JP5889980B1 - エレベータの昇降路内作業状況確認装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】作業者同士が共同して昇降路内での点検作業を行う場合に、お互いに相手の作業状況を確実に認識しながら点検作業を行えるようにする。【解決手段】本発明の実施形態による、エレベータの昇降路内で2人以上の作業者が点検作業を行うときに、お互いの作業状況を確認できるようにするエレベータ昇降路内作業状況確認装置は、昇降路12の壁面の所定の位置に設置され、昇降路内に2人以上の作業者が入ると点滅する警報灯22、23と、作業者各人が携帯し、作業者間が近づく方向に乗りかごが移動するときに、その旨の警告を表示する状況表示装置20と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、エレベータの昇降路内作業状況確認装置に関する。
エレベータの点検作業を開始する前には、通常運転モードから点検運転モードに運転モードを切り替えている。通常運転モードは、乗場呼びやかご呼びに応答させて、通常速度(定格速度)で乗りかごを運転するモードである。点検モードは、保守員の手動運転操作にしたがって、通常運転よりも遅い速度で乗りかごを昇降させる運転モードである。作業者は、点検モードに切り替えてから、かご内の操作盤やかご上の運転スイッチなどを操作して乗りかごを移動させることができる。
通常、エレベータの点検作業は、二人以上の作業者による共同作業によって実施される。例えば、一人は乗りかごの上あるいはかご内で作業し、もう一人は昇降路最下部のピットに降りて点検作業を行っている。
このような昇降路内での点検作業では、乗りかごにいる作業者と、ピットにいる作業者との間で連携が密に取れていることが安全上きわめて重要である。このため、お互いに相手の状況を確認し合うために、合図と復唱が共同作業の基本になっている。
昇降路内での点検作業では、作業者同士の意思の疎通がうまく行かずに、例えば、乗りかごに乗っている作業者が、乗りかごを突然降下させ、ピットで作業している作業者が点検作業に気をとられて乗りかごの接近に気づかないというような状況が発生する可能性がある。
ピット内に作業者がいる状況で乗りかごを移動させる場合の安全を確保するための従来技術としては、例えば、特許文献1では、乗りかごの昇降操作の許可を与えるボタンを備える操作器をピットでの作業者に携帯させることを提案している。
特開2013−180856号公報
昇降路内での点検作業時には、乗りかごに乗っている作業者は、操作盤などを操作すれば、ピットに作業者が居ても、乗りかごを移動させることができるため、相手の状況が認識できずに作業者同士の連携がうまくいかないと、接触事故等の発生を完全に払拭することができない可能性があった。
そこで、本発明は、前記従来技術に係る問題点に鑑みなされたものであって、例えば、一人は乗りかごに乗り、もう一人はピットに降りて作業をするというように、作業者同士が共同して昇降路内での点検作業を行う場合に、お互いに相手の作業状況を確実に認識しながら点検作業を行えるようにしたエレベータの昇降路内作業状況確認装置を提供することを目的としている。
前記の目的を達成するために、本発明の実施形態は、エレベータの昇降路内で2人以上の作業者が点検作業を行うときに、お互いの作業状況を確認できるようにするエレベータ昇降路内作業状況確認装置であって、前記昇降路の壁面の所定の位置に設置され、前記昇降路内に2人以上の作業者が入ると点滅して乗りかごの位置を昇降路内にいる作業員に知らせる警報灯と、作業者各人が携帯し、作業者間が近づく方向に乗りかごが移動するときに、その旨表示する状況表示装置と、を備えたことを特徴とする。
本発明が適用されるエレベータの概要を示す説明図である。 本発明の一実施形態のよるエレベータの昇降路内作業状況確認装置で用いられる状況表示装置の表示部の説明図である。 本発明の一実施形態のよるエレベータの昇降路内での作業状況と、作業状況確認装置の動作を示す図である。
以下、本発明によるエレベータの昇降路内作業状況確認装置の一実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるエレベータの昇降路内作業状況確認装置が適用されるエレベータの概要を示す。
図1において、参照番号10は、昇降路12内を昇降する乗りかごを示し、参照番号11は釣り合いおもりを示している。乗りかご10の下部には、シーブ16、16が取り付けられており、乗りかご10はシーブ16、16に巻き掛けられた主ロープ14によって吊られている。そして主ロープ14は、巻上機の綱車15に巻き掛けられ、主ロープ14の先端は釣り合いおもり11に接続されている。
図1において、参照番号18は、エレベータの運転を制御する制御盤を示している。この制御盤18には、マイクロコンピュータおよび各種エレベータの制御機器との信号の送受機能を有する制御部18aが設けられている。この制御部18aは、移動ケーブル19を介して乗りかご10の操作盤とも接続されている。
この実施形態では、乗りかご10が停止する階床が、例えば、1階から4階まであるとする。
このうち、停止階床の例えば半数の2階、4階の階床では、昇降路12の壁に警告灯22、23が設置されている。この警告灯22、23は、昇降路12の最下部のピット17にいる作業者Bに、点滅により警報を与えるためのランプである。この警報灯としては、工事現場などで警告灯として用いられているフラッシュランプが好適である。また、この実施形態では、ピット17で点検作業をしている作業者Bに対して、警報音を与える警報ブザー24が、2階乗場の昇降路壁に設置されている。
警報灯22、23と警報ブザー24は、ケーブル21を介して制御盤18の制御部18aと接続されており、後述する図3に示す特定の状況になったときに動作するように制御される。
図1において、エレベータの点検作業は、通常、二人の作業者によって行われる。一方の作業者Aは、乗りかご10の中で、あるいは乗りかご10の上に乗り、他方の作業者Bは、ビット17に降りて作業を行う。
この実施形態では、お互いの作業状況を確認するためのツールである状況表示装置20を乗りかご10の作業者A、ピット17にいる作業者Bの双方とも携行するようしている。この状況表示装置20は、無線で制御盤18の制御部18aと接続されている。
この状況表示装置20は、作業着のポケットや作業ベルトに付けたケースに入れたりして携帯し易いように、例えば、名刺大の大きさで薄型の筐体本体を有し、上面には、図2に示すような液晶あるいはLEDの表示部が設けられている。
この実施形態では、表示部は、2つの表示窓20a、20bに分割されている。一方の表示窓20aには、乗りかご10が下降し、作業者Aと作業者Bの間が近づくような場合には、「接近注意」と赤色表示され、他方の表示窓20bには、乗りかご10が上昇し、作業者Aと作業者Bの間隔が離れていくような場合に、「安全」と緑色表示されるようになっている。
次に、本実施形態によるエレベータの昇降路内作業状況確認装置の作用および効果について、図1乃至図3を参照しながら説明する。
エレベータの点検では、昇降路内に入った二人の作業者がペアを組んでお互いに連携しながら共同作業が行われる。例えば、図1に示されるように、一方の作業者Aは、乗りかご10に乗り、他方の作業者Bはピット17に降りている状況で作業が行われる。乗りかご10に乗っている作業者Aにとっては、ピット17にいる作業者Bは見えず、同様に、ピット17でいる作業者Bにとっては、作業者Aの作業状況を直接には把握できない。このため、連携がうまくいかないと、乗りかご10と作業者Bとの接触事故等が発生する危険性がある。
そこで、本実施形態では、図3に示されるような各作業状況にあっては、警報灯22、23、状況表示装置20、警報ブザー24によって共同作業者のお互いの状況を次のように確認することができるようになっている。
まず、昇降路12内に2名以上の作業者が入場して点検モードに切り替わった場合には、警報灯22、23が点滅する。この実施形態の場合、作業者Aが乗りかご10の中に入り、作業者Bがピット17に降りたとすると、好ましくは、乗りかご10に近い位置にある警報灯、図1では警報灯22が点滅する。
このような警告灯22の点滅によって、ピット17にいる作業者Bは、共同作業者である作業者Aが乗りかご10にいること、および警告灯22の点滅位置からその作業位置を認識することができる。
なお、警報灯22、23の点滅は、点検作業が行われている間は続いており、乗りかご10の位置に従って点滅する位置も変わることになる。
点検作業の進行に応じて、作業者Aの乗った乗りかご10は移動することがある。作業者Bがピット17にいる場合には、乗りかご10が下降して作業者Aと作業者Bの間が近づく場合と、乗りかご10が上昇して作業者Aと作業者Bの間が離れる場合がある。
乗りかご10が下降して作業者Aと作業者Bの間が近づく場合には、図2において、それぞれ作業者A、Bが携帯している状況表示装置20の表示窓20aに「接近注意」と赤色で表示される。これによって、ピット17にいる作業者Bは、乗りかご10が近づくことを認識することができるので、乗りかご10が移動している間、安全な場所に待機するなどの対応行動をとることができる。乗りかご10に乗っている作業者Aは、細心の注意しながら乗りかご10を移動させることになる。
他方、乗りかご10が上昇して作業者Aと作業者Bの間が離れる場合には、図2において、それぞれ作業者A、Bが携帯している状況表示装置20の表示窓20bに「安全」と緑色で表示される。これによって、ピット17にいる作業者Bは、乗りかご10は移動するが、その方向は安全な方向であることを認識することができるので安心して作業を続けることができる。乗りかご10に乗っている作業者Aの方は、安心して乗りかご10を移動させることができる。
点検作業中には、作業者Aが乗りかご10に乗り合いしない状況で、例えば機械室の操作盤を使うなどして乗りかご10を移動させることがある。この場合には、乗りかご10が移動している間、昇降路12に設置してある警報ブザー24が鳴動し、ピット17にいる作業者Bに乗りかご10が移動していることに注意を喚起する。この実施形態では、乗りかご10が下降する場合、上昇する場合を区別せずに警報ブザー24が鳴るようになっている。
ピット17にいる作業者Bは、警告ブザー24の音から、乗りかご10が移動していること、作業者Aが乗りかご10に乗り合わせていないといった状況を確実に把握することができる。
警報ブザー24による警告は、状況表示装置20に比べて、作業者Bに強く働きかけるので、乗りかご10が下降する場合には、作業者Bに退避行動を確実に促すことができる。
以上のようにして、本実施形態によれば、警報灯22、23、警報ブザー24および状況表示装置20により、様々な状況下で共同作業の状況を互いに確認し合うことが可能になる。
なお、以上説明した実施形態では、乗りかご10がピット17にいる作業者Bに接近した場合に、状況表示装置20や警報ブザー24により警告している。ピット17にいる作業者Bにとっては、釣り合いおもり11が接近する場合もある。釣り合いおもり11の接近に対しては、例えば、釣り合いおもり11に作業者の存在を検知するセンサを設けておき、このセンサがピット17内に作業者Bを検知すると、乗りかご10が接近した場合と同様に、状況表示装置20や警報ブザー24により警告するようにしてもよい。
以上、本発明に係るエレベータの昇降路内共同作業状況確認装置について、好適な実施形態を挙げて説明したが、これらの実施形態は、例示として挙げたもので、発明の範囲の制限を意図するものではない。もちろん、明細書に記載された新規な装置、方法およびシステムは、様々な形態で実施され得るものであり、さらに、本発明の主旨から逸脱しない範囲において、種々の省略、置換、変更が可能である。請求項およびそれらの均等物の範囲は、発明の主旨の範囲内で実施形態あるいはその改良物をカバーすることを意図している。
10…乗りかご、11…釣り合いおもり、12…昇降路、14…主ロープ、15…綱車、16…シーブ、17…ピット、18…制御盤、18a…制御部、20…状況表示装置、22…警報灯、23…警報灯、24…警報ブザー

Claims (4)

  1. エレベータの昇降路内で2人以上の作業者が点検作業を行うときに、お互いの作業状況を確認できるようにするエレベータ昇降路内作業状況確認装置であって、
    前記昇降路の壁面の所定の位置に設置され、前記昇降路内に2人以上の作業者が入ると点滅して乗りかごの位置を昇降路内にいる作業員に知らせる警報灯と、
    作業者各人が携帯し、作業者間が近づく方向に乗りかごが移動するときに、その旨表示する状況表示装置と、
    を備えたことを特徴とするエレベータの昇降路内作業状況確認装置。
  2. 前記乗りかごに共同作業者が乗り合わせていない状況で前記乗りかごが移動する場合に鳴動して警報を作業者に与える警報ブザーをさらに昇降路の壁面に設けたことを特徴とする請求項1に記載のエレベータの昇降路内作業状況確認装置。
  3. 前記状況表示装置は、作業者間が離れる方向に乗りかごが移動するときには、安全である旨を表示することを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータの昇降路内作業状況確認装置。
  4. 前記警報灯は、上下方向に所定の間隔で複数配置され、作業者が乗った乗りかごの位置に近い警報灯が点滅することを特徴とする請求項1に記載のエレベータの昇降路内作業状況確認装置。
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