JP5884142B2 - 部分めっき方法及び部分めっき装置 - Google Patents

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Description

本発明は、めっきの必要な部分にのみめっきをすることができる部分めっき方法及びその方法を実施するための装置に関する。
従来より部分めっきは、被処理物のめっき対象領域以外の領域(非対象領域)にテープ等でマスキングして被処理物全体にめっきを行った後マスキングを取り除いたり、めっき対象領域への吹付や浸漬等によって主にめっき対象領域にめっきをしつつ、不可避的に非対象領域にはみ出ためっきを剥離液や電解等で剥離したりすることで行っていた。このような方法では、テープや剥離液等の費用がかかる上、マスキングやめっきの剥離等の工程の手間や時間もかかる。
近年、携帯電話、カメラ等の電子装置の小型化、高機能化が進み、その内部で用いられる端子もますます小型化が求められている。図1(a)はそのような端子の一例であるフレキシブル印刷回路用コネクタ端子(FPCコネクタ端子)100の平面図である。このFPCコネクタ端子100では、その一方の(図1(a)では下側の)櫛状の部分101、102にある接点部103、104(図1の網掛部分)にのみめっきを施すことが求められる。このような小さなFPCコネクタ端子100に1個ずつめっきを施したり、さらにはマスキングや剥離処理を行うことは現実的ではなく、実際にはこれらのFPCコネクタ端子100を多数連接して帯状体(フープ)110とし(図1(b))、該帯状体110に連続的にめっき処理を施した後、各FPCコネクタ端子100に切断分離する。
このような帯状体のめっき対象部分にのみめっき処理を施す部分めっき装置として、特許文献1に記載の装置が知られている。
特許文献1のめっき装置は、図2に示すように、側面にスリットを設けた円盤状の回転体130の該側面に帯状体131を掛け渡し、帯状体131が回転体130側面上で相対的に移動しないようにしつつ回転体130を回転させることにより帯状体131を連続的に巻き出しリール132から巻き取りリール133に移動させ、その間、前記スリットからめっき液を噴出させることにより、帯状体131の該スリットに対応する位置のめっき対象領域(孔部や切欠部)にのみめっき処理を施す、というものである。
特許文献1に記載のめっき装置は、小型端子の連接体である帯状体131を連続的に高速で部分めっき処理するに適した装置であるが、めっき液はスリットから噴出され、帯状体131のめっき対象領域である孔部や切欠部を通過した後、裏面側(回転体130に接していない側)で拡散してしまうため、帯状体131(被処理物)の裏面側表面の非対象領域にもめっきが施されてしまうという問題がある。
孔部や切欠部の表面に限定して部分めっきを施す装置として、特許文献2に記載のめっき装置がある。この装置では、鉛直に立てられた隣接する2本の主パイプの途中に、各主パイプに垂直な従パイプが互いに対向するように突設されている。一方の主パイプ(吐出パイプ)に高圧のめっき液を流し、他方の主パイプ(吸引パイプ)を低圧とすることで、吐出パイプ側の従パイプから勢いよく放出させためっき液を吸引パイプ側の従パイプに吸引させる。被処理物をこれら2本の従パイプの開口の間に配置し、めっき対象領域である該被処理物の孔部や切欠部の表面がめっき液の流路(すなわち両従パイプの開口を接続する方向)と平行になるようにすることにより、該表面に部分めっきが施される。
特開2005-187868号公報 特開昭59-074292号公報
特許文献2に記載の部分めっき装置では、2本の従パイプ間を流れるめっき液の流れに平行に、めっき対象領域である孔部や切欠部等の表面を配置することによって部分めっきを行うため、2本の従パイプ間が被処理物で塞がれることは想定されていない。従って、前記のような帯状の被処理物を連続的に部分めっきすることはできない。
本発明が解決しようとする課題は、帯状の被処理物を連続的にめっき処理し、且つ、その孔部や切欠部のみに確実に部分めっきを施し、非対象領域への不要なめっきをできる限り少なくした部分めっき方法及び部分めっき装置を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明に係る部分めっき方法は、表面から裏面にかけて貫通している部分を有する、帯状の被処理物に連続的に部分めっきを施す方法であって、
a) 前記被処理物の厚さよりもやや広い間隔を空けて、供給側スリットと回収側スリットを互いに対向するように配置する工程と、
b) 前記供給側スリットからめっき液を流出させるめっき液供給工程と、
c) 前記回収側スリットからめっき液を吸引するめっき液回収工程と、
d) 前記被処理物を、前記供給側スリットと回収側スリットの間を、該被処理物の長手方向が両スリットに平行となるように移動させる搬送工程と
を含むことを特徴とする。
本発明に係る部分めっき方法では、供給側スリットと回収側スリットが互いに対向するように(すなわち、平行に)、所定の間隔を空けて配置され、めっき液は供給側スリットから流出し、回収側スリットから吸引される。その間、帯状の被処理物は、両スリットの間を、その長手方向が両スリットと平行となるような方向に移動される(搬送される)。従って、両スリットの間を移動する帯状の被処理物に向けて供給側スリットから流出しためっき液は、被処理物の供給側スリットに対応する部分(めっき対象領域)にめっきを施すと共に、被処理物の孔部や切欠部等を通過する際にもそれらの供給側スリットに対応する部分(めっき対象領域)にめっきを施す。被処理物の孔部や切欠部等を通過しためっき液は回収側スリットにより積極的に吸引されるため、被処理物の裏面側(流出側ではない方)においてめっき液の拡散を極力防止し、所望のめっき対象領域のみを確実にめっきし、非対象領域へのめっきをできる限り少なくすることができる。また、回収側スリットにおいて積極的にめっき液を吸引するため、供給側スリットからのめっき液の流出は強くなくてもよく、スリットからしみ出す程度の量でよいため、被処理物の表面側(流出側)においても非対象領域へのめっきを最小限に抑えることができる。このようにして被処理物を両スリットの間を連続的に搬送することにより、帯状の被処理物の所望の部分にのみ連続的にめっきを施すことができる。
また、上記課題を解決するために成された本発明に係る部分めっき装置は、表面から裏面にかけて貫通している部分を有する、帯状の被処理物に連続的に部分めっきを施す装置であって、
a) 前記被処理物をその長手方向に移動させる搬送手段と、
b) 前記被処理物の移動路を挟んで対向するように配置されためっき液供給部及びめっき液回収部と、
c) 前記めっき液供給部及びめっき液回収部の対応する位置にそれぞれ、前記被処理物の移動方向に平行となるように設けられた供給側スリット及び回収側スリットと、
d) 前記めっき液供給部にめっき液を供給するめっき液供給手段と、
e) 前記めっき液回収部を低圧にする吸引手段と
を備えることを特徴とする。
本発明に係る部分めっき装置では、めっき液供給手段によりめっき液供給部に供給されためっき液は、供給側スリットから流出する。流出しためっき液は、帯状の被処理物の孔部や切欠部等を通過した後、供給側スリットの、対応する位置に設けられた回収側スリットから、吸引手段により吸引される。このように、本発明に係る部分めっき装置では、めっき液が流出する方とは反対側において積極的にめっき液を吸引するため、裏面側(流出側ではない方)においてめっき液の拡散を極力防止し、所望のめっき対象領域(これは、供給側スリット/回収側スリットの位置と帯状の被処理物の位置関係を調整することにより任意に設定することができる。)のみを確実にめっきし、非対象領域へのめっきをできる限り少なくすることができる。また、回収側スリットにおいて積極的にめっき液を吸引するため、供給側スリットからのめっき液の流出は強くなくてもよく、スリットからしみ出す程度の量でよいため、被処理物の表面側(流出側)においても非対象領域へのめっきを最小限に抑えることができる。
こうしためっき処理が、搬送手段により被処理物が両スリット間を搬送される間行われるため、帯状の被処理物に連続的に部分的めっき処理を行うことができる。
なお、供給側スリット/回収側スリットのスリット長が、帯状の被処理物の、隣接する貫通部間の長さの最大値以上となるようにしておくことが望ましい。
ここで貫通部とは、板状の被処理物において、表面から裏面にかけて貫通している部分をいい、孔部や切欠部、端子と端子の間の隙間部分等が含まれる。こうすることにより、供給側スリット及び回収側スリットが完全に閉塞されることがなくなり、めっき液の供給/吸引がスムーズとなって、安定しためっき処理が行えるようになる。
前記供給側スリット/回収側スリットの対は、前記めっき液供給部及びめっき液回収部に複数、平行に設けられてもよい。
この構成により、被処理物をめっき液供給部及びめっき液回収部の間に1回通すだけで、複数のめっき対象領域に一挙に部分めっきを施すことができる。
本発明に係る部分めっき方法及び部分めっき装置によると、帯状の被処理物を連続的にめっき処理し、且つ、その所望のめっき対象領域のみに確実に部分めっきを施しつつ、非対象領域への不要なめっきをできる限り少なくすることができる。
フレキシブル印刷回路用端子(FPCコネクタ端子)の平面図(a)、及びこれらのFPCコネクタ端子を多数連接した帯状体の平面図(b)。 従来の部分めっき装置の概略構成図。 本発明に係る部分めっき装置の第1実施例において部分めっきを施すFPCコネクタ端子の平面図(a)、及びこれらのFPCコネクタ端子を多数連接した帯状体(b)。 本発明に係る部分めっき装置の第1実施例の概略構成図。 同実施例の部分めっき装置のめっき液供給セルを供給側スリット側から見た図(a)、及びそのXX断面図(b)。 同実施例の部分めっき装置のめっき液回収セルを回収側スリット側から見た図(a)、及びそのYY断面図(b)。 同実施例の部分めっき装置におけるめっき液の流れ(矢印)を示した図(a)、部分めっきされている被処理物側からめっき液回収セルを見た概略説明図(b)、及びその円形部分の拡大図(c)。 同実施例の部分めっき装置の動作を説明するフローチャート。 同実施例の部分めっき装置の変形例を示す図。 第2実施例において部分めっきを施すFPCコネクタ端子の平面図(a)、及びこれらのFPCコネクタ端子を多数連接した帯状体の平面図(b)。 同実施例において部分めっきされた被処理物の写真。
(第1実施例)
本発明の第1実施例である部分めっき装置について、図3〜図6を参照しながら説明する。本部分めっき装置10は、図3(a)に示すようなFPCコネクタ端子13が多数連接された帯状の被処理物11(図3(b))に連続的に部分めっきを施す装置であり、めっき液供給部20と、めっき液回収部30と、被処理物11を搬送する搬送部40と、めっき液に陽極電位を給電するための電源装置50などから構成される。さらに、各部を制御する制御部60、該制御部60に接続された入力部61などを備える。
なお、本実施例においてめっき対象領域は、FPCコネクタ端子13の実装部16(図3(a)の端子13の網掛部分)である。
めっき液供給部20は、めっき液槽21と、めっき液供給セル22と、めっき液槽21からめっき液供給セル22にめっき液を送り出す供給用ポンプ23と、めっき液の流量を測定する流量計24から成る(図4)。本実施例では、めっき液供給セル22は、図5(a)及び(b)に示すように、奥行Dが約24 mm、高さHが約26 mm、長さLが約28 mmの直方体である。後述のめっき液回収部30のめっき液回収セル32と向かい合う面には、図5(a)、(b)に示すように、供給スリットプレート25と呼ばれる表面板がネジ27により固定されている。供給スリットプレート25の下方には、搬送部40により搬送される帯状被処理物11の進行方向に平行に配置された供給側スリット26が設けられている。供給側スリット26の長さl(図5(a))はめっき液供給セル22の長さLに近い長さ(本実施例では、20 mm)としておく。供給側スリット26の幅w1(図5(a))は、被処理物11のめっき処理すべき部分の幅(図3(a)の例では0.45 mm)に応じて定めるが、めっき液が表面張力により多少広がることを考慮して、それよりもやや小さい値(本実施例では、0.2 mm)としておく。図5(b)に示すように、供給側スリット26の内部下方にはプラチナ(Pt)電極29が埋設されており、このPt電極29は電源装置50の陽極端子に接続されている。めっき液供給セル22の、供給スリットプレート25に対向する面にはめっき液供給口28が設けられている。供給用ポンプ23は流量制御型のポンプであり、めっき液供給セル22に供給するめっき液の流量が所定の値となるように制御する。
図4に示すように、めっき液回収部30は、めっき液回収セル32と、めっき液回収セル32内を低圧にする回収用ポンプ33と、回収しためっき液から空気を分離し、めっき液槽21に戻すめっき液分離部31とから成る。図6(a)、(b)に示すように、めっき液回収セル32はめっき液供給セル22と同じ寸法の直方体で、めっき液供給セル22に対向する面には回収スリットプレート35と呼ばれる表面板がネジ37により固定されている。回収スリットプレート35の、供給側スリット26に対向する位置には、供給側スリット26と同じ長さlで、供給側スリット26の幅w1より大きな幅w2(本実施例では、0.4 mm)の回収側スリット36が設けられている。回収側スリット36の内部下方には、供給側スリット26と同様に電源装置50の陽極端子に接続されたプラチナ(Pt)電極39が埋設されている。めっき液回収セル32では底面にめっき液回収口38が設けられている。めっき液回収セル32には圧力計34が設けられており、回収用ポンプ33はめっき液回収セル32内の圧力と大気圧の差が所定値となるようにめっき液回収セル32からのめっき液の吸引量を制御する。
対向配置された供給側スリット26と回収側スリット36の間の距離は、被処理物11が両スリット26、36に接触することなく両スリット26、36間を通過できる最小の距離となるように設定されている。本実施例では、被処理物11の厚さが0.12 mmであるため、両スリット26、36間の距離は約0.18〜0.32 mmとしている。
搬送部40は、ロール状に巻かれた被処理物11を引き出す引き出しローラと、部分めっき処理が施された被処理物11を巻き取る巻き取りローラと、引き出しローラと巻き取りローラの間に、前記めっき液供給セル22と前記めっき液回収セル32を挟んで設けられた1対のテンションローラから構成される。1対のテンションローラは、両スリット26、36間で被処理物11に僅かにテンション(張力)が掛かった状態となるように、設定されている。また、搬送部40には電源装置50の陰極端子が接続されており、被処理物11に負の電位が印加されるように設定されている。
本実施例の部分めっき装置10の動作を、図8のフローチャート及び図7を参照しながら説明する。なお、図7では、被処理物11と供給側スリット26の位置関係を分かりやすく示すために、被処理物11の搬送方向の端部があるものとして示している。
まず、操作者は、帯状の被処理物11を両スリット26、36間に、それらに平行に架け渡し、張設しておく(ステップS11)。
その後、操作者は、入力部61より、処理すべきめっきの厚さや両スリット26、36のスリット幅w1、w2、スリット長さlなどに基づいて、供給側スリット26から流出するめっき液の流量やめっき液回収セル32内の圧力、被処理物11の搬送速度、電源電圧などを設定する(ステップS12)。ここでは、めっき液の流量を約90〜140 mL/minと設定し、また、めっき液回収セル32内の圧力は大気圧よりも低い程度(大気圧マイナス0.05 MPa〜0.07 MPa)とする。めっき液回収セル32内の圧力をさらに低くすることにより(大気圧との差圧を大きくすることにより)、めっき液の拡散をさらに少なくし、めっきエリアの精度を向上することができる。
入力された設定値に基づいて、制御部60は、まず、供給用ポンプ23及び回収用ポンプ33、電源装置50、めっき液分離部31等を作動させる(ステップS13)。供給用ポンプ23が作動すると、めっき液は、めっき液槽21からめっき液供給口28を経てめっき液供給セル22に流入し、設定された流量で供給側スリット26から流出する(図7(a))。前記のとおり供給側スリット26から流出するめっき液の流量は約90〜140 mL/minと小さく、供給側スリット26からしみ出る程度の量となっている。供給側スリット26付近において、めっき液は電源装置50の陽極に接続されたPt電極29により正の電位が印加される。
前記のように、めっき液回収セル32内は回収用ポンプ33により大気圧よりも十分に低い圧力とされているため、両スリット26、36間に被処理物11が存在しない場合、供給側スリット26から流出しためっき液は、強い力で回収側スリット36内へ吸引される。その結果、めっき液は、ほぼ、両スリット26、36を直線で結んだ流路を流れる。
めっき液回収セル32に吸引され回収されためっき液は、めっき液回収口38を経てめっき液分離部31に送られる。そこでめっき液中の空気が分離された後、めっき液のみがめっき液槽21へ戻される。
供給側スリット26から回収側スリット36へのめっき液の安定した流れが形成されたことを確認した後、操作者が入力部61より被処理物11の搬送開始を指示すると、制御部60は搬送部40の引き出しローラ、巻き取りローラ及び1対のテンションローラを駆動する(ステップS14)。なお、搬送部40の作動開始は、めっき液供給セル22内の流量計24がステップS12で設定した流量となったこと、及びめっき液回収セル32の圧力計34がステップS12で設定した圧力になったことを制御部60が感知した後、制御部60が自動的に行うようにしてもよい。
これにより、被処理物11はテンションが掛かった状態で、供給側スリット26と回収側スリット36の間を搬送される(図7(b))。めっき液は供給側スリット26から回収側スリット36へ、両スリットの全長に亘って、これらスリットに直交してほぼ平面的に流れているため、被処理物11のFPCコネクタ端子13はこのめっき液の流路を遮るように、めっき液の流れに直交して搬送される。
供給側スリット26から流出し、被処理物11の表面と接触しためっき液は、その流出量が僅かであるため、その接触部分からほとんど広がることなく、供給側スリット26に対向する部分のみを濡らし、めっきを行う。従って、めっき部分が広がることが少ない(図7(c))。
一方、被処理物11の、隣接する端子と端子の間の隙間部分で流出しためっき液は、その隙間部分を通り抜け、回収側スリット36側で強く吸引される。このため、被処理物の裏面においてめっき液が広がることもほとんど無い。
このようにめっき液がFPCコネクタ端子13の表面又は裏面及びそれらを接続する壁面に接触している間、被処理物11上に金属イオンが析出し、所望箇所のみへの部分めっきが行われる。
制御部60は、引き出しローラ又は搬送部40に設けられた、帯状の被処理物11の終端検出器からの出力に基づき、被処理物11の終端が検出されるまで上記各部の動作を続ける(ステップS15)。被処理物11の終端が検出された時点で部分めっき処理が終了し、制御部60は搬送部40や供給用ポンプ23、回収用ポンプ33、電源装置50などの動作を停止する(ステップS16)
本実施例の部分めっき装置10では、ネジ固定されている供給スリットプレート25及び回収スリットプレート35を、スリット位置やスリット幅が異なるものと取り替えることにより、FPCコネクタ端子13の様々な位置に様々なめっき幅の部分めっきを連続的に行うことが可能となる。
なお、めっき位置のみを変更する場合は、供給スリットプレート25、回収スリットプレート35を各セル22、32にネジ固定するための4隅のネジ取付穴を縦に長い穴とし、所望のめっき位置に両スリット26、36が来るように調整してもよい。もちろん、両セル22、32と搬送部40の相対的位置関係(高さ)を調整することによって両スリット26、36を被処理物11のめっき位置に変更するようにしてもよい。
部分めっきの位置をより精度良く設定するためには、図9に示すように、供給スリットプレート25a及び回収スリットプレート35aの各スリット26a、36aの上及び/又は下に、搬送される被処理物11のめっき対象領域が各スリット26a、36aの中央を通過するように誘導するガイド7、8(壁面など)をそれぞれ設けることが望ましい。
なお、被処理物11のバリ面とダレ面のめっきの厚みが異なる場合は、バリ面側に供給側スリットを配置した部分めっき装置10とダレ面側に供給側スリットを配置した部分めっき装置10を2台連続して配置して部分めっきを行ったり、又は1台でバリ面側から1回、ダレ面側から1回、合計2回の部分めっきを行ったりすることによりめっき厚みを均一化することが望ましい。
なお、本実施例ではめっき液供給セル22からのめっき液の供給は流量制御としたが、これを圧力制御としてもよい。この場合、めっき液回収セル32内の圧力やスリット幅などを考慮して、めっき液が供給側スリット26からしみ出る程度の流量(好ましくは、約90〜140 mL/min)となるようにめっき液供給セル22内の圧力を大気圧よりわずかに高く設定することとなる。
(第2実施例)
本発明の第2実施例に係る部分めっき装置10について図10及び図11を参照しながら説明する。図10は、本実施例で部分めっきされるFPCコネクタ端子113(めっき対象領域を網掛で示している)の平面図(a)及びそれを連接した帯状の被処理物111の平面図(b)を示している。
本実施例では、上記第1実施例の部分めっき装置10でめっきを行った実装部116に加えて、実装部116から0.6 mm離れた接点部114、115にもめっきを行う。前述のように、実装部116のめっき幅は0.45 mmである。これに対して、接点部114、115のめっき幅は約0.35mmである。
実装部116にめっきを行った後、接点部114、115にめっきを行うため、本実施例では、第1実施例で用いた供給スリットプレート25、回収スリットプレート35を、それぞれ、接点部114、115に対応する位置に幅0.1 mmの供給側スリットが設けられている供給スリットプレート、幅0.2 mmの回収側スリットが設けられている回収スリットプレートに取り替える。部分めっき処理の手順は第1実施例と同様である。
図11(a)は、本実施例で部分めっきされた後のFPCコネクタ端子113を正面から見た図であり、図11(b)はそれを斜め側面から見た図である。図11(a)、(b)より、実装部116、接点部114、115の表面と壁面にのみにめっきが施されていることが分かる。
このように、本実施例に係る部分めっき装置では、スリット位置及びスリット幅が異なる供給側スリットと回収側スリットを1つずつ有する供給スリットプレートと回収スリットプレートのセットを2組備えるため、これら供給スリットプレート及び回収スリットプレートのセットを交換することにより、FPCコネクタ端子の異なる位置にある2つのめっき対象領域にそれぞれ部分めっきをすることができる。
なお、部分めっき装置が備える供給スリットプレートと回収スリットプレートのセットは2組に限らず3組以上でも良い。また、スリット位置及びスリット幅が異なる供給側スリット(供給スリットプレート)と回収側スリット(回収スリットプレート)を備えた部分めっき装置を複数台配置することによって、FPCコネクタ端子の異なる位置にある複数のめっき対象領域に連続的に部分めっきをすることもできる。
さらに、部分めっき装置の構造上の制約を考慮した上で、1枚の供給スリットプレート、回収スリットプレートのそれぞれに、複数のスリットを設けることによって、複数のめっき対象領域に一度にまとめて部分めっきを施すことも可能である。
10…部分めっき装置
11、111…帯状の被処理物
13、113…FPCコネクタ端子
16、116…実装部
114、115…接点部
20…めっき液供給部
21…めっき液槽
22…めっき液供給セル
23…供給用ポンプ
25…供給スリットプレート
26…供給側スリット
29…Pt電極
30…めっき液回収部
31…めっき液分離部
32…めっき液回収セル
33…回収用ポンプ
35…回収スリットプレート
36…回収側スリット
39…Pt電極
40…搬送部
50…電源装置
60…制御部
61…入力部

Claims (5)

  1. 表面から裏面にかけて貫通している部分を有する、帯状の被処理物に連続的に部分めっきを施す方法であって、
    a) 前記被処理物の厚さよりもやや広い間隔を空けて、供給側スリットと回収側スリットを互いに対向するように配置する工程と、
    b) 前記供給側スリットからめっき液を流出させるめっき液供給工程と、
    c) 前記回収側スリットからめっき液を吸引するめっき液回収工程と、
    d) 前記被処理物を、前記供給側スリットと回収側スリットの間を、該被処理物の長手方向が両スリットに平行となるように移動させる搬送工程と
    を含むことを特徴とする部分めっき方法。
  2. 前記供給側スリット及び前記回収側スリットのスリット長が、前記帯状の被処理物の、隣接する貫通部間の長さの最大値以上であることを特徴とする請求項1に記載の部分めっき方法。
  3. 表面から裏面にかけて貫通している部分を有する、帯状の被処理物に連続的に部分めっきを施す装置であって、
    a) 前記被処理物をその長手方向に移動させる搬送手段と、
    b) 前記被処理物の移動路を挟んで対向するように配置されためっき液供給部及びめっき液回収部と、
    c) 前記めっき液供給部及びめっき液回収部の対応する位置にそれぞれ、前記被処理物の移動方向に平行となるように設けられた供給側スリット及び回収側スリットと、
    d) 前記めっき液供給部にめっき液を供給するめっき液供給手段と、
    e) 前記めっき液回収部を低圧にする吸引手段と
    を備えることを特徴とする部分めっき装置。
  4. 前記供給側スリット及び前記回収側スリットのスリット長が、前記帯状の被処理物の、隣接する貫通部間の長さの最大値以上であることを特徴とする請求項3に記載の部分めっき装置。
  5. 前記供給側スリット及び前記回収側スリットの対が、前記めっき液供給部及び前記めっき液回収部に複数、平行に設けられていることを特徴とする請求項3又は4に記載の部分めっき装置。
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