JP5884163B2 - 試験材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属板から板材製品および試験材を切り出して製造する方法に関する。特に、溶断トーチを損傷することがない試験材の製造方法に関する。
鋼板等の金属板製品は、連続鋳造されたスラブを圧延して板材とし、熱処理し、金属帯として製造されるが、製品として所望の形状に切断される際に、各種の製品試験を行うために、製品にできるだけ近い金属板材から試験材を切り出して製造する場合がある。
金属板の熱切断(溶断)には、熱源の種類により、ガス切断,プラズマ切断,レ−ザ切断などが挙げられる。
原料の金属板から製品と対応する試験材を切り出す場合、試験材を原料板材から、くり抜いて製造する方法がある。試験材をくり抜いて得る場合、くり抜き始めの点を原料金属板にピアシング(切り出し点を穴あけ)する必要があるが、ピアシングは、狭い範囲に切断トーチのエネルギーが集中し、溶けた材料を逃がす空間が少ないので、溶融した金属板材料である、ノロが吹き上げ、切断トーチを損傷する場合があった。
また、レーザ切断においては金属板等の被切断材が過加熱された箇所に酸素が供給されることによるバーニング(異常燃焼)が発生しやすく、一旦発生したバーニングはしばらくの間継続的に伝播して切断面の品質を低下させる問題があった。
試験材ではないが、切断面の品質低下を回避する方法として、特許文献1に記載の、「ピアシングポイントを始点としピアシング後にスクラップ部上の切断導入線上を目的の切断進行方向となる製品切断線方向と異なる方向に切り込み、折返点で折り返して製品切断線方向に切り込んで切断を行う。」方法等の技術が提案されている。
また別の問題として、原料金属板から製品および製品との共通切断線を有する試験材を切り出して製造する際に、共通切断線に、試験材の切り込み跡が残る危険性があり、試験材を切り出すために製品品質を劣化させる可能性があった。
特開平7−214356号公報
本発明の目的は、原料金属板から製品に対応する試験材を切り出し製造する際に、ノロが吹き上げ、切断トーチを損傷する恐れのない金属板の製造方法を提供しようとするものである。
また、本発明の別の目的は、原料金属板から製品に対応する試験材を切り出し製造する際に、試験材と製品との共通切断線に、試験材の切り込み跡が残らない試験材の製造方法を提供しようとするものである。
すなわち、本発明は、以下を提供する。
(1)原料金属板から製品に対応する試験材を切り出して製造する方法において、ピアシングすることなく、原料金属板の外周上の端面の点(S)から切り込みを入れ、連続する直線、曲線または方向転換する点を切り込み、連続して切断しない点(A)で溶断トーチを消火して切断を中止し、すでに切断された切り溝上の点(C)から切断を開始して、連続する直線、曲線または方向転換する点を切り込み、その後製品と試験材との共通切断線を切断する試験材の製造方法において、試験材と製品との共通切断線との接点の切り止め点で切り止めする際に、前記共通切断線に試験材の切り込み跡の残らないよう前記切り止め点の直前で切り止めする試験材の製造方法。
(2)原料金属板から製品に対応する試験材を切り出して製造する方法において、前記試験材がCBBA、CDおよび前記共通切断線DAの4辺を有する矩形の試験材であり、ピアシングすることなく、原料金属板の外周上の端面の点(S)から連続する直線(SCB)を切り込み、点(B)で方向転換して連続する直線BAを切り込み、連続して切断しない点(A)で溶断トーチを消火し移動を中止し、すでに切断された切り溝上の点(C)から切断を開始して、連続する直線CDを切断して点(D)で溶断トーチを消火し移動を止め、前記直線BAを切り込む時にA点直前で切り止め、および・または前記直線CDを切り込む時にD点直前で切り止め、その後製品の一端面を切り出す際に製品と試験材との共通切断線DAを切断する試験材の製造方法で、試験材と製品との共通切断線との接点の切り止め点で切り止めする際に、前記共通切断線に試験材の切り込み跡の残らないよう前記切り止め点の直前で切り止めする試験材の製造方法。
(3)前記切り止め点の直前で切り止めする位置は、溶断トーチの種類、被切断材の材質、板厚および加工速度をパラメーターとするデータマップまたはテーブルを予め用意して決定する(1)または(2)に記載の試験材の製造方法
ここで、点(A)、直線(SCB)等は、特定の位置、直線を示し、1例として図に示すA点、CD線であることを示しているが、図示される特定の点や線に限定されるものではない。
また、以下の工程としてもよい。
(4)前記切り止めが、溶断トーチの消火および移動停止を同時に行う工程。
(5)前記切り止めが、切り止め前に溶断トーチの移動速度を減速し、出力を低下し、一定区間切り込んだ後に、A点および・またはD点直前で切り止める工程。
(6)前記切り止めが、A点および・またはD点直前で溶断トーチを消火して一定期間消火した溶断トーチを切り込み線に沿って移動させる工程。
(7)前記原料金属板の外周上の端面のS点からの切り込みが、予め位置センサで端面の形状を検出して、検出された形状からS点を選択する工程。
(8)前記溶断トーチが、プラズマ、レーザまたはガス溶断である工程。
(9)前記試験材が製品1個に対して複数切り出される工程。
(10)前記製品と試験材とが共通切断線ADを渡る(共通切断線AD上に渡って設けられる)製品と試験材とで連続するマークを有する工程。
(11)前記原料金属板が、連続鋳造されたスラブを圧延して板材とし、熱処理された、鋼板である工程。
(12)前記試験材の切り出しが、自動運転で行われる工程。
(13)前記いずれかに記載の工程が予めプログラミングされたプログラム(加工プログラム)を有する制御部(NCフォーマット)と、制御部からの指令によって駆動する駆動部とを備え、前記駆動部が、プラズマトーチと原料金属板である被切断材との間隔をプラズマトーチと被切断材との電位差によって制御する切断制御手段を備えるプラズマ切断装置であって、切断制御手段は、前記プラズマトーチによる被切断材の切断経路上で、かつ前記共通切断線の端部(A点および・またはD点)の直前位置に設定される切り止め点において、プラズマアークの停止指令処理と、移動停止処理とを同時に行えるように制御する、前記切り止め点は、被切断材の材質,板厚および加工速度により定まるデータマップの値を用いて設定されるプラズマ切断装置を用いて行われる工程。
(14)上記(1)に記載の製品に対応する試験材を製造する際に、前記製品を、自動運転で、ピアシングすることなく、原料金属板の外周上の端面の点から切り込みを入れ、連続する直線、曲線または方向転換する点を切り込み、連続して切断しない点で溶断トーチを消火して切断を中止し、すでに切断された切り溝上の点から切断を開始して、連続する直線、曲線または方向転換する点を切り込み、その後製品と試験材との共通切断線を切断して前記製品を切り出し、かつ、前記試験材を自動運転で(1)ないし(13)のいずれかに記載の製造方法で製造する、板材製品および試験材を原料金属板から自動運転で切り出して製造する方法。
本発明の方法によれば、原料金属板から製品および試験材を切り出す際に、原料金属板の切りくずが少なく、ノロの吹き上げや溶断トーチの損傷の恐れがなく、トーチ寿命が長く、安全に自動運転出来る。
また、本発明の別の態様によれば、原料金属板から製品および試験材を切り出す際に、試験材と製品との共通切断線に、試験材の切り込み跡が残らない試験材の製造方法である。
図1は、本発明の切断方法を説明する模式図であり、図1(A)は、原料金属板の平面図であり、図1(B)は、溶断トーチの移動方向を説明する線図である。 図2は、距離センサを用いて原料金属板の端面形状を検出する方法を説明する断面図である。 図3は、本発明の1実施態様に用いるプラズマ切断装置の概略システム構成図である。 図4は、本発明の1実施態様に用いる処理手順を示すフローチャートである。
本発明の試験材の製造方法の好適例を以下に図面を用いて説明する。
図1に示すように、本発明は、原料金属板10から製品12に対応する試験材11を切り出して製造する方法である。
原料金属板は、限定されないが、鉄、アルミニウム、銅板等の各種金属板が例示でき、これらの各種金属板のめっき処理済み材、表面処理済み材、積層材、複合材等が例示できる。原料金属板はコイルに巻かれた金属帯で供給される場合が多いが、ある程度の長さの単板であってもよい。
図1に原料金属板10の平面図を示す。原料金属板10からは、製品12と、製品に対応する試験材11とが切り出される。本発明の方法で製造される試験材11は、製品12と共通切断線DAを有する。試験材11が製品12と共通切断線を有すれば、原料金属板から切り残しや、切りくず等の廃棄部分を最小とし、しかも製品の品質に最も近い、製品に対応する試験材11を製造することができるので好ましい。
製品12と試験材11とが共通切断線DAを渡る、製品と試験材とで連続するマーク13を有すると、対応する製品との合い印を有する試験材を製造することができ、試験材にラベル等の特別なマークを付さなくても対応する製品と試験材との関係を付すことができる。
製品12の形状と試験材11の形状は限定されるものではなく任意の形状であってよいが、一般的には製品形状も試験材形状も矩形の板材であるので、以下では試験材11がCB、BA、CDおよびDAの4辺を有する矩形の試験材である場合で説明する
本発明の試験材11の製造方法の工程を以下に説明する。
1)第1工程は、原料金属板10の4端面の一つである端面15のS点から切り込みを入れる。試験材11は製品12と共通切断線を挟んで反対側の原料金属板から切り出されるので、S点は原料金属板の外周上の任意の点を選択できる。好ましくは、試験材11の共通切断線以外の任意の一辺の延長線と原料金属板外周との交点である。図1(A)に示すように、原料金属板の端面5にS’点を選択して切り出してもよい。その場合は、第1工程は、図1(A)で点線で示すBS’線で切り込む。試験材とは対応しない製品が原料金属板からすでに切り出されている場合は、原料金属板が試験材を切り取る場所に近い位置に端面5を有する場合がある。
2)第2工程は、試験材11の4辺のうち共通切断線以外の3辺を切断する。すなわち、連続して切断できる直線、または曲線SCBを切り込み、点B点で方向転換してBA線を切り込み、A点またはA点の直前で切り止める。次に、すでに切断された切り溝中のC点から切断を開始して、CD線を切り込み、D点またはD点の直前で切り止める。
図1(B)で示すように、矩形の形状のCB,BA、CDの3辺を切り込む場合にF字形に切り溝を入れる方法である。
F字形またはS’、BA、BC、CDに切り溝を入れると、ピアシングすることがないので、溶断トーチを損傷するトラブルが、試験材の製造時に防止出来る。また、溶断トーチを損傷する恐れが無くなると自動運転が安全で容易になる。
3)第3の工程は、製品12との共通切断線DAを切断して、試験材11を製造する。図1(A)では、HG線で製品12の一端を切り出す際に、試験材11との共通切断線DAが切断される。
製品12と、試験材11との切り出し順序は限定されない。ほぼ同時に切り出されてもよいし、試験材が先に切り出され、その後製品が切り出されてもよいし、製品が先で、試験材が後に切り出されてもよい。
試験材は製品に対して1:1で製造されてもよいが、製品1に対して複数製造されてもよい。複数の試験材が製造されれば多種類の試験を並行して行う場合に効率的である。その場合は、第1工程は最初の試験材でのみ行い、次の試験材ではすでに切り出された切り溝中の点から切り込みを入れればピアシングすることなく複数の試験材を製造することができる。
端面のS点は、原料金属板10の端面が主平面に対して直角の平坦面である場合は容易に検出できる。しかし、原料金属板が圧延されたままの金属板の端面である、いわゆる耳付き板である場合があり、端面の耳部でS点の位置検出を行う場合がある。S点は、金属板主平面に対面した位置に金属板の端面の形状を検出できる装置、例えば図2に示すように、距離センサ14を置いて、端面がどのような形状にあるかを適切に把握し、適切にS点を選ぶと共に溶断トーチにその情報を伝達して適切なエネルギー密度および移動距離、方向、速度で切り込みが出来るようにする。
距離センサ14は、金属板主平面に対して平行で金属板の端面を真上から検出できる位置に設置するのが好ましい。距離センサからはレーザ光線20を金属板の端面15に向けて発することにより、このレーザ光線の反射光線を受光して距離を測定する。レーザ光線20を水平方向にスキャンさせることにより、水平方向の各位置からの距離を連続して測定し、その距離の変動状況によって、水平方向での主平面がどのような形状であるかを測定できる。
連続した直線または曲線を切り出す際に用いる溶断トーチは、原料金属板を精度よく熱切断できるエネルギーであれば特に限定されないが、プラズマ、レーザまたはガス溶断トーチであるのが好ましい。
方向転換する点のB点では、好ましくは、溶断トーチの出力を低下させ、移動速度を減速させる。または溶断トーチを消火し一旦停止させてもよい。
A点および・またはD点では、切り止めする。好ましくはA点および・またはD点の直前で切り止めする。ここでA点とD点での切り止めの説明は同様であるので、以下の説明ではA点のみで説明することがある。
A点で切り止めする方法は、溶断トーチがA点に移動した時に溶断トーチを消火して切断を中止する。溶断トーチの移動を同時に停止するのが好ましい。
溶断トーチは、好ましくはA点の直前で切り止めする方法を行ってもよい。A点の直前で切り止めする場合は、A点と切り止め点との距離(以下切り止め距離という)を制御する。切り止め距離の制御方法は、同一原料金属板で、同一溶断トーチを用いて、共通切断線に試験材の切り込み跡が残らず、かつ共通切断線を切断して試験材を切り出す際に切り残しを生じない長さである切り止め距離を予め検出しその値を用いる方法がある。
また、制御方法の1例として溶断トーチにプラズマ切断装置を用いた切断制御手段を用いる方法について以下に説明する。
(1)プラズマトーチと原料金属板である被切断材との間隔をプラズマトーチと被切断材との電位差によって制御(倣い制御)する切断制御手段を備えるプラズマ切断装置を用いる。切断制御手段は、前記プラズマトーチによる被切断材の切断経路上で、かつ前記共通切断線の端部(Aおよび・またはD)の直前位置に設定される切り止め点において、プラズマアークの停止指令処理と、移動停止処理とを同時に行うように制御し、前記切り止め点は、被切断材の材質,板厚および加工速度により定まるデータマップの値を用いて設定されるプラズマ切断装置を用いる。
(2)ここで、切り止め距離の長さは、製品と試験材との共通切断線を切断して試験材を切り出す際に切り残しを生じない長さに設定される。
上記のプラズマ切断装置を用いれば、プラズマアークを停止させる寸前までプラズマトーチの対向位置に被切断材が存在することになる。したがって、アーク電圧が変動することがなく、トーチの倣い制御も一定となってそのトーチが被切断材に突っ込むという不測の事態が発生するのを防止することができる。また、共通切断線に突っ込んでアーク停止がなされる場合における溶け量の増加による製品切断面での凹み等の疵が生じる恐れがなく、共通切断線に試験材の切り込み跡が残る恐れがない。
切り止めが、切り止め前に溶断トーチの移動速度を減速し、出力を低下し、一定区間切り込んだ後に、A点直前で切り止める工程であってもよい。
前記切り止めが、A点直前で溶断トーチを消火して一定期間消火した溶断トーチを切り込み線に沿って移動させる工程であってもよい。
アーク電圧を監視することで、被切断材に対するプラズマトーチの高さ、つまりプラズマトーチと被切断材との距離を一定に保持する。
次に、このようなプラズマ切断装置を用いる本発明の試験材の製造方法の具体例を図1、3、4によって説明する。
本発明に用いるプラズマ切断装置の具体的な実施の形態について、図面を参照して説明する。
図3は、本発明の一実施例に係るプラズマ切断装置の概略システム構成図、図4は、製品を切り出す際に製品と試験材との共通切断線を切断して試験材を得る本実施例の処理手順を示すフローチャート、図1は、同切断方法の説明図である。
図3に示すプラズマ切断装置は、中心部に電極1を有するとともに、この電極1の外側にプラズマガス通路を隔ててノズル2を有するプラズマトーチ3が設けられ、このプラズマトーチ3と被切断材4との間にプラズマアーク6を形成させつつそのプラズマトーチ3を所定の切断線に沿って移動させることにより切断加工が行われるようになっている。前記プラズマトーチ3はそのプラズマトーチ3に電力を供給するためのプラズマ電源7に接続されている。また、電極1と被切断材4との間の電位差は電圧検出器8によって検出され、この電圧検出器8によって検出される電位差に基づいて、NC装置(切断制御手段)9によって電極1と被切断材4との距離が一定となるように制御する。
このNC装置9はまた、所定の切断経路に沿ってプラズマトーチ3を移動させるための移動指令と、プラズマアーク6を開始もしくは停止させるためのアーク開始指令もしくはアーク停止指令等の信号をプラズマ電源7等に出力する。
次に、プラズマ切断装置の処理手順を、図4に示されるフローチャートにしたがって図1を参照しつつ説明する。図1(A)に示すS’、BA、BC、CDに切り溝を入れる場合は、それに対応するフローチャートを作製し用いればよい。ここでは、説明は図1(B)に示すF字形に切り溝を入れる方法で説明する。
S1)原料金属板の外周上の端面の点(S)から切り込みを入れる。
S2)連続する直線または曲線部を切り込む、図1(B)に示す、SCの直線を切り込み、方向転換する点B点まで切り込む。電圧検出器8により検出される電位差に基づくプラズマトーチ3の倣い制御は、S点から切り込みを入れた後に開始される。
S3)B点からプラズマトーチの移動方向を90度方向転換してBA辺を切り込む。
S4)A点で切り止める。好ましくはA点の直前で切り止める。上述の切り止め距離の位置に設定される切り止め点でプラズマアークを消火し、その移動を停止する。
S5〜S6)連続して切断しないA点で、プラズマアークを消火して切断を中止し、すでに切断された切り溝SCDBA線上のC点から再度プラズマアークを点灯し、CD辺を切り込む。
S7)D点で切り止める。好ましくD点の直前で切り止める。上述の切り止め距離の位置に設定される切り止め点でプラズマアークを消火し、その移動を停止する。
S8)その後原料金属板の端面15のH点から切り込みHGを切断して製品の一端面を切り出す際に製品と試験材との共通切断線DAを切断して試験材を得る。または、製品がHD,GA辺ですでに切り込まれている場合はD点から切り込みDA辺を切断して試験材を得る。
試験材は製品と同一であると仮定して試験に供されるので、鋼板上から製品に近い部分で、好ましくは板材製品の一方の主平面の約10%以下、より好ましくは約5%以下、さらには2%以下の一方の主平面の表面積で、製品と同一厚さに切りだされる。本発明の方法は好ましくは試験片の長辺の一辺を製品との共通切断線に想定し、切り込みを入れる端面の点(S)を、共通切断線に平行な、試験片の他方の長辺の延長線上に位置させ、試験片の長辺を切り込み、直角に曲げて短辺を切込み、共通切断線に達する直前で切断を止めることで共通切断線への損傷を防いで試験片を切り出すことができる。また、すでに切り込んだ試験片の長辺の切り溝中に他方の短辺の切り込みの出発点を設定でき、短辺を切り込んで共通切断線に達する直前で切断を止めることができるので共通切断線への損傷をより防ぐことができる。
前述のフローにおいて、切り止め点の位置、言い換えれば点Aから切り止め点までの距離の長さを適切に設定する。この切り止め距離の長さが長すぎると切り残しを生じてしまうことになり、反対に短すぎると共通切断線に切り込み跡が残る危険が高くなる。
この切り止め距離の長さは、被切断材4の材質,板厚,プラズマトーチ3による切断加工速度をパラメータとして変化することから、これらパラメータに対応して予めデータマップ(テーブル)の形で保有しておき、このデータマップのデータに基づいて設定するのが好ましい。表1には、このデータマップの一例が示されている。
プラズマトーチ3を制御するNC装置9内に記憶されるNCフォーマット(加工プログラム)として、予め切り止め点の位置およびその点でのアーク停止指令を示すコード(サブルーチン)が挿入されている。この分割コードの挿入に際して、表1に示されるようなデータマップが用いられる。
被切断材の材質,板厚,加工速度に応じて予め設定される切り止め距離に基づき、NCフォーマット上に分割コードを挿入するものとしたが、NC装置内に表1に示されるようなデータマップを記憶させておき、NC装置内の制御手段がこのデータマップを参照することにより切り止め点の位置を設定するようにしても良い。
溶断トーチの種類によるきり止め距離は表2の範囲で設定し、表1と同様に、原料金属板の材質,板厚,加工速度等をパラメータとして変化させて得られる。
本発明は上述した製品に対応する試験材を製造する際に、ピアシングすることがなく、溶断トーチを損傷するトラブルがない。試験材の切断時に製品との共通切断線で(またはその手前で)切り止めるので、切断面での疵発生を防止し、切断面の手入れが不要である。このため、製品切断、試験材切断の両方で自動運転が容易に安全に行える。したがって、前記製品を自動運転で切り出し、かつ、前記試験材を上述した方法で自動運転で製造して、板材製品および試験材の両方を原料金属板から自動運転で製造することができる。
図1に示すように、製品の切断方法は、上述した試験材の製造方法と同様に行えばよい。製品12は、ピアシングすることなく、原料金属板の外周上の端面の点から切り込みを入れ、連続する直線、曲線または方向転換する点を切り込み、連続して切断しない点で溶断トーチを消火して切断を中止し、すでに切断された切り溝上の点から切断を開始して、連続する直線、曲線または方向転換する点を切り込み、その後製品と試験材との共通切断線を切断して製品12を切り出す。製品の場合は、試験材との共通切断線は、図1のTUであり、共通切断線の端部(T点および・またはU点)で溶断トーチを消火し移動を中止する、またはT点および・またはD点直前で切り止める工程とすることができる。
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
連続鋳造されたスラブを圧延して板材とし、熱処理された、鋼板である板厚28mmの軟鋼を用いて、製品と試験材とを製造した。NCプラズマ切断機を用い、図1に示すS点から切り込み、直線部分の加工は、切断電流260A、切断速度2000mm/minで切断した。A点で切り止め、C点から再度同様の条件で切り込み、D点で切り止めした。最後に同様の加工条件で製品との共通切断線DAを切断し、板材製品の一方の主平面の表面積の2%の一方の主平面積を持つ試験材ABCDを製造した。6カ月間の操業でプラズマトーチの損傷が3回発生した。製品との共通切断線に切り込み跡が認められた試験材は5%以下であった。
(実施例2)
上記実施例1と同様に、ただし、図3に示すプラズマ切断装置を用い、切断制御手段は、プラズマトーチによる被切断材の切断経路上で、かつ共通切断線の両端であるA点およびD点の直前位置に設定される切り止め点において、プラズマアークの停止指令処理と、移動停止処理とを同時に行うように制御し、切り止め点は、軟鋼,板厚28mmおよび加工速度2000mm/minにより定まるデータマップの値を用いて設定して板材製品の一方の主平面の表面積の2%の一方の主平面積を持つ試験材を製造した。12カ月間の操業でプラズマトーチが損傷することはなかった。製品との共通切断線に切り込み跡が認められた試験材は1%以下であった。
1 電極
2 ノズル
3 プラズマトーチ
4 被切断材
5 端面
6 プラズマアーク
7 プラズマ電源
8 電圧検出器
9 NC装置(切断制御手段)
10 原料金属板
11 試験材
12 製品
13 マーク
14 距離センサ
15 端面
20 レーザ光線

Claims (14)

  1. 原料金属板から製品に対応する試験材を切り出して製造する方法において、ピアシングすることなく、原料金属板の外周上の端面の点から切り込みを入れ、連続する直線、曲線または方向転換する点を切り込み、連続して切断しない点で溶断トーチを消火して切断を中止し、すでに切断された切り溝上の点から切断を開始して、連続する直線、曲線または方向転換する点を切り込み、その後製品と試験材との共通切断線を切断する試験材の製造方法において、試験材と製品との共通切断線との接点の切り止め点で切り止めする際に、前記共通切断線に試験材の切り込み跡の残らないよう前記切り止め点の直前で切り止めする試験材の製造方法。
  2. 原料金属板から製品に対応する試験材を切り出して製造する方法において、前記試験材がCBBA、CDおよび前記共通切断線DAの4辺を有する矩形の試験材であり、ピアシングすることなく、原料金属板の外周上の端面の点(S)から連続する直線(SCB)を切り込み、点(B)で方向転換して連続する直線BAを切り込み、連続して切断しない点(A)で溶断トーチを消火し移動を中止し、すでに切断された切り溝上の点(C)から切断を開始して、連続する直線CDを切断して点(D)で溶断トーチを消火し移動を止め、前記直線BAを切り込む時にA点直前で切り止め、および・または前記直線CDを切り込む時にD点直前で切り止め、その後製品の一端面を切り出す際に製品と試験材との共通切断線DAを切断する試験材の製造方法で、試験材と製品との共通切断線との接点の切り止め点で切り止めする際に、前記共通切断線に試験材の切り込み跡の残らないよう前記切り止め点の直前で切り止めする試験材の製造方法。
  3. 前記切り止め点の直前で切り止めする位置は、溶断トーチの種類、被切断材の材質、板厚および加工速度をパラメーターとするデータマップまたはテーブルを予め用意して決定する請求項1または2に記載の試験材の製造方法。
  4. 前記切り止めが、溶断トーチの消火および移動停止を同時に行う請求項1ないし3のいずれか1項に記載の試験材の製造方法。
  5. 前記切り止めが、切り止め前に溶断トーチの移動速度を減速し、出力を低下し、一定区間切り込んだ後に、前記A点および・またはD点直前で切り止める請求項1ないし4のいずれか1項に記載の試験材の製造方法。
  6. 前記切り止めが、A点および・またはD点直前で溶断トーチを消火して一定期間消火した溶断トーチを切り込み線に沿って移動させる請求項1ないし5のいずれか1項に記載の試験材の製造方法。
  7. 前記原料金属板の外周上の端面のS点からの切り込みが、予め位置センサで端面の形状を検出して、検出された形状からS点を選択する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の試験材の製造方法。
  8. 前記溶断トーチが、プラズマ、レーザまたはガス溶断である請求項1ないし7のいずれか1項に記載の試験材の製造方法。
  9. 前記試験材が製品1個に対して複数切り出される請求項1ないし8のいずれか1項に記載の試験材の製造方法。
  10. 前記製品と試験材とが共通切断線を渡る製品と試験材とで連続するマークを有する請求項1ないし9のいずれか1項に記載の試験材の製造方法。
  11. 前記原料金属板が、連続鋳造されたスラブを圧延して板材とし、熱処理された、鋼板である請求項1ないし10のいずれか1項に記載の試験材の製造方法。
  12. 前記試験材の切り出しが、自動運転で行われる請求項1ないし11のいずれか1項に記載の試験材の製造方法。
  13. 前記請求項1ないし7のいずれか1項に記載の工程が予めプログラミングされたプログラムを有する制御部と、制御部からの指令によって駆動する駆動部とを備え、前記制御部が、プラズマトーチと原料金属板である被切断材との間隔をプラズマトーチと被切断材との電位差によって制御する切断制御手段を備えるプラズマ切断装置であって、前記切断制御手段は、前記プラズマトーチによる被切断材の切断経路上で、かつ前記共通切断線の端部(A点および・またはD点)の直前位置に設定される切り止め点において、プラズマアークの停止指令処理と、移動停止処理とを同時に行えるように制御し、前記切り止め点は、被切断材の材質板厚および加工速度により定まるデータマップの値を用いて設定されるプラズマ切断装置を用いて行われる請求項1ないし7のいずれか1項に記載の試験材の製造方法。
  14. 請求項1に記載の製品に対応する試験材を製造する際に、前記製品を、自動運転で、ピアシングすることなく、原料金属板の外周上の端面の点から切り込みを入れ、連続する直線、曲線または方向転換する点を切り込み、連続して切断しない点で溶断トーチを消火して切断を中止し、すでに切断された切り溝上の点から切断を開始して、連続する直線、曲線または方向転換する点を切り込み、その後製品と試験材との共通切断線を切断して前記製品を切り出し、かつ、前記試験材を自動運転で請求項1ないし13のいずれか1項に記載の製造方法で製造する、板材製品および試験材を原料金属板から自動運転で切り出して製造する方法。
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