JP2016209922A - レーザー溶接機における溶接状態監視方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属帯の先行材と後行材をレーザー溶接機でつないでなる溶接部を有する前記金属帯を通す連続処理ラインの入側で前記溶接部の溶接状態を監視する、信頼性の高い、レーザー溶接機における溶接状態監視方法を提供する。【解決手段】ギャップセンサを用いて、溶接前の先行材1Aと後行材1Bの突合せ部3の突合せ平面形状情報を自動的に取得するとともに、ビードセンサを用いて、溶接後の溶接部8のビード平面形状情報を自動的に取得する第1の工程と、前記突合せ平面形状と前記溶接部ビード平面形状とを金属帯幅左右が同一の平面内で重ね合せて、該重ね合せ画像から、突合せ部中心線11Gと溶接部中心線11Bとの相互位置ずれである光軸ずれを求めて、該光軸ずれの板幅方向分布から、所定の光軸ずれ閾値の範囲を超えた際に溶接平面位置不良として警報を発する第2の工程と、を有する。【選択図】図6

Description

本発明は、レーザー溶接機を用いたオンライン突合せ溶接において溶接不良がないかをオンラインで監視するための、レーザー溶接機における溶接状態監視方法に関する。
金属帯の連続処理ライン(略して「ライン」ともいう。以下同じ。)では、金属帯の先行材と後行材をつなぐ溶接部が連続処理ラインを通過中に破断する、所謂「溶接部破断」が発生することがある。溶接部破断が発生すると、ラインを復旧させるまでの生産性阻害は大きい。そこで、溶接部破断の発生を予防して通板の安定化を達成するためには、ラインの入側において、前記溶接部の溶接異常がないかを常時監視することが有効である。
前記溶接部の溶接異常がないかを常時監視するための技術として、シャーで切断した先行材後端および後行材先端をフラッシュバット溶接機で突合せて溶接し、その溶接部のビードをトリマで切削するフラッシュバット溶接工程を監視する監視技術が知られている(特許文献1参照)。このフラッシュバット溶接工程の監視技術は、
(ア) 2次元距離計(詳しくは、2次元レーザー式距離計。以下同じ。)を前記先後端の突き合わせ部の上面または下面の少なくともいずれか一方で板幅方向に出し入れ自在に配設し、前記シャーによる先行材後端および後行材先端切断後に、前記2次元距離計を用いて前記先後端の間隔および板端部形状、板レベル違い量、切削断面形状を測定すること、あるいは、(イ)2台の2次元距離計を前記先後端の突合せ部の上面ならびに下面の対向する位置に出し入れ自在に配設し、前記シャーによる切断後に、前記2次元距離計のうちの1台を用いて前記先後端の間隔および板端部形状、板レベル違い量、切削断面形状を測定し、前記トリマによる切削後に、前記2次元距離計の2台を同時に用いて切削面の目違い量および溶接後のビード残り量を測定するものである。
特開平10−006017号公報
一方、例えばステンレス鋼帯の連続焼鈍酸洗設備では、鋼帯の先行材と後行材をつなぐために、切断機で切断した先行材後端と後行材先端をレーザー溶接機で突合せて溶接し、その溶接部のビード過多の部分を研削して平滑化するレーザー溶接工程を採用している。連続焼鈍酸洗設備は炉を持つ設備であり、炉内において溶接部破断が発生すると、炉の降熱、再昇熱のために長時間のダウンタイムが発生して大きな問題である。
そこで、前記レーザー溶接工程では、前記フラッシュバット溶接工程の監視技術と類似の従来のレーザー溶接監視方法(以下、「従来技術」という。)で溶接状態の監視を行っていた。
前記従来技術とは、金属帯の上方に複数の2次元距離計(詳しくは、2次元レーザー式距離計)を配設し、うち1つを用いて溶接前の先行材後端および後行材先端の突合せ部の間隔および段差を測定し、もう1つを用いて溶接後のビード幅を測定するという方法である。
ここで測定対象量とした前記溶接前の突合せ部の間隔及び段差、ならびに前記溶接後のビード幅には、それぞれ適正範囲があり、これを外れると連続焼鈍酸洗設備内での溶接部破断の危険性が高いことが、オフラインでの溶接強度試験から分かっている。そこで、これら測定対象量のうちいずれか1つでもその測定値が適正範囲を外れたときには警報を発するようにしていた。
しかし、前記従来技術を適用したレーザー溶接工程で接合したステンレス鋼帯を連続処理する前記連続焼鈍酸洗設備の操業実績について、前記フラッシュバット溶接工程の監視技術を適用したフラッシュバット溶接工程で接合したステンレス鋼帯を連続処理する別のラインの操業実績と比較すると、ライン内での溶接部破断の発生頻度(複数の鋼帯を溶接してラインに進入した溶接部個数あたりの溶接部の破断発生回数)が、レーザー溶接工程の場合は、フラッシュバット溶接工程の場合との対比で数倍高くなっている。したがって、前記従来技術は、前記フラッシュバット溶接工程の監視技術で達成できている監視精度のレベルにまでは、未だ達しておらず、信頼性が低いという問題があった。
本発明は、上述の事情に鑑み、金属帯の先行材と後行材をレーザー溶接機で接合した溶接部を有する前記金属帯を通す連続処理ラインの入側において、前記溶接部の溶接状態を監視する、信頼性の高い、レーザー溶接機における溶接状態監視方法を提供することを課題とした。
本発明者は、前記課題の解決を目指して検討し、その結果、以下の知見を得た。
(ア) 前記レーザー溶接工程において、溶接不良を引き起こす主な要因の1つは、図3に模式図で示すとおり、溶接用レーザー光の光軸の軌跡LAが金属帯1の先行材1Aと後行材1Bの突合せ部3のギャップ中心線GCLからずれる、所謂「光軸ずれ」という現象であり、これを完全に抑止することはできない。この光軸ずれの程度が大きいと、突合せ部3における前記光軸の軌跡LAから遠い側に局部的な入熱不足が生じ、溶接不良につながりかねないのであるが、従来技術では、この光軸ずれが測定対象量になっていなかったため、レーザー溶接の溶接状態の的確な監視ができておらず、信頼性が低かったのである。
(イ) 前記光軸ずれは、溶接前の突合せ部の平面画像と溶接後のビード部の平面画像とを同一画面内で重ね合せて表示することにより、精度よく測定することができる。
本発明は、上記知見に基づき、さらに検討を加えて成されたものであり、その要旨は以下のとおりである。
(1) 金属帯の先行材と後行材をレーザー溶接機で接合した溶接部を有する前記金属帯を通す連続処理ラインの入側で、複数の2次元レーザー式距離計のうち1つを溶接前専用のギャップセンサ、もう1つを溶接後専用のビードセンサとして、前記金属帯の上方および下方のいずれか一方に配設し、これらを用いてプロセスコンピュータが前記レーザー溶接機における溶接状態を監視する方法であって、
前記ギャップセンサを用いて、溶接前の前記金属帯の先行材と後行材の突合せ部の突合せ平面形状情報を自動的に取得するとともに、前記ビードセンサを用いて、溶接後の前記溶接部のビード平面形状情報を自動的に取得する第1の工程と、
前記突合せ部の突合せ平面形状と前記溶接部のビード平面形状とを金属帯幅左右が同一の平面内で重ね合せて、該重ね合せ画像から、突合せ平面形状の突合せ部中心線と溶接部のビード平面形状の中心線との相互位置ずれである光軸ずれを求めて、該光軸ずれの金属帯幅方向分布が所定の光軸ずれ閾値の範囲を超えた際に溶接平面位置不良として警報を発する第2の工程と、
を有することを特徴とするレーザー溶接機における溶接状態監視方法。
(2) 前記第2の工程で求めた前記突合せ平面形状の突合せ部中心線と溶接部のビード平面形状の溶接部中心線との光軸ずれについて、当該金属帯幅方向分布のグラフ表示画像に、前記光軸ずれ閾値を表す線とともに重ね合せて表示することを特徴とする(1)に記載のレーザー溶接機における溶接状態監視方法。
(3) 前記先行材および後行材の上面または下面において、前記ギャップセンサを用いて、溶接前の前記先行材の後端部の面高さおよび前記後行材の先端部の面高さを測定し、これら測定値を用いて、下記(D1)式にて面段差を算出し、該面段差の金属帯幅方向分布が所定の面段差閾値を超えた際に溶接面段差位置不良として警報を発する第3の工程を有することを特徴とする(1)又は(2)に記載のレーザー溶接機における溶接状態監視方法。

面段差=|先行材の後端部の面高さ−後行材の先端部の面高さ| …(D1)
(4) 前記先行材および後行材の上面または下面において、前記ギャップセンサを用いて、溶接前の前記先行材の後端部の面高さおよび前記後行材の先端部の面高さを測定し、これら測定値と所与の先行材板厚および後行材板厚とを用いて、下記(D2)式にて面高さを測定していない側の面における面段差を算出し、該面段差の金属帯幅方向分布が所定の面段差閾値を超えた際に溶接の面段差位置不良の警報を発する第4の工程を有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載のレーザー溶接機における溶接状態監視方法。

面段差=|{(先行材の後端部の面高さ)±(先行材板厚)}−{(後行材の先端部の面高さ)±(後行材板厚)}| …(D2)
ここで、±(プラスマイナス)の+(プラス)は下面高さ測定の場合、−(マイナス)は上面高さ測定の場合を示す。
(5) 前記先行材および後行材の上面または下面において、前記ギャップセンサを用いて、溶接前の前記先行材の定常部面高さおよび前記後行材の定常部面高さを測定し、これら測定値と所与の先行材板厚および後行材板厚とを用いて、下記(D3)式にて基準面段差を算出し、該基準面段差の算出値が所定の基準面段差閾値を超えた際に溶接基準面高さ位置不良の警報を発する第5の工程を有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1つに記載のレーザー溶接機における溶接状態監視方法。

基準面段差=|{(先行材の定常部面高さ)±(先行材板厚/2)}−{(後行材の定常部面高さ)±(後行材板厚/2)}| …(D3)
ここで、±(プラスマイナス)の+(プラス)は下面高さ測定の場合、−(マイナス)は上面高さ測定の場合を示す。
本発明によれば、金属帯の先行材と後行材をレーザー溶接機でつないでなる溶接部を有する被処理材を連続処理ラインに通す操業において、前記連続処理ラインの入側で前記レーザー溶接機における溶接状態を的確に監視し、前記連続処理ライン内での溶接部破断を確実に防止して、安定操業を実現させることができる。
本発明に用いる2次元レーザー式距離計の配設形態の一例を示す配置図である。 ギャップセンサおよびビードセンサを用いて測定した3次元高さ画像の一例を示す画面表示図である。 光軸ずれの現象およびそれによる入熱不足を示す模式図である。 突合せ形状の平面画像を示す模式図である。 ビード形状の平面画像を示す模式図である。 重ね合せ画像を示す模式図である。 突合せ部中心線と溶接部中心線との相互位置ずれ(光軸ずれ)δについて、その板幅方向(Y軸方向)分布(実線)のグラフ表示画像に、光軸ずれ閾値の範囲(点線)を重ね合せた画像を示す模式図である。 段付き溶接の説明図である。
図1は、本発明に用いる2次元レーザー式距離計(以下、「2次元距離計」という。)6の配設形態の一例を示す配置図である。図1(b)は、金属帯として例えばステンレス鋼帯を用いる連続焼鈍酸洗設備の入側において、クランプ2で押さえた金属帯1の先行材1Aと後行材1Bの突合せ部3をレーザー溶接機4で接合する直前の状態を示している。接合された突合せ部3は溶接部になり、該溶接部でつないだ金属帯が連続処理ラインに送り込まれる。なお、5は溶接中に発生するヒュームを吹き払って2次元距離計6のレーザー光路空間を清浄に保つためのパージガス吹付け手段である。
また、図1では、金属帯1及び設備の位置を特定するための直交座標軸として、板長さ方向に平行とした通板方向をX軸、板幅方向に平行とした溶接方向をY軸、板厚方向に平行とした高さ方向をZ軸として、図1(a)に紙面垂直方向が通板方向(X軸)になる正面図(Y−Z平面図、金属帯1の図示を省略)、図1(b)に紙面垂直方向が溶接方向(Y軸)になる側面図(X−Z平面図)を示した。なお、10は高さの基準線である。
この例では、2次元距離計6を2つ使用し、うち1つは溶接前の突合せ部3の突合せ形状を検出するためのギャップセンサ6A、もう1つは溶接後の溶接部のビード形状を検出するためのビードセンサ6Bとした。ギャップセンサ6Aは、金属帯1のレーザー溶接機4のレーザー溶接光照射部4Aに対して溶接方向前段側に位置させ、また、ビードセンサ6Bは、金属帯1のレーザー溶接機4のレーザー溶接光照射部4Aに対して溶接方向後段側に位置させ、それぞれレーザー溶接機4に取付けて、配設してある。これら2つの2次元距離計6はそれぞれ、レーザー溶接機4と連動してY軸方向(板幅方向)に移動しつつ距離測定用レーザー光線をX軸方向(通板方向)に振ることで形成した2次元光を照射し、該照射を受けた光照射部からの、ある角度をもった反射光を検出することによって、前記光照射部の断面形状(高さ情報)を取得する。取得した高さ情報は、別途取得したレーザー溶接光照射部4Aの位置情報とともに、図示しないプロセスコンピュータの画像処理部に送られる。該画像処理部は、前記高さ情報及び前記位置情報を基に画像処理を行って、図2に一例を示す3次元高さ画像を生成する。これは前記コンピュータのディスプレイ画面に表示可能である。なお、図2において(a)はギャップセンサ6Aが取得した高さ情報によるもの、(b)はビードセンサ6Bが取得した高さ情報によるものである。
これら2つの2次元距離計6を用いて前記プロセスコンピュータがレーザー溶接機4における溶接状態を監視するために、本発明では、前記プロセスコンピュータが実行する前記第1の工程及び前記第2の工程を有する。
前記第1の工程では、前記ギャップセンサ6Aを用いて自動的に溶接前の金属帯1の突合せ部3の突合せ平面形状情報[図2(a)に例示した3次元高さ画像の上面からの画像情報と同様のもの]を基に、図4に模式図で示す溶接方向と通板方向で表す突合せ平面形状の画像(以下、便宜上、「GAP平面画像」という。)を取得する。なお、この画像は、前記プロセスコンピュータのディスプレイ画面上に表示してもよい。それとともに、前記ビードセンサ6Bを用いて自動的に溶接後の前記溶接部のビード平面形状情報[図2(b)に例示した3次元高さ画像の上面からの画像情報と同様のもの]を基に、図5に模式図で示す溶接方向と通板方向で表すビード平面形状の画像(以下、便宜上、「BEAD平面画像」という。)を取得する。なお、この画像は、前記プロセスコンピュータのディスプレイ画面上に表示してもよい。これらの平面画像は、前記画像処理部が画像処理演算を実行して生成させる。また、この画像処理演算は、異常値除去演算及び二値化演算に加え、画像領域のX軸方向(通板方向)及びY軸方向(板幅方向)のエッジ検出を介して突合せ部3の画像および溶接部8の画像の対応する点、例えば、突合せ部3の画像中心点C0(図4参照)および溶接部8の画像中心点C1(図5参照)を求め、かつ、Y軸方向(板幅方向)両端部間に延在する、突合せ部中心線11G(図4参照)と溶接部中心線11B(図5参照)を求める演算を含む。
前記第2の工程では、前記GAP平面画像と前記BEAD平面画像とを同一平面内で重ね合せて、図6に模式図で示す重ね合せ画像を求める。なお、この重ね合せ画像は、前記プロセスコンピュータのディスプレイ画面上に表示してもよい。前記重ね合せは、同一平面内において、突合せ部3と溶接部8の画像の対応する点、例えばこれら両部の画像中心点C0、C1同士が互いに一致するように、前記GAP平面画像と前記BEAD平面画像のいずれか一方又は双方を移動させることで達成される。そして、前記プロセスコンピュータは、前記重ね合せ画像から、突合せ部中心線11Gと溶接部中心線11Bとの相互位置ずれ(光軸ずれ)について、その板幅方向(Y軸方向)分布を求め、その値が所定の光軸ずれ閾値の範囲を超えた際に、オペレータに溶接平面位置不良の警報を発する。ここで、前記光軸ずれ閾値の範囲は、大きすぎると異常な溶接状態をも正常と判定し、小さすぎると正常な溶接状態をも異常と判定してしまうため、−0.5〜0.5mmの範囲内、より好ましくは−0.2〜0.2mmの範囲内から選んで設定するのが好適である。
また、警報を受けたオペレータ側では、前記突合せ部中心線と溶接部中心線との相互位置ずれ(光軸ずれ)δが光軸ずれ閾値の範囲からどの程度逸脱したかを把握できることが好ましく、そのため、第2の工程では、図7に模式図で示すとおり、光軸ずれδの板幅方向(Y軸方向)分布のグラフ表示画像に、前記光軸ずれ閾値の範囲を表す線13を重ね合せて表示することが好ましい。
前記光軸ずれに起因する溶接平面位置不良は、ライン内溶接部破断の主原因である。この主原因に次する原因として、段付き溶接がある。この段付き溶接には、図8に説明図で示すとおり、上面段差、下面段差及び基準面段差の3種類がある。これら3種類の段差において、上面段差または下面段差は次の(D1)または(D2)式で定義される。基準面段差は(D3)式で定義される。
面段差=|先行材の後端部の面高さ−後行材の先端部の面高さ| …(D1)
面段差=|{(先行材の後端部の面高さ)±(先行材板厚)}−{(後行材の先端部の面高さ)±(後行材板厚)}| …(D2)
基準面段差=|{(先行材の定常部面高さ)±(先行材板厚/2)}−{(後行材の定常部面高さ)±(後行材板厚/2)}| …(D3)
ただし、±(プラスマイナス)の+(プラス)は下面高さ測定の場合、−(マイナス)は上面高さ測定の場合を示す。
これら3種類の段差が大きすぎると溶接強度が不足して、ライン内溶接部破断が生じるため、これら3種類の段差も監視対象とすることが好ましい。
例えば、ギャップセンサ6Aおよびビードセンサ6Bが上面側にある場合、本発明では、これら3種類の段差の監視方法として、上面段差に対しては、ギャップセンサ6Aを用いて、溶接前の先行材1Aの後端部上面高さおよび後行材1Bの先端部上面高さを測定し、これら測定値から、前記(D1)式にて上面段差を算出し、該上面段差の算出値が所定の上面段差閾値を超えた際に溶接上面段差位置不良の警報を発する第3の工程を有することが好ましい。ここで、前記上面段差閾値は、大きすぎると異常な溶接状態をも正常と判定し、小さすぎると正常な溶接状態をも異常と判定してしまうため、最大でも板厚の1.2倍程度となるように設定するのが好適である。
また、下面段差に対しては、ギャップセンサ6Aを用いて、溶接前の先行材1Aの後端部上面高さおよび後行材1Bの先端部上面高さを測定し(この測定は、第3の工程での測定と同時に行ってもよい。)、これら測定値(ここでの測定値は、第3の工程のそれを流用してもよい。)と所与の先行材板厚および後行材板厚とから、前記(D2)式にて下面段差を算出し、該下面段差の算出値が所定の下面段差閾値を超えた際に溶接下面段差位置不良の警報を発する第4の工程を有することが好ましい。ここで、前記下面段差閾値は、大きすぎると異常な溶接状態をも正常と判定し、小さすぎると正常な溶接状態をも異常と判定してしまうため、最大でも板厚の1.2倍程度となるように設定するのが好適である。
なお、前記所与の先行材板厚及び後行材板厚は、上位のコンピュータから前記プロセスコンピュータへ送られてくる。
また、基準面段差に対しては、ギャップセンサ6Aを用いて、溶接前の先行材1Aの定常部上面高さおよび後行材1Bの定常部上面高さを測定し、これら測定値と所与の先行材板厚および後行材板厚とから、前記(D3)式にて基準面段差を算出し、該基準面段差の算出値が所定の基準面段差閾値を超えた際に溶接基準面高さ位置不良の警報を発することが好ましい。ここで、前記基準面段差閾値は、大きすぎると異常な溶接状態をも正常と判定し、小さすぎると正常な溶接状態をも異常と判定してしまうため、最大でも板厚の1.2倍程度となるように設定するのが好適である。
板厚1.8〜6.0mm、板幅650〜1600mmのステンレス鋼帯の先行材と後行材をレーザー溶接機にて溶接接続して連続焼鈍酸洗設備に連続通板する処理の操業に本発明を適用した。ここで、比較例は、前記第1及び第2の工程は行わずに、従来のフラッシュバット溶接工程の監視技術と類似の前記第3〜第5の工程を行った。すなわち、本発明例では、第1の工程でギャップセンサ6Aを用いて溶接前のステンレス鋼帯の突合せ平面形状の画像を取得し、ビードセンサ6Bを用いて溶接後のビード平面形状の画像を取得する。次に、第2の工程で、前記突合せ平面形状の画像とビード平面形状の画像を重ね合せて光軸ずれを求める。さらに、第3の工程で、ギャップセンサ6Aを用いて溶接前の先行材1A後端部上面高さおよび後行材1B先端部上面高さを測定し、上面段差を算出する。また、第4の工程で、ギャップセンサ6Aと板厚を用いて、溶接前の先行材1A後端部下面高さおよび後行材1B先端部下面高さから、下面段差を算出する。また、第5の工程で、ギャップセンサ6Aによる先行材定常部上面高さ、後行材定常部上面高さおよび板厚を用いて、溶接前の先行材1Aと後行材1B相互の基準面段差を算出する。
他方、比較例では、上記の第3、第4および第5の工程のみを実施した。なお、この比較例におけるライン内溶接部破断の発生頻度は、前記従来技術におけるそれと同程度であった。
その結果、本発明例では、比較例と比べ、ライン内溶接部破断の発生頻度が1/10以下と大幅に低減した。
1 金属帯
1A 先行材
1B 後行材
2 クランプ
3 突合せ部
4 レーザー溶接機
4A レーザー溶接光照射部
5 パージガス吹付け手段
6 2次元レーザー式距離計(2次元距離計)
6A ギャップセンサ
6B ビードセンサ
8 溶接部
10 高さの基準線
11G 突合せ部中心線
11B 溶接部中心線
13 光軸ずれ閾値の範囲を表す線
C0 突合せ部の画像中心点
C1 溶接部の画像中心点

Claims (5)

  1. 金属帯の先行材と後行材をレーザー溶接機で接合した溶接部を有する前記金属帯を通す連続処理ラインの入側で、複数の2次元レーザー式距離計のうち1つを溶接前専用のギャップセンサ、もう1つを溶接後専用のビードセンサとして、前記金属帯の上方および下方のいずれか一方に配設し、これらを用いてプロセスコンピュータが前記レーザー溶接機における溶接状態を監視する方法であって、
    前記ギャップセンサを用いて、溶接前の前記金属帯の先行材と後行材の突合せ部の突合せ平面形状情報を自動的に取得するとともに、前記ビードセンサを用いて、溶接後の前記溶接部のビード平面形状情報を自動的に取得する第1の工程と、
    前記突合せ部の突合せ平面形状と前記溶接部のビード平面形状とを金属帯幅左右が同一の平面内で重ね合せて、該重ね合せ画像から、突合せ平面形状の突合せ部中心線と溶接部のビード平面形状の中心線との相互位置ずれである光軸ずれを求めて、該光軸ずれの金属帯幅方向分布が所定の光軸ずれ閾値の範囲を超えた際に溶接平面位置不良として警報を発する第2の工程と、
    を有することを特徴とするレーザー溶接機における溶接状態監視方法。
  2. 前記第2の工程で求めた前記突合せ平面形状の突合せ部中心線と溶接部のビード平面形状の溶接部中心線との光軸ずれについて、当該金属帯幅方向分布のグラフ表示画像に、前記光軸ずれ閾値を表す線とともに重ね合せて表示することを特徴とする請求項1に記載のレーザー溶接機における溶接状態監視方法。
  3. 前記先行材および後行材の上面または下面において、前記ギャップセンサを用いて、溶接前の前記先行材の後端部の面高さおよび前記後行材の先端部の面高さを測定し、これら測定値を用いて、下記(D1)式にて面段差を算出し、該面段差の金属帯幅方向分布が所定の面段差閾値を超えた際に溶接面段差位置不良として警報を発する第3の工程を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザー溶接機における溶接状態監視方法。

    面段差=|先行材の後端部の面高さ−後行材の先端部の面高さ| …(D1)
  4. 前記先行材および後行材の上面または下面において、前記ギャップセンサを用いて、溶接前の前記先行材の後端部の面高さおよび前記後行材の先端部の面高さを測定し、これら測定値と所与の先行材板厚および後行材板厚とを用いて、下記(D2)式にて面高さを測定していない側の面における面段差を算出し、該面段差の金属帯幅方向分布が所定の面段差閾値を超えた際に溶接の面段差位置不良の警報を発する第4の工程を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のレーザー溶接機における溶接状態監視方法。

    面段差=|{(先行材の後端部の面高さ)±(先行材板厚)}−{(後行材の先端部の面高さ)±(後行材板厚)}| …(D2)
    ここで、±(プラスマイナス)の+(プラス)は下面高さ測定の場合、−(マイナス)は上面高さ測定の場合を示す。
  5. 前記先行材および後行材の上面または下面において、前記ギャップセンサを用いて、溶接前の前記先行材の定常部面高さおよび前記後行材の定常部面高さを測定し、これら測定値と所与の先行材板厚および後行材板厚とを用いて、下記(D3)式にて基準面段差を算出し、該基準面段差の算出値が所定の基準面段差閾値を超えた際に溶接基準面高さ位置不良の警報を発する第5の工程を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のレーザー溶接機における溶接状態監視方法。

    基準面段差=|{(先行材の定常部面高さ)±(先行材板厚/2)}−{(後行材の定常部面高さ)±(後行材板厚/2)}| …(D3)
    ここで、±(プラスマイナス)の+(プラス)は下面高さ測定の場合、−(マイナス)は上面高さ測定の場合を示す。
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