JP5884154B2 - 被制御機器の運転制御方法 - Google Patents
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Description
また、モータ内のベアリングは一定の運転時間経過で交換が必要となるため、複数台のブロアを均等に運転することができれば最適な保全計画を立案でき、モータの長寿命化を図ることが可能となる。
また、上記特許文献2,3に記載の技術にあっては、対象となる被制御機器の数が多くなるほど運転パターンが多くなり、起動・停止回路(ハードウェア或いはソフトウェア)が複雑になってしまう。
そこで、本発明は、複数台の被制御機器を均等に運転することができる被制御機器の運転制御方法を提供することを課題としている。
このように、被制御機器を起動する場合には、停止中の被制御機器のうち、起動回数及び平均負荷率の乗算値が最も小さい被制御機器から起動する。そのため、起動回数が同じ場合には平均負荷率が小さい方の被制御機器を選択して起動することができる。また、停止中の被制御機器の中で起動回数が最も少なくても、平均負荷率が高く、起動回数及び平均負荷率の乗算値が最小でない場合には、その被制御機器を起動しないようにすることができる。したがって、複数台の被制御機器の起動回数と負荷状態とを均一化することができる。
このように、被制御機器を起動する際、起動回数及び平均負荷率の乗算値が同じである被制御機器が複数存在する場合には、その中から起動回数が最も少ない被制御機器を選択し起動することができる。被制御機器では起動時に大きな負荷がかかり、これが寿命に大きく関係する。したがって、起動回数が少ない被制御機器を起動するようにして、複数台の被制御機器で起動回数の均一化を図ることで、効果的に寿命のばらつきを防止することができる。
このように、被制御機器を起動する際、起動回数及び平均負荷率の乗算値、並びに起動回数が同じである被制御機器が複数存在する場合には、その中から累積運転時間が最も短い被制御機器を選択し起動することができる。被制御機器では運転時間が長いほどメンテナンスが必要な時期までが短くなる傾向があるため、累積運転時間が短い被制御機器を起動するようにして、複数台の被制御機器で累積運転時間の均一化を図ることで、効果的に寿命のばらつきを防止することができる。
このように、被制御機器を停止する場合には、起動中の被制御機器のうち、起動回数及び平均負荷率の乗算値が最も小さい被制御機器を停止する。これにより、被制御機器を停止した後、次に追加起動する際には、起動回数及び平均負荷率の乗算値が小さい被制御機器を起動することができるので、複数台の被制御機器の起動回数と負荷状態とを均一化することができる。
このように、被制御機器を停止する際、起動回数及び平均負荷率の乗算値が同じである被制御機器が複数存在する場合には、その中から起動回数が最も少ない被制御機器を選択し停止することができる。被制御機器では起動時に大きな負荷がかかり、これが寿命に大きく関係する。したがって、起動回数が少ない被制御機器を停止するようにして、次に起動されるのが起動回数の少ない被制御機器となるようにすることで、複数台の被制御機器で起動回数の均一化を図ることで、効果的に寿命のばらつきを防止することができる。
このように、被制御機器を停止する際、起動回数及び平均負荷率の乗算値、並びに起動回数が同じである被制御機器が複数存在する場合には、その中から累積運転時間が最も長い被制御機器を選択し停止することができる。被制御機器では運転時間が長いほどメンテナンスが必要な時期までが短くなる傾向があるため、累積運転時間が長い被制御機器を停止するようにして、複数台の被制御機器で累積運転時間の均一化を図ることで、効果的に寿命のばらつきを防止することができる。
(構成)
図1は、本実施形態の運転制御方法を加熱炉の燃焼制御におけるブロア台数制御に適用した場合のシステム構成図である。
図中、符号1は運転制御装置である。この運転制御装置1は、定格風量(送風容量)Fの複数台(ここでは、5台)のブロア11を被制御機器として、これらブロア11の運転を制御するものである。各ブロア11は、熱間圧延設備における加熱炉12の燃焼制御において、配管13を介して加熱炉12に燃焼空気を送風するものであり、それぞれモータを駆動源として動作する。
運転制御装置1は、CPU2やメモリ3等を有するマイクロコンピュータやパーソナルコンピュータなどの計算機によって構成され、CPU2によって後述するブロア台数制御処理を実行する。運転制御装置1には、流量検出器21で検出した起動中のブロア11から加熱炉12に送風している実風量F´や、負荷検出器22で検出した各ブロア11のモータ電流によって決まる負荷状態が入力される。
図2は、ブロア台数制御処理手順を示すフローチャートである。このブロア台数制御処理は、全ブロア11が停止中であるときに、外部からの自動制御開始指令を受けて実行開始する。
先ずステップS1で、CPU2は、起動中であるブロア11の台数Nを初期化(N=0)してステップS2に移行する。
ステップS2では、CPU2は、流量検出器21で検出した起動中のブロア11の実風量F´を取得し、ステップS3に移行する。
すなわち、F´≧N・F・αである場合には、実際の運転台数Nが必要運転台数を満たしておらず、ブロア11を追加起動する必要があると判断してステップS4に移行する。一方、F´<N・F・αである場合には、ブロア11を追加起動する必要はないと判断して後述するステップS12に移行する。ここで、ブロア11の起動条件となる第1閾値αは、空気不足による異常燃焼防止のために、十分な余裕を持たせた設定となるように決定する。
ステップS6では、CPU2は、前記ステップS5で選択した「起動回数×平均負荷」が最も小さいブロア11が複数台あるか否かを判定する。そして、複数台ある場合にはステップS7に移行し、1台しか存在しない場合には、そのブロア11を次に起動するブロア11として、メモリ3内の状態フラグ=1をセットしてから後述するステップS10に移行する。
ステップS8では、CPU2は、前記ステップS7で選択した起動回数が最も少ないブロア11が複数台あるか否かを判定する。そして、複数台ある場合にはステップS9に移行し、1台しか存在しない場合には、そのブロア11を次に起動するブロア11として、状態フラグ=1をセットしてから後述するステップS10に移行する。
ステップS10では、CPU2は、状態フラグ=1にセットされているブロア11を起動し、そのブロア11の状態フラグを“2”にセットしてからステップS11に移行する。
ステップS11では、CPU2は、運転台数Nをインクリメントし、前記ステップS2に移行する。
ステップS14では、CPU2は、メモリ3に格納されているブロア11の運転状況を読み込み、起動中(状態フラグ=2)のブロア11のうち、「起動回数×平均負荷」が最も小さいブロア11を選択し、ステップS15に移行する。
ステップS17では、CPU2は、前記ステップS16で選択した起動回数が最も少ないブロア11が複数台あるか否かを判定する。そして、複数台ある場合にはステップS18に移行し、1台しか存在しない場合には、そのブロア11を次に停止するブロア11として、状態フラグ=3をセットしてから後述するステップS19に移行する。
ステップS19では、CPU2は、状態フラグ=3にセットされているブロア11を停止し、そのブロア11の状態フラグを“0”にセットしてからステップS20に移行する。
ステップS20では、CPU2は、運転台数Nをデクリメントし、前記ステップS2に移行する。
次に、本実施形態の動作について、図3及び図4を参照しながら説明する。
図1における全5台のブロアA〜Eが停止中であるとき、即ち全ブロアA〜Eの状態フラグが図3(a)に示すように停止中を示す“0”にセットされているときに、運転制御装置1が外部から自動制御開始指令を受けると、CPU2はブロア台数制御処理を開始する。
この状態では、ブロアの運転台数N=0であり(ステップS1)、ブロアの実風量F´=0であるため(ステップS2)、実風量F´とブロアの起動条件閾値(N・F・α)とは“0”で等しい(ステップS3でYes)。そのため、CPU2は、ブロアを追加起動する必要があると判断する。このように、起動中のブロア11の送風容量N・Fに対する実風量F´の割合に応じてブロア11を追加起動するか否かを判断する。したがって、起動中のブロア11の送風容量が必要空気量に対して不足傾向にある場合には順次ブロア11を起動させることができ、空気不足による異常燃焼を防止することができる。
このように、ブロア11を追加起動する際には、ブロア11の「起動回数×平均負荷」が最も小さいものを選択して起動する。すなわち、起動回数のみではなく、ブロアの負荷状態も考慮して起動順序を決定する。
この状態で、実風量F´(ブロアA及びBの実風量)が定格風量2Fの80%以上である場合には(ステップS3でYes)、起動中のブロアA,Bを除いた3台の中から「起動回数×平均負荷」が最も小さいブロアを選択する。このとき、図3(d)に示すように、ブロアDとブロアEの「起動回数×平均負荷」が共に「720」で最も小さい。つまり、「起動回数×平均負荷」が最も小さいブロアが複数存在する。
すると、ブロアEの運転状況は、図3(e)に示すように、状態フラグが起動中を示す“2”となり、起動回数が「8」から「9」に増加する。さらに、起動したことで運転時間も増加する。また、運転台数Nは“3”となる(ステップS11)。
以降、同様に、実風量F´が定格風量N・Fの80%以上である場合には(ステップS3でYes)、停止中のブロアの「起動回数×平均負荷」、起動回数及び運転時間に基づいて、ブロアを順次起動する。
この状態から、加熱炉12の燃焼負荷が軽減し、実風量F´(ブロアA〜Eの実風量)が定格風量5Fの20%以下となった場合には(ステップS12でYes)、CPU2は、ブロアを停止する必要があると判断する。このように、起動中のブロア11の送風容量N・Fに対する実風量F´の割合に応じてブロア11を停止するか否かを判断する。したがって、起動中のブロア11の送風容量が必要空気量に対して十分である場合には順次ブロア11を停止させることができ、電力源単位の削減が図れる。
この状態で、実風量F´(ブロアB〜Eの実風量)が定格風量4Fの20%以下である場合には(ステップS12でYes)、起動中のブロアB〜Eの4台の中で「起動回数×平均負荷」が最も小さいブロアEを次に停止するブロアとして選択する。すなわち、CPU2は、ブロアEの停止優先順を最上位とするべく、図4(a)に示すように、ブロアEの状態フラグを“3”にセットし(ステップS14)、ブロアEを停止する(ステップS19)。
この状態から、加熱炉12の燃焼負荷が増加し、実風量F´(ブロアB〜Dの実風量)が定格風量3Fの80%以上となると(ステップS3でYes)、CPU2は、ブロアを追加起動する必要があると判断する。
すると、ブロアAの運転状況は、図4(c)に示すように、状態フラグが起動中を示す“2”となり、起動回数が「10」から「11」に増加する。さらに、起動したことで運転時間も増加する。また、運転台数Nは“4”となる(ステップS11)。
さらに、ブロア11を停止する際、「起動回数×平均負荷」が最も小さいブロア11が複数存在し、且つそれらのうち起動回数が最も少ないブロア11が複数存在する場合には、その中で運転時間が最も長いブロア11を選択し、停止する。これにより、各ブロア11の起動回数と運転時間との均一化が図れ、複数台のブロア11の運転の偏りを無くすことができる。
すなわち、図4(c)に示す状態から、実風量F´(ブロアA〜Dの実風量)が定格風量4Fの20%以下となることでブロアを停止すると判断した場合には、ブロアDの停止優先順を最上位とするべく、図4(d)に示すように、ブロアDの状態フラグを“3”にセットし(ステップS14)、ブロアDを停止する(ステップS19)。これにより、ブロアDの運転状況は、図4(e)に示すように、状態フラグが停止中を示す“0”となる。
以上により、特定のブロア11に運転が偏ることが無く、ブロア11の自動起動/自動停止を行うことができる。その結果、最適な保全計画を立案でき、モータの長寿命化を図ることも可能となる。
このように、上記実施形態では、起動中のブロアの定格風量(送風容量)に対する起動中のブロアの実際の送風量の割合に基づいて、ブロアの実際の運転台数が必要運転台数を満たしているか否かを判断する。そのため、加熱炉の燃焼制御において燃焼負荷が増加することで加熱炉の必要空気量が増加し、起動中のブロアの実風量が増加した場合には、当該実風量の定格風量に対する割合が大きくなったことを認識することで、ブロアを自動起動することができる。一方、加熱炉の燃焼制御において燃焼負荷が軽減することで加熱炉の必要空気量が減少し、起動中のブロアの実風量が減少した場合には、当該実風量の送風容量に対する割合が小さくなったことを認識することで、ブロアを自動停止することができる。したがって、ブロアの運転台数を最適化することができる。
ブロアを追加起動する場合には、停止中のブロアのうち、「起動回数×平均負荷」が最も小さいブロアから起動する。そのため、起動回数が同じ場合には平均負荷が小さい方のブロアを選択して起動することができる。また、停止中のブロアの中で起動回数が最も少なくても、平均負荷が高く、「起動回数×平均負荷」が最小でない場合には、その被制御機器を起動しないようにすることができる。したがって、複数台のブロアの起動回数と負荷状態とを均一化することができる。
さらに、ブロアを停止する際、「起動回数×平均負荷」が同じであるブロアが複数存在する場合には、その中から起動回数が最も少ないブロアから停止する。さらに、「起動回数×平均負荷」及び起動回数が同じであるブロアが複数存在する場合には、その中から運転時間が最も長いブロアから停止する。これにより、複数台のブロアで起動回数及び運転時間の均一化を図ることができ、効果的に寿命のばらつきを防止することができる。
以上のように、複数台のブロアを均等に運転することができるので、最適な保全計画を立案でき、モータの長寿命化を図ることが可能となる。
なお、上記実施形態においては、ブロア11の累積負荷の指標として平均負荷率を用いる場合について説明したが、設備によって適切な指標を使用するようにする。例えば、累積負荷の指標としては、負荷率が80%以上となった時間の積算値等を用いることもできる。
また、上記実施形態においては、実風量F´を見ながらブロア11を1台ずつ起動する場合について説明したが、ブロア台数制御開始時に加熱炉12の初期の負荷状態がわかっている場合には、当該負荷状態に応じて複数台(例えば、図3に示す例ではブロアA、B、Eの3台)を同時に起動するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態においては、加熱炉12に燃焼空気を送風するブロア11の台数制御に本発明を適用し、複数台のブロア11を自動起動・自動停止する場合について説明したが、ポンプ等の自動起動・自動停止を行うシステムに本発明を適用することもできる。
Claims (5)
- 必要に応じて一台以上が運転される複数台の被制御機器の起動及び停止を制御する被制御機器の運転制御方法であって、
少なくとも前記複数台の被制御機器の起動回数及び累積負荷が均等化するように、前記被制御機器の起動順序及び停止順序を決定し、当該起動順序及び停止順序に従って前記複数台の被制御機器を起動及び停止し、
前記被制御機器の起動または停止の少なくとも一方を行う際に、停止中の被制御機器のうち、起動回数及び平均負荷率の乗算値が最も小さい被制御機器から起動、または起動中の被制御機器のうち、起動回数及び平均負荷率の乗算値が最も小さい被制御機器から停止し、
前記複数台の被制御機器が、熱間圧延設備の加熱炉に燃焼空気を送風する複数台のブロアであって、
起動中の前記ブロアの送風容量に対する起動中の前記ブロアの実際の送風量の割合が、所定の第1閾値以上であるとき、停止中の前記被制御機器を順次起動し、前記割合が前記第1閾値よりも低い第2閾値以下であるとき、起動中の前記被制御機器を順次停止することを特徴とする被制御機器の運転制御方法。 - 前記被制御機器を起動する際、停止中の被制御機器のうち、起動回数及び平均負荷率の乗算値が最も小さい被制御機器が複数存在する場合には、その中から起動回数が最も少ない被制御機器から起動することを特徴とする請求項1に記載の被制御機器の運転制御方法。
- 前記被制御機器を起動する際、停止中の被制御機器のうち、起動回数及び平均負荷率の乗算値が最も小さい被制御機器が複数存在し、且つその中で起動回数が最も少ない被制御機器が複数存在する場合には、その中から累積運転時間が最も短い被制御機器から起動することを特徴とする請求項2に記載の被制御機器の運転制御方法。
- 前記被制御機器を停止する際、起動中の被制御機器のうち、起動回数及び平均負荷率の乗算値が最も小さい被制御機器が複数存在する場合には、その中から起動回数が最も少ない被制御機器から停止することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の被制御機器の運転制御方法。
- 前記被制御機器を停止する際、起動中の被制御機器のうち、起動回数及び平均負荷率の乗算値が最も小さい被制御機器が複数存在し、且つその中で起動回数が最も少ない被制御機器が複数存在する場合には、その中から累積運転時間が最も長い被制御機器から停止することを特徴とする請求項4に記載の被制御機器の運転制御方法。
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