窒素雰囲気下、70℃において5時間反応を行うことにより、重合体(A−3)を48重量%含有する溶液を得た。
合成例A−4
(1)前駆重合体の合成
攪拌棒、三方コックおよび温度計を装着した1,000mLの四つ口フラスコに、酢酸ビニル420g(5モル)を仕込み、80℃において攪拌しつつ、窒素気流により約10分間バブリングして系内の窒素置換を行った。その後、フラスコに12,512kpaのエチレンガスを封入し、次いで重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)5.0gを添加した。
フラスコ内温度を80℃に昇温し、この温度を3時間維持して共重合反応を行った後、30℃に冷却して反応を停止した。
反応停止後、反応混合物に1規定の水酸化ナトリウム水溶液250mLを加え、40℃において1時間攪拌して鹸化した。その後、鹸化後の反応混合物を、過剰の水の中に投入して生成物を析出させた。析出した生成物をろ別して回収し、減圧下で乾燥することにより、ポリビニルアルコール/エチレン共重合体(ビニルアルコール含量=50モル%)288gを得た。
(2)プレチルト角発現性カルボン酸の合成
5,000mLの三口フラスコに、7−デヒドロ−3−コレステロール389g(1モル)、無水コハク酸200g(2モル)、酢酸エチル2.0L、ジメチルアミノピリジン1.47g(12.0ミリモル)およびトリエチルアミン167mL(1.2モル)を仕込んで混合し、80℃における還流条件下で8時間攪拌した。
撹拌後の混合物の約半量を分液ロートに移し、テトラヒドロフラン700mLを加えた後、希塩酸250mLで2回および蒸留水250mLで3回、順次に抽出洗浄を行った。混合物の残り半量もこれと同様にして抽出洗浄を行った。洗浄後の有機層を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、硫酸マグネシウムをろ別した後、エバポレーターによって液量が約1.2Lになるまで濃縮した。
濃縮後の溶液を室温において約10時間静置したところ、結晶が析出した。この結晶をろ取し、酢酸エチルでよく洗浄した後に減圧下で溶媒を除去することにより、コハク酸モノ(3−(7−デヒドロ)コレステリル)の白色結晶を266.5g(54.5ミリモル)を得た( 収率54.5%)
(3)プレチルト角発現性カルボン酸のハロゲン化
100mLの三口フラスコに、上記(2)で得たコハク酸モノ(3−(7−デヒドロ)コレステリル)のうちの4.89g(10ミリモル)をとり、これに塩化チオニル0.654g(5.5ミリモル)を含有するN,N−ジメチルホルムアミド溶液1mLを滴下し、80℃において60分攪拌して、ハロゲン化反応を行った。反応後、アスピレータを用いて溶媒および余剰の塩化チオニルを除去することにより、固体状のコハク酸モノ(3−(7−デヒドロ)コレステリル)塩化物4.56gを得た。
(4)ポリビニルアルコール誘導体の合成
上記(3)で得たコハク酸モノ(3−(7−デヒドロ)コレステリル)塩化物の全量(4.56g、9ミリモル)をテトラヒドロフラン25mLに溶解した溶液、トリエチルアミン1.82g(18ミリモル)および上記(1)で得た前駆重合体のうちの0.648g(ビニルアルコールユニットに換算して9ミリモルに相当。)を混合し、室温で2時間攪拌下に反応を行った。反応後、反応混合物に酢酸エチル150mLを加え、蒸留水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムによって脱水した後、減圧下に溶媒を除去することにより、重合体(A−4)3.81gを得た。得られた重合体(A−4)の少量をN−メチル−2−ピロリドンに溶解して重合体濃度10重量%の溶液として測定した溶液粘度は60mPa・sであった。
実施例1
<重合体組成物の調製>
(A)重合体として上記合成例A−1で得た重合体(A−1)をブチルセロソルブに溶解し、ここに(B)重合性不飽和化合物として、後述の式(B−1−1)で表される化合物を、上記(A)重合体100重量部に対して10重量部加え、固形分濃度5.0重量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターを用いてろ過することにより、重合体組成物を調製した。
<液晶セルの製造および評価>
上記で調製した重合体組成物を用いて、透明電極のパターン(3種類)および紫外線照射量(3水準)を変更して、計9個の液晶セルを製造し、下記のように評価した。
[パターンなし透明電極を有する液晶セルの製造]
上記で調製した重合体組成物を、液晶配向膜印刷機(日本写真印刷(株)製)を用いてITO膜からなる透明電極を有するガラス基板の透明電極面上に塗布し、80℃のホットプレート上で1分間加熱(プレベーク)して溶媒を除去した後、150℃のホットプレート上で10分間加熱(ポストベーク)して、平均膜厚600Åの塗膜を形成した。
この塗膜に対し、レーヨン布を巻き付けたロールを有するラビングマシーンにより、ロール回転数400rpm、ステージ移動速度3cm/秒、毛足押しこみ長さ0.1mmでラビング処理を行った。その後、超純水中で1分間超音波洗浄を行ない、次いで100℃クリーンオーブン中で10分間乾燥することにより、液晶配向膜を有する基板を得た。この操作を繰り返し、液晶配向膜を有する基板を一対(2枚)得た。
次に、上記一対の基板のうちの1枚の液晶配向膜を有する面の外縁に、直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、一対の基板を液晶配向膜面が相対するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化した。次いで、液晶注入口より一対の基板間に、ネマチック型液晶(メルク社製、MLC−6608)を充填した後、アクリル系光硬化接着剤で液晶注入口を封止することにより、液晶セルを製造した。
上記の操作を繰り返し行い、パターンなし透明電極を有する液晶セルを3個製造した。そのうちの1個はそのまま後述のプレチルト角の評価に供した。残りの2個の液晶セルについては、それぞれ下記の方法により導電膜間に電圧を印加した状態で光照射した後にプレチルト角および電圧保持率の評価に供した。
上記で得た液晶セルのうちの2個について、それぞれ電極間に周波数60Hzの交流10Vを印加し、液晶が駆動している状態で、光源にメタルハライドランプを使用した紫外腺照射装置を用いて、紫外線を10,000J/mまたは100,000J/mの照射量にて照射した。なおこの照射量は、波長365nm基準で計測される光量計を用いて計測した値である。
[プレチルト角の評価]
上記で製造した各液晶セルについて、それぞれ非特許文献2(T.J.Scheffer et.al.,J.Appl.Phys.vol.48,p.1783(1977))および非特許文献3(F.Nakano, et.al.,JPN.J.Appl.Phys.vol.19,p.2013(1980))に記載の方法に準拠してHe−Neレーザー光を用いる結晶回転法により測定した液晶分子の基板面からの傾き角の値をプレチルト角とした。
光未照射の液晶セル、照射量10,000J/mの液晶セルおよび照射量100,000J/mの液晶セルのそれぞれのプレチルト角を表2に示した。
[電圧保持率の評価]
上記で製造した各液晶セルに対し、23℃において5Vの電圧を60マイクロ秒の印加時間、167ミリ秒のスパンで印加した後、印加解除から167ミリ秒後の電圧保持率を測定した。測定装置としては(株)東陽テクニカ製、VHR−1を使用した。
照射量10,000J/mの液晶セルおよび照射量10,000J/mの液晶セルのそれぞれの電圧保持率を表2に示した。
[パターニングされた透明電極を有する液晶セルの製造(1)]
上記で調製した重合体組成物を、図1に示したようなスリット状にパターニングされ、複数の領域に区画されたITO電極をそれぞれ有するガラス基板AおよびBの各電極面上に液晶配向膜印刷機(日本写真印刷(株)製)を用いて塗布し、80℃のホットプレート上で1分間加熱(プレベーク)して溶媒を除去した後、150℃のホットプレート上で10分間加熱(ポストベーク)して、平均膜厚600Åの塗膜を形成した。この塗膜につき、超純水中で1分間超音波洗浄を行なった後、100℃クリーンオーブン中で10分間乾燥することにより、液晶配向膜を有する基板を得た。この操作を繰り返し、液晶配向膜を有する基板を一対(2枚)得た。
次いで、上記一対の基板のうちの1枚の液晶配向膜を有する面の外縁に、直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、一対の基板を液晶配向膜面が相対するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化した。次いで、液晶注入口より一対の基板間に、ネマチック型液晶(メルク社製、MLC−6608)を充填した後、アクリル系光硬化接着剤で液晶注入口を封止することにより、液晶セルを製造した。
上記の操作を繰り返し行い、パターニングされた透明電極を有する液晶セルを3個製造した。そのうちの1個はそのまま後述の応答速度の評価に供した。残りの2個の液晶セルについては、上記パターンなし透明電極を有する液晶セルの製造におけるのと同様の方法により、導電膜間に電圧を印加した状態で10,000J/mまたは100,000J/mの照射量にて光照射した後に応答速度の評価に供した。
なお、ここで用いた電極のパターンは、PSAモードにおける電極パターンと同種のパターンである。
[応答速度の評価]
上記で製造した各液晶セルにつき、先ず電圧を印加せずに可視光ランプを照射して液晶セルを透過した光の輝度をフォトマルチメーターにて測定し、この値を相対透過率0%とした。次に液晶セルの電極間に交流60Vを5秒間印加したときの透過率を上記と同様にして測定し、この値を相対透過率100%とした。
このとき各液晶セルに対して交流60Vを印加したときに、相対透過率が10%から90%に移行するまでの時間を測定し、この時間を応答速度と定義して評価した。
光未照射の液晶セル、照射量10,000J/mの液晶セルおよび照射量100,000J/mの液晶セルのそれぞれの応答速度を表2に示した。
[パターニングされた透明電極を有する液晶セルの製造(2)]
上記で調製した重合体組成物を用い、図2に示したようなフィッシュボーン状にパターニングされたITO電極をそれぞれ有するガラス基板AおよびBを使用したほかは、上記パターニングされた透明電極を有する液晶セルの製造(1)と同様にして、光未照射の液晶セル、照射量10,000J/mの液晶セルおよび照射量100,000J/mの液晶セルを製造し、それぞれ上記と同様にして応答速度の評価に供した。評価結果は表2に示した。
実施例2、4、5および7ならびに比較例1
上記実施例1において、(A)重合体および(B)重合性不飽和化合物の種類および使用量をそれぞれ第1表に記載のとおりとしたほかは、実施例1と同様にして重合体組成物を調製し、これを用いて各種液晶セルを製造して評価した。
なお重合体組成物の調製において、実施例5においては(B)重合性不飽和化合物とともに表1に示した種類および量の他の不飽和化合物を併用し、
実施例7においては、(A)重合体および(B)重合性不飽和化合物のほかに、表1に示した種類および量の光重合開始剤を使用し、そして
比較例1においては、(B)重合性不飽和化合物を使用しなかった。
評価結果は表2に示した。
実施例3
<重合体組成物の調製>
(A)重合体として上記合成例A−3で得た重合体(AI−3)含有する溶液に、ブチルセロソルブを加えて希釈し、ここに(B)重合性不飽和化合物として、後述の化合物(B−1−2−1)を、上記(A)重合体100重量部に対して15重量部加え、固形分濃度5.0重量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターを用いてろ過することにより、重合体組成物を調製した。
<液晶セルの製造および評価>
上記で調製した重合体組成物を使用したほかは実施例1と同様にして各種液晶セルを製造して評価した。
評価結果は表2に示した。
実施例6
<重合体組成物の調製>
(A)重合体として上記合成例A−3で得た重合体(A−3)含有する溶液に、ブチルセロソルブを加えて希釈し、ここに(B)重合性不飽和化合物として、後述の式(B−1−1)で表される化合物を、上記(A)重合体100重量部に対して10重量部加え、さらに他の重合性不飽和化合物としてメタクリル酸−5ξ−コレスタン−3−イルを、上記(A)重合体100重量部に対して5重量部加え、固形分濃度5.0重量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターを用いてろ過することにより、重合体組成物を調製した。
<液晶セルの製造>
上記で調製した重合体組成物を使用したほかは実施例1と同様にして各種液晶セルを製造して評価した。
評価結果は表2に示した。
実施例8
<重合体組成物の調製>
(A)重合体として上記合成例A−4で得た重合体(A−4)をブチルセロソルブに溶解し、ここに(B)重合性不飽和化合物として、後述の式(B−1−1)で表される化合物を、上記(A)重合体100重量部に対して15重量部加え、固形分濃度5.0重量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターを用いてろ過することにより、重合体組成物を調製した。
<液晶セルの製造>
上記で調製した重合体組成物を使用したほかは実施例1と同様にして各種液晶セルを製造して評価した。
評価結果は表2に示した。
比較例2
<重合体組成物の調製>
(A)重合体を使用せず、(B)重合性不飽和化合物としての後述の式(B−1−1)で表される化合物をブチルセロソルブに溶解し、濃度15重量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターを用いてろ過することにより、重合体組成物を調製した。
<液晶セルの製造>
上記で調製した重合体組成物を使用したほかは実施例1と同様にして各種液晶セルを製造しようとしたが、重合体組成物を塗布する際に塗布ハジキが多く発生し、評価可能な液晶セルを製造することができなかった。
上記の表1において、重合体組成物中の各成分の略称は、それぞれ以下の意味である。
[(B)重合性不飽和化合物]
化合物(B−1)
B−1−1:下記式(B−1−1)で表される化合物
B−1−2−1:下記式(B−1−2)において、nが2〜4である化合物の混合物
B−1−2−2:下記式(B−1−2)において、2つのnの合計値の平均が2.6である混合物
B−1−3:下記式(B−1−3)で表される化合物
[その他の不飽和化合物]
B−2−1:メタクリル酸 4−(4’−フェニル−ビシクロヘキシル−4−イル)フェニルエステル
B−2−2:メタクリル酸−5ξ−コレスタン−3−イル
[光重合開始剤]
C−1:フェニル−(4−p−トリルスルファニル−フェニル)−メタノン
1:ITO電極
2:スリット部
3:遮光膜

Claims (5)

  1. 導電膜を有する一対の基板の該導電膜上に、それぞれ、
    (A)ポリアミド、ポリビニルアルコール誘導体およびポリ(メタ)アクリレートよりなる群から選択される少なくとも1種の重合体、ここで、上記重合体は、ステロイド構造を有する基、下記式(A−0)
    (式(A−0)中、aは0または1であり、bは0〜2の整数であり、ただしaおよびbが同時に0になることはなく、cは1〜20の整数である。)
    で表される基、炭素数4〜40のアルキル基(ただし、上記式(A−0)で表される基に含まれる場合を除く。)および炭素数4〜40のフルオロアルキル基よりなる群から選択される少なくとも1種の基を有するものである、ならびに
    (B)重合性不飽和化合物
    を含有する重合体組成物を塗布して塗膜を形成し、
    前記塗膜を形成した一対の基板を、液晶分子の層を介して前記塗膜が相対するように対向配置して液晶セルを形成し、
    前記一対の基板の有する導電膜間に電圧を印加した状態で前記液晶セルに光照射する工程を経ることを特徴とする、液晶表示素子の製造方法。
  2. 上記(B)重合性不飽和化合物が、分子中に、下記式(B−I)
    (式(B−I)中、Rは水素原子またはメチル基であり、YおよびYは、それぞれ独立に、酸素原子または硫黄原子である。)
    で表される1価の基の少なくとも2個を有する化合物(B−1)を含むものである、請求項1に記載の液晶表示素子の製造方法。
  3. 上記化合物(B−1)が、分子中に、下記式(B−II)
    −X−Y−X− (B−II)
    (式(B−II)中、XおよびXは、それぞれ独立に、1,4−フェニレン基または1,4−シクロへキシレン基であり、Yは単結合、炭素数1〜4の2価の炭化水素基、酸素原子、硫黄原子または−COO−であり、ただし上記XおよびXは1個または複数個の炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシル基、フッ素原子またはシアノ基で置換されていてもよい。)
    で表される2価の基の少なくとも1個をさらに含むものである、請求項2に記載の液晶表示素子の製造方法。
  4. 前記化合物(B−1)がビフェニル構造を有するジ(メタ)アクリレート、フェニル−シクロヘキシル構造を有するジ(メタ)アクリレート、2,2−ジフェニルプロパン構造を有するジ(メタ)アクリレート、ジフェニルメタン構造を有するジ(メタ)アクリレートおよびジフェニルチオエーテル構造を有するジ−チオ(メタ)アクリレートよりなる群から選択される少なくとも一種の化合物である、請求項3に記載の液晶表示素子の製造方法。
  5. 前記導電膜のそれぞれが、複数の領域に区画されたパターン状導電膜である、請求項1に記載の液晶表示素子の製造方法。


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