JP3804744B2 - プラズマ加工方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマアークによってピアシングや切断を行なうプラズマ加工方法およびプラズマ加工装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラズマ加工装置には、電極とその電極の先端側(加工ワーク側)を覆うように配設されるノズルとを備えるとともに、その電極とノズルとの間には、作動ガスが通過する通路が形成されており、その作動ガスが加工ワークに向けて噴出するように構成されているプラズマトーチが用いられている。このプラズマトーチは、電極とノズルとの間でパイロットアークを形成し、前記作動ガスを加工ワークに向けて噴出させて電極と加工ワークとの間に強いメインアーク(以下、プラズマアークという)を形成させる。このプラズマアークは非常に高温でかつ高密度エネルギーを有しており、そのプラズマアークを加工ワークの同位置に安定的に持続させればピアシングが行なわれる。一方、プラズマアークを安定的に持続させてプラズマトーチを移行させれば切断が行なわれる。なお、前記ノズルの加工ワーク側に、そのノズルを保護するシールドキャップを装着するプラズマトーチを用いるプラズマ加工装置も採用されている。
【0003】
このようなプラズマ加工装置を用いて、特に板厚の大きい加工ワークにピアシングを行なう場合、加工ワークの溶融金属やスパッタが前記プラズマトーチに向けて飛び散り前記ノズルやシールドキャップ等が損傷するという問題点がある。このような問題点を解決するために、切断可能な加工ワークの板厚(切断可能板厚)とは別にピアシング可能な加工ワークの板厚(ピアシング可能板厚)を設定し、このピアシング可能板厚を切断可能板厚に比べて薄い板厚に設定している。したがって、ピアシング不可能な板厚の加工ワークを切断する場合、この加工ワークの端部にアークを点弧(着火)した後に、その端部から切断を開始するようにされている。
【0004】
また、前記問題点を解決する別方法としては、前記プラズマトーチのノズル近傍にブロー用ノズルを設け、このブロー用ノズルから圧縮エア,窒素,酸素等の流体をピアシング位置に吹きかけるようにして、加工ワークの溶融金属がノズルやシールドキャップ等に向けて飛び散らないように吹き飛ばす方法も採られている。
【0005】
一方、レーザ加工装置を用いて、加工ワークにピアシングを行なう場合はレーザ発振ノズルを予め高い位置に配置してピアシングを開始し、そのピアシングを行ないながら前記レーザ発振ノズルを所定の位置まで引き下げる、すなわち加工ワークに接近させるようにして、加工ワークの溶融金属やスパッタによりレーザ発振ノズル等が損傷しないようにされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のように切断可能板厚とピアシング可能板厚とを別に設定するプラズマ加工方法では、ピアシング不可能な板厚の加工ワークを切断する際に、常に加工ワークの端部から切断が開始されるため、材料の歩留まりが低下するという問題点がある。また、プラズマトーチの位置決めに手間がかかるという問題点がある。
【0007】
また、プラズマトーチのノズル近傍のブロー用ノズルにより溶融金属やスパッタを吹き飛ばす方法では、ブロー用ノズルの配管ラインが別途必要となり、制御が複雑になるとともに、溶融金属やスパッタを吹き飛ばすため危険が伴うという問題点がある。また、圧縮エア等を準備する必要がありコストが嵩むという問題点もある。
【0008】
一方、前記レーザ加工装置によるピアシング方法をプラズマ加工装置に適用しプラズマトーチを予め高い位置に配置させた場合、前記作動ガスが加工ワークに到達しないなどの不都合により電極と加工ワークとの間にプラズマアークが形成されず、すなわちアーク着火が不良となってピアシングや切断を行なうことができないという問題点がある。
【0009】
本発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、ピアシングを行なう際に加工ワークの溶融金属やスパッタの飛び散りによるノズルやシールドキャップの損傷を防止して、ピアシング可能板厚と切断可能板厚を同一にすることができ、容易かつ確実に加工してピアシングおよび切断加工を行なうことができるプラズマ加工方法およびプラズマ加工装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
前述された目的を達成するために、第1発明によるプラズマ加工方法は、
プラズマアークにより加工ワークにピアシングを行なうプラズマ加工方法において、
(a)前記加工ワークとの間にプラズマアークを形成する電極を内部に有するプラズマトーチをその加工ワークのピアシング位置に相対移動させ、そのプラズマトーチを加工ワークに対してプラズマアークの着火が可能な第1設定高さに相対位置決めする第1工程、
(b)前記プラズマトーチを前記第1設定高さに位置決めした後、前記電極と加工ワークとの間にプラズマアークを着火する第2工程、
(c)着火可能上限高さおよび前記第1設定高さより加工ワークから離れた位置に設定された第2設定高さまで、前記プラズマトーチをプラズマアークの保持可能な移動速度にて前記加工ワークに対して相対移動させる第3工程、
(d)前記プラズマトーチを第2設定高さに停止させた状態で前記プラズマアークを保持させてピアシングを行なう第4工程および
(e)前記ピアシングの完了を検知してピアシングを終了させる第5工程
を備えることを特徴とするものである。
【0011】
本発明においては、プラズマトーチを加工ワークのピアシング位置に相対移動させ、プラズマトーチの加工ワークに対する高さを予め設定されているプラズマアークの着火が可能な高さ(第1設定高さ)に相対位置決めし、電極−加工ワーク間にプラズマアークを着火させた後、そのプラズマアークを保持しつつ移動可能に設定されている移動速度でプラズマトーチを加工ワークから引き離すようにして着火可能上限高さおよび前記第1設定高さより加工ワークから離れた位置(第2設定高さ)でプラズマトーチを停止させてピアシングを完了させる。こうして板厚の大きい加工ワークにピアシングを行なう場合であっても、プラズマアークの高熱により飛び散る加工ワークの溶融金属やスパッタによりプラズマトーチの先端部(ノズル)が損傷するのを防止することができる。なお、前記移動速度はプラズマアークを保持させた状態で移動可能な最高速度が好ましい。
【0012】
本発明によれば、従来の問題点であるピアシング可能板厚と切断可能板厚とを別に設定する必要がなくなり、ブロー用ノズルや圧縮エア等を用いることなく簡易な構成で、厚みのある加工ワークに対して容易にかつ確実にピアシングを行なうことができる。このため、例えば切断加工を行なう場合に、加工ワークの任意の位置にピアシングを行なうことができ、その位置から切断を開始することができるため、歩留まりの向上を図ることができるとともに、位置決めも容易であるという効果を奏する。また、一旦第1設定高さで電極−加工ワーク間にプラズマアークを形成した後、プラズマトーチを加工ワークから遠ざけるようにしているため、プラズマアーク不良により、ピアシング不能や切断不能などの問題が生じるのを防止することができるという効果を奏する。
【0013】
次に、第2発明によるプラズマ加工方法は、
プラズマアークにより加工ワークを切断するプラズマ加工方法において、
(a)前記加工ワークとの間にプラズマアークを形成する電極を内部に有するプラズマトーチをその加工ワークのピアシング位置に相対移動させ、そのプラズマトーチを加工ワークに対してプラズマアークの着火が可能な第1設定高さに相対位置決めする第1工程、
(b)前記プラズマトーチを前記第1設定高さに位置決めした後、前記電極と加工ワークとの間にプラズマアークを着火する第2工程、
(c)着火可能上限高さおよび前記第1設定高さより加工ワークから離れた位置に設定された第2設定高さまで、前記プラズマトーチをプラズマアークの保持可能な移動速度にて前記加工ワークに対して相対移動させる第3工程、
(d)前記プラズマトーチを第2設定高さに停止させた状態で前記プラズマアークを保持させてピアシングを行なう第4工程および
(e)前記ピアシングの完了を検知して、プラズマアークを保持したまま、前記加工ワークを切断可能な切断高さまで、プラズマトーチを前記加工ワークに対して相対移動させて切断を開始する第5工程
を備えることを特徴とするものである。
【0014】
本発明においては、前記第1発明と同様にして加工ワークにピアシングを形成した後、プラズマアークを電極−加工ワーク間に形成した状態でプラズマトーチを加工ワークの切断可能高さに移動させ、そのプラズマトーチを切断形状に応じて相対移動させるようにして加工ワークが切断される。こうして、第1発明の効果に加えて、ピアシング完了後の加工ワークの切断をスムーズに行なうことができるという効果を奏する。
【0015】
前記第1発明および第2発明においては、前記加工ワークと電極との間に形成されるプラズマアークの電圧を検出し、その電圧の勾配の変化により前記ピアシング完了を検出するのが好ましい(第3発明)。前記プラズマアークの電圧は、加工ワーク表面からピアシングが進行されるにしたがって徐々に上昇し、プラズマアークがその加工ワークを貫通した時点(ピアシングが完了した時点)でプラズマアーク電圧が瞬間的に急上昇する特性を有している。この特性を用いて、前記プラズマアーク電圧の瞬間的急上昇を検出することにより、正確かつ容易にピアシング完了を検出できるという効果を奏する。
【0016】
また、前記第1発明および第2発明においては、前記プラズマトーチを第2設定高さに停止させた状態で加工ワークと電極との間に形成されるプラズマアークの保持時間を予め設定し、その設定された保持時間が経過した時点を前記ピアシング完了として検出するのが好ましい(第4発明)。こうすることで、簡易な制御でピアシング完了を検出できるという効果を奏する。
【0017】
次に、第5発明によるプラズマ加工装置は、
内部に配置される電極と先方に配置される加工ワークとの間にプラズマアークを形成させるプラズマトーチと、このプラズマトーチを前記加工ワークに対して3次元方向に相対移動させる移動手段とを備えるプラズマ加工装置において、
(a)加工ワークの少なくとも材質および板厚に応じて、電極−加工ワーク間にプラズマアークの着火が可能なプラズマトーチの加工ワークに対する第1設定高さと、着火可能上限高さおよび前記第1設定高さより加工ワークから離れたプラズマトーチの加工ワークに対する第2設定高さと、前記第1設定高さから第2設定高さへプラズマトーチを相対移動させる際に電極−加工ワーク間に形成されたプラズマアークを保持可能な移動速度とが予め記憶されている記憶手段、
(b)前記プラズマアークによって加工ワークにピアシングが完了したことを検出するピアシング完了検出手段および
(c)前記記憶手段に記憶された各値を読み込み、前記プラズマトーチを加工ワークのピアシング位置で、かつ前記第1設定高さに相対移動させ、プラズマアークの着火が行なわれた後に前記移動速度で第2設定高さへ相対移動させ、その後前記ピアシング完了検出手段によりピアシング完了が検出されるまで前記プラズマトーチを第2設定高さに停止させるように前記移動手段を制御する制御手段
を備えることを特徴とするものである。
【0018】
本発明においては、記憶手段に予め加工ワークの少なくとも板厚および材質に応じて、プラズマトーチの加工ワークに対する高さ(第1設定高さ,第2設定高さ)およびプラズマトーチを第1設定高さから第2設定高さへ移動させる際の移動速度がそれぞれ設定されている。なお、前記第2設定高さは着火可能上限高さおよび前記第1設定高さより加工ワークから離れた高さであり、前記移動速度は電極−加工ワーク間に形成されているプラズマアークを保持しつつ前記プラズマトーチを第1設定高さから第2設定高さへ移動可能な速度であり、その速度の最高値であるのが好ましい。
【0019】
本発明において、前記プラズマトーチの移動を制御する制御手段は、加工ワークに対応する第1設定高さ,第2設定高さおよび移動速度をそれぞれ前記記憶手段から読み込み、そのプラズマトーチを加工ワークのピアシング位置で、前記第1設定高さに相対移動させ、プラズマアークの着火が行なわれた後に前記移動速度で第2設定高さへ相対移動させ、その後検出手段からピアシング完了が検出されるまで前記プラズマトーチを第2設定高さに停止させるように制御している。こうして、板厚の大きい加工ワークにピアシングを行なう場合であっても、プラズマアークの高熱や高密度エネルギーにより飛び散る加工ワークの溶融金属やスパッタが前記プラズマトーチの先端部(ノズル)を損傷させるのを防止することが可能である。
【0020】
本発明によれば、前記第1および第2発明と同様に簡易な構成で、例えば厚みのある加工ワークに対しても容易にかつ確実にピアシングを行なうことができ、歩留まりの向上を図ることができるという効果を奏する。また、第1設定高さで電極−加工ワーク間に形成されたプラズマアークを保持しつつ、プラズマトーチを加工ワークから遠ざけるようにして加工されているため、プラズマアーク不良などの問題が生じるのを防止することができるという効果を奏する。
【0021】
また、第6発明によるプラズマ加工装置は、
内部に配置される電極と先方に配置される加工ワークとの間にプラズマアークを形成させるプラズマトーチと、このプラズマトーチを前記加工ワークに対して3次元方向に相対移動させる移動手段とを備えるプラズマ加工装置において、
(a)加工ワークの少なくとも材質および板厚に応じて、電極−加工ワーク間にプラズマアークの着火が可能なプラズマトーチの加工ワークに対する第1設定高さと、着火可能上限高さおよび前記第1設定高さより加工ワークから離れたプラズマトーチの加工ワークに対する第2設定高さと、前記第1設定高さから第2設定高さへプラズマトーチを相対移動させる際に電極−加工ワーク間に形成されたプラズマアークを保持可能な移動速度と、前記プラズマトーチを第2設定高さで保持する保持時間とが予め記憶されている記憶手段および
(b)前記記憶手段に記憶された各値を読み込み、前記プラズマトーチを加工ワークのピアシング位置で、かつ前記第1設定高さに相対移動させ、プラズマアークの着火が行なわれた後前記移動速度で第2設定高さへ相対移動させ、その後プラズマトーチを第2設定高さに前記保持時間停止させるように前記移動手段を制御する制御手段
を備えることを特徴とするものである。
【0022】
本発明においては、記憶手段に予め加工ワークの少なくとも板厚および材質に応じて、前記第5発明と同様に第1設定高さと、第2設定高さと、移動速度と、さらに前記プラズマトーチを第2設定高さで保持してピアシングが完了するまでの保持時間が設定されて記憶されている。
【0023】
本発明において、前記プラズマトーチの移動を制御する制御手段は、加工ワークに対応する第1設定高さ,第2設定高さ,移動速度および保持時間をそれぞれ前記記憶手段から読み込み、そのプラズマトーチを加工ワークのピアシング位置で、かつ前記第1設定高さに相対移動させ、プラズマアークの着火が行なわれた後に前記移動速度で第2設定高さへ相対移動させ、その後前記保持時間が経過するまで前記プラズマトーチを第2設定高さに停止させるように制御している。こうして、板厚の大きい加工ワークにピアシングを行なう場合であっても、プラズマアークの高熱や高密度エネルギーにより飛び散る加工ワークの溶融金属やスパッタにより前記プラズマトーチの先端部(ノズル)が損傷するのを防止して、前記第5発明と同様の効果を奏する。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明によるプラズマ加工方法およびプラズマ加工装置の具体的な実施の形態につき、図面を参照しつつ説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施例に係るプラズマ加工装置の概略的な模式図である。
【0026】
本実施例のプラズマ加工装置1においては、略円筒形状のプラズマトーチ2の先方に切断される加工ワーク3が配置されており、前記プラズマトーチ2の略中心位置に配置される略円柱状の電極4にプラズマ電流を供給するプラズマアーク電源5のマイナス端子が接続されており、そのプラズマアーク電源5のプラス端子が前記加工ワーク3に接続されている。また、前記プラズマアーク電源5に対して並列に配設される高周波発生器6のプラス端子が後述するプラズマトーチ2のノズル7にスイッチ6aを介して接続されている。
【0027】
前記プラズマトーチ2は、前記電極4と、その電極4の外周側を覆う略円筒形状でかつ加工ワーク3に対向する面(先端面)に細い口径のノズルオリフィス8を有するノズル7とを備えており、前記電極4とノズル7との間には作動ガス通路9が形成されている。この作動ガス通路9には、図示されない作動ガス供給系統から作動ガスが前記ノズル7の基端側から供給されるとともに、前記ノズルオリフィス8から加工ワーク3に向けて噴出するようにされている。
【0028】
前記電極4のプラズマアーク発生点となる先端部には、プラズマアークAの高熱に耐え得る高融点材料製(例えば、ハフニウム製,ジルコニウム製,合金製等)の耐熱インサート10が装着されている。
【0029】
前記電極4−加工ワーク3間にプラズマアークAを形成するに際しては、前記スイッチ6aをON状態にして、電極4とノズル7との間にパイロットアーク(図示省略)が着火される。前記パイロットアークが着火される直前から前記作動ガス通路9に作動ガスが供給されており、この電離された導電性を持つ作動ガスが前記ノズルオリフィス8を通じて加工ワーク3に噴出され、電極4−加工ワーク3間にプラズマアークAを着火させる。なお、パイロットアークは、プラズマアークAの着火後、スイッチ6aをOFF状態にして消弧される。
【0030】
前記プラズマアークAは、ノズルオリフィス8による拘束性と作動ガス気流による熱的ピンチ作用が効果的に働いて高温で、かつ高密度エネルギーを有するプラズマアークとなっている。このようにして形成されるプラズマアークAが加工ワーク3を溶融して、ピアシングや切断が行なわれる。
【0031】
また、前記プラズマトーチ2は駆動部(本発明における移動手段に相当する。)11によって、加工ワーク3に対して3次元方向に移動可能に支持されている。その駆動部11は後述する制御部12に接続されており、その制御部12から入力される制御信号に基づいて前記プラズマトーチ2を3次元方向に移動させるように制御されている。
【0032】
前記制御部12には、各種加工ワークに対応する切断条件データベース,ピアス条件データベースが記憶されている記憶部13が接続されるとともに、前記電極4−加工ワーク3間の電圧(プラズマアーク電圧)を監視するモニタ(本発明における検出手段に相当する)14が接続されている。このプラズマアーク電圧は、加工ワーク3表面からピアシングが進行されるにしたがって徐々に上昇し、プラズマアークAがその加工ワーク3を貫通した時点(ピアシングが完了した時点)で瞬間的に急上昇する特性を有している。この特性を用いて、前記プラズマアーク電圧の瞬間的急上昇を検出して、ピアシングの完了を検出する。
【0033】
前記切断条件データベースとしては、加工ワーク3の板厚および材質などに応じてそれぞれ設定されるプラズマトーチ2の切断高さ,切断速度,第1設定高さH1(プラズマアーク着火時の高さ),電流値,補正量および作動ガス圧が記憶されている。また、前記ピアス条件データベースとしては、設定板厚値(従来のピアシング可能板厚値)と、加工ワーク3の板厚および材質などに応じてそれぞれ設定されるプラズマトーチ2の第2設定高さH2と、プラズマトーチ2を第1設定高さH1から第2設定高さH2へ移動させる際の移動速度とが記憶されている。なお、本実施例において、第1設定高さH1はプラズマアークAの着火が可能な上限値とされており、第2設定高さH2はその第1設定高さH1よりさらに加工ワーク3から離れた位置とされており、前記移動速度は第1設定高さH1で電極4−加工ワーク3間に形成されたプラズマアークAを保持しつつ第2設定高さH2へ移動可能な最大速度とされている。
【0034】
次に、制御部12によるプラズマトーチ2の駆動部11を制御してプラズマ加工を行なう手順について、図2に示されるフローチャートに基づいて説明する。
【0035】
S1:加工スタートの指令を受けて、図示されないNC装置によって予め指定されているピアシング位置にプラズマトーチ2を移動させる。なお、前記NC装置には、加工ワークの形状,板厚,材質や各加工ワークの切断形状等が認識されている。
S2〜S4:次に、前記記憶部13から加工ワーク3に対応するピアス条件を読み込んで、前記プラズマトーチ2を第1設定高さH1に位置決めし、さらに前記記憶部13から前記加工ワーク3に対応する切断条件も合わせて読み込む。
S5:続いて、前記加工ワーク3の板厚が、前記ピアス条件で設定されている設定板厚値以上であるかあるいは本発明の機能が有効であるか否かを判定する。
S6〜S7:前記加工ワーク3の板厚が設定板厚値以上あるいは本発明の機能が有効である場合には、前記電極4−加工ワーク3にプラズマアークAを着火させるとともに、このプラズマアークAを保持可能な移動速度でプラズマトーチ2を第2設定高さH2へ移動させる。
S8〜S9:前記プラズマアークAを保持した状態でプラズマトーチ2を第2設定高さH2に停止させておき、前記プラズマアーク電圧モニタ14によるプラズマアーク電圧の勾配が瞬間的に急上昇するのを検出することによりピアシング完了を検知して、ピアシングを終了する。
S10〜S12:こうしてピアシングが完了した時点で、前記プラズマアークAを保持したまま前記プラズマトーチ2を切断高さに移動させるとともに、前記NC装置より指令される切断形状にプラズマトーチ2を移動させて切断を開始し、切断終了信号が入力された時点でプラズマ加工を終了する。
【0036】
S13〜S14:前述のステップS5において、加工ワーク3の板厚が設定板厚値未満の場合には、前記電極4−加工ワーク3間にプラズマアークAを着火させ、このプラズマアークAを保持させて前記プラズマアーク電圧モニタ14によるプラズマアーク電圧の勾配が瞬間的に急上昇するのを検出することによりピアシング完了を検知して、ピアシングを終了し、前記ステップS9以下の操作を行なう。
【0037】
本実施例においては、プラズマトーチ2の高さ位置を予め設定されるプラズマアークAの着火が可能な高い位置(第1設定高さH1)に位置決めして電極4−加工ワーク3間にプラズマアークAを形成した後、そのプラズマアークAを保持可能な移動速度でプラズマトーチ2を加工ワーク3から引き離すようにして前記第1設定高さH1より加工ワーク3から離れた位置(第2設定高さH2)でプラズマトーチ2を停止させてピアシングを完了させる。こうして板厚の大きい加工ワーク3にピアシングを行なう場合であっても、プラズマアークAの高熱により飛び散る加工ワーク3の溶融金属が前記プラズマトーチ2のノズル7を損傷させるのを防止するようにしている。
【0038】
したがって、本実施例のプラズマ加工装置1では、従来の問題点に記載されるようにピアシング可能板厚と切断可能板厚とを別に設定する必要がなくなり、ブロー用ノズルや圧縮エア等を用いることなく簡易な構成で、厚みのある加工ワーク3に対して容易にかつ確実にピアシングを行なうことができる。こうして例えば切断加工を行う場合に、加工ワーク3の任意の位置から切断を開始することができるため、歩留まりの向上を図ることができるとともに、位置決めも容易であるという効果を奏する。また、一旦第1設定高さH1で電極4−加工ワーク3間にプラズマアークAを形成した後、プラズマトーチ2を加工ワーク3から遠ざけるようにしているため、プラズマアーク不良により、ピアシング不能や切断不能などの問題が生じるのを防止することができるという効果を奏する。
【0039】
本実施例においては、制御部12によってプラズマアーク電圧モニタ14を監視させてピアシング完了を検出するようにしているが、これに限らず、プラズマアーク電圧モニタ14を設けることなく、予め記憶部13に加工ワーク3の板厚,材質に応じて、プラズマアークAの着火からピアシングが完了するまでの時間(ピアス時間)またはプラズマトーチ2を第2設定高さH2に移動させた時点からピアシングが完了するまでの時間(保持時間)を設定して記憶させておき、図2のフローチャートにおける二点鎖線で示されるように、ステップS7の操作終了後にステップS15の操作すなわち第2設定高さでのプラズマトーチ2の停止時間を検出し前記保持時間に達した時点でピアシング完了としてステップS9以降の操作を行なうようにしてもよく、またステップS13の操作終了後、ステップS16の操作すなわちプラズマアークAの着火時点からの経過時間を計測し、前記ピアス時間に達した時点でピアシング完了としてステップS9以降の操作を行なうようにしてもよい。
【0040】
また、本実施例において、プラズマトーチ2は電極4とノズル7と、電極4−ノズル7間に形成される作動ガス通路9によって構成されているが、図3に示されるような構成のプラズマトーチ2’であってもよい。すなわち、このプラズマトーチ2’は、多重円筒形状であり、その中心位置に電極4’が配置されおり、この電極4’の外周側を覆うように作動ガス通路9’を介して略円筒形状のノズル7’が配置されており、このノズル7’の外周側には冷却水通路20を介して円筒状の第1ノズルキャップ21が配置され、その第1ノズルキャップ21の外周側には二次ガス通路22を介して第2ノズルキャップ23が配置されて構成されている。
【0041】
前記電極4’のプラズマアーク発生点となる先端部には耐熱インサート10’が装着されており、その電極4’の内部には冷却水を通す冷却水路(図示省略)が設けられている。
【0042】
また、前記プラズマトーチ2の先端部に対向するように加工ワーク3が配置されており、前記ノズル7’の先端部には前記作動ガス通路9’を経て加工ワーク3に向けて噴出されるノズルオリフィス8’が設けられている。また、前記第1ノズルキャップ21の先端部は前記ノズル7’の略先端部の外周側に密着するようにされており、前記第2ノズルキャップ23の先端開口部には、前記ノズル7’の先端部を保護するとともに、前記二次ガス通路22を通過する二次ガスを噴出させる噴出口24を有するシールドキャップ25が装着されている。
【0043】
前記作動ガス通路9’および二次ガス通路22には、環状の作動ガススワラ26および2次スワラ27とがそれぞれ嵌め込まれている。この作動ガス通路9’を通過する作動ガスは、前記作動ガススワラ26を通る際に旋回流となり、前記ノズルオリフィス8’を経て加工ワーク3へ噴出される。一方、前記二次ガス通路22を通過する二次ガスも同様に、2次スワラ27を通る際に旋回流となって前記噴出口24から噴出される。
【0044】
このように構成されるプラズマトーチ2’を用いれば、前記電極4’−加工ワーク3間に形成されるプラズマアークが二次旋回気流によって取り囲まれ、切断溝の形状を変化させることでヘベル角の小さい直角の切断面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施例に係るプラズマ加工装置の概略的な模式図である。
【図2】図2は、本実施例のプラズマ加工を行なう手順を説明するフローチャートである。
【図3】図3は、別実施例のプラズマトーチを説明する概略断面図である。
【符号の説明】
1 プラズマ加工装置
2 プラズマトーチ
3 加工ワーク
4 電極
5 プラズマアーク電源
6 高周波発生器
6a スイッチ
7 ノズル
8 ノズルオルフィス
9 作動ガス通路
10 耐熱インサート
11 駆動部(移動手段)
12 制御部(制御手段)
13 記憶部(記憶手段)
14 プラズマアーク電圧モニタ(検出手段)
Claims (6)
- プラズマアークにより加工ワークにピアシングを行なうプラズマ加工方法において、
(a)前記加工ワークとの間にプラズマアークを形成する電極を内部に有するプラズマトーチをその加工ワークのピアシング位置に相対移動させ、そのプラズマトーチを加工ワークに対してプラズマアークの着火が可能な第1設定高さに相対位置決めする第1工程、
(b)前記プラズマトーチを前記第1設定高さに位置決めした後、前記電極と加工ワークとの間にプラズマアークを着火する第2工程、
(c)着火可能上限高さおよび前記第1設定高さより加工ワークから離れた位置に設定された第2設定高さまで、前記プラズマトーチをプラズマアークの保持可能な移動速度にて前記加工ワークに対して相対移動させる第3工程、
(d)前記プラズマトーチを第2設定高さに停止させた状態で前記プラズマアークを保持させてピアシングを行なう第4工程および
(e)前記ピアシングの完了を検知してピアシングを終了させる第5工程
を備えることを特徴とするプラズマ加工方法。 - プラズマアークにより加工ワークを切断するプラズマ加工方法において、
(a)前記加工ワークとの間にプラズマアークを形成する電極を内部に有するプラズマトーチをその加工ワークのピアシング位置に相対移動させ、そのプラズマトーチを加工ワークに対してプラズマアークの着火が可能な第1設定高さに相対位置決めする第1工程、
(b)前記プラズマトーチを前記第1設定高さに位置決めした後、前記電極と加工ワークとの間にプラズマアークを着火する第2工程、
(c)着火可能上限高さおよび前記第1設定高さより加工ワークから離れた位置に設定された第2設定高さまで、前記プラズマトーチをプラズマアークの保持可能な移動速度にて前記加工ワークに対して相対移動させる第3工程、
(d)前記プラズマトーチを第2設定高さに停止させた状態で前記プラズマアークを保持させてピアシングを行なう第4工程および
(e)前記ピアシングの完了を検知して、プラズマアークを保持したまま、前記加工ワークを切断可能な切断高さまで、プラズマトーチを前記加工ワークに対して相対移動させて切断を開始する第5工程
を備えることを特徴とするプラズマ加工方法。 - 前記加工ワークと電極との間に形成されるプラズマアークの電圧を検出し、その電圧の勾配の変化により前記ピアシング完了を検出する請求項1または2に記載のプラズマ加工方法。
- 前記プラズマトーチを第2設定高さに停止させた状態で加工ワークと電極との間に形成されるプラズマアークの保持時間を予め設定し、その設定された保持時間が経過した時点を前記ピアシング完了として検出する請求項1または2に記載のプラズマ加工方法。
- 内部に配置される電極と先方に配置される加工ワークとの間にプラズマアークを形成させるプラズマトーチと、このプラズマトーチを前記加工ワークに対して3次元方向に相対移動させる移動手段とを備えるプラズマ加工装置において、
(a)加工ワークの少なくとも材質および板厚に応じて、電極−加工ワーク間にプラズマアークの着火が可能なプラズマトーチの加工ワークに対する第1設定高さと、着火可能上限高さおよび前記第1設定高さより加工ワークから離れたプラズマトーチの加工ワークに対する第2設定高さと、前記第1設定高さから第2設定高さへプラズマトーチを相対移動させる際に電極−加工ワーク間に形成されたプラズマアークを保持可能な移動速度とが予め記憶されている記憶手段、
(b)前記プラズマアークによって加工ワークにピアシングが完了したことを検出するピアシング完了検出手段および
(c)前記記憶手段に記憶された各値を読み込み、前記プラズマトーチを加工ワークのピアシング位置で、かつ前記第1設定高さに相対移動させ、プラズマアークの着火が行なわれた後に前記移動速度で第2設定高さへ相対移動させ、その後前記ピアシング完了検出手段によりピアシング完了が検出されるまで前記プラズマトーチを第2設定高さに停止させるように前記移動手段を制御する制御手段
を備えることを特徴とするプラズマ加工装置。 - 内部に配置される電極と先方に配置される加工ワークとの間にプラズマアークを形成させるプラズマトーチと、このプラズマトーチを前記加工ワークに対して3次元方向に相対移動させる移動手段とを備えるプラズマ加工装置において、
(a)加工ワークの少なくとも材質および板厚に応じて、電極−加工ワーク間にプラズマアークの着火が可能なプラズマトーチの加工ワークに対する第1設定高さと、着火可能上限高さおよび前記第1設定高さより加工ワークから離れたプラズマトーチの加工ワークに対する第2設定高さと、前記第1設定高さから第2設定高さへプラズマトーチを相対移動させる際に電極−加工ワーク間に形成されたプラズマアークを保持可能な移動速度と、前記プラズマトーチを第2設定高さで保持する保持時間とが予め記憶されている記憶手段および
(b)前記記憶手段に記憶された各値を読み込み、前記プラズマトーチを加工ワークのピアシング位置で、かつ前記第1設定高さに相対移動させ、プラズマアークの着火が行なわれた後前記移動速度で第2設定高さへ相対移動させ、その後プラズマトーチを第2設定高さに前記保持時間停止させるように前記移動手段を制御する制御手段
を備えることを特徴とするプラズマ加工装置。
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