JP5884998B2 - パチンコ遊技機 - Google Patents
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Description
より臨場感のある効果音を遊技者に実感させるようにするためには、複数のスピーカ装置を用意することが好ましいのであるが、実際にはスピーカ装置が配設される前枠や遊技機本体にはそれほどスペース的な余裕が無いため、取り付けられるスピーカ装置の数には限界がある。また、スピーカ装置を増やす場合には効果音の出口を増設する必要があり、前枠の剛性を維持する必要もある。
更に、従来のスピーカ装置は紙等の薄手の材料からなるコーンを使用したコーン型スピーカユニットを音声発生部としており、かなり嵩張るため、この点も遊技機に多くのスピーカ装置が配設できない大きな理由であった。この種の遊技機に配設される従来のコーン型スピーカユニットの一例として特許文献1を示す。
しかし、エキサイタはコーン型スピーカユニットに比べて嵩張ることはないものの、エキサイタを装着した物体を自身とともに振動させることによってその物体自体から音声を再生することができる音響デバイスであるため、複数のエキサイタを前枠に取り付けた場合には各エキサイタの振動が互いに干渉してしまい、個々のエキサイタに基づく効果音が十分分離できないこととなる。例えば、特許文献2ではその図3及び図4に示すように、1枚の透明板53の周囲に計4つのエキサイタ52が装着されているが、このような使い方では互いの音が干渉して従来のコーン型スピーカユニットのように効果音を明瞭に再生させるには不十分であった。そのため、エキサイタを従来のコーン型スピーカユニットの代わりに、あるいは従来のコーン型スピーカユニットと一緒に前枠に装着して使用するというわけにもいかなかった。
これらのような各種問題があるため、従来の設計に大きな変更がなく、無理なく複数のスピーカ装置を配設することの可能なパチンコ遊技機が求められていた。
本発明は、このような従来の技術に存在する諸問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、前枠の設計変更をすることなく音源とその音源からの効果音の音の発生出口を増設することが可能なパチンコ遊技機を提供するものである。
ここに、振動子ユニットとは振動子として超磁歪材料又は圧電セラミックを使用し、これらにその他の電気部品を組み合わせて音声電流に基づいて振動子を振動させるようにしたアッセンブリーであって、振動子ユニット及び振動子ユニットが装着される振動媒体(被振動体)をもってスピーカ装置が構成される。
このようにパチンコ球の供給となる所定の遊技状態と連動させることで、パチンコ球の球詰まりの原因となるパチンコ球の球タンクへの供給の際に球タンク〜第2の流路にかけて効果音の発生に伴う振動を与えることができるため、球詰まりを防止することができることとなる。このタイミングは必ずしも球タンクへの供給のタイミングと振動タイミングが一致することを意味しない。例えば、球タンクへの供給のタイミングと若干時間ずらすように振動を与えても構わない。また、供給時間と振動時間とが一致する必要はない。例えば、供給時間よりも長い時間振動させるようにしても構わない。
図1〜図3に示すように、パチンコ遊技機の分類上、いわゆる第1種に区分されるパチンコ遊技機11は支持枠体かつパネル体としての外枠12を備えている。外枠12は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に取り付けられる。外枠12は上下左右の各枠板12a〜12dによって四角形に枠組みされた木製の枠体とされている。下部枠板12d上面には幕板13が配設されている。
外枠12内には遊技機本体14が装着されている。前方パネル体としての遊技機本体14はパチンコ遊技機の構造的な中核を形成する正面視において長方形形状をなすパネル状の構成部材であって、外枠12内において幕板13上に配置されている。図1〜図3に示すように、遊技機本体14は正面視において略長方形の外郭を備えたABS製のパネルとされている。遊技機本体14は正面から見て左方寄りにおいて上下に配設された開閉金具15aを有し、外枠12側の開閉金具15bに軸支されて開閉軸線P(図3参照)を軸心として前方側に開放可能とされている。図3に示すように、遊技機本体14は開閉軸線P側とは逆側の側縁に上下方向に間隔を開けて3箇所にラッチ機構L1が配設されている。ラッチ機構L1は遊技機本体14が外枠12に対して閉塞された際に外枠12側の挿入溝D1に挿入されて係合しロック状態とされる。
遊技機本体側機構部16の上方には遊技盤取り付けスペース25が形成され、遊技盤27が同スペース25内に配設されている。同スペース25は遊技盤27が載置される載置部としての棚部28と、略楕円形状に切り欠き形成された開口部としての窓孔29と遊技盤27がはめ込まれる遊技盤27の外郭形状に略一致した凹部30とを有している。凹部30の前面、つまり窓孔29の周囲には遊技盤27が凹部30内に嵌合された状態でその前面部分が当接される前面板部30aとされている。
遊技盤27の遊技面27a上には、レール部材としての外レール44と内レール45が装着されている。遊技盤27が遊技機本体14の遊技盤取り付けスペース25に配設された状態で両レール44,45及び前記遊技機本体14側の窓孔29を包囲する壁面31の一部によって遊技面27aに遊技領域が画定されている。
図3に示すように、遊技盤27の背面には表示制御装置46や主制御装置及び音声ランプ制御装置47が配設されている。主制御装置は全体の制御を司るメインCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行状況に応じて必要なデータを記憶するRAM、音声や表示ランプ等の制御を行うサブCPU、クロックパルス発生回路、各種ポート等から構成されている。
図3に示すように、遊技機本体14の前面にはそれぞれパネル体としての扉枠51と扉パネル52が配設されている。扉枠51はプレス成形された合金製の板体であり、扉パネル52はABS樹脂製のパネル体である。扉枠51及び扉パネル52は図示しないネジによって接合されて前枠としての前面扉53を構成する。図1、図3に示すように、前面扉53の外郭は遊技機本体14の正面から見た外郭と略一致した長方形形状の外郭の正面形状を有している。前面扉53は遊技機本体14に対して開閉可能に取り付けられている。前面扉53(扉枠51)は遊技機本体14と同様前記開閉金具15a,15bの開閉軸線Pと同軸に取り付けられた開閉金具54を軸心として前方側に開放可能とされている。そのため、遊技機本体14は外枠12に対して開閉可能とされるとともに、前面扉53は外枠12と遊技機本体14のそれぞれに対して独立して開閉可能とされている。
図5に示すように、扉枠51の背面側であって窓孔55に面する位置にはユニット化された窓ガラス62が配設されている。窓ガラス62の下方位置にはガードパネル(ミスショットしたパチンコ球が隙間に入るのを防止する部材)63が配設され、ガードパネル63の下方にはユニット化された分岐通路ユニットとしてのバイパス通路65が配設されている。バイパス通路65は主流出口58から下皿用流出口59にかけて密閉された断面方形の通路を形成する。バイパス通路65は図9に示すように振動減衰材料としてのゴムスポンジからなるパッキン64を介して扉枠51の背面の取り付け面51aに固定されている。
バイパス通路65の背面壁部の左右方向中央付近にはエキサイタを使用したスピーカ装置の一部をなす振動子ユニット67が配設されている。エキサイタは磁気回路と駆動コイル及び超磁歪素子から構成され、本実施例では振動子ユニット67は主制御装置及び音声ランプ制御装置47から出力される音声電流に基づいて駆動されるものとする。
扉パネル52は全体としてデザイン的な統一が図られている。正面から見て下受け皿81の左方には灰皿84が配設されている。下受け皿81の右方には遊技球発射ユニット17と連動するパチンコ球打ち出し用ハンドル85が前方に突出形成されている。前記コーン型スピーカユニット56の前面位置に当たる扉パネル52部分には効果音の音響発生口となるスリットの形成されたスピーカ前面パネル86が配設されている。また、本実施例では扉パネル52におけるコーン型スピーカユニット56とスピーカ前面パネル86の間の空間はコーン型スピーカユニット56のための音響通路となる。
機構盤100は遊技機本体14に対して着脱可能に取着されており、遊技機本体14上の遊技盤27は扉枠51と本機構盤100に前後から挟まれるように配置されている。
図3及び図4に示すように、機構盤100は遊技機本体14よりも一回り小さな長方形形状で中央に大型方形の開口部Sを有するポリカーボネート製のフレーム101をベースとしている。フレーム101の遊技機本体14と当接する当接部全周囲にはゴムスポンジからなるパッキン112が貼着されている。
機構盤100の最上部位置には球タンク102が配設されている。球タンク102には遊技ホールの島設備から新たなパチンコ球が供給される。図8に示すように、球タンク102の裏面には上記と同じエキサイタを使用したスピーカ装置の一部をなす振動子ユニット67が配設されている。球タンク102の下部隣接位置にはタンクレール103が配設されている。タンクレール103の下流側にはタンクレール103から供給されるパチンコ球を下方に方向転換させながら流下させる上部ケースレール104が配設されている。上部ケースレール104の裏面には上記と同じエキサイタを使用したスピーカ装置の一部をなす振動子ユニット67が配設されている。上部ケースレール104の下流側には上下に延びる主ケースレール105が配設されている。主ケースレール105の途中には払い出し装置106(図3参照)が配設されている。主ケースレール105の下流側には下部ケースレール107が配設されている。下部ケースレール107は下部寄りほど前方位置に進出させられており、流下するパチンコ球は徐々に前方(前面扉53側)に導かれていく。下部ケースレール107の最下部前方位置には機構盤100からのパチンコ球の出口となる機構盤側流下口108が形成されている。機構盤側流下口108は遊技機本体14に対して扉枠51と機構盤100をそれぞれ閉塞された状態で遊技機本体14のパチンコ球流入通路21に接続される。タンクレール103、上部ケースレール104、主ケースレール105及び下部ケースレール107は本発明の第1の流路又は第2の流路に相当する。
パチンコ球は球タンク102からタンクレール103を経由してまず上部ケースレール104に案内され、主ケースレール105において後述する払い出し制御装置111による払い出し装置106の制御に基づいて下流への流下が調整される。主ケースレール105のパチンコ球は更に下部ケースレール107に案内されて、機構盤側流下口108から遊技機本体14のパチンコ球流入通路21を介し、扉枠51(前面扉53)の主流出口58に導かれ上部流下口78から上受け皿77に至る。また、パチンコ球は上受け皿77が一杯になった場合には挿入部66において外側分割部66bからバイパス通路65を通じて下受け皿81に至る。
図3に示すように、タンクレール103の下部位置であり主ケースレール105及び外部電源基板116の側方位置には表示制御装置46及び主制御装置及び音声ランプ制御装置47を覆う保護カバー117が配設されている。機構盤100の最下部位置には払い出し等制御ユニット119が配設されている。払い出し等制御ユニット119に隣接した側方位置(外部電源基板116の下方)には払い出し中継基板120が配設されている。図4に示すように、機構盤100の下部位置には遊技球回収ケース121が着脱可能に配設されている。
音声電流が振動子ユニット67に流れると、エキサイタの駆動コイルがその電流の強弱に従って励磁され素子を振動させる。この振動に伴って球タンク102、バイパス通路65及び上部ケースレール104の振動子ユニット67が装着された壁面がそれぞれ独自に振動し、音を発生させることとなる。図10に示すように、球タンク102で発生した効果音はタンクレール103を音通路として上部ケースレール104方向に伝達される。球タンク102で発生した効果音は徐々に減衰するものの、上部ケースレール104でも同じく振動子ユニット67によって効果音が発生しているため、音圧レベルは増幅されて下流の主ケースレール105及び下部ケースレール107方向に伝達される。この時、タンクレール103、上部ケースレール104、主ケースレール105及び下部ケースレール107によって効果音が伝達される音通路が形成されていることとなる。
そして、効果音は機構盤100側から扉枠51(前面扉53)の主流出口58から扉パネル52の上部流下口78を音出口として発せられる。一方、音通路となるバイパス通路65でも同じく振動子ユニット67によって効果音が発生しているため、上部流下口78からはバイパス通路65で発生した効果音も機構盤100側からの音と合わさり上部流下口78から発せられる。更に、機構盤100側からの効果音はバイパス通路65を音通路として伝達されバイパス通路65で発生した効果音と合わさり下皿用流出口59から下部流下口82を音出口として発せられる。
(1)従来のようなコーン式のスピーカ装置56に加えてエキサイタを使用した振動子ユニット67を使用し、スピーカ前面パネル86に加えて本来パチンコ球の出口である上部流下口78と下部流下口82からも効果音が発せられるように構成したため、従来に較べて効果音の出口が増え、より臨場感のある効果音を遊技者に提供することができる。しかも、前面扉53や遊技機本体14については特に設計変更する必要はない。
(2)振動子ユニット67は機構盤100側に配置され、機構盤100側の振動はパッキン112によって遊技機本体14や前面扉53側には伝わりにくくなっているため、遊技する遊技者がパチンコ球打ち出し用ハンドル85を握ったり扉パネル52に手を掛けていても振動子ユニット67の振動を感じることはない。
(3)振動子ユニット67は機構盤100側の3箇所に所定距離を離して装着されているため、効果音が音通路としての各ケースレール104,105,107やバイパス通路65を通過する際に適宜増幅されるため、上部流下口78と下部流下口82に達する効果音が減衰しにくくなっている。
(4)各振動子ユニット67はコーン式のスピーカ装置56とは異なりパチンコ球の球タンク102への供給と密接な関係のある払い出し装置106が駆動される際に効果音を発するようになっているため、効果音発生の際に生じる振動がパチンコ球の供給〜流下の際の球詰まり等の防止に貢献するようになっている。
・上記実施例では機構盤100側のフレーム101の遊技機本体14と当接する当接部全周囲にはゴムスポンジからなるパッキン112を貼着して、機構盤100側の振動子ユニット67由来の振動がその他のパネル(遊技機本体14や前面扉53)に伝達されるのを防止するようにしていたが、図11に示すように振動子ユニット67が装着された各部材(球タンク102、上部ケースレール104及びバイパス通路65)にそれぞれ振動減衰材料としてのクッション材125を介してフレーム101に固定させるようにして、振動の伝達を防止するようにしても構わない。
・上記では振動子ユニット67はコーン式のスピーカ装置56とは異なり遊技球の入賞の際にのみ効果音を発生させるようにしていたが、コーン式のスピーカ装置56と同じように効果音を発生させるようにしてもよい。
・コーン式のスピーカ装置56とは異なった振動子ユニット67のみに特有の効果音を発生させるようにしてもよい。例えば、上部流下口78と下部流下口82からコーン式のスピーカ装置56の効果音を補うような特に低音の効果音を発生させるようにしてもよい。
・球タンク102、上部ケースレール104及びバイパス通路65以外の効果音を伝達できる音通路となる部材に振動子ユニット67を配設することも可能である。
・上記実施例においてバイパス通路65のみに振動子ユニット67装着することも自由である。
・上記実施例ではバイパス通路65は前面扉53に配設された例を挙げたが、遊技機本体14側に配設するようにしてもよい。また、バイパス通路65の形状は上記に限定されるものではない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない態様で実施することは自由である。
Claims (1)
- 機能の異なる複数のパネル体を前後方向に重複配置して組み立てるようにしたパチンコ遊技機であって、前記複数のパネル体から選ばれた一のパネル体の裏面側上部位置に配置され、外部からあるいは内部を循環して供給されるパチンコ球を貯留する球タンクと、同球タンクの下流位置に配置され遊技の進行に伴って前記球タンクからの所定量のパチンコ球の下流側への流下を許容するパチンコ球払い出し機構に連通される第1の流路と、前記パチンコ球払い出し機構の下流位置に配置され、同パチンコ球払い出し機構から供給されるパチンコ球を遊技者と対面する遊技面側に開口されたパチンコ球流下口に導く第2の流路とを備えたパチンコ遊技機において、
前記球タンクから前記パチンコ球流下口にかけて形成される音響通路に超磁歪材料又は圧電セラミックを振動子とした振動子ユニットを所定の距離を離して複数装着し、前記振動子ユニットによって前記音響通路を振動させて所定の効果音を発生させ、その効果音を前記パチンコ球流下口に導くようにするとともに、
前記振動子ユニットが装着された前記球タンク、前記第1の流路及び前記第2の流路の少なくとも1つには装着基板となる前記一のパネル体に対して振動減衰材料を介して装着するようにしたことを特徴とするパチンコ遊技機。
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