JP5838581B2 - 金属帯の塗布方法、連続塗布装置 - Google Patents
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Description
つまり、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
前記金属帯の幅方向にスライド移動し、前記ノズル開口部を部分的に塞ぐエッジマスクを前記ノズル開口部の両端近傍に配置し、
前記金属帯の耳伸び形状に基づいて、前記エッジマスクをスライド移動させ、前記ノズル開口部と前記エッジマスクとで決定される塗料の噴射口の位置および金属帯の幅方向における開口幅を調整する、金属帯の塗布方法。
予備塗装された前記金属帯にロールにより塗料を塗布して本塗装を行う本塗装装置とを備える連続塗装装置であって、
前記ノズル開口部の両端近傍に配置され、前記金属帯の幅方向にスライド移動し、前記ノズル開口部を部分的に塞ぐエッジマスクと、
前記エッジマスクをスライド移動させる駆動部と、
前記金属帯の耳伸び形状に基づいて、前記駆動部を制御して、前記ノズル開口部と前記エッジマスクとで決定される塗料の噴射口の位置および金属帯の幅方向における開口幅を調整する制御部とをさらに備える、連続塗装装置。
前記端部検出装置で検出された前記帯幅端部の位置情報に基づいて、前記制御部が前記駆動部を制御して、前記ノズル開口部と前記エッジマスクとで決定される塗料の噴射口の位置および金属帯の幅方向における開口幅をさらに微調整する、(4)または(5)に記載の連続塗装装置。
まず、以下に、本発明の連続塗装装置の第1の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の金属帯の連続塗装装置10の概略構成図である。
連続塗装装置10は、金属帯12の走行ラインに沿って、走行ライン上流側から下流側に向かう方向に順次設けられた、耳伸び検出装置14と、予備塗装装置16と、本塗装装置18とを備える。さらに、連続塗布装置10は、制御部20を備える。
金属帯12は、長尺状の鋼板であり、その種類は特に制限されない。例えば、冷延鋼板、各種めっき鋼板、アルミニウム板などが挙げられる。
金属帯12の搬送方法は特に制限されないが、例えば、搬送ラインによって連続的に搬送される。搬送ラインは、一定間隔の搬送ロールにより構成され、ロールの回転により搬送ライン上の金属帯12を搬送する。
耳伸び検出装置14は、走行する金属帯12の耳伸び形状を検出し、これらの耳伸び形状に関する形状情報を出力する装置である。取得された形状情報は、後述する制御部20に出力される。
なお、金属帯12は、その製造過程で局部的に波状の伸び(耳伸び)を生じる。このような耳伸びは、金属帯12の圧延工程で使用する圧延ロールの弾性変形(たとえば熱膨張,たわみ等)に起因して発生するものである。
耳伸び形状とは、耳伸び高さ、耳伸び急峻度、または耳伸び深さを意味する。耳伸び高さとは、図2(A)に示すように、金属帯12の波状の端部の走行位置からの高さ(dに該当)を意味し、耳伸び急峻度とは帯厚方向の波の周期をL、耳伸び山高さをdとした場合に、λ(耳伸び急峻度)=d÷L×100(%)と表される値を意味する。さらに、耳伸び深さとは、図2(B)に示すように、金属帯12幅方向の耳伸びが発生している部分の端部からの長さ(Wに該当)を意味する。
なお、耳伸び検出装置14は、耳伸び発生場所である圧延の下流側からコーティング設備の上流側の間であれば、設置場所は問わない。圧延ラインの出側に設置して、その情報をコーティングラインに反映させてもよい。
予備塗装装置16は、金属帯12の表面への本塗装に先立って、金属帯12の表面に対して塗料Pを噴射することにより予備塗装を行う装置である。
予備塗装装置16は、金属帯12の表面に対して均一に塗料Pを吹き付けるプレコートノズル22を有する。図3および図4は、プレコートノズル22の構成を示す。図3は、プレコートノズル22の構成を正面から見た断面図であり、図4は図3中の矢印A−A線から見た断面図である。
スリット状のノズル開口部42の長手方向および短手方向の長さは、塗料Pが噴射される金属帯12の種類によって適宜選択されるが、通常、長手方向の長さは使用される金属帯12の幅方向の長さよりも長い。
なお、このブラシは他の材料であってもよく、例えば、スポンジ等の塗料Pが滲み込む材料のものでも使用することができる。
エッジマスク24a、24bは、スリット状のノズル開口部42の両端近傍(短辺縁近傍)に配置され、ノズル開口部42を部分的に塞ぐように、スライドして動く部材である。
図5は、金属帯12を上方からみた図である。2枚のエッジマスク24a、24bが互いに近付くようにスライド移動した際には、ノズル開口部42とエッジマスク24a、24bとで決定される塗料の噴射口(以後、塗料噴射口26とも称する)の幅が狭まる。一方、2枚のエッジマスク24a、24bが互いに遠ざかるようにスライド移動した際には、塗料噴射口26の幅が拡がる。
エッジマスクの形状は、ノズル開口部42を閉じる(蓋する)ことができる形状であれば特に制限されないが、図5に示すように、通常、長尺状の形状である。
駆動部28は、エッジマスク24a、24bをスライド移動させる装置である。
駆動部28としては公知の駆動装置を使用することができ、例えば、ロボシリンダ(電動シリンダ)とサーボモータとを組み合わせた駆動装置や、エアシリンダとエアポンプとを組み合わせた駆動装置、油圧シリンダと油圧ポンプとを組み合わせた駆動装置などが挙げられる。
本塗装装置18は、予備塗装装置16により予備塗装された金属帯12に対して、ロールにより塗料Pを塗布して本塗装を行う装置である。
図1に示す本塗装装置では、ピックアップコール30、ミタリングロール32、およびアプリケータロール36が、ロールコータを構成している。
各ロールのロール径およびロール胴長は、使用される金属帯12に応じて適宜最適な径および胴長が選択される。
制御部20は、走行する金属帯12の耳伸び形状に基づいて、上記駆動手段24を制御して、塗料噴射口26の位置および金属帯12の幅方向における開口幅を調整する。
次に、上記した連続塗布装置10を用いた、本発明の金属帯の塗装方法の第1の実施態様について詳述する。
まず、図1で示すように、金属帯12が搬送されると、走行する金属帯12の耳伸び形状に関する形状情報が耳伸び検出装置14により取得される。耳伸び検出装置14で取得された形状情報は、必要に応じてメモリ(図示しない)に一時的に格納された後、制御部20に出力される。
制御部20が、金属帯12の搬送速度および耳伸び検出装置14と予備塗装装置16との間の距離とから、形状情報が取得された金属帯12の所定の部分が予備塗装装置16を通過するタイミングを算出する。このタイミングで制御部20が駆動部28を作動させ、エッジマスク24a、24bが所定の位置にスライド移動され、予備塗装装置16を通過する金属帯12の耳伸び形状に最適な塗料の噴射が実施できるように、塗料噴射口26の位置および金属帯12の幅方向における開口幅が調整される。
挿入量の選択に際しては、金属帯12の耳伸び高さ・耳伸び急峻度・耳伸び深さを数段階に分類し、各ケースにおける挿入量の最適値を用意し、金属帯12の形状に応じて制御部20が自動的に挿入量の最適値を選択する。
一例として、図6に示すように、耳伸び急峻度が1.0%以上の場合と、1.0%未満の場合とに段階分けし、この場合の耳伸び急峻度の大きさによって、エッジマスク24a、24bの装入量を決定する。図6では、縦軸がエッジマスク24a、24bの装入量を表し、横軸が耳伸び高さを表す。図6に示すように、耳伸び高さが小さくなるにつれて、エッジマスク24a、24bを互いに近付けるようにスライド移動させ、その装入量が大きくなる。なお、図6で使用している金属帯12の幅は1500mmであり、厚みは0.5mmである。
なお、金属帯12の耳伸び高さ・耳伸び急峻度・耳伸び深さと、エッジマスク24a、24bの挿入量との相関関係の情報は、予めデータ化されて、制御部20の記憶部(図示せず)に保持されていることが好ましい。
より具体的には、予備塗装装置22においては、図示しない塗料タンクからポンプ100によって導入管を介して均圧室40に塗料Pが供給されており、均圧室40に供給された塗料Pは、塗料噴射口26から金属帯12表面に噴射される。このとき、金属帯12の耳伸び形状に応じた塗料噴射口26の位置および金属帯12の幅方向における開口幅が選択され、金属帯12表面に塗料Pをより均一に塗布することができる。
なお、液受けパン102をプレコートノズル22の下方に設置する。該液受けパン102を設けることにより、プレコートノズル22から落下した塗料Pを受け止めることができる。また、液受けパン102に入った塗料は、戻りライン104を通って塗料パン106へ流れる。
図1においては、本塗装装置18では、アプリケータロール36の表面が金属帯12の予備塗装された表面に接触しており、アプリケータロール36は金属帯12の進行方向と逆向きにリバース回転している。
以下に、本発明の連続塗装装置の第2の実施形態を図面を参照して説明する。
図7は、本発明の金属帯の連続塗装装置200の概略構成図である。
図7に示すように、連続塗装装置200は、金属帯12の走行ラインに沿って、走行ライン上流側から下流側に向かう方向に順次設けられた、耳伸び検出装置14と、端部検出装置50と、予備塗装装置16と、本塗装装置18とを備える。
図7に示す連続塗装装置200は、端部検出装置50を備える点を除いて、図1に示す連続塗装装置10と同様の構成を有するものであるので、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その説明を省略し、主として端部検出装置50について説明する。
端部検出装置50は、金属帯12の走行方向に対して予備塗装装置16の上流側に配置され、走行する金属帯12の金属帯幅端部の位置情報を検出する装置である。該装置を使用することにより、予備塗装前の走行する金属帯12の蛇行の発生状況や、金属帯12の幅の変動を把握することができる。端部検出装置50で取得された位置情報は、制御部20へ出力される。
なお、図7において、端部検出装置50は、金属帯12の走行方向に対して耳伸び検出装置14の下流側に配置されているが、上流側に配置されていてもよい。
次に、上記した連続塗布装置200を用いた、本発明の金属帯の塗装方法の第2の実施態様について詳述する。
図7に示すように金属帯12が搬送されると、走行する金属帯12の帯幅端部の位置情報が端部検出装置50により取得される。端部検出装置50で取得された位置情報は、必要に応じてメモリ(図示しない)に一時的に格納された後、制御部20へと出力される。
制御部20が、金属帯12の搬送速度および端部検出装置50と予備塗装装置16との間の距離とから、位置情報が取得された金属帯12が予備塗装装置16を通過するタイミングを算出する。このタイミングで制御部20が駆動部28を制御して、予備塗装装置16を通過する金属帯12の帯幅端部の位置に合わせて、上記耳伸び形状に基づいてすでに位置決めされたエッジマスク24a、24bをさらにスライド移動させ、塗料噴射口26の位置や金属帯12の幅方向における開口幅をさらに微調整する。
なお、上記態様以外にも、端部検出装置50で取得された位置情報に基づいて一旦エッジマスク24a、24bを位置決めし、さらに上述した耳伸び形状に基づいてすでに位置決めされたエッジマスク24a、24bをさらにスライド移動させ、塗料噴射口26の位置や金属帯12の幅方向における開口幅をさらに微調整してもよい。
また、金属帯12の幅の変動が発生した場合は、変動した金属帯12の幅に合わせて、塗料噴射口26の金属帯12の幅方向における開口幅が調整される。
上記態様をとることにより、金属帯12の蛇行や、金属帯12の幅の変動が生じた場合であっても、すでに耳伸び形状に基づいて位置決めされたエッジマスク24a、24bをさらにスライド移動させ、塗装欠陥が抑制された塗装を行うことができる。
ライン速度を50〜400mpmで、本塗装後の塗膜の厚みが2〜40μmになるように調整した。なお、端部検出装置および耳伸び検出装置は、静電容量式の装置を使用した。
12 金属帯
14 耳伸び検出装置
16 予備塗装装置
18 本塗装装置
20 制御部
22 プレコートノズル
24a、24b エッジマスク
26 塗料噴射口
28 駆動部
30 ピックアップロール
32 ミタリングロール
34 スクレーパ
36 アプリケータロール
40 均圧室
42 ノズル開口部
44a、44b 立体壁
46a、46b ブラシ
50 端部検出装置
100 ポンプ
102 液受けパン
104 戻りライン
106 塗料パン
P 塗料
Claims (6)
- ノズル開口部を有するプレコートノズルを用いて、走行する金属帯に塗料を噴射して予備塗装を行い、予備塗装された前記金属帯にロールにより塗料を塗布して本塗装を行う金属帯の塗装方法であって、
前記金属帯の幅方向にスライド移動し、前記ノズル開口部を部分的に塞ぐエッジマスクを前記ノズル開口部の両端近傍に配置し、
前記金属帯の耳伸び形状の耳伸び急峻度および耳伸び高さに基づいて、前記エッジマスクをスライド移動させ、前記ノズル開口部と前記エッジマスクとで決定される塗料の噴射口の位置および金属帯の幅方向における開口幅を調整して、前記予備塗装を行う、金属帯の塗布方法。 - 前記金属帯の走行方向に対して前記プレコートノズルの上流側で、金属帯の前記耳伸び形状を検出する、請求項1に記載の金属帯の塗布方法。
- 前記金属帯の走行方向に対して前記プレコートノズルの上流側で、走行する金属帯の帯幅端部の位置情報を取得して、前記帯幅端部の位置情報に基づいて、エッジマスクをスライド移動させ、前記ノズル開口部と前記エッジマスクとで決定される塗料の噴射口の位置および金属帯の幅方向における開口幅をさらに微調整する、請求項1または2に記載の金属帯の塗布方法。
- ノズル開口部を有するプレコートノズルを用いて、前記金属帯に塗料を噴射して予備塗装を行う予備塗装装置と、
予備塗装された前記金属帯にロールにより塗料を塗布して本塗装を行う本塗装装置とを備える連続塗装装置であって、
前記ノズル開口部の両端近傍に配置され、前記金属帯の幅方向にスライド移動し、前記ノズル開口部を部分的に塞ぐエッジマスクと、
前記エッジマスクをスライド移動させる駆動部と、
前記金属帯の耳伸び形状の耳伸び急峻度および耳伸び高さに基づいて、前記駆動部を制御して、前記ノズル開口部と前記エッジマスクとで決定される塗料の噴射口の位置および金属帯の幅方向における開口幅を調整する制御部とをさらに備える、連続塗装装置。 - 前記金属帯の走行方向に対して前記予備塗装装置の上流側に配置され、走行する金属帯の前記耳伸び形状を検出する耳伸び検出装置をさらに備える、請求項4に記載の連続塗装装置。
- 前記金属帯の走行方向に対して前記予備塗装装置の上流側に配置され、走行する金属帯の帯幅端部の位置情報を検出する端部検出装置をさらに備え、
前記端部検出装置で検出された前記帯幅端部の位置情報に基づいて、前記制御部が前記駆動部を制御して、前記ノズル開口部と前記エッジマスクとで決定される塗料の噴射口の位置および金属帯の幅方向における開口幅をさらに微調整する、請求項4または5に記載の連続塗装装置。
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