JP2823956B2 - 帯状体の連続塗装装置及び設備 - Google Patents

帯状体の連続塗装装置及び設備

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進 岡村
尚弘 池谷
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川崎製鉄株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は金属や合成樹脂製の箔あるいは薄板などの
帯状体を走行させながら、その表面に連続して塗料を塗
布する塗装装置に関する。
(従来の技術) この種の塗装装置としてはリバースコータが広く供用
されているが、塗装を高速で行うと塗布むらを生じ易い
ことから、この塗布むらを防止するために予備塗装を施
すことがある(特開昭63−119876号公報参照)。
この予備塗装は塗料を板表面に吹付ける手法、すなわ
ち特開平2−59058号公報に記載されているような、ス
プレーノズルを用いるのが通例である。
(発明が解決しようとする課題) スプレーノズルによる塗装は、塗装面におけるノズル
孔に対向する部分とこれら孔間の部分とで塗料の付着が
不均一となるため、塗布むらが生じる。この塗布むらは
ノズル孔の向きを工夫することで改善が可能であるが、
板幅の急激な変化や板の蛇行時に塗料の廻り込みや液切
れを完全に防止することは困難であった。
この発明は上記問題点を解決した、特に予備塗装用と
して有利な塗装装置について提案することを目的とす
る。
(課題を解決するための手段) 発明者らは、走行する帯状体に対し塗料、中でも板面
への漏れ性の低い塗料を塗布むらなしに塗装する手段に
ついて種々の実験を行ったところ、コータの形式として
はいわゆるファウンテンコータが有利に適合することを
確認し、さらにこのファウンテンコータ形式の塗装装置
に関して研究を重ねた結果、ファウンテンコータのリッ
プを工夫することで塗布むらのない塗装が実現できるこ
とを見出し、この発明を完成させた。
すなわちこの発明は、走行する帯状体に連続した塗装
を施すファウンテンコータ形式の塗装装置であって 塗料を導入する均圧室に帯状体の幅方向へ延びるスリ
ット状ノズルをそなえ、該スリット状ノズルを挟みノズ
ル孔の開口方向へ延びる1対のリップをスリット状ノズ
ルの長手方向に沿って設けてなり、少なくとも帯状体走
行方向における下流側に配したリップをブラシで形成し
たことを特徴とする帯状体の連続塗装装置である。
またこの発明は上記塗装装置と、この装置の帯状体走
行方向の下流側に配置したロールコータとの組合わせに
なる連続塗装設備である。
(作 用) この発明に従う塗装装置は、均圧室内で均圧化された
塗料をスリット状ノズルからその長手方向にわたって均
一に押出し、次いで帯状体の表面とスリット状ノズルと
の間隙を埋めて堰の役割を果たすリップ間を上昇してリ
ップ間に充満し、ここで少なくとも帯状体走行方向にお
ける下流側に配したリップを構成するブラシの中に塗料
が滲み込んで、走行する帯状体の表面とブラシとの間で
撹拌されつつ帯状体の表面に移り、前表面に確実にかつ
もれなく塗布される。
更に上記塗装装置の帯状体走行方向の下流にロールコ
ータを配置しれば、塗料を塗り足しかつ平坦化できるた
め、均一な厚さの塗膜を形成し得る。
即ち板面にくまなく塗料を付着させる機能に優れた本
発明装置を前段に配置し、塗膜厚の均一化と塗装面の平
坦化の機能に優れたロールコータを後段に配置すること
により、濡れ性が悪くかつ塗布性も良くない塗料に対し
ても良好な塗膜が得られる。
(実施例) 第1図(a)及び(b)にこの発明の好適例である塗
装装置の断面を示す。
図中1は均圧室、2は均圧室1内に塗料を導く導入
管、3は塗料を噴出する多数のノズル孔4を均圧室1の
軸方向へ並列してなるスリット状ノズル、5a,5bはスリ
ット状ノズル3を挟み該ノズルに沿って設けた一対のリ
ップ、6は均圧室1の軸方向へ移動しスリット状ノズル
3のノズル孔4の開放数を調節するエッジマスクであ
る。
リップ5a,5bはノズル孔4の開口方向に延びるブラシ
からなり、ノズル孔4からリップ5a,5b間に押出された
塗料がブラシの小さい隙間を通って上昇し、このブラシ
に当接する帯状体表面へ塗料を満遍なく供給するのに役
立つ。なお図示例ではリップ5a,5bをともにブラシとし
たが、少なくとも帯状体走行方向における下流側に配し
たリップをブラシとすればよい。
またエッジマスク6は、帯状体の側端部に対向する位
置に設けてあるから、塗料の廻り込みを完全に防止出来
る。さらに帯状体幅の変化や帯状体の蛇行時に幅や位置
を検出し、エッジマスクの位置を調整出来る機構を付加
することが好ましく、この機構によって帯状体幅の変化
や帯状体の蛇行にエッジマスクを追従させることが可能
となり、塗料の廻り込みや塗料切れによる塗布むらを防
止することができる。
次に第2図に上記した塗装装置Aを予備塗装に適用
し、この塗装装置Aの帯状体7の走行方向の下流側にロ
ールコータBを配置してなる塗装設備を示す。ここに用
いたロールコータBは、帯状体6の接触させたコータロ
ール8に、塗料槽9に浸したピックアップロール10を接
触配置して連れ回転する構成とし、塗装装置Aの予備塗
装後にこのロールコータBで本塗装を行うものである。
また第3図の塗装設備は、第2図に示した帯状体6を
横に通す形式に対して帯状体6を縦に通す形式であり、
すなわちブライドルロール11,12間を通した帯状体6に
塗装装置Aの予備塗装、そしてロールコータBの本塗装
を行うものである。
(発明の効果) この発明によれば、特に濡れ性の低い(例えば高粘
度、高比重スラリー状の塗料など)塗料を高速度で塗布
する際に生じやすい、塗り残しや塗布むらのない塗装を
実現でき、高速度での連続した塗装を安定して達成し得
る。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)はこの発明に従う塗装装置の断面図、同図
(b)は同図(a)のb−b線断面図、 第2図はこの発明に従う塗装設備の模式図、 第3図は別の塗装設備の模式図である。 1……均圧室、2……導入管 3……スリット状ノズル 4……ノズル孔、5a,5b……リップ 6……エッジマスク、7……帯状体 8……コータロール、9……塗料槽 10……ピックアップロール 11,12……デフレクトロール A……塗装装置、B……塗装設備
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B05C 5/00 - 5/04 B05C 1/00 - 3/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】走行する帯状体に連続した塗装を施すファ
    ウンテンコータ形式の塗装装置であって、 塗料を導入する均圧室に帯状体の幅方向へ延びるスリッ
    ト状ノズルをそなえ、該スリット状ノズルを挟みノズル
    孔の開口方向へ延びる1対のリップをスリット状ノズル
    の長手方向に沿って設けてなり、少なくとも帯状体走行
    方向における下流側に配したリップをブラシで形成した
    ことを特徴とする帯状体の連続塗装装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の連続塗装装置と、この装
    置の帯状体走行方向における下流側に配置したロールコ
    ータとの組合わせになる帯状体の連続塗装設備。
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