本発明の第1態様によれば、
複数枚のディスクを収納するマガジントレイを有する複数のマガジンと、
前記ディスクに対して情報の記録又は再生を行う複数のディスクドライブと、
前記マガジンの前記複数枚のディスクを前記複数のディスクドライブの近傍に搬送するピッカーと、
前記ピッカーから前記複数枚のディスクを取得し、前記複数枚のディスクを密着した積層した状態で保持するとともに、前記ディスクの厚み方向及び位相方向の設置位置が異なる2種類の爪部で当該保持した複数枚のディスクから少なくとも1枚のディスクを前記ディスクドライブの近傍において分離し、当該分離したディスクをディスクドライブが排出したトレイに載置するスピンドルユニットと、
を備える、ディスク装置を提供する。
本発明の第2態様によれば、前記スピンドルユニットは、複数枚のディスクのそれぞれに設けられた中心穴に挿入され、前記複数枚のディスクを保持するディスクチャックユニットを有する、第1態様に記載のディスク装置を提供する。
本発明の第3態様によれば、前記2種類の爪部は、前記密着した積層した状態から少なくとも1枚の分離したディスクを支持する第1の支持爪と、前記分離される以外のディスクを支持する第2の支持爪と、を有する、第1又は第2態様に記載のディスク装置を提供する。
本発明の第4態様によれば、前記第2の支持爪は、前記ディスクの厚み方向に、第1の支持爪よりも上方向に設置されている、第3態様に記載のディスク装置を提供する。
本発明の第5態様によれば、前記第2の支持爪の上面は、前記第1の支持爪の上面よりも、略ディスク1枚分上方向に設置されている、、第3又は第4態様に記載のディスク装置を提供する。
本発明の第6態様によれば、前記第1の支持爪および、前記第2の支持爪は、それぞれ少なくとも2つの爪を有し、
前記第1の支持爪の2つの爪、及び、第2の支持爪の2つの爪は、それぞれ、略180度位相をずらした位置に設置されている、第3〜5態様のいずれか1つに記載のディスク装置を提供する。
本発明の第7態様によれば、
前記複数枚のディスクを密着した積層した状態で保持する場合は、前記第1の支持爪をディスクの外周方向に出し、前記第2の支持爪をディスクの内周方向に格納した状態とし、
前記複数枚のディスクから1枚のディスクを分離する場合は、前記第1の支持爪を出しかつ前記第2の支持爪を格納した状態から、前記第2の支持爪をディスクの外周方向に出すことで、前記分離するディスクを第1の支持爪で保持するとともに、それ以外のディスクを第2の支持爪で保持し、その後第1の支持爪を格納する、第1〜6態様のいずれか1つに記載のディスク装置を提供する。
本発明の第8態様によれば、前記2種類の爪部の少なくとも一方は、前記スピンドルユニットが有する略円筒形状のスピンドルシャフトと、前記スピンドルシャフトの下方に設けられた略円錐台形状のスピンドルヘッドと、の間の上下方向位置に設けられる、第1態様に記載のディスク装置を提供する。
本発明の第9態様によれば、複数枚のディスクを密着した積層した状態で保持するとともに、前記ディスクの厚み方向及び位相方向の設置位置が異なる2種類の爪部で当該保持した複数のディスクから少なくとも1枚のディスクを分離する、スピンドルユニットを提供する。
本発明の第10態様によれば、前前記スピンドルユニットは、複数枚のディスクのそれぞれに設けられた中心穴に挿入され、前記複数枚のディスクを保持するディスクチャックユニットを有する、第9態様に記載のスピンドルユニットを提供する。
本発明の第11態様によれば、前記2種類の爪部は、前記密着した積層した状態から少なくとも1枚の分離したディスクを支持する第1の支持爪と、前記分離される以外のディスクを支持する第2の支持爪と、を有する、第9又は10態様に記載のスピンドルユニットを提供する。
本発明の第12態様によれば、前記第2の支持爪は、前記ディスクの厚み方向に、第1の支持爪よりも上方向に設置されている、第11態様に記載のスピンドルユニットを提供する。
本発明の第13態様によれば、前記第2の支持爪の上面は、前記第1の支持爪の上面よりも、略ディスク1枚分上方向に設置されている、第11又は12態様に記載のスピンドルユニットを提供する。
本発明の第14態様によれば、前記第1の支持爪および、前記第2の支持爪は、それぞれ少なくとも2つの爪を有し、
前記第1の支持爪の2つの爪、及び、第2の支持爪の2つの爪は、それぞれ、略180度位相をずらした位置に設置されている、第11〜13態様のいずれか1つに記載のスピンドルユニットを提供する。
本発明の第15態様によれば、前記複数枚のディスクを密着した積層した状態で保持する場合は、前記第1の支持爪をディスクの外周方向に出し、前記第2の支持爪をディスクの内周方向に格納した状態とし、前記複数枚のディスクから1枚のディスクを分離する場合は、前記第1の支持爪を出しかつ前記第2の支持爪を格納した状態から、前記第2の支持爪をディスクの外周方向に出すことで、前記分離するディスクを第1の支持爪で保持するとともに、それ以外のディスクを第2の支持爪で保持し、その後第1の支持爪を格納する、第9〜14態様のいずれか1つに記載のスピンドルユニットを提供する。
本発明の第16態様によれば、前記2種類の爪部の少なくとも一方は、前記スピンドルユニットが有する略円筒形状のスピンドルシャフトと、前記スピンドルシャフトの下方に設けられた略円錐台形状のスピンドルヘッドと、の間の上下方向位置に設けられる、第9態様に記載のスピンドルユニットを提供する。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の全ての図において、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
《第1関連形態》
図1は、本発明の第1関連形態に係るディスク装置の概略構成を示す斜視図である。図2は、図1のディスク装置の平面図である。なお、本第1関連形態においては、図2の左側を「装置前方」といい、図2の右側を「装置後方」という。
まず、図1及び図2を用いて、本第1関連形態に係るディスク装置の全体構成について説明する。
本第1関連形態に係るディスク装置は、2つのマガジンストッカー1,1を備えている。2つのマガジンストッカー1,1は、底シャーシ11上において、装置幅方向Yに互いに対向するように設けられている。なお、図1では、一方(手前側)のマガジンストッカー1の図示を省略している。
各マガジンストッカー1には、複数のマガジン2が収納されている。各マガジン2は、複数枚のディスクを収納するマガジントレイ21を有している。2つのマガジンストッカー1,1の間には、複数のマガジン2の中から選択された1つのマガジン2からマガジントレイ21を引き出し、当該マガジントレイ21を保持するピッカー3が設けられている。
ピッカー3は、当該保持したマガジントレイ21を、装置後方に配置された複数のディスクドライブ4の近傍まで搬送するように構成されている。ピッカー3には、マガジントレイ21に収納された複数枚のディスクを互いに接触しないように分離するセパレータ5が一体的に設けられている。
ディスクドライブ4は、ディスクに対して情報の記録又は再生を行う装置である。また、ディスクドライブ4は、トレイを用いずにディスクをローディングするスロットイン方式のディスクドライブである。複数のディスクドライブ4は、装置高さ方向Zに積層され、各マガジンストッカー1,1に隣接して配置されている。一方のマガジンストッカー1に隣接して積層配置された複数のディスクドライブ4と、他方のマガジンストッカー1に隣接して積層配置された複数のディスクドライブ4との間には、キャリア6が設けられている。
キャリア6は、セパレータ5により分離された複数枚のディスクを、当該分離された状態でセパレータ5から受け取り、複数のディスクドライブ4内に挿入するように構成されている。なお、本第1関連形態においては、セパレータ5とキャリア6とにより、ディスク分離供給装置が構成されている。ディスク分離供給装置は、マガジントレイ21に収納された複数枚のディスクを保持するとともに、当該保持した複数枚のディスクから少なくとも1枚のディスクを分離し、当該分離したディスクをディスクドライブ4に供給する装置である。
キャリア6及び複数のディスクドライブ4より更に装置後方には、電気回路及び電源7が設けられている。電気回路及び電源7には、ピッカー3、ディスクドライブ4、キャリア6などの各装置の動作を制御する制御部が設けられている。
次に、前述した各装置及び各部品の構成についてより詳しく説明する。
マガジンストッカー1は、ピッカー3を摺動自在にガイドするガイドレール12に沿って設けられている。ガイドレール12は、装置奥行き方向Xに(マガジンストッカー1の長手方向)に延在するように設けられている。マガジンストッカー1の装置前方側の側面には、把手13が設けられている。把手13を引くことにより、マガジンストッカー1を装置前方に移動させることができる。各マガジンストッカー1は、装置幅方向Yから見て格子状に形成された仕切板(図示せず)を備えている。当該仕切板に囲まれたそれぞれの空間にマガジン2が収納されている。
マガジン2は、図3に示すように、マガジントレイ21と、マガジントレイ21を収納する略直方体形状のケース22とを備えている。ケース22の前面(一側面)には、図4に示すように、マガジントレイ21を挿抜可能な開口部22aが設けられている。
マガジントレイ21は、外形が平面視において略矩形状に形成されている。マガジントレイ21は、複数枚のディスク100を互いに密着して積層した状態で収納する。マガジントレイ21がケース22内に収納された際にケース22の背面側に位置する両コーナー部分には、カット部21a,21aが形成されている。また、マガジントレイ21がケース22内に収納された際にケース22の背面側に位置する側面21bは、カット部21a,21aを含む全体が円弧状に形成されている。また、図5に示すように、マガジントレイ21がケース22内に収納された際に側面21bと対向するケース22の内側面22bは、側面21bの形状に対応するように略円弧状に形成されている。
マガジントレイ21に収納された複数枚のディスク100のそれぞれに設けられた中心穴100aには、芯棒23が挿入されている。これにより、各ディスク100の面方向の移動が規制され、当該移動による各ディスク100の傷付きが防止される。
マガジントレイ21がケース22内に収納された際にケース22の前面側に位置する両コーナー部分には、切欠部21c,21cが形成されている。マガジントレイ21の幅方向において、切欠部21c,21cの内側には、後述する一対のフック35,35が係合する係合凹部21d,21dが形成されている。
ピッカー3は、図1に示すように、装置奥行き方向Xに走行する走行ベース31を備えている。走行ベース31の上面には、回転台32が装置高さ方向Zに延在する回転軸32aを略中心として回転可能に設けられている。回転台32には、装置高さ方向Zに延在し且つ互いに対向するように一対の昇降レール33,33が設けられている。一対の昇降レール33,33の間には、昇降台34が設けられている。昇降台34は、一対の昇降レール33,33に沿って装置高さ方向Zに昇降可能に設けられている。
昇降台34には、マガジントレイ21の係合凹部21dに係合可能な一対のフック35,35と、一対のフック35,35の開閉動作を行う機構を有すると共に前後へ移動させるチャック36とが設けられている。チャック36は、一対の昇降レール33,33を結ぶ直線に対して直交する方向に進退移動可能に構成されている。また、チャック36は、一対のフック35,35の間隔を調整可能に構成されている。チャック36が一対のフック35,35の間隔を縮めることにより、一対のフック35,35をマガジントレイ21の係合凹部21d,21dに係合させることができる。一方、チャック36が一対のフック35,35の間隔を拡げることにより、一対のフック35,35とマガジントレイ21の係合凹部21d,21dとの係合状態を解除することができる。
図6〜図11は、ピッカー3がマガジントレイ21をケース22から引き出す様子を示している。図6に示すように、走行ベース31が装置奥行き方向Xに走行するとともに、昇降台34が一対の昇降レール33に沿って装置高さ方向Zに昇降することにより、複数のマガジン2の中から選択された1つのマガジン2の前方まで一対のフック35が移動される。
その後、図7に示すように、チャック36が、マガジントレイ21に向けて前進し、一対のフック35をマガジントレイ21の係合凹部21dに係合させる。この状態で、チャック36がマガジントレイ21から後退することで、マガジントレイ21がケース22から引き出される。
図8に示すように、チャック36が後退する(マガジン2の前方に移動する)ことにより、マガジントレイ21のカット部21aがケース22の開口部22aを通過する際に、回転台32が回転軸32aを略中心として時計回りに回転される。言い換えれば、図9に示すように、マガジントレイ21の側面21bの頂点21f(回転軸32aからの距離が最も離れた位置)から回転軸32aまでの距離L1が、ケース22の側面の前端部22bから回転軸32aまでの距離L2よりも小さくなったとき、回転台32が回転軸32aを略中心として時計回りに回転される。この回転台32の回転に伴い、マガジントレイ21が図9及び図10に示すように回転軸32aを略中心として回転する。その結果、図10及び図11に示すように、マガジントレイ21がケース22から完全に引き出される。
本第1関連形態では、マガジントレイ21が回転する際にケース22と接触しないように、マガジントレイ21にカット部21aを設け、マガジントレイ21がケース22から完全に引き出される前にマガジントレイ21を回転できるようにしている。これにより、図6に示す位置から図8に示す位置までのマガジントレイ21の移動量を小さく(例えば、トレイ長123mmに対して95mm)して、当該マガジントレイ21の移動を短時間(例えば123mmの移動1秒に対して0.75秒)で行うことができる。また、チャック36が装置幅方向Yに移動する距離が短いので、マガジンストッカー1,1間の距離を短くすることができる。
これに対し、マガジントレイ21をケース22から完全に引き出し、図9Aに示す位置までマガジントレイ21を移動させた場合は、図6に示す位置から図10に示す位置までのマガジントレイ21の移動に要する時間が長く(例えば、1.0秒)なる。また、チャック36が装置幅方向Yに移動する距離が長くなる(例えば、135mm)。このため、マガジンストッカー1,1間の距離も長くなり、装置が大型化することになる。
なお、マガジン2に収納されるディスク100の寸法が規格により決まっているため、マガジン2及びマガジンストッカー1の装置幅方向Yの寸法を小さくすることには限界がある。例えば、ディスク100の規格直径が120mmである場合、マガジン2の装置幅方向Yの寸法は135mm以上必要であり、マガジンストッカー1の装置幅方向Yの寸法は141mm以上必要である。このため、本装置をいわゆる19インチラックに収納しようとした場合、マガジンストッカー1,1間の距離は168mm(=450mm−141mm×2)以下にする必要がある。ここで、マガジン2の形状が平面視において135mm角の矩形であった場合、その対角線長さは191mmとなるので、マガジン2の全体をマガジントレイ21から引き抜いて回すことはできない。これに対して、本第1関連形態に係るディスク装置によれば、前述したように、マガジンストッカー1,1間の距離を短くすることができるので、19インチラックに収納することが可能となる。
図12A、図13A、図14、及び図15は、ピッカー3がケース22内にマガジントレイ21を挿入(収納)する様子を示している。マガジントレイ21のケース22内への挿入は、図10及び図11に示す状態から、図12A、図13A、図14に示すように回転台32を反時計回りに回転させた後、図15に示すようにチャック36をマガジントレイ21内に前進させることにより行われる。右側のマガジンストッカー1へは逆方向に回転させることにより同様に挿入が行われる。
ピッカー3は、開口部22aを通じてマガジントレイ21をケース22内に挿入する際、回転軸32aを略中心としてマガジントレイ21を回転させてカット部21aからケース22に挿入する。図12Bは図12AのA1−A1線断面図であり、図12Cは図12Bの部分拡大図である。図12B及び図12Cに示すように、カット部21aは、ケース22に最初に挿入される先端部の厚み方向の幅W1がケース22の厚み方向の幅W2よりも小さくなるようにテーパ状に形成されている。これにより、マガジントレイ21をケース22内に挿入しやすくなっている。
図13Bは図13AのA2−A2線断面図であり、図13Cは図13Bの部分拡大図である。図13B及び図13Cに示すように、ケース22の下板及び両側板が、開口部22aよりもマガジントレイ21の内側に引っ込むように設けられ、ケース22の上板にマガジントレイ21の移動をガイドする鍔部22cが設けられている。この鍔部22cはディスク100の上部を覆うように設けられている。これにより、マガジントレイ21をケース22に挿入するためにマガジントレイ21を反時計回りに回転させるとき、マガジントレイ21とケース22の下板及び両側板とが接触することを防ぐことができる。その結果、図16A及び図16Bに示すように、マガジントレイ21を反時計回りに回転させる際には、マガジントレイ21がケース22の上板に接触しないように、マガジントレイ21の位置を少し下げることができる。また、マガジントレイ21をケース22内に挿入する際には、図13B及び図13Cに示すように、マガジントレイ21を鍔部22cに接触するように上昇させ、その後、当該鍔部22cに沿ってマガジントレイ21を移動させることにより、マガジントレイ21をケース22内に、より確実に挿入することができる。
図10及び図11に示すように、ケース22から引き出されたマガジントレイ21は、図17に示すように、ピッカー3の走行ベース31が装置後方へ走行することにより、複数のディスクドライブ4の近傍に搬送される。その後、ピッカー3のチャック36が前進し、セパレータ5の上方にマガジントレイ21が移動される。
セパレータ5は、装置高さ方向Zに移動可能な昇降台51と、複数枚のディスク100のそれぞれに設けられた中心穴100aに挿入される軸部52とを備えている。また、マガジントレイ21には、図4に示すように、中心穴100aに対応する位置に貫通穴21eが設けられている。
図18に示すように、ピッカー3のチャック36が前進され、セパレータ5の軸部52の鉛直上方に貫通穴21eが位置すると、ピッカー3の昇降台34が下降される。これにより、図19に示すように、セパレータ5の軸部52が、マガジントレイ21の貫通穴21eを通じて各ディスク100の中心穴100aに挿入される。このとき、軸部52の先端部が芯棒23に係合し、芯棒23が各ディスク100の中心穴100aから抜ける。
図20はセパレータ5の軸部52の構成を示す斜視図であり、図21はその分解斜視図である。図21に示すように、軸部52は、アッパーピース53と、昇降軸54と、複数のディスクチャックユニット55a〜55fと、ローワーピース56と、回動ベース57と、ベース58とを備えている。
図22は、アッパーピース53の拡大斜視図である。図23は、昇降軸54の拡大斜視図である。アッパーピース53の中央部には、昇降軸挿入孔53aが設けられている。昇降軸54の先端部には、フランジ部54aと、複数のアッパーピース押さえ爪54bとが設けられている。昇降軸54は、フランジ部54aがアッパーピース53の下面に接触するように昇降軸挿入孔53aに挿入され、複数のアッパーピース押さえ爪54bがアッパーピース53の上面に係合することにより、アッパーピース53を回動自在に保持する。また、昇降軸54の外周面には、軸部52の軸方向Z1に延在するように凸リブ54cが設けられている。
また、アッパーピース53の外周部には、1段目のディスクチャックユニット55aと係合する複数の1段目用下ストッパー53cが設けられている。また、アッパーピース53の外周部には、軸方向Z1の下方に向けて延在するように駆動軸53bが設けられている。駆動軸53bには、1段目用下ストッパー53cと、4段目のディスクチャックユニット55dと係合する4段目用下ストッパー53dとが設けられている。各ストッパー53c,53dの機能については、後で詳しく説明する。
図24及び図25は、各ディスクチャックユニット55a〜55fの構成を示す斜視図であり、図26はその分解斜視図である。各ディスクチャックユニット55a〜55fは、複数のディスク保持部の一例である複数のフック81と、内周ベース82と、外周ベース83とを備えている。
各フック81の一端部には、図25に示すように、ディスク100の内周部に設けられた凹部100bに入り込み、ディスク100の内周部を挟持可能なチャック爪部の一例である一対のチャック爪81a,81aが設けられている。各フック81の他端部には、図26に示すように、回動軸81bが設けられている。
内周ベース82は、略リング状の部材である。内周ベース82の内周部には、昇降軸54が摺動自在に挿入される昇降軸挿入孔82aが設けられている。昇降軸挿入孔82aには、昇降軸54の凸リブ54cが挿入されるキー溝82bが形成されている。昇降軸54の凸リブ54cがキー溝82bに挿入されることにより、昇降軸54が軸回りに回動する際、内周ベース82が昇降軸54と一体的に回動する。
内周ベース82には、複数のフック摺動面82cが形成され、当該フック摺動面82cに回動軸孔82dが設けられている。各フック81は、回動軸81bを回動軸孔82dに挿入されることにより、一定の角度でフック摺動面82cに沿って回動自在に取り付けられる。また、内周ベース82には、各フック81のアッパーピース53側への移動を規制する複数のフック押さえ爪82eが設けられている。
外周ベース83は、略リング状の部材である。外周ベース83の内周部には、各フック押さえ爪82eを下方から支持する複数の内周ベース受け部83aが設けられている。また、外周ベース83の内周部には、内周ベース82のアッパーピース53側への移動を規制するように各フック摺動面82cに上方から接触する複数の内周ベース押さえ爪83bが設けられている。外周ベース83は、複数の内周ベース受け部83a及び複数の内周ベース押さえ爪83bにより、内周ベース82を回動自在に保持する。
外周ベース83の外周部には、複数の外周壁83cが外周ベース83の厚み方向に立設されている。各外周壁83cには、複数のフック出入孔83dが設けられている。各フック出入孔83dにフック81が挿入されている。外周ベース83を固定した状態で内周ベース82を回動させることにより、各フック81は、図24及び図25に示すように、フック出入孔83dを出入りする。各フック81の一対のチャック爪81aは、図25に示すようにフック出入孔83dから突出するとき、図27に示すようにディスク100の内周部の凹部100bに入り込み、ディスク100の内周部を挟持する。一方、各フック81の一対のチャック爪81aは、図24に示すようにフック出入孔83d内に位置するとき、ディスク100の内周部から離れる。以下、一対のチャック爪81aがディスク100の内周部を挟持する位置を「保持位置」という。また、一対のチャック爪81aがディスク100の内周部から離れた位置を「退避位置」という。図28は、各ディスクチャックユニット55a〜55fの一対のチャック爪81aが保持位置に位置する状態を示している。
図29は、ローワーピース56の拡大斜視図である。ローワーピース56は、略リング状の部材である。ローワーピース56の中央部には、昇降軸54が摺動自在に挿入される昇降軸挿入孔56aが設けられている。ローワーピース56の外周部には、6段目のディスクチャックユニット55fと係合する複数の6段目用上ストッパー56bが設けられている。また、ローワーピース56の外周部には、軸方向Z1の上方に向けて延在するように駆動軸56cが設けられている。駆動軸56cには、6段目用上ストッパー56bと、3段目のディスクチャックユニット55cと係合する3段目用上ストッパー56dとが設けられている。各ストッパー56b,56dの機能については、後で詳しく説明する。また、ローワーピース56の外周部には、軸方向Z1の下方に向けて延在するように複数の回動ベース固定爪56eが設けられている。
図30は、回動ベース57の拡大斜視図である。回動ベース57は、略円筒形の部材である。回動ベース57の中央部には、後述するベース58の回動軸58aが回動可能に挿入される回動軸挿入孔57aが設けられている。回動ベース57の外周部には、ローワーピース56の各回動ベース固定爪56eが係合されるローワーピース固定爪引掛け部57bが設けられている。ローワーピース56は、各回動ベース固定爪56eがローワーピース固定爪引掛け部57bに係合することにより、回動ベース57に保持される。
回動ベース57の底部57cは、その上面でディスク100を保持することができるように、ディスク100の中心穴100aよりも直径が大きく、マガジントレイ21の貫通穴21eよりも直径が小さく形成されている。回動ベース57の底部57cには、軸方向Z1の上方に向けて延在するように駆動シャフト57dが設けられている。
図31は、ベース58の拡大斜視図である。ベース58は、回動ベース57の回動軸挿入孔57aに挿入される円筒状の回動軸58aと、回動軸58aの底部に設けられた円盤58bとを備えている。回動軸58a及び円盤58bには、それらの中心部を軸方向Z1に貫通するように昇降軸挿入孔58cが設けられている。昇降軸挿入孔58cには、昇降軸54の凸リブ54cが挿入されるキー溝58dが形成されている。昇降軸54の凸リブ54cがキー溝58eに挿入されることにより、昇降軸54が軸回りに回動する際、ベース58が昇降軸54と一体的に回動する。
本第1関連形態では、図26に示すように、各ディスクチャックユニット55a〜55fの外周壁83cは、108度の間隔で3つ設けられている。外周壁83cの高さは、ディスク100の3枚分の厚さと同等の寸法に設定されている。外周ベース83の本体部分の高さは、ディスク100の1枚分の厚さと同等の寸法に設定されている。また、各外周壁83には、正面(外側)から見たときの左上部分に上ストッパー83eが設けられるとともに、当該右下部分に下ストッパー83fが設けられている。
図32及び図33は、アッパーピース53とディスクチャックユニット55a〜55fとローワーピース56とを組み立てた状態を示す斜視図である。図32及び図33に示すように、1段目〜3段目のディスクチャックユニット55a〜55cは、互いの外周壁83c−1〜83c−3が接触しないように、周方向に位相をずらして積層されている。同様に、4段目〜6段目のディスクチャックユニット55d〜55fは、互いの外周壁83c−4〜83c−6が接触しないように、周方向に位相をずらして積層されている。
1段目のディスクチャックユニット55aの外周壁83c−1と、4段目のディスクチャックユニット55dの外周壁83c−4とは、軸方向Z1に隣接している。2段目のディスクチャックユニット55bの外周壁83c−2と、5段目のディスクチャックユニット55eの外周壁83c−5とは、軸方向Z1に隣接している。3段目のディスクチャックユニット55cの外周壁83c−3と、6段目のディスクチャックユニット55fの外周壁83c−6とは、軸方向Z1に隣接している。
また、1段目のディスクチャックユニット55aの各上ストッパー83e−1は、アーパーピース53の1段目用下ストッパー53cと係合している。6段目のディスクチャックユニット55fの各下ストッパー83f−6は、ローワーピース56の6段目用上ストッパー56bと係合している。また、図20に示すように、アーパーピース53の駆動軸53bとローワーピース56の駆動軸56cとが互いに対向する空間には、回動ベース57の駆動シャフト57dが配置される。この駆動シャフト57dにより、アッパーピース53、各ディスクチャックユニット55a〜55fの外周ベース83、及びローワーピース56の軸回りの回動が規制される。
図32及び図33に示す状態から昇降軸54が上昇すると、当該昇降軸54の先端部に保持されるアッパーピース53が上昇される。一方、ローワーピース56は、回動ベース57に保持されているので上昇しない。これにより、各ディスクチャックユニット55a〜55fが互いの間隔を広げるように移動し、図34〜図36に示す状態になる。
このとき、1段目のディスクチャックユニット55aの各下ストッパー83f−1は、2段目のディスクチャックユニット55bの各上ストッパー83e−2と係合する。2段目のディスクチャックユニット55bの各下ストッパー83f−2は、3段目のディスクチャックユニット55cの各上ストッパー83e−3と係合する。3段目のディスクチャックユニット55cの各下ストッパー83f−3は、4段目のディスクチャックユニット55dの各上ストッパー83e−4、又はローワーピース56の3段目用上ストッパー56dと係合する。また、4段目のディスクチャックユニット55dの各上ストッパー83e−4の1つは、図35に示すように、アッパーピース53の4段目用下ストッパー53dと係合する。4段目のディスクチャックユニット55dの各下ストッパー83f−4は、5段目のディスクチャックユニット55eの各上ストッパー83e−5と係合する。5段目のディスクチャックユニット55eの各下ストッパー83f−5は、6段目のディスクチャックユニット55fの各上ストッパー83e−6と係合する。
図34〜図36に示す状態で昇降軸54を軸回りに回動させると、図37に示すように、各ディスクチャックユニット55a〜55fの一対のチャック爪81aが前記保持位置に移動する。駆動シャフト57dにより、各ディスクチャックユニット55a〜55fの外周ベース83の軸回りの回動が規制される一方で、各ディスクチャックユニット55a〜55fの内周ベース82は昇降軸54と伴に軸回りに回動するからである。
図19に示すように、セパレータ5の軸部52がマガジントレイ21の貫通穴21eを通じて各ディスク100の中心穴100aに挿入されたとき、軸部52は、図20に示す状態にある。この状態で昇降軸54が軸回りに回動されることにより、図28に示すように、各ディスクチャックユニット55a〜55fの一対のチャック爪81aが前記保持位置に移動する。これにより、各一対のチャック爪81aが、図27に示すように、各ディスク100の凹部100bに入り込み、各ディスク100の内周部を挟持する。なお、このとき、各一対のチャック爪81aは、周方向に位相をずらして設けられているので、互いに接触しない。このため、複数枚のディスク100が互いに密着して積層されていても、各ディスク100の内周部を挟持することができる。
各一対のチャック爪81aが各ディスク100の凹部100bに入り込み、ディスク100の内周部を挟持すると、昇降台51が上昇する。これにより、図38に示すように、複数枚のディスク100がマガジントレイ21の上方に持ち上げられる。この状態で昇降軸54が上昇すると、図37に示すように各ディスクチャックユニット55a〜55fの一対のチャック爪81aが互いの間隔を広げるように移動する。これにより、図39及び図40に示すように、複数枚のディスク100が互いに分離される。
その後、図41に示すように、昇降台51が上昇される。昇降台51には、装置高さ方向Zに延在するように複数本のリードスクリュー51aが設けられている。昇降台51は、当該リードスクリュー51aが軸回りに回転することにより昇降するように構成されている。
図41に示す位置まで昇降台51が上昇されると、ピッカー3の走行ベース31がさらに装置後方へ走行する。これにより、図42A〜図43Bに示すように、複数枚のディスク100が互いに分離された状態でキャリア6に受け渡される。
キャリア6は、図1に示すように、回転台61を備えている。回転台61は、装置高さ方向Zに延在する回転軸61aを略中心として回転可能に設けられている。回転台61には、装置高さ方向Zに延在するように3本のリードスクリュー62が設けられている。各リードスクリュー62には、略C字型の複数のディスク外周保持部材63が互いに並行になるように取り付けられている。複数枚のディスク100は、当該複数のディスク外周保持部材63にそれぞれ外周部を保持される。
また、2本のリードスクリュー62,62の先端部には、図42A〜図43Bに示すように、芯棒保持部64が設けられている。芯棒保持部64には、芯棒23を受け入れる凹部64aが設けられている。
図43A及び図43Bに示すように、各ディスク100がディスク外周保持部材63に保持されるとともに芯棒23が凹部64aに挿入されると、図36に示すように各一対のチャック爪81aが前記退避位置に移動する。その後、図44に示すように、昇降台51が下降される。このとき、芯棒23は、軸部51との係合が解除され、上面外周部に形成されたフランジ部23aが芯棒保持部64の上面に接触することにより、芯棒保持部64に保持される。
軸部52が各ディスク100の中心穴100aから抜けるまで昇降台51が下降されると、ピッカー3の走行ベース31が装置前方へ走行する。これにより、図45A及び図45Bに示すように、各ディスク外周保持部材63の下方からセパレータ5が退避する。
その後、各リードスクリュー62が軸回りに回転されることにより、図46Aに示すように、複数のディスクドライブ4のそれぞれに形成されたディスク挿入口4aの配置間隔に対応するように、複数枚のディスク100のそれぞれの隙間が拡大される。
その後、図47A及び図47Bに示すように、複数枚のディスク100の各ディスク外周保持部材63に直接保持されていない部分が各ディスク挿入口4aの近傍に位置するように、回転台61が回転される。
その後、図示しないディスク押出し機構により、図48A〜図48Cに示すように、各ディスク100をディスクドライブ4のディスク挿入口4aに挿入する。これにより、複数のディスクドライブ4のそれぞれにディスク100が供給される。
本第1関連形態に係るディスク装置によれば、複数枚のディスク100を収納するマガジントレイ21を、ディスクドライブ4の近傍に搬送するようにしている。すなわち、複数枚のディスク100を同時にディスクドライブ4の近傍に搬送するようにしている。これにより、ディスク100を1枚ずつマガジン2からディスクドライブ4に搬送する従来のディスク装置に比べて、複数のディスクドライブ4のそれぞれにディスク100を搬送するのに要する時間を大幅に短縮することができる。
また、本第1関連形態に係るディスク装置によれば、マガジントレイ21に収納された複数枚のディスク100を、セパレータ5により互いに接触しないように分離し、当該分離した状態でキャリア6に受け渡すようにしている。これにより、互いに隣接するディスク100同士が接触して、ディスク100に傷が付くことを抑えることができる。
また、本第1関連形態に係るディスク装置によれば、複数のディスクドライブ4を装置高さ方向(厚さ方向)に積層して配置している。また、キャリア6は、複数のディスクドライブ4のそれぞれに形成されたディスク挿入口4aの配置間隔に対応するように、複数枚のディスクのそれぞれの隙間を拡大可能に構成されている。これにより、複数のディスクドライブ4のそれぞれにディスク100を同時に挿入することができるので、複数のディスクドライブ4のそれぞれにディスク100を搬送するのに要する時間を大幅に抑えることができる。
また、本第1関連形態に係るディスク装置によれば、セパレータ5とピッカー3とを一体に構成しているので、それらを移動させる駆動源を1つにすることができる。
また、本第1関連形態に係るディスク装置によれば、複数枚のディスク100がセパレータ5により分離されるまで、各ディスク100の中心穴100aに挿入され、当該複数枚のディスク100の面方向の移動を規制する芯棒23を備えている。これにより、互いに隣接するディスク100同士が接触して、ディスク100に傷が付くことをより一層抑えることができる。
また、本第1関連形態に係るディスク装置によれば、マガジントレイ21にカット部21aを設けて、マガジントレイ21がケース22と接触することを避け、マガジントレイ21がケース22から完全に引き出される前にマガジントレイ21を回転させるようにしている。これにより、図6に示す位置から図10に示す位置までのマガジントレイ21の移動時間を短くするとともに当該マガジントレイ21の移動量を短くすることができる。その結果、ディスク100の搬送時間を短くすることができるとともに、マガジンストッカー1,1間の距離を短くして、装置の大型化を抑えることができる。
また、本第1関連形態に係るディスク装置によれば、マガジントレイ21の側面21bが円弧状に形成されているので、マガジントレイ21がケース22と接触しないようにするためのマガジントレイ21の引き出し量を小さくすることができる。これにより、より一層、ディスク100の搬送時間を短くするとともに装置の大型化を抑えることができる。なお、側面21bは、マガジントレイ21がピッカー3により回転される際の回転軸32aを略中心とする円弧状に形成されることがより好ましい。これにより、マガジントレイ21の前記引き出し量をより一層小さくすることができる。
また、本第1関連形態に係るディスク装置によれば、ピッカー3は、開口部22aを通じてマガジントレイ21をケース22内に挿入する際、マガジントレイ21を回転させてカット部21aからケース22に挿入するように構成されている。また、カット部21aは、ケース22に最初に挿入される先端部の厚み方向の幅W1がケース22の厚み方向W2の幅よりも小さくなるようにテーパ状に形成されている。これにより、マガジントレイ21をケース22内に容易に挿入することができる。
なお、マガジントレイ21がケース22内に収納された際に最もケース22の背面側に位置する側面21bの部分は、ディスク100との距離が近いため、カット部21aのようにテーパ状に形成することができない。このため、マガジントレイ21をケース22内に前記側面21bの部分を先頭に真っ直ぐ挿入した場合には、マガジントレイ21とケース22とが接触して、マガジントレイ21をケース22内に挿入することができないことが起こり得る。
また、本第1関連形態に係るディスク装置によれば、マガジントレイ21の側面21bの全体が円弧状に形成されているので、前記テーパ状の部分の面積を十分確保することができる。
また、本第1関連形態に係るディスク装置によれば、ケース22の下板及び両側板が、開口部22aよりもマガジントレイ21の内側に引っ込むように設けられ、ケース22の上板にマガジントレイ21の移動をガイドする鍔部22cが設けられている。これにより、前述したように、マガジントレイ21をケース22内に、より確実に挿入することができる。
また、本第1関連形態に係るディスク装置によれば、マガジントレイ21に切欠部21cを設け、当該切欠部21cのマガジントレイ21の幅方向の内側に、ピッカー3のフック35が係合する係合凹部21dを設けている。これにより、フック35が係合凹部21dに係合した際、マガジントレイ21に対して幅方向にはみ出すフック35の部分を少なく又は無くすことができる。これにより、昇降レール33,33の間を狭くすることができ、回転台32の直径を小さくすることができる。また、該切欠部21cによりケース22の前面側部の壁が切りかかれ、マガジントレイ21を引き抜く際の邪魔にならない。その結果、当該マガジントレイ21に隣接するマガジントレイ21にフック35が接触することを抑えることができ、互いに隣接するマガジントレイ21同士を接近して配置することができる。これにより、装置の小型化を図ることができる。
また、本第1関連形態に係るディスク装置によれば、ディスク100の内周部を挟持可能な一対のチャック爪81aをそれぞれ有する複数のフック81を備えている。これにより、複数枚のディスク100をそれぞれ一対のチャック爪81aによりしっかりと挟持することができる。また、複数のフック81が軸部52の周方向に位相が異なるように設けられているので、一対のチャック爪81a,81a同士が接触することを避けることができる。これにより、複数枚のディスク100が互いに密着して積層された状態であっても、各ディスク100を一対のチャック爪81aにより確実に挟持することができる。また、複数のフック81の軸方向における互いの間隔を拡大可能に設けられているので、各一対のチャック爪81aにより挟持した各ディスク100を同時に分離することができる。従って、複数枚のディスク100を分離するのに要する時間を、特許文献2の装置よりも大幅に抑えることができる。
なお、前記では、一対のチャック爪81a,81a同士が接触することを避ける方法の1つとして、複数のフック81を軸部52の周方向に位相が異なるように設けたが、本発明はこれに限定されない。複数のフック81は、一対のチャック爪81a,81a同士が接触することを避けることができるように配置されていればよい。
また、本第1関連形態に係るディスク装置によれば、ディスク100の内周部に凹部100bを設け、当該ディスク100の内周部を一対のチャック爪81aにより挟持するようにしている。これにより、互いに隣接するディスク100間にチャック爪81aを挿入するための隙間を無くすことができる。その結果、複数枚のディスク100をより一層密着させ、1つのマガジン2に収納されるディスク100の枚数を増加させることができる。
なお、本発明は前記第1関連形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施できる。例えば、前記では、マガジントレイ21の側面21bの全体が円弧状に形成されるものとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、マガジントレイ21の側面21bの一部が円弧状に形成されるものであってもよい。この場合でも、同様の効果を得ることができる。
また、前記では、カット部21aは、平面視において円弧状(R面)に形成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、カット部21aは、平面視において直線状(C面)に形成されてもよい。この場合でも、同様の効果を得ることができる。
また、前記では、図9に示すように、マガジントレイ21の側面21bの頂点21fから回転軸32aまでの距離L1が、ケース22の側面の前端部22bから回転軸32aまでの距離L2よりも小さくなったとき、回転台32が回転軸32aを略中心として時計回りに回転されるものとしたが、本発明はこれに限定されない。マガジントレイ21の側面21b(カット部21a,21aを含む)において回転軸32aからの距離が最も離れた位置から回転軸32aまでの距離が、距離L2よりも小さくなったとき、回転台32が回転軸32aを略中心として時計回りに回転されるようにすればよい。この場合でも、同様の効果を得ることができる。
また、ケース22の形状は、図3に示すような形状に限定されるものではなく、直方体形状や、背面側の側面が円弧状に形成された形状であってもよい。すなわち、ケース22の形状は、巨視的に見て略直方体形状であればよい。
また、前記では、ディスク100の内周部を保持するチャック爪部の一例として、一対のチャック爪81a,81aを挙げたが、本発明はこれに限定されない。チャック爪部は、ディスク100の内周部を保持可能なものであれば、どのような形態であってもよい。例えば、図50A及び図50Bに示すように、チャック爪部81bは、ディスク100の内周部の下部を支持することでディスク100の内周部を保持するようにしてもよい。
また、前記では、ディスク100の凹部100bは、図27に示すように、ディスク100の内周部の上側角部を矩形に切り欠いた形状としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、ディスク100の凹部100bは、図49Aに示すように、ディスク100の内周部の上側角部を斜めに切断した形状であってもよい。また、ディスク100の凹部100bは、図49Bに示すように、ディスク100の内周部の上側角部を平面100baと斜面100bbを有するように切断した形状であってもよい。
《第2関連形態》
次に、本発明の第2関連形態に係るディスク装置について説明する。図51は、本発明の第2関連形態に係るディスク装置の概略構成を示す斜視図である。本第2関連形態に係るディスク装置が、前記第1関連形態に係るディスク装置と異なる点は、複数枚のディスクを互いに分離した後にディスクドライブに搬送することに代えて、各ディスクドライブのトレイの上方で複数枚のディスクから1枚のディスクを分離し、当該トレイにディスクを載置するように構成されている点である。
まず、図51を用いて、本第2関連形態に係るディスク装置の全体構成について説明する。
本第2関連形態に係るディスク装置は、2つのマガジンストッカー101,101を備えている。2つのマガジンストッカー101,101は、底シャーシ111上において、装置幅方向Yに互いに対向するように設けられている。なお、図51では、一方(手前側)のマガジンストッカー101の図示を省略している。また、図51では、マガジンストッカー101の天板及び仕切板の図示を省略している。
各マガジンストッカー101には、複数のマガジン102が収納されている。各マガジン102は、複数枚(例えば、12枚)のディスクを収納するマガジントレイ121を有している。2つのマガジンストッカー101,101の間には、複数のマガジン102の中から選択された1つのマガジン102からマガジントレイ121を引き出し、当該マガジントレイ121を保持するピッカー103が設けられている。
ピッカー103は、当該保持したマガジントレイ121を、装置後方に配置された複数のディスクドライブ104の近傍まで搬送するように構成されている。ピッカー103には、マガジントレイ121から複数枚のディスクを押し出すリフター105が一体的に設けられている。
ディスクドライブ104は、ディスクに対して情報の記録又は再生を行う装置である。また、ディスクドライブ104は、トレイを用いてディスクをローディングするトレイ方式のディスクドライブである。複数のディスクドライブ104は、装置高さ方向Zに積層され、装置後方において各マガジンストッカー101,101に隣接して配置されている。一方のマガジンストッカー101に隣接して積層配置された複数のディスクドライブ104と、他方のマガジンストッカー101に隣接して積層配置された複数のディスクドライブ104との間には、キャリア106が設けられている。
キャリア106は、リフター105により押し出された複数枚のディスクを積層状態で保持し、任意のディスクドライブ104から排出されたトレイ104a(図81参照)の上方で、前記保持した複数枚のディスクから1枚のディスクを分離し、当該分離したディスクを前記トレイ104aに載置するように構成されている。なお、本第2関連形態においては、リフター105とキャリア106とにより、ディスク分離供給装置が構成されている。
キャリア106及び複数のディスクドライブ104より更に装置後方には、電気回路及び電源107が設けられている。電気回路及び電源107には、ピッカー103、ディスクドライブ104、キャリア106などの各装置の動作(モータ等)を制御する制御部が設けられている。当該制御部は、例えば、データを管理するホストコンピュータに接続されている。ホストコンピュータは、オペレータの指示に基づき、指定のマガジン102へのデータの書き込み又は読み出し等の動作を行うように制御部に指令を送る。制御部は、当該指令に従い、ピッカー103、ディスクドライブ104、キャリア106などの各装置の動作を制御する。
次に、前述した各装置及び各部品の構成についてより詳しく説明する。
マガジンストッカー101は、ピッカー103を摺動自在にガイドするガイドレール112に沿って設けられている。ガイドレール112は、装置奥行き方向Xに(マガジンストッカー101の長手方向)に延在するように設けられている。マガジンストッカー101の装置前方側の側面には、把手113が設けられている。把手113を引くことにより、マガジンストッカー101を装置前方に移動させることができる。各マガジンストッカー101は、装置幅方向Yから見て格子状に形成された仕切板(図示せず)を備えている。当該仕切板に囲まれたそれぞれの空間にマガジン102が収納されている。
マガジン102は、図52Aに示すように、マガジントレイ121と、マガジントレイ121を収納する略直方体形状のケース122とを備えている。ケース122の前面(一側面)には、図52Bに示すように、マガジントレイ121を挿抜可能な開口部122aが設けられている。
マガジントレイ121は、外形が平面視において略矩形状に形成されている。マガジントレイ121は、複数枚のディスク100を互いに密着して積層した状態で収納する。マガジントレイ121がケース122内に収納された際にケース122の背面側に位置する両コーナー部分には、カット部121a,121aが形成されている。また、マガジントレイ121がケース122内に収納された際にケース122の背面側に位置する側面121bは、カット部121a,121aを含む全体が円弧状に形成されている。
マガジントレイ121がケース122内に収納された際にケース122の前面側に位置する両コーナー部分には、切欠部121c,121cが形成されている。マガジントレイ121の幅方向において、切欠部121c,121cの内側には、後述する一対のフック135,135が係合する係合凹部121d,121dが形成されている。
マガジントレイ121には、複数枚のディスク100のそれぞれに設けられた中心穴100aに挿入され、各ディスク100の面方向の移動を規制する芯棒123が設けられている。この芯棒123により、各ディスク100の面方向の移動による各ディスク100の傷付きが防止される。芯棒123には、後述するディスクチャックユニット162のスピンドルヘッド167bが係合する係合部123aが設けられている。
芯棒123の近傍には、後述するリフター105の昇降ピン152aが挿入される孔121eが少なくとも1つ以上設けられている。本第2関連形態では、3つの孔121eが120度間隔で設けられている。また、3つの孔121eは、ディスク100が芯棒123に挿入されたとき、当該ディスク100の内周部の非記録再生領域と対向する位置に設けられている。
ピッカー103は、走行ベース131を備えている。走行ベース131の一方のマガジンストッカー101側には、図53に示すように、ガイドレール112を摺動自在に移動する台車131aが取り付けられている。また、走行ベース131の他方のマガジンストッカー101側には、図54に示すように、ローラ131bが取り付けられている。
走行ベース131には、図53に示すように、ピッカー103を装置奥行き方向Xに移動させる駆動力を発生させるピッカーモータ131cが設けられている。ピッカーモータ131cの駆動軸に圧入されたモータギヤ131iには、減速ギヤ131dが噛み合っている。減速ギヤ131dは、ピニオンギヤ131eと噛み合っている。ピニオンギヤ131eは、ガイドレール112に隣接して装置奥行き方向Xに延在するように設けられたラック114と噛み合っている。
ピッカーモータ131cが駆動されると、ピッカーモータ131cの駆動力がモータギヤ131i、減速ギヤ131dを介してピニオンギヤ131eに伝達され、ピニオンギヤ131eが回転する。ここで、ラック114は、底シャーシ111に固定されている。一方、走行ベース131は、底シャーシ111に固定されていない。このため、ピニオンギヤ131eが回転すると、ピニオンギヤ131eがラック114に沿って移動し、ピッカー103が装置奥行き方向Xに移動する。
ピッカーモータ131cには、例えば、ステッピングモータが用いられる。当該ピッカーモータ131cに所定のパルスを与えることにより、ピッカー103を所定のマガジン102の前に移動させることができる。
板金で形成された走行ベース131には、樹脂で形成されたピッカーベース131hが取り付けられている。ピッカーベース131hには、回転台132が、装置高さ方向Zに延在する回転軸132aを略中心として回転可能に設けられている。また、ピッカーベース131hには、回転台132を回転させる駆動力を発生させる回転台モータ131fが設けられている。回転台モータ131fの駆動軸に圧入されたモータギヤ131jには、図54に示すように、減速ギヤ131gが噛み合っている。減速ギヤ131gは、回転台132の外周部に設けられた回転台ギヤ132bと噛み合っている。回転台モータ131fが駆動されると、回転台モータ131fの駆動力がモータギヤ131j、減速ギヤ131gを介して回転台ギヤ132bに伝達され、回転台132が回転する。
回転台132には、装置高さ方向Zに延在し且つ互いに対向するように一対の昇降レール133,133が設けられている。一対の昇降レール133,133の間には、昇降台134が設けられている。また、回転台132には、昇降台134を昇降させる駆動力を発生させる昇降台モータ132cが設けられている。
昇降台モータ132cの駆動軸に圧入されたモータギヤ132kには、図54に示すように、リレーギヤ132dが噛み合っている。リレーギヤ132dには、連結シャフトギヤ132eが噛み合っている。連結シャフトギヤ132eの中心部には、連結シャフト132fが貫通している。連結シャフト132fの両端部には、ウォーム132g,132gが固定されている。各ウォーム132gは、リレーギヤ132hと噛みっている。各リレーギヤ132hは、リードスクリューギヤ132iと噛み合っている。各リードスクリューギヤ132iは、リードスクリュー132jに固定されている。各リードスクリュー132jは、昇降レール133に沿って装置高さ方向Zに延在するように設けられている。各リードスクリュー132jには、図53に示すように、昇降台134に設けられたナット134aが螺合している。
昇降台モータ132cが駆動されると、昇降台モータ132cの駆動力が、モータギヤ132k、リレーギヤ132d、連結シャフトギヤ132e、連結シャフト132f、ウォーム132g、リレーギヤ132h、リードスクリューギヤ132iを介してリードスクリュー132jに伝達され、リードスクリュー132jが回転する。これにより、昇降台134が一対の昇降レール133,133に沿って装置高さ方向Zに昇降する。
昇降台134には、図58に示すように、マガジントレイ121の係合凹部121dに係合可能な一対のフック135,135と、一対のフック135,135の開閉動作を行う機構を有すると共に前後へ移動させるチャック136とが設けられている。
また、昇降台134には、図55に示すように、チャックモータ134bが設けられている。チャックモータ134bの駆動軸に圧入されたモータギヤ134fには、減速ギヤ134cが噛み合っている。減速ギヤ134cは、リードスクリューギヤ134dに噛み合っている。リードスクリューギヤ134dは、リードスクリュー134eに固定されている。リードスクリュー134eは、一対の昇降レール133,133を結ぶ直線に対して直交する方向に延在するように設けられている。リードスクリュー134eには、チャック136に固定されたナット136aが螺合している。
チャックモータ134bが駆動されると、チャックモータ134bの駆動力が、モータギヤ134f、減速キヤ134c、リードスクリューギヤ134d、リードスクリュー134eを介してナット136aに伝達され、チャック136がリードスクリュー134eに沿って移動する。
また、チャック136は、一対のフック135,135の間隔を調整可能に構成されている。チャック136が一対のフック135,135の間隔を縮めることにより、一対のフック135,135をマガジントレイ121の係合凹部121d,121dに係合させることができる。一方、チャック136が一対のフック135,135の間隔を拡げることにより、一対のフック135,135とマガジントレイ121の係合凹部121d,121dとの係合状態を解除することができる。
一対の昇降レール133は、U字状のアングル137の両側面に取り付けられている。一対のリードスクリュー132jの上端部は、アングル137の上面に回動自在に取り付けられている。
ピッカーモータ131c、回転台モータ131f、昇降台モータ132c、及びチャックモータ134bは、FFC(フレキシブルフラットケーブル)114(図51参照)を介して電気回路及び電源107の制御部と接続され、当該制御部により駆動を制御される。
図56〜図62は、ピッカー103がマガジントレイ121をケース122から引き出す様子を示している。走行ベース131が装置奥行き方向Xに走行するとともに、昇降台134が一対の昇降レール133に沿って装置高さ方向Zに昇降することにより、図56に示すように、複数のマガジン102の中から選択された1つのマガジン102の前方までピッカー103が移動される。また、図57に示すように、チャック136が当該マガジン102の正面に向くように、回転台132が回転される。
その後、図58に示すように、チャック136が、マガジントレイ121に向けて前進し、図59に示すように、一対のフック135,135をマガジントレイ121の係合凹部121d,121dに係合させる。この状態で、チャック136がケース122から後退することで、マガジントレイ121がケース122から引き出される。
図60に示すように、チャック136が後退する(ケース122の前方に移動する)ことにより、マガジントレイ121のカット部121aがケース122の開口部122aを通過した後、回転台132が回転軸132aを略中心として時計回りに回転される。言い換えれば、図61に示すように、マガジントレイ121の側面121bの頂点121f(回転軸132aからの距離が最も離れた位置)から回転軸132aまでの距離L11が、ケース122の側面の前端部122bから回転軸132aまでの距離L12よりも小さくなったとき、回転台132が回転軸132aを略中心として時計回りに回転される。この回転台132の回転に伴い、マガジントレイ121が図61及び図62に示すように回転軸132aを略中心として回転する。その結果、図62に示すように、マガジントレイ121がケース122から完全に引き出される。
図62に示すように、ケース122から引き出されたマガジントレイ121は、ピッカー103の走行ベース131が装置後方へ走行することにより、図63及び図64に示すように、複数のディスクドライブ104の近傍に搬送される。その後、図65に示すように、ピッカー103のチャック136が前進し、リフター105上部のマガジントレイガイド151上の所定の位置にマガジントレイ121が載置される。なお、図64及び図65では、手前側のディスクドライブ104の図示を省略している。同様に、後述する図79A、図80、図81、図82A、図84A、図85〜図88についても、手前側のディスクドライブ104の図示を省略している。
図66は、リフター105のマガジントレイガイド151を取り外した状態を示す分解斜視図であり、図67は、その組立斜視図である。
図66及び図67に示すように、リフター105は、昇降プレート152と、回転カム153と、駆動ギヤ154と、リレーギヤ155と、リフターモータ156とを備えている。
昇降プレート152は、棒状部材の一例である昇降ピン152aと、カムピン152bとを備えている。本第2関連形態では、3つの昇降ピン152aと3つのカムピン152bが、それぞれ120度間隔で設けられている。
3つの昇降ピン152aは、図65に示すように、マガジントレイガイド151上の所定の位置にマガジントレイ121が載置された際に、図52Bに示すようにマガジントレイ121に設けられた3つの孔121eと一致する位置に設けられている。また、図64に示すように、マガジントレイガイド151には、3つの昇降ピン152aに対応する位置に3つの孔151aが設けられている。3つのカムピン152bは、リフター105の本体に設けられた3つのスリット105aに係合される。各スリット105aは、装置高さ方向Zに延在するように設けられている。
回転カム153の内周面には、3つのカムピン152bの先端部が摺動する斜面を有する3つのカム溝153aが設けられている。回転カム153の外周面には、カムギヤ153bが設けられている。カムギヤ153bは、駆動ギヤ154と噛み合っている。駆動ギヤ154は、リレーギヤ155と噛み合っている。リレーギヤ155は、リフターモータ156の駆動軸に圧入されたモータギヤ(図示せず)と噛み合っている。
リフターモータ156が駆動されると、リフターモータ156の駆動力が、モータギヤ(図示せず)、リレーギヤ155を介して駆動ギヤ154に伝達され、駆動ギヤ154が回転する。これにより、駆動ギヤ154とカムギヤ153bで噛み合う回転カム153が回転する。回転カム153が回転されると、3つのスリット105aで回転を規制される3つのカムピン152bの先端部が3つのカム溝153aの斜面を摺動し、昇降プレート152が装置高さ方向Zに昇降する。リフターモータ156は、FFC115(図51参照)を介して電気回路及び電源107の制御部と接続され、当該制御部により駆動を制御される。
図67に示すように、昇降プレート152が上昇すると、3つの昇降ピン152aがマガジントレイガイド151の3つの孔151a及びマガジントレイ121の3つの孔121eを通じてマガジントレイ121内に侵入する。この3つの昇降ピン152aの上昇により、マガジントレイ121から複数枚のディスク100が押し出される。3つの昇降ピン152aにより押し出された複数枚のディスク100は、キャリア106に保持される。
キャリア106は、図68に示すように、複数台(例えば、12台)のディスクドライブ104を収容するハウジング108に設けられている。キャリア106は、装置高さ方向Zに移動する移動ベース161と、移動ベース161に設けられたディスクチャックユニット162とを備えている。
移動ベース161は、図69に示すように、ブッシュ161aを介してボールネジ163に接続されるとともに、ガイド軸受け161bを介してガイドシャフト164に接続されている。ボールネジ163及びガイドシャフト164は、装置高さ方向Zに延在するように設けられている。
ボールネジ163の上端部には、図68に示すように、プーリ163aが取り付けられている。また、ハウジング108には、ボールネジ163を軸回りに回転させる駆動力を発生させるキャリアモータ165が設けられている。キャリアモータ165の駆動軸には、プーリ165aが取り付けられている。プーリ163aとプーリ165aには、ベルト166が架け回されている。
キャリアモータ165が駆動されると、キャリアモータ165の駆動力が、プーリ165a、ベルト166、プーリ163aを介してボールネジ163に伝達され、ボールネジ163が軸回りに回転する。このボールネジ163の回転により、移動ベース161が、ボールネジ163及びガイドシャフト164にガイドされて装置高さ方向Zに移動する。キャリアモータ165は、電気回路及び電源107の制御部と接続され、当該制御部により駆動を制御される。
ディスクチャックユニット162は、リフター105により押し出された複数枚のディスク100を保持し、当該保持した複数枚のディスク100を1枚ずつ分離するように構成されている。具体的には、ディスクチャックユニット162は、図70及び図71に示すように、スピンドルユニット167と、ディスク押し出しリング168と、カムシャフトユニット169とを備えている。
スピンドルユニット167は、略円筒形状のスピンドルシャフト167aと、スピンドルシャフト167aの下端部に設けられた略円錐台形状のスピンドルヘッド167bと、スピンドルシャフト167aの上端部に設けられたフランジ167cとを備えている。
スピンドルシャフト167aには、螺旋状の溝167dが形成されている。スピンドルシャフト167aの直径は、ディスク100の中心穴100aの直径よりも小さく設定されている。例えば、スピンドルシャフト167aの直径は14.5mmであり、ディスク100の中心穴100aの直径は15mmである。
スピンドルシャフト167aとスピンドルヘッド167bとの接続部分の近傍には、図72に示すように、ディスク支持部の一例である複数のボール167eが設けられている。本第2関連形態では、ディスク支持部として3つのボール167eが設けられている。各ボール167eは、バネなどの弾性部材167fにより外方に付勢されている。3つのボール167eのそれぞれの最外点を通る円(外接円:図示せず)の直径は、ディスク100の中心穴100aの直径よりも大きくに設定されている。例えば、3つのボール167eのそれぞれの最外点を通る円の直径は16.5mmである。
スピンドルユニット167は、フランジ167cが移動ベース161の上面に取り付けられることにより、移動ベース161と一体的に移動する。
ディスク押し出しリング168は、スピンドルシャフト167aの外周部に設けられている。ディスク押し出しリング168の内周部には、図71に示すように、螺旋状の溝167dに係合する係合ピン168aが設けられている。本第2関連形態では、3つの係合ピン168aが120度間隔で設けられている。
カムシャフトユニット169は、図71に示すように、略円筒状のカムシャフト169aと、カムシャフト169aの上端部に設けられたカムギヤ169bとを備えている。カムシャフト169aには、装置高さ方向Zに延在するように係合溝169aaが設けられている。本第1関連形態では、3つの係合溝169aaが120度間隔で設けられている。カムシャフト169aは、スピンドルシャフト167a内に挿入され、係合溝169aaがディスク押し出しリング168の係合ピン168aと係合するように設けられている。カムギヤ169bは、図68に示すように、リレーギヤ170と噛み合っている。リレーギヤ170は、図69に示すように、移動ベース161に設けられたディスクチャックモータ171の駆動軸に圧入されたモータギヤ171aと噛み合っている。
ディスクチャックモータ171が駆動されると、ディスクチャックモータ171の駆動力が、モータギヤ171a、リレーギヤ170、カムギヤ169bを介してカムシャフト169aに伝達され、カムシャフト169aが回転する。カムシャフト169aが回転されると、当該カムシャフト169aの係合溝169aaと係合するディスク押し出しリング168が回転する。これにより、ディスク押し出しリング168の係合ピン168aが螺旋状の溝167dを摺動し、ディスク押し出しリング168がスピンドルシャフト167aの外周面に沿って移動する。ディスクチャックモータ171は、電気回路及び電源107の制御部と接続され、当該制御部により駆動を制御される。
図65に示すようにリフター105の上部の所定の位置にマガジントレイ121が載置されると、図73A及び図73Bに示すように、移動ベース161がマガジントレイ121の近傍まで下降される。これにより、スピンドルヘッド167bが、マガジントレイ121に設けられた芯棒123の係合部123a(図52B参照)に係合し、スピンドルヘッド167bと芯棒123とが同軸となる。この状態で、リフターモータ156が駆動されて、昇降プレート152が上昇する(図67参照)。
昇降プレート152が上昇すると、昇降ピン152aが、孔151a,121eを通じてマガジントレイ121内に侵入し、マガジントレイ121から複数枚のディスク100を押し出す。これにより、図74〜図76に示すように、複数枚のディスク100の中心穴100aにスピンドルユニット167が挿入され、ボール167eが、ディスク100の内周部に押され、弾性部材167fの弾性力に抗してスピンドルユニット167の内側の退避位置に移動する。
図77は、全てのディスク100が、ボール167eの側方を通過してスピンドルシャフト167aの外周部まで上昇した状態を示している。この状態では、弾性部材167fが弾性復帰し、ボール167eが元の位置、すなわちスピンドルユニット67の外側の突出位置に戻る。
その後、キャリアモータ165が駆動され、移動ベース161が上昇する。これにより、図78に示すように、ボール167eが、最下部のディスク100の内周部に接触して全てのディスク100を支持する。図79Aは、全てのディスク100がボール167eに支持された状態を示す斜視図であり、図79Bは、その側面図である。
ボール167eが全てのディスク100を支持すると、移動ベース161が、ボールネジ163及びガイドシャフト164にガイドされてさらに上昇する。これにより、スピンドルヘッド167bと芯棒123の係合部123a(図52B参照)との係合が解除される。その後、ディスクチャックモータ171が駆動され、ディスク押し出しリング168が回転し、スピンドルシャフト167aの外周面に沿って、最上部にあるディスク100の上面までディスク押し出しリング168が下降する。その後、図80に示すように、ピッカー103が装置前方に移動して、マガジントレイ121がディスクドライブ104の近傍から退避される。その後、電気回路及び電源107の制御部の制御により、図81に示すように、ディスクドライブ104のトレイ104aが排出される。
その後、図82A及び図82Bに示すように、ディスクチャックユニット162が保持する複数枚のディスク100がトレイ104aの上方(例えば、直上)に位置するように、移動ベース161が下降される。この状態で、ディスクチャックモータ171が駆動されてディスク押し出しリング168が回転し、図83に示すように、スピンドルシャフト167aの外周面に沿って1枚のディスク100の厚み分、ディスク押し出しリング168が下降する。このディスク押し出しリング168の下降により、最下部のディスク100が、弾性部材167fの弾性力に抗してボール167eを押圧し、ボール167eの側方を通過してトレイ104a上に載置される。最下部のディスク100がボール167eの側方を通過すると、弾性部材167fが弾性復帰する力を利用してボール167eがスピンドルシャフト167aの外周面から若干飛び出し、最下部のディスク100の下部エッジを保持する。図84Aは、最下部のディスク100がトレイ104a上に載置された状態を示す斜視図であり、図84Bは、その側面図である。
最下部のディスク100がトレイ104a上に載置されると、スピンドルヘッド167bとトレイ104aとが接触しないように、移動ベース161が上昇される。その後、図85に示すように、トレイ104aがディスクドライブ104内に搬入される。この後又はこれと同時に、当該ディスクドライブと対向するディスクドライブ104のトレイ104aが排出される(図示せず)。その後、前記と同様にして、当該トレイ104aにディスク100が載置され、当該トレイ104aがディスクドライブ104内に搬入される。これにより、最下段(1段目)のディスクドライブ104へのローディング動作が完了する。このローディング動作を2段目以降も繰り返す。
図86は、最上段(例えば、6段目)のディスクドライブ104のトレイ104aにディスク100を載置する様子を示している。最上段のディスクドライブ104へのローディング動作が完了すると、全てのディスクドライブ104にディスク100が搬入され、各ディスクドライブ104のディスク100に対して記録又は再生可能となる。
なお、各ディスクドライブ104のディスク100の回収は、例えば、前記とは逆の順序で行えばよい。具体的には、以下の通りである。
まず、ディスクチャックモータ171が駆動されてディスク押し出しリング168が回転し、スピンドルシャフト167aの外周面に沿ってディスク押し出しリング168が上昇する。これにより、ディスクチャックユニット162が、回収したディスク100を保持できる状態となる。その後、図86に示すように、最上段のディスクドライブ104のトレイ104aが排出される。
その後、当該トレイ104a上のディスク100の中心穴100aにスピンドルユニット167が挿入され、ボール167eが、ディスク100の内周部に押圧され、弾性部材167fの弾性力に抗して退避位置に移動する。ボール167eがディスク100の中心穴100aを通過すると、弾性部材167fが弾性復帰し、ボール167eが元の突出位置に戻る。この状態でスピンドルユニット167が上昇されると、ボール167eが、ディスク100の内周部に接触して当該ディスク100を保持する。
その後、移動ベース161が上昇してスピンドルユニット167が退避したのち、スピンドルユニット167にディスク100を回収されたトレイ104aがディスクドライブ104内に搬入される。この後又はこれと同時に、当該ディスクドライブと対向するディスクドライブ104のトレイ104aが排出される(図示せず)。その後、前記と同様にして、当該トレイ104aのディスク100がスピンドルユニット167に回収され、当該トレイ104aがディスクドライブ104内に搬入される。これにより、最上段(1段目)のディスクドライブ104のディスク回収動作が完了する。このディスク回収動作を最下段のディスクドライブ104内のディスク100を回収するまで繰り返す。図87は、スピンドルユニット167が最下段のディスクドライブ104のトレイ104aに載置されたディスク100を回収する様子を示す側面図である。
スピンドルユニット167が全てのディスク100を回収すると、移動ベース161が上昇される。その後、ピッカー103が装置後方に移動して、スピンドルユニット167の下方にマガジントレイ121がセットされる。
その後、移動ベース161が下降され、スピンドルヘッド167b(図71参照)が芯棒123の係合部123a(図52B参照)に係合し、図73A、図73Bと同様の状態となり、スピンドルヘッド167bと芯棒123とが同軸となる。
その後、押し出しリング168が下降され、当該押し出しリング168の押圧力により、スピンドルユニット167に保持された全てのディスク100が、図88に示すように、マガジントレイ121内に押し出され、収納される。
その後、移動ベース161が上昇されて、スピンドルヘッド167bと芯棒123の係合部123aとの係合が解除され、図65と同様の状態となる。
全てのディスク100を収納したマガジントレイ121は、ピッカー103によりマガジンストッカー101内に戻される。このマガジンストッカー101内へのマガジントレイ121の搬送は、例えば、図56〜図65を用いて説明した動作と逆の動作を行うことにより行われる。
本第2関連形態に係るディスク装置によれば、複数枚のディスク100を収納するマガジントレイ121を、ディスクドライブ104の近傍に搬送するようにしている。すなわち、複数枚のディスク100を同時にディスクドライブ104の近傍に搬送するようにしている。また、本第2関連形態に係るディスク装置によれば、複数枚のディスク100を積層状態でキャリア106に保持させ、各ディスクドライブ104のトレイ104aの上方で複数枚のディスク100から1枚のディスク100を分離するようにしている。これにより、ディスクを1枚ずつマガジンからディスクドライブに搬送する従来のディスク装置に比べて、複数のディスクドライブ104のそれぞれにディスク100を搬送するのに要する時間を大幅に短縮することができる。
また、本第2関連形態に係るディスク装置によれば、複数のディスクドライブ104を同時に使用することができるので、LTO(Linear Tape-Open)よりも高い転送レートを実現することができる。例えば、LTOの転送レートは、現在140MB/S程度である。これに対し、光ディスク(BD)の転送レートは、1倍速で4.5MB/S程度、4倍速でも18MB/S程度である。本第2関連形態に係るディスク装置によれば、例えば、12台のディスクドライブ104の同時使用が可能であるので、216MB/S程度の転送レートを実現することができる。
また、本第2関連形態に係るディスク装置によれば、複数枚のディスク100の中心穴100aにスピンドルユニット167を挿入して複数枚のディスク100を保持するようにしている。これにより、複数枚のディスク100が面方向に移動することを抑えることができ、ディスク同士の接触やディスク間に挟まれたゴミにより、ディスク100に傷が付くことを抑えることができる。
また、本第2関連形態に係るディスク装置によれば、マガジントレイ121が複数枚のディスク100の面方向の移動を規制する芯棒123を有している。これにより、ディスク同士の接触やディスク間に挟まれたゴミにより、ディスク100に傷が付くことをより一層抑えることができる。
また、本第2関連形態に係るディスク装置によれば、スピンドルユニット167が芯棒123に係合した後、複数枚のディスク100を芯棒123及びスピンドルユニット167に沿ってマガジントレイ121からリフター105により押し出すようにしている。これにより、ディスク同士の接触やディスク間に挟まれたゴミにより、ディスク100に傷が付くことをより一層抑えることができる。また、ディスク装置が傾斜面に載置されたような場合であっても、ディスク100を落とすことなく、スピンドルユニット167により確実に保持させることができる。
また、本第2関連形態に係るディスク装置によれば、昇降ピン152aがマガジントレイ121に設けられた孔121eを通じてディスク100の内周部の非記録再生領域と接触し、当該ディスク100を押し出すようにしている。これにより、ディスク100の記録再生領域に傷が付くことを抑えることができる。
また、本第2関連形態に係るディスク装置によれば、昇降ピン152aと孔121eをそれぞれ3つ設けているので、昇降ピン152aによりディスク100を安定して押し出す(持ち上げる)ことができる。
また、本第2関連形態に係るディスク装置によれば、リフター105とピッカー103とを一体に構成しているので、それらを移動させる駆動源を1つにすることができる。
《実施形態》
次に、本発明の実施形態に係るディスク装置について説明する。図89は、本発明の実施形態に係るディスク装置が備えるキャリアを斜め上方から見た斜視図であり、図90は、その分解斜視図である。図91は、本発明の実施形態に係るディスク装置のキャリアを斜め下方から見た斜視図であり、図92は、その分解斜視図である。本実施形態に係るディスク装置が、前記第2関連形態に係るディスク装置と異なる点は、キャリア106に代えてキャリア206を備えている点である。以下、主としてキャリア206とキャリア106とが異なる点について説明する。
キャリア206は、リフター105により押し出された複数枚のディスクを保持し、任意のディスクドライブ104から排出されたトレイ104aの上方で、前記保持した複数枚のディスクから1枚のディスクを分離し、当該分離したディスクを前記トレイ104aに載置するように構成されている。
図89及び図90に示すように、キャリア206は、装置高さ方向Zに移動する移動ベース261と、移動ベース261に設けられたディスクチャックユニット262とを備えている。
移動ベース261は、図91及び図92に示すように、ボールネジ163(図68参照)に接続されるブッシュ261aと、ガイドシャフト164(図68参照)に接続されるガイド軸受け261bとを備えている。キャリアモータ165(図68参照)が駆動されてボールネジ163が回転することにより、移動ベース261は、ボールネジ163及びガイドシャフト164にガイドされて装置高さ方向Zに移動する。移動ベース261の上面には、後述する各種ギヤの回動軸又は回動軸受けが設けられたギヤプレート263が取り付けられている。
ディスクチャックユニット262は、リフター105により押し出された複数枚のディスク100を保持し、当該保持した複数枚のディスク100を1枚ずつ分離するように構成されている。具体的には、ディスクチャックユニット262は、図93及び図94に示すように、セパレータフック264A,264Bと、ボトムフック265A,265Bと、スピンドルユニット266と、カムシャフトユニット267とを備えている。
図95は、セパレータフック264A,264Bとボトムフック265A,265Bの拡大斜視図である。各フック264A〜265Bは、略レバーの形状に形成され、装置高さ方向Zに延在する回動軸264Aa〜265Ba及び駆動ピン264Ab〜265Bbと、装置高さ方向Zに対して交差する方向に突出する爪部264Ac〜265Bcとを備えている。
また、本実施形態において、ディスク100の凹部100bは、図49Bに示すように、ディスク100の内周部の上側角部を平面100baと斜面100bbを有するように切断した形状に形成されている。セパレータフック264A,264Bの爪部264Ac,264Bcの下面は、図95に示すように、外周側から内周側に向かうに従い下方向に厚さが厚くなるように斜面を有するように形成されている。また、各爪部264Ac〜265Bcの上面は、装置高さ方向Zに対して直交するように形成されている。
スピンドルユニット266は、図93及び図94に示すように、略円筒形状のスピンドルシャフト266aと、スピンドルシャフト266aの下方に設けられた略円錐台形状のスピンドルヘッド266bと、スピンドルシャフト266aの上端部に設けられたフランジ266cとを備えている。
スピンドルユニット266は、フランジ266cが移動ベース261に直接又は間接的に取り付けられることにより、移動ベース261と一体的に移動する。スピンドルシャフト266aの直径は、ディスク100の中心穴100aの直径よりも小さく設定されている。例えば、スピンドルシャフト266aの直径は14.5mmであり、ディスク100の中心穴100aの直径は15mmである。
スピンドルヘッド266bは、図96に示すように、スピンドルシャフト266aの下端部にネジ266dにより固定される。スピンドルヘッド266bとスピンドルシャフト266aとの間には、4つの開口部266eが形成されている。これらの開口部266eを通じて各フック264A〜265Bの爪部264Ac〜265Bcが進退移動可能に構成されている。
スピンドルヘッド266bには、図97に示すように、4つの回動軸穴266baが設けられている。また、スピンドルシャフト266aには、図96に示すように、回動軸穴266baと対向する位置に回動軸穴266aaが設けられている。各フック264A〜265Bは、それぞれ対応する回動軸穴266aa,266baに回動軸264Aa〜265Baが挿入されることにより、回動自在に保持される。また、各フック264A〜265Bは、セパレータフック264A,264Bの爪部264Ac,264Bcの上面がボトムフック265A,265Bの爪部265Ac,265Bcの上面よりも略ディスク1枚分、上方に位置するようにそれぞれ保持される。さらに、セパレータフック264Aとセパレータフック264Bとは、スピンドルユニット266の周方向に180度位相をずらした位置で保持され、ボトムフック265Aとボトムフック265Bとは、スピンドルユニット266の周方向に180度位相をずらした位置で保持される。
なお、本実施形態においては、セパレータフック264A,264Bの爪部264Ac,264Bcにより、ディスク100の内周部を支持可能な第2の支持爪が構成されている。また、本実施形態においては、ボトムフック265A,265Bの爪部265Ac,265Bcにより、ディスク100の内周部を支持可能な第1の支持爪が構成されている。
カムシャフトユニット267は、図98に示すように、略円筒状のカムシャフト267aと、カムシャフト267aの上端部に設けられたカムギヤ267bと、カムシャフト267aの下端部に設けられたカムプレート268A,268Bとを備えている。
カムギヤ267bの中心部には、回動軸穴267baが設けられている。回動軸穴267baには、図92に示すように、ギヤプレート263に設けられた回動軸263aが挿入される。カムギヤ267bは、図89に示すように、リレーギヤ270と噛み合っている。リレーギヤ270は、例えば2つのギヤで構成され、それぞれの中心部に回動軸穴270aが設けられている。回動軸穴270aには、図92に示すように、ギヤプレート263に設けられた回動軸263bが挿入される。リレーギヤ270は、図89又は図91に示すように、移動ベース261に設けられたディスクチャックモータ271の駆動軸に圧入されたモータギヤ271aと噛み合っている。
ディスクチャックモータ271が駆動されると、ディスクチャックモータ271の駆動力が、モータギヤ271a、リレーギヤ270、カムギヤ267bを介してカムシャフト267aに伝達され、カムシャフト267aが回動軸263aを中心として回転する。
カムシャフト267aの下端部には、図98に示すように、カムプレート268Aと係合する係合部267aaと、カムプレート268Bと係合する係合部267abとが設けられている。係合部267aa,267abは、それぞれ断面D形状に形成されている。
カムプレート268Aの中央部には、D形状の回動軸穴268Aaが設けられている。カムプレート268Aは、回動軸穴268Aaにカムシャフト267aの係合部267aaが係合することで、カムシャフト267aと一体的に回動可能に構成されている。
カムプレート268Bの上面中央部には、D形状の回動軸穴268Baが設けられている。カムプレート268Bは、回動軸穴268Baにカムシャフト267aの係合部267abが係合することで、カムシャフト267aと一体的に回動可能に構成されている。
また、カムプレート268Bの下面中央部には、回動軸268Bbが設けられている。回動軸268Bbは、図93に示すようにスピンドルシャフト266aの下端部に設けられた回動軸受け266abに挿入される。図89に示す組立状態において、回動軸268Bbは、ギヤプレート263の回動軸263aと同軸上に位置する。
カムプレート268Aの上面には、カムシャフト267aが回動する際、セパレータフック264Aの駆動ピン264Abが摺動するカム溝268Ab(図98参照)が設けられている。図100A〜図100Dは、セパレータフック264Aの駆動ピン264Abがカム溝268Abを摺動する様子を示している。
カムプレート268Aの下面には、カムシャフト267aが回動する際、セパレータフック264Bの駆動ピン264Bbが摺動するカム溝268Ac(図99参照)が設けられている。図101A〜図101Dは、セパレータフック264Bの駆動ピン264Bbがカム溝268Acを摺動する様子を示している。カム溝268Acは、カム溝268Abと鏡面対称の形状を有し、スピンドルユニット266の周方向に180度位相をずらした位置に設けられている。
カムプレート268Bの上面には、カムシャフト267aが回動する際、ボトムフック265Bの駆動ピン265Bbが摺動するカム溝268Bc(図98参照)が設けられている。図102A〜図102Dは、ボトムフック265Bの駆動ピン265Bbがカム溝268Bcを摺動する様子を示している。
カムプレート268Bの下面には、カムシャフト267aが回動する際、ボトムフック265Aの駆動ピン265Abが摺動するカム溝268Bd(図99参照)が設けられている。図103A〜図103Dは、ボトムフック265Aの駆動ピン265Abがカム溝268Bdを摺動する様子を示している。カム溝268Bdは、カム溝268Bcと鏡面対称の形状を有し、スピンドルユニット266の周方向に180度位相をずらした位置に設けられている。
図104A〜図104Dは、カムシャフト267aと4つのフック264A〜265Bとの位置関係に着目して示す図である。
セパレータフック264Aとセパレータフック264Bとは、カムシャフト267aの回動に伴い、それらの爪部264Ac,264Bcが、スピンドルシャフト266aの内側の位置(図104A及び図104B参照)と、スピンドルシャフト266aの外側の位置(図104C参照)と、スピンドルシャフト266aの更に外側の位置(図104D参照)に位置するように移動する。なお、セパレータフック264A,264Bには、回動範囲を規制するためにストッパー264Ad,264Bdが設けられている。
ボトムフック265Aとボトムフック265Bとは、カムシャフト267aの回動に伴い、それらの爪部265Ac,265Bcが、スピンドルシャフト266aの内側の位置(図104A及び図104D参照)と、スピンドルシャフト266aの外側の位置(図104B及び図104C参照)に位置するように移動する。なお、ボトムフック265A,265Bには、回動範囲を規制するためにストッパー265Ad,265Bdが設けられている。
以下、全てのフック264A〜265Bがスピンドルシャフト266aの内側に位置する図104Aに示す位置を収納位置という。また、ボトムフック265A,265Bのみがスピンドルシャフト266aの外側に位置する図104Bに示す位置を支持位置という。また、全てのフック264A〜265Bがスピンドルシャフト266aの外側に位置する図104Cに示す位置を切換位置という。また、セパレータフック264A,264Bがスピンドルシャフト266aの更に外側に位置し、ボトムフック265A,265Bがスピンドルシャフト266aの内側に位置する図104Dに示す位置を分離位置という。
次に、図105〜図113を用いて、キャリア206が複数枚のディスクから1枚のディスクを分離して、当該分離したディスクをディスクドライブ104のトレイ104aに載置する動作について説明する。なお、図105〜図113では、説明の便宜上、セパレータフック264A,264Bの爪部264Ac,264Adとボトムフック265A,265Bの爪部265Ac,265Bcとが同一断面上にあるものとして図示している。また、ここでは、昇降ピン152aが複数枚のディスク100をマガジントレイ121から押し出した状態から説明を開始する。
昇降ピン152aが複数枚のディスク100を押し出すと、図105に示すように、複数枚のディスク100の中心穴100aにスピンドルユニット266が挿入される。このとき、各フック264A〜265Bは、収納位置(図104A参照)に位置する。
図106に示すように、ボトムフック265A,265Bの爪部265Ac,265Bcが複数枚のディスクのうち最下部に位置するディスクより下方に位置するまで昇降ピン252aが複数枚のディスク100を押し出すと、ディスクチャックモータ271(図91参照)が駆動され、カムシャフト267aが軸回りに正方向に回転する。これにより、図107に示すように、各フック264A〜265Bが収納位置(図104A参照)から支持位置(図104B参照)に移動する。
その後、移動ベース261が上昇され、図108に示すように、ボトムフック265A,265Bの爪部265Ac,265Bcの上面が最下部のディスク100の内周部に接触して全てのディスク100を支持する。また、このとき、スピンドルヘッド266bと芯棒123の係合部123a(図52B参照)との係合が解除される。
その後、ディスクチャックモータ271(図91参照)が更に駆動され、カムシャフト267aが更に正方向に回転する。これにより、各フック264A〜265Bが、支持位置(図104B参照)から切換位置(図104C参照)に移動し、図109に示すように、セパレータフック264A,264Bの爪部264Ac,264Bcが、最下部のディスク100の凹部100bに挿入される。
その後、ピッカー103が装置前方に移動して、マガジントレイ121がディスクドライブ104の近傍から退避される(図80参照)。その後、ディスクドライブ104のトレイ104aが排出される(図81参照)。
その後、スピンドルユニット266に保持された複数枚のディスク100がトレイ104aの上方(例えば、直上)に位置するように、移動ベース261が下降される。この状態で、ディスクチャックモータ271が更に駆動され、カムシャフト267aが更に正方向に回転する。これにより、各フック264A〜265Bが、切換位置(図104C参照)から分離位置(図104D参照)に移動し、図110に示すように、ボトムフック265A,265Bの爪部265Ac,265Bcが、スピンドルシャフト266aの内側の位置に移動する。その結果、図111に示すように、最下部のディスク100が、自重により落下し、トレイ104a上に載置される。また、このとき、セパレータフック264A,264Bがスピンドルシャフト266aの更に外側へと突出し、セパレータフック264A,264Bの爪部264Ac,264Bcの下面に形成された斜面が、最下部のディスク100を下方に押圧し、当該ディスク100が自重で落下するのを補助するように機能する。また、このとき、セパレータフック264A,264Bの爪部264Ac,264Bcの上面が、残りのディスクのうちの最下部のディスク100の内周部に接触して残りのディスク100を支持する。
最下部のディスク100がトレイ104a上に載置されると、スピンドルユニット266とトレイ104aとが接触しないように、移動ベース261が上昇される。その後、トレイ104aがディスクドライブ104内に搬入される。この後又はこれと同時に、当該ディスクドライブと対向するディスクドライブ104のトレイ104aが排出される(図示せず)。
その後、ディスクチャックモータ271が逆駆動され、カムシャフト267aが逆方向に回転する。これにより、各フック264A〜265Bが、分離位置(図104D参照)から切換位置(図104C参照)に移動し、図112に示すように、ボトムフック265A,265Bの爪部265Ac,265Bcが、スピンドルシャフト266aの外側の位置に移動する。
その後、ディスクチャックモータ271が更に逆駆動され、カムシャフト267aが更に逆方向に回転する。これにより、各フック264A〜265Bが、切換位置(図104C参照)から支持位置(図104B参照)に移動し、図113に示すように、セパレータ264A,264Bの爪部264Ac,264Bcが、スピンドルシャフト266aの内側の位置に移動する。その結果、セパレータフック264A,264Bの爪部264Ac,264Bcの上面で支持されていた残りのディスク100が、自重により落下し、ボトムフック265A,265Bの爪部265Ac,265Bcの上面で支持される。
その後、ディスクチャックモータ271(図91参照)が駆動され、カムシャフト267aが正方向に回転する。これにより、各フック264A〜265Bが、支持位置(図104B参照)から切換位置(図104C参照)に移動し、図109に示すように、セパレータフック264A,264Bの爪部264Ac,264Bcが、最下部のディスク100の凹部100bに挿入される。
その後、スピンドルユニット266に保持された複数枚のディスク100が前記排出されたトレイ104aの上方(例えば、直上)に位置するように、移動ベース261が下降される。この状態で、ディスクチャックモータ271が更に駆動され、カムシャフト267aが更に正方向に回転する。これにより、各フック264A〜265Bが、切換位置(図104C参照)から分離位置(図104D参照)に移動し、図110に示すように、ボトムフック265A,265Bの爪部265Ac,265Bcが、スピンドルシャフト266aの内側の位置に移動する。その結果、図111に示すように、最下部のディスク100が、自重により落下し、トレイ104a上に載置される。また、このとき、セパレータフック264A,264Bがスピンドルシャフト266aの更に外側へと突出し、セパレータフック264A,264Bの爪部264Ac,264Bcの下面に形成された斜面が、最下部のディスク100を下方向に押圧し、当該ディスク100が自重で落下するのを補助するように機能する。また、このとき、セパレータフック264A,264Bの爪部264Ac,264Bcの上面が、残りのディスクのうち最下部のディスクの内周部に接触して残りのディスク100を支持する。
最下部のディスク100がトレイ104a上に載置されると、スピンドルユニット266とトレイ104aとが接触しないように、移動ベース261が上昇される。その後、トレイ104aがディスクドライブ104内に搬入される。これにより、最下段(1段目)のディスクドライブ104へのローディング動作が完了する。このローディング動作を2段目以降も繰り返す。
最上段のディスクドライブ104へのローディング動作が完了すると、全てのディスクドライブ104にディスク100が搬入され、各ディスクドライブ104のディスク100に対して記録又は再生可能となる。
次に、キャリア206が各ディスクドライブ104からディスク100を回収する動作について説明する。
まず、最上段のディスクドライブ104のトレイ104aが排出される。
その後、移動ベース261が下降され、当該トレイ104a上のディスク100の中心穴100aにスピンドルユニット266が挿入される。このとき、各フック264A〜265Bは、収納位置(図104A参照)にある。
ディスク100がボトムフック265A,265Bの上方に位置するまで、移動ベース261が下降すると、ディスクチャックモータ271(図91参照)が駆動され、カムシャフト267aが正方向に回転する。これにより、各フック264A〜265Bが収納位置(図104A参照)から支持位置(図104B参照)に移動する。
その後、移動ベース261が上昇され、ボトムフック265A,265Bの爪部265Ac,265Bcの上面がディスク100の内周部に接触して当該ディスク100を保持する。これにより、トレイ104a上のディスク100が回収される。
その後、ディスク100が回収されたトレイ104aがディスクドライブ104内に搬入される。この後又はこれと同時に、当該ディスクドライブ104と対向するディスクドライブ104のトレイ104aが排出される。
その後、スピンドルユニット266に保持されたディスクが前記排出されたトレイ104a上のディスク100の上方(例えば、直上)に位置するように、移動ベース261が下降される。
その後、ディスクチャックモータ271(図91参照)が逆駆動され、カムシャフト267aが逆方向に回転する。これにより、各フック264A〜265Bが支持位置(図104B参照)から収納位置(図104A参照)に移動する。これにより、スピンドルユニット266に保持されたディスク100が自重により落下し、前記排出されたトレイ104a上のディスク100の上に積層される。
その後、移動ベース261が下降され、前記排出されたトレイ104a上の2枚のディスク100の中心穴100aにスピンドルユニット266が挿入される。
2枚のディスク100がボトムフック265A,265Bの上方に位置するまで、移動ベース261が下降すると、ディスクチャックモータ271(図91参照)が駆動され、カムシャフト267aが正方向に回転する。これにより、各フック264A〜265Bが収納位置(図104A参照)から支持位置(図104B参照)に移動する。
その後、移動ベース261が上昇され、ボトムフック265A,265Bの爪部265Ac,265Bcの上面が最下部のディスク100の内周部に接触して全てのディスク100を支持する。
その後、ディスク100が回収されたトレイ104aがディスクドライブ104内に搬入される。これにより、最上段(1段目)のディスクドライブ104のディスク回収動作が完了する。このディスク回収動作を最下段のディスクドライブ104内のディスク100を回収するまで繰り返す。
スピンドルユニット266が全てのディスク100を回収すると、移動ベース261が上昇される。その後、ピッカー103が装置後方に移動して、スピンドルユニット266の下方にマガジントレイ121がセットされる。
その後、移動ベース261が下降され、スピンドルヘッド266b(図71参照)が芯棒123の係合部123a(図52B参照)に係合し、スピンドルヘッド266bと芯棒123とが同軸となる。
その後、ディスクチャックモータ271(図91参照)が逆駆動され、カムシャフト267aが逆方向に回転する。これにより、各フック264A〜265Bが支持位置(図104B参照)から収納位置(図104A参照)に移動する。これにより、スピンドルユニット266に保持された全てのディスク100が、スピンドルヘッド266b及び芯棒123に沿って、自重により落下し、マガジントレイ121内に収納される。
その後、移動ベース261が上昇されて、スピンドルヘッド266bと芯棒123の係合部123aとの係合が解除される。
全てのディスク100を収納したマガジントレイ121は、ピッカー103によりマガジンストッカー101内に戻される。このマガジンストッカー101内へのマガジントレイ121の搬送は、例えば、図56〜図65を用いて説明した動作と逆の動作を行うことにより行われる。
本実施形態に係るディスク装置によれば、複数枚のディスク100を積層状態でキャリア206に保持させ、各ディスクドライブ104のトレイ104aの上方で複数枚のディスクから1枚のディスクを分離するようにしている。これにより、ディスクを1枚ずつマガジンからディスクドライブに搬送する従来のディスク装置に比べて、複数のディスクドライブ104のそれぞれにディスク100を搬送するのに要する時間を大幅に短縮することができる。
なお、前記様々な形態のうちの任意の形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
本発明は、添付図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。