JP5886590B2 - 剥離処理剤用化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
これらの剥離処理剤は、一般にプラスチック粘着テープ・フィルムに、また粘着和紙などの背面処理剤として使用されている。剥離処理剤は通常、基材に塗布(1g以下/m2)して使用されるが、その場合は、予めベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族系有機溶剤に1〜5%濃度で加温溶解して塗布し、さらに塗布後に溶剤を加熱蒸発させている。ベンゼン、トルエンなど芳香族系有機溶剤はVOC規制対象溶剤でもあり、環境上問題となっている。さらに、これらの溶剤に溶解した剥離処理剤溶液は常温以下ではゲル化や粘度上昇が起こり、使用前に加温溶解する必要があり、作業時間の延長、煩雑さを強いられ、ハンドリング性にも問題を抱えている。この問題を解決する試みとして、特許文献3には、アルキルカーバメート系剥離処理剤をトルエン等の芳香族系有機溶剤とエタノールまたは/およびn−プロパノールとの混合溶剤を用いる方法が提案されている。しかし、この方法でも、常温以下でゲル化および増粘は避けられるものの、環境に好ましくない芳香族系有機溶剤を主成分とする混合溶剤であり、また10℃以下の温度では充分な流動性が保持できていない。
このような事情に鑑み、本発明は、環境問題がなく、常温またはそれ以下の温度でゲル化や増粘がなく、溶液安定性、塗工性、ハンドリング性に優れた工業的に有用なアルキル尿素系またはアルキルカーバメート系すなわち非シリコーン系の剥離処理剤用化合物の製造方法を提供することを目的としている。
(2)前記ビニルアルコール系重合体が、ポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールである、前記(1)の剥離処理剤用化合物の製造方法。
(3)前記モノイソシアネートが、炭素数8〜28のアルキルモノイソシアネートである、前記(1)または(2)の剥離処理剤用化合物の製造方法。
(4)前記ジイソシアネートが、脂肪族ジイソシアネートまたは芳香族ジイソシアネートである、前記(1)〜(3)のいずれかの剥離処理剤用化合物の製造方法。
(5)前記ジアルキルアミンが、アルキル基1つにつき炭素数2〜28のジアルキルアミンである、前記(1)〜(4)のいずれかの剥離処理剤用化合物の製造方法。
本発明の剥離処理剤用化合物の製造方法は、ポリエチレンイミンまたはビニルアルコール系重合体とモノイソシアネートとをイソシアネート基/活性水素の当量比0.6〜0.95/1.0で反応させ、さらにこれにジイソシアネートをイソシアネート基/残存活性水素の当量比2.0/1.0で反応させ、またさらにこれにジアルキルアミンを残存イソシアネート基/活性水素の当量比1.0/1.0で反応させるものである。
ポリビニルアルコールはポリビニルアセテートをけん化することにより得られるが、そのけん化度は70〜100モル%であることが好ましく、さらに数平均分子量は100〜5000であることが好ましい。
変性ポリビニルアルコールとは、エチレン、プロピレン、不飽和カルボン酸またはそのエステル等のコモノマーで共重合変性されたビニルアルコール系重合体や、これをさらにウレタン化、アセタール化の後変性を行ったものなどであり、数平均分子量800〜2500のものが好ましい。
具体的には、オクチルイソシアネート、ノニルイソシアネート、デシルイソシアネート、ドデシルイソシアネート、テトラデシルイソシアネート、ヘキサデシルイソシアネート、オクタデシルイソシアネート、これらの任意の混合物などである。これらのうち、剥離性能などを考慮すると、オクタデシルイソシアネートが好適である。
使用する反応溶剤の量は特に限定しないが、反応物の粘度を考慮すれば、固形分15〜50質量%、更に20〜35質量%であることが好ましい。
また、ポリエチレンイミンまたはビニルアルコール系重合体の活性水素(−NH基または−OH基)に対するモノイソシアネートのイソシアネート基の比は、イソシアネート基/活性水素の当量比0.6〜0.95/1.0、好ましくは0.70〜0.80/1.0である。この当量比が0.6未満/1.0では有機溶剤への溶解性は向上するが、剥離性能が低下し、また0.95超/1.0では有機溶剤への溶解性向上は改善されず、本発明の目的を達成することができない。
反応温度は、ポリエチレンイミンとの反応の場合は50℃〜100℃、更に70℃〜90℃であることが好ましい。温度が低いと反応時間が長くなるし、また温度が高いと反応物が著しく着色する。反応時間は上記の温度で1〜5時間、更に2〜4時間であることが好ましい。
一方、ポリビニルアルコール系重合体の活性基は−OHであり、脂肪族系のモノイソシアネートに結合したイソシアネート基との反応はかなり遅いため、反応温度は100〜130℃、更に溶剤の沸点付近とするのが好ましい。反応時間は3〜7時間、通常は5〜6時間であることが好ましい。ウレタン化反応用触媒を併用する場合は数十ppm添加するのが良い。
なお反応物の酸化・着色を防止するため、反応は窒素などの不活性ガス中で行うのが好ましい。
実施例1
乾燥結晶は、溶解性試験、溶液安定性試験、融点測定、剥離性能試験に供した。
実施例2
乾燥結晶は、溶解性試験、溶液安定性試験、融点測定、剥離性能試験に供した。
実施例3
乾燥結晶は、溶解性試験、溶液安定性試験、融点測定、剥離性能試験に供した。
比較例1
乾燥結晶は、溶解性試験、溶液安定性試験、融点測定、剥離性能試験に供した。
(試験方法)
融点は、JISの融点測定方法(JIS K 0064キャピラリー法)によった。
剥離性能試験は、基材フィルムとして市販のコロナ処理ポリエステルフィルムを用い、粘着剤としては広範に使用されているゴム系、およびアクリル系粘着剤を用いて実施した。剥離処理剤の濃度を1%トルエン溶液とし、剥離処理剤0.1g/m2付着するように基材フィルムに塗布し、乾燥後、この基材上に25mm幅の粘着テープを自重2kgのゴムローラーを2往復させて圧着して試験テープとし、常態(23℃、相対湿度65%)、および加熱60℃のそれぞれの恒温室にて、20g/cm2の荷重を加えて24時間保ち、さらにそれを常態で2時間放置後に測定に供した。
剥離力および残存接着力の測定は、試験機:オートグラフ:AG−10kNX(島津製作所製)、180℃剥離−速度300mm/minの条件で、残存接着力は剥離力試験後のテープをSUS板に張り付け、2kgのゴムローラーを2往復してさせて圧着後、常態で2時間放置後に測定した。
表1から明らかなように、溶解性に差はないが、溶液安定性は比較例1(実用的に使用される例)が常温でもゲル化する。一方、本発明の実施例1〜3では常温、10℃でも溶液はゲル化することなく、安定性に優れていることが明らかである。また、本発明の実施例1〜3の剥離処理剤は、VOC規制がなく、環境問題のないヘキサンやヘプタンにも容易に溶解し、常温以下での安定性にも優れることは特筆できる。すなわち本発明の実施例1〜3の剥離処理剤溶液は、実際、加温せずに常温以下でも使用でき、特に冬季や寒冷地においての使用に好都合である。剥離性能も比較例1と遜色なく、幅広く利用できる有用な剥離処理剤であることが分かる。
Claims (5)
- ポリエチレンイミンまたはビニルアルコール系重合体とモノイソシアネートとをイソシアネート基/活性水素の当量比0.6〜0.95/1.0で反応させ、さらにこれにジイソシアネートをイソシアネート基/残存活性水素の当量比2.0/1.0で反応させ、またさらにこれにジアルキルアミンを残存イソシアネート基/活性水素の当量比1.0/1.0で反応させること、を特徴とする剥離処理剤用化合物の製造方法。
- 前記ビニルアルコール系重合体が、ポリビニルアルコールまたは変性ポリビニルアルコールである、請求項1に記載の剥離処理剤用化合物の製造方法。
- 前記モノイソシアネートが、炭素数8〜28のアルキルモノイソシアネートである、請求項1または2に記載の剥離処理剤用化合物の製造方法。
- 前記ジイソシアネートが、脂肪族ジイソシアネートまたは芳香族ジイソシアネートである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の剥離処理剤用化合物の製造方法。
- 前記ジアルキルアミンが、アルキル基1つにつき炭素数2〜28のジアルキルアミンである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の剥離処理剤用化合物の製造方法。
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