JP5883625B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド踏面部におけるタイヤ赤道部付近からタイヤ幅方向の両端部に向かうに従い漸次、タイヤ周方向の一方側から他方側に向けて各別に延在する第1ラグ溝および第2ラグ溝がそれぞれ、タイヤ周方向に間隔をあけて複数配設された空気入りタイヤであって、前記トレッド踏面部には、タイヤ幅方向に延在する横サイプが多数配設され、多数の前記横サイプのうちの少なくとも一部は、前記トレッド踏面部におけるタイヤ幅方向の端部から、タイヤ幅方向の内側に向けて延在しタイヤ赤道部を跨ぐ横断サイプであり、前記トレッド踏面部におけるトレッドパターンは、タイヤ周方向に沿ったピッチ長が長い複数の大ピッチパターン部、およびピッチ長が短い複数の小ピッチパターン部が、タイヤ周方向に連設されてなり、これらの大ピッチパターン部および小ピッチパターン部のうち、一方を構成する全ての前記横サイプが、前記横断サイプである一方で、他方を構成する全ての前記横サイプのうちの少なくとも一部が、前記横断サイプとは異なる非横断サイプとなっていることを特徴とする。
また、前記大ピッチパターン部を構成する全ての前記横サイプは、前記横断サイプとなっていて、前記小ピッチパターン部を構成する全ての前記横サイプは、前記非横断サイプとなっていてもよい。
また、タイヤ周方向に隣り合う前記第1ラグ溝、およびタイヤ周方向に隣り合う前記第2ラグ溝はそれぞれ、タイヤ周方向の一方側から他方側に向かうに従い漸次、タイヤ幅方向の内側から外側に向けて延在する接続溝により各別に接続されていてもよい。
また、前記第1ラグ溝および前記第2ラグ溝それぞれのタイヤ幅方向の内端部は、前記トレッド踏面部におけるタイヤ赤道部上に配設された周方向主溝に接続されており、前記第1ラグ溝および前記第2ラグ溝それぞれのタイヤ幅方向の外端部は、タイヤ幅方向の外側に向けて非開口となっていてもよい。
また、前記横サイプのタイヤ幅方向の外端部は、前記第1ラグ溝または前記第2ラグ溝のタイヤ幅方向の外端部よりもタイヤ幅方向の内側に位置していてもよい。
また、前記大ピッチパターン部および前記小ピッチパターン部それぞれにおいて、他のピッチパターン部と接続されるタイヤ周方向の接続縁は、前記横サイプとは非交差となっていてもよい。
また、多数の横サイプのうちの少なくとも一部が、前記横断サイプなので、走行時に、トレッド踏面部におけるタイヤ赤道部付近、およびトレッド踏面部におけるタイヤ幅方向の端部のうちのいずれか一方において局所的に横サイプのエッジ効果を発揮させるのではなく、トレッド踏面部におけるタイヤ赤道部付近からタイヤ幅方向の端部まで、タイヤ幅方向の広範囲にわたって横断サイプのエッジ効果を発揮させることが可能になり、例えば第1ラグ溝および第2ラグ溝の位置や形状などによらず、当該空気入りタイヤの氷雪路面におけるトラクション性能を確実に向上させることができる。
また、複数の前記大ピッチパターン部、および複数の小ピッチパターン部が、タイヤ周方向に連設されることで、トレッド踏面部におけるトレッドパターンが構成されるので、パターン加振音が発生する周波数帯を分散させることが可能になり、特定の周波数帯におけるパターン加振音が大きくなるのを抑えることができる。
また、大ピッチパターン部または小ピッチパターン部を構成する全ての横サイプが、前記横断サイプとなっており、つまり、大ピッチパターン部および小ピッチパターン部のうち、一方を構成する全ての横サイプが、前記横断サイプである一方で、他方を構成する全ての横サイプのうちの少なくとも一部が、横断サイプとは異なるサイプとなっているので、前述のようにパターン加振音が大きくなるのを抑えながら、横サイプのバリエーションを多様にして設計の自由度を確保し易くすることができる。
また、横サイプが、前記タイヤ平面視において、タイヤ周方向に交互に屈曲することにより、トレッド踏面部における横サイプの開口縁が、タイヤ幅方向を向くことになり、横サイプのエッジ効果によりコーナリング性能も向上させ易くすることができる。
なお、横サイプを画成する側壁面が、タイヤ径方向およびタイヤ周方向の両方向に沿う縦断面視においても、タイヤ周方向に交互に屈曲しており、横サイプが、いわゆる3Dサイプに形成されている場合には、トレッド踏面部において横サイプをタイヤ周方向に挟んで位置する各部分を、タイヤ幅方向に互いに確実に係合させることができる。
また、空気入りタイヤ10の外表面には、該タイヤ10が装着された車両が前進するときのタイヤ回転方向が特定可能な例えば矢印等の図示されない明示部が形成されており、タイヤ回転方向の前側は、タイヤ周方向Cの一方側とされている。
第1ラグ溝21のタイヤ幅方向Wの内端部は、周方向主溝23に接続されており、第1ラグ溝21のタイヤ幅方向Wの外端部は、タイヤ幅方向Wの外側に向けて非開口となっている。また第1ラグ溝21を画成する壁面のうち、タイヤ周方向Cを向く側壁面は、当該空気入りタイヤ10をタイヤ径方向の外側から見たタイヤ平面視において、タイヤ周方向Cの他方側に向けて突となる曲線状をなしている。
第2ラグ溝22のタイヤ幅方向Wの内端部は、周方向主溝23に接続されており、第2ラグ溝22のタイヤ幅方向Wの外端部は、タイヤ幅方向Wの外側に向けて非開口となっている。また第2ラグ溝22を画成する壁面のうち、タイヤ周方向Cを向く側壁面は、前記タイヤ平面視において、タイヤ周方向Cの他方側に向けて突となる曲線状をなしている。
そして、これらの第1ラグ溝21と第2ラグ溝22とは、タイヤ周方向Cに互いにずらされるとともに、互いに非交差となっている。
なお図示の例では、各接続溝24〜27は、タイヤ周方向Cの一方側から他方側に向かうに従い漸次、タイヤ幅方向Wの内側から外側に向けて延在しており、これらの接続溝24〜27により、当該空気入りタイヤ10の排水性能が向上されている。
また第2陸部34〜36としては、タイヤ幅方向Wの内側から外側に向けて、第2内陸部34、第2中陸部35および第2外陸部36が配設されている。第2内陸部34は、タイヤ周方向Cに隣り合う第2ラグ溝22、周方向主溝23および第2内接続溝26により区画され、第2中陸部35は、タイヤ周方向Cに隣り合う第2ラグ溝22、第2内接続溝26および第2外接続溝27により区画され、第2外陸部36は、タイヤ周方向Cに隣り合う第2ラグ溝22および第2外接続溝27により区画されている。
ここでサイプとは、空気入りタイヤ10を前述の標準リムに装着し、かつ該タイヤ10に前述のように規定内圧を充填して最大負荷能力を負荷した状態で、接地面内で閉塞する溝幅の細溝のことをいう。またサイプは、空気入りタイヤ10が生産または使用される地域が日本国以外の地域の場合には、その地域に適用されている産業規格に準拠した状態で、接地面内で閉塞する溝幅の細溝のことをいう。
さらに図示の例では、横サイプ41のタイヤ幅方向Wの外端部は、第1ラグ溝21または第2ラグ溝22のタイヤ幅方向Wの外端部よりもタイヤ幅方向Wの内側に位置し、トレッド踏面部11におけるタイヤ幅方向Wの外端部に非開口となっている。
小サイプ部44は、陸部31〜36の頂面にタイヤ幅方向Wに沿って延設されるとともに、タイヤ周方向Cに間隔をあけて複数配設されている。なお図示の例では、複数の陸部31〜36のうち、第1内陸部31、第1中陸部32、第2内陸部34および第2中陸部35に配設された小サイプ部44は、タイヤ幅方向Wの両側に向けて開口しており、第1外陸部33および第2外陸部36に配設された小サイプ部44は、タイヤ幅方向Wの内側に向けて開口するとともに外側に向けて非開口となっている。さらに図示の例では、第1内陸部31、第1中陸部32、第2内陸部34および第2中陸部35の頂面にはそれぞれ、タイヤ周方向Cに延在し、タイヤ周方向Cに隣り合う小サイプ部44を接続する縦サイプ45が配設されている。
さらに、多数の横サイプ41のうちの前記非横断サイプ43が配置されるタイヤ周方向Cの位置では、タイヤ周方向Cの位置が重複する全ての陸部31〜36のうち、一部の陸部31〜36における小サイプ部44の配設周期の位相が互いに合わされる一方で、該一部の陸部31〜36以外の他の陸部31〜36における前記位相が、前記一部の陸部31〜36と異なっている。そして前記一部の陸部31〜36において、タイヤ周方向Cの位置が互いに同等とされた小サイプ部44により、非横断サイプ43が構成されている。
トレッドパターンPは、トレッド踏面部11に形成された第1ラグ溝21、第2ラグ溝22、周方向主溝23、接続溝24〜27、横サイプ41および縦サイプ45により構成されている。
大ピッチパターン部P1および小ピッチパターン部P2はそれぞれ、前記平面視においてタイヤ幅方向Wに長い帯状をなしており、複数の大ピッチパターン部P1のパターン形状は互いに同等とされ、複数の小ピッチパターン部P2のパターン形状は互いに同等となっている。
また、大ピッチパターン部P1において、接続縁Aから、該接続縁Aにタイヤ周方向Cに隣接する各小サイプ部44までのタイヤ周方向Cの距離D1は、互いに同等となっている。また、小ピッチパターン部P2において、接続縁Aから、該接続縁Aにタイヤ周方向Cに隣接する各小サイプ部44までのタイヤ周方向Cの距離D2は、互いに同等となっている。さらに、これらの距離D1と距離D2とは互いに同等となっている。これにより、接続縁Aをタイヤ周方向Cに挟んで隣り合う小サイプ部44のタイヤ周方向Cの間隔が、大ピッチパターン部P1と小ピッチパターン部P2との組み合わせによらず同等となる。
また、多数の横サイプ41のうちの少なくとも一部が、前記横断サイプ42なので、走行時に、トレッド踏面部11におけるタイヤ赤道部CL付近、およびトレッド踏面部11におけるタイヤ幅方向Wの端部のうちのいずれか一方において局所的に横サイプ41のエッジ効果を発揮させるのではなく、トレッド踏面部11におけるタイヤ赤道部CL付近からタイヤ幅方向Wの端部まで、タイヤ幅方向Wの広範囲にわたって横断サイプ42のエッジ効果を発揮させることが可能になり、例えば第1ラグ溝21および第2ラグ溝22の位置や形状などによらず、当該空気入りタイヤ10の氷雪路面におけるトラクション性能を確実に向上させることができる。
また、横サイプ41が、前記タイヤ平面視において、タイヤ周方向Cに交互に屈曲することにより、トレッド踏面部11における横サイプ41の開口縁が、タイヤ幅方向Wを向くことになり、横サイプ41のエッジ効果によりコーナリング性能も向上させ易くすることができる。
なお、横サイプ41を画成する側壁面が、タイヤ径方向およびタイヤ周方向Cの両方向に沿う縦断面視においても、タイヤ周方向Cに交互に屈曲しており、横サイプ41が、いわゆる3Dサイプに形成されている場合には、トレッド踏面部11において横サイプ41をタイヤ周方向Cに挟んで位置する各部分を、タイヤ幅方向Wに互いに確実に係合させることができる。
また、大ピッチパターン部P1を構成する全ての横サイプ41が、前記横断サイプ42となっており、つまり、大ピッチパターン部P1および小ピッチパターン部P2のうち、一方を構成する全ての横サイプ41が、前記横断サイプ42である一方で、他方を構成する全ての横サイプ41の一部が、横断サイプ42とは異なる非横断サイプ43となっているので、前述のようにパターン加振音が大きくなるのを抑えながら、横サイプ41のバリエーションを多様にして設計の自由度を確保し易くすることができる。
例えば、縦サイプ45はなくてもよい。
さらに前記実施形態では、横サイプ41が、前記タイヤ平面視において、タイヤ周方向Cに交互に屈曲しているものとしたが、これに限られず、例えばタイヤ幅方向Wに沿って直線上に延在していてもよい。
さらに非横断サイプ43は、前記実施形態に示したものに限られず、例えば、非横断サイプ43が、1つの小サイプ部44により構成されていてもよい。
さらに前記実施形態では、トレッド踏面部11におけるトレッドパターンPは、タイヤ周方向Cに沿ったピッチ長L1が長い複数の大ピッチパターン部P1、およびピッチ長L2が短い複数の小ピッチパターン部P2が、タイヤ周方向Cに連設されてなるものとしたが、これに限られない。例えば、トレッドパターンを単一のピッチパターン部をタイヤ周方向に複数連設することにより構成してもよい。
さらに前記実施形態では、第1ラグ溝21と第2ラグ溝22とは、非交差となっているものとしたが、これに限られるものではなく、交差していてもよい。
さらに前記実施形態では、前記タイヤ平面視において、第2ラグ溝22を画成する側壁面が、タイヤ周方向Cの他方側に向けて突となる曲線状をなしており、第2ラグ溝22が、タイヤ周方向Cの他方側に向けて突となる湾曲形状をなしているものとしたが、これに限られない。
さらに前記実施形態では、第1ラグ溝21のタイヤ幅方向Wの外端部が、タイヤ幅方向Wの外側に向けて非開口となっているものとしたが、開口していてもよい。
さらにまた、前記実施形態では、第2ラグ溝22のタイヤ幅方向Wの内端部は、周方向主溝23に接続され、また、第2ラグ溝22のタイヤ幅方向Wの外端部が、タイヤ幅方向Wの外側に向けて非開口となっているものとしたが、これに限られない。
さらに、トレッド踏面部11におけるタイヤ赤道部CL上に、タイヤ周方向Cの全長にわたって連続して延在する中央陸部が配設されていてもよい。
さらに前記実施形態では、タイヤ周方向Cに隣り合う第1ラグ溝21、およびタイヤ周方向Cに隣り合う第2ラグ溝22はそれぞれ、接続溝24〜27により接続されているものとしたが、これに限られるものではない。例えば、接続溝がなくてもよく、トレッド踏面部に、第1ラグ溝または第2ラグ溝に交差するようにタイヤ周方向の全長にわたって延在する周溝部が形成されていてもよい。
11 トレッド踏面部
21 第1ラグ溝
22 第2ラグ溝
41 横サイプ
42 横断サイプ
C タイヤ周方向
CL タイヤ赤道部
L1、L2 ピッチ長
P トレッドパターン
P1 大ピッチパターン部
P2 小ピッチパターン部
W タイヤ幅方向
Claims (8)
- トレッド踏面部におけるタイヤ赤道部付近からタイヤ幅方向の両端部に向かうに従い漸次、タイヤ周方向の一方側から他方側に向けて各別に延在する第1ラグ溝および第2ラグ溝がそれぞれ、タイヤ周方向に間隔をあけて複数配設された空気入りタイヤであって、
前記トレッド踏面部には、タイヤ幅方向に延在する横サイプが多数配設され、
多数の前記横サイプのうちの少なくとも一部は、前記トレッド踏面部におけるタイヤ幅方向の端部から、タイヤ幅方向の内側に向けて延在しタイヤ赤道部を跨ぐ横断サイプであり、
前記トレッド踏面部におけるトレッドパターンは、タイヤ周方向に沿ったピッチ長が長い複数の大ピッチパターン部、およびピッチ長が短い複数の小ピッチパターン部が、タイヤ周方向に連設されてなり、
これらの大ピッチパターン部および小ピッチパターン部のうち、一方を構成する全ての前記横サイプが、前記横断サイプである一方で、他方を構成する全ての前記横サイプのうちの少なくとも一部が、前記横断サイプとは異なる非横断サイプとなっていることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 請求項1記載の空気入りタイヤであって、
前記第1ラグ溝と前記第2ラグ溝とは、タイヤ周方向に互いにずらされていることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 請求項1または2に記載の空気入りタイヤであって、
前記横サイプは、当該空気入りタイヤをタイヤ径方向の外側から見たタイヤ平面視において、タイヤ周方向に交互に屈曲していることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤであって、
前記大ピッチパターン部を構成する全ての前記横サイプは、前記横断サイプとなっていて、
前記小ピッチパターン部を構成する全ての前記横サイプは、前記非横断サイプとなっていることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の空気入りタイヤであって、
タイヤ周方向に隣り合う前記第1ラグ溝、およびタイヤ周方向に隣り合う前記第2ラグ溝はそれぞれ、タイヤ周方向の一方側から他方側に向かうに従い漸次、タイヤ幅方向の内側から外側に向けて延在する接続溝により各別に接続されていることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の空気入りタイヤであって、
前記第1ラグ溝および前記第2ラグ溝それぞれのタイヤ幅方向の内端部は、前記トレッド踏面部におけるタイヤ赤道部上に配設された周方向主溝に接続されており、
前記第1ラグ溝および前記第2ラグ溝それぞれのタイヤ幅方向の外端部は、タイヤ幅方向の外側に向けて非開口となっていることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の空気入りタイヤであって、
前記横サイプのタイヤ幅方向の外端部は、前記第1ラグ溝または前記第2ラグ溝のタイヤ幅方向の外端部よりもタイヤ幅方向の内側に位置していることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の空気入りタイヤであって、
前記大ピッチパターン部および前記小ピッチパターン部それぞれにおいて、他のピッチパターン部と接続されるタイヤ周方向の接続縁は、前記横サイプとは非交差となっていることを特徴とする空気入りタイヤ。
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