JP5883574B2 - 内燃機関 - Google Patents

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Description

本発明は、自動二輪車や自動車などに用いられる内燃機関に関するものである。特に、排気バルブおよび吸気バルブを備える内燃機関に関する。
従来から、内燃機関の性能の向上や燃費の向上を図るために、吸気ポート、排気ポート、シリンダヘッドおよびピストン形状などの改良が行われている。例えば、燃焼室に流入される混合気の速度を上昇させて燃焼室内にタンブル流を発生させることは、内燃機関の性能の向上や燃費の向上に有効である。特に、ピストンが上昇したとき、通常減衰してしまうタンブル流をできるだけ減衰させないような構造にすることが望ましい。
特許文献1に開示された内燃機関では、ピストン冠面の略矩形状の凹部の底面をタンブル流に沿うように、ピストンピン中心軸線と略平行な湾曲面が形成されている。また、点火プラグ直下の底面略中央部にピストンピン中心軸線と平行な突条部が形成され、その吸気弁側および排気弁側の立ち上がり部が円弧面をなしている。このような構成によれば、排気弁側の立ち上がり部が曲率半径の大きな円弧面をなしているので、均質燃焼の際のタンブル流の流れを阻害しないようにすることができる。
特開2007−192187号公報
しかしながら、特許文献1に開示された内燃機関は、ピストン冠面が複雑な形状であって、ピストンの製造コストが上昇してしまうという問題を有している。特に、例えば小型の車両に用いられる内燃機関ではコストをかけることができないことから、簡単な構造での性能向上が要求される。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、複雑な形状を有することなく燃焼室内に速度の速いタンブル流を発生させることで、燃焼効率を向上させて燃費が向上させることを目的とする。
本発明は、燃焼室に混合気を流入させる吸気バルブと混合気が燃焼された排気ガスを前記燃焼室から排気させる排気バルブとを備える内燃機関であって、1気筒につき、傘表部の中央に凹部を形成した前記吸気バルブと、傘表部に平坦面を形成した前記排気バルブとがそれぞれ1つずつ組み合わされ、前記吸気バルブが配設される吸気ポートの上側の内壁面は、側面視において、前記吸気バルブの軸部よりも上流側には前記排気バルブの傘表部の平坦面と略平行な平坦部が形成され、前記吸気バルブの軸部よりも下流側が前記平坦部の下流端から前記平坦部を延長させた延長線よりも湾曲状に凹ませて形成されていることを特徴とする。
また、記平坦部は、上流側から下流側に向かうにしたがって徐々にその面積が広がる略三角形状に形成され、前記吸気ポートの通路の断面形状は、前記平坦部の平坦方向であって且つ混合気の流入する方向に対して直交する方向に拡幅する拡幅部が形成され、前記拡幅部から上流側および下流側に向かうにしたがって徐々に略円形状に戻るように形成され、前記拡幅部の幅は、前記平坦部が形成されている範囲の略中央が最も拡幅していることを特徴とする。
本発明によれば、複雑な形状を有することなく燃焼室内に速度の速いタンブル流を発生させることで、燃焼効率を向上させて燃費が向上させることができる。
スクータ型自動二輪車の右側面図である。 パワーユニットの右側面図である。 エンジンのI−I線断面図である。 エンジンのII−II線断面図である。 シリンダヘッドの周辺の構成を示す断面図である。 本実施形態の吸気バルブの構成を示す図である。 本実施形態の排気バルブの構成を示す図である。 吸気ポート、排気ポートおよび燃焼室の形状を示す斜視図である。 本実施形態のエンジンにおける混合気の速度分布を示す図である。 比較例のエンジンにおける混合気の速度分布を示す図である。 本実施形態のエンジンにおけるタンブル流の速度および方向を示す図である。 比較例のエンジンにおけるタンブル流の速度および方向を示す図である。 本実施形態のエンジンによる出力改善率を示すグラフである。 本実施形態のエンジンによる流量係数改善率を示すグラフである。 本実施形態のエンジンによるポンピングロス改善率を示すグラフである。
以下、本実施形態に係る内燃機関としてスクータ型自動二輪車に搭載されるエンジンを一例に説明する。
まず、スクータ型自動二輪車100の全体構成について図1を参照して説明する。図1は本実施形態に係るスクータ型自動二輪車の右側面図である。なお、以下に示す図では、必要に応じて車体の前側を矢印Frにより、車体の後側を矢印Rrによりそれぞれ示し、車体の右側を矢印Rにより、車体の左側を矢印Lにより示す。
スクータ型自動二輪車100(以下、自動二輪車という)は、車体前部にステアリングヘッドパイプ11が配設されている。ステアリングヘッドパイプ11の略中央部には、ダウンチューブ12が略後斜め下側に向かって延設されている。ダウンチューブ12の下端付近には、一対のアンダーフレーム13が略後側に向かって延設されている。一対のアンダーフレーム13の略後端のそれぞれには、メインフレーム14が略上側に向かって延設されている。一対のメインフレーム14の上端のそれぞれには、リアフレーム15が後斜め上側に向かって延設されている。
図1に示すように、ステアリングヘッドパイプ11は、フロントフォーク16を回動可能に支持している。フロントフォーク16の上端には操舵のためのハンドルバー17が左右方向に沿って配設され、下端には前輪18が回動可能に支持されている。
また、アンダーフレーム13の後端には、エンジンを含むパワーユニット22を支持するためのブラケット19が付設形成されている。ブラケット19には、ステー20が略後側に向かって配設されている。また、ステー20には、ピボット軸21を介して、スイング式のパワーユニット22が支持されている。パワーユニット22はピボット軸21を中心にして上下に揺動可能である。
パワーユニット22の上側には、ライダーが着座するためのシート23が設置されている。アンダーフレーム13の上側には、シート23に着座したライダーの足を載せるステップボード24が支持されている。パワーユニット22とシート23との間にはヘルメットなどを収容できるラゲッジボックス25が配置されている。
また、車体の前部には、フロントレッグシールド26がダウンチューブ12の周囲を被覆している。車体の中央部から後部には、フレームカバー27がメインフレーム14およびリアフレーム15の周囲を被覆している。
図2はパワーユニット22の右側面図である。パワーユニット22は、クランクケース41およびシリンダアセンブリ28を有するエンジン40とベルト式自動変速機29とをユニット化したものである。
ベルト式自動変速機29の上側にはエアークリーナボックス30が搭載されている。エアークリーナボックス30とシリンダアセンブリ28との間には吸気パイプ31が接続されている。吸気パイプ31の途中には、キャブレタ32が配設されている。エアークリーナボックス30からの吸気はキャブレタ32によって燃料との混合気に生成され、シリンダアセンブリ28内に吸入され、燃焼された後、排気ガスとして排気管33を介してマフラー34から排気される。ベルト式自動変速機29は、エンジン40からの出力を図示しないベルトを介して後輪35に伝達する。
次に、エンジン40の構成について図3および図4を参照して説明する。図3は図2に示すエンジン40をI−I線で切断した断面図である。また、図4は、図3に示すエンジン40をII−II線で切断した断面図である。
本実施形態のエンジン40は、OHV方式の4ストローク単気筒エンジンが用いられている。図3に示すように、エンジン40はファンカウリング36によって覆われ、クランクシャフト42に軸着され一体的に回転する冷却ファン37によってファンカウリング36内に外気を取り入れて強制的に冷却される空冷式である。
図4に示すように、エンジン40は、クランクケース41、シリンダブロック43、シリンダヘッド47およびシリンダヘッドカバー56を備えている。
クランクケース41は、左右方向に沿って配設されたクランクシャフト42を回動自在に軸支する。クランクケース41には、シリンダブロック43が前傾した態様で延設されている。シリンダブロック43は、外壁面に複数のフィン46が形成され、内部にピストン44が摺動可能に配設されている。ピストン44とクランクシャフト42とはコネクティングロッド45を介して接続され、ピストン44の往復運動はコネクティングロッド45を介してクランクシャフト42の回転に変換される。
シリンダブロック43の頂部にシリンダヘッド47が結合されることで、内部に燃焼室48が形成される。図3に示すように、燃焼室48の内部は、半球型に形成されている。シリンダヘッド47には点火プラグ38が、その先端を燃焼室48内に配置される態様で配設されている。本実施形態の点火プラグ38は、シリンダヘッド47の右側から斜めに取り付けられ、その先端が燃焼室48の中心に指向して固定される。
図4に示すように、シリンダヘッド47には燃焼室48と連通する吸気ポート49が形成されている。吸気ポート49は左右方向(クランク軸線Cr方向)には屈曲せず、燃焼室48に近接した位置で燃焼室48に向かって緩やかに屈曲している。吸気ポート49の開口部のうち、燃焼室48側と反対の開口部49aには吸気パイプ31が結合されている。また、吸気ポート49内には、吸気バルブ50が吸気ポート49の燃焼室48側の開口部49bに向かって配設されている。一方、シリンダヘッド47には燃焼室48と連通する排気ポート51が形成されている。排気ポート51は左右方向(クランク軸線Cr方向)には屈曲せず、燃焼室48に近接した位置で燃焼室48に向かって緩やかに屈曲している。排気ポート51の開口部のうち、燃焼室48側と反対の開口部51aには図2に示す排気管33が結合される。また、排気ポート51内には排気バルブ52が排気ポート51の燃焼室48側の開口部51bに向かって配設されている。シリンダヘッド47の頂部にはシリンダヘッドカバー56が結合され、吸気バルブ50や排気バルブ52を含む動弁装置54を被覆している。
図5は、シリンダヘッド47の周辺の構成をより詳細に示す断面図である。図5では、シリンダ軸線Cyに沿って上側を矢印Upにより、下側を矢印Loにより示す。なお、図5は、吸気行程の状態を示している。
また、図6Aおよび図6Bは、それぞれ吸気バルブ50および排気バルブ52の構成を示す一部断面図である。吸気バルブ50および排気バルブ52は、それぞれ軸部50a、52aと傘部50b、52bとにより構成されている。図5に示すように、吸気バルブ50および排気バルブ52は、それぞれシリンダヘッド47に固定されたバルブガイド55内を摺動可能に挿通されている。本実施形態では、吸気バルブ50と排気バルブ52との挟み角度が略50°に設定されている。
吸気バルブ50および排気バルブ52の軸端部50c、52cには、スプリングリテーナ57が取り付けられている。また、シリンダヘッド47の上側であってバルブガイド55の周囲には、各スプリングリテーナ57に対応してスプリングシート58が取り付けられている。スプリングリテーナ57とスプリングシート58との間には、それぞれバルブスプリング59が圧縮状態で介装されている。また、吸気ポート49および排気ポート51の燃焼室48側の開口部49b、51bには、それぞれバルブシート60が固定されている。吸気バルブ50および排気バルブ52は、それぞれバルブスプリング59によって開口部49b、51bを閉じる方向に付勢されている。吸気バルブ50および排気バルブ52が開口部49b、51bを閉じている状態では、それぞれ傘裏部50d、52dがバルブシート60に当接している。また、図6Aおよび図6Bに示すように、吸気バルブ50および排気バルブ52の傘裏部50d、52dには、それぞれ傾斜角度が異なる第1のテーパ部50d1、52d1と第2のテーパ部50d2、52d2とが連続して形成されている。吸気バルブ50および排気バルブ52のそれぞれ第2のテーパ部50d2、52d2がバルブシート60に当接する。
吸気バルブ50と排気バルブ52とは、図5に示すようにシリンダヘッド47内に回転自在に軸支されたカムシャフト61のカム62によって開閉タイミングが制御されている。カムシャフト61は、図示しないカムチェーンを介してクランクシャフト42に接続され、クランクシャフト42によって回転される。カムチェーンは、図3に示すように、シリンダブロック43内の左側に、シリンダ軸線Cy方向に沿って形成されたカムチェーントンネル63内に配設される。
図5に示すように、シリンダヘッド47には、カムシャフト61と平行して2つのロッカシャフト64が回転自在に軸支されている。各ロッカシャフト64には、ロッカアーム65が揺動自在に設けられ、それぞれ吸気バルブ50および排気バルブ52に接続されている。カムシャフト61の回転に応じてカム62がロッカアーム65にそれぞれ当接し、ロッカアーム65がロッカシャフト64を中心に揺動する。各ロッカアーム65の揺動により吸気バルブ50および排気バルブ52はそれぞれバルブスプリング59に抗して押し下げられ、吸気ポート49の開口部49bおよび排気ポート51の開口部51bを開口させる。
吸気行程では、吸気バルブ50が押し下げされることで吸気ポート49の開口部49bが開口し、燃焼室48に混合気が流入する。圧縮行程では、吸気バルブ50の傘部50bが吸気ポート49の開口部49bを閉塞すると共にピストン44が上昇することで、燃焼室48に流入した混合気が圧縮される。燃焼行程では、点火プラグ38がピストン44によって圧縮された混合気に点火することで、混合気を燃焼させピストン44を下降させてクランクシャフト42を回転させる。排気行程では、排気バルブ52が押し下げられることで排気ポート51の開口部51bが開口し、燃焼された排気ガスが排気される。
本実施形態では、吸気バルブ50の傘部50bの形状と排気バルブ52の傘部52bの形状を特定の組み合わせにすることで、燃焼室48に流入する混合気を燃焼室48内で整流させて速度の速いタンブル流を発生させることができると共に燃焼室48内で燃焼された排気ガスを円滑に排気することができる。また、吸気ポート49の通路の断面形状を所定の形状にすることで、燃焼室48に流入する混合気を整流させることができ、燃焼室48内のタンブル流をより強化させることができる。以下、具体的に図5、図6Aおよび図6Bを参照して説明する。
まず、図6Aに示すように、吸気バルブ50の傘部50bの傘表部50eは、全面のうち一部に緩やかに湾曲する略球面状の凹部50fが形成されている。本実施形態の凹部50fは、傘表部50eの中央に形成されている。具体的には、傘表部50eの全面積のうち略2/3が凹部50fであって、他の略1/3が平面状である。一方、図6Bに示すように、排気バルブ52の傘部52bの傘表部52eは、全面が平坦面に形成されている。このように本実施形態の吸気バルブ50および排気バルブ52は、それぞれ傘表部50e、52eの形状が異なっている。
また、図5に示す吸気ポート49内の通路は、ほとんどの断面形状が略円形状であるが、シリンダヘッド47に形成された吸気バルブ50を挿通させるための挿通孔66の上流の上側の内壁面に平坦部49cが形成されている。平坦部49cは、吸気ポート49の通路の長さ方向の略中央に形成されている。また、平坦部49cが形成されている長さは、吸気ポート49の通路断面中央を通ったときの開口部49aから開口部49bまでの長さに対して、略1/3〜略1/6の長さを有している。また、吸気ポート49の平坦部49cは、排気バルブ52が排気ポート51の開口部51bを閉じている状態では、排気バルブ52の傘表部52eの平坦面と略平行になるように形成されている(図5に示す一点鎖線Lを参照)。
更に、吸気ポート49の通路のうち、平坦部49cが形成されている部分に、通路の断面形状が略楕円状の拡幅部49dが形成されている。拡幅部49dは、左右方向(クランク軸線Cr方向)、すなわち平坦部49cの平坦方向であって且つ混合気が流入する方向に対して直交する方向に拡幅されている。図7は、吸気ポート49、排気ポート51および燃焼室48の形状を図5に示す矢印A方向から見た斜視図である。図7に示すように、吸気ポート49の平坦部49cは、上流側から下流側(開口部49aから開口部49b)に向かうにしたがって徐々にその面積が広がる略三角形状に形成されている。また、拡幅部49dの幅Wは、平坦部49cが形成されている範囲の略中央が最も広く、その前後で徐々に略円形状に戻るように形成されている。
次に、図5を参照して上述したように構成される吸気バルブ50、排気バルブ52および吸気ポート49を用いて混合気を燃焼室48に流入させるときの混合気の流れについて説明する。
まず、吸気ポート49に流入した混合気は、通路の中央に向かうにしたがって、左右方向に長い略楕円状に形成された拡幅部49dによって、拡幅部49dに沿った流れに変化する。すなわち、拡幅部49dには平坦部49cが形成されていることから、より多くの混合気はこの平坦部49cに沿った流れに変化する。その後、混合気は、吸気ポート49の開口部49bと吸気バルブ50の傘裏部50dとの間を通って燃焼室48に流入する。燃焼室48に流入する混合気のうち、排気バルブ52側に向かう混合気は、排気バルブ52の傘表部52eの平坦面によって燃焼室48内に案内されるために流れが整流され円滑になる。そのため、混合気の速度が減速することなく、燃焼室48に案内されるために燃焼室48内に図5の二点鎖線で示すような反時計回りの湾曲状に流れるタンブル流を発生させることができ、燃焼室48内の混合気をかき混ぜることができる。なお、混合気が吸気ポート49の開口部49bと吸気バルブ50の傘裏部50dとの間を通るとき、吸気バルブ50の傘裏部50dの第1テーパ部50d1のうち排気バルブ52側の部分は、混合気を排気バルブ52の傘表部52eの平坦面に案内する役割を有する。一方、吸気バルブ50の傘裏部50dの第2テーパ部50d2は、混合気を燃焼室48内に円滑に案内する役割を有する。
また、上述したように排気バルブ52の傘表部52eの平坦面と吸気ポート49に形成された平坦部49cとは略平行である。したがって、排気バルブ52の平坦面に案内される混合気は、吸気ポート49に形成された平坦部49cによって予め平行に整流させているために混合気の流れを円滑になり、より速度の速いタンブル流を発生させることができ、タンブル流を強化させることができる。
一方、上述したように吸気バルブ50の傘表部50eに凹部50fが形成されていることから、燃焼室48内に発生したタンブル流は、凹部50fの表面によって案内されるために、湾曲状の流れとなり、タンブル流の減衰を抑制することができる。
また、混合気が燃焼されることで生成された排気ガスは、排気バルブ52が押し下げられると共にピストン44が上昇することで排気ポート51の開口部51bと排気バルブ52の傘裏部52dとの間を通って排気される。このとき、排気バルブ52の傘表部52eが平坦面であることから、例えば排気バルブ52の傘表部52eに凹部が形成されている場合に比べて、燃焼室48の排気ガスを抵抗なく円滑に排気することができる。
このように、排気バルブ52の傘表部52eを平坦面にして、吸気バルブ50の傘表部50eを凹部50fとすることで、燃焼効率が向上すると共に吸排気を円滑に行うことができる。
次に、上述したように構成される本実施形態のエンジン40による混合気の速度と比較例のエンジンによる混合気の速度とを図8Aおよび図8Bを参照して説明する。
図8Aは、本実施形態のエンジン40における混合気の速度分布を示す図である。一方、図8Bは、比較例のエンジンにおける混合気の速度分布を示す図である。ここで、比較例のエンジン80は、吸気バルブ81の傘表部と排気バルブ82の傘表部との何れも凹部81a、82aを形成している。図8Aおよび図8Bでは、混合気の速度分布を濃淡で示し、濃度が濃い領域は混合気の速度が速く、濃度が薄い領域(白抜きの領域)は混合気の速度が遅いことを示している。図8Aおよび図8Bにおいて、同一の濃度の領域は、同一の速度分布である。図8Aおよび図8Bは、何れもシミュレーションによって得られた結果である。
図8Aに示す本実施形態のエンジン40の燃焼室48は、図8Bに示す比較例のエンジン80の燃焼室83に比べて濃度が濃い領域の面積が大きい。すなわち、本実施形態のエンジン40を用いることで、燃焼室48内に速度の速いタンブル流を発生させることができる。したがって、燃焼室48内の混合気はよりかき混ぜられ、燃焼効率を向上させることができる。
次に、本実施形態のエンジン40の燃焼室48内で発生したタンブル流と、比較例のエンジン80の燃焼室83内で発生したタンブル流とを図9Aおよび図9Bを参照して説明する。
図9Aは、本実施形態のエンジン40における圧縮工程のタンブル流を示す図である。一方、図9Bは、比較例のエンジン80における圧縮工程のタンブル流を示す図である。図9Aおよび図9Bでは、タンブル流の流れの方向を矢印で示し、タンブル流の速度を矢印の長さで示している。図9Aおよび図9Bは、何れもシミュレーションによって得られた結果である。
図9Aに示すタンブル流は、図9Bに示すタンブル流に比べて、タンブル流の速度が速い。すなわち、本実施形態のエンジン40では、ピストン44が上昇して混合気が圧縮されたとしても、タンブル流の減衰を抑制することができる。したがって、圧縮工程において混合気が圧縮された場合であっても、タンブル流が維持されていることで、燃焼効率を向上させることができる。
次に、本実施形態のエンジン40による出力改善率について図10を参照して説明する。図10は、比較例のエンジン80と比べた本実施形態のエンジン40の出力改善率を示すグラフである。図10は、横軸がエンジン回転数であり、縦軸がエンジン出力改善率を示している。図10に示すように、本実施形態のエンジン40では、何れのエンジン回転数でもエンジン出力が改善されている。出力改善率は略1%〜略2.5%であった。このように、上述したようなエンジン40の構成によって燃焼効率が向上することが実証できた。
次に、本実施形態のエンジン40による流量係数改善率について図11を参照して説明する。図11は、比較例のエンジン80と比べた本実施形態のエンジン40の流量係数改善率を示すグラフである。図11は、横軸が排気バルブ52のリフト量であり、縦軸が流量係数改善率を示している。図11に示す流量係数は、排気ガスが燃焼室48から排気ポート51に排気されるときの流量係数の改善率であり、定常流試験機を用い圧力損失を測定することで算出する。本実施形態のエンジン40では、何れの排気バルブ52のリフト量でも流量係数が改善されている。流量係数改善率は略1.5%〜略3%である。このように、上述したようなエンジン40の構成、具体的には排気バルブ52の傘表部52eを平坦面にしたことによって排気が円滑に行われていることが実証できた。
次に、本実施形態のエンジン40によるポンピングロス改善率について図12を参照して説明する。図12は、比較例のエンジン80と比べた本実施形態のエンジン40のポンピングロス改善率を示すグラフである。図12は、横軸がエンジン回転数であり、縦軸がポンピングロス改善率を示している。図12に示すポンピングロスは、燃焼室48内の圧力と体積とから圧力−体積線図を作成し、吸排気損失部分の面積からポンピングロスを算出する。本実施形態のエンジン40では、何れのエンジン回転数でもポンピングロスが改善されている。ポンピングロス改善率は略3%〜略7%である。このように、上述したようなエンジン40の構成によって吸排気が円滑に行われることが実証できた。
このように、本実施形態のエンジン40では、傘表部50eの少なくとも一部に凹部50fを形成した吸気バルブ50と傘表部52eに平坦面を形成した排気バルブ52とを組み合わせる簡単な形状により、燃焼室48に流入した混合気を燃焼室48内で整流させて速度の速いタンブル流を発生させることができると共に燃焼室48内で燃焼された排気ガスを円滑に排気させることができる。結果として、燃焼効率を向上させることができ、燃費を向上させることができる。
以上、本発明を上述した実施形態を用いて説明したが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。例えば、本実施形態では、単気筒のエンジンに用いる場合について説明したが、この場合に限られず、複数気筒のエンジンに用いることができる。また、本実施形態では、1気筒につき吸気バルブ50と排気バルブ52とがそれぞれ一つずつの2バルブのエンジンについて説明したが、この場合に限られず、1気筒につき吸気バルブと排気バルブとがそれぞれ2つずつの4バルブのエンジンにも用いることができる。
また、本実施形態では、内燃機関をスクータ型自動二輪車に用いる場合について説明したが、この場合に限られず、自動車をはじめ他の車両等にも用いることができる。
100:自動二輪車 40:エンジン 41:クランクケース 42:クランクシャフト43:シリンダブロック 44:ピストン 47:シリンダヘッド 48:燃焼室 49:吸気ポート 49a:開口部 49b:開口部 49c:平坦部 49d:拡幅部 50:吸気バルブ 50b:傘部 50d:傘裏部 50e:傘表部 50f:凹部 51:排気ポート 52:排気バルブ 52b:傘部 52d:傘裏部 52e:傘表部 55:バルブガイド 56:シリンダヘッドカバー 57:スプリングリテーナ 58:スプリングシート 59:バルブスプリング 60:バルブシート 61:カムシャフト 62:カム 64:ロッカシャフト 65:ロッカアーム

Claims (2)

  1. 燃焼室に混合気を流入させる吸気バルブと混合気が燃焼された排気ガスを前記燃焼室から排気させる排気バルブとを備える内燃機関であって、
    1気筒につき、傘表部の中央に凹部を形成した前記吸気バルブと、傘表部に平坦面を形成した前記排気バルブとがそれぞれ1つずつ組み合わされ
    前記吸気バルブが配設される吸気ポートの上側の内壁面は、側面視において、前記吸気バルブの軸部よりも上流側には前記排気バルブの傘表部の平坦面と略平行な平坦部が形成され、前記吸気バルブの軸部よりも下流側が前記平坦部の下流端から前記平坦部を延長させた延長線よりも湾曲状に凹ませて形成されていることを特徴とする内燃機関。
  2. 記平坦部は、上流側から下流側に向かうにしたがって徐々にその面積が広がる略三角形状に形成され
    前記吸気ポートの通路の断面形状は、前記平坦部の平坦方向であって且つ混合気の流入する方向に対して直交する方向に拡幅する拡幅部が形成され、前記拡幅部から上流側および下流側に向かうにしたがって徐々に略円形状に戻るように形成され、
    前記拡幅部の幅は、前記平坦部が形成されている範囲の略中央が最も拡幅していることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関。
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