JP5887959B2 - ハイブリッド車両の表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関及び電動機を駆動源として使用することができるハイブリッド車両に適用され、前記電動機に電力を供給する蓄電装置の残容量に関する情報を表示画面に表示する「ハイブリッド車両の表示装置」に関する。
ハイブリッド車両は、車両を走行させる駆動力を発生する駆動源として、内燃機関と電動機とを搭載している。ハイブリッド車両は、電動機に電力を供給する蓄電装置(バッテリ)を搭載している。内燃機関の発生するエネルギーの一部は蓄電装置の充電にも利用される。
更に、近年において、蓄電装置を車両の外部から供給される電力により充電することができるプラグインハイブリッド車両が開発されて来ている。以下、車両の外部から供給される電力による蓄電装置の充電を「外部充電」とも称呼する。
プラグインハイブリッド車両は、第1走行モードと第2走行モードとの何れかで走行することができる。
第1走行モードは、外部充電の後に蓄電装置の残容量がモード切替閾値よりも大きい場合に実行されるモードである。第1走行モードにおいては、内燃機関の運転が極力回避され、電動機の出力のみによってハイブリッド車両を走行させる。換言すると、第1走行モードは蓄電装置のエネルギーを積極的に使用するモードであるので、「CD(Charge Depleting)モード」とも称呼される。更に、第1走行モードは、電動機のみを用いて走行することから、「EVモード(電気自動車モード)」とも称呼される。なお、第1走行モードにおいて、車両走行に必要な出力及び/又はトルクが不足する場合等において、内燃機関が運転されることがある。
第2走行モードは、第1走行モードでの走行中に蓄電装置の残容量がモード切替閾値よりも小さくなった場合に実行されるモードである。第2走行モードにおいては、電動機が駆動されるとともに内燃機関が作動され、これら両方の出力によりハイブリッド車両を走行させる。更に、第2走行モードにおいては、蓄電装置の残容量が目標値に近づくように内燃機関が作動され、内燃機関の発生するエネルギーにより蓄電装置が充電される。換言すると、第2走行モードは蓄電装置のエネルギー(即ち、残容量)を維持するモードであるので、「CS(Charge Sustaining)モード」とも称呼される。更に、第2走行モードは、電動機及び内燃機関の両方を用いて走行することから、「HVモード(ハイブリッド車モード)」とも称呼される。なお、蓄電装置の残容量は「SOC(State of Charge)」とも称呼される。
このようなハイブリッド車両においては、各モードにおける「蓄電装置のエネルギーの使用方法」が異なる。そこで、蓄電装置の残容量を各モードに応じて適切に表示することができるハイブリッド車両の表示装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
特開2011−57116号公報
ところで、蓄電装置の残容量は、蓄電装置に流出入する電流の積算値等に基づいて周知の手法により推定される。推定された残容量は、上述したEVモードとHVモードとの切り替えを行うべきか否かの判定を行う際に使用される。即ち、推定される残容量はハイブリッド車両の運転制御に使用されるので、以下、「制御用残容量」とも称呼される。
一般に、制御用残容量は蓄電装置の状態及び流出入する電流等に応じて頻繁に変動する。従って、「その制御用残容量そのもの」に基づいて「蓄電装置の残容量を表す情報(以下、「残容量情報」と称呼する。)」を表示装置の表示画面に表示すると、表示が頻繁に変動してしまい、ユーザにとって視認し難い表示となる。
そこで、制御用残容量に含まれる高周波数成分を低減するフィルタ処置(例えば、一次フィルタ処理、及び、所謂「なまし処理」等)を制御用残容量に施すことにより表示用残容量を取得し、その表示用残容量に基づいて残容量情報を表示することが考えられる。
しかしがなら、表示用残容量は制御用残容量に追従するように変化するので、制御用残容量が低下してモード切替閾値に到達した時点にてEVモードからHVモードへの切り替えが行われるにも拘らず、そのモード切替時点(制御用残容量がモード切替閾値に到達した時点)での表示用残容量はモード切替閾値に相当する値にならない。その結果、ユーザが違和感を覚えるという問題がある。
この問題について、図1を参照しながらより具体的に説明する。図1に示した例においては、残容量情報が8個のセグメントにより表され、残容量が少ないほど点灯されるセグメント数(図1においてハッチングが付されている部分)が減少する。即ち、残容量が少なくなるにつれて、最上部のセグメントから順に消灯される。この場合、8個のセグメントのうちの上から2個目のセグメント(第2セグメント)が消灯されたとき、残容量がモード切替閾値に相当する値になったものと定義され、このことがユーザに知らされている。即ち、ユーザは、上から2個目のセグメントが消灯されたとき、残容量が「モード切替閾値に相当する値」に到達したためにEVモードからHVモードへ変更がなされると認識している。更に、図2に示した例においては、表示用残容量は制御用残容量に対して遅れて変化している。
この場合、細い実線C1により示した制御用残容量は時刻t3にてモード切替閾値に到達しているにも関わらず、破線C2により示した表示用残容量は時刻t4にてモード切替閾値に到達する。従って、時刻t3にてEVモードからHVモードへとモード切替がなされているにもかかわらず、図1の(A)に示したように、第2セグメントは時刻t4にて消灯される。よって、時刻t3から時刻t4の期間、ユーザは表示画面に表示された残容量情報に基づいてEVモードであると認識しているにもかかかわらず(即ち、内燃機関は運転を開始しないであろうと考えているにもかかわらず)、蓄電装置の充電等のために内燃機関が運転を開始する場合が生じる。その結果、ユーザが違和感を覚える可能性がある。
逆に、表示用残容量が制御用残容量に対して進んで変化する場合も生じる。この場合、制御用残容量がモード切替閾値に到達する前の時点にて表示用残容量がモード切替閾値に到達する。よって、その時点にて、第2セグメントが消灯され、ユーザはHVモードに移行したと認識する。即ち、ユーザは、その時点以降において内燃機関が蓄電装置を充電するための運転を開始するであろうと予想する。ところが、実際には、その時点から制御用残容量がモード切替閾値に到達する時点までの期間、内燃機関は蓄電装置を充電するための運転を開始しない。その結果、ユーザが違和感を覚える可能性がある。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものである。即ち、本発明の目的の一つは、EVモードからHVモードへの切り替え時点と、表示装置に表示される残容量情報が「EVモードからHVモードへの切り替えに相当する残容量」を示す時点と、を一致させることによって、ユーザに違和感を与えることが少ない「ハイブリッド車両の表示装置」を提供することにある。
本発明の「ハイブリッド車両の表示装置(以下、「本発明表示装置」と称呼する。)」は、内燃機関と、電動機と、前記電動機を駆動する電力を前記電動機に供給可能な蓄電装置と、充電部と、前記蓄電装置の残容量を制御用残容量として推定する残容量推定部と、制御部と、を備えるハイブリッド車両に適用され、前記蓄電装置の残容量を示すための情報である残容量情報を表示画面に表示する。
前記充電部は、
前記ハイブリッド車両の外部から供給される電力及び前記内燃機関の出力により発生させられる電力を変換して前記蓄電装置を充電する電力を生成し前記蓄電装置に供給するように構成されている。
前記制御部は、
前記蓄電装置が前記外部から供給される電力により充電された後に前記制御用残容量がモード切替閾値よりも大きい場合、前記内燃機関を運転することなく前記電動機を駆動することにより前記ハイブリッド車両の駆動力の全部を前記電動機から発生させる第1運転状態を、前記内燃機関を運転するとともに前記電動機を駆動することにより前記ハイブリッド車両の駆動力を前記内燃機関及び前記電動機の両方から発生させる第2運転状態、よりも優先させる第1走行モード(即ち、EVモード)にて前記ハイブリッド車両を走行させ、且つ、
前記第1走行モード中に前記制御用残容量が前記モード切替閾値よりも小さくなった場合、前記第1走行モードに比較して前記第2運転状態を前記第1運転状態よりも優先させる第2走行モード(即ち、HVモード)にて前記ハイブリッド車両を走行させるように構成されている。
更に、本発明表示装置は、
前記推定される制御用残容量に含まれる高周波数成分を低減するフィルタ処置を前記制御用残容量に施すことにより表示用残容量を取得し、
前記制御用残容量が「前記モード切替閾値よりも大きい表示修正開始閾値」よりも大きい場合には前記表示用残容量に基づいて前記残容量情報を前記表示画面に表示し、
前記制御用残容量が「前記モード切替閾値よりも大きく且つ前記表示修正開始閾値よりも小さい表示修正完了閾値」よりも小さい場合には前記制御用残容量に基づいて前記残容量情報を前記表示画面に表示する。
加えて、本発明表示装置は、
前記制御用残容量が、前記表示修正開始閾値以下であり、且つ、前記表示修正完了閾値以上である場合には、以下に述べる表示制御用残容量に基づいて前記残容量情報を前記表示画面に表示する。
前記表示制御用残容量は、
(1)前記制御用残容量が前記表示修正開始閾値と等しいとき前記表示用残容量に一致し、
(2)前記制御用残容量が前記表示修正完了閾値と等しいとき前記制御用残容量に一致し、
(3)前記制御用残容量が前記表示修正開始閾値よりも小さく且つ前記表示修正完了閾値よりも大きい場合、
前記制御用残容量と前記表示用残容量との間の値であり、且つ
前記表示修正完了閾値以上の値であって、且つ、
前記制御用残容量と前記表示修正完了閾値との差が小さくなるほど前記制御用残容量との差が小さくなる値、
である。
これによれば、前記制御用残容量が、前記表示修正開始閾値以下であり且つ前記表示修正完了閾値以上である場合、前記制御用残容量が前記表示修正完了閾値に近づくにつれて前記表示用残容量から前記制御用残容量へと次第に近づく表示制御用残容量に基づいて、残容量情報が表示される。更に、前記制御用残容量が、前記表示修正完了閾値よりも小さい場合には前記制御用残容量に基づいて前記残容量情報が表示される。
よって、前記制御用残容量がモード切替閾値に到達する以前の時点(即ち、前記制御用残容量が前記表示修正完了閾値に到達する時点)までに、表示画面に残容量情報を表示する元となる表示用データは、表示用残容量から制御用残容量へと比較的滑らかに移行する。更に、前記制御用残容量がモード切替閾値に到達する時点においては制御用残容量に基づいて残容量情報が表示される。従って、EVモードからHVモードへの切り替え時点と、表示装置に表示される残容量情報が「EVモードからHVモードへの切り替えに相当する残容量」を示す時点と、を一致させることができる。その結果、ユーザに違和感を与えることを回避することができる。
本発明の他の目的、他の特徴及び付随する利点は、以下の図面を参照しつつ記述される本発明の各実施形態についての説明から容易に理解されるであろう。
図1は、本発明の実施形態に係るハイブリッド車両の表示装置の作動及び従来の表示装置の作動を説明するための図である。 図2は、本発明の実施形態に係る表示装置及び同表示装置が適用されるハイブリッド車両の概略図である。 図3は、図2に示したハイブリッド車両の電気回路図である。 図4は、EVモードにおける機関運転条件を説明するための図である。 図5は、残容量と、EVモード及びHVモードと、の関係を説明するための図である。 図6の(A)は図2に示した表示装置の表示結果を示す図であり、図6の(B)は本発明が用いられていない比較例の表示装置の表示結果を示す図である。 図7は、図2に示したメータECUのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図8は、図2に示したメータECUのCPUが実行するルーチンを示したフローチャートである。 図9は、図2に示したメータECUのCPUが反映率を取得するために参照するルックアップテーブルを示した図である。 図10は、制御用残容量、表示用残容量及び表示制御用残容量の変化の様子を示した図である。 図11は、制御用残容量、表示用残容量及び表示制御用残容量の変化の様子を示した図である。
以下、本発明の実施形態に係る「ハイブリッド車両の表示装置」について図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態に係る「ハイブリッド車両の表示装置」は、以下、「本表示装置」とも称呼される。
(構成)
図2に示したように、本表示装置が適用されるハイブリッド車両10は、前述したEVモード及びHVモードの何れかのモードにて走行することができる。ハイブリッド車両10は、発電電動機MG1、発電電動機MG2、内燃機関20、動力分配機構30、動力伝達機構50、第1インバータ61、第2インバータ62、昇圧コンバータ63、蓄電装置としてのバッテリ64、コンビネーションメータ70、パワーマネジメントECU80、バッテリECU81、メータECU82、モータECU83及びエンジンECU84等を備えている。なお、ECUは、エレクトリックコントロールユニットの略称であり、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM(又は不揮発性メモリ)及びインターフェース等を含むマイクロコンピュータを主要構成部品として有する電子制御回路である。
発電電動機(モータジェネレータ)MG1は、発電機及び電動機の何れとしても機能することができる同期発電電動機である。発電電動機MG1は、便宜上、第1発電電動機MG1とも称呼される。第1発電電動機MG1は、出力軸(以下、「第1シャフト」とも称呼する。)41を備えている。
発電電動機(モータジェネレータ)MG2は、第1発電電動機MG1と同様、発電機及び電動機の何れとしても機能することができる同期発電電動機である。発電電動機MG2は、便宜上、第2発電電動機MG2とも称呼される。第2発電電動機MG2は、出力軸(以下、「第2シャフト」とも称呼する。)42を備えている。
内燃機関(機関)20は、4サイクル・火花点火式・多気筒・内燃機関である。機関20は、周知のエンジンアクチュエータ21を備えている。例えば、エンジンアクチュエータ21には、燃料噴射弁を含む燃料供給装置、点火プラグを含む点火装置、スロットル弁開度変更用アクチュエータ及び可変吸気弁制御装置(VVT)等が含まれる。機関20は、スロットル弁アクチュエータにより図示しない吸気通路に配設されたスロットル弁の開度を変更することによって吸入空気量を変更すること、及び、その吸入空気量に応じて燃料噴射量を変更したりすること等により、機関20の発生するトルク及び機関回転速度(従って、機関出力)を変更することができるように構成されている。機関20は、機関20の出力軸であるクランクシャフト25にトルクを発生する。
動力分配機構30は周知の遊星歯車装置31を備えている。遊星歯車装置31はサンギア32と、複数のプラネタリギア33と、リングギア34と、を含んでいる。
サンギア32は第1発電電動機MG1の第1シャフト41に接続されている。従って、第1発電電動機MG1とサンギア32とはトルク伝達可能に連結されている。
複数のプラネタリギア33のそれぞれは、サンギア32と噛合するとともにリングギア34と噛合している。プラネタリギア33の回転軸(自転軸)はプラネタリキャリア35に設けられている。プラネタリキャリア35はサンギア32と同軸に回転可能となるように保持されている。従って、プラネタリギア33は、サンギア32の外周を自転しながら公転することができる。プラネタリキャリア35は機関20のクランクシャフト25に接続されている。よって、プラネタリギア33は、クランクシャフト25からプラネタリキャリア35に入力されるトルクによって回転駆動され得る。
リングギア34は、サンギア32と同軸に回転可能となるように保持されている。
上述したように、プラネタリギア33はサンギア32及びリングギア34と噛合している。即ち、プラネタリギア33とサンギア32とはトルク伝達可能に連結されている。更に、プラネタリギア33とリングギア34とはトルク伝達可能に連結されている。
リングギア34はリングギアキャリア36を介して第2発電電動機MG2の第2シャフト42に接続されている。従って、第2発電電動機MG2とリングギア34とはトルク伝達可能に連結されている。
更に、リングギア34はリングギアキャリア36を介して出力ギア37に接続されている。従って、出力ギア37とリングギア34とはトルク伝達可能に連結されている。
動力伝達機構50は、ギア列51、ディファレンシャルギア52及び駆動軸(ドライブシャフト)53を含んでいる。
ギア列51は、出力ギア37とディファレンシャルギア52とをトルク伝達可能に接続している。ディファレンシャルギア52は駆動軸53に取り付けられている。駆動軸53の両端には駆動輪54が取り付けられている。従って、出力ギア37からのトルクはギア列51、ディファレンシャルギア52、及び、駆動軸53を介して駆動輪54に伝達される。この駆動輪54に伝達されたトルクによりハイブリッド車両10は走行することができる。
このように、動力分配機構30及び動力伝達機構50により、内燃機関20と駆動軸53とはトルク伝達可能に接続され、且つ、第2発電電動機MG2と駆動軸53とはトルク伝達可能に接続されている。
第1インバータ61は、第1発電電動機MG1及び昇圧コンバータ63に電気的に接続されている。従って、第1発電電動機MG1が発電しているとき、第1発電電動機MG1が発生した電力は、第1インバータ61及び昇圧コンバータ63を介してバッテリ64に供給される。逆に、第1発電電動機MG1は昇圧コンバータ63及び第1インバータ61を介してバッテリ64から供給される電力によって回転駆動させられる。
第2インバータ62は、第2発電電動機MG2及び昇圧コンバータ63に電気的に接続されている。従って、第2発電電動機MG2が発電しているとき、第2発電電動機MG2が発生した電力は、第2インバータ62及び昇圧コンバータ63を介してバッテリ64に供給される。逆に、第2発電電動機MG2は昇圧コンバータ63及び第2インバータ62を介してバッテリ64から供給される電力によって回転駆動させられる。
更に、第1発電電動機MG1の発生する電力は第2発電電動機MG2に直接供給可能であり、且つ、第2発電電動機MG2の発生する電力は第1発電電動機MG1に直接供給可能である。
バッテリ64は、蓄電装置であり、本例においてリチウムイオン電池である。但し、バッテリ64は放電及び充電が可能な蓄電装置であればよく、ニッケル水素電池及び他の二次電池であってもよい。
コンビネーションメータ70は、速度表示器71、EV走行可能距離表示器72、残容量表示画面(表示器)73及びEVモード表示ランプ74等を含んでいる。これらは、メータECU82に接続されていて、メータECU82からの指示信号に応じた表示を行う。
速度表示器71は、ハイブリッド車両10の速度である車速を表示するディスプレイ装置である。
EV走行可能距離表示器72はEV走行可能距離(即ち、電動機走行可能距離)を表示するディスプレイ装置である。EV走行可能距離は、EVモードにて「内燃機関20を運転することなく、第2発電電動機MG2の出力のみを用いてハイブリッド車両10を走行した場合(即ち、EV走行した場合)」にハイブリッド車両10が走行可能な距離である。
残容量表示画面73は、バッテリ64の残容量SOCを示すための情報(即ち、残容量情報)を表示するディスプレイ装置である。残容量表示画面73は、電池形状を模した形状を有している。残容量表示画面73は、後述するように、8個のセグメントの点灯及び消灯により残容量情報を示すことができ、更に、セグメントを用いずに点灯範囲(点灯領域)を変更することにより残容量情報を示すことができる。
残容量表示画面73がセグメントを用いた残容量情報の表示を行う場合、点灯されるセグメントの数は、後述するように、表示制御用残容量SOCDに基づいて決定される。更に、後述するように、残容量表示画面73は、8個のセグメントのうちの上から2個目のセグメント(第2セグメント)が消灯されたとき、ハイブリッド車両10の走行モードがEVモードからHVモードへと切り替わったことを示すようになっている。
EVモード表示ランプ74は、ハイブリッド車両10がEVモードにて運転されている場合に点灯され、HVモードにて運転されている場合に消灯されるようになっている。後述するように、このEVモード表示ランプ74を点灯するか又は消灯するかは、表示制御用残容量SOCD又は制御用残容量SOCcontに基づいて決定されるようになっている。
パワーマネジメントECU80(以下、「PMECU80」と表記する。)は、バッテリECU81、メータECU82、モータECU83及びエンジンECU84等と通信により情報交換可能に接続されている。
PMECU80は、パワースイッチ91、シフトポジションセンサ92、アクセル操作量センサ93、ブレーキスイッチ94、車速センサ95及びEVスイッチ96等と接続され、これらのセンサ類が発生する出力信号を入力するようになっている。
パワースイッチ91はハイブリッド車両10のシステム起動用スイッチである。PMECU80は、何れも図示しない車両キーがキースロットに挿入され且つブレーキペダルが踏み込まれているときにパワースイッチ91が操作されると、システムを起動する状態、即ち、レディオン状態(Ready−On状態)となるように構成されている。
シフトポジションセンサ92は、ハイブリッド車両10の運転席近傍に運転者(ユーザ)により操作可能に設けられた図示しないシフトレバーによって選択されているシフトポジションを表す信号を発生するようになっている。本例において、シフトポジションは、P(パーキングポジション)、R(後進ポジション)、N(ニュートラルポジション)及びD(走行ポジション)である。
アクセル操作量センサ93は、運転者により操作可能に設けられた図示しないアクセルペダルの操作量(アクセル操作量AP)を表す出力信号を発生するようになっている。
ブレーキスイッチ94は、運転者により操作可能に設けられた図示しないブレーキペダルが操作されたときに、ブレーキペダルが操作された状態(即ち、ハイブリッド車両10の制動装置が作動された状態)にあることを示す出力信号を発生するようになっている。
車速センサ95は、ハイブリッド車両10の車速SPDを表す出力信号を発生するようになっている。
EVスイッチ96は、EVモードの選択及び解除を希望する運転者により操作可能に設けられた手動スイッチである。
PMECU80は、バッテリECU81により推定・算出されるバッテリ64の残容量SOC(State Of Charge)を表す「制御用残容量SOCcont」を入力するようになっている。この制御用残容量SOCcontは、バッテリ64に流出入する電流の積算値及びバッテリ64の電圧等に基づいて周知の手法に従って算出される。制御用残容量SOCcontは、バッテリ64が新品であって且つ満充電の場合の放電可能電力を100%と定義し、バッテリ64が完全に放電した場合の放電可能電力を0%と定義した場合において、バッテリ64が満充電の場合の放電可能電力に対する現時点のバッテリ64の放電可能電力の比を「百分率(%)」にて表した量である。なお、残容量SOCは残容量の絶対値(単位は「Wh(ワット時)」)により表されてもよい。
PMECU80は、モータECU83を介して、第1発電電動機MG1の回転速度(以下、「第1MG回転速度Nm1」と称呼する。)を表す信号及び第2発電電動機MG2の回転速度(以下、「第2MG回転速度Nm2」と称呼する。)を表す信号を入力するようになっている。
第1MG回転速度Nm1は、「第1発電電動機MG1に設けられ且つ第1発電電動機MG1のロータの回転角度に対応する出力値を出力するレゾルバ97の出力値」に基づいてモータECU83により算出されている。同様に、第2MG回転速度Nm2は、「第2発電電動機MG2に設けられ且つ第2発電電動機MG2のロータの回転角度に対応する出力値を出力するレゾルバ98の出力値」に基づいてモータECU83により算出されている。
PMECU80は、エンジンECU84を介して、エンジン状態量センサ99により検出されるエンジン状態を表す出力信号を入力するようになっている。このエンジン状態を表す出力信号には、機関回転速度Ne、スロットル弁開度TA及び機関の冷却水温THW等が含まれている。
PMECU80は、AC/DCコンバータを含む充電器102とも接続され、充電器102に指示信号を送出するようになっている。充電器102はインレット101と電力線を介して接続されている。更に、充電器102の出力電力線は、昇圧コンバータ63とバッテリ64との間に接続されている。インレット101は、車体の側面に露呈可能となっていて、図示しない「外部電源に接続された電力ケーブル」のコネクタが接続されるようになっている。インレット101に電力ケーブルのコネクタが接続された状態において、PMECU80が充電器102を制御することにより、バッテリ64は外部電源から電力ケーブルを通して供給される電力により充電(外部充電)されるようになっている。
バッテリECU81は、バッテリ64の状態を監視し、前述したように制御用残容量SOCcontを算出するようになっている。更に、バッテリECU81は、周知の手法に従って、バッテリ64の瞬時出力可能電力Woutを推定(算出)するようになっている。瞬時出力可能電力Woutは制御用残容量SOCcontが大きくなるほど大きくなる値である。
メータECU82は、バッテリECU81により推定された制御用残容量SOCcontをPMECU80を経由して取得し、制御用残容量SOCcontに含まれる高周波成分を除去(又は低減)するフィルタ処理を制御用残容量SOCcontに対して施すことによって、表示用残容量SOCdispを取得するようになっている。このフィルタ処理は、例えば、下記の(1)式に従う処理(所謂、なまし処理)である。フィルタ処理は、例えば、一次遅れフィルタ処理等であってもよい。

SOCdisp(n)=(1−γ)・SOCdisp(n−1)+γ・SOCcont(n)…(1)
上記(1)式において、SOCdisp(n)は新たに得られた表示用残容量SOCdispであり、SOCdisp(n−1)は一定時間前に得られた表示用残容量SOCdispであり、SOCcont(n)は新たに得られた制御用残容量SOCcontである。値γは0よりも大きく1よりも小さい定数である(0<γ<1)。なお、表示用残容量SOCdispはバッテリECU81により算出され、通信によってメータECU82に送信されてもよい。
更に、メータECU82は、EV走行時における実際の走行距離をEV走行時における制御用残容量SOCcontの減少量で除することにより電費(km/%)を算出し、実際の制御用残容量SOCcontから後述するモード切替閾値SOCEVtoHVを減じた値(EV走行可能残容量)に電費を乗じることによりEV走行可能距離を算出するようになっている。そして、メータECU82は、算出したEV走行可能距離をEV走行可能距離表示器72に表示させるようになっている。
加えて、メータECU82は、後に詳述するように、表示用残容量SOCdispに基づいて表示制御用残容量SOCDを算出し、状況に応じて表示制御用残容量SOCDに基づいて「残容量表示画面73に表示される情報(残容量情報)」を制御するとともに、表示制御用残容量SOCDに基づいてEVモード表示ランプ74を点灯/消灯するようになっている。
モータECU83は、第1インバータ61、第2インバータ62及び昇圧コンバータ63に接続され、PMECU80からの指令に基づいて、これらに指示信号を送出するようになっている。これにより、モータECU83は、第1インバータ61及び昇圧コンバータ63を用いて第1発電電動機MG1を制御し、且つ、第2インバータ62及び昇圧コンバータ63を用いて第2発電電動機MG2を制御するようになっている。
エンジンECU84は、PMECU80からの指令及びエンジン状態量センサ99からの信号に基づいてエンジンアクチュエータ21に指示信号を送出することにより、機関20を制御するようになっている。
(回路)
図3はハイブリッド車両10の電気システムの一部を示した回路図である。図3に示したように、バッテリ64と昇圧コンバータ63との間には図2に示していないSMR(System Main Relay)が設けられている。SMRは、バッテリ64と電気システムとの電気的な接続/遮断を行なうためのリレーであり、PMECU80によって短絡状態及び開放状態の何れかの状態となるように制御される。即ち、ハイブリッド車両10の走行中及びバッテリ64の外部充電中においてSMRは短絡され、バッテリ64は電気システムに電気的に接続される。これに対し、ハイブリッド車両10のシステムが停止されたとき、SMRは開放され、バッテリ64は電気システムから電気的に切り離される。
昇圧コンバータ63は、リアクトルと、2つのnpn型トランジスタと、2つダイオードとを含む。リアクトルは、バッテリ64の正極側に一端が接続され、2つのnpn型トランジスタの接続点に他端が接続される。2つのnpn型トランジスタは直列に接続されている。npn型トランジスタのそれぞれには、ダイオードが逆並列に接続されている。
なお、npn型トランジスタとして、たとえば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いることができる。また、npn型トランジスタに代えて、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)等の電力スイッチング素子を用いてもよい。
昇圧コンバータ63は、バッテリ64から第1発電電動機MG1又は第2発電電動機MG2へ電力が供給される際、バッテリ64から放電される電力を昇圧して第1インバータ61及び第2インバータ62に供給する。また、昇圧コンバータ63は、第1発電電動機MG1又は第2発電電動機MG2から供給される電力を降圧してバッテリ64へ供給することにより、バッテリ64を充電する。
第1インバータ61は、U相アーム、V相アームおよびW相アームを含む。U相アーム、V相アームおよびW相アームは、互いに並列に接続される。各相アームは、直列に接続された2つのnpn型トランジスタを含み、各npn型トランジスタにはダイオードが逆並列に接続される。各相アームにおける2つのnpn型トランジスタの接続点は、第1発電電動機MG1における対応のコイル端であって中性点とは異なる端部に接続される。
第1インバータ61は、昇圧コンバータ63から供給される直流電力を交流電力に変換して第1発電電動機MG1へ供給する。更に、第1インバータ61は、第1発電電動機MG1により発電された交流電力を直流電力に変換して昇圧コンバータ63へ供給する。
第2インバータ62は、第1インバータ61と同様の構成を有する。第2インバータ62の各相アームにおける2つのnpn型トランジスタの接続点は、第2発電電動機MG2における対応のコイル端であって中性点とは異なる端部に接続される。
第2インバータ62は、昇圧コンバータ63から供給される直流電力を交流電力に変換して第2発電電動機MG2へ供給する。更に、第2インバータ62は、第2発電電動機MG2により発電された交流電力を直流電流に電力して昇圧コンバータ63へ供給する。
充電器102は、SMRと昇圧コンバータ63との間に接続される。インレット101に電力ケーブルCBのコネクタCNが接続されてバッテリ64の外部電源による充電が行なわれるとき、充電器102は、インレット101に供給される外部電源からの交流電力を所定の電圧の直流電圧へと変換してバッテリ64へ供給する。
(ハイブリッド車両の走行モード)
次に、ハイブリッド車両10の2つの走行モードについて説明を加える。一つの走行モードはEV(又はCD)モードであり、他の一つの走行モードはHV(CS)モードである。これらのモードは周知であり、例えば、特開2011−57115号公報及び特開2011−57116号公報に記載されている。各モードに応じた「内燃機関20、第1発電電動機MG1及び第2発電電動機MG2」の制御は、駆動制御部(制御部)を構成するパワーマネジメントECU80により実現される。
EVモードは、外部電源から供給されてバッテリ64に蓄積されている電力をハイブリッド車両10の走行に積極的に使用するモードである。EVモードにおいては、急加速時や登坂走行時など大きな走行駆動力が要求される等の特定条件(EVモード機関運転条件)が成立しない限り、機関20は停止され、ハイブリッド車両10は第2発電電動機MG2の発生する出力トルクのみにより走行する。
EVモード機関運転条件は、車両に要求されるトルク(ユーザ要求トルク)と車速SPDとによって決まる車両動作点Pが、図4に一点鎖線K1により示したパワー要件よりも大きくなったとき(原点と反対側の領域に入ったとき)、及び、車両動作点Pが図4に二点鎖線K2により示したトルク要件K2よりも大きくなったとき(原点と反対側の領域に入ったとき)、成立する。
パワー要件(一点鎖線K1)はバッテリ64の瞬時出力可能電力Woutに対応して定められる。即ち、一点鎖線K1は、バッテリ64が供給可能な電力の総てを第2発電電動機MG2に供給した場合に得られるトルクと車速との関係を示す。ハイブリッド車両10に実際に要求される出力(即ち、ユーザ要求トルクと車速との積)が一点鎖線K1に関して原点と反対側にあるとき、内燃機関20が運転され、内燃機関20の出力によって不足する出力が補われる。
トルク要件(二点鎖線K2)は第2発電電動機MG2が出力するトルクの上限値に対応して定められる。車両動作点Pが二点鎖線K2に関して原点と反対側にあるとき、内燃機関20が運転され、内燃機関20の出力トルクによって不足するトルクが補われる。
HVモードは、バッテリ64の電力を使用することにより発生する第2発電電動機MG2の出力トルクと機関20を運転することにより発生する機関20の出力トルクとをハイブリッド車両10の走行に使用するモードである。HVモードにおいては、バッテリ64の残容量SOCが所定の目標値に維持されるように機関20及び第1発電電動機MG1が制御される。なお、HVモードでの走行中に、ユーザが要求するトルクが小さいために機関20を効率的に運転できなくなるとき、及び/又は、残容量SOCが目標値に対して所定値以上大きくなってバッテリ64を充電する必要がないとき等において、ハイブリッド車両10は機関20の運転を一時的に停止し、第2発電電動機MG2の発生する出力トルクのみにより走行することもある。
なお、HVモードにおける制御内容は、例えば、特開2009−126450号公報(米国公開特許番号 US2010/0241297)、及び、特開平9−308012号公報(米国出願日1997年3月10日の米国特許第6,131,680号)等に詳細に記載されている。これらは、参照することにより本願明細書に組み込まれる。
バッテリ64が外部充電され、その外部充電後のレディオン状態時に制御用残容量SOCcontが図5に示したモード切替閾値SOCEVtoHV以上である場合、ハイブリッド車両10は「制御用残容量SOCcontがモード切替閾値SOCEVtoHV以下となる時点」までEVモードにて運転される。
制御用残容量SOCcontがモード切替閾値SOCEVtoHVを一旦下回ると、ハイブリッド車両10はHVモードにて運転される。ハイブリッド車両10がHVモードにて運転されている状態において、例えば降坂路を走行する等の場合において回生制御がなされ、それによって制御用残容量SOCcontが「モード切替閾値SOCEVtoHVよりも大きい第1所定値(例えば、図5の点P3に対応する値)」にまで回復すると、ハイブリッド車両10は自動的にEVモードにて運転されるようになる。更に、制御用残容量SOCcontが「モード切替閾値SOCEVtoHVよりも大きく且つ第1所定値よりも小さい第2所定値(例えば、図5の点P4に対応する値)」以上にまで回復した場合に、EVモードを希望する運転者がEVスイッチ96を操作すると、ハイブリッド車両10はEVモードにて運転されるようになる。
(残容量の表示の概要)
次に、表示画面73に表示される残容量情報(表示画面73の表示方法)について図5及び図6を参照しながら説明する。なお、図5における点P1〜点P7のそれぞれと図6の点P1〜点P7のそれぞれとは対応している。
ハイブリッド車両10がEVモードにて走行されていて、且つ、表示制御用残容量SOCDが図5に示した表示モード切替閾値SOCdpswよりも大きい場合、メータECU82は、セグメント表示を行わず、図6の(A)の点P1〜点P3に示したように、電池形状を模した表示画面73の点灯領域(着色領域)が表示制御用残容量SOCDの減少とともに小さくなるようにすることによって残容量情報を表示する。
ハイブリッド車両10がEVモードにて走行されている場合に表示制御用残容量SOCDが図5に示した表示モード切替閾値SOCdpswに一致すると、表示画面73は8個のセグメントを備える画面へと切り替えられる(図5及び図6の点P4を参照。)。この場合、8個のセグメントは総て点灯される。
その後、メータECU82は、表示制御用残容量SOCDが小さくなるほど、点灯するセグメント数を減少する。即ち、表示制御用残容量SOCDが図5の点P5から点P7に向けて小さくなるにつれて、図6の(A)の点P5から点P7に示したように8個のセグメントは最上部のセグメントから順に消灯される。
本例においては、表示画面73の8個のセグメントのうちの上から2個目のセグメント(第2セグメント)が消灯されたとき、走行モードがEVモードからHVモードへと切り替わったことを示すとユーザに告知されている。
前述したように、ハイブリッド車両10の走行モードは、制御用残容量SOCcontがモード切替閾値SOCEVtoHVに一致したときに、EVモードからHVモードへと切り替えられる。一方、上述した(1)式からも明らかなように、制御用残容量SOCcontと表示用残容量SOCdispとは相違するから、表示用残容量SOCdispに基づいて表示画面73に表示される情報を制御していると、図6の(B)の点P6に示したように、実際にEVモードからHVモードへとモードが切替わった時点と第2セグメントが消灯される時点とが相違してしまう。その結果、ユーザに違和感を与える。
これに対し、ハイブリッド車両10のメータECU82は、「表示用残容量SOCdispを後述するように修正した(加工した)表示制御用残容量SOCD」に基づいて表示画面73の8個のセグメントの点灯/消灯を制御する。その結果、図5及び図6の(A)の点P6に示したように、実際にEVモードからHVモードへとモードが切替わった時点と第2セグメントが消灯される時点とが一致する。その結果、ハイブリッド車両10は、ユーザに違和感を与えることを回避することができる。
(実際の作動)
上述した表示画面73の表示制御を実行するために、メータECU82のCPU(以下、単に「メータCPU」と称呼する。)は、図7に示したルーチンを所定時間が経過する毎に実行するようになっている。ここでは、外部充電がなされた後であってEVモードによるハイブリッド車両10の運転が開始されたと仮定する。
適切なタイミングになると、メータCPUは図7のステップ700から処理を開始してステップ710に進み、制御用残容量SOCcontが表示モード切替閾値SOCdpswよりも大きいか否かを判定する。前述の仮定によれば、制御用残容量SOCcontは十分に大きく、よって、表示モード切替閾値SOCdpswよりも大きい。
従って、メータCPUはステップ710にて「Yes」と判定してステップ720に進み、表示制御用残容量SOCDに表示用残容量SOCdispを格納(設定)する。次いで、メータCPUはステップ730に進み、表示制御用残容量SOCDに基づいて表示画面73の着色領域(点灯領域)の制御を行う。この場合、セグメント表示はなされない。その後、メータCPUはステップ795に進み、本ルーチンを一旦終了する。
その後、EVモードでの走行が継続することにより、制御用残容量SOCcontは次第に減少し、表示モード切替閾値SOCdpsw以下となる。この場合、メータCPUはステップ710にて「No」と判定してステップ740に進み、図8に示したサブルーチンを実行することによって表示制御用残容量SOCDを算出する。
即ち、メータCPUはステップ740に進むと、図8のステップ800から処理を開始してステップ810に進み、反映率αを制御用残容量SOCcontに基づいて取得する。
より具体的に述べると、メータECU82は、ROM内に図9に示した反映率α取得用のルックアップテーブルMapα(SOCcont)を格納している。メータCPUは、実際の制御用残容量SOCcontをテーブルMapα(SOCcont)に適用することによって反映率αを取得する。
このテーブルMapα(SOCcont)によれば、反映率αは、制御用残容量SOCcontが表示修正開始閾値SOCstart以上であるとき「1」になり、制御用残容量SOCcontが表示修正完了閾値SOCfinish以下であるとき「0」になるように求められる。更に、このテーブルMapα(SOCcont)によれば、反映率αは、制御用残容量SOCcontが表示修正完了閾値SOCfinishと表示修正開始閾値SOCstartとの間において表示修正開始閾値SOCstartに近づくほど「1」に近づくように取得され、制御用残容量SOCcontが表示修正完了閾値SOCfinishと表示修正開始閾値SOCstartとの間において表示修正完了閾値SOCfinishに近づくほど「0」に近づくように取得される。なお、メータCPUは、反映率αをテーブルMapα(SOCcont)と等価な関数f(即ち、α=f(SOCcont))により取得してもよい。なお、各閾値は、図9から明らかなように、次の関係を満たす。
SOCEVtoHV<SOCfinish<SOCstart<SOCdpsw
次いで、メータCPUはステップ820に進み、表示用残容量SOCdispが表示修正完了閾値SOCfinish未満であるか否かを判定する。このとき、表示用残容量SOCdispが表示修正完了閾値SOCfinish未満であると、メータCPUはステップ820にて「Yes」と判定してステップ830に進み、表示用残容量SOCdispに表示修正完了閾値SOCfinishを格納(設定)し、ステップ840に進む。即ち、メータCPUは、表示用残容量SOCdispが表示修正完了閾値SOCfinish以下とならないように表示用残容量SOCdispをガードする。これに対し、表示用残容量SOCdispが表示修正完了閾値SOCfinish以上であると、メータCPUはステップ820にて「No」と判定してステップ840に直接進む。
メータCPUは、ステップ840にて置換用残容量SOCreplaceを下記の(2)式に従って算出する。(2)式から明らかなように、反映率αは、表示用残容量SOCdispに対する重み係数と、制御用残容量SOCconに対する重み係数と、を定める値であり、置換用残容量SOCreplaceはそれらの重みを用いた加重平均値であると言うことができる。

SOCreplace=α・SOCdisp+(1−α)・SOCcont …(2)
上記(2)式によれば、制御用残容量SOCcontが表示修正開始閾値SOCstartと表示修正完了閾値SOCfinishとの間の値である場合、置換用残容量SOCreplaceは、制御用残容量SOCcontと表示用残容量SOCdispとの間の値であって、制御用残容量SOCcontと表示修正完了閾値SOCfinishとの差が小さくなるほど制御用残容量SOCcontとの差が小さくなる値として算出される。
換言すると、制御用残容量SOCcontが表示修正開始閾値SOCstartと表示修正完了閾値SOCfinishとの間の値である場合、置換用残容量SOCreplaceは、制御用残容量SOCcontと表示用残容量SOCdispとの間の値であり、且つ、表示修正完了閾値SOCfinish以上の値であり、且つ、制御用残容量SOCcontが表示修正完了閾値SOCfinishに近づくに連れて制御用残容量SOCcontに近づく値として算出される。
次いで、メータCPUはステップ850に進み、表示用残容量SOCdispと置換用残容量SOCreplaceとのうち小さい方を選択し、表示制御用残容量SOCDにその選択した値を格納(設定)する。その後、メータCPUはステップ895を介して図7のステップ750に進み、表示制御用残容量SOCDの値に基づいて表示画面73の表示制御(セグメントの点灯/消灯)を行う。その後、メータCPUはステップ795に進み、本ルーチンを一旦終了する。
この結果、表示制御用残容量SOCDは、表示用残容量SOCdispが制御用残容量SOCcontに対して遅れながら減少している場合には、図10に示したように変化する。即ち、表示制御用残容量SOCDは、制御用残容量SOCcontが表示修正開始閾値SOCstartに一致する時刻t1から次第に制御用残容量SOCcontに接近し始め、制御用残容量SOCcontが表示修正完了閾値SOCfinishに一致する時刻t2にて制御用残容量SOCcontに一致する。その後、表示制御用残容量SOCDは制御用残容量SOCcontと一致して減少する。
従って、制御用残容量SOCcontがモード切替閾値SOCEVtoHVに一致しする時刻t3、即ち、走行モードがEVモードからHVモードへと切り替えられる時刻t3において、表示制御用残容量SOCDは制御用残容量SOCcontと一致しているから、その時刻t3において表示画面73の第2セグメントが消灯される(図1の(B)の時刻t3に対応する表示画面73の表示状態及び図6の(A)の点P6に対応する表示画面73の表示状態を参照。)。
また、表示制御用残容量SOCDは、表示用残容量SOCdispが制御用残容量SOCcontに対して進みながら減少している場合には、例えば図11に示したように変化する。即ち、表示制御用残容量SOCDは、表示用残容量SOCdispが表示修正完了閾値SOCfinishに到達する時刻t5以降において、表示修正完了閾値SOCfinishに維持される(図8のステップ820、ステップ830及びステップ850を参照。)。なお、図11の一点鎖線は、この場合に算出される置換用残容量SOCreplaceを示している。
従って、図11に示した例においても、制御用残容量SOCcontがモード切替閾値SOCEVtoHV一致する時刻t30、即ち、走行モードがEVモードからHVモードへと切り替えられる時刻t30において、表示制御用残容量SOCDは制御用残容量SOCcontと一致しているから、その時刻t30において表示画面73の第2セグメントが消灯される。
よって、ハイブリッド車両10においては、実際にEVモードからHVモードへとモードが切替わった時点と表示画面73の第2セグメントが消灯される時点(及び、EVモード表示ランプ74が消灯される時点)とが一致するので、ユーザに違和感を与えることを回避することができる。更に、表示制御用残容量SOCDは比較的滑らかに制御用残容量SOCcontに近づくので、表示画面73のセグメントの消灯が不自然にならない。この点においても、ユーザに違和感を与えることを回避することができる。
以上、説明したように、本発明の実施形態に係るハイブリッド車両の表示装置は、
内燃機関20と、電動機(第2発電電動機MG2)と、前記電動機(第2発電電動機MG2)を駆動する電力を前記電動機に供給可能な蓄電装置(バッテリ64)と、充電部(充電器102、第1インバータ61及び昇圧コンバータ63等)と、前記蓄電装置の残容量を制御用残容量として推定する残容量推定部(バッテリECU81)と、制御部(PMECU80及びメータECU82等)と、を備えるハイブリッド車両に適用される。
前記充電部は、前記ハイブリッド車両の外部から供給される電力を生成し前記蓄電装置に供給するように構成されるとともに(充電器102及びインレット101)、前記内燃機関20の出力により発生させられる電力を変換して前記蓄電装置を充電する電力を生成する(動力分配機構30、第1発電電動機MG1、第1インバータ61、昇圧コンバータ63及びPMECU80等を参照。)。
前記制御部は、第1走行モード(EVモード)にて前記ハイブリッド車両を走行させ、且つ、第1走行モード中に制御用残容量がモード切替閾値よりも小さくなった場合、第2走行モード(HVモード)にてハイブリッド車両10を走行させる。
更に、本発明の実施形態に係るハイブリッド車両の表示装置は、
前記推定される制御用残容量に含まれる高周波数成分を低減するフィルタ処置を前記制御用残容量に施すことにより表示用残容量を取得し(上記(1)式を参照。)、
前記制御用残容量が、前記モード切替閾値よりも大きい表示修正開始閾値、よりも大きい場合には、反映率αを「1」に設定することにより、前記表示用残容量に基づいて前記残容量情報を表示画面(残容量表示画面表示器73)に表示し(図7のステップ740、図8のステップ810、ステップ840及び図9のテーブル等を参照。)、
前記制御用残容量が、前記モード切替閾値よりも大きく且つ前記表示修正開始閾値よりも小さい表示修正完了閾値、よりも小さい場合には、反映率αを「0」に設定することにより、前記制御用残容量に基づいて前記残容量情報を前記表示画面(残容量表示画面表示器73)に表示し(図7のステップ740、図8のステップ810、ステップ840及び図9のテーブル等を参照。)、
前記制御用残容量が、前記表示修正開始閾値以下であり、且つ、前記表示修正完了閾値以上である場合には、
前記制御用残容量が前記表示修正開始閾値と等しいとき、反映率αを「1」に設定することにより、前記表示用残容量に一致し、
前記制御用残容量が前記表示修正完了閾値と等しいとき、反映率αを「0」に設定することにより、前記制御用残容量に一致し、
前記制御用残容量が前記表示修正開始閾値よりも小さく且つ前記表示修正完了閾値よりも大きい場合に前記制御用残容量と前記表示用残容量との間の値であり且つ前記表示修正完了閾値以上の値であって、前記制御用残容量と前記表示修正完了閾値との差が小さくなるほど前記制御用残容量との差が小さくなる値(図7のステップ740、図8のステップ810、ステップ840及び図9のテーブル等を参照。)、
である表示制御用残容量、に基づいて前記残容量情報を前記表示画面(残容量表示画面73)に表示するように構成されている。
従って、EVモードからHVモードへの切り替え時点と、表示装置(残容量表示画面表示器73)に表示される残容量情報が「EVモードからHVモードへの切り替えに相当する残容量」を示す時点(第2セグメントが消灯される時点)と、を一致させることができる。その結果、ユーザに違和感を与えることを回避することができる。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、表示画面73は、表示制御用残容量SOCDが表示モード切替閾値SOCdpswに一致した後(即ち、EVモードからHVモードへと変更された後)、セグメントを用いた表示形態ではなく、EVモード時と同じ点灯領域を変更する態様であって点灯色がEVモード時の点灯色とは相違する態様にて残容量情報を表示してもよい。
10…ハイブリッド車両、20…内燃機関、30…動力分配機構、31…遊星歯車装置、50…動力伝達機構、51…ギア列、52…ディファレンシャルギア、53…駆動軸、61…第1インバータ、62…第2インバータ、63…昇圧コンバータ、64…バッテリ(蓄電装置)、70…コンビネーションメータ、73…残容量表示画面(表示画面、表示器)、101…インレット、102…充電器。

Claims (1)

  1. 内燃機関と、電動機と、前記電動機を駆動する電力を前記電動機に供給可能な蓄電装置と、充電部と、前記蓄電装置の残容量を制御用残容量として推定する残容量推定部と、制御部と、を備えるハイブリッド車両であって、
    前記充電部は、
    前記ハイブリッド車両の外部から供給される電力及び前記内燃機関の出力により発生させられる電力を変換して前記蓄電装置を充電する電力を生成し前記蓄電装置に供給するように構成され、
    前記制御部は、
    前記蓄電装置が前記外部から供給される電力により充電された後に前記制御用残容量がモード切替閾値よりも大きい場合、前記内燃機関を運転することなく前記電動機を駆動することにより前記ハイブリッド車両の駆動力の全部を前記電動機から発生させる第1運転状態を、前記内燃機関を運転するとともに前記電動機を駆動することにより前記ハイブリッド車両の駆動力を前記内燃機関及び前記電動機の両方から発生させる第2運転状態、よりも優先させる第1走行モードにて前記ハイブリッド車両を走行させ、且つ、
    前記第1走行モード中に前記制御用残容量が前記モード切替閾値よりも小さくなった場合、前記第1走行モードに比較して前記第2運転状態を前記第1運転状態よりも優先させる第2走行モードにて前記ハイブリッド車両を走行させるように構成された、
    ハイブリッド車両に適用され、
    前記蓄電装置の残容量を示すための情報である残容量情報を表示画面に表示するハイブリッド車両の表示装置であって、
    前記推定される制御用残容量に含まれる高周波数成分を低減するフィルタ処置を前記制御用残容量に施すことにより表示用残容量を取得し、
    前記表示用残容量が前記制御用残容量よりも遅れて低下する場合において、
    前記制御用残容量が、前記モード切替閾値よりも大きい表示修正開始閾値、よりも大きい場合には前記表示用残容量に基づいて前記残容量情報を前記表示画面に表示し、
    前記制御用残容量が、前記モード切替閾値よりも大きく且つ前記表示修正開始閾値よりも小さい表示修正完了閾値、よりも小さい場合には前記制御用残容量に基づいて前記残容量情報を前記表示画面に表示し、
    前記制御用残容量が、前記表示修正開始閾値以下であり、且つ、前記表示修正完了閾値以上である場合には、
    前記制御用残容量が前記表示修正開始閾値と等しいとき前記表示用残容量に一致し、
    前記制御用残容量が前記表示修正完了閾値と等しいとき前記制御用残容量に一致し、
    前記制御用残容量が前記表示修正開始閾値よりも小さく且つ前記表示修正完了閾値よりも大きい場合に前記制御用残容量と前記表示用残容量との間の値であり且つ前記表示修正完了閾値以上の値であって、前記制御用残容量と前記表示修正完了閾値との差が小さくなるほど前記制御用残容量との差が小さくなる値、である表示制御用残容量、に基づいて前記残容量情報を前記表示画面に表示するように構成された表示装置。
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