以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、プラグインハイブリッド車には、エンジン100と、第1MG(Motor Generator)110と、第2MG120と、動力分割機構130と、減速機140と、バッテリ150とが搭載される。なお、以下の説明においては一例としてプラグインハイブリッド車について説明するが、プラグインハイブリッド車の代わりに、外部の電源からの充電機能を有さないハイブリッド車を用いてもよい。
エンジン100、第1MG110、第2MG120、バッテリ150は、ECU(Electronic Control Unit)170により制御される。ECU170は複数のECUに分割するようにしてもよい。
この車両は、エンジン100および第2MG120のうちの少なくともいずれか一方からの駆動力により走行する。すなわち、エンジン100および第2MG120のうちのいずれか一方もしくは両方が、運転状態に応じて駆動源として自動的に選択される。
たとえばアクセル開度が小さい場合および車速が低い場合などには、第2MG120のみを駆動源としてプラグインハイブリッド車が走行する。この場合、エンジン100が停止される。ただし、発電などのためにエンジン100が駆動する場合がある。
また、アクセル開度が大きい場合、車速が高い場合、バッテリ150の残存容量(SOC:State Of Charge)が小さい場合などには、エンジン100が駆動される。この場合、エンジン100のみ、もしくはエンジン100および第2MG120の両方を駆動源としてプラグインハイブリッド車が走行する。
さらに、この車両は、CS(Charge Sustaining)モードとCD(Charge Depleting)モードとをたとえば自動で切替えて走行する。なお、CSモードとCDモードとを手動で切替えるようにしてもよい。
CSモードでは、バッテリ150に蓄えられた電力を所定の目標値に維持しながら、プラグインハイブリッド車が走行する。
CDモードでは、走行用としてバッテリ150に蓄えられた電力を維持せず、電力を用いて、主に第2MG120の駆動力のみでプラグインハイブリッド車が走行する。ただし、CDモードでは、アクセル開度が高い場合および車速が高い場合などには、駆動力を補うためにエンジン100が駆動され得る。
CSモードは、HVモードと記載される場合もある。同様に、CDモードは、EVモードと記載される場合もある。ただし、本願におけるHVモード(CSモード)およびEVモード(CDモード)は、特開2009−23563号公報に記載されたHVモードおよびEVモードとは異なる。なお、CSモードおよびCDモードについては後でさらに説明する。
エンジン100は、内燃機関である。燃料と空気の混合気が燃焼室内で燃焼することよって、出力軸であるクランクシャフトが回転する。エンジン100から排出される排気ガスは、触媒102によって浄化された後、車外に排出される。触媒102は、特定の温度まで暖機されることによって浄化作用を発揮する。触媒102の暖機は、排気ガスの熱を利用して行なわれる。触媒102は、たとえば三元触媒である。
エンジン100、第1MG110および第2MG120は、動力分割機構130を介して接続されている。エンジン100が発生する動力は、動力分割機構130により、2経路に分割される。一方は減速機140を介して前輪160を駆動する経路である。もう一方は、第1MG110を駆動させて発電する経路である。
第1MG110は、U相コイル、V相コイルおよびW相コイルを備える、三相交流回転電機である。第1MG110は、動力分割機構130により分割されたエンジン100の動力により発電する。第1MG110により発電された電力は、車両の走行状態や、バッテリ150の残存容量の状態に応じて使い分けられる。たとえば、通常走行時では、第1MG110により発電された電力はそのまま第2MG120を駆動させる電力となる。一方、バッテリ150のSOCが予め定められた値よりも低い場合、第1MG110により発電された電力は、後述するインバータにより交流から直流に変換される。その後、後述するコンバータにより電圧が調整されてバッテリ150に蓄えられる。
第1MG110が発電機として作用している場合、第1MG110は負のトルクを発生している。ここで、負のトルクとは、エンジン100の負荷となるようなトルクをいう。第1MG110が電力の供給を受けてモータとして作用している場合、第1MG110は正のトルクを発生する。ここで、正のトルクとは、エンジン100の負荷とならないようなトルク、すなわち、エンジン100の回転をアシストするようなトルクをいう。なお、第2MG120についても同様である。
第2MG120は、U相コイル、V相コイルおよびW相コイルを備える、三相交流回転電機である。第2MG120は、バッテリ150に蓄えられた電力および第1MG110により発電された電力のうちの少なくともいずれかの電力により駆動する。
第2MG120の駆動力は、減速機140を介して前輪160に伝えられる。これにより、第2MG120はエンジン100をアシストしたり、第2MG120からの駆動力により車両を走行させたりする。なお、前輪160の代わりにもしくは加えて後輪を駆動するようにしてもよい。
プラグインハイブリッド車の回生制動時には、減速機140を介して前輪160により第2MG120が駆動され、第2MG120が発電機として作動する。これにより第2MG120は、制動エネルギを電力に変換する回生ブレーキとして作動する。第2MG120により発電された電力は、バッテリ150に蓄えられる。
動力分割機構130は、サンギヤと、ピニオンギヤと、キャリアと、リングギヤとを含む遊星歯車から構成される。ピニオンギヤは、サンギヤおよびリングギヤと係合する。キャリアは、ピニオンギヤが自転可能であるように支持する。サンギヤは第1MG110の回転軸に連結される。キャリアはエンジン100のクランクシャフトに連結される。リングギヤは第2MG120の回転軸および減速機140に連結される。
エンジン100、第1MG110および第2MG120が、遊星歯車からなる動力分割機構130を介して連結されることで、エンジン100、第1MG110および第2MG120の回転数は、共線図において直線で結ばれる関係になる。
バッテリ150は、複数のバッテリセルを一体化したバッテリモジュールを、さらに複数直列に接続して構成された組電池である。バッテリ150の電圧は、たとえば200V程度である。バッテリ150には、第1MG110および第2MG120の他、車両の外部の電源から供給される電力が充電される。なお、バッテリ150の代わりにもしくは加えてキャパシタを用いるようにしてもよい。
図2を参照して、プラグインハイブリッド車の電気システムについてさらに説明する。プラグインハイブリッド車には、コンバータ200と、第1インバータ210と、第2インバータ220と、SMR(System Main Relay)230と、充電器240と、インレット250とが設けられる。
コンバータ200は、リアクトルと、二つのnpn型トランジスタと、二つダイオードとを含む。リアクトルは、各バッテリの正極側に一端が接続され、2つのnpn型トランジスタの接続点に他端が接続される。
2つのnpn型トランジスタは、直列に接続される。npn型トランジスタは、ECU170により制御される。各npn型トランジスタのコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すようにダイオードがそれぞれ接続される。
なお、npn型トランジスタとして、たとえば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いることができる。npn型トランジスタに代えて、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)等の電力スイッチング素子を用いることができる。
バッテリ150から放電された電力を第1MG110もしくは第2MG120に供給する際、電圧がコンバータ200により昇圧される。逆に、第1MG110もしくは第2MG120により発電された電力をバッテリ150に充電する際、電圧がコンバータ200により降圧される。
コンバータ200と、各インバータとの間のシステム電圧VHは、電圧センサ180により検出される。電圧センサ180の検出結果は、ECU170に送信される。
第1インバータ210は、U相アーム、V相アームおよびW相アームを含む。U相アーム、V相アームおよびW相アームは並列に接続される。U相アーム、V相アームおよびW相アームは、それぞれ、直列に接続された2つのnpn型トランジスタを有する。各npn型トランジスタのコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードがそれぞれ接続される。そして、各アームにおける各npn型トランジスタの接続点は、第1MG110の各コイルの中性点112とは異なる端部にそれぞれ接続される。
第1インバータ210は、バッテリ150から供給される直流電流を交流電流に変換し、第1MG110に供給する。また、第1インバータ210は、第1MG110により発電された交流電流を直流電流に変換する。
第2インバータ220は、U相アーム、V相アームおよびW相アームを含む。U相アーム、V相アームおよびW相アームは並列に接続される。U相アーム、V相アームおよびW相アームは、それぞれ、直列に接続された2つのnpn型トランジスタを有する。各npn型トランジスタのコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードがそれぞれ接続される。そして、各アームにおける各npn型トランジスタの接続点は、第2MG120の各コイルの中性点122とは異なる端部にそれぞれ接続される。
第2インバータ220は、バッテリ150から供給される直流電流を交流電流に変換し、第2MG120に供給する。また、第2インバータ220は、第2MG120により発電された交流電流を直流電流に変換する。
コンバータ200、第1インバータ210および第2インバータ220は、ECU170により制御される。
SMR230は、バッテリ150と充電器240との間に設けられる。SMR230は、バッテリ150と電気システムとを接続した状態および遮断した状態を切換えるリレーである。SMR230が開いた状態であると、バッテリ150が電気システムから遮断される。SMR230が閉じた状態であると、バッテリ150が電気システムに接続される。
すなわち、SMR230が開いた状態であると、バッテリ150が、コンバータ200および充電器240などから電気的に遮断される。SMR230が閉じた状態であると、バッテリ150が、コンバータ200および充電器240などと電気的に接続される。
SMR230の状態は、ECU170により制御される。たとえば、ECU170が起動すると、SMR230が閉じられる。ECU170が停止する際、SMR230が開かれる。
充電器240は、バッテリ150とコンバータ200との間に接続される。図3に示すように、充電器240は、AC/DC変換回路242と、DC/AC変換回路244と、絶縁トランス246と、整流回路248とを含む。
AC/DC変換回路242は、単相ブリッジ回路から成る。AC/DC変換回路242は、ECU170からの駆動信号に基づいて、交流電力を直流電力に変換する。また、AC/DC変換回路242は、コイルをリアクトルとして用いることにより電圧を昇圧する昇圧チョッパ回路としても機能する。
DC/AC変換回路244は、単相ブリッジ回路から成る。DC/AC変換回路244は、ECU170からの駆動信号に基づいて、直流電力を高周波の交流電力に変換して絶縁トランス246へ出力する。
絶縁トランス246は、磁性材から成るコアと、コアに巻回された一次コイルおよび二次コイルを含む。一次コイルおよび二次コイルは、電気的に絶縁されており、それぞれDC/AC変換回路244および整流回路248に接続される。絶縁トランス246は、DC/AC変換回路244から受ける高周波の交流電力を一次コイルおよび二次コイルの巻数比に応じた電圧レベルに変換して整流回路248へ出力する。整流回路248は、絶縁トランス246から出力される交流電力を直流電力に整流する。
AC/DC変換回路242とDC/AC変換回路244との間の電圧(平滑コンデンサの端子間電圧)は、電圧センサ182により検出され、検出結果を表わす信号がECU170に入力される。また、充電器240の出力電流は、電流センサ184により検出され、検出結果を表わす信号がECU170に入力される。さらに、充電器240の温度は、温度センサ186により検出され、検出結果を表わす信号がECU170に入力される。
ECU170は、車両外部の電源からバッテリ150の充電が行なわれるとき、充電器240を駆動するための駆動信号を生成して充電器240へ出力する。
ECU170は、充電器240の制御機能の他、充電器240のフェール検出機能を有する。電圧センサ182により検出される電圧、電流センサ184により検出される電流、温度センサ186により検出される温度などがしきい値以上であると、充電器240のフェールが検出される。
インレット250は、たとえばプラグインハイブリッド車の側部に設けられる。インレット250には、プラグインハイブリッド車と外部の電源402とを連結する充電ケーブル300のコネクタ310が接続される。
プラグインハイブリッド車と外部の電源402とを連結する充電ケーブル300は、コネクタ310と、プラグ320と、CCID(Charging Circuit Interrupt Device)330とを含む。
充電ケーブル300のコネクタ310は、プラグインハイブリッド車に設けられたインレット250に接続される。コネクタ310には、スイッチ312が設けられる。充電ケーブル300のコネクタ310が、プラグインハイブリッド車に設けられたインレット250に接続された状態でスイッチ312が閉じると、充電ケーブル300のコネクタ310が、プラグインハイブリッド車に設けられたインレット250に接続された状態であることを表わすコネクタ信号CNCTがECU170に入力される。
スイッチ312は、充電ケーブル300のコネクタ310をハイブリッド車のインレット250に係止する係止金具に連動して開閉する。係止金具は、コネクタ310に設けられたボタンを操作者が押すことにより揺動する。
たとえば、充電ケーブル300のコネクタ310がハイブリッド車に設けられたインレット250に接続した状態で、操作者が、図4に示すコネクタ310のボタン314から指を離した場合、係止金具316がハイブリッド車に設けられたインレット250に係合するとともに、スイッチ312が閉じる。操作者がボタン314を押すと、係止金具316とインレット250との係合が解除されるとともに、スイッチ312が開く。なお、スイッチ312を開閉する方法はこれに限らない。
図3に戻って、充電ケーブル300のプラグ320は、家屋に設けられたコンセント400に接続される。コンセント400には、プラグインハイブリッド車の外部の電源402から交流電力が供給される。
CCID330は、リレー332およびコントロールパイロット回路334を有する。リレー332が開いた状態では、プラグインハイブリッド車の外部の電源402からプラグインハイブリッド車へ電力を供給する経路が遮断される。リレー332が閉じた状態では、プラグインハイブリッド車の外部の電源402からプラグインハイブリッド車へ電力を供給可能になる。リレー332の状態は、充電ケーブル300のコネクタ310がプラグインハイブリッド車のインレット250に接続された状態でECU170により制御される。
コントロールパイロット回路334は、充電ケーブル300のプラグ320がコンセント400、すなわち外部の電源402に接続され、かつコネクタ310がプラグインハイブリッド車に設けられたインレット250に接続された状態において、コントロールパイロット線にパイロット信号(方形波信号)CPLTを送る。パイロット信号は、コントロールパイロット回路334内に設けられた発振器から発振される。
コントロールパイロット回路334は、充電ケーブル300のプラグ320がコンセント400に接続されると、コネクタ310がプラグインハイブリッド車に設けられたインレット250から外されていても、一定のパイロット信号CPLTを出力し得る。ただし、コネクタ310がプラグインハイブリッド車に設けられたインレット250から外された状態で出力されたパイロット信号CPLTを、ECU170は検出できない。
充電ケーブル300のプラグ320がコンセント400に接続され、かつコネクタ310がプラグインハイブリッド車のインレット250に接続されると、コントロールパイロット回路334は、予め定められたパルス幅(デューティサイクル)のパイロット信号CPLTを発振する。
パイロット信号CPLTのパルス幅により、供給可能な電流容量がプラグインハイブリッド車に通知される。たとえば、充電ケーブル300の電流容量がプラグインハイブリッド車に通知される。パイロット信号CPLTのパルス幅は、外部の電源402の電圧および電流に依存せずに一定である。
一方、用いられる充電ケーブルの種類が異なれば、パイロット信号CPLTのパルス幅は異なり得る。すなわち、パイロット信号CPLTのパルス幅は、充電ケーブルの種類毎に定められ得る。
本実施の形態においては、充電ケーブル300によりプラグインハイブリッド車と外部の電源402とが連結された状態において、外部の電源402から供給された電力がバッテリ150に充電される。バッテリ150の充電時には、SMR230、CCID330内のリレー332が閉じられる。
外部の電源402の交流電圧VACは、プラグインハイブリッド車の内部に設けられた電圧センサ188により検出される。検出された電圧VACは、ECU170に送信される。
図5を参照して、CSモードおよびCDモードについて、さらに説明する。CSモードとCDモードとのうちのいずれのモードを選択するかは、ECU170が決定する。たとえば、バッテリ150のSOCがしきい値以下である場合、CSモードが選択される。バッテリ150のSOCがしきい値よりも大きい場合、CDモードが選択される。
より具体的には、バッテリ150のSOCがしきい値以下である場合、もしくは、CSモードが選択された状態でプラグインハイブリッド車の電気システムが前回停止された場合、CSモードが選択される。
バッテリ150のSOCがしきい値よりも大きく、かつプラグインハイブリッド車の外部の電源402によりバッテリ150が充電された履歴がある場合、もしくは、バッテリ150のSOCがしきい値よりも大きく、かつCDモードが選択された状態でプラグインハイブリッド車の電気システムが前回停止された場合、CDモードが選択される。バッテリ150の充電はECU170が制御するため、プラグインハイブリッド車の外部の電源402によりバッテリ150が充電された履歴があるか否かは、たとえばフラグなどを用いてECU170の内部で判断される。なお、CSモードおよびCDモードの選択方法は、これに限らない。
CSモードおよびCDモードでは、エンジン100および第2MG120のうちの少なくともいずれか一方からの駆動力によりプラグインハイブリッド車が走行する。
図6に示すように、プラグインハイブリッド車の走行パワーがエンジン始動しきい値より小さいと、第2MG120の駆動力のみを用いてプラグインハイブリッド車が走行する。
一方、プラグインハイブリッド車の走行パワーがエンジン始動しきい値以上になると、エンジン100が駆動される。これにより、第2MG120の駆動力に加えて、もしくは代わりに、エンジン100の駆動力を用いてプラグインハイブリッド車が走行する。また、エンジン100の駆動力を用いて第1MG110が発電した電力が第2MG120に直接供給される。
走行パワーは、たとえばアクセル開度および車速をパラメータに有するマップに従って算出される。なお、走行パワーを算出する方法はこれに限らない。
CSモードにおけるエンジン始動しきい値は、CDモードにおけるエンジン始動しきい値よりも小さい。したがって、CSモードにおいてエンジン100が駆動する頻度は、CDモードにおいてエンジン100が駆動する頻度よりも高い。
また、CDモードにおいてバッテリ150に充電される電力が、CSモードにおいてバッテリ150に充電される電力に比べて小さくされる。具体的には、CSモードでは、バッテリ150の充電電力がバッテリ150のSOCに応じて定められる。エンジン100は、定められた充電電力に相当する電力を、第1MG110を用いて発電できるように駆動される。一方、CDモードでは、通常、バッテリ150の充電電力が零に定められる。すなわち、CDモードでは、回生制動により得られた電力はバッテリ150に充電されるが、バッテリ150を充電することを目的としたエンジン100の駆動は行なわれない。
したがって、CDモードでは、バッテリ150に蓄えられた電力、特に、プラグインハイブリッド車の外部の電源402から供給された電力が積極的に消費される。
図7を参照して、ハイブリッド車の車室の前方に設けられたインストルメントパネル190について説明する。
インストルメントパネル190上には、ディスプレイ192が設けられる。図8に示すように、ディスプレイ192上には、CSモードでプラグインハイブリッド車が走行した距離、および、CDモードで、かつエンジン100が駆動した状態でプラグインハイブリッド車が走行した距離を含む第1距離501が表示される。また、ディスプレイ192上には、CDモードで、かつエンジン100が停止した状態でハイブリッド車が走行した第2距離502が表示される。
さらに、ディスプレイ192上には、第1距離501および第2距離502に加えて、プラグインハイブリッド車の総走行距離503が表示される。なお、距離自体を計測する方法については、周知の一般的な技術を利用すればよいため、ここではその詳細な説明は繰返さない。
さらに、ディスプレイ192上には、第1距離501と第2距離502との比率を示すインジケータ510が表示される。インジケータ510中の斜線部は、CDモードで、かつエンジン100が停止した状態でプラグインハイブリッド車が走行した第2距離502に相当する。
さらに、ディスプレイ192上には、インジケータ510に加えて、総走行距離503に対する第1距離501の比率511および総走行距離503に対する第2距離502の比率512が表示される。
インジケータ510の他、総走行距離503に対する第1距離501の比率511、および総走行距離503に対する第2距離502の比率512により、第1距離501と第2距離502との比率が示される。
なお、表示形態はこれらに限らず、さまざまな形態を用いて、第1距離501と第2距離502との比率を表示するようにしてもよい。たとえば、アイコン、グラフ、ヒストグラムなど、周知の表示形態を利用して第1距離501と第2距離502との比率を表示するようにしてもよい。
以上のように、CDモードにおいてバッテリ150に充電される電力は、CSモードにおいてバッテリ150に充電される電力よりも小さい。したがって、CDモードでは、CSモードに比べて、バッテリ150に充電された電力が積極的に消費される。言い換えると、CSモードにおいては、バッテリ150に充電された電力の消費量が、CDモードにおいてバッテリ150に充電された電力の消費量に比べて低減される。ところで、エンジン100が駆動した場合、バッテリ150に蓄えられた電力の消費量が減少される。したがって、CSモードおよびCDモードにおいて、エンジン100が駆動した状態でプラグインハイブリッド車が走行した距離は、バッテリ150に蓄えられた電力を積極的に用いてプラグインハイブリッド車が走行した距離とは区別することが望ましい。また、CSモードでは、CDモードに比べて、バッテリ150に充電された電力の消費量が減少される。そのため、CSモードにおいて、エンジン100が停止した状態でプラグインハイブリッド車が走行した距離は、バッテリ150に蓄えられた電力を積極的に用いてプラグインハイブリッド車が走行した距離とは区別することが望ましい。したがって、CDモードで、かつエンジンが停止した状態でプラグインハイブリッド車が走行した第2距離502のみが、バッテリ150に蓄えられた電力を積極的に用いてプラグインハイブリッド車が走行した距離とみなされる。よって、CSモードでプラグインハイブリッド車が走行した距離、および、CDモードで、かつエンジン100が駆動した状態でプラグインハイブリッド車が走行した距離を含む第1距離501と、CDモードで、かつエンジン100が停止した状態でプラグインハイブリッド車が走行した第2距離502との比率が表示される。これにより、バッテリ150に蓄えられた電力、より具体的には、車両の外部から供給された電力を積極的に用いてプラグインハイブリッド車が走行した距離の比率を表示することができる。そのため、走行距離の表示に関するドライバの利便性を向上することができる。
なお、図9に示すように、ディスプレイ192上に、CDモードで、かつエンジン100が停止した状態でハイブリッド車が消費した電力量を示すアイコン520をさらに表示するようにしてもよい。図9では、表示されるアイコン520の数が多いほど、電力量が大きいことを示す。なお、表示形態はこれらに限らず、さまざまな形態を用いて、CDモードで、かつエンジン100が停止した状態でハイブリッド車が消費した電力量を表示するようにしてもよい。たとえば、エンジン100が停止した状態でハイブリッド車が消費した電力量を、数値、グラフおよびヒストグラムなどを用いて表示するようにしてもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。