JP2007138229A - ストライプめっき方法及びストライプめっき装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】マスキングテープやベルトマスクのような消耗品を必要としないで、低コストでストライプめっきを行う方法及び装置を提供する。
【解決手段】連続搬送されるめっき対象の金属薄板1を挟むようにめっき液噴射ユニット2とバックアップユニット3が配置され、めっき液噴射ユニット2のマスキング部材がシール部材を介して金属薄板1の表面に押圧されている。マスキング部材の開口部から露出した金属薄板1の表面に向かってめっき液噴射ユニット2からめっき液を噴射する。噴射されためっき液はめっき液回収路9を通ってリザーブタンク6に回収され、吹き上げポンプ8によってめっき液噴射ユニット2へ循環供給される。めっき液噴射ユニット2及びバックアップユニット3は液体貯槽4に貯められた液体5に浸されている。
【選択図】図1

Description

本発明は半導体装置のリードフレームのような連続搬送される長尺状の金属薄板にストライプ状のめっきを施すストライプめっき方法及びストライプめっき装置に関する。
ダイオードや集積回路等の半導体装置のリードフレームにおいて、半導体素子(チップ)が搭載される部位及びワイヤ接続される部位には、ワイヤーボンディング性の向上等の目的で、銀や金等の貴金属のめっき層が形成される。一般に、このような貴金属めっき層はリードフレームの片面のみに形成される。それによって、貴金属材料の使用量が削減される。また、半導体素子の実装工程において裏面側の貴金属が剥がれ落ちるといった不具合が防止される。
このようなリードフレームの製造工程では、ストライプめっき法と呼ばれるめっき方法を用いて、金属薄板の表面に長手方向に沿うストライプ(筋)状のめっき層を形成する。その後、チップ搭載領域及びワイヤーボンディング領域等を含む所定のリードフレーム形状をプレス加工によって打ち抜く。ストライプめっき法を用いることにより、金属薄板の全表面にめっきを施す場合に比べて、めっき用貴金属材料の使用量を大幅に低減することができる。また、銀めっきの場合のマイグレーションや半田めっきの場合のウィスカーといった不具合の発生を防止する効果も得られる。このような金属薄板の片面にストライプめっきを施した半導体装置用のリードフレームは広く使用されている。
ストライプめっき法の一方式として、ベルトマスク方式が広く知られている。ベルトマスク方式では、金属薄板の表面のうち、めっきを施さない部分にエンドレスのベルトマスクを密着させる。金属薄板の搬送に同期させてベルトマスクを回転させながら、ベルトマスクで覆われていない部分をめっき液に晒すことにより、ストライプ状のめっき層を形成する(例えば、特許文献1参照)。
図10は、従来のベルトマスク方式のストライプめっき方法を模式的に示す断面図である。図10において、連続搬送される長尺状の金属薄板である導電性ストリップ部材102が、左側から第1のローラー101を経て回転部材104の外周に案内された後、第2のローラー105を経て右側へ送り出される。回転部材104の略下半分は電解液103に浸され、回転部材104の回転に伴って電解液103の中を通過する導電性ストリップ部材102の外側表面にめっきが施される。
また、第3のローラー107、第4のローラー108、第5のローラー109及び第6のローラー110にベルトマスク106が掛け渡されている。このベルトマスク106は、例えば厚さ0.3mm、幅20mm、直径1.1mの合成樹脂製エンドレスベルトである。ベルトマスク106には、導電性ストリップ部材102のめっき部分に対応する開口部(スリット)が形成されており、開口部以外の部分をマスキングする働きを有する。
ベルトマスク106は、第3のローラー107を通過した後、電解液103の液面より上で導電性ストリップ部材102の外側表面に密着して重なり、回転部材104の外周を導電性ストリップ部材102と共に移動する。そして、電解液103の液面より上で導電性ストリップ部材102から分離したベルトマスク106は、第4のローラー108、第5のローラー109及び第6のローラー110を経て第3のローラー107へ循環する。また、第5のローラー109は、ベルトマスク106が弛まないようにばね(図示せず)によって付勢されており、張り車として機能している。
また、電解液103に浸された回転部材104の下方には、ベルトマスク106によってマスキングされた導電性ストリップ部材102の外側表面に電解液103を噴射する噴射手段111が断面円弧状に設けられている。噴射手段111の外側(下方)には断面円弧状の陽極112が設けられており、陽極112と導電性ストリップ部材102との間に電解液103を介して電流が流れる。
特開平02−305990号公報
上記のような従来のベルトマスク方式のストライプめっき方法では、ベルトマスク106をポリエーテル・エーテル・ケトン等の伸縮率の小さい樹脂材料で形成し、その加工精度を高める必要がある。そのために、消耗品であるベルトマスク106のランニングコストが高くつく。また、導電性ストリップ部材102にベルトマスク106が重なる際の両者間の高い位置決め精度が要求される。そのために、めっき装置の構造が複雑になり、初期導入コスト及び改造コストが高くつく。これらのことから、ストライプめっきを施したリードフレーム等の製品のコストが高くなってしまう。
また、従来のベルトマスク方式のストライプめっき方法では、大きな直径の回転部材104とそれが浸される電解液103の槽(めっき槽)、そしてベルトマスク106の循環経路等が必要であるため、めっき装置全体が大掛かりになる。ベルトマスク106の交換やめっき装置の改造が容易ではないといった課題もある。
本発明は、上記のような従来の課題を解決し、ベルトマスクのような高価な消耗品を必要としないで、従来の方法よりも低コストで金属薄板のストライプめっきが可能なストライプめっき方法及び装置を提供することを目的とする。そのようなめっき装置を、比較的簡素な省スペース構造とし、既存設備への組み込みや改造が容易になるように構成することも本発明の目的である。
本発明によるストライプめっき方法は、連続搬送される長尺状の金属薄板にストライプ状のめっきを施すストライプめっき方法であって、前記金属薄板に対して相対摺動可能な状態でシール部材を介して又は直接的にマスキング部材を押し当て、前記マスキング部材の開口部から露出した前記金属薄板の表面に向かってめっき液を噴射し、噴射された前記めっき液を回収することを特徴とする。
また、本発明によるストライプめっき装置は、連続搬送される長尺状の金属薄板にストライプ状のめっきを施すストライプめっき装置であって、前記金属薄板に対して相対摺動可能な状態でシール部材を介して又は直接的に押し当てられるマスキング部材と、前記マスキング部材の開口部から露出した前記金属薄板の表面に向かってめっき液を噴射するめっき液噴射ユニットと、噴射された前記めっき液を回収するめっき液回収路及びリザーブタンクとを備えていることを特徴とする。
本発明のストライプめっき方法及び装置によれば、従来のストライプめっき方法及び装置で必要であったベルトマスクのような高価な消耗品を必要としないで、従来の方法よりも低コストで金属薄板のストライプめっきが可能になる。また、小形で省スペースのめっき装置を構成することができ、既存設備への組み込みや改造が容易になる。
本発明のストライプめっき方法及び装置の好ましい実施形態として、めっき液噴射ユニットがケースの開口面をマスキング部材で閉じた構造を有し、液体貯槽に貯えられた液体の中に前記めっき液噴射ユニット及び前記金属薄板が浸され、前記めっき液の前記金属薄板の表面への噴射が前記液体中で行われる。こうすることにより、大気中でめっき液の噴射を行う場合に比べてめっき液の漏出とそれによるストライプめっきの輪郭ボケが発生しにくくなる。
本発明のストライプめっき方法及び装置の更に別の好ましい実施形態として、リザーブタンクに回収されためっき液を前記めっき液噴射ユニットへ循環させるように供給する吹き上げポンプ及び吹き上げパイプが更に設けられ、めっき液が循環使用される。こうすることにより、めっき液の無駄が少なくなり、めっきにかかるコストを低減することができる。また、吹き上げポンプがめっき液に噴射用の圧力を与えるので、めっき液噴射ユニットは、ケース内にノズルプレート等を配置した簡単な構造でよい。
本発明のストライプめっき方法及び装置の更に別の好ましい実施形態として、めっき液噴射ユニットの内部に孔あき陽極板が設けられ、噴射されためっき液を前記孔あき陽極板によって帯電させる。こうすることにより、めっき液に正電荷を付与することが簡単な構造で可能となり、電気めっきを効率的に行うことができる。
また、本発明のストライプめっき装置の更に別の好ましい実施形態として、前記液体貯槽が密閉構造を有し、前記液体貯槽に貯められた液体の圧力を調整する圧力調整器を更に備えている。こうすることにより、めっき液噴射ユニットの内部圧力や使用条件に応じて液体の圧力を調整し、めっき液の漏出を一層効果的に防ぐことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るストライプめっき装置を示す斜視図である。このストライプめっき装置は、半導体装置のリードフレームのような連続搬送される長尺状の金属薄板にめっき処理を行なうためのものである。このような長尺状の金属薄板はコイル状に巻回されたフープ材として供給され、めっき処理後の金属薄板は再びコイル状に巻回されることが多い。このためのアンコイラー装置及びコイラー装置は図1では省略されている。また、電気めっきを行なうための前工程として脱脂工程や表面活性化工程が必要であり、電気めっき後の工程として洗浄及び乾燥の工程等が必要であるが、これらの工程を行う装置についても図1では省略されている。以下の説明及び参照する図面では、本発明に直接関係するストライプめっき工程に絞って記載している。
図1に示すように、本実施形態のストライプめっき装置は、めっき液噴射ユニット2及びバックアップユニット3と、これらのユニットを液体5に浸した状態で収容する液体貯槽4と、めっき液7を貯めるリザーブタンク6と、めっき液7をリザーブタンク6からめっき液噴射ユニット2へ供給する吹き上げポンプ8を備えている。ストライプめっきが施される長尺状の金属薄板1は、液体貯槽4の側壁に設けられた切れ目を通って横切るように連続搬送される。
めっき液噴射ユニット2とバックアップユニット3は、金属薄板1を両面から挟むように対向配置されている。つまり、金属薄板1の一方の面に沿ってめっき液噴射ユニット2が配置され、他方の面に沿ってバックアップユニット3が配置されている。バックアップユニット3は、金属薄板1を液噴射ユニット2に向かって押圧する働きを有する。めっき液噴射ユニット2とバックアップユニット3とで挟まれるように保持される金属薄板1は、めっき装置後方に設けられた駆動手段(図示せず)によって一定速度で連続搬送される。
めっき液噴射ユニット2及びバックアップユニット3は、液体貯槽4に貯められた液体5の中に浸されており、金属薄板1も液体5の中を通過する。本実施形態では液体5として水を使用している。このような構成の機能については後述する。
また、液体貯槽4の下方にリザーブタンク6が配置され、めっき処理に必要なめっき液7は吹き上げポンプ8によってリザーブタンク6からめっき液噴射ユニット2に供給される。めっき液噴射ユニット2から金属薄板1に向かって噴射されためっき液は、めっき液回収路9を通って、元のリザーブタンク6へ回収される。このようにめっき液が循環する構成によって、常に新しいめっき液7を金属薄板1に向かって噴出し続けることができる。
次に、液体貯槽4について図1及び図2を参照しながら詳しく説明する。図2は図1のストライプめっき装置を金属薄板の搬送方向前方から見た断面図である。上述のように、液体貯槽4には液体5(本実施形態では水)が貯められている。この液体5は液体貯槽4の側面に設けられた液体供給口10から常時一定量ずつ補給され、液面に開口した排水パイプ11からオーバーフローして下方へ排出される。これにより、液体5の液面が一定の高さ(排水パイプ11の開口面の高さ)に維持される。
また、金属薄板1が横切る液体貯槽4の対向側面は外壁4aと内壁4bとの二重壁構造を有する。外壁4aには金属薄板1が通過する大きめのスリット13が形成されている。内壁4bには金属薄板1が通過できるように隙間を塞いで液体5の流出をできるだけ抑えるためのスリット部材12が設けられている。このスリット部材12には、例えば金属薄板1を両側からゴムや弾性樹脂で挟みこむような慣用技術を使用することができる。このスリット部材12と金属薄板1との隙間から外側へ漏出した液体5は、外壁4aと内壁4bとの間の空間から排出経路を通って排出される。
次に、図3及び図4を参照しながら、めっき液噴射ユニット2とバックアップユニット3について詳しく説明する。図3は図2の断面におけるめっき液噴射ユニット及びバックアップユニットの拡大図である。また、図4は、めっき液噴射ユニットをマスキング部材及びシール部材の側から見た斜視図である。
めっき液噴射ユニット2は、一面が開口した直方体の箱形状を有するケース14と、その内部に配置されたノズルプレート15及び孔あき陽極板16と、ケース14の開口面を塞ぐプレート状のマスキング部材17と、その外面に接合されたプレート状のシール部材18とを有する。ケース14の側面には、吹き上げポンプ8の出力側に接続された吹き上げパイプ20が接続されている。ケース14の下面には、ノズルプレート15及び孔あき陽極板16を通過して噴射されためっき液を回収するめっき液回収路9が接続されている。また、マスキング部材17の外面には、複数(図1に示す例では6本)のガイド棒19が立設されている。プレート状のシール部材18は、例えばウレタンゴムで作製されている。
リザーブタンク6からめっき液吹き上げポンプ8によって吹き上げられためっき液7は、吹き上げパイプ20を通ってめっき液噴射ユニット2(のケース14の内部)に供給される。この後、ノズルプレート15の孔を通過して流速を高められためっき液7は、マスキング部材17の開口部21から露出した金属薄板1の表面に向かって吹き付けられる。図3では、金属薄板1の表面におけるマスキング部材17の開口部21に形成されためっき層29がその膜厚を誇張されて描かれている。
また、ノズルプレート15の外側(図3では右側)に近接するように孔あき陽極板16が設けられている。噴射されためっき液7は、この孔あき陽極板16の孔を通過したときに帯電される。つまり、めっきに必要な正電荷が、噴射されためっき液に供給され続ける。
金属薄板1は、マスキング部材17の外面に立設された複数のガイド棒19に挟まれるようにして、その幅方向(高さ方向)の位置が規制された状態で連続搬送される。マスキング部材17の外面に接合されたプレート状のシール部材18は、マスキング部材17の開口部21と重なる位置に開口部を有し、その周囲には金属薄板1に向かって少し突出する断面山形のシール部18aが形成されている。金属薄板1の表面は、このシール部18aの先端に接触した状態で互いに摺動するようにして搬送される。したがって、マスキング部材17の開口部21から露出した金属薄板1の表面に向かって噴射されためっき液7は、シール部材18のシール部18aから外へ漏れ出し難くなっている。
シール部材18のシール部18aと金属薄板1の表面との接触状態は、バックアップユニット3が金属薄板1をシール部材18に向かって押圧する構造によって確保される。バックアップユニット3は、図3に示すように、すべりプレート22、弾性部材23、押圧プレート24、及び押圧調整ナット25を備えている。押圧プレート24の上辺及び下辺に沿って計6箇所には、6本のガイド棒19が挿通される貫通孔が形成されている。押圧プレート24の内側(図3では左側)の面には弾性部材23が固定され、その内側(左側)の面にすべりプレート22が固定されている。
マスキング部材17に立設された6本のガイド棒19を押圧プレート24の6箇所の貫通孔に挿通し、ガイド棒19に形成された雄螺子に6個の押圧調整ナット25を螺合させる。そして、6個の押圧調整ナット25を締め付けると、すべりプレート22が金属薄板1の裏面(図3では右側の面)に当接し、弾性部材23が厚み方向に圧縮される。その復元力によって、バックアップユニット3(のすべりプレート22)が金属薄板1をめっき液噴射ユニット2のシール部材18に対して均一に押圧する。また、すべりプレート22はテフロン(登録商標)系材料のような表面のすべり摩擦係数が小さい材料で形成されている。これにより、バックアップユニット3(のすべりプレート22)と金属薄板1との円滑な摺動を確保し、金属薄板1の連続搬送に対する抵抗が大きくならないようにしている。
上述のように、マスキング部材17に接合されたシール部材18のシール部18aに金属薄板1の表面を接触させ、金属薄板1の裏面側に配置されたバックアップユニット3によって金属薄板1をシール部材18に対して押圧する。この構造により、マスキング部材17の開口部21から露出した金属薄板1の表面に向かって噴射されためっき液7がマスキング部材17の開口部21から外部へ漏れ出し難くなっている。
しかしながら、大気中で上記のようなめっき液7の噴射を行った場合は、シール部材18のシール部18aと金属薄板1の表面との接触部から外部へめっき液7が漏出するのを完全に防ぐことは難しい。わずかでもめっき液7が漏出すると、金属薄板1の表面に沿ってめっき皮膜が析出し、本来マスクされるべき部分にめっき被膜が形成されてしまう。その結果、ストライプめっきされた領域の周辺に輪郭ボケと呼称される不均一なめっき皮膜が形成されることがある。このようなストライプめっきの輪郭ボケは、例えば半導体装置のリードフレームでは重大な不良となる。
本実施形態のストライプめっき装置では、前述のように、めっき液噴射ユニット2及びバックアップユニット3が、液体貯槽4に貯められた液体(例えば水)5の中に浸されている。めっき液噴射ユニット2とバックアップユニット3との間を通過する金属薄板1も液体5の中にあり、液体5の中でめっき液7の噴射が行われる。したがって、上記のような大気中でめっき液7の噴射を行う場合のようなめっき液7の漏出とそれによるストライプめっきの輪郭ボケは発生しにくい。
すなわち、大気中でめっき液7の噴射を行なうと、めっき液噴射ユニット2から噴射されためっき液7の圧力がそのままシール部材18のシール部18aにかかるので、シール部18aと金属薄板1との隙間を押し広げてめっき液7が外部に漏れ出す可能性があるが、本実施形態のように液体5の中でめっき液噴射を行なうと、液体5の圧力がめっき液噴射ユニット2の内部圧力と逆の方向に加わるので、噴射されためっき液7の圧力がシール部材18のシール部18aを変形させたり隙間を広げたりする作用が抑制される。また、仮にわずかなめっき液7の漏出が発生したとしても、シール部材18のシール部18aと金属薄板1との接触部の外側には液体5が充満しているので、漏出しためっき液7は液体5によって瞬時に希釈される。その結果、漏出しためっき液7によって薄いめっき皮膜が形成される現象は発生しない。
なお、めっき液噴射ユニット2に掛かる液体5の圧力は、液体5の液面からめっき液噴射ユニット2までの深さによって変わる。したがって、この深さを調整することによって、めっき液噴射ユニット2の内部圧力や使用条件に応じて、めっき液の漏出に対抗する圧力を変化させることが可能である。あるいは、次に説明する実施形態2のように、液体5を密閉容器に入れて液体5の圧力を調整するようにしてもよい。
(実施形態2)
図5は、本発明の実施形態2に係るストライプめっき装置を金属薄板の搬送方向前方から見た断面図である。この実施形態が図2に示した実施形態と異なる点は、液体貯槽4の上部開口を密閉蓋26によって密閉し、圧力調整器27を用いて液体5の圧力を調整している点である。このような構成によれば、めっき液噴射ユニット2の内部圧力や使用条件に応じて液体5の圧力を調整し、めっき液の漏出を一層効果的に防ぐことができる。液体5の圧力はめっき液噴射ユニット2のどの位置にも均等に作用するので、シール部材18の細長い開口部(シール部18a)に沿って均一な液漏れ防止が可能である。
(実施形態3)
図6は、本発明の実施形態3に係るストライプめっき装置を金属薄板の搬送方向前方から見た断面図である。この実施形態が図2に示した実施形態と異なる点は、金属薄板1に接触するシール部材18のシール部(断面山形の突出部)18aに向かって外側から液体5を噴射する上下2本の液体噴射管28が設けられている点である。液体噴射管28は液体供給口10に接続されており、液体供給口10から常時一定量ずつ補給される液体5は、矢印線で示すように、上下の液体噴射管28からシール部材18のシール部18aに向かって噴射される。その結果、めっき液噴射ユニット2から噴射されるめっき液の圧力によってシール部材18のシール部18aを変形させたり隙間を広げたりする作用が抑制され、めっき液の漏出が防がれる。また、めっき液がわずかに漏出した場合に、それを液体5で希釈する作用が促進される効果も得られる。
(実施形態4)
図7は、本発明の実施形態4に係るストライプめっき装置のめっき液噴射ユニット及びバックアップユニットを示す断面図である。この実施形態が図3に示した実施形態と異なる点は、マスキング部材17に接合されたプレート状のシール部材18の代わりにOリング18’を使用している点である。本実施形態のマスキング部材17’は、図7に示すように、開口部21の周囲が金属薄板1に向かって筒状に突出しており、その先端面にOリング18’を装着する溝が形成されている。このようなOリング18’もシール部材であり、既述の実施形態におけるプレート状のシール部材18と同様に機能する。このような構成によれば、シール部材のコストを低減することができる。なお、断面が円形のOリングの代わりに、断面が多角形の弾性リング部材を使用してもよい。
更に本実施形態の変形例として、金属薄板1に施されるストライプめっきの輪郭の精度が低くてもよい場合は、シール部材(Oリング18’)を使用しないでマスキング部材17’を直接的に金属薄板1の表面に押し当てるように構成してもよい。この場合は図7に示したマスキング部材17’ではなく、図3に示したマスキング部材17を使用してもよい。このような構成によれば、シール部材が不要となり、その交換等のメンテナンスも不要となるので、更にコスト低減が可能になる。
(実施形態5)
図8は、本発明の実施形態5に係るストライプめっき装置を金属薄板の搬送方向前方から見た断面図である。この実施形態が図2に示した実施形態と異なる点は、1つの液体貯槽4に2枚の金属薄板1a及び1bを通過させ、同時に2枚の金属薄板1a及び1bにストライプめっきを施すように構成した点である。このために、本実施形態のめっき液噴射ユニット2’は両側に開口面を有する筒型のケースを備え、その内部に2組のノズルプレート15及び孔あき陽極板16が背中合わせに配置されている。両側の開口面には、マスキング部材17とその外面に接合されたシール部材18とがそれぞれ固定されている。バックアップユニット3a,3bも両側に1個ずつ配置されている。めっき液噴射ユニット2’のケースの中央部に取り付けられた吹き上げパイプ20から供給されためっき液7が両側のノズルプレート15及び孔あき陽極板16を通って両側へ同時に噴射される。また、両側に噴射されためっき液は、2本のめっき液回収路9をそれぞれ通ってリザーブタンク6へ回収される。このような構成によれば、ストライプめっきの生産性をほぼ倍増することができる。
(実施形態6)
図9は、本発明の実施形態6に係るストライプめっき装置を金属薄板の搬送方向前方から見た断面図である。この実施形態が図2に示した実施形態と異なる点は、1つの液体貯槽4に2個のめっき液噴射ユニット2を配置し、一度に金属薄板1の両面にストライプめっきを施す点である。すなわち、2個のめっき液噴射ユニット2を対向するように配置し、それらのマスキング部材及びシール部材の間を金属薄板1が通過するように構成する。こうすることにより、金属薄板1の両面に同時にストライプめっきを施すことができる。この構成によれば、従来のテーピング方式やベルトマスク方式に比べてストライプめっきに掛かるコストを低減することができると共に、ストライプめっき装置の小形化、省スペース化を図ることができる。
以上、いくつかの実施形態によって本発明を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限らず種々の形態で実施することができる。例えば、上記の各実施形態では液体5として水を使用したが、めっき液と親和性のある他の液体を使用することも可能である。金属薄板1の材質や、使用するめっき液に応じて適切な液体を選定すればよい。また、液体5は、めっき処理前後の金属薄板1の洗浄効果も有する。
本発明のストライプめっき方法及び装置の特徴の一つは、液体中でめっき液噴射ユニットを金属薄板の表面に接触させてめっきを行うことであり、めっき液噴射ユニットの形状及び構造、あるいはバックアップユニットの形状及び構造等は本発明の趣旨から逸脱しない範囲で変更可能である。
本発明は、半導体装置のリードフレームのような連続搬送される長尺状の金属薄板にストライプ状のめっきを施す方法及び装置に利用可能であり、マスキングテープやベルトマスクのような高価な消耗品を必要としないで、従来の方法よりも低コストで金属薄板のストライプめっきが可能である。また、小形で省スペースのめっき装置を構成することができ、既存設備への組み込みや改造が容易になる。
本発明の実施形態1に係るストライプめっき装置を示す斜視図である。 図1のストライプめっき装置を金属薄板の搬送方向前方から見た断面図である。 図2の断面におけるめっき液噴射ユニット及びバックアップユニットの拡大図である。 めっき液噴射ユニットをマスキング部材及びシール部材の側から見た斜視図である。 本発明の実施形態2に係るストライプめっき装置を金属薄板の搬送方向前方から見た断面図である。 本発明の実施形態3に係るストライプめっき装置を金属薄板の搬送方向前方から見た断面図である。 本発明の実施形態4に係るストライプめっき装置のめっき液噴射ユニット及びバックアップユニットを示す断面図である。 本発明の実施形態5におけるストライプめっき装置を金属薄板の搬送方向前方から見た断面図である。 本発明の実施形態6に係るストライプめっき装置を金属薄板の搬送方向前方から見た断面図である。 従来のベルトマスク方式のストライプめっき方法を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1,1a,1b 金属薄板
2 めっき液噴射ユニット
3 バックアップユニット
4 液体貯槽
5 液体
6 リザーブタンク
7 めっき液
8 吹き上げポンプ
9 めっき液回収路
10 液体供給口
11 排水パイプ
12 スリット部材
13 スリット
14 ケース
15 ノズルプレート
16 孔あき陽極板
17 マスキング部材
18 シール部材
19 ガイド棒
20 吹き上げパイプ
21 マスキング部材の開口部
22 すべりプレート
23 弾性部材
24 押圧プレート
25 押圧調整ナット
26 密閉蓋
27 圧力調整器
28 液体噴射管
29 めっき層
101 第1のローラー
102 ストリップ部材
103 電解液
104 回転部材
105 第2のローラー
106 ベルトマスク
107 第3のローラー
108 第4のローラー
109 第5のローラー
110 第6のローラー
111 噴射手段
112 陽極

Claims (9)

  1. 連続搬送される長尺状の金属薄板にストライプ状のめっきを施すストライプめっき方法であって、
    前記金属薄板に対して相対摺動可能な状態でシール部材を介して又は直接的にマスキング部材を押し当て、
    前記マスキング部材の開口部から露出した前記金属薄板の表面に向かってめっき液を噴射し、
    噴射された前記めっき液を回収することを特徴とするストライプめっき方法。
  2. ケースの開口面を前記マスキング部材で閉じた構造を有するめっき液噴射ユニットを液体に浸し、前記めっき液の前記金属薄板の表面への噴射を前記液体中で行うことを特徴とする
    請求項1記載のストライプめっき方法。
  3. 回収された前記めっき液を前記めっき液噴射ユニットへ循環させるように供給することを特徴とする
    請求項1又は2記載のストライプめっき方法。
  4. 前記めっき液噴射ユニットの内部に孔あき陽極板を設け、噴射されためっき液を前記孔あき陽極板によって帯電させることを特徴とする
    請求項1、2又は3記載のストライプめっき方法。
  5. 連続搬送される長尺状の金属薄板にストライプ状のめっきを施すストライプめっき装置であって、
    前記金属薄板に対して相対摺動可能な状態でシール部材を介して又は直接的に押し当てられるマスキング部材と、
    前記マスキング部材の開口部から露出した前記金属薄板の表面に向かってめっき液を噴射するめっき液噴射ユニットと、
    噴射された前記めっき液を回収するめっき液回収路及びリザーブタンクと
    を備えていることを特徴とするストライプめっき装置。
  6. 前記めっき液噴射ユニットは、ケースの開口面をマスキング部材で閉じた構造を有し、
    前記ストライプめっき装置は、前記めっき液噴射ユニット及び前記金属薄板が浸される液体を貯える液体貯槽を更に備え、
    前記めっき液の前記金属薄板の表面への噴射を前記液体中で行うように構成されている
    請求項5記載のストライプめっき装置。
  7. 前記リザーブタンクに回収されためっき液を前記めっき液噴射ユニットへ循環させるように供給する吹き上げポンプ及び吹き上げパイプを更に備えている
    請求項5又は6記載のストライプめっき装置。
  8. 前記めっき液噴射ユニットの内部に孔あき陽極板が設けられ、噴射されためっき液を前記孔あき陽極板によって帯電させるように構成されている
    請求項5、6又は7記載のストライプめっき装置。
  9. 前記液体貯槽が密閉構造を有し、前記液体貯槽に貯められた液体の圧力を調整する圧力調整器を更に備えている
    請求項5から8のいずれか1項記載のストライプめっき装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101045604B1 (ko) 2006-12-04 2011-06-30 (주) 신진하이텍 전해도금 장치
KR101308371B1 (ko) * 2011-09-05 2013-09-16 (주)아이케이텍 연속도금장치
JP2015157984A (ja) * 2014-02-24 2015-09-03 上田鍍金株式会社 部分めっき方法及び部分めっき装置

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