JP5886538B2 - ウェーハの加工方法 - Google Patents

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本発明は、ウェーハの裏面側から表面の分割予定ラインを検出し、検出した分割予定ラインに沿って切断を行い個々のデバイスに分割する方法に関する。
IC、LSI等の複数のデバイスが分割予定ラインによって区画されて形成されたデバイス領域と、そのデバイス領域を囲繞する外周余剰領域とが表面に形成されたウェーハは、分割予定ラインに沿って切断することにより個々のデバイスに分割され、各種電子機器等に利用されている。
ウェーハをデバイスに分割する前には、電子機器等の軽量化、小型化を図るために、ウェーハの裏面が研削され、その厚みが50μm乃至30μmと薄く形成される。
一方、ウェーハを薄く加工すると紙のように腰がなくなり、搬送が困難になるとともに、ウェーハの裏面に電極となる金属膜を被覆する工程においても取り扱いが困難になるという問題がある。
そこで、ウェーハの裏面研削時に表面のデバイスが形成された領域の裏側のみを研削してその周囲にリング状補強部を形成し、その後の取り扱いを容易とする発明が本出願人により提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開2007−19461号公報
しかし、ウェーハを裏面側から切断してデバイスに分割するには、裏面側から表面の分割予定ラインを検出する必要があるところ、裏面に金属膜が被覆されていると、赤外線による撮像によってもウェーハの表面に形成された分割予定ラインを裏面から検出することができないことがあり、実質的に裏面から切断を行うことができないという問題がある。
本発明は、このような問題にかんがみなされたもので、リング状補強部が形成され裏面に金属膜が被覆されたウェーハを裏面側から個々のデバイスに分割できるようにすることを課題とする。
本発明は、複数のデバイスが分割予定ラインによって区画されて形成されたデバイス領
域と、デバイス領域を囲繞する外周余剰領域とが表面に形成されたウェーハを個々のデバ
イスに分割するウェーハの加工方法に関するもので、以下の各工程を含む
(1)ウェーハの表面に保護部材を貼着して保護部材側を研削装置のチャックテーブルに
保持する保持工程、
(2)ウェーハの裏面のうちデバイス領域の裏側に相当する部分を研削砥石により研削し
て凹部を形成するとともに、凹部の外周側に外周余剰領域を含むリング状補強部を形成す
る裏面研削工程、
(3)ウェーハの裏面に金属膜を被覆する金属膜被覆工程、
(4)ウェーハの表面にダイシングテープを貼着するとともにウェーハを収容する開口部
を有するフレームにダイシングテープの周縁部を貼着してダイシングテープを介してウェ
ーハをフレームで支持し、フレームで支持されたウェーハのダイシングテープ側を切削装
置の保持テーブルに保持し、金属膜が被覆されたリング状補強部を切削ブレードにより切削し、ウェーハ表面に形成されたアライメントマークが存在する位置に対応する該リング状補強部上の位置にウェーハの分割加工時に形成される溝より太い溝を形成して金属膜を除去する溝形成工程、
(5)赤外線カメラを備えた撮像手段によって溝を撮像して表面に形成された分割予定ラ
インを検出するアライメント工程、
(6)検出された分割予定ラインを切削ブレードによって切削して個々のデバイスに分割
する分割工程。
本発明は、溝形成工程において金属膜が被覆されたリング状補強部を切削ブレードによって切削し、ウェーハ表面に形成されたアライメントマークが存在する位置に対応する該リング状補強部上の位置にウェーハの分割加工時に形成される溝より太い溝を形成して金属膜を除去することにより、アライメント工程において赤外線で該太い溝を撮像することによってウェーハ表面に形成された分轄予定ラインを検出することができるため、ウェーハの裏面側から分割予定ラインを切断して個々のデバイスに分割することができる。
ウェーハの表面に保護部材を貼着する状態を示す斜視図である。 表面に保護部材を貼着したウェーハを示す斜視図である。 ウェーハの裏面を研削して凹部を形成する状態を示す斜視図である。 凹部が形成されたウェーハを示す断面図である。 減圧成膜装置の一例を略示的に示す断面図である。 裏面に金属膜が形成されたウェーハを示す断面図である。 ウェーハがダイシングテープを介してフレームに支持された状態を示す斜視図である。 切削装置の一例を示す斜視図である。 リング状補強部を切削して溝を形成する状態を示す斜視図である。 溝が形成されたウェーハの一例を示す斜視図である。 リング状補強部を切削して溝を形成する状態を示す断面図である。 赤外線カメラによりアライメントマークを撮像する状態を略示的に示す断面図である。 ウェーハを切削する状態を示す斜視図である。
図1に示すウェーハ1の表面1aには、複数のデバイス100が形成されたデバイス領域10を備えており、デバイス領域10は、外周余剰領域11によって囲繞されている。デバイス領域10においては、複数のデバイス100が分割予定ライン101によって区画されて形成されている。外周余剰領域11における分割予定ライン101の延長線上には、分割予定ライン101を検出するためのアライメントマーク110が形成されている。また、ウェーハ1の周縁部には、結晶方位を示すマークであるノッチ120が形成されている。
(1)保持工程
図1及び図2に示すように、ウェーハ1の表面1aに保護部材2を貼着する。保護部材2としては、例えば粘着テープ、PET(ポリエチレンテレフタレート)からなる硬質基板等を使用することができる。
表面1aに保護部材2が貼着されたウェーハ1は、例えば図3に示す研削装置3のチャックテーブル30に保持される。この研削装置3は、被研削物を保持し図示しないモータによって駆動されて回転するチャックテーブル30と、チャックテーブル30に保持された被研削物を研削する研削手段31とを備えている。研削手段31は、鉛直方向の軸心を有し回転可能な回転軸310と、回転軸310の下端に装着されたホイール311と、ホイール311の下面に円環状に固着された研削砥石312と、回転軸310を回転駆動する駆動部313とを備えており、全体として昇降可能となっている。研削砥石312は、その回転軌道の最外周の直径が、ウェーハ1のデバイス領域10の半径より大きくデバイス領域10の直径より小さくなるように形成されており、かつ、回転軌道の最内周の直径がデバイス領域10の半径より小さくなるように形成されている。チャックテーブル30では、保護部材2側が保持され、ウェーハ1の裏面1bが露出した状態となる。
(2)裏面研削工程
裏面1bが露出した状態でウェーハ1がチャックテーブル30に保持されると、チャックテーブル30を回転させるとともに、駆動部313が回転軸310を回転させながら研削手段31が降下することにより、円軌道を描いて回転する研削砥石312をウェーハ1の裏面1bに接触させる。
図3に示すように、研削砥石311は、ウェーハ1の裏面1bの回転中心に常時接触させるとともに、裏面1bのうち表面1aのデバイス領域10の裏側に相当する部分にのみ接触させ、所望の厚さとなるまで研削加工を行う。そうすると、図4に示すように、デバイス領域10の裏側に相当する部分に凹部12が形成される。また、凹部12の外周側には、表面1aの外周余剰領域11を含むリング状補強部13が形成される。凹部12の厚さは例えば30μmほどまで薄化し、リング状補強部13の厚さは当初のウェーハ1の厚さのまま、例えば700μmである。
(3)金属膜被覆工程
裏面研削工程終了後、ウェーハ1の裏面1bに、各デバイスの電極となる金属膜を被覆する。金属膜の被覆には、例えば図5に示す減圧成膜装置4を用いることができる。この減圧成膜装置4においては、チャンバー40の内部に静電式にてウェーハWを保持する保持部41を備えており、その上方の対向する位置には、金属からなるスパッタ源42が励磁部材43に支持された状態で配設されている。このスパッタ源42には、高周波電源44が連結されている。また、チャンバー40の一方の側部には、スパッタガスを導入する導入口45が設けられ、他方の側部には減圧源に連通する減圧口46が設けられている。
減圧成膜装置4においては、保護部材2側が保持部41において静電式にて保持されることにより、ウェーハ1の裏面1bがスパッタ源42に対向して保持される。そして、励磁部材43によって磁化されたスパッタ源42に高周波電源44から40kHz程度の高周波電力を印加し、減圧口46からチャンバー40の内部を10−2Pa〜10−4Pa程度に減圧して減圧環境にすると共に、導入口45からアルゴンガスを導入してプラズマを発生させると、プラズマ中のアルゴンイオンがスパッタ源42に衝突して粒子がはじき出されてウェーハ1の裏面1bに堆積し、図6に示すように、裏面1b全体、すなわち凹部12の底面12a及びリング状補強部13の裏面13bに金属膜14が被覆される。金属膜としては、例えば金、銀、チタン等があり、その厚さは30乃至60μmほどである。
金属膜被覆工程は、デバイス領域10の裏側が研削されて薄くなった状態で行われるが、ウェーハ1にはリング状補強部13が形成されているため、裏面研削工程から金属膜被覆工程へのウェーハ1の搬送や、金属膜被覆工程におけるウェーハ1の取り扱いが容易となる。なお、金属膜被覆工程には、蒸着やCVD等を用いてもよい。
(4)溝形成工程
金属膜被膜工程の後、保護部材2をウェーハ1の表面1aから剥離し、図7に示すように、ウェーハ1の表面1aにダイシングテープ50を貼着する。ダイシングテープ50の周縁部には、ウェーハ1を収容するための開口部51aを有するリング状のフレーム51が貼着され、ウェーハ1がダイシングテープ50を介してフレーム51で支持される。
このようにしてダイシングテープ50を介してフレーム51によって支持されたウェーハ1は、図8に示すように、ダイシングテープ50側が切削装置6の保持テーブル60に保持され、金属膜14が被覆された裏面側が露出する。
この切削装置6には、切削手段61を備えている。切削手段61は、ハウジング610によって回転可能に支持されたスピンドル611の先端部に切削ブレード612が装着されナット613によって固定された構成となっており、切削ブレード612の前方及び後方には一対の切削水ノズル614が配設されている。
ハウジング610には、赤外線カメラ620を用いて赤外線による撮像を行ってウェーハの切削すべき位置を検出する撮像手段62が固定されている。撮像手段62には、画像情報を記憶するメモリと、赤外線カメラ620が取得した画像情報と予め記憶させた画像情報とのパターンマッチングを行うCPUとを備えている。
ウェーハの結晶方位を示すノッチ120とアライメントマーク110との位置関係は予め設定されており、その位置関係の誤差は数十μm程度であるため、切削装置6の制御部にその位置関係を認識させ、撮像手段62によってノッチ120を検出し、ノッチ120の位置からアライメントマーク110があるであろう位置を求め、その位置に切削ブレード612を位置づける。そして、図9に示すように、保持テーブル60に保持されたウェーハ1をX軸方向に移動させるとともに、切削ブレード612を高速回転させて切削手段61を降下させることにより、リング状補強部13に被覆された金属膜14に切削ブレード612を切り込ませ、切削ブレード612が切り込んだ部分の金属膜を部分的に除去する。除去した部分には、X軸方向に沿った溝7aが形成される。また、保持テーブル60を90度回転させてから同様の切削を行い、溝7aに水平方向に直交する方向の溝7bを形成する。このようにして、図1に示した分割予定ライン101の延長上の表面1a側に形成されたアライメントマーク110が存在するであろう位置に、図10に示すように溝7a、7bを形成する。
溝7a、7bの幅は、ノッチ120とアライメントマーク110との距離の誤差範囲である数十μmを越える幅とする。具体的には、溝7a、7bの幅を、ウェーハの通常のダイシング加工時に形成される溝より太く、例えば0.5〜1.5mm程度の幅となるようにすることにより、アライメントマーク110の裏側の金属膜を除去することができる。そのためには、刃厚が溝7a、7bの溝幅と同程度ある切削ブレードを使用することが望ましい。また、図11に示すように、刃厚が薄い切削ブレード612を使用する場合は、切削ブレードを少しずつY軸方向に送りながら何度も切削を行うことにより、所望の幅を有する溝7a、7bを形成することができる。例えば、刃厚が30μmの切削ブレードを使用して幅1mmの溝を形成する場合は、30〜40回ほどY軸方向に送りながら切削を行うことにより、幅が1mmの溝を形成することができる。
かかる切削時には、切削ブレード612の刃先がウェーハ1の凹部12の底面12aよりも高い位置となるように制御することにより、図10に示すように、デバイス領域10を傷つけることなく溝7a、7bを形成することができる。また、溝7a、7bは、少なくとも一方の分割予定ラインの方向と他方の分割予定ラインの方向とに一本ずつ形成すればよい。
(5)アライメント工程
溝7a、7bの形成後、図12に示すように、赤外線カメラ620の直下に溝7a、7bが位置するようにウェーハ1を移動させる。そして、溝7a(7b)を赤外線撮像し、撮像手段62がアライメントマーク110を検出する。図1に示したように、アライメントマーク110は分割予定ライン101の延長線上に形成されているため、アライメントマーク110の検出を通じて間接的に分割予定ライン101を検出することができる。そして、分割予定ライン101と切削ブレード612のY軸方向の位置を合わせる。
(6)分割工程
アライメント工程の後、図13に示すように、ウェーハ1をX軸方向に送りながら、検出したアライメントマーク110の延長線上にある分割予定ライン101に高速回転する切削ブレード612を切り込ませる。1本の分割予定ラインを切削した後は、隣り合う分割予定ラインの間隔ずつ切削ブレード612をY軸方向に割り出し送りしながら順次切削を行うことにより、同方向の分割予定ライン101がすべて切削され、切削溝8が形成される。また、保持テーブル60を90度回転させてから同様の切削を行うと、すべての分割予定ライン101が切削されて個々のデバイス100に分割される。
このように、溝形成工程においてリング状補強部13に被覆された金属膜14を除去することにより、アライメント工程において赤外線による撮像によってウェーハ1の表面1aに形成された分轄予定ライン101を検出することができるため、ウェーハ1の裏面1b側から分割予定ライン101を切断して個々のデバイス100に分割することができる。
なお、分割工程においては、溝形成工程で使用した切削装置6を使用することができるが、溝形成工程において刃厚の厚い切削ブレードを使用した場合は、刃厚の薄いタイプのものに交換して分割工程を実施する。また、2つの切削手段を有するタイプの切削装置を用いた場合は、一方の切削手段に溝形成用の刃厚の厚い切削ブレードを装着し、他方の切削手段に分割加工用の刃厚の薄い切削ブレードを装着するようにすれば、切削ブレードを交換せずに効率良く溝形成工程と分割工程とを実施することができる。
1:ウェーハ
1a:表面
10:デバイス領域 100:デバイス 101:分割予定ライン
11:外周余剰領域 110:アライメントマーク
1b:裏面
120:ノッチ
12:凹部 13:リング状補強部 14:金属膜
2:保護部材
3:研削装置
30:チャックテーブル
31:研削手段
310:回転軸 311:ホイール 312:研削砥石 313:駆動部
4:減圧成膜装置
40:チャンバー 41:保持部 42:スパッタ源 43:励磁部材
44:高周波電源 45:導入口 46:減圧口
50:ダイシングテープ 51:フレーム
6:切削装置
60:保持テーブル
61:切削手段
610:ハウジング 611:スピンドル 612:切削ブレード
613:ナット 614:切削水ノズル
62:撮像手段 620:赤外線カメラ
7a、7b:溝8:切削溝

Claims (1)

  1. 複数のデバイスが分割予定ラインによって区画されて形成されたデバイス領域と、該デ
    バイス領域を囲繞する外周余剰領域とが表面に形成されたウェーハを個々のデバイスに分
    割するウェーハの加工方法であって、
    ウェーハの表面に保護部材を貼着して該保護部材側を研削装置のチャックテーブルに保
    持する保持工程と、
    該ウェーハの裏面のうち該デバイス領域の裏側に相当する部分を研削砥石により研削し
    て凹部を形成するとともに、該凹部の外周側に該外周余剰領域を含むリング状補強部を形
    成する裏面研削工程と、
    該ウェーハの裏面に金属膜を被覆する金属膜被覆工程と、
    該ウェーハの表面にダイシングテープを貼着するとともに該ウェーハを収容する開口部
    を有するフレームに該ダイシングテープの周縁部を貼着して該ダイシングテープを介して
    該ウェーハを該フレームで支持し、該フレームで支持されたウェーハの該ダイシングテー
    プ側を切削装置の保持テーブルに保持し、該金属膜が被覆されたリング状補強部を切削ブレードにより切削し、ウェーハ表面に形成されたアライメントマークが存在する位置に対応する該リング状補強部上の位置にウェーハの分割加工時に形成される溝より太い溝を形成して金属膜を除去する溝形成工程と、
    赤外線カメラを備えた撮像手段によって該溝を撮像して表面に形成された分割予定ライ
    ンを検出するアライメント工程と、
    検出された分割予定ラインを切削ブレードによって切削して個々のデバイスに分割する
    分割工程と
    を含むウェーハの加工方法。
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