JP5888179B2 - 回転電機の固定子 - Google Patents

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Description

本発明は、ステータコアに複数配列されたティース間のスロットにコイルが巻装された回転電機の固定子に関する。
固定子のコイルとしては、重ね巻きコイルが用いられており、この重ね巻きコイルは、導線を重ねながら巻回し、一対のスロット挿入部及びコイルエンド部を有する巻回部を備える。重ね巻きコイルを2連化したコイルが、例えば特許文献1に開示されている。
特開2009−195005号公報
ところが、2連化した重ね巻きコイルは、重ね巻きコイル同士が干渉しないようにクランク形状部を備える。このため、2連化した重ね巻きコイルをスロットに配置すると、クランク形状部によって、一対のスロット挿入部のうちの一方のスロット挿入部の位置と、他方のスロット挿入部の位置とが、ステータコアの径方向にずれてしまう。このため、一方のスロット挿入部が挿入されたスロットでは、ステータコアの径方向の内側に空間が空いてしまい、他方のスロット挿入部が挿入されたスロットでは、ステータコアの径方向の外側に空間が空いてしまう。この空き空間を無くすために、スロットには別の重ね巻きコイルが挿入されるが、一つのスロットに二つのスロット挿入部が挿入されると、各スロットでは各スロット挿入部のターン数の2倍のターン数となり、スロット内でのターン数が偶数の固定子しか得られない。
本発明は、重ね巻きコイルを用いながら一つのスロットでのターン数を奇数とすることができる回転電機の固定子を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、回転軸の周りにステータコアが配設されるとともに、前記ステータコアに複数配列されたティース間のスロットにコイルが巻装された回転電機の固定子であって、前記コイル、平角線の導線が前記ステータコアの径方向に重ね合わされた状態で巻回されており、一対のスロット挿入部及びコイルエンド部を有する巻回部前記導線で繋がれた状態で複数備えられており、前記巻回部それぞれが前記コイルエンド部においてクランク形状部を含む重ね巻きコイルと、前記導線を同心状に奇数回数巻回し、前記ステータコアの周方向に沿った一つの層内に複数のスロット挿入部及び複数のコイルエンド部を有する同心巻きコイルと、を備え、共通の前記スロットに前記重ね巻きコイルの複数のスロット挿入部と、前記同心巻きコイルのスロット挿入部が挿入されていることを要旨とする。
これによれば、一つ共通のスロットに重ね巻きコイルの複数のスロット挿入部が挿入されると、重ね巻きコイルによって形成される導線のターン数は偶数となる。そして、重ね巻きコイルのスロット挿入部が挿入された共通のスロットに対し、奇数回数巻回してなる同心巻きコイルのスロット挿入部が挿入されている。このため、重ね巻きコイルと同心巻きコイルの共通のスロットでは、導線のターン数が奇数となる。よって、重ね巻きコイルを用いながらも、ターン数が奇数の固定子を得ることができる。
また、前記重ね巻きコイルは、前記巻回部としてのそれぞれ別の前記スロットに配置される第1の巻回部と第2の巻回部とを連続した平角線で形成し、毎極毎相のスロット数が2であってもよい。
これによれば、コイルエンド部において導線をばらけにくくすることができる。また、巻回部を2つ有するため、連数化した重ね巻きコイルを簡単に製造することができる。
また、前記同心巻きコイルのターン数は1であってもよい。
これによれば、同心巻きコイルは、コイルエンド部及びスロット挿入部を一つの層内に位置させることから、ターン数が大きくなるほど、コイルエンド部がステータコアの軸方向に重なり合っていき、大型化してしまう。よって、ターン数を最小の1とすることで、コイルエンド部を最小に抑え、固定子の大型化を防止している。
また、前記同心巻きコイルは、前記スロット挿入部の前記平角線が、該平角線の断面長手方向がステータコアの周方向となるとともに平角線の断面短手方向がステータコアの径方向となるように形成されていてもよい。
これによれば、平角線の断面長手方向がステータコアの周方向に延びることで、同心巻きコイルの成形、特にステータコアの径方向への成形がしやすくなり、スロット挿入部をスロットに挿入しやすい形状を簡単に形成することができる。
また、前記同心巻きコイルは、ステータコアの軸方向両側に位置する前記コイルエンド部において前記コイルエンド部の前記導線が前記ステータコアの軸方向にオフセットして巻回された第1の同心巻きコイルと、前記ステータコアの軸方向両側に位置する前記コイルエンド部において前記コイルエンド部の前記導線が前記ステータコアの軸方向にオフセットして巻回され、かつ前記ステータコアの径方向にオフセットすることで前記第1の同心巻きコイルの前記コイルエンド部と干渉しないように巻回された第2の同心巻きコイルと、を備えていてもよい。
これによれば、同心巻きコイルをステータコアの周方向に複数配置したとき、第2の同心巻きコイルの径方向にオフセットされたコイルエンド部に、第1の同心巻きコイルのコイルエンド部が重なり合う。このため、コイルエンド部同士の干渉を避けるために、第1の同心巻きコイルのコイルエンド部をステータコアの軸方向にオフセットする必要がなく、固定子の軸方向への大型化を防止できる。また、相数に関わらず2種類のコイルで同心巻きコイルを配置できる。
本発明によれば、重ね巻きコイルを用いながら一つのスロットでのターン数を奇数とすることができる。
実施形態の回転電機を示す全体側断面図。 固定子を示す斜視図。 (a)は2連重ね巻きコイルを示す平面図、(b)は2連重ね巻きコイルを示す斜視図。 (a)は第1の同心巻きコイルを示す斜視図、(b)は第2の同心巻きコイルを示す斜視図。 第1及び第2の同心巻きコイルを組み合わせた状態を示す部分斜視図。 (a)は2連重ね巻きコイルをステータコアに配置した状態を示す平面図、(b)は第1及び第2の同心巻きコイルをステータコアに配置した状態を示す平面図。 スロットでのコイルの配置を示す図。 2連重ね巻きコイル、及び同心巻きコイルをステータコアに配置した状態を示す平面図。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、回転電機Mを構成する回転子11は、回転軸12に止着されており、回転電機Mを構成する固定子13は、モータハウジング14の内周面に嵌合して固定されている。
図2に示すように、回転電機Mを構成する固定子13は、環状のステータコア22を備えるとともに、このステータコア22には、ステータコア22の内周に複数配列されたティース23が形成されている。また、ステータコア22には、周方向に隣り合うティース23の間にスロット24が形成されている。そして、スロット24には各相(U相、V相、W相)の2連重ね巻きコイル30、第1の同心巻きコイル70、及び第2の同心巻きコイル80が通されるとともに、ティース23に巻装されている。本実施形態の回転電機Mの固定子13は、相数が3(U相、V相、W相)、極数が8、毎相毎極のスロット数が2で、スロット24の数が48(3相8極48スロット)である。
図1に示すように、ステータコア22は、磁性体(鋼板)製の複数枚のコア板33を積層して構成されている。回転電機Mを構成する回転子11は、ロータコア34と、ロータコア34内に埋設された複数の永久磁石35とからなる。ロータコア34は、磁性体(鋼板)製の複数枚のコア板36を積層して構成されている。ロータコア34の中心部には軸孔341が貫設されており、軸孔341には回転軸12が通されて固定されている。
コイルとしての2連重ね巻きコイル30について説明する。なお、U相の2連重ね巻きコイル30として説明するが、V相及びW相においても構成は同じであるため、V相及びW相の2連重ね巻きコイル30については説明を省略する。
図3(a)及び図3(b)に示すように、2連重ね巻きコイル30は、1本の導線により構成され、2連化されている。即ち、2連重ね巻きコイル30は、第1の巻回部40と第2の巻回部50を備え、渡り線60で第1の巻回部40と第2の巻回部50とが繋がっている。導線は、断面が長方形の平角線よりなり、第1の巻回部40及び第2の巻回部50は平角線(導線)をエッジワイズ巻きして形成されている。
2連重ね巻きコイル30の第1の巻回部40はステータコア22の径方向から見て、六角形状をなしている。第1の巻回部40はスロット挿入部41,42がステータコアのスロット24にそれぞれ挿入され、コイルエンド部43はステータコア22の軸方向の端面から突出する。第1の巻回部40のコイルエンド部43は、一対の斜行部44,45と、一対の斜行部44,45の間に形成されるクランク形状部46を有している。スロット挿入部41,42の一端部から斜行部44,45がスロット挿入部41,42に対し傾斜して形成されている。離間したスロット(スロット群のうちの一対のスロット)24に挿入されたスロット挿入部41,42の一端部にクランク形状部46が斜行部44,45を連結している。
図7に示すように、スロット24内においては2つのスロット挿入部(隣接する2連重ね巻きコイル30のスロット挿入部)が配置されるが、斜行部44及びスロット挿入部41が径方向外側(外径側)、斜行部45及びスロット挿入部42が径方向内側(内径側)になる。なお、クランク形状部46はこの径方向外側と内側をつなぐ為に形成される。
図3(a)及び図3(b)に示すように、第1の巻回部40は、平角線よりなる導線がエッジワイズ巻きされ、スロット24に対応する一対のスロット挿入部41,42とコイルエンド部43を有する。また、第1の巻回部40は、コイルエンド部43においてクランク形状部46を含んでいる。さらに、図7に示すように、スロット挿入部41,42の平角線は、スロット24内に挿入された状態で、平角線の断面長手方向がステータコア22の周方向となるとともに平角線の断面短手方向がステータコア22の径方向となるように形成されている。
図3(b)及び図6(a)に示すように、第1の巻回部40のスロット挿入部42からは、内側引出線42aがコイルエンド部43に向けて引き出されている。同様に、2連重ね巻きコイル30の第2の巻回部50はステータコア22の径方向から見て、六角形状をなしている。第2の巻回部50はスロット挿入部51,52がステータコア22のスロット24にそれぞれ挿入され、コイルエンド部53はステータコア22の軸方向の端面から突出する。第2の巻回部50のコイルエンド部53は、一対の斜行部54,55と、一対の斜行部54,55の間に形成されるクランク形状部56を有している。スロット挿入部51,52の一端部から斜行部54,55がスロット挿入部51,52に対し傾斜して形成されている。離間したスロット(スロット群のうちの一対のスロット)24に挿入されたスロット挿入部51,52の一端部にクランク形状部56が斜行部54,55を連結している。
図7に示すように、スロット24内においては2つのスロット挿入部(隣接するコイル30のスロット挿入部)が配置されるが、斜行部54及びスロット挿入部51が径方向外側(外径側)、斜行部55及びスロット挿入部52が径方向内側(内径側)になる。なお、クランク形状部56はこの径方向外側と内側をつなぐ為に形成される。
このように、第2の巻回部50は、第1の巻回部40とつながる平角線よりなる導線がエッジワイズ巻きされ、スロット24に対応する一対のスロット挿入部51,52とコイルエンド部53を有する。また、第2の巻回部50は、コイルエンド部53においてクランク形状部56を含んでいる。さらに、スロット挿入部51,52の平角線は、スロット24内に挿入された状態で、平角線の断面長手方向がステータコア22の周方向となるとともに平角線の断面短手方向がステータコア22の径方向となるように形成されている。
図3(b)及び図6(a)に示すように、第2の巻回部50のスロット挿入部51からは、外側引出線51aがコイルエンド部53に向けて引き出されている。また、ステータコア22の周方向でのスロット挿入部41,42,51,52の並び方については、2連重ね巻きコイル30は、第1の巻回部40のスロット挿入部41が周方向の外側となり、スロット挿入部42が周方向の内側となっている。また、第2の巻回部50のスロット挿入部51が周方向の外側となり、スロット挿入部52が周方向の内側となっている。また、本実施形態では、スロット24の数(48)を、極数(8)で除算した値(6)がコイルピッチとなっており、2連重ね巻きコイル30は全節巻きとなっている。
図3(a)及び図3(b)に示すように、渡り線60は、第1の巻回部40における一対のスロット挿入部41,42のうちの周方向の外側のスロット挿入部41と、第2の巻回部50における一対のスロット挿入部51,52のうちの周方向の外側のスロット挿入部52とをつなぐように渡っている。また、渡り線60は、第1の巻回部40のクランク形状部46と第2の巻回部50のクランク形状部56との間(の谷)にわたり延設されている。
図2及び図7に示すように、第1の巻回部40の一方のスロット挿入部41が挿入されたスロット24に対しては、同相の別の2連重ね巻きコイル30において、第1の巻回部40の他方のスロット挿入部42が挿入されている。また、第1の巻回部40の他方のスロット挿入部42が挿入されたスロット24に対しては、同相の別の2連重ね巻きコイル30の第1の巻回部40の一方のスロット挿入部41が挿入されている。したがって、一つのスロット24においては、二つのスロット挿入部41,42が挿入され、導線のターン数が偶数の6となっている。
同様に、第2の巻回部50の一方のスロット挿入部51が挿入されたスロット24に対しては、同相の別の2連重ね巻きコイル30において、第2の巻回部50の他方のスロット挿入部52が挿入されている。また、第2の巻回部50の他方のスロット挿入部52が挿入されたスロット24に対しては、同相の別の2連重ね巻きコイル30の第2の巻回部50の一方のスロット挿入部51が挿入されている。したがって、一つのスロット24においては、二つのスロット挿入部51,52が挿入され、導線のターン数が偶数の6となっている。そして、2連重ね巻きコイル30は、上記U相と同様にV相及びW相も、極数が8、毎極のスロット数が2となるようにステータコア22に巻装され、コイル全体(三相)が構成される。
次に、同心巻きコイルの一つである第1の同心巻きコイル70について説明する。なお、第1の同心巻きコイル70はU相、V相、W相問わずに用いられる。
図4(a)及び図5に示すように、第1の同心巻きコイル70は、平角線よりなる一本の導線がエッジワイズ巻きされ、平角線が一つの層(平面)内に位置するように同心状に奇数回数巻回して形成されている。第1の同心巻きコイル70は、ステータコア22の周方向に並んだ第1〜第4のスロット挿入部71a〜71cを備える。また、第1の同心巻きコイル70は、ステータコア22の周方向の両端に位置する第1のスロット挿入部71aと第2のスロット挿入部71bとを繋ぐ第1のコイルエンド部72aを備える。また、第1の同心巻きコイル70は、上記第2のスロット挿入部71bと、第1のスロット挿入部71aの内側に隣り合う第3のスロット挿入部71cを繋ぐ第2のコイルエンド部72bを備える。第1の同心巻きコイル70は、第3のスロット挿入部71cと第4のスロット挿入部71dを繋ぐ第3のコイルエンド部72cを備える。
第1〜第4のスロット挿入部71a〜71dの平角線は、該平角線の断面長手方向がステータコア22の周方向となるとともに平角線の断面短手方向がステータコア22の径方向となるように形成されている。
第1の同心巻きコイル70において、ステータコア22の軸方向の端部に位置するコイルエンド部である第1のコイルエンド部72aと、第3のコイルエンド部72cとは、同一層(平面)内でステータコア22の軸方向に重なり合うようにオフセットしている。
次に、同心巻きコイルの一つである第2の同心巻きコイル80について説明する。なお、第2の同心巻きコイル80はU相、V相、W相問わずに用いられる。
図4(b)及び図5に示すように、第2の同心巻きコイル80は、1本の導線により構成されている。第2の同心巻きコイル80は、平角線よりなる一本の導線がエッジワイズ巻きされ、平角線が一つの層(平面)内に位置するように同心状に奇数回数巻回して形成されている。また、第2の同心巻きコイル80は、ステータコア22の周方向に並んだ第1〜第4のスロット挿入部81a〜81dを備える。第1〜第4のスロット挿入部81a〜81dの平角線は、該平角線の断面長手方向がステータコア22の周方向となるとともに平角線の断面短手方向がステータコア22の径方向となるように形成されている。
また、第2の同心巻きコイル80は、ステータコア22の周方向の両端に位置する第1のスロット挿入部81aと第2のスロット挿入部81bとを繋ぐ第1のコイルエンド部82aを備える。第2の同心巻きコイル80は、上記第2のスロット挿入部81bと、第1のスロット挿入部81aの内側に隣り合う第3のスロット挿入部81cを繋ぐ第2のコイルエンド部82bを備える。第2の同心巻きコイル80は、第3のスロット挿入部81cと第4のスロット挿入部81dを繋ぐ第3のコイルエンド部82cを備える。
第2の同心巻きコイル80において、ステータコア22の軸方向の端部に位置するコイルエンド部である第2のコイルエンド部82aと、第3のコイルエンド部82cとは、同一平面内でステータコア22の軸方向に重なり合うようにオフセットしている。また、第2の同心巻きコイル80において、第1のコイルエンド部82a、第2のコイルエンド部82b、及び第3のコイルエンド部82cは、それぞれステータコア22の径方向内側に向けてオフセットされ、スロット24に配置された場合に、第1の同心巻きコイル70のコイルエンドに干渉しないようにしている。
図5及び図6(b)に示すように、第1の同心巻きコイル70と、第2の同心巻きコイル80は、径方向にオフセットした第2の同心巻きコイル80が、ステータコア22の径方向内側に位置し、第1の同心巻きコイル70が第2の同心巻きコイル80よりも径方向外側に位置する状態でスロット24に挿入されている。また、ステータコア22の周方向に沿って、第1の同心巻きコイル70と第2の同心巻きコイル80が交互に配置されている。よって、第2の同心巻きコイル80の第1〜第3のコイルエンド部82a〜82cが径方向にオフセットした位置に、第1の同心巻きコイル70の第1〜第3のコイルエンド部72a〜72cが、ステータコア22の径方向に重なり合っている。すなわち、第1及び第2の同心巻きコイル70,80を用いることで、ステータコア22の周方向全体に亘って、同心巻きコイルが一つの円周内に配置されている。つまり、第1の同心巻きコイル70と、第2の同心巻きコイル80が、ステータコア22の周方向に交互に配置され、順にU相、V相、W相を受け持つ。したがって、相数に関わらず、2種類の同心巻きコイルで構成できる。
図7及び図8に示すように、2連重ね巻きコイル30に対し、第1の同心巻きコイル70又は第2の同心巻きコイル80が対向配置されている。以下に、第1の同心巻きコイル70が対向配置された場合の説明をするが、第2の同心巻きコイル80に対しても同様であるため、その説明を省略する。
第1の同心巻きコイル70が対向配置されていると、図7に示すように、第1の巻回部40の一方のスロット挿入部41が挿入されたスロット24(他の2連重ね巻きコイル30のスロット挿入部42が挿入されたスロット24)に対しては、第1のスロット挿入部71aが挿入される。同じ第1の巻回部40の他方のスロット挿入部42が挿入されたスロット24(他の2連重ね巻きコイル30のスロット挿入部41が挿入されたスロット24)に対しては、第4のスロット挿入部71dが挿入されている。したがって、一つのスロット24においては、2連重ね巻きコイル30の二つのスロット挿入部41,42と、第1の同心巻きコイル70の一つのスロット挿入部71a,71dが挿入され、導線のターン数が7(奇数)となっている。そして、スロット挿入部41,42と、スロット挿入部71a,71dとは、電流を流したときに同じ向きに電流が流れるように配置されている。
また、第2の巻回部50の一方のスロット挿入部51が挿入されたスロット24(他の2連重ね巻きコイル30のスロット挿入部52が挿入されたスロット24)に対しては、第3のスロット挿入部71cが挿入される。同じ第2の巻回部50において他方のスロット挿入部52が挿入されたスロット24(他の2連重ね巻きコイル30のスロット挿入部51が挿入されたスロット24)に対しては、第2のスロット挿入部71bが挿入されている。したがって、一つのスロット24においては、2連重ね巻きコイル30の二つのスロット挿入部51,52と、第1の同心巻きコイル70の一つのスロット挿入部71c,71bが挿入され、導線のターン数が7(奇数)となっている。そして、スロット挿入部51,52と、スロット挿入部71c,71bとは、電流を流したときに同じ向きに電流が流れるように配置されている。
なお、上記では、U相について説明したが、V相及びW相についても同じ構成となっている。
図1に示すように、2連重ね巻きコイル30はステータコア22のスロット24に挿入されてステータアッシィを構成する。このとき、図2に示すように、コイル全体(三相)が構成される。
次に、回転電機Mの固定子13の作用を記載する。
固定子13において、2連重ね巻きコイル30は、クランク形状部46,56を備える。このため、2連重ね巻きコイル30のスロット挿入部41,42及びスロット挿入部51,52をスロット24に挿入すると、クランク形状部46,56によって、一方のスロット挿入部41,51の位置と、他方のスロット挿入部42,52の位置とが、ステータコア22の径方向にずれてしまう。このため、一方のスロット挿入部41,51が挿入されたスロット24では、ステータコア22の径方向内側に空間が空いてしまい、他方のスロット挿入部42,52が挿入されたスロット24では、ステータコア22の径方向外側に空間が空いてしまう。この空き空間を無くすために、一つのスロット24には、別の2連重ね巻きコイル30が配置され、一つのスロット24には二つのスロット挿入部が挿入されている。このため、二つの2連重ね巻きコイル30を用いた場合、一つのスロット24では導線のターン数が偶数の6となっている。
そして、各スロット24には、第1及び第2の同心巻きコイル70,80の各スロット挿入部71a〜71d、81a〜81dが一つずつ挿入されている。このため、一つのスロット24では導線のターン数が7となっており、ターン数が奇数となっている。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)コイルとして、2連重ね巻きコイル30と、第1の同心巻きコイル70と、第2の同心巻きコイル80とを用いた。そして、一つのスロット24に2つの2連重ね巻きコイル30のスロット挿入部41,42,51,52と、第1及び第2の同心巻きコイル70,80のスロット挿入部71a〜71d、81a〜81dが一つずつ挿入されている。このため、2連重ね巻きコイル30を用いながらも、ターン数が奇数の固定子13を得ることができる。
(2)スロット24での導線のターン数を奇数にするため、平角線を波巻きすると、平角線をステータコア22の周方向に波巻きしていくためには、平角線を複数に分割し、それら分割片をステータコア22の軸方向の両端側で接続(溶接)しなければならない。このため、奇数ターン数を実現しても、1ターン毎に導線の接続部が増え、固定子13が軸方向に大型化してしまうし、溶接部が増えて信頼性が低下する。本実施形態では、2連重ね巻きコイル30と第1及び第2の同心巻きコイル70,80を用いることで、ステータコア22の軸方向一方に引き出された内側引出線42a、外側引出線51a、第1のスロット挿入部71a,81a、及び第4のスロット挿入部71d,81dのみが接続部となる。このため、固定子13が軸方向に大型化しないし、接続部(溶接部)の数も減り、信頼性が低下しない。
(3)2連重ね巻きコイル30は、第1の巻回部40及び第2の巻回部50を有し、毎極毎相のスロット数が2である。このため、2連重ね巻きコイル30において、コイルエンド部43,53において導線をばらけにくくすることができる。また、第1の巻回部40及び第2の巻回部50を2つ有するため、連数化した重ね巻きコイルを簡単に製造することができる。
(4)第1の同心巻きコイル70及び第2の同心巻きコイル80のターン数は1である。このため、第1及び第2の同心巻きコイル70,80は、第1〜第3のコイルエンド部72a〜72c,82a〜82c、及び第1〜第4のスロット挿入部71a〜71d、81a〜81dを一つの層内に位置させながらも、ターン数を最小の1とすることで、コイルエンド部を最小に抑え、固定子13の大型化を防止している。
(5)第1及び第2の同心巻きコイル70,80は、第1〜第4のスロット挿入部71a〜71d、81a〜81dの平角線が、該平角線の断面長手方向がステータコア22の周方向となるとともに平角線の断面短手方向がステータコア22の径方向となるように形成されている。このため、平角線の断面長手方向がステータコア22の周方向に延びることで、第1及び第2の同心巻きコイル70,80の成形、特にステータコア22の径方向への成形がしやすくなり、第1〜第4のスロット挿入部71a〜71d、81a〜81dをスロット24に挿入しやすい形状を簡単に形成することができる。
(6)第1の同心巻きコイル70は、第1及び第3のコイルエンド部72a,72cがステータコア22の軸方向にオフセットしている。第2の同心巻きコイル80は、第1及び第3のコイルエンド部82a,82cがステータコア22の軸方向にオフセットして巻回されている。また、第2の同心巻きコイル80の各コイルエンド部82a,82b,82cはステータコア22の径方向にオフセットしている。このため、第1及び第2の同心巻きコイル70,80をステータコア22の周方向に交互に配置したとき、第2の同心巻きコイル80の径方向にオフセットされた各コイルエンド部82a,82b,82cに、第1の同心巻きコイル70の各コイルエンド部72a,72b,72cが重なり合う。このため、コイルエンド部同士の干渉を避けるために、第1の同心巻きコイル70のコイルエンド部72a,72b,72cをステータコア22の軸方向にオフセットする必要がなく、固定子13の軸方向への大型化を防止している。また、同心巻きコイルの種類が2種類で済む。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態では、2連重ね巻きコイル30をステータコア22の径方向の外側に配置し、第1及び第2の同心巻きコイル70,80を径方向の内側に配置したが、この逆でもよい。第1及び第2の同心巻きコイル70,80をステータコア22の径方向の外側に配置し、2連重ね巻きコイル30をステータコア22の径方向の内側に配置してもよい。
○ 実施形態では、第1及び第2の同心巻きコイル70,80において、第1〜第4のスロット挿入部71a〜71d、81a〜81dの平角線が、該平角線の断面長手方向がステータコア22の周方向となるとともに平角線の断面短手方向がステータコア22の径方向となるように形成したが、これに限定されない。第1及び第2の同心巻きコイル70,80において、第1〜第4のスロット挿入部71a〜71d、81a〜81dの平角線が、該平角線の断面短手方向がステータコア22の周方向となるとともに平角線の断面長手方向がステータコア22の径方向となるように形成されていてもよい。
○ 実施形態では、第1及び第2の同心巻きコイル70,80において、導線のターン数を1としたが、奇数であれば適宜ターン数を変更してもよい。
○ 実施形態では、重ね巻きコイルとして2連重ね巻きコイル30に具体化したが、連数は適宜変更してもよく、3連以上でもよい。また、連続して形成したコイルではなく、一つ一つのコイルを重ね巻き状に配置してもよい。
○ 実施形態では、2連重ね巻きコイル30において、第1及び第2の巻回部40,50における導線のターン数を3としたが、ターン数は適宜変更してもよい。
○ 実施形態では、一つのスロット24に挿入される2連重ね巻きコイル30を二つとしたが、挿入される2連重ね巻きコイル30の数は適宜変更してもよい。
○ 実施形態では、回転電機Mの固定子13を3相で形成したが、4相以上で形成してもよい。
○ 本発明は、極数は4極、6極や8極以外であってもよい。
○ 固定子13の周囲で回転子11が回転する回転電機(アウターロータ)の固定子に本発明を適用してもよい。
○ 本発明を、回転電機Mを永久磁石を用いた永久磁石式回転電機ではなく、誘導式、リラクタンス式の回転電機に適用してもよい。
M…回転電機、12…回転軸、13…固定子、22…ステータコア、23…ティース、24…スロット、30…重ね巻きコイルとしての2連重ね巻きコイル、40…第1の巻回部、41,42…第1の巻回部のスロット挿入部、43…第1の巻回部のコイルエンド部、46…第1の巻回部のクランク形状部、50…第2の巻回部、51,52…第2の巻回部のスロット挿入部、53…第2の巻回部のコイルエンド部、56…第2の巻回部のクランク形状部、70…第1の同心巻きコイル、71a〜71d…第1〜第4のスロット挿入部、72a〜72c…第1〜第3のコイルエンド部、80…第2の同心巻きコイル、81a〜81d…第1〜第4のスロット挿入部、82a〜82c…第1〜第3のコイルエンド部。

Claims (5)

  1. 回転軸の周りにステータコアが配設されるとともに、前記ステータコアに複数配列されたティース間のスロットにコイルが巻装された回転電機の固定子であって、
    前記コイル
    平角線の導線が前記ステータコアの径方向に重ね合わされた状態で巻回されており、一対のスロット挿入部及びコイルエンド部を有する巻回部前記導線で繋がれた状態で複数備えられており、前記巻回部それぞれが前記コイルエンド部においてクランク形状部を含む重ね巻きコイルと、
    前記導線を同心状に奇数回数巻回し、前記ステータコアの周方向に沿った一つの層内に複数のスロット挿入部及び複数のコイルエンド部を有する同心巻きコイルと、を備え、
    共通の前記スロットに前記重ね巻きコイルの複数のスロット挿入部と、前記同心巻きコイルのスロット挿入部が挿入されていることを特徴とする回転電機の固定子。
  2. 前記重ね巻きコイルは、前記巻回部としてのそれぞれ別の前記スロットに配置される第1の巻回部と第2の巻回部とを連続した平角線で形成し、毎極毎相のスロット数が2である請求項1に記載の回転電機の固定子。
  3. 前記同心巻きコイルのターン数は1である請求項1又は請求項2に記載の回転電機の固定子。
  4. 前記同心巻きコイルは、前記スロット挿入部の前記平角線が、該平角線の断面長手方向がステータコアの周方向となるとともに平角線の断面短手方向がステータコアの径方向となるように形成されている請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の回転電機の固定子。
  5. 前記同心巻きコイルは、ステータコアの軸方向両側に位置する前記コイルエンド部において前記コイルエンド部の前記導線が前記ステータコアの軸方向にオフセットして巻回された第1の同心巻きコイルと、
    前記ステータコアの軸方向両側に位置する前記コイルエンド部において前記コイルエンド部の前記導線が前記ステータコアの軸方向にオフセットして巻回され、かつ前記ステータコアの径方向にオフセットすることで前記第1の同心巻きコイルの前記コイルエンド部と干渉しないように巻回された第2の同心巻きコイルと、を備える請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の回転電機の固定子。
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