JP4562780B2 - ユニットスイング式エンジン - Google Patents

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Description

本発明は、後輪とともに揺動自在に車体によって支持されたユニットスイング式エンジンに関する。
水冷エンジンにおいては、ラジエータからの冷却水をシリンダに流した後、シリンダヘッドに通してラジエータに戻す構成が一般的に採用されている。
ところで、50ccエンジン等の小型エンジンを搭載する自動二輪車等においては、交通の流れに沿って走ることができる性能を得るためにエンジン出力の向上が求められ、そのためにはエンジンの体積効率の向上と摩擦損失の低減を図ることができる冷却構造が必要となる。
而して、エンジンの体積効率の向上を図るためには、シリンダヘッドの特に吸気通路近傍を冷却し、吸気の温度を下げてその比重量を上げる必要があり、又、エンジンの摩擦損失の低減を図るためには、シリンダの温度を一定以上に保ってオイルの粘度を下げ、ピストンとシリンダの摺動抵抗を低く抑える必要がある。
そこで、ラジエータからの冷却水を先ずシリンダヘッドに流して該シリンダヘッドを冷却した後、温度の高くなった冷却水をシリンダに導く構成が採用されている。
ところが、上記のような冷却水経路を採用する水冷エンジンにおいては、シリンダの温度を一定以上に保ってオイルの粘度を下げ、ピストンとシリンダの摺動抵抗を低く抑えることは可能であるが、シリンダヘッドを流れる吸気を冷却して体積効率を高めるには至らず、エンジン出力を効果的に高めるには不十分であった。
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、体積効率の向上、摩擦損失の低減等によってエンジン出力の向上を図ることができる水冷エンジンの冷却装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、後輪とともに揺動自在に車体によって支持されたユニットスイング式エンジンであって、前記ユニットスイング式エンジンは、シリンダ、シリンダヘッド、クランク軸、及び前記クランク軸が配されるクランクケースを有し、前記車体には、前記ユニットスイング式エンジンが懸架されるエンジン懸架ブラケットが固着され、前記シリンダは、前記クランクケースから前方に突出するように設けられ、前記ユニットスイング式エンジンに接続される吸気管は、車体側方視において、前記エンジン懸架ブラケットよりも前方に少なくとも一部が位置し、前記吸気管は、車体側方視において、前記シリンダヘッドより前方に配置されたエアクリーナから上方に立ち上がった後に車体後方へ折り曲げられるとともに、前記車体後方へ折り曲げられた位置よりも車体後方において、下方に折り曲げられて前記ユニットスイング式エンジンに接続され、前記シリンダに形成されたボアの中心線は、水平線に対して前方上向きに傾斜するとともに、前記クランク軸の中心に対して下方にオフセットしたことを特徴とする。
上記目的を達成するため、本発明は、ラジエータからの冷却水をシリンダヘッドを経てシリンダに流してこれらを冷却する水冷エンジンの冷却装置において、前記ラジエータからの冷却水をシリンダヘッドの吸気通路近傍に入れた後、シリンダヘッドを排気側に流して排気通路下部からシリンダの排気側に導き、シリンダの吸気側からラジエータに戻すよう構成したことを特徴とする。
従って、本発明によれば、ラジエータからの温度の低い冷却水が先ずシリンダヘッドの吸気ポート近傍に導かれるため、吸気が効果的に冷却されてその比重量が高められ、この結果、水冷エンジンの体積効率が高められてエンジン出力の向上が図られる。又、ラジエータからの温度の低い冷却水が先ず最初にシリンダヘッドに流されるため、放熱量が多く特に冷却したいシリンダヘッドが効率良く冷却され、耐ノック性が高められるために圧縮比を上げることができ、これによってもエンジン出力の向上を図ることができる。
更に、本発明によれば、シリンダヘッドを冷却して温度の上がった冷却水によってシリンダが冷却されるため、該シリンダとオイルの温度が一定以上に保たれ、オイルの粘度が下がるためにシリンダとピストンの摩擦損失が低く抑えられててエンジン出力が高められる。又、シリンダヘッドからの冷却水は、シリンダの温度の高い排気側に先に導かれて排気側の冷却に供されるため、シリンダ全体の温度が略均一となって該シリンダの変形が抑制され、シリンダとピストンとの隙間が小さく抑えられ、この隙間を通過するブローバイガスの量が低く抑えられる。
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、ラジエータからの冷却水をシリンダヘッドを経てシリンダに流してこれらを冷却する水冷エンジンの冷却装置において、前記ラジエータからの冷却水をシリンダヘッドの吸気通路近傍に入れた後、シリンダヘッドを排気側に流して排気通路下部からシリンダの排気側に導き、シリンダの吸気側からラジエータに戻すよう構成したため、体積効率の向上、摩擦損失の低減等によってエンジン出力の向上を図ることができるという効果が得られる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1はスクータ型自動二輪車1の側面図であり、図示のスクータ型自動二輪車1の車体前方上部にはヘッドパイプ2が位置しており、該ヘッドパイプ2内にはステアリング軸3が回動自在に挿通している。そして、このステアリング軸3の上端にはハンドル4が取り付けられ、同ステアリング軸3の下端にはフロントフォーク5が結着されており、該フロントフォーク5の下端部には前輪6が回転自在に軸支されている。
又、前記ヘッドパイプ2からはダウンチューブ7が車体後方に向かって斜め下方に延出した後、折り曲げられて車体方向に向かって略水平に延出しており、該ダウンチューブ7の途中からは左右一対のバックステー8が分岐して車体後方に向かって斜め上方に延設されている。
ところで、車体前部の前記ヘッドパイプ2、ダウンチューブ7等は樹脂製のフロントカバー9によって覆われており、該フロントカバー9の後半部は同じく樹脂製のレッグシールド10を構成している。
更に、前記ハンドル4の後方にはシート11が配置されており、該シート11とハンドル4との間には低床式のフートステップ12が設けられている。そして、このフートステップ12の斜め前下方の空間にはラジエータ13が配設されている。
又、上記フートステップ12の後方であって、前記シート11の下方には、動力ユニットとしてのユニットスイング式エンジン14が設けられている。
上記ユニットスイング式エンジン14は、車体の左側に配され、これは駆動源としての水冷エンジン15と不図示のVベルト式自動変速機及び減速機構を内蔵して成る伝動ケース16を一体化して構成され、伝動ケース16は水冷エンジン15の車体左側から車体後方に延び、その後端には後輪17が回転自在に軸支されている。
又、水冷エンジン15の左側方にはエアクリーナ18が配置されており、該エアクリーナ18の上部から延びる吸気管19は、上方に立ち上がった後に車体後方へ折り曲げられ、その端部にはキャブレタ20が取り付けられている。そして、キャブレタ20から車体方向へ延びる吸気管21は、下方の折り曲げられて前記水冷エンジン15の吸気系に接続されている。
他方、水冷エンジン15の下部の排気系から延びる排気管22は、車体後方に向かって車体の右側を後方に延設され、その端部には排気マフラー23が取り付けられている。
又、エンジン15の車体前方に配置された前記ラジエータ13から車体後方に向かって略水平に延びる冷却水配管24,25は、図示のように水冷エンジン15に接続されている。
以上の構成を有するユニットスイング式エンジン14は、前記バックステー8に固着されたエンジン懸架ブラケット26にリンク27を介して上下に揺動自在に支持されており、その後端は後輪17と共にリヤクッション28を介してバックステー8に支持されている。
他方、車体のシート11よりも下方の部位は樹脂製の車体カバー29によって覆われており、該車体カバー29内の前記ユニットスイング式エンジン14の上方には、上面が開口する収納ボックス30が配置され、その後方には燃料タンク31が配設されている。ここで、前記収納ボックス30はヘルメット32を収納するためのものであって、その底壁の前半部はヘルメット32の外形形状に合わせて円弧曲面状に成形されている。そして、この収納ボックス30上に前記シート11が支持され、シート11は、その前端が不図示のヒンジを中心として上下に回動して収納ボックス30を開閉する。
ここで、前記水冷エンジン15の構成の詳細を図2及び図3に基づいて説明する。図2及び図3はエンジンの縦断面図である。
前記水冷エンジン15は、4サイクル単気筒DOHCエンジンであって、そのシリンダ33とシリンダヘッド34は略水平に前傾されている。具体的には、図2に示すように、シリンダ33に形成されたボア35の軸中心線(以下、シリンダ軸線と称する)Mは、水平線Hに対して上方に角度θだけ傾斜するとともに、クランク中心Oに対して下方にεだけオフセットされて。尚、角度θは、DOHCエンジン15において、図3に示すチェーン室36において最も下方に位置する部位からのオイル戻りが可能な値に設定されている。
前記シリンダ33に形成されたボア35にはピストン37が摺動自在に嵌挿されており、このピストン37はコンロッド38を介してクランク軸39に連結されている。ここで、クランク軸39は、前記伝動ケース16と一体を成すクランクケース40内に回転自在に図2の紙面垂直方向(車幅方向)に長く配されており、該クランク軸39のウェブ39aには前記コンロッド38の大端部がクランクピン41によって連結され、コンロッド38の小端部は、ピストンピン42を介してピストン37に連結されている。尚、ピストン37のシリンダボア35内での往復直線運動は、コンロッド38を介してクランク軸39の回転運動に変換される。
又、シリンダ33の端面に被着された前記シリンダヘッド34の上下部にはそれぞれ吸気通路43と排気通路44が形成されており、吸気通路43には前記吸気管21が接続され、排気通路44には前記排気管22が接続されている。そして、吸気通路43と排気通路44の燃焼室Sへの開口部である吸気ポートと排気ポートは、吸気バルブ45と排気バルブ46によってそれぞれ適当なタイミングで開閉され、これによってシリンダボア35内で所要のガス交換がなされる。尚、シリンダヘッド34には点火プラグ48が螺着されており、該点火プラグ48の電極部は燃焼室Sの頂部に臨んでいる。
ここで、水冷エンジン15においては、吸気バルブ45と排気バルブ46を開閉駆動する動弁機構としてDOHC(ツインカム)形式が採用されているが、以下、この動弁機構の構成と作用について説明する。
前記吸気バルブ45と排気バルブ46は、シリンダヘッド34に圧入されたバルブガイド49,50にそれぞれ摺動自在に挿通支持されており、これらはバルブスプリング51,52によって常時閉じ側に付勢されている。
又、シリンダヘッド34の上下部には、ロッカアーム53,54がロッカ軸55,56によってそれぞれ回動自在に支持されており、各ロッカアーム53,54の先端は吸気バルブ45と排気バルブ46の頂部にそれぞれ当接している。そして、シリンダヘッド34の上下部のロッカアーム53,54の近傍には、車幅方向(図2の紙面垂直方向)に延びる吸気カム軸57と排気カム軸58がそれぞれ回転自在に支持されており、これらに一体に形成された吸気カム57aと排気カム58aはそれぞれロッカアーム53,54の背面部に当接している。尚、吸気カム軸57と排気カム軸58は、シリンダヘッド34に被着されたヘッドカバー59によって覆われている。
ところで、図3に示すように、前記吸気カム軸57と排気カム軸58の各一端には、同径のチェーンスプロケット60,61がボルト62,63によってそれぞれ取り付けられており、これらのチェーンスプロケット60,61と前記クランク軸39の一端に取り付けられた小径のチェーンスプロケット64には無端状のカムチェーン65が巻装されている。尚、図3において、66はカムチェーン65に所定のテンションを付与するためのチェーンテンショナ、67,68はカムチェーン65の振れを防ぐためのチェーンガイドである。
而して、水冷エンジン15の駆動中、クランク軸39の回転はチェーンスプロケット64、カムチェーン65及びチェーンスプロケット60,61を経て1/2に減速されて吸気カム軸57と排気カム軸58にそれぞれ伝達され、これらの吸気カム軸57と排気カム軸58が回転駆動される。すると、吸気カム軸57と排気カム軸58に形成された吸気カム57aと排気カム58aがそれぞれ適当なタイミングでロッカアーム53,54を押圧し、これによってロッカアーム53,54がロッカ軸55,56を中心に回動してそれぞれ吸気バルブ45と排気バルブ46を押し開くため、前述のようにシリンダボア35内で所要のガス交換がなされる。
次に、水冷エンジン15の作用について説明する。
水冷エンジン15が始動されると、ピストン37がシリンダボア35内を斜めに下降する吸気行程において発生する吸気負圧に引かれて新気がエアクリーナ18内に吸引され、この吸引された新気は、エアクリーナ18において浄化された後、吸気管19を通ってキャブレタ20に導入される。キャブレタ20においては、ここを流れる新気に噴霧状の燃料が混合されることによって所定の空燃比(A/F)の混合気が形成され、この混合気は吸気管21とシリンダヘッド34の吸気通路43及び開状態にある吸気バルブ45を通ってシリンダボア35内に流入される。尚、吸気行程においては、排気バルブ46は閉じられている。
そして、ピストン37が下死点(BDC)を過ぎて上昇する圧縮行程に移行すると、吸気バルブ45が閉じられ、混合気は、シリンダボア35内でピストン37によって圧縮され、ピストン37が上死点(TDC)に達する直前に点火プラグ48によって着火燃焼せしめられる。すると、混合気の燃焼によって発生する高圧を受けてピストン37がシリンダボア35内を下降する爆発(仕事)行程に移行し、ピストン37が下死点を過ぎて上昇する排気行程において排気バルブ46が開くと、高温・高圧の排気ガスがシリンダヘッド34の排気通路44へと排出され、排気ガスは排気管22及び排気マフラー23を通って大気中に排出される。
以後、同様の行程が繰り返されて水冷エンジン15が連続運転され、前述のようにピストン37のシリンダボア35内での往復直線運動はコンロッド38によってクランク軸39の回転運動に変換されるため、このクランク軸39の回転が伝動ケース16に内蔵された不図示のVベルト式自動変速機及び減速機構を経て後輪17に伝達される。この結果、後輪17が回転駆動されてスクータ型自動二輪車1が所定の速度で走行せしめられる。
次に、水冷エンジン15の冷却装置の詳細を図4〜図10に基づいて説明する。尚、図4は本発明に係る冷却装置の冷却水経路を示す水冷エンジンの縦断面図、図5は水冷エンジンの一部を破断した右側面図、図6は図4のA−A線断面図、図7は図4のB−B線断面図、図8は図4のC−C線断面図、図9は図8のD−D線断面図、図10は図8のE−E線断面図である。
図5及び図6に示すように、エンジン15のヘッドカバー59の一端面(右端面)には、冷却水ポンプ70が前記排気カム軸58と同軸で配されている。ここで、冷却水ポンプ70は、排気カム軸58と同軸に配されたポンプ軸71の一端にインペラ72を直結して構成されており、ポンプ軸71は、ヘッドカバー59の一端面に組み込まれたポンプハウジング73に回転自在に支持され、その他端は排気カム軸58の一端に凹凸嵌合によって連結されている。尚、ポンプ軸71の外周にはシール部材74が摺接している。
又、前記インペラ72は、ポンプハウジング73に被着されたポンプカバー75によって覆われており、ポンプカバー75には冷却水をインペラ72に対して軸方向に導く冷却水通路75aが一体に形成されており、該冷却水通路75aには、前記ラジエータ13の出口側から延びる前記冷却水配管24(図1参照)が接続されている。そして、このポンプカバー75のインペラ72を囲む周囲にはスクロール室76が形成されており、このスクロール室76の出口はポンプハウジング73に形成された冷却水通路73aに接続されている。尚、スクロール室76は、ポンプ軸71の外周に摺接する前記シール部材74によってシールされている。
他方、図4及び図7〜図10に示すように、シリンダヘッド34の吸気通路43と排気通路44及び点火プラグ48の周囲にはウォータジャケット77が形成されており、又、シリンダ33のシリンダボア35の周囲にはウォータジャケット78が形成されている。そして、シリンダヘッド34に形成された前記ウォータジャケット77の排気側の下部はシリンダ33に形成された前記ウォータジャケット78の排気側の下部に連通している。尚、図8に示すように、シリンダヘッド34には、ウォータジャケット77を流れる冷却水の流れを点火プラグ48側に偏向させるためのリブ34aが左右に形成されている。
而して、シリンダヘッド34の吸気側(上側)の側部には、前記ウォータジャケット77に開口する円孔状の冷却水入口77aが形成されており、この冷却水入口77aにはポンプハウジング73に形成された前記冷却水通路73aが接続されている。又、シリンダ33の吸気側(上側)の側部には、前記ウォータジャケット78に開口する円孔状の冷却水出口78aが形成されており、この冷却水出口78aには図6に示すようにプラグ79が取り付けられており、このプラグ79には前記冷却水配管25(図1参照)の一端が接続され、冷却水配管25の他端は前記ラジエータ13(図1参照)の入口に接続されている。
以上のような冷却水経路を備える冷却水装置においては、ラジエータ13からの冷却水は、シリンダヘッド34の吸気通路43の近傍に入れられた後、シリンダヘッド34のウォータジャケット77を排気側に向かって下方に流れ、排気通路44の下部からシリンダ33のウォータジャケット78の排気側に導入され、シリンダ33の吸気側からラジエータ13に戻される。
即ち、水冷エンジン15が始動されて前述のように排気カム軸58が回転駆動されると、該排気カム軸58に連結された冷却水ポンプ70のポンプ軸71とこれに直結されたインペラ72が同速度で回転駆動され、ラジエータ13において冷却された温度の低い冷却水が冷却水配管24を通ってポンプカバー75の冷却水通路75aから冷却水ポンプ70のインペラ72に軸方向に吸引される。そして、冷却水はインペラ72によって昇圧されてスクロール室76の出口からポンプハウジング73の冷却水通路73aへと流れ、シリンダヘッド34の吸気側に形成された冷却水入口77aから先ずシリンダヘッド34内へと導かれる。
シリンダヘッド34においては、温度の低い冷却水はウォータジャケット77を吸気側(上側)から排気側(下側)へと流れ、先ず最初に吸気通路43の近傍を冷却した後、排気側に向かって下方に流れて点火プラグ48及び排気通路44の近傍を冷却する。このようにシリンダヘッド34のウォータジャケット77を吸気側から排気側に向かって流れて各部を冷却した温度の高い冷却水は、シリンダヘッド33の排気通路44の下部からシリンダ33のウォータジャケット78の排気側に導入され(図9及び図10参照)、ウォータジャケット78を排気側から吸気側(下方から上方)へ流れる過程でシリンダ33のシリンダボア35周りを冷却する。そして、最後に冷却水は、シリンダ33の側部に形成された冷却水出口78aからシリンダ33外へと排出され、冷却水配管25を通ってラジエータ13へと戻され、ラジエータ13において走行風との熱交換によって冷却され、以後、前述と同様の冷却水経路を連続的に流れて水冷エンジン15の各部を冷却する。
以上のように、本発明に係る冷却装置においては、ラジエータ13からの温度の低い冷却水が先ずシリンダヘッド34の吸気通路43近傍に導かれるため、吸気(混合気)が効果的に冷却されてその比重量が高められ、この結果、水冷エンジン15の体積効率が高められてエンジン出力の向上が図られる。
又、ラジエータ13からの温度の低い冷却水が先ず最初にシリンダヘッド34に流されるため、放熱量が多く特に冷却したいシリンダヘッド34が効率良く冷却され、耐ノック性が高められるために圧縮比を上げることができ、これによってもエンジン出力の向上を図ることができる。
更に、本発明によれば、シリンダヘッド34を冷却して温度の上がった冷却水によってシリンダ33が冷却されるため、該シリンダ33とオイルの温度が一定以上に保たれ、オイルの粘度が下がるためにシリンダ33とピストン37の摩擦損失(摺動抵抗)が低く抑えられててエンジン出力が高められる。
又、シリンダヘッド34からの冷却水は、シリンダ33の温度の高い排気側に先に導かれて排気側の冷却に供されるため、シリンダ33全体の温度が略均一となって該シリンダ33の変形が抑制され、シリンダボア35とピストン37との隙間が小さく抑えられ、この隙間を通過するブローバイガスの量が低く抑えられる。
尚、本実施の形態では、冷却水ポンプ70を排気カム軸58で駆動する構成を採用したが、吸気カム軸57で冷却水ポンプ70を駆動しても良いことは勿論である。
スクータ型自動二輪車の側面図である。 水冷エンジンの縦断面図である。 水冷エンジンの縦断面図である。 本発明に係る冷却装置の冷却水経路を示す水冷エンジンの縦断面図である。 水冷エンジンの一部を破断した右側面図である。 図4のA−A線断面図である。 図4のB−B線断面図である。 図4のC−C線断面図である。 図8のD−D線断面である。 図8のE−E線断面図である。
符号の説明
13 ラジエータ、
15 水冷エンジン、
33 シリンダ、
34 シリンダヘッド、
43 吸気通路
44 排気通路、
70 冷却ポンプ、
77,78 ウォータジャケット

Claims (1)

  1. 後輪とともに揺動自在に車体によって支持されたユニットスイング式エンジンであって、
    前記ユニットスイング式エンジンは、シリンダ、シリンダヘッド、クランク軸、及び前記クランク軸が配されるクランクケースを有し、
    前記車体には、前記ユニットスイング式エンジンが懸架されるエンジン懸架ブラケットが固着され、
    前記シリンダは、前記クランクケースから前方に突出するように設けられ、
    前記ユニットスイング式エンジンに接続される吸気管は、車体側方視において、前記エンジン懸架ブラケットよりも前方に少なくとも一部が位置し、
    前記吸気管は、
    車体側方視において、前記シリンダヘッドより前方に配置されたエアクリーナから上方に立ち上がった後に車体後方へ折り曲げられるとともに、
    前記車体後方へ折り曲げられた位置よりも車体後方において、下方に折り曲げられて前記ユニットスイング式エンジンに接続され、
    前記シリンダに形成されたボアの中心線は、水平線に対して前方上向きに傾斜するとともに、前記クランク軸の中心に対して下方にオフセットしたことを特徴とするユニットスイング式エンジン。
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