JP5885325B2 - ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、フリップチップ型半導体裏面用フィルムを備えたダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムに関する。フリップチップ型半導体裏面用フィルムは、チップ状ワーク(半導体チップ等)の裏面の保護と、強度向上等のために用いられる。また本発明は、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムを用いた半導体装置の製造方法及びフリップチップ実装の半導体装置に関する。
近年、半導体装置及びそのパッケージの薄型化、小型化がより一層求められている。そのため、半導体装置及びそのパッケージとして、半導体チップ等のチップ状ワークが基板上にフリップチップボンディングにより実装された(フリップチップ接続された)フリップチップ型の半導体装置が広く利用されている。当該フリップチップ接続は半導体チップの回路面が基板の電極形成面と対向する形態で固定されるものである。このような半導体装置等では、半導体チップ(チップ状ワーク)の裏面を保護フィルムにより保護し、半導体チップの損傷等を防止している場合がある。
特開2008−166451号公報 特開2008−006386号公報 特開2007−261035号公報 特開2007−250970号公報 特開2007−158026号公報 特開2004−221169号公報 特開2004−214288号公報 特開2004−142430号公報 特開2004−072108号公報 特開2004−063551号公報
しかしながら、半導体チップの裏面を保護する裏面保護フィルムは、半導体ウエハをダイシング工程でダイシングして得られた半導体チップの裏面に貼付するのは、その工程が追加されるため、工程数が増え、コスト等が増加することになる。また、近年の薄型化により、ダイシング工程の後の半導体チップのピックアップ工程で、半導体チップに損傷が生じる場合があり、ピックアップ工程までに半導体ウエハ又は半導体チップを補強させることが求められている。
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、半導体ウエハのダイシング工程〜半導体チップのフリップチップボンディング工程にかけて利用することができるダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムを提供することにある。
本発明の他の目的は、半導体ウエハのダイシング工程において、優れた保持力を発揮することができ、半導体チップのフリップチップボンディング工程後には、優れたレーザーマーキング性及び優れた外観性を発揮することができるダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムを提供することにある。
本願発明者等は、上記従来の問題点を解決すべく、鋭意検討した結果、基材及び粘着剤層を有するダイシングテープの粘着剤層上に、特定の多層構造を有するフリップチップ型半導体裏面用フィルムを積層して、ダイシングテープとフリップチップ型半導体裏面用フィルムとを一体的に形成すると、このダイシングテープと半導体裏面用フィルムとが一体的に形成された積層体(ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム)は、半導体ウエハのダイシング工程〜半導体チップのフリップチップボンディング工程にかけて利用することができ、また、半導体ウエハのダイシング工程において、優れた保持力を発揮することができ、半導体チップのフリップチップボンディング工程後には、優れたレーザーマーキング性及び優れた外観性を発揮することができることを見出して、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、基材上に粘着剤層を有するダイシングテープと、該粘着剤層上に設けられたフリップチップ型半導体裏面用フィルムとを有するダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムであって、前記フリップチップ型半導体裏面用フィルムが、ウエハ接着層と、レーザーマーク層とを含む多層構造を有しており、前記ウエハ接着層が、樹脂成分全量に対して30重量%未満の任意成分としての熱可塑性樹脂成分と、熱硬化性樹脂成分とを含む樹脂組成物により形成され、前記レーザーマーク層が、樹脂成分全量に対して30重量%以上の熱可塑性樹脂成分と、任意成分としての熱硬化性樹脂成分とを含む樹脂組成物により形成されていることを特徴とするダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムである。
このように、本発明のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムは、フリップチップ型半導体裏面用フィルムと、基材及び粘着剤層を有するダイシングテープとが一体となった形態で形成されており、且つフリップチップ型半導体裏面用フィルムがウエハ接着層とレーザーマーク層とによる多層構造を有しているので、半導体ウエハ(ワーク)をダイシングする際に半導体ウエハにダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムをウエハ接着層を利用して優れた密着性で貼着させることにより、半導体ウエハを保持させて有効にダイシングすることができる。また、半導体ウエハをダイシングしてチップ状ワーク(例えば、半導体チップ等)を形成させた後、チップ状ワークをフリップチップ型半導体裏面用フィルムとともにダイシングテープの粘着剤層から剥離させることにより、裏面が保護されたチップ状ワークを容易に得ることができる。しかも、レーザーマーク層を有しているので、チップ状ワークの裏面(すなわち、レーザーマーク層)に、優れたレーザーマーキング性でレーザーマーキングを行うことができる。また、外観性等を効果的に高めることができる。
本発明では、ウエハ接着層が、樹脂成分全量に対して30重量%未満の任意成分としての熱可塑性樹脂成分と熱硬化性樹脂成分とを含む樹脂組成物(熱可塑性樹脂成分が0重量%の場合、熱可塑性樹脂成分は含まれていない)により形成されており、レーザーマーク層が、樹脂成分全量に対して30重量%以上の熱可塑性樹脂成分と、任意成分としての熱硬化性樹脂成分とを含む樹脂組成物(熱可塑性樹脂成分が100重量%の場合、熱硬化性樹脂成分は含まれていない)により形成されている。
前記ウエハ接着層は、半導体ウエハに対する接着力が1N/10mm幅以上のものであり、前記レーザーマーク層は、波長532nmのイットリウム・バナジウム酸塩レーザーを、照射強度1.0Wの条件下で照射させたときの加工深さが2μm以上のものであることが好適である。また、本発明では、ウエハ接着層及びレーザーマーク層は、ともに、着色されていることが好適である。本発明のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムは、フリップチップボンディング時に好適に用いることができる。
本発明は、前記に記載のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムを用いた半導体装置の製造方法であって、
前記ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムのフリップチップ型半導体裏面用フィルムにおけるウエハ接着層上にワークを貼着する工程と、
前記ワークをダイシングしてチップ状ワークを形成する工程と、
前記チップ状ワークを前記フリップチップ型半導体裏面用フィルムとともに、ダイシングテープの粘着剤層から剥離する工程と、
前記チップ状ワークを被着体にフリップチップボンディングにより固定する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法を提供する。
また、本発明は、フリップチップ実装の半導体装置であって、前記に記載の半導体装置の製造方法により製造されたものであることを特徴とするフリップチップ実装の半導体装置を提供する。
本発明のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムによれば、ダイシングテープと、フリップチップ型半導体裏面用フィルムが一体に形成されているとともに、フリップチップ型半導体裏面用フィルムがウエハ接着層とレーザーマーク層とによる多層構造を有しているので、半導体ウエハ等のワークのダイシング工程〜半導体チップ等のチップ状ワークのフリップチップボンディング工程にかけて利用することができる。具体的には、本発明のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムは、ワークのダイシング工程において、優れた保持力を発揮することができるとともに、チップ状ワークのフリップチップボンディング工程及びその後には、優れたレーザーマーキング性及び優れた外観性を発揮することができる。また、フリップチップボンディング工程等では、チップ状ワークの裏面がフリップチップ型半導体裏面用フィルムにより保護されているため、チップ状ワークの割れ、欠け、反りなどを有効に抑制又は防止することができる。もちろん、本発明のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムは、ダイシング工程〜チップ状ワークのフリップチップボンディング工程以外の工程などでも、その機能を有効に発揮できる。
本発明のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムの一例を示す断面模式図である。 本発明のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムを用いた半導体装置の製造方法の一例を示す断面模式図である。
[ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム]
本発明の実施の形態について、図1を参照しながら説明するが、本発明はこれらの例に限定されない。図1は、本発明のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムの一例を示す断面模式図である。図1において、1はダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム、2はフリップチップ型半導体裏面用フィルム(以下、「半導体裏面用フィルム」という場合がある。)、21はレーザーマーク層、22は接着層、3はダイシングテープ、31は基材、32は粘着剤層である。
なお、本明細書において、図には、説明に不要な部分は省略し、また、説明を容易にするために拡大又は縮小等して図示した部分がある。
図1で示されるように、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1は、基材31上に粘着剤層32が形成されたダイシングテープ3と、レーザーマーク層21上にウエハ接着層22が形成された半導体裏面用フィルム2とを備える構成である。また、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1に於いては、粘着剤層32とレーザーマーク層21とが接触する形態で形成されている。なお、半導体裏面用フィルム2の表面(半導体ウエハ(ワーク)の裏面に貼着される側の表面;すなわち、ウエハ接着層22の表面)は、ウエハ裏面に貼着されるまでの間、セパレータ等により保護されていてもよい。
なお、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1は、ダイシングテープ3の粘着剤層32上において、半導体裏面用フィルム2が全面的に形成された構成であってもよく、又は、図1で示されているように、ダイシングテープ3の粘着剤層32上において、半導体ウエハを貼着させる部分のみに半導体裏面用フィルム2が形成された構成であってもよい。
[フリップチップ型半導体裏面用フィルム]
半導体裏面用フィルム2はフィルム状の形態を有している。半導体裏面用フィルム2は、前述のように、レーザーマーク層21とウエハ接着層22とを含む多層構造を有しているので、該半導体裏面用フィルム2上(すなわち、ウエハ接着層22上)に貼着されている半導体ウエハをチップ状に切断する切断加工工程(ダイシング工程)では、半導体ウエハに密着して支持する機能を有しており、切断片を飛散させない接着性を発揮することができる。また、ダイシング工程の後のピックアップ工程では、ダイシングにより個片化された半導体チップ(チップ状ワーク)を半導体裏面用フィルム2とともにダイシングテープ3より容易に剥離させることができる。さらに、ピックアップ工程の後(ダイシングにより個片化された半導体チップを半導体裏面用フィルム2とともにダイシングテープより剥離させた後)では、半導体チップの裏面を保護する機能を有することができる。しかも、半導体チップの裏面側は、レーザーマーク層21が最外層となっているので、優れたレーザーマーキング性を発揮する機能を有することができる。また、半導体チップの裏面には、ウエハ接着層22が優れた密着性で貼着しているので、接着不良による浮き等がなく、半導体チップは、優れた外観性を発揮することができる。このように、半導体裏面用フィルム2は、優れたレーザーマーキング性を有しているので、半導体チップ又は該半導体チップが用いられた半導体装置の非回路面側の面に、半導体裏面用フィルム2(より詳細には、半導体裏面用フィルム2のレーザーマーク層21)を介して、レーザーマーキング方法を利用して、レーザーマーキングを施し、文字情報や図形情報などの各種情報を優れたマーキング性で付与させることができる。
なお、本発明では、半導体裏面用フィルム2において、レーザーマーク層21は着色されていることが好ましく、更には、ウエハ接着層22及びレーザーマーク層21の両層が共に着色されていることがより好ましい。このように、半導体裏面用フィルム2において、レーザーマーク層21(好ましくはウエハ接着層22及びレーザーマーク層21)が着色されていると、優れたレーザーマーキング性をより一層発揮させることができる。特に、着色の色をコントロールすることにより、マーキングにより付与された情報(文字情報、図形情報など)を、優れた視認性で視認することが可能になる。
特に、半導体裏面用フィルム2は、半導体ウエハや半導体チップに対して優れた密着性を有しているので、浮き等がない。また、優れた外観性も発揮できるので、付加価値のある外観性に優れた半導体装置を得ることができる。なお、例えば、半導体装置として、製品別に色分けすることも可能である。
また、レーザーマーク層21及びウエハ接着層22を着色することにより、ダイシングテープ3と、半導体裏面用フィル2とを容易に区別することができ、作業性等を向上させることができる。
このように、半導体裏面用フィルム2は半導体チップを基板等の被着体上にダイボンディングするために用いられるものではなく、フリップチップ実装される(又はフリップチップ実装された)半導体チップの裏面(非回路面)の保護等のために用いられ、そのための最適な機能及び構成を有している。なお、ダイボンドフィルムは、半導体チップを基板等の被着体上に強固に接着させる用途で用いられる接着剤層である。また、ダイボンドフィルムを用いた半導体装置においては、最終的には封止樹脂により封止されるものであるため、半導体ウエハ及び半導体チップの裏面保護等を目的とする本発明の半導体裏面用フィルム2とは、機能及び構成において異なっている。従って、当該半導体裏面用フィルム2をダイボンドフィルムとして用いるのは好ましくない。
半導体裏面用フィルム2の厚さ(総厚)は特に限定されないが、例えば、5μm〜500μm程度の範囲から適宜選択することができる。更に、前記厚さは5μm〜150μm程度が好ましく、5μm〜100μm程度がより好ましく、5μm〜50μm程度が更に好ましく、10μm〜30μm程度が更により好ましく、15μm〜25μm程度が特に好ましい。
また、本発明の半導体裏面用フィルム2の23℃における弾性率(引張貯蔵弾性率E’)は、1GPa以上であることが好ましく、2GPa以上がより好ましく、3GPa以上が特に好ましい。半導体裏面用フィルム2の引張貯蔵弾性率が1GPa以上であると、半導体素子を半導体裏面用フィルム2とともに、ダイシングテープの粘着剤層から剥離させた後、半導体裏面用フィルム2を支持体(例えば、キャリアテープ)上に載置して、輸送等を行った際に、半導体裏面用フィルム2が支持体(例えば、キャリアテープにおけるトップテープやボトムテープなど)に貼着してしまうことを有効に抑制又は防止することができる。なお、半導体裏面用フィルム2が熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物により形成されている場合、前述のように、熱硬化性樹脂は、通常、未硬化又は部分硬化の状態であるので、半導体裏面用フィルム2の23℃における引張貯蔵弾性率は、通常、熱硬化性樹脂が未硬化状態又は部分硬化状態での値となる。
なお、半導体裏面用フィルム2の23℃における弾性率(引張貯蔵弾性率E’)は、ダイシングテープに積層させずに、ウエハ接着層22及びレーザーマーク層21により形成された半導体裏面用フィルム2を作製し、レオメトリック社製の動的粘弾性測定装置「Solid Analyzer RS A2」を用いて、引張モードにて、サンプル幅:10mm、サンプル長さ:22.5mm、サンプル厚さ:0.2mmで、周波数:1Hz、昇温速度:10℃/分、窒素雰囲気下、所定の温度(23℃)にて測定して、得られた引張貯蔵弾性率E’の値とした。
また、半導体裏面用フィルム2の未硬化状態における前記引張貯蔵弾性率(23℃)は、樹脂成分(熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂)の種類やその含有量、シリカフィラー等の充填材の種類やその含有量を適宜設定することなどによりコントロールすることができる。
半導体裏面用フィルム2の可視光領域(波長:400nmから800nm)における光線透過率(可視光線透過率)は特に限定されないが、例えば、20%以下(0%〜20%)の範囲が好ましく、10%以下(0%〜10%)の範囲がより好ましく、5%以下(0%〜5%)の範囲が特に好ましい。可視光における光線透過率を20%以下にすることにより、可視光線が半導体裏面用フィルム2を透過して、半導体チップに到達し、当該半導体チップに悪影響が及ぶのを低減することができる。
前記半導体裏面用フィルム2の光線透過率(%)は、半導体裏面用フィルム2を構成する樹脂成分の種類やその含有量、着色剤(顔料や染料等)の種類や含有量、充填材の種類やその含有量などによりコントロールすることができる。
前記可視光線透過率(%)は、例えば、次の通りにして算出することができる。即ち、厚さ(平均厚さ)20μmの半導体裏面用フィルム2をダイシングテープに積層させることなく作製する。次に、この半導体裏面用フィルム2に対して、「ABSORPTION SPECTRO PHOTOMETER」(商品名、(株)島津製作所)を用いて、可視光線を照射した。可視光線の波長は400nm〜800nmである。この照射により半導体裏面用フィルム2を透過した可視光線の光強度を測定し、次式により算出することができる。
可視光線透過率(%)=((半導体裏面用フィルム2の透過後の可視光線の光強度)/(可視光線の初期の光強度))×100
なお、光線透過率(%)の前記算出方法は、厚さが20μmでない半導体裏面用フィルムの光線透過率(%)の算出にも適用することができる。具体的には、ランベルトベールの法則により、20μmでの吸光度A20を下記の通り算出することができる。
20=α×L20×C (1)
(式中、L20は光路長、αは吸光係数、Cは試料濃度を表す)
また、厚さX(μm)での吸光度Aは下記式(2)により表すことができる。
=α×L×C (2)
更に、厚さ20μmでの吸光度A20は下記式(3)により表すことができる。
20=−log1020 (3)
(式中、T20は厚さ20μmでの光線透過率を表す)
前記式(1)〜(3)より、吸光度Aは、
=A20×(L20/L
=−[log10(T20)]×(L20/L
と表すことができる。これにより、厚さX(μm)での光線透過率T(%)は、下記式により算出することができる。
=10−AX
但し、A=[log10(T20)]×(L20/L)]
また、前記光線透過率(%)の算出方法における半導体裏面用フィルムの厚さを20μmとすることについては、特に本発明の半導体裏面用フィルム2の厚さを限定するものではない。測定の際に、便宜上採用した厚さである。
また、半導体裏面用フィルム2としては、吸湿率が低い方が好ましい。前記吸湿率は、具体的には、1重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.8重量%以下である。吸湿率を1重量%以下にすることにより、レーザーマーキング性を向上させることができる。また、例えば、リフロー工程に於いてボイドの発生を抑制又は防止することができる。前記吸湿率の調整は、例えば無機フィラーの添加量を変化させることにより可能である。なお、前記吸湿率は、85℃、85%RHの雰囲気下で168時間放置したときの重量変化により算出したものである(下記式を参照)。また、半導体裏面用フィルム2が熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物により形成されたものである場合は、熱硬化後に、85℃、85%RHの雰囲気下で168時間放置したときの重量変化により算出したものである。
吸湿率(重量%)=(((着色半導体裏面用フィルムの放置後の重量)−(着色半導体裏面用フィルムの放置前の重量))/(着色半導体裏面用フィルムの放置前の重量))×100
更に、半導体裏面用フィルム2としては、揮発分の割合が少ない方が好ましい。具体的には、温度250℃で1時間の加熱後の重量減少量の割合(重量減少率)が、1重量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.8重量%以下である。重量減少率を1重量%以下にすることにより、レーザーマーキング性を向上させることができる。また、例えば、リフロー工程に於いてパッケージにクラックが発生するのを抑制又は防止することができる。重量減少率の調整は、例えば、鉛フリーハンダリフロー時のクラック発生を減少させることができる無機物の添加により可能である。なお、前記重量減少率は、250℃で1時間の条件下で加熱したときの重量変化により算出したものである(下記式を参照)。また、半導体裏面用フィルム2が熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物により形成されたものである場合は、熱硬化後に、85℃、85%RHの雰囲気下で168時間放置したときの重量変化により算出したものである。
重量減少率(重量%)=(((着色半導体裏面用フィルムの放置前の重量)−(着色半導体裏面用フィルムの放置後の重量))/(着色半導体裏面用フィルムの放置前の重量))×100
半導体裏面用フィルム2(特にウエハ接着層22)は、セパレータ(剥離ライナー)により保護されていることが好ましい(図示せず)。セパレータは、実用に供するまで半導体裏面用フィルム2(特にウエハ接着層22)を保護する保護材としての機能を有している。また、セパレータは、更に、基材31上の粘着剤層32に半導体裏面用フィルム2を転写する際の支持基材として用いることができる。セパレータはダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1の半導体裏面用フィルム2上に半導体ウエハを貼着する際に剥がされる。セパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンや、フッ素系剥離剤、長鎖アルキルアクリレート系剥離剤等の剥離剤により表面コートされたプラスチックフィルム(ポリエチレンテレフタレートなど)や紙等も使用可能である。なお、セパレータは従来公知の方法により形成することができる。また、セパレータの厚さ等も特に制限されない。
半導体裏面用フィルム2が、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂成分を含む樹脂組成物(詳細については後述する。)により形成されている場合、半導体裏面用フィルム2は、半導体ウエハに適用する前の段階では、熱硬化性樹脂が未硬化又は部分硬化の状態である。この場合、半導体ウエハに適用後に(具体的には、通常、フリップチップボンディング工程で封止材をキュアする際に)、半導体裏面用フィルム2中の熱硬化性樹脂成分を完全に又はほぼ完全に硬化させる。
このように、半導体裏面用フィルム2は、熱硬化性樹脂成分を含んでいても、該熱硬化性樹脂成分は未硬化又は部分硬化の状態であるため、半導体裏面用フィルム2のゲル分率としては、特に制限されないが、例えば、50重量%以下(0重量%〜50重量%)の範囲より適宜選択することができ、好ましくは30重量%以下(0重量%〜30重量%)であり、特に10重量%以下(0重量%〜10重量%)であることが好適である。
半導体裏面用フィルム2のゲル分率の測定方法は、以下の測定方法により測定することができる。即ち、半導体裏面用フィルム2から約0.1gをサンプリングして精秤し(試料の重量)、該サンプルをメッシュ状シートで包んだ後、約50mlのトルエン中に室温で1週間浸漬させた。その後、溶剤不溶分(メッシュ状シートの内容物)をトルエンから取り出し、130℃で約2時間乾燥させ、乾燥後の溶剤不溶分を秤量し(浸漬・乾燥後の重量)、下記式(a)よりゲル分率(重量%)を算出する。
ゲル分率(重量%)=[(浸漬・乾燥後の重量)/(試料の重量)]×100 (a)
なお、半導体裏面用フィルム2のゲル分率は、樹脂成分の種類やその含有量、架橋剤の種類やその含有量の他、加熱温度や加熱時間などによりコントロールすることができる。
(ウエハ接着層)
ウエハ接着層22は、半導体ウエハに対して優れた接着性(密着性)を発揮する層であり、半導体ウエハの裏面と接触する層である。ウエハ接着層22の半導体ウエハに対する接着力としては、1N/10mm幅以上(例えば、1N/10mm幅〜10N/10mm幅)であることが重要であり、好ましくは2N/10mm幅以上(例えば、2N/10mm幅〜10N/10mm幅)であり、さらに好ましくは4N/10mm幅以上(例えば、4N/10mm幅〜10N/10mm幅)である。ウエハ接着層22のウエハに対する接着力が1N/10mm幅未満であると、ウエハ接着層22として利用できなくなる場合がある。
なお、半導体裏面用フィルム2の半導体ウエハに対する前記接着力は、例えば、次の通りにして測定した値である。即ち、半導体裏面用フィルム2の一方の面に、粘着テープ(商品名「BT315」日東電工株式会社製)を貼着して裏面補強する。その後、裏面補強した長さ150mm、幅10mmの半導体裏面用フィルム2の表面に、厚さ0.6mmの半導体ウエハを、50℃で2kgのローラーを一往復して熱ラミネート法により貼り合わせる。その後、熱板上(50℃)に2分間静置した後、常温(23℃程度)で20分静置する。静置後、剥離試験機(商品名「オートグラフAGS−J」島津製作所社製)を用いて、温度23℃の下で、剥離角度:180°、引張速度:300mm/minの条件下で、裏面補強された半導体裏面用フィルム2を引き剥がす。前記接着力は、このときの半導体裏面用フィルム2と半導体ウエハとの界面で剥離させて測定された値(N/10mm幅)である。
なお、ウエハ接着層22は、通常、セパレータにより保護されていることが好ましい。この場合、セパレータを剥がすと、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1の一方の側の最外層となり、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1を半導体ウエハに貼着させる際に用いられる。
ウエハ接着層22は、樹脂組成物により形成することができる。ウエハ接着層22を形成するための樹脂組成物(「ウエハ接着層用樹脂組成物」と称する場合がある)としては、任意成分としての熱可塑性樹脂成分と熱硬化性樹脂成分とを含む樹脂組成物を好適に用いることができる。該ウエハ接着層用樹脂組成物において、熱可塑性樹脂成分としては、下記の(熱可塑性樹脂成分)の項で記載(又は例示)の熱可塑性樹脂などを用いることができ、一方、熱硬化性樹脂成分としては、下記の(熱硬化性樹脂成分)の項で記載(又は例示)の熱硬化性樹脂などを用いることができる。
なお、本発明では、下記に示すように、ウエハ接着層用樹脂組成物中の熱可塑性樹脂成分としてはアクリル樹脂が好適である。一方、ウエハ接着層用樹脂組成物中の熱硬化性樹脂成分としてはエポキシ樹脂、フェノール樹脂が好適である。従って、ウエハ接着層用樹脂組成物としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びアクリル樹脂を含む樹脂組成物が好適である。これらの樹脂成分は、イオン性不純物が少なく耐熱性が高いので、半導体素子の信頼性を確保できる。
ウエハ接着層用樹脂組成物において、熱可塑性樹脂成分の割合としては、半導体ウエハへの接着性の観点より、樹脂成分全量に対して30重量%未満(例えば、0重量%以上且つ30重量%未満)であることが好ましく、さらに好ましくは28重量%以下(特に好ましくは25重量%以下)である。なお、ウエハ接着層用樹脂組成物において、熱可塑性樹脂成分の割合が過少であると、フィルム成形性が低下する場合がある。このフィルム成形性の観点からは、ウエハ接着層用樹脂組成物中の熱可塑性樹脂成分の樹脂成分全量に対する割合の下限値として、5重量%以上であることが好適であり、更に好ましくは10重量%以上(特に好ましくは15重量%以上)である。以上を総合すると、ウエハ接着層用樹脂組成物中の熱可塑性樹脂成分の割合としては、例えば、5重量%以上且つ30重量%未満(好ましくは10重量%以上且つ30重量%未満、更に好ましくは15重量%以上且つ30重量%未満)の範囲から選択することができる。
もちろん、ウエハ接着層用樹脂組成物中の熱硬化性樹脂成分の割合は、樹脂成分全量の割合である100重量%から、熱可塑性樹脂成分の割合を除いた残部である。なお、熱可塑性樹脂成分の割合が樹脂成分全量に対して0重量%である場合、ウエハ接着層用樹脂組成物は、樹脂成分としては熱硬化性樹脂成分のみを含んでいる(熱可塑性樹脂成分は含んでいない)樹脂組成物(熱硬化性樹脂組成物)になる。
ウエハ接着層用樹脂組成物は、樹脂成分以外の成分として、必要に応じて、架橋剤、着色剤の他、充填剤(フィラー)、難燃剤、シランカップリング剤、イオントラップ剤、増量剤、老化防止剤、酸化防止剤、界面活性剤などの添加剤を含んでいてもよい。架橋剤としては、例えば、下記の(架橋剤)の項で記載(又は例示)の架橋剤などを用いることができる。着色剤としては、例えば、下記の(着色剤)の項で記載(又は例示)の着色剤などを用いることができる。
なお、架橋剤を用いることにより、高温下での接着特性(密着特性)を向上させ、耐熱性の改善を図ることができる。本発明では、架橋剤を用いて、樹脂成分を架橋させるために、樹脂成分の重合体には、分子鎖末端等に、架橋剤と反応する官能基が導入されていることが重要である。
ウエハ接着層22は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂成分やアクリル樹脂等の熱可塑性樹脂成分と、必要に応じて溶媒やその他の添加剤などとを混合して樹脂組成物を調製し、フィルム状の層に形成する慣用の方法を利用し形成することができる。具体的には、例えば、前記樹脂組成物を、ダイシングテープの粘着剤層上に形成されたレーザーマーク層21上に塗布する方法、適当なセパレータ(剥離紙など)上に前記樹脂組成物を塗布して樹脂層(又は接着剤層)を形成し、これをレーザーマーク層21上に転写(移着)する方法などにより、ウエハ接着層22を形成することができる。
ウエハ接着層22の厚さとしては、特に制限されないが、例えば、1μm〜50μm(好ましくは3μm〜30μm、さらに好ましくは5μm〜20μm)の範囲から選択することができ、特に7μm〜15μmであることが好適である。ウエハ接着層22の厚さが過小であると、レーザーマーク時にウエハが露出してしまう可能性あり、一方、過大であると、熱硬化後にウエハが沿ってしまう可能性がある。なお、レーザーマーク層21は単層、複層の何れの形態であってもよい。
(レーザーマーク層)
レーザーマーク層21は、優れたレーザーマーキング性を発揮する層であり、半導体チップの裏面に、レーザーマーキングを行う際に利用される層である。すなわち、レーザーマーク層21は、レーザー加工性が良好な層である。レーザーマーク層21のレーザー加工性は、レーザーマーク層21に、YVO(イットリウム・バナジウム酸塩)レーザー[波長:532nm、株式会社キーエンス製のレーザー発生装置(商品名「MD−S9900」)]を、強度:1.0Wの条件で照射させた際の加工深さ(深度)が2μm以上であることが重要であり、その上限は特に制限されず、レーザーマーク層21の厚さと同じ値であってもよい。具体的には、レーザーマーク層21のレーザー加工深さとしては、例えば、2μm〜25μmの範囲から選択することができ、好ましくは3μm以上(3μm〜20μm)であり、さらに好ましくは5μm以上(5μm〜15μm)である。レーザーマーク層21のレーザー加工性の指標である加工深さ[波長:532nm、株式会社キーエンス製のレーザー発生装置(商品名「MD−S9900」)]を、強度:1.0Wの条件でが2μm未満であると、レーザーマーク層21として利用できなくなる場合がある。なお、レーザーマーク層21のレーザー加工深さが、レーザーマーク層21の厚さと同じ値であると、レーザーの照射により、レーザーマーク層21と、積層されているウエハ接着層22にもレーザーが到達し、ウエハ接着層22も加工させることになる場合がある。また、レーザーの照射により、レーザーマーク層21は加工されるが、その加工としては、例えば、レーザーにより有機成分等が燃焼して組成が変更される加工などが挙げられる。
なお、レーザーマーク層21のレーザー加工性の指標である加工深さは、レーザーマーク層21(ウエハ接着層22との積層体であってもよい)に、[波長:532nm、株式会社キーエンス製のレーザー発生装置(商品名「MD−S9900」)]を、強度:1.0Wの条件で照射させて、このレーザーの照射により加工された加工深さを測定することにより、求められた値である。
なお、レーザーマーク層21は、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1では、ダイシングテープ3の粘着剤層32に貼着されているが、ダイシング工程後にピックアップされた半導体チップでは、半導体チップの裏面側の最外層となっている。
レーザーマーク層21は、樹脂組成物により形成することができる。レーザーマーク層21を形成するための樹脂組成物(「レーザーマーク層用樹脂組成物」と称する場合がある)としては、熱可塑性樹脂成分と、任意成分としての熱硬化性樹脂成分とを含む樹脂組成物を好適に用いることができる。該レーザーマーク層用樹脂組成物において、熱可塑性樹脂成分としては、下記の(熱可塑性樹脂成分)の項で記載(又は例示)の熱可塑性樹脂などを用いることができ、一方、熱硬化性樹脂成分としては、下記の(熱硬化性樹脂成分)の項で記載(又は例示)の熱硬化性樹脂などを用いることができる。
なお、本発明では、下記に示すように、レーザーマーク層用樹脂組成物中の熱可塑性樹脂成分としてはアクリル樹脂が好適である。一方、レーザーマーク層用樹脂組成物中の熱硬化性樹脂成分としてはエポキシ樹脂及びフェノール樹脂が好適である。従って、ウエハ接着層用樹脂組成物としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂及びアクリル樹脂を含む樹脂組成物が好適である。これらの樹脂成分は、イオン性不純物が少なく耐熱性が高いので、半導体素子の信頼性を確保できる。
レーザーマーク層用樹脂組成物において、熱可塑性樹脂成分の割合としては、レーザーマーキング性の観点より、樹脂成分全量に対して30重量%以上(例えば、30重量%以上且つ100重量%以下)であることが好ましい。なお、レーザーマーク層用樹脂組成物において、熱可塑性樹脂成分の割合が過多であると、耐熱性能が低下する。従って、レーザーマーク層用樹脂組成物中の熱可塑性樹脂成分の樹脂成分全量に対する割合の上限値としては、耐熱性の観点より、90重量%以下であることが好適である、更に好ましくは80重量%以下であり、中でも60重量%以下(特に50重量%以下)であることが好ましい。従って、レーザーマーク層用樹脂組成物中の熱可塑性樹脂成分の割合としては、例えば、30重量%以上且つ90重量%以下(好ましくは30重量%以上且つ80重量%以下、更に好ましくは30重量%以上且つ60重量%以下、特に好ましくは30重量%以上且つ50重量%以下)の範囲から選択することができる。
もちろん、レーザーマーク層用樹脂組成物中の熱硬化性樹脂成分の割合は、樹脂成分全量の割合である100重量%から、熱可塑性樹脂成分の割合を除いた残部である。なお、熱可塑性樹脂成分の割合が樹脂成分全量に対して100重量%である場合、レーザーマーク層用樹脂組成物は、樹脂成分としては熱可塑性樹脂成分のみを含んでいる(熱硬化性樹脂成分は含んでいない)樹脂組成物(熱可塑性樹脂組成物)になる。
レーザーマーク層用樹脂組成物は、樹脂成分以外の成分として、必要に応じて、架橋剤、着色剤の他、充填剤(フィラー)、難燃剤、シランカップリング剤、イオントラップ剤、増量剤、老化防止剤、酸化防止剤、界面活性剤などの添加剤を含んでいてもよい。架橋剤としては、例えば、下記の(架橋剤)の項で記載(又は例示)の架橋剤などを用いることができる。着色剤としては、例えば、下記の(着色剤)の項で記載(又は例示)の着色剤などを用いることができる。
レーザーマーク層21は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂成分やアクリル樹脂等の熱可塑性樹脂成分と、必要に応じて溶媒やその他の添加剤などとを混合して樹脂組成物を調製し、フィルム状の層に形成する慣用の方法を利用し形成することができる。具体的には、例えば、前記樹脂組成物を、ダイシングテープ3の粘着剤層32上に塗布する方法、適当なセパレータ(剥離紙など)上に前記樹脂組成物を塗布して樹脂層(又は接着剤層)を形成し、これをダイシングテープの粘着剤層上又はウエハ接着層22上に転写(移着)する方法などにより、レーザーマーク層21を形成することができる。
レーザーマーク層21の厚さとしては、特に制限されないが、例えば、1μm〜50μm(好ましくは3μm〜30μm、さらに好ましくは5μm〜20μm)の範囲から選択することができ、特に7μm〜15μmであることが好適である。レーザーマーク層21の厚さが過小であると、レーザーマーク時に半導体ウエハが露出してしまう可能性あり、一方、過大であると、熱硬化後に半導体ウエハが沿ってしまう可能性がある。なお、レーザーマーク層21は単層、複層の何れの形態であってもよい。
(熱可塑性樹脂成分)
ウエハ接着層用樹脂組成物やレーザーマーク層用樹脂組成物において、熱可塑性樹脂成分としては、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、6−ナイロンや6,6−ナイロン等のポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、PETやPBT等の飽和ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、又はフッ素樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂成分は単独で又は2種以上を併用して用いることができる。これらの熱可塑性樹脂成分のうち、イオン性不純物が少なく耐熱性が高く、半導体素子の信頼性を確保できるアクリル樹脂が特に好ましい。
前記アクリル樹脂としては、特に限定されるものではなく、炭素数30以下(特に炭素数4〜18)の直鎖若しくは分岐のアルキル基を有するアクリル酸又はメタクリル酸のエステルの1種又は2種以上をモノマー成分とする重合体等が挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、へキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基(ラウリル基)、トリデシル基、テトラデシル基、ステアリル基、オクタデシル基等が挙げられる。
また、前記アクリル樹脂を形成するための他のモノマー成分(アルキル基の炭素数が30以下のアクリル酸又はメタクリル酸のアルキルエステル以外のモノマー成分)としては、特に限定されるものではなく、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸若しくはクロトン酸等の様なカルボキシル基含有モノマー、無水マレイン酸若しくは無水イタコン酸等の様な酸無水物モノマー、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル若しくは(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)−メチルアクリレート等の様なヒドロキシル基含有モノマー、スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート若しくは(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸等の様なスルホン酸基含有モノマー、又は2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等の様な燐酸基含有モノマーなどが挙げられる。
(熱硬化性樹脂成分)
ウエハ接着層用樹脂組成物やレーザーマーク層用樹脂組成物において、熱硬化性樹脂成分としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂の他、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂成分は、単独で又は2種以上併用して用いることができる。熱硬化性樹脂成分としては、特に、半導体素子を腐食させるイオン性不純物等含有が少ないエポキシ樹脂が好適である。また、エポキシ樹脂の硬化剤としてはフェノール樹脂を好適に用いることができる。
エポキシ樹脂としては、特に限定は無く、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオンレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂等の二官能エポキシ樹脂や多官能エポキシ樹脂、又はヒダントイン型エポキシ樹脂、トリスグリシジルイソシアヌレート型エポキシ樹脂若しくはグリシジルアミン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂を用いることができる。
エポキシ樹脂としては、前記例示のうちビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂が特に好ましい。これらのエポキシ樹脂は、硬化剤としてのフェノール樹脂との反応性に富み、耐熱性等に優れるからである。
更に、前記フェノール樹脂は、前記エポキシ樹脂の硬化剤として作用するものであり、例えば、フェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、クレゾールノボラック樹脂、tert−ブチルフェノールノボラック樹脂、ノニルフェノールノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレン等が挙げられる。フェノール樹脂は単独で又は2種以上を併用して用いることができる。これらのフェノール樹脂のうちフェノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂が特に好ましい。半導体装置の接続信頼性を向上させることができるからである。
エポキシ樹脂とフェノール樹脂の配合割合は、例えば、前記エポキシ樹脂成分中のエポキシ基1当量当たりフェノール樹脂中の水酸基が0.5当量〜2.0当量になるように配合することが好適である。より好適なのは、0.8当量〜1.2当量である。即ち、両者の配合割合が前記範囲を外れると、十分な硬化反応が進まず、エポキシ樹脂硬化物の特性が劣化し易くなるからである。
エポキシ樹脂とフェノール樹脂の熱硬化促進触媒としては、特に制限されず、公知の熱硬化促進触媒の中から適宜選択して用いることができる。熱硬化促進触媒は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。熱硬化促進触媒としては、例えば、アミン系硬化促進剤、リン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、ホウ素系硬化促進剤、リン−ホウ素系硬化促進剤などを用いることができる。
(架橋剤)
ウエハ接着層用樹脂組成物やレーザーマーク層用樹脂組成物においては、前記架橋剤を添加することができる。当該架橋剤を用いることにより、高温下での接着特性(密着特性)を向上させ、耐熱性の改善を図ることができる。本発明では、架橋剤を用いて、樹脂成分を架橋させるために、樹脂成分の重合体には、分子鎖末端等に、架橋剤と反応する官能基が導入されていることが重要である。
前記架橋剤としては、特に制限されず、公知の架橋剤から適宜選択することができる。具体的には、架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤の他、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤などが挙げられる。架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤やエポキシ系架橋剤が好適である。架橋剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
前記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、1,2−エチレンジイソシアネート、1,4−ブチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネートなどの脂環族ポリイソシアネート類;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート類などが挙げられ、その他、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物[日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートL」]、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート3量体付加物[日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートHL」]なども用いられる。また、前記エポキシ系架橋剤としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテルの他、分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ系樹脂などが挙げられる。
なお、架橋剤の使用量は、特に制限されず、架橋させる程度に応じて適宜選択することができる。具体的には、架橋剤の使用量としては、例えば、樹脂成分(ポリマー成分)(特に、分子鎖末端の官能基を有する重合体)100重量部に対し、通常0.05重量部〜7重量部とするのが好ましい。架橋剤の使用量が樹脂成分100重量部に対して7重量部より多いと、接着力が低下し、0.05重量部より少ないと、凝集力が低下する。
なお、本発明では、架橋剤を用いる代わりに、あるいは、架橋剤を用いるとともに、電子線や紫外線などの照射により架橋処理を施すことも可能である。
(着色剤)
本発明では、半導体裏面用フィルムは着色されていることが好ましい。具体的には、ウエハ接着層22、レーザーマーク層21のうち少なくとも一方の層が着色されていることが好ましく、中でも少なくともレーザーマーク層21が着色されていることが好ましく、特に、ウエハ接着層22及びレーザーマーク層21の両層がともに着色されていることが好適である。このように、半導体裏面用フィルムが有色となっている場合(無色・透明ではない場合)、着色により呈している色としては特に制限されないが、例えば、黒色、青色、赤色などの濃色であることが好ましく、特に黒色であることが好適である。
本発明において、濃色とは、基本的には、L表色系で規定されるLが、60以下(0〜60)[好ましくは50以下(0〜50)、さらに好ましくは40以下(0〜40)]となる濃い色のことを意味している。
また、黒色とは、基本的には、L表色系で規定されるLが、35以下(0〜35)[好ましくは30以下(0〜30)、さらに好ましくは25以下(0〜25)]となる黒色系色のことを意味している。なお、黒色において、L表色系で規定されるaやbは、それぞれ、Lの値に応じて適宜選択することができる。aやbとしては、例えば、両方とも、−10〜10であることが好ましく、より好ましくは−5〜5であり、特に−3〜3の範囲(中でも0又はほぼ0)であることが好適である。
なお、本発明において、L表色系で規定されるL、a、bは、色彩色差計(商品名「CR−200」ミノルタ社製;色彩色差計)を用いて測定することにより求められる。なお、L表色系は、国際照明委員会(CIE)が1976年に推奨した色空間であり、CIE1976(L)表色系と称される色空間のことを意味している。また、L表色系は、日本工業規格では、JIS Z 8729に規定されている。
ウエハ接着層22やレーザーマーク層21を着色する際には、目的とする色に応じて、色材(着色剤)を用いることができる。このような色材としては、黒系色材、青系色材、赤系色材などの各種濃色系色材を好適に用いることができ、特に黒系色材が好適である。色材としては、顔料、染料などいずれであってもよい。色材は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、染料としては、酸性染料、反応染料、直接染料、分散染料、カチオン染料等のいずれの形態の染料であっても用いることが可能である。また、顔料も、その形態は特に制限されず、公知の顔料から適宜選択して用いることができる。
黒系色材としては、特に制限されないが、例えば、無機の黒系顔料、黒系染料から適宜選択することができる。また、黒系色材としては、シアン系色材(青緑系色材)、マゼンダ系色材(赤紫系色材)およびイエロー系色材(黄系色材)が混合された色材混合物であってもよい。黒系色材は単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。もちろん、黒系色材は、黒以外の色の色材と併用することもできる。
具体的には、黒系色材としては、例えば、カーボンブラック(ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなど)、グラファイト(黒鉛)、酸化銅、二酸化マンガン、アゾ系顔料(アゾメチンアゾブラックなど)、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト(非磁性フェライト、磁性フェライトなど)、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素などが挙げられる。
黒系色材として、シアン系色材、マゼンダ系色材およびイエロー系色材が混合された色材混合物を用いる場合、シアン系色材としては、例えば、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95;C.I.アシッドブルー6、同45等のシアン系染料;C.I.ピグメントブルー1、同2、同3、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:5、同15:6、同16、同17、同17:1、同18、同22、同25、同56、同60、同63、同65、同66;C.I.バットブルー4;同60、C.I.ピグメントグリーン7等のシアン系顔料などが挙げられる。
また、マゼンダ系色材において、マゼンダ系染料としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、同3、同8、同23、同24、同25、同27、同30、同49、同52、同58、同63、同81、同82、同83、同84、同100、同109、同111、同121、同122;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、同13、同14、同21、同27;C.I.ディスパースバイオレット1;C.I.ベーシックレッド1、同2、同9、同12、同13、同14、同15、同17、同18、同22、同23、同24、同27、同29、同32、同34、同35、同36、同37、同38、同39、同40;C.I.ベーシックバイオレット1、同3、同7、同10、同14、同15、同21、同25、同26、同27、28などが挙げられる。
マゼンダ系色材において、マゼンダ系顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同8、同9、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同18、同19、同21、同22、同23、同30、同31、同32、同37、同38、同39、同40、同41、同42、同48:1、同48:2、同48:3、同48:4、同49、同49:1、同50、同51、同52、同52:2、同53:1、同54、同55、同56、同57:1、同58、同60、同60:1、同63、同63:1、同63:2、同64、同64:1、同67、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同92、同101、同104、同105、同106、同108、同112、同114、同122、同123、同139、同144、同146、同147、同149、同150、同151、同163、同166、同168、同170、同171、同172、同175、同176、同177、同178、同179、同184、同185、同187、同190、同193、同202、同206、同207、同209、同219、同222、同224、同238、同245;C.I.ピグメントバイオレット3、同9、同19、同23、同31、同32、同33、同36、同38、同43、同50;C.I.バットレッド1、同2、同10、同13、同15、同23、同29、同35などが挙げられる。
また、イエロー系色材としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162等のイエロー系染料;C.I.ピグメントオレンジ31、同43;C.I.ピグメントイエロー1、同2、同3、同4、同5、同6、同7、同10、同11、同12、同13、同14、同15、同16、同17、同23、同24、同34、同35、同37、同42、同53、同55、同65、同73、同74、同75、同81、同83、同93、同94、同95、同97、同98、同100、同101、同104、同108、同109、同110、同113、同114、同116、同117、同120、同128、同129、同133、同138、同139、同147、同150、同151、同153、同154、同155、同156、同167、同172、同173、同180、同185、同195;C.I.バットイエロー1、同3、同20等のイエロー系顔料などが挙げられる。
シアン系色材、マゼンダ系色材、イエロー系色材などの各種色材は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、シアン系色材、マゼンダ系色材、イエロー系色材などの各種色材を2種以上用いる場合、これらの色材の混合割合(又は配合割合)としては、特に限定されず、各色材の種類や目的とする色などに応じて適宜選択することができる。
なお、黒色系色として、シアン系色材、マゼンダ系色材及びイエロー系色材が混合された色材混合物を用いる場合、これらの色材はそれぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、混合インク組成物中のシアン系色材、マゼンダ系色材およびイエロー系色材の混合割合(または配合割合)としては、黒色系色(例えば、L表色系で規定されるL、aやbが、前記範囲となる黒色系色)を呈することができれば特に制限されず、各色材の種類などに応じて適宜選択することができる。混合インク組成物中におけるシアン系色材、マゼンダ系色材およびイエロー系色材の各色材の含有割合は、例えば、色材の総量に対して、シアン系色材/マゼンダ系色材/イエロー系色材=10重量%〜50重量%/10重量%〜50重量%/10重量%〜50重量%(好ましくは20重量%〜40重量%/20重量%〜40重量%/20重量%〜40重量%)の範囲から適宜選択することができる。
黒系色材としては、C.I.ソルベントブラック3、同7、同22、同27、同29、同34、同43、同70、C.I.ダイレクトブラック17、同19、同22、同32、同38、同51、同71、C.I.アシッドブラック1、同2、同24、同26、同31、同48、同52、同107、同109、同110、同119、同154C.I.ディスパーズブラック1、同3、同10、同24等のブラック系染料;C.I.ピグメントブラック1、同7等のブラック系顔料なども利用することができる。
このような黒系色材としては、例えば、商品名「Oil Black BY」、商品名「OilBlack BS」、商品名「OilBlack HBB」、商品名「Oil Black 803」、商品名「Oil Black 860」、商品名「Oil Black 5970」、商品名「Oil Black 5906」、商品名「Oil Black 5905」(オリエント化学工業株式会社製)などが市販されている。
(他の添加剤)
本発明では、前述のように、ウエハ接着層用樹脂組成物やレーザーマーク層用樹脂組成物において、充填剤(フィラー)、難燃剤、シランカップリング剤、イオントラップ剤の他、増量剤、老化防止剤、酸化防止剤、界面活性剤などの添加剤を用いることができる。充填剤としては、無機充填剤、有機充填剤のいずれであってもよいが、無機充填剤が好適である。無機充填剤等の充填剤の配合により、半導体裏面用フィルムに導電性の付与や熱伝導性の向上、弾性率の調節等を図ることができる。なお、半導体裏面用フィルムとしては導電性であっても、非導電性であってもよい。前記無機充填剤としては、例えば、シリカ、クレー、石膏、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミナ、酸化ベリリウム、炭化珪素、窒化珪素等のセラミック類、アルミニウム、銅、銀、金、ニッケル、クロム、鉛、錫、亜鉛、パラジウム、半田などの金属、又は合金類、その他カーボンなどからなる種々の無機粉末などが挙げられる。充填剤は単独で又は2種以上を併用して用いることができる。充填剤としては、なかでも、シリカ、特に溶融シリカが好適である。なお、無機充填剤の平均粒径は0.1μm〜80μmの範囲内であることが好ましい。
前記充填剤(特に無機充填剤)の配合量は、有機樹脂成分100重量部に対して80重量部以下(0重量部〜80重量部)であることが好ましく、特に0重量部〜70重量部であることが好適である。
また、前記難燃剤としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、臭素化エポキシ樹脂等が挙げられる。難燃剤は、単独で、又は2種以上を併用して用いることができる。前記シランカップリング剤としては、例えば、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。シランカップリング剤は、単独で又は2種以上を併用して用いることができる。前記イオントラップ剤としては、例えばハイドロタルサイト類、水酸化ビスマス等が挙げられる。イオントラップ剤は、単独で又は2種以上を併用して用いることができる。
[ダイシングテープ]
ダイシングテープ3は、基材31、及び該基材31上に形成された粘着剤層32により構成されている。このように、ダイシングテープ3は、基材31と、粘着剤層32とが積層された構成を有していればよい。基材(支持基材)31は粘着剤層32等の支持母体として用いることができる。基材31としては、例えば、紙などの紙系基材;布、不織布、フェルト、ネットなどの繊維系基材;金属箔、金属板などの金属系基材;プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材;ゴムシートなどのゴム系基材;発泡シートなどの発泡体や、これらの積層体[特に、プラスチック系基材と他の基材との積層体や、プラスチックフィルム(又はシート)同士の積層体など]等の適宜な薄葉体を用いることができる。本発明では、基材としては、プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材を好適に用いることができる。このようなプラスチック材における素材としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体等のオレフィン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体等のエチレンをモノマー成分とする共重合体;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル;アクリル系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC);ポリウレタン;ポリカーボネート;ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリイミド;ポリエーテルイミド;ポリ塩化ビニリデン;ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体);セルロース系樹脂;シリコーン樹脂;フッ素樹脂などが挙げられる。また基材の材料としては、前記樹脂の架橋体等のポリマーも用いることができる。これらの素材は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
なお、基材31として、プラスチック系基材が用いられている場合は、延伸処理等により伸び率などの変形性を制御していてもよい。
基材31の厚さは、特に制限されず強度や柔軟性、使用目的などに応じて適宜に選択でき、例えば、一般的には1000μm以下(例えば、1μm〜1000μm)、好ましくは1μm〜500μm、さらに好ましくは3μm〜300μm、特に5μm〜250μm程度であるが、これらに限定されない。なお、基材31は単層の形態又は積層された形態のいずれの態様を有していてもよい。
基材31の表面は、隣接する層との密着性、保持性等を高めるため、慣用の表面処理、例えば、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的又は物理的方法による酸化処理等が施されていてもよく、下塗り剤によるコーティング処理等が施されていてもよい。
なお、基材31には、本発明の効果等を損なわない範囲で、各種添加剤(着色剤、充填剤、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、界面活性剤、難燃剤など)が含まれていてもよい。
粘着剤層32は粘着剤により形成されており、粘着性を有している。このような粘着剤としては、特に制限されず、公知の粘着剤の中から適宜選択することができる。具体的には、粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、スチレン−ジエンブロック共重合体系粘着剤、これらの粘着剤に融点が約200℃以下の熱溶融性樹脂を配合したクリ−プ特性改良型粘着剤などの公知の粘着剤(例えば、特開昭56−61468号公報、特開昭61−174857号公報、特開昭63−17981号公報、特開昭56−13040号公報等参照)の中から、前記特性を有する粘着剤を適宜選択して用いることができる。また、粘着剤としては、放射線硬化型粘着剤(又はエネルギー線硬化型粘着剤)や、熱膨張性粘着剤を用いることもできる。粘着剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
本発明では、粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤を好適に用いることができ、特にアクリル系粘着剤が好適である。アクリル系粘着剤としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの1種又は2種以上を単量体成分として用いたアクリル系重合体(単独重合体又は共重合体)をベースポリマーとするアクリル系粘着剤が挙げられる。
前記アクリル系粘着剤における(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル基の炭素数が4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好適である。なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状の何れであってもよい。
なお、前記アクリル系重合体は、凝集力、耐熱性、架橋性などの改質を目的として、必要に応じて、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な他の単量体成分(共重合性単量体成分)に対応する単位を含んでいてもよい。このような共重合性単量体成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸(アクリル酸、メタクリル酸)、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸などのカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イコタン酸などの酸無水物基含有モノマー;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシラウリル、(4−ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチルメタクリレートなどのヒドロキシル基含有モノマー;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミドなどの(N−置換)アミド系モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどの(メタ)アクリル酸アミノアルキル系モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノアクリレートモノマー;(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有アクリル系モノマー;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル系モノマー;イソプレン、ブタジエン、イソブチレンなどのオレフィン系モノマー;ビニルエーテルなどのビニルエーテル系モノマー;N−ビニルピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン、N−ビニルカルボン酸アミド類、N−ビニルカプロラクタムなどの窒素含有モノマー;N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド系モノマー;N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミドなどのイタコンイミド系モノマー;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクルロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド系モノマー;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどのグリコール系アクリルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレートなどの複素環、ハロゲン原子、ケイ素原子などを有するアクリル酸エステル系モノマー;ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、ジビニルベンゼン、ブチルジ(メタ)アクリレート、ヘキシルジ(メタ)アクリレートなどの多官能モノマー等が挙げられる。これらの共重合性単量体成分は1種又は2種以上使用できる。
粘着剤として放射線硬化型粘着剤(又はエネルギー線硬化型粘着剤)を用いる場合、放射線硬化型粘着剤(組成物)としては、例えば、ラジカル反応性炭素−炭素二重結合をポリマー側鎖又は主鎖中もしくは主鎖末端に有するポリマーをベースポリマーとして用いた内在型の放射線硬化型粘着剤や、粘着剤中に紫外線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分が配合された放射線硬化型粘着剤などが挙げられる。また、粘着剤として熱膨張性粘着剤を用いる場合、熱膨張性粘着剤としては、例えば、粘着剤と発泡剤(特に熱膨張性微小球)とを含む熱膨張性粘着剤などが挙げられる。
本発明では、粘着剤層には、本発明の効果を損なわない範囲で、各種添加剤(例えば、粘着付与樹脂、着色剤、増粘剤、増量剤、充填剤、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、界面活性剤、架橋剤など)が含まれていてもよい。
前記架橋剤としては、特に制限されず、公知の架橋剤を用いることができる。具体的には、架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、メラミン系架橋剤、過酸化物系架橋剤の他、尿素系架橋剤、金属アルコキシド系架橋剤、金属キレート系架橋剤、金属塩系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、アミン系架橋剤などが挙げられ、イソシアネート系架橋剤やエポキシ系架橋剤が好適である。架橋剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。なお、架橋剤の使用量は、特に制限されない。
前記イソシアネート系架橋剤としては、例えば、1,2−エチレンジイソシアネート、1,4−ブチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの低級脂肪族ポリイソシアネート類;シクロペンチレンジイソシアネート、シクロへキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネートなどの脂環族ポリイソシアネート類;2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート類などが挙げられ、その他、トリメチロールプロパン/トリレンジイソシアネート3量体付加物[日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートL」]、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネート3量体付加物[日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートHL」]なども用いられる。また、前記エポキシ系架橋剤としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテルの他、分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ系樹脂などが挙げられる。
なお、本発明では、架橋剤を用いる代わりに、あるいは、架橋剤を用いるとともに、電子線や紫外線などの照射により架橋処理を施すことも可能である。
粘着剤層32は、例えば、粘着剤(感圧接着剤)と、必要に応じて溶媒やその他の添加剤などとを混合して、シート状の層に形成する慣用の方法を利用し形成することができる。具体的には、例えば、粘着剤および必要に応じて溶媒やその他の添加剤を含む混合物を、基材上に塗布する方法、適当なセパレータ(剥離紙など)上に前記混合物を塗布して粘着剤層32を形成し、これを基材上に転写(移着)する方法などにより、粘着剤層32を形成することができる。
粘着剤層32の厚さは特に制限されず、例えば、5μm〜300μm(好ましくは5μm〜80μm、さらに好ましくは15μm〜50μm)程度である。粘着剤層32の厚さが前記範囲内であると、適度な粘着力を発揮することができる。なお、粘着剤層32は単層、複層の何れであってもよい。
なお、本発明では、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1には、帯電防止能を持たせることができる。これにより、その接着時及び剥離時等に於ける静電気の発生やそれによる半導体ウエハの帯電で回路が破壊されること等を防止することができる。帯電防止能の付与は、基材31、粘着剤層32乃至半導体裏面用フィルム(ウエハ接着層22、レーザーマーク層21)へ帯電防止剤や導電性物質を添加する方法、基材31への電荷移動錯体や金属膜等からなる導電層を付設する方法等、適宜な方式で行うことができる。これらの方式としては、半導体ウエハを変質させるおそれのある不純物イオンが発生しにくい方式が好ましい。導電性の付与、熱伝導性の向上等を目的として配合される導電性物質(導電フィラー)としては、銀、アルミニウム、金、銅、ニッケル、導電性合金等の球状、針状、フレーク状の金属粉、アルミナ等の金属酸化物、アモルファスカーボンブラック、グラファイト等が挙げられる。ただし、前記半導体裏面用フィルム2は、非導電性であることが、電気的にリークしないようにできる点から好ましい。
また、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1は、ロール状に巻回された形態で形成されていてもよく、シート(フィルム)が積層された形態で形成されていてもよい。例えば、ロール状に巻回された形態を有している場合、半導体裏面用フィルム2を、必要に応じてセパレータにより保護した状態でロール状に巻回して、ロール状に巻回された状態又は形態のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1として作製することができる。なお、ロール状に巻回された状態又は形態のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1としては、基材31と、前記基材31の一方の面に形成された粘着剤層32と、前記粘着剤層32上に形成された半導体裏面用フィルム2と、前記基材31の他方の面に形成された剥離処理層(背面処理層)とで構成されていてもよい。
なお、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1の厚さ(半導体裏面用フィルム2の厚さと、基材31及び粘着剤層32からなるダイシングフィルム3の厚さの総厚)としては、例えば、11μm〜300μmの範囲から選択することができ、好ましくは11μm〜200μm、より好ましくは15μm〜200μm、さらに好ましくは15μm〜100μm(特に好ましくは20μm〜80μm)である。
ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1において、半導体裏面用フィルム2の厚さと、ダイシングテープ3における粘着剤層32の厚さとの比としては特に限定されないが、例えば、半導体裏面用フィルム2の厚さ/ダイシングテープ3における粘着剤層32の厚さ=150/5〜3/100の範囲から適宜選択することができ、好ましくは100/5〜3/50であり、より好ましくは60/5〜3/40である。半導体裏面用フィルム2の厚さとダイシングテープ3における粘着剤層32の厚さとの比が前記範囲内であると、適度な粘着力を発揮することができ、優れたダイシング性及びピックアップ性を発揮することができる。
ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1において、半導体裏面用フィルム2の厚さと、ダイシングテープ3の厚さとの比としては特に限定されないが、例えば、半導体裏面用フィルム2の厚さ/ダイシングテープ3の厚さ=150/50〜3/500の範囲から適宜選択することができ、好ましくは100/50〜3/300であり、より好ましくは60/50〜3/150である。半導体裏面用フィルム2の厚さとダイシングテープ3の厚さとの比を3/500以下にすることにより、ピックアップ性の低下を抑制することができる。その一方、半導体裏面用フィルム2の厚さとダイシングテープ3の厚さとの比を150/50以上にすることにより、ダイシングの際の側面残渣が生じたり、その量が増加するのを抑制することができる。
このようにダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1において、半導体裏面用フィルム2とダイシングテープ3における粘着剤層32の厚さの比や、半導体裏面用フィルム2とダイシングテープ3の厚さの比を調節することにより、ダイシング工程の際のダイシング性や、ピックアップ工程の際のピックアップ性を向上させることができる。また、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1を半導体ウエハ等のワークのダイシング工程〜半導体チップ等の半導体素子のフリップチップ接続工程にかけて有効に活用することができる。
[ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムの製造方法]
本発明のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムの製造方法について、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1を例にして説明する。先ず、基材31は、従来公知の製膜方法により製膜することができる。当該製膜方法としては、例えばカレンダー製膜法、有機溶媒中でのキャスティング法、密閉系でのインフレーション押出法、Tダイ押出法、共押出し法、ドライラミネート法等が例示できる。
次に、基材31上に粘着剤組成物を塗布し、乾燥させて(必要に応じて加熱架橋させて)粘着剤層32を形成する。塗布方式としては、ロール塗工、スクリーン塗工、グラビア塗工等が挙げられる。なお、粘着剤層組成物を直接基材31に塗布して、基材31上に粘着剤層32を形成してもよく、また、粘着剤組成物を表面に剥離処理を行った剥離紙等に塗布して粘着剤層32を形成させた後、該粘着剤層32を基材31に転写させて、基材31上に粘着剤層32を形成してもよい。このように、基材31上に粘着剤層32を形成することにより、ダイシングテープ3を作製する。
一方、ウエハ接着層22を形成する為の形成材料である樹脂組成物(ウエハ接着層用樹脂組成物)を剥離紙上に乾燥後の厚みが所定厚みとなる様に塗布し、更に所定条件下で乾燥して(熱硬化が必要な場合などでは、必要に応じて加熱処理を施して乾燥して)、ウエハ接着層22を形成する。続いて、レーザーマーク層21を形成する為の形成材料である樹脂組成物(レーザーマーク層用樹脂組成物)をウエハ接着層22上に乾燥後の厚みが所定厚みとなる様に塗布し、更に所定条件下で乾燥して(熱硬化が必要な場合などでは、必要に応じて加熱処理を施して乾燥して)、レーザーマーク層21を形成して、レーザーマーク層21とウエハ接着層22との積層構造を有している半導体裏面用フィルム2を作製する。この半導体裏面用フィルム2を、レーザーマーク層21が前記粘着剤層32に接触する形態で、粘着剤層32上に転写することにより、半導体裏面用フィルム2を粘着剤層32上に形成する。なお、前記粘着剤層32上に、レーザーマーク層用樹脂組成物を塗布してレーザーマーク層21を形成し、さらに該レーザーマーク層21上に、ウエハ接着層用樹脂組成物を塗布してウエハ接着層22を形成することによっても、半導体裏面用フィルム2を粘着剤層32上に形成することができる。当該方法においても、レーザーマーク層21やウエハ接着層22の熱硬化が必要な場合等では、必要に応じて加熱処理を施し乾燥するのが好ましい。以上により、本発明に係るダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1を得ることができる。なお、半導体裏面用フィルム2の形成の際に熱硬化を行う場合、これが部分硬化の状態となる程度にまで熱硬化を行うことが重要であるが、好ましくは熱硬化を行わない。
ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1は、フリップチップボンディング工程を具備する半導体装置の製造の際に好適に用いることができる。即ち、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1は、フリップチップ実装の半導体装置を製造する際に用いられ、半導体チップの裏面に半導体裏面用フィルム2が貼着している状態又は形態で、フリップチップ実装の半導体装置が製造される。従って、本発明のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1は、フリップチップ実装の半導体装置(半導体チップが基板等の被着体にフリップチップボンディング方式で固定された状態又は形態の半導体装置)に対して用いることができる。
[半導体ウエハ]
半導体ウエハとしては、公知乃至慣用の半導体ウエハであれば特に制限されず、各種素材の半導体ウエハから適宜選択して用いることができる。本発明では、半導体ウエハとしては、シリコンウエハを好適に用いることができる。
[半導体装置の製造方法]
本発明の半導体装置の製造方法は、前記ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムを用いた半導体装置の製造方法であれば特に制限されないが、例えば、下記の工程を具備する製造方法などが挙げられる。
前記ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムの半導体裏面用フィルム上(すなわち、半導体裏面用フィルムのウエハ接着層22上)にワーク(半導体ウエハ)を貼着する工程(マウント工程)
前記ワークをダイシングしてチップ状ワーク(半導体チップ)を形成する工程(ダイシング工程)
前記チップ状ワークを前記半導体裏面用フィルムとともに、ダイシングテープの粘着剤層から剥離する工程(ピックアップ工程)
前記チップ状ワークを被着体にフリップチップボンディングにより固定する工程(フリップチップボンディング工程)
より具体的には、半導体装置の製造方法としては、例えば、本発明のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムを、半導体裏面用フィルム上(すなわち、半導体裏面用フィルムのウエハ接着層22上)に任意に設けられたセパレータを適宜に剥離して、次の様に使用することにより、半導体装置を製造することができる。なお、以下では、図2を参照しながらダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1を用いた場合を例にして説明する。
図2は、本発明のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムを用いた半導体装置の製造方法の一例を示す断面模式図である。図2において、4は半導体ウエハ(ワーク)、5は半導体チップ(チップ状ワーク)、51は半導体チップ5の回路面側に形成されているバンプ、6は被着体、61は被着体6の接続パッドに被着された接合用の導電材61であり、1、2、21、22、3、31、32は前記と同様に、それぞれ、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム、半導体裏面用フィルム、レーザーマーク層、ウエハ接着層、ダイシングテープ、基材、粘着剤層である。
(マウント工程)
先ず、図2(a)で示されるように、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1における半導体裏面用フィルム2のウエハ接着層22上に半導体ウエハ4を貼着し(特に圧着し)、これを接着(密着)保持させて固定する(マウント工程)。なお、本工程は、通常、圧着ロール等の押圧手段により押圧しながら行われる。
(ダイシング工程)
次に、図2(b)で示されるように、半導体ウエハ4のダイシングを行う。これにより、半導体ウエハ4を所定のサイズに切断して個片化(小片化)し、半導体チップ5を製造する。ダイシングは、例えば、半導体ウエハ4の回路面側から常法に従い行われる。また、本工程では、例えば、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1まで切込みを行うフルカットと呼ばれる切断方式等を採用できる。本工程で用いるダイシング装置としては特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。また、半導体ウエハ4は、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1により接着(密着)固定されているので、チップ欠けやチップ飛びを抑制できると共に、半導体ウエハ4の破損も抑制できる。なお、半導体裏面用フィルム2(レーザーマーク層21、ウエハ接着層22)がエポキシ樹脂を含む樹脂組成物により形成されていると、ダイシングにより切断されても、その切断面において半導体裏面用フィルム2の糊はみ出しが生じるのを抑制又は防止することができる。その結果、切断面同士が再付着(ブロッキング)することを抑制又は防止することができ、後述のピックアップを一層良好に行うことができる。
なお、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムのエキスパンドを行う場合、該エキスパンドは従来公知のエキスパンド装置を用いて行うことができる。エキスパンド装置は、ダイシングリングを介してダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムを下方へ押し下げることが可能なドーナッツ状の外リングと、外リングよりも径が小さくダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムを支持する内リングとを有している。このエキスパンド工程により、後述のピックアップ工程において、隣り合う半導体チップ同士が接触して破損するのを防ぐことが出来る。
(ピックアップ工程)
ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1に接着(密着)固定された半導体チップ5を回収する為に、図2(c)で示されるように、半導体チップ5のピックアップを行って、半導体チップ5を半導体裏面用フィルム2とともにダイシングテープ3より剥離させる。ピックアップの方法としては特に限定されず、従来公知の種々の方法を採用できる。例えば、個々の半導体チップ5をダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1の基材31側からニードルによって突き上げ、突き上げられた半導体チップ5をピックアップ装置によってピックアップする方法等が挙げられる。なお、ピックアップされた半導体チップ5は、その裏面(非回路面、非電極形成面などとも称される)が、レーザーマーク層21とウエハ接着層22とによる半導体裏面用フィルム2により保護されている。
(フリップチップボンディング工程)
ピックアップした半導体チップ5は、図2(d)で示されるように、基板等の被着体に、フリップチップボンディング方式(フリップチップ実装方式)により固定させる。具体的には、半導体チップ5を、半導体チップ5の回路面(表面、回路パターン形成面、電極形成面などとも称される)が被着体6と対向する形態で、被着体6に常法に従い固定させる。例えば、半導体チップ5の回路面側に形成されているバンプ51を、被着体6の接続パッドに被着された接合用の導電材(半田など)61に接触させて押圧しながら導電材を溶融させることにより、半導体チップ5と被着体6との電気的導通を確保し、半導体チップ5を被着体6に固定させることができる。なお、このような半導体チップ5の被着体6への固定に際しては、半導体チップ5と被着体6との対向面や間隙を洗浄し、該間隙に封止材(封止樹脂など)を充填させることが重要である。
被着体6としては、リードフレームや回路基板(配線回路基板など)等の各種基板を用いることができる。このような基板の材質としては、特に限定されるものではないが、セラミック基板や、プラスチック基板が挙げられる。プラスチック基板としては、例えば、エポキシ基板、ビスマレイミドトリアジン基板、ポリイミド基板等が挙げられる。
フリップチップボンディングにおいて、バンプや導電材の材質としては、特に限定されず、例えば、錫−鉛系金属材、錫−銀系金属材、錫−銀−銅系金属材、錫−亜鉛系金属材、錫−亜鉛−ビスマス系金属材等の半田類(合金)や、金系金属材、銅系金属材などが挙げられる。
なお、本工程では、導電材を溶融させて、半導体チップ5の回路面側のバンプと、被着体6の表面の導電材とを接続させているが、この導電材の溶融時の温度としては、通常、260℃程度(例えば、250℃〜300℃)となっている。本発明のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムは、半導体裏面用フィルムをエポキシ樹脂等により形成することにより、このフリップチップボンディング工程における高温にも耐えられる耐熱性を有するものとすることができる。
また、フリップチップボンディングにおいて、半導体チップ5と被着体6との対向面(電極形成面)や間隙を洗浄する際に用いられる洗浄液としては、特に制限されず、有機系の洗浄液であってもよく、水系の洗浄液であってもよい。本発明のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムにおける半導体裏面用フィルムは、洗浄液に対する耐溶剤性を有しており、これらの洗浄液に対して実質的に溶解性を有していない。そのため、前述のように、洗浄液としては、各種洗浄液を用いることができ、特別な洗浄液を必要とせず、従来の方法により洗浄させることができる。
また、本発明において、フリップチップボンディングにおいて、半導体チップ5と被着体6との間隙を封止する際に用いられる封止材としては、絶縁性を有する樹脂(絶縁樹脂)であれば特に制限されず、公知の封止樹脂等の封止材から適宜選択して用いることができる。封止樹脂としては、弾性を有する絶縁樹脂であることが好ましい。封止樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂を含む樹脂組成物等が挙げられる。エポキシ樹脂としては、前記に例示のエポキシ樹脂等が挙げられる。また、エポキシ樹脂を含む樹脂組成物による封止樹脂としては、樹脂成分として、エポキシ樹脂以外に、エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂(フェノール樹脂など)や、熱可塑性樹脂などが含まれていてもよい。なお、フェノール樹脂としては、エポキシ樹脂の硬化剤としても利用することができ、このようなフェノール樹脂としては、前記に例示のフェノール樹脂などが挙げられる。
封止樹脂による封止工程では、通常、加熱させて封止樹脂を硬化させて封止させる。なお、封止樹脂の硬化は、通常、175℃で60秒〜90秒間行われる場合が多いが、本発明ではこれに限定されず、例えば165℃〜185℃で、数分間キュアすることができる。尚、半導体裏面用フィルム2に於いて、レーザーマーク層21は熱可塑性樹脂成分と、任意成分としての熱硬化性樹脂成分とを含む樹脂組成物により形成されているので、熱硬化性樹脂成分を含む場合には、この封止樹脂のキュアの際に、前記熱硬化性樹脂成分を完全に、又はほぼ完全に硬化させることができる。また、ウエハ接着層22は任意成分としての熱可塑性樹脂成分と熱硬化性樹脂成分を含む樹脂組成物により形成されているので、この封止樹脂のキュアの際に、前記熱硬化性樹脂成分を完全に、又はほぼ完全に硬化させることができる。
なお、半導体チップ5と被着体6との空隙間距離は、一般的に、30μm〜300μm程度である。
このようにして形成された半導体装置は、電子部品又はその材料として好適に用いられる。
本発明のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムを用いて製造された半導体装置(フリップチップ実装の半導体装置)は、半導体チップの裏面に半導体裏面用フィルムが、レーザーマーク層21が最外面となる形態で貼着されているため、レーザーマーキングを優れた視認性で施すことができる。特に、優れたコントラスト比でレーザーマーキングを施すことができ、レーザーマーキングにより施された各種情報(文字情報、図形情報など)を良好に視認することが可能である。なお、レーザーマーキングを行う際には、公知のレーザーマーキング装置を利用することができる。また、レーザーとしては、気体レーザー、固体レーザー、液体レーザーなどの各種レーザーを利用することができる。具体的には、気体レーザーとしては、特に制限されず、公知の気体レーザーを利用することができるが、炭酸ガスレーザー(COレーザー)、エキシマレーザー(ArFレーザー、KrFレーザー、XeClレーザー、XeFレーザーなど)が好適である。また、固体レーザーとしては、特に制限されず、公知の固体レーザーを利用することができるが、YAGレーザー(Nd:YAGレーザーなど)、YVOレーザーが好適である。
本発明のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム1を用いて製造された半導体装置は、フリップチップ実装方式で実装された半導体装置であるので、ダイボンディング実装方式で実装された半導体装置よりも、薄型化、小型化された形状となっている。このため、各種の電子機器・電子部品又はそれらの材料・部材として好適に用いることができる。具体的には、本発明のフリップチップ実装の半導体装置が利用される電子機器としては、いわゆる「携帯電話」や「PHS」、小型のコンピュータ(例えば、いわゆる「PDA」(携帯情報端末)、いわゆる「ノートパソコン」、いわゆる「ネットブック(商標)」、いわゆる「ウェアラブルコンピュータ」など)、「携帯電話」及びコンピュータが一体化された形態の小型の電子機器、いわゆる「デジタルカメラ(商標)」、いわゆる「デジタルビデオカメラ」、小型のテレビ、小型のゲーム機器、小型のデジタルオーディオプレイヤー、いわゆる「電子手帳」、いわゆる「電子辞書」、いわゆる「電子書籍」用電子機器端末、小型のデジタルタイプの時計などのモバイル型の電子機器(持ち運び可能な電子機器)などが挙げられるが、もちろん、モバイル型以外(設置型など)の電子機器(例えば、いわゆる「ディスクトップパソコン」、薄型テレビ、録画・再生用電子機器(ハードディスクレコーダー、DVDプレイヤー等)、プロジェクター、マイクロマシンなど)などであってもよい。また、電子部品又は、電子機器・電子部品の材料・部材としては特に限定されず、例えば、いわゆる「CPU」の部材、各種記憶装置(いわゆる「メモリー」、ハードディスクなど)の部材などが挙げられる。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に記載されている材料や配合量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例に過ぎない。また、各例中、部は特記がない限りいずれも重量基準である。
(製造例1)
アクリル酸エチル−メチルメタクリレートを主成分とするアクリル酸エステル系ポリマー(商品名「パラクロンW−197CM」根上工業株式会社製):100部に対して、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「エピコート1004」JER株式会社製):193部、フェノールアラルキル樹脂(商品名「ミレックスXLC−4L」三井化学株式会社製):207部、球状シリカ(商品名「SO−25R」株式会社アドマテックス製):370部、染料1(商品名「OIL GREEN 502」オリエント化学工業株式会社製):8部、染料2(商品名「OIL BLACK BS」オリエント化学工業株式会社製):8部をメチルエチルケトンに溶解して、固形分濃度が23.6重量%となる樹脂組成物の溶液(「樹脂組成物溶液A」と称する場合がある)を調製した。この樹脂組成物溶液Aにおいて、樹脂成分中の熱可塑性樹脂(すなわち、アクリル酸エステル系ポリマー)の割合は、樹脂成分全量に対して20重量%である。
(製造例2)
アクリル酸エチル−メチルメタクリレートを主成分とするアクリル酸エステル系ポリマー(商品名「パラクロンW−197CM」根上工業株式会社製):100部に対して、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「エピコート1004」JER株式会社製):135部、フェノールアラルキル樹脂(商品名「ミレックスXLC−4L」三井化学株式会社製):144部、球状シリカ(商品名「SO−25R」株式会社アドマテックス製):280部、染料1(商品名「OIL GREEN 502」オリエント化学工業株式会社製):6部、染料2(商品名「OIL BLACK BS」オリエント化学工業株式会社製):6部をメチルエチルケトンに溶解して、固形分濃度が23.6重量%となる樹脂組成物の溶液(「樹脂組成物溶液B」と称する場合がある)を調製した。この樹脂組成物溶液Bにおいて、樹脂成分中の熱可塑性樹脂(すなわち、アクリル酸エステル系ポリマー)の割合は、樹脂成分全量に対して26.4重量%である。
(製造例3)
アクリル酸エチル−メチルメタクリレートを主成分とするアクリル酸エステル系ポリマー(商品名「パラクロンW−197CM」根上工業株式会社製):100部に対して、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「エピコート1004」JER株式会社製):110部、フェノールアラルキル樹脂(商品名「ミレックスXLC−4L」三井化学株式会社製):118部、球状シリカ(商品名「SO−25R」株式会社アドマテックス製):246部、染料1(商品名「OIL GREEN 502」オリエント化学工業株式会社製):5部、染料2(商品名「OIL BLACK BS」オリエント化学工業株式会社製):5部をメチルエチルケトンに溶解して、固形分濃度が23.6重量%となる樹脂組成物の溶液(「樹脂組成物溶液C」と称する場合がある)を調製した。この樹脂組成物溶液Cにおいて、樹脂成分中の熱可塑性樹脂(すなわち、アクリル酸エステル系ポリマー)の割合は、樹脂成分全量に対して30.5重量%である。
(製造例4)
アクリル酸エチル−メチルメタクリレートを主成分とするアクリル酸エステル系ポリマー(商品名「パラクロンW−197CM」根上工業株式会社製):100部に対して、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名「エピコート1004」JER株式会社製):93部、フェノールアラルキル樹脂(商品名「ミレックスXLC−4L」三井化学株式会社製):101部、球状シリカ(商品名「SO−25R」株式会社アドマテックス製):280部、染料1(商品名「OIL GREEN 502」オリエント化学工業株式会社製):6部、染料2(商品名「OIL BLACK BS」オリエント化学工業株式会社製):6部をメチルエチルケトンに溶解して、固形分濃度が23.6重量%となる樹脂組成物の溶液(「樹脂組成物溶液D」と称する場合がある)を調製した。この樹脂組成物溶液Dにおいて、樹脂成分中の熱可塑性樹脂(すなわち、アクリル酸エステル系ポリマー)の割合は、樹脂成分全量に対して34重量%である。
(ウエハ接着性の評価)
製造例1〜4で調製された樹脂組成物溶液A〜樹脂組成物溶液Dによる樹脂層について、ウエハに対する接着力を、下記の接着力の測定方法により測定し、ウエハ接着層として適切な接着力を有しているかどうかを、下記の接着性の評価基準で評価した。評価又は測定結果は表1に示した。
<接着力の測定方法>
製造例1〜4で調製された樹脂組成物溶液A〜樹脂組成物溶液Dによる樹脂層の一方の面にポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm;「PETフィルム」と称する場合がある)を貼着させて、樹脂層貼着PETフィルムを得る。ウエハとしてのシリコンウエハ(厚さ0.6mm)を熱板の上に置き、所定の温度(50℃)下で、樹脂層貼着PETフィルムの樹脂層がウエハと接触する形態で、2kgのローラーを一往復して貼り合わせる。その後、熱板上(50℃)に2分間静置した後、常温(23℃程度)で20分静置し、放置後、剥離試験機(商品名「オートグラフAGS−J」島津製作所社製)を用いて、温度23℃の条件下で、剥離角度:180°、引張速度:300mm/minの条件で、樹脂層貼着PETフィルムを引き剥がして(樹脂層とウエハとの界面で剥離させて)、この引き剥がした時の荷重の最大荷重(測定初期のピークトップを除いた荷重の最大値)を測定し、この最大荷重を樹脂層とウエハ間の接着力(樹脂層のウエハに対する接着力)として、樹脂の接着力(N/10mm幅)を求める。
<接着性の評価基準>
○:ウエハに対する接着力が1N/10mm幅以上である。
×:ウエハに対する接着力が1N/10mm幅未満である。
なお、この接着力の測定方法では、樹脂層をPETフィルムで補強しているが、PETフィルムに代えて、粘着テープ(商品名「BT315」日東電工株式会社製)を用いても、同様の接着力の値となる。
Figure 0005885325
表1より、製造例1〜製造例2による樹脂組成物溶液A〜樹脂組成物溶液Bによる樹脂層は、ウエハに対する接着力が良好であり、ウエハ接着層として適している。従って、この樹脂層は、ウエハ接着層として利用できる。
一方、製造例3〜製造例4による樹脂組成物溶液C〜樹脂組成物溶液Dによる樹脂層は、ウエハに対する接着力が低く、ウエハ接着層として適していない。従って、この樹脂層は、ウエハ接着層として利用できない。
(レーザーマーキング性の評価)
製造例1〜4で調製された樹脂組成物溶液A〜樹脂組成物溶液Dによる樹脂層について、レーザーマーキング性を、下記のレーザー加工性の評価又は測定方法により評価又は測定し、レーザーマーク層として適切なレーザーマーキング性を有しているかどうかを、下記のレーザー加工性の評価基準で評価した。評価又は測定結果は表2に示した
<レーザー加工性の評価又は測定方法>
製造例1〜4で調製された樹脂組成物溶液A〜樹脂組成物溶液Dによる樹脂層に、レーザーを照射し、このレーザーの照射により加工された加工深さを、レーザー顕微鏡を用いて測定する。照射条件としては、YVO(イットリウム・バナジウム酸塩)レーザーを波長:532nm、照射強度:1.0Wの条件下で行った。また、株式会社キーエンス製のレーザー発生装置(商品名「MD−S9900」)を用いた。
<レーザー加工性の評価基準>
○:レーザー加工深さが2μm以上である。
×:レーザー加工深さが2μm未満である。
Figure 0005885325
表2より、製造例3〜製造例4による樹脂組成物溶液C〜樹脂組成物溶液Dによる樹脂層は、レーザー加工性が良好であり、レーザーマーク層として適している。従って、この樹脂層は、レーザーマーク層として利用できる。
一方、製造例1〜製造例2による樹脂組成物溶液A〜樹脂組成物溶液Bによる樹脂層は、レーザー加工性が低く、レーザーマーク層として適していない。従って、この樹脂層は、基本的には、レーザーマーク層として利用できない。
(実施例1)
<フリップチップ型半導体裏面用フィルムの作製>
製造例1で調製された樹脂組成物溶液Aを剥離ライナ(セパレータ)としてシリコーン離型処理した厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる離型処理フィルム上に塗布し、130℃で2分間乾燥させることにより、厚さ10μmのウエハ側樹脂層を形成し、その後、該ウエハ側樹脂層上に、製造例3で調製された樹脂組成物溶液Cを塗布し、130℃で2分間乾燥させることにより、厚さ10μmの外側樹脂層を形成して、厚さ(平均厚さ)20μmのフリップチップ型半導体裏面用フィルム(「半導体裏面用フィルムA」と称する場合がある)を作製した。
<ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムの作製>
上記半導体裏面用フィルムAを、ダイシングテープ(商品名「V−8−T」日東電工株式会社製、基材の平均厚さ:65μm、粘着剤層の平均厚さ:10μm)の粘着剤層上に、外側樹脂層がダイシングテープの粘着剤層と接触する形態で、ハンドローラーを用いて貼り合せ、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムを作製した。
なお、本実施例に係るダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムに於いて、着色半導体裏面用フィルムの厚さ(平均厚さ)20μmである。また、ダイシングテープ(商品名「V−8−T」日東電工株式会社製)において、基材の平均厚さは65μmであり、粘着剤層の平均厚さは10μmであり、総厚は75μmである。従って、着色半導体裏面用フィルムの厚さと粘着剤層の厚さの比(平均厚さの比)は20/10であり、着色半導体裏面用フィルムの厚さとダイシングテープの厚さとの比(平均厚さの比)は、20/75である。
(実施例2)
<フリップチップ型半導体裏面用フィルムの作製>
製造例1で調製された樹脂組成物溶液Aを剥離ライナ(セパレータ)としてシリコーン離型処理した厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる離型処理フィルム上に塗布し、130℃で2分間乾燥させることにより、厚さ10μmのウエハ側樹脂層を形成し、その後、該ウエハ側樹脂層上に、製造例4で調製された樹脂組成物溶液Dを塗布し、130℃で2分間乾燥させることにより、厚さ10μmの外側樹脂層を形成して、厚さ(平均厚さ)20μmのフリップチップ型半導体裏面用フィルム(「半導体裏面用フィルムB」と称する場合がある)を作製した。
<ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムの作製>
上記半導体裏面用フィルムBを、ダイシングテープ(商品名「V−8−T」日東電工株式会社製、基材の平均厚さ:65μm、粘着剤層の平均厚さ:10μm)の粘着剤層上に、外側樹脂層がダイシングテープの粘着剤層と接触する形態で、ハンドローラーを用いて貼り合せ、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムを作製した。
なお、本実施例に係るダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムに於いて、着色半導体裏面用フィルムの厚さ(平均厚さ)20μmである。また、ダイシングテープ(商品名「V−8−T」日東電工株式会社製)において、基材の平均厚さは65μmであり、粘着剤層の平均厚さは10μmであり、総厚は75μmである。従って、着色半導体裏面用フィルムの厚さと粘着剤層の厚さの比(平均厚さの比)は20/10であり、着色半導体裏面用フィルムの厚さとダイシングテープの厚さとの比(平均厚さの比)は、20/75である。
(比較例1)
<フリップチップ型半導体裏面用フィルムの作製>
製造例1で調製された樹脂組成物溶液Aを剥離ライナ(セパレータ)としてシリコーン離型処理した厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる離型処理フィルム上に塗布し、130℃で2分間乾燥させることにより、厚さ10μmのウエハ側樹脂層を形成し、その後、該ウエハ側樹脂層上に、製造例2で調製された樹脂組成物溶液Bを塗布し、130℃で2分間乾燥させることにより、厚さ10μmの外側樹脂層を形成して、厚さ(平均厚さ)20μmのフリップチップ型半導体裏面用フィルム(「半導体裏面用フィルムC」と称する場合がある)を作製した。
<ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムの作製>
上記半導体裏面用フィルムCを、ダイシングテープ(商品名「V−8−T」日東電工株式会社製、基材の平均厚さ:65μm、粘着剤層の平均厚さ:10μm)の粘着剤層上に、外側樹脂層がダイシングテープの粘着剤層と接触する形態で、ハンドローラーを用いて貼り合せ、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムを作製した。
なお、本比較例に係るダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムに於いて、着色半導体裏面用フィルムの厚さ(平均厚さ)20μmである。また、ダイシングテープ(商品名「V−8−T」日東電工株式会社製)において、基材の平均厚さは65μmであり、粘着剤層の平均厚さは10μmであり、総厚は75μmである。従って、着色半導体裏面用フィルムの厚さと粘着剤層の厚さの比(平均厚さの比)は20/10であり、着色半導体裏面用フィルムの厚さとダイシングテープの厚さとの比(平均厚さの比)は、20/75である。
(比較例2)
<半導体裏面用フィルムの作製>
製造例3で調製された樹脂組成物溶液Cを剥離ライナ(セパレータ)としてシリコーン離型処理した厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる離型処理フィルム上に塗布し、130℃で2分間乾燥させることにより、厚さ10μmのウエハ側樹脂層を形成し、その後、該ウエハ側樹脂層上に、製造例3で調製された樹脂組成物溶液Cを塗布し、130℃で2分間乾燥させることにより、厚さ10μmの外側樹脂層を形成して、厚さ(平均厚さ)20μmの半導体裏面用フィルム(「半導体裏面用フィルムD」と称する場合がある)を作製した。
<ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムの作製>
上記半導体裏面用フィルムDを、ダイシングテープ(商品名「V−8−T」日東電工株式会社製、基材の平均厚さ:65μm、粘着剤層の平均厚さ:10μm)の粘着剤層上に、外側樹脂層がダイシングテープの粘着剤層と接触する形態で、ハンドローラーを用いて貼り合せ、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムを作製した。
なお、本比較例に係るダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムに於いて、着色半導体裏面用フィルムの厚さ(平均厚さ)20μmである。また、ダイシングテープ(商品名「V−8−T」日東電工株式会社製)において、基材の平均厚さは65μmであり、粘着剤層の平均厚さは10μmであり、総厚は75μmである。従って、着色半導体裏面用フィルムの厚さと粘着剤層の厚さの比(平均厚さの比)は20/10であり、着色半導体裏面用フィルムの厚さとダイシングテープの厚さとの比(平均厚さの比)は、20/75である。
(比較例3)
<半導体裏面用フィルムの作製>
製造例3で調製された樹脂組成物溶液Cを剥離ライナ(セパレータ)としてシリコーン離型処理した厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる離型処理フィルム上に塗布し、130℃で2分間乾燥させることにより、厚さ10μmのウエハ側樹脂層を形成し、その後、該ウエハ側樹脂層上に、製造例4で調製された樹脂組成物溶液Dを塗布し、130℃で2分間乾燥させることにより、厚さ10μmの外側樹脂層を形成して、厚さ(平均厚さ)20μmの半導体裏面用フィルム(「半導体裏面用フィルムE」と称する場合がある)を作製した。
<ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムの作製>
上記半導体裏面用フィルムEを、ダイシングテープ(商品名「V−8−T」日東電工株式会社製、基材の平均厚さ:65μm、粘着剤層の平均厚さ:10μm)の粘着剤層上に、外側樹脂層がダイシングテープの粘着剤層と接触する形態で、ハンドローラーを用いて貼り合せ、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムを作製した。
なお、本比較例に係るダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムに於いて、着色半導体裏面用フィルムの厚さ(平均厚さ)20μmである。また、ダイシングテープ(商品名「V−8−T」日東電工株式会社製)において、基材の平均厚さは65μmであり、粘着剤層の平均厚さは10μmであり、総厚は75μmである。従って、着色半導体裏面用フィルムの厚さと粘着剤層の厚さの比(平均厚さの比)は20/10であり、着色半導体裏面用フィルムの厚さとダイシングテープの厚さとの比(平均厚さの比)は、20/75である。
(比較例4)
<半導体裏面用フィルムの作製>
製造例4で調製された樹脂組成物溶液Dを剥離ライナ(セパレータ)としてシリコーン離型処理した厚さが50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる離型処理フィルム上に塗布し、130℃で2分間乾燥させることにより、厚さ10μmのウエハ側樹脂層を形成し、その後、該ウエハ側樹脂層上に、製造例4で調製された樹脂組成物溶液Dを塗布し、130℃で2分間乾燥させることにより、厚さ10μmの外側樹脂層を形成して、厚さ(平均厚さ)20μmの半導体裏面用フィルム(「半導体裏面用フィルムF」と称する場合がある)を作製した。
<ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムの作製>
上記半導体裏面用フィルムFを、ダイシングテープ(商品名「V−8−T」日東電工株式会社製、基材の平均厚さ:65μm、粘着剤層の平均厚さ:10μm)の粘着剤層上に、外側樹脂層がダイシングテープの粘着剤層と接触する形態で、ハンドローラーを用いて貼り合せ、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムを作製した。
なお、本比較例に係るダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムに於いて、着色半導体裏面用フィルムの厚さ(平均厚さ)20μmである。また、ダイシングテープ(商品名「V−8−T」日東電工株式会社製)において、基材の平均厚さは65μmであり、粘着剤層の平均厚さは10μmであり、総厚は75μmである。従って、着色半導体裏面用フィルムの厚さと粘着剤層の厚さの比(平均厚さの比)は20/10であり、着色半導体裏面用フィルムの厚さとダイシングテープの厚さとの比(平均厚さの比)は、20/75である。
(着色半導体裏面用フィルムの物性測定)
実施例1〜2及び比較例1〜4で作製したダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムにおける着色半導体裏面用フィルムの可視光線透過率(%)、吸湿率(重量%)、重量減少率(重量%)を、それぞれ下記の通りに測定した。測定結果を下記表3に示す。
<可視光線透過率の測定方法>
実施例1〜2及び比較例1〜4で作製した着色半導体裏面用フィルムA〜F(平均厚さ20μm)に、「ABSORPTION SPECTRO PHOTOMETER」(商品名、(株)島津製作所)を用いて、可視光線を照射した。可視光線の波長は400nm〜800nmである。この照射により着色半導体裏面用フィルム2を透過した可視光線の光強度を測定し、次式により算出した。
可視光線透過率(%)=((着色半導体裏面用フィルムの透過後の可視光線の光強度)/(可視光線の初期の光強度))×100
<吸湿率の測定方法>
実施例1〜2及び比較例1〜4で作製した着色半導体裏面用フィルムA〜Fを、温度85℃、相対湿度85%Rhの恒温恒湿槽に168時間放置して、放置前後の重量を測定し、下記式から吸湿率(重量%)を算出した。
吸湿率(重量%)=(((着色半導体裏面用フィルムの放置後の重量)−(着色半導体裏面用フィルムの放置前の重量))/(着色半導体裏面用フィルムの放置前の重量))×100
<重量減少率の測定方法>
実施例1〜2及び比較例1〜4で作製した着色半導体裏面用フィルムA〜Fを、温度250℃の乾燥機に1時間放置して、放置前後の重量を測定し、下記式から重量減少率(重量%)を算出した。
重量減少率(重量%)=(((着色半導体裏面用フィルムの放置前の重量)−(着色半導体裏面用フィルムの放置後の重量))/(着色半導体裏面用フィルムの放置前の重量))×100
Figure 0005885325
(評価)
実施例1〜2及び比較例1〜4で作製したダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムについて、ダイシング性、ピックアップ性、フリップチップボンディング性、ウエハ裏面のマーキング性、ウエハ裏面の外観性を、下記の評価又は測定方法により評価又は測定した。評価又は測定結果は表4に示した。
<ダイシング性・ピックアップ性の評価方法>
実施例1〜2及び比較例1〜4のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムを用いて、以下の要領で、実際に半導体ウエハのダイシングを行ってダイシング性を評価し、その後に剥離性の評価を行い、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムのダイシング性能とピックアップ性能を評価した。
半導体ウエハ(直径8インチ、厚さ0.6mm;シリコンミラーウエハ)を裏面研磨処理し、厚さ0.2mmのミラーウエハをワークとして用いた。ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムからセパレータを剥離した後、その半導体裏面用フィルム上(すなわち、半導体裏面用フィルムのウエハ接着層上)にミラーウエハ(ワーク)を70℃でロール圧着して貼り合わせ、更にダイシングを行った。また、ダイシングは10mm角のチップサイズとなる様にフルカットした。なお、半導体ウエハ研削条件、貼り合わせ条件、ダイシング条件は、下記のとおりである。
(半導体ウエハ研削条件)
研削装置:商品名「DFG−8560」ディスコ社製
半導体ウエハ:8インチ径(厚さ0.6mmから0.2mmに裏面研削)
(貼り合わせ条件)
貼り付け装置:商品名「MA−3000III」日東精機株式会社製
貼り付け速度計:10mm/min
貼り付け圧力:0.15MPa
貼り付け時のステージ温度:70℃
(ダイシング条件)
ダイシング装置:商品名「DFD−6361」ディスコ社製
ダイシングリング:「2−8−1」(ディスコ社製)
ダイシング速度:30mm/sec
ダイシングブレード:
Z1;ディスコ社製「203O−SE 27HCDD」
Z2;ディスコ社製「203O−SE 27HCBB」
ダイシングブレード回転数:
Z1;40,000rpm
Z2;45,000rpm
カット方式:ステップカット
ウエハチップサイズ:10.0mm角
このダイシングで、ミラーウエハ(ワーク)が剥離せずにダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムにしっかりと保持され、ダイシングを良好に行うことができたどうかを確認し、ダイシングを良好に行うことができた場合を「○」とし、ダイシングを良好に行うことができなかった場合を「×」として、ダイシング性を評価した。
次に、ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムのダイシングテープ側からニードルで突き上げて、ダイシングにより得られたチップ状ワークを半導体裏面用フィルムとともにダイシングテープの粘着剤層より剥離させて、裏面が半導体裏面用フィルムのより保護された状態のチップ状ワークをピックアップさせた。この時のチップ(全個数:400個)のピックアップ率(%)を求め、ピックアップ性を評価した。従って、ピックアップ性は、ピックアップ率が100%に近いほど良好である。
なお、ピックアップ条件は、下記のとおりである。
(半導体ウエハピックアップ条件)
ピックアップ装置:商品名「SPA−300」株式会社新川社製
ピックアップニードル本数:9本
ニードル突き上げ速度:20mm/s
ニードル突き上げ量 : 500μm
ピックアップ時間:1秒
ダイシングテープ エキスパンド量 : 3mm
<フリップチップボンディング性の評価方法>
各実施例又は各比較例に係るダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムを用いて、前記の<ダイシング性・ピックアップ性の評価方法>により得られた各実施例又は各比較例に係るチップ状ワークについて、チップ状ワークの表面(回路面)が、該回路面に対応した配線を備えた回路基板の表面に対向する形態で、チップ状ワークの回路面に形成されているバンプが、回路基板の接続パッドに被着された接合用の導電材(半田)と接触させて押圧しながら、温度を260℃まで上げて導電材を溶融させ、その後、室温まで冷却させることにより、チップ状ワークを回路基板に固定させて、半導体装置を作製した。この際のフリップチップボンディング性について、下記の評価基準により評価した。
(フリップチップボンディング性の評価基準)
○:問題なく、フリップチップボンディング方法により、実装できる
×:フリップチップボンディング方法により、実装できない
<ウエハ裏面のマーキング性の評価方法>
前記の<フリップチップボンディング性の評価方法>により得られた半導体装置におけるチップ状ワークの裏面(すなわち、半導体裏面用フィルムの最外層の表面)に、YAGレーザーによりレーザーマーキングを施し、該レーザーマーキングにより得られた情報(バーコード情報)について、下記の評価基準により、各実施例又は各比較例に係るダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムを用いて得られた半導体装置のマーキング性(レーザーマーキング性)を評価した。
(マーキング性の評価基準)
○:無作為に選んだ成人10人中、レーザーマーキングにより得られた情報を良好に視認できると判断した人数が8人以上である
×:無作為に選んだ成人10人中、レーザーマーキングにより得られた情報を良好に視認できると判断した人数が7人以下である
<ウエハ裏面の外観性の評価方法>
各実施例に係るダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムを用いて、前記の<ダイシング性・ピックアップ性の評価方法>により得られた各実施例に係るチップ状ワークについて、該チップ状ワークの裏面の外観性を、下記の評価基準により目視により評価した。
(外観性の評価基準)
○:チップ状ワークにおけるウエハ(シリコンウエハ)の裏面と半導体裏面用フィルムと間に剥離(浮き)が無い
×:チップ状ワークにおけるウエハ(シリコンウエハ)の裏面と半導体裏面用フィルムと間に剥離(浮き)がある
Figure 0005885325
表3より、実施例1〜2に係るダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムは、ダイシングテープとしての機能と、半導体裏面用フィルムとしての機能(ウエハへの接着性、レーザーマーキング性など)を、優れたレベルで備えていることが確認できた。
本発明のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムは、ダイシングテープと、半導体裏面用フィルムが一体的に形成されているとともに、半導体裏面用フィルムがウエハ接着層とレーザーマーク層とによる多層構造を有しているので、半導体ウエハのダイシング工程〜半導体チップのフリップチップボンディング工程にかけて利用することができる。すなわち、本発明のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムは、フリップチップボンディング方法により半導体装置を製造する際に、ダイシングテープおよび半導体裏面用フィルムの両機能を備えたダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムとして好適に用いることができる。
1 ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム
2 半導体裏面用フィルム
21 レーザーマーク層
22 ウエハ接着層
3 ダイシングテープ
31 基材
32 粘着剤層
4 半導体ウエハ(ワーク)
5 半導体チップ(チップ状ワーク)
51 半導体チップ5の回路面側に形成されているバンプ
6 被着体
61 被着体6の接続パッドに被着された接合用の導電材

Claims (6)

  1. 基材上に粘着剤層を有するダイシングテープと、該粘着剤層上に設けられたフリップチップ型半導体裏面用フィルムとを有するダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムであって、
    セパレータをさらに有し、
    前記フリップチップ型半導体裏面用フィルムが、前記セパレータにより保護されたウエハ接着層と、レーザーマーク層とを含む多層構造を有しており、
    前記ウエハ接着層が、樹脂成分全量に対して30重量%未満の任意成分としての熱可塑性樹脂成分と、熱硬化性樹脂成分とを含む樹脂組成物により形成され、
    前記レーザーマーク層が、熱可塑性樹脂成分としてアクリル樹脂を含み、樹脂成分全量に対して30重量%以上の熱可塑性樹脂成分と、任意成分としての熱硬化性樹脂成分とを含む樹脂組成物により形成されていることを特徴とするダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム。
  2. 前記ウエハ接着層は、半導体ウエハに対する接着力が1N/10mm幅以上のものであ
    り、
    前記レーザーマーク層は、波長532nmのイットリウム・バナジウム酸塩レーザーを
    、照射強度1.0Wの条件下で照射させたときの加工深さが2μm以上のものである請求
    項1に記載のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム。
  3. 前記ウエハ接着層及びレーザーマーク層は、着色剤が添加されたものである請求項1又
    は2記載のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム。
  4. フリップチップボンディング時に用いられる請求項1〜3の何れかの項に記載のダイシ
    ングテープ一体型半導体裏面用フィルム。
  5. 前記セパレータは、前記ウエハ接着層上に設けられている請求項1〜4の何れかの項に記載のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルム。
  6. 請求項1〜の何れかの項に記載のダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムを用
    いた半導体装置の製造方法であって、
    前記ダイシングテープ一体型半導体裏面用フィルムのフリップチップ型半導体裏面用フ
    ィルムにおけるウエハ接着層上にワークを貼着する工程と、
    前記ワークをダイシングしてチップ状ワークを形成する工程と、
    前記チップ状ワークを前記フリップチップ型半導体裏面用フィルムとともに、ダイシン
    グテープの粘着剤層から剥離する工程と、
    前記チップ状ワークを被着体にフリップチップボンディングにより固定する工程とを有
    することを特徴とする半導体装置の製造方法。
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