JP2015010936A - 表面疵検出装置、及び表面疵検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の表面疵検出装置1は、棒鋼圧延材Wの表面疵を検出する表面疵検出装置1であって、搬送中の前記棒鋼圧延材Wの軸長方向に対して垂直方向に切断した断面の2次元プロファイル形状を抽出するプロファイル抽出手段2と、プロファイル抽出手段2で抽出された2次元プロファイル形状を二階微分して、棒鋼圧延材Wの外周囲における曲率の値を求める曲率算出手段3と、曲率算出手段3で算出された曲率の値が予め設定されている閾値より大きい場合、棒鋼圧延材Wの表面に表面疵が発生していると判定する判定手段4と、を有する。
【選択図】図2
Description
そこで、表面疵を有さない圧延材を確実に製造し良品として出荷するために、圧延を行いながら様々な非破壊検査装置によって、圧延材の表面疵の検査が行われている。例えば、渦流探傷や漏洩磁束探傷などの電磁気的探傷試験が挙げられる。また、高速カメラを利用した光学的な自動表面検査装置を用いて、圧延材の表面疵の検査が行われている。
特許文献1は、長尺の被検査材の表面を照明する照明手段と、被検査材の表面を撮像する撮像手段と、この撮像手段にて撮像された被検査材の表面の画像を処理して欠陥部を抽出する画像処理手段とを備えた表面検査装置において、照明手段を当該被検査材の周りに揺動又は回転させる移動手段を備えており、その移動手段は、被検査材を囲うように形成され且つ照明手段が被検査材を向くように当該照明手段を支持する支持部材を備え、この支持部材は照明手段が被検査材の周りを揺動又は回転できるように移動自在となっていることを特徴とする表面検査装置を開示する。
また、漏洩磁束探傷(MLFT)にて圧延材の表面疵の検出を実施する際には、圧延材の表面疵が検出されない虞がある。
このようにして表面疵の有無の判定を行っているが、長さの短い表面疵が圧延材の表面に生じた場合、表面疵の検出限界を超えてしまうので、表面疵の有無を判定することができない。また、圧延材の両端部において磁束が乱れるため、両端部に表面疵が検出されない領域(不感帯)が数百mm発生することとなる。例えば、条鋼工場のコールドシャーなどの切断機のバイトに異物が挟まっている状態で切断された場合、圧延材の先端部及び後端部の表面に疵が発生するが、上述した不感帯によって、圧延材の先端部及び後端部の表
面疵が検出されず、見逃されてしまう。ゆえに、圧延材の表面に疵を残存させたまま、製品として出荷してしまう虞がある。
本発明に係る表面疵検出装置は、棒鋼圧延材の表面疵を検出する表面疵検出装置であって、搬送中の前記棒鋼圧延材の軸長方向に対して垂直方向に切断した断面の2次元プロファイル形状を抽出するプロファイル抽出手段と、前記プロファイル抽出手段で抽出された2次元プロファイル形状を二階微分して、前記棒鋼圧延材の外周囲における曲率の値を求める曲率算出手段と、前記曲率算出手段で算出された曲率の値が予め設定されている閾値より大きい場合、前記棒鋼圧延材の表面に表面疵が発生していると判定する判定手段と、を有することを特徴とする。
好ましくは、前記表面疵検出装置には、表示モニタが備えられており、前記表示モニタには、前記プロファイル抽出手段で抽出された2次元プロファイル形状が前記棒鋼圧延材の軸長方向に沿うように連続的に表示され、前記表示モニタ上において、前記判定手段にて判定された表面疵に対応する部位が前記棒鋼圧延材の他の表面形状とは異なる表示形態で識別可能に表示されるように構成されているとよい。
その前に、図1を参照して、圧延設備に備えられている検査装置10について説明する。
図1は、棒鋼圧延設備にてビレットなどの鋳片が連続圧延されて棒鋼圧延材Wに成形されて所定の長さに切断された後、その棒鋼圧延材Wの外周面及び内部を検査する検査装置
10の一例を示したものである。なお、本実施形態の棒鋼圧延材Wは、断面がほぼ真円状であり、直径が約10mm〜150mm、長さが約10m程度に切断された棒材である。
本実施形態の外周面探傷装置12は、条鋼、特に長尺の棒鋼圧延材Wの表面上に存在する疵を、漏洩磁束を用いて検出(探傷)する漏洩磁束探傷装置(MLFT)である。以降、漏洩磁束探傷装置12とする。
超音波探傷装置13は、被検査材である棒鋼圧延材Wの表面直下を伝播する表面超音波を送出する送出部と、少なくとも棒鋼圧延材Wの表面皮下に存在する欠陥で反射して戻った反射超音波を受波する受波部を有する探触子とを備えており、探触子は、長尺の棒鋼圧延材Wの外周面上に配置されている。
ところが、このような漏洩磁束探傷装置12を用いても、棒鋼圧延材Wの表面に生じている疵が検出されないことがある。例えば、異物が挟まった状態のバイトで切断された棒鋼圧延材Wの先端部及び後端部の表面には、その異物によって表面疵(例えば、押し疵)が形成されるが、漏洩磁束探傷装置12には表面疵があっても検出されない不感帯という領域が存在することとなり、その棒鋼圧延材Wの先端部及び後端部の表面疵が検出されず、見逃されてしまうことがある。
以下、本願発明の表面疵検出装置1について、詳細な説明を行う。
図1に示すように、本実施形態の表面疵検出装置1は、矯正機11の出側に配備されている。なお、表面疵検出装置1は、検査装置10のいずれの位置(例えば、漏洩磁束探傷装置12の下流側など)に配備してもよい。
次に、本発明の表面疵検出装置1に備えられているプロファイル抽出手段2について、図3を基に詳しく説明する。
図3に示すように、プロファイル抽出手段2は、略円形状の断面を有する棒鋼圧延材Wの軸長方向に対して、垂直方向を向いた直径の延長線上に備えられており、棒鋼圧延材Wの軸長方向より上側の輪郭形状をリアルタイムで捉えられるようになっている。
プロファイル抽出手段2は、搬送中の棒鋼圧延材W(測定物)にレーザ光を照射し、反射したレーザ光を受光するヘッド部2aと、ヘッド部2aで受光(集光)されたレーザ光を基に、棒鋼圧延材Wの2次元プロファイル形状を求めるコントローラ部(図示せず)と、を有している。また、求められた棒鋼圧延材Wの2次元プロファイル形状を表示する表示モニタ5が備えられている。レーザ光を受光するヘッド部2aはy軸上に配備されている。本実施形態のプロファイル抽出手段2としては、青色レーザ(波長:400〜500nm)を用いたレーザ式プロファイル測定器(2次元レーザ変位計)を採用している。
2次元プロファイル形状のデータを各サイズごとに分けて予め基礎データとして記憶させておいて、棒鋼圧延材Wの表面疵を検出する際に用いる。
このように、プロファイル抽出手段2で搬送中の棒鋼圧延材Wの輪郭形状を測定することで、棒鋼圧延材Wの2次元プロファイル形状がリアルタイムで抽出することができる。プロファイル抽出手段2で得られた棒鋼圧延材Wの2次元プロファイル形状の情報は、曲率算出手段3に送られ、2次元プロファイル形状の曲率kの値を算出するために用いられる。
図5(a)は、図4(a)に示されている棒鋼圧延材Wの断面の2次元プロファイル形状の測定結果を式(1)に適用して算出された曲率kの値を示したものである。図5(a)を読み取ると、この棒鋼圧延材Wの2次元プロファイル形状の曲率kは、真円の基準曲率である、−0.04近傍に集中しており、閾値α(曲率:−0.4〜0.2)の範囲内に存在している。なお、図5(a)のような、棒鋼圧延材Wの断面の2次元プロファイル形状の曲率kのデータを各サイズごとに分けて予め記憶させておいて、棒鋼圧延材Wの表面疵を検出する際の基準データとして用いる。
判定手段4は、予め設定された曲率kの閾値α(上下限範囲)と、搬送中の棒鋼圧延材
Wの2次元プロファイル形状の曲率kの値とを比較する。比較した結果、閾値αより大きい曲率kが存在していると確認した場合、その搬送中の棒鋼圧延材Wの表面に疵が発生したと判定する。ゆえに、判定手段4で搬送中の棒鋼圧延材Wの表面疵の形状や位置を特定すると共に、表面疵を検出することができる。なお、棒鋼圧延材Wの長手方向の先端部及び尾端部、及び棒鋼圧延材Wの断面幅方向の端部は、判定範囲外とする。一方、断面垂直方向頂点は、曲率の乱れはないので判定範囲外ではない。
そして、この搬送中の棒鋼圧延材Wの表面疵の形状及び位置を表面疵検出装置1に備えられた表示モニタ5に表示して、オペレータに教示する。
図6(a)に示すように、表示モニタ5には、例えば2次元プロファイル形状を棒鋼圧延材Wの軸長方向に連ねるように表示されている。すなわち、表示モニタ5には、2次元プロファイル形状を平面状に展開したもの(曲がったプロファイル曲線を直線状に延ばしたもの)が、画面の上下方向を向くように配置され、その上で画面の水平方向に沿って、複数の2次元プロファイル形状が連なるように表示されている。
ゆえに、表示モニタ5に示されている棒鋼圧延材Wの2次元プロファイル形状は、図6(b)に示されている実際の棒鋼圧延材Wの表面疵に対応するように表示される。
以上述べた本発明の表面疵検出装置1を用いて、棒鋼圧延材Wの表面に発生する疵を検出する方法について、説明する。
棒鋼圧延材Wの周方向に沿って備えられた少なくとも1つ以上(本実施形態では4つ、図2(b)参照)のプロファイル抽出手段2は、測定対象となる棒鋼圧延材Wの全周に対
してレーザ光を照射し、その棒鋼圧延材Wから反射したレーザ光を集光する。集光されたレーザ光を受光素子へと結像し、その受光素子を基に棒鋼圧延材Wの2次元プロファイル形状(図4参照)を抽出する。このようにして抽出された棒鋼圧延材Wの2次元プロファイル形状の情報を曲率算出手段3に送る。
判定手段4は、予め設定された曲率kの閾値αと、搬送中の棒鋼圧延材Wの2次元プロファイル形状の曲率kの値とを比較する。比較した結果、閾値αより大きい曲率kの存在を確認した場合、棒鋼圧延材Wの表面疵を検出したと判定する。
表面疵検出装置1を通過した棒鋼圧延材Wは、漏洩磁束探傷装置12及び超音波探傷装置13へと導入され、欠陥検査(表面疵及び内部欠陥の検査)が行われる。表面疵検出装置1、漏洩磁束探傷装置12、超音波探傷装置13のいずれかで欠陥が検出された棒鋼圧延材Wbは、検査装置10(検査ライン)から払出され、欠陥が検出されない棒鋼圧延材Waのみが良品として出荷されることとなる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
2 プロファイル抽出手段
2a ヘッド部
3 曲率算出手段
4 判定手段
5 表示モニタ
10 検査装置(検査ライン)
11 矯正機
12 外周面探傷装置(漏洩磁束探傷装置)
13 内部欠陥探傷装置(超音波探傷装置)
14 搬送ローラ
W 棒鋼圧延材
Wa 棒鋼圧延材(表面疵なし)
Wb 棒鋼圧延材(表面疵あり)
Claims (4)
- 棒鋼圧延材の表面疵を検出する表面疵検出装置であって、
搬送中の前記棒鋼圧延材の軸長方向に対して垂直方向に切断した断面の2次元プロファイル形状を抽出するプロファイル抽出手段と、
前記プロファイル抽出手段で抽出された2次元プロファイル形状を二階微分して、前記棒鋼圧延材の外周囲における曲率の値を求める曲率算出手段と、
前記曲率算出手段で算出された曲率の値が予め設定されている閾値より大きい場合、前記棒鋼圧延材の表面に表面疵が発生していると判定する判定手段と、を有する
ことを特徴とする表面疵検出装置。 - 前記プロファイル抽出手段には、2次元レーザ変位計が用いられ、
前記プロファイル抽出手段は、前記棒鋼圧延材の周方向に沿って、少なくとも1つ以上配備されていることを特徴とする請求項1に記載の表面疵検出装置。 - 前記表面疵検出装置には、表示モニタが備えられており、
前記表示モニタには、前記プロファイル抽出手段で抽出された2次元プロファイル形状が前記棒鋼圧延材の軸長方向に沿うように連続的に表示され、
前記表示モニタ上において、前記判定手段にて判定された表面疵に対応する部位が前記棒鋼圧延材の他の表面形状とは異なる表示形態で識別可能に表示されるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面疵検出装置。 - 棒鋼圧延材の表面疵を検出する表面疵検出方法であって、
搬送中の前記棒鋼圧延材の軸長方向に対して垂直方向に切断した断面の2次元プロファイル形状を抽出し、
前記抽出された2次元プロファイル形状を二階微分して、前記棒鋼圧延材の外周囲における曲率の値を求め、
前記算出された曲率の値が予め設定されている閾値より大きい場合、前記棒鋼圧延材の表面に表面疵が発生していると判定する
ことを特徴とする表面疵検出方法。
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